JP2711434B2 - すべり軸受の保持構造 - Google Patents

すべり軸受の保持構造

Info

Publication number
JP2711434B2
JP2711434B2 JP6334000A JP33400094A JP2711434B2 JP 2711434 B2 JP2711434 B2 JP 2711434B2 JP 6334000 A JP6334000 A JP 6334000A JP 33400094 A JP33400094 A JP 33400094A JP 2711434 B2 JP2711434 B2 JP 2711434B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sliding
bearing
thermal expansion
sliding sleeve
spacer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP6334000A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08170646A (ja
Inventor
比佐志 衣笠
浩 鈴木
豊 酒造
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Pillar Packing Co Ltd
Original Assignee
Nippon Pillar Packing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Pillar Packing Co Ltd filed Critical Nippon Pillar Packing Co Ltd
Priority to JP6334000A priority Critical patent/JP2711434B2/ja
Publication of JPH08170646A publication Critical patent/JPH08170646A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2711434B2 publication Critical patent/JP2711434B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高温環境下で使用さ
れるすべり軸受の保持構造に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、
油、薬品等の高温流体を取り扱うポンプ、或いは高温環
境下で使用される各種回転装置においては、回転軸Sを
支持するために、セラミックス製の円筒体からなるすべ
り軸受91が多用されている(図参照)。このすべり
軸受91は、その外周に密嵌された金属製の保持部材9
2によって所定位置に保持されるものであり、上記すべ
り軸受91の内周に、金属製の回転軸Sを相対回転自在
に嵌合することにより、当該回転軸Sをすべり支承する
ことができる。また、上記すべり軸受91の素材である
セラミックスとしては、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケ
イ素(Si)、酸化アルミニウム(Al
)、酸化ジルコニウム(ZrO)等が採用され
ており、保持部材92の素材としては、上記すべり軸受
91よりも熱膨張係数の大きい、炭素鋼、ステンレス
鋼、銅合金、アルミニウム合金等が採用されている。
【0003】ところで、上記保持部材92は、一般に焼
嵌めによってすべり軸受91に嵌合されているが、保持
部材92の熱膨張係数がすべり軸受91の熱膨張係数よ
りも大きいので、例えば100°C以上の高温環境下に
おいては、保持部材92がすべり軸受91よりも径方向
に大きく膨張して、当該すべり軸受91に対する保持力
が失われる結果、いわゆる共回り現象が生じて、保持部
材92が摩耗したり、異常振動が生じたりするという問
題があった。このため、上記すべり軸受91と保持部材
92との間に、回り止め用のピン又はキーを介在させる
ことも行われているが、この場合には、駆動トルクが回
り止め部位に集中して、当該部位が破損するおそれがあ
った。そこで、上記すべり軸受91を、その熱膨張係数
が保持部材92の熱膨張係数に近似する銅合金等によっ
て形成したものもあるが、この場合には、耐摩耗性に劣
るという欠点があった。さらに、常温時においても、上
記焼嵌めされた保持部材92の収縮に伴って、すべり軸
受91に中心方向へ向かう過大な負荷が作用し、当該す
べり軸受91が破損して、回転軸Sを円滑にすべり支承
することができないという問題も生じていた。
【0004】一方、図に示すように、セラミックス製
の摺動スリーブ91aの外周に、セラミックス製の軸受
部材91bを相対回転自在に嵌合した一対のすべり軸受
91を、軸方向に所定間隔離して配置し、これら一対の
すべり軸受91によって、回転軸Sを回転自在に支持す
ることも行われている。そして、この場合においては、
回転軸Sの途中部に段部S1を突設し、この段部S1に
対して、各摺動スリーブ91aの一端面を突き当てると
ともに、他端面を、回転軸Sに嵌合され、且つバックア
ップスリーブ94にてすべり軸受91から離反する方向
への移動が規制された一対のリテーナ93によって押圧
することにより、摺動スリーブ91aと回転軸Sとが共
回りするのを規制している。また、各軸受部材91bに
ついては、その外周に嵌合した筒状の保持部材92によ
って所定位置に保持されており、この保持部材92の内
周途中部に突設された段部92aに対して、軸受部材9
1bの一端面を突き当てるとともに、他端面を、スラス
ト板95を介して上記リテーナ93によって摺動自在に
押圧することにより、摺動スリーブ91aと軸受部材9
1bとが共回りするのを規制している。
【0005】ところが、上記すべり軸受91の保持構造
においては、例えば100°C以上の高温環境下で使用
した場合に、金属製の回転軸Sとセラミックス製の摺動
スリーブ91aとの熱膨張係数の差によって、摺動スリ
ーブ91aの一端面と、回転軸Sの段部S1との間、或
いは摺動スリーブ91aの他端面とリテーナ93との間
に隙間が生じ、当該リテーナ93によって摺動スリーブ
91aを押圧できなくなって、回転軸Sと摺動スリーブ
91aとが共回りするという問題があった。また、上記
保持部材92を、軸受部材91bよりも熱膨張係数の大
きい金属で形成したものについては、当該軸受部材91
bと保持部材92との熱膨張係数の差によって、軸受部
材91bの一端面と保持部材92の段部92aとの間、
或いは軸受部材91bの他端面とスラスト板95との間
に隙間が生じ、リテーナ93によって軸受部材91bを
押圧できなくなって、摺動スリーブ91aと軸受部材9
1bとが共回りするという問題があった。
【0006】この発明は上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、高温環境下で保持部材とすべり軸受とが共回
りするのを防止することができるとともに、保持部材の
収縮に伴って、すべり軸受が破損するのを防止すること
ができるすべり軸受の保持構造を提供することを目的と
する。またこの発明は、高温環境下において、すべり軸
受の摺動スリーブと回転軸とが共回りするのを防止する
ことができるすべり軸受の保持構造を提供することを目
的とする。さらにこの発明は、高温環境下において、す
べり軸受の摺動スリーブと軸受部材とが共回りするのを
防止することができるすべり軸受の保持構造を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1に係るすべり軸受の保持構造は、金属製の回
転軸を相対回転自在に嵌合させるセラミックスからなる
円筒状のすべり軸受を、当該すべり軸受よりも熱膨張係
数の大きい金属からなる保持部材によって保持するすべ
り軸受の保持構造において、上記すべり軸受の外周と保
持部材の内周との間に、保持部材よりも熱膨張係数の大
きい金属からなる環状のスペーサを複数個介在してお
り、 各スペーサは、軸方向に延びてその周方向の熱膨張
を吸収する隙間を備えるとともに、それぞれの隙間の位
相をずらした状態で、軸方向に沿って配列されている
とを特徴とするものである。
【0008】請求項2に係るすべり軸受の保持構造は、
セラミックスからなる摺動スリーブの外周に、セラミッ
クスからなる円筒状の軸受部材を相対回転自在に嵌合し
ている一対のすべり軸受を、軸方向に所定間隔離して配
置し、上記摺動スリーブの内周に、当該摺動スリーブよ
りも熱膨張係数の大きい金属からなる回転軸を嵌合して
いるとともに、各摺動スリーブの端面を押圧することに
より、当該摺動スリーブと回転軸との相対回転を規制し
ているすべり軸受の保持構造において、 各摺動スリーブ
の互いに対向する端面間に、回転軸よりも熱膨張係数の
大きい金属からなる筒状のスペーサを介在したことを
徴とするものである。
【0009】請求項3に係るすべり軸受の保持構造は、
請求項に係るすべり軸受の保持構造において、上記ス
ペーサと各摺動スリーブとの接触面がテーパ面であるこ
とを特徴とするものである。
【0010】請求項に係るすべり軸受の保持構造は、
セラミックスからなる摺動スリーブの外周に、セラミッ
クスからなる円筒状の軸受部材を相対回転自在に嵌合し
ている一対のすべり軸受を、軸方向に所定間隔離して配
置し、上記摺動スリーブの内周に、当該摺動スリーブよ
りも熱膨張係数の大きい金属からなる回転軸を嵌合して
いるとともに、各軸受部材の外周を、当該軸受部材より
も熱膨張係数の大きい金属からなる保持部材に嵌合し、
各摺動スリーブ及び軸受部材の端面をそれぞれ押圧する
ことにより、当該摺動スリーブと回転軸との相対回転、
及び軸受部材と保持部材との相対回転を規制しているす
べり軸受の保持構造において、各摺動スリーブの互いに
対向する端面間に、回転軸よりも熱膨張係数の大きい金
属からなる筒状の第1のスペーサを介在し、各軸受部材
の互いに対向する端面間に、保持部材よりも熱膨張係数
の大きい金属からなる筒状の第2のスペーサを介在した
ことを特徴とするものである。
【0011】
【作用】請求項1に係るすべり軸受の保持構造によれ
ば、上記すべり軸受と保持部材との間に介在したスペー
サが、保持部材よりも熱膨張係数の大きい金属からなる
ので、高温環境下におけるすべり軸受と保持部材との径
方向の熱膨張量の差を、当該スペーサの径方向厚みの熱
膨張によって補うことができる。このため、高温環境下
においても、保持部材によってすべり軸受を確実に保持
しておくことができる。また、上記すべり軸受に対して
保持部材を焼嵌めした場合でも、その常温時に生じる収
縮力が、スペーサによって緩和されてすべり軸受に作用
することになる。このため、上記保持部材の収縮によっ
てすべり軸受に過大な負荷が作用するのを防止すること
ができる。
【0012】さらに、上記スペーサの隙間によって、そ
の周方向の熱膨張を吸収することができる。このため、
スペーサの円周方向の熱膨張が規制されることによって
当該スペーサが径方向に過度に膨張するのを防止するこ
とができる。しかも、軸方向に沿って配列した複数個の
スペーサの、それぞれの軸方向に延びる隙間の位相をず
らしているので、上記保持部材の収縮力が、すべり軸受
の円周上の特定部分に集中的に作用するのを防止するこ
とができる。
【0013】請求項に係るすべり軸受の保持構造によ
れば、各摺動スリーブの互いに対向する端面間に介在し
たスペーサが、回転軸よりも熱膨張係数の大きい金属か
らなるので、高温環境下における回転軸と摺動スリーブ
との軸方向の熱膨張量の差を、当該スペーサの軸方向の
熱膨張によって補うことができる。このため、高温環境
下においても、摺動スリーブの端面を確実に押圧してお
くことができる。請求項に係るすべり軸受の保持構造
によれば、上記スペーサと各摺動スリーブとの接触面が
テーパ面であるので、各摺動スリーブの相互間で相対回
転が生じるのを規制することができる。このため、各摺
動スリーブに作用する負荷や摺動抵抗等の差に起因し
て、何れか一方の摺動スリーブが回転軸と共回りするの
を防止することができる。
【0014】請求項に係るすべり軸受の保持構造によ
れば、各摺動スリーブの互いに対向する端面間に介在し
た第1のスペーサが、回転軸よりも熱膨張係数の大きい
金属からなるので、高温環境下における回転軸と摺動ス
リーブとの軸方向の熱膨張量の差を、当該スペーサの軸
方向の熱膨張によって補うことができる。また、各軸受
部材の互いに対向する端面間に介在した第2のスペーサ
が、保持部材よりも熱膨張係数の大きい金属からなるの
で、高温環境下における保持部材と軸受部材との軸方向
の熱膨張量の差を、当該第2のスペーサの軸方向の熱膨
張によって補うことができる。このため、高温環境下に
おいても、各摺動スリーブ及び軸受部材のそれぞれの端
面を確実に押圧しておくことができる。
【0015】
【実施例】以下この発明の実施例について、添付図面を
参照しながら詳述する。図1はこの発明のすべり軸受の
保持構造の一実施例を示す断面図であり、図2は前図の
II−II線断面図である。このすべり軸受の保持構造は、
回転軸Sを相対回転自在に嵌合させるすべり軸受1を、
スペーサ3を介して保持部材2によって保持しているも
のである。上記すべり軸受1は、熱膨張係数の小さいセ
ラミックス製の円筒体単体で構成されている。このすべ
り軸受1の素材であるセラミックスとしては、SiC、
Si3 4 、Al2 3 、ZrO2 等が採用される。
【0016】保持部材2は、少なくとも先端部が円筒状
に形成されており、その内奥部の内周にすべり軸受1及
びスペーサ3の一端面を突き当てるための段部21が形
成されている。この保持部材2は、焼嵌めによってその
内周をスペーサ3の外周に対して密嵌させてある。この
保持部材2の材質としては、上記すべり軸受1よりも熱
膨張係数の大きい、炭素鋼、ステンレス鋼、銅合金、ア
ルミニウム合金等の金属が採用されている。
【0017】スペーサ3は、細幅の環状体で構成されて
おり、その内周がすべり軸受1の外周に対して密嵌され
ている。このスペーサ3は、軸方向に互いに密着された
状態で複数個配列されている。各スペーサ3には、その
円周上の一箇所に形成した軸方向全長に延びるスリット
によって隙間Cが構成されており、これにより、スペー
サ3の周方向の熱膨張を吸収できるようになっている。
また、各スペーサ3は、それぞれの隙間Cが円周方向に
おいて一致しないように相互に位相をずらした状態で配
列されている。 上記スペーサ3の材質は、炭素鋼、ステ
ンレス鋼、銅合金、アルミニウム合金等、上記保持部材
2と同様な金属が採用されるが、その熱膨張係数が保持
部材2よりも大きくなるように、当該保持部材2の材質
に応じて適宜選択される。例えば保持部材2の材質が、
熱膨張係数が9.6×10〜11.7×10−1
の炭素鋼の場合には、熱膨張係数が17.3×10
−1のオーステナイト系のステンレス鋼や、熱膨張係数
が20×10−1以上の青銅、黄銅等の銅合金又は
アルミニウム合金が採用され、保持部材2の材質が上記
オーステナイト系のステンレス鋼の場合には、上記銅合
金又はアルミニウム合金が採用される。
【0018】以上の構成であれば、例えば100°C以
上の高温環境下において、すべり軸受1と保持部材2と
の熱膨張係数の差に起因する径方向の熱膨張量の差を、
両者間に介在したスペーサ3の径方向厚みの熱膨張によ
って補うことができる。このため、高温環境下において
も、保持部材2によってすべり軸受1を確実に保持し
て、回転軸Sとすべり軸受1とが共回りするのを防止す
ることができる。また、上記保持部材2の焼嵌めに伴う
収縮力を、スペーサ3によって緩和して、すべり軸受1
に過大な応力が作用するのを防止することができる。こ
のため、すべり軸受1が破損するのを防止することがで
きる。
【0019】上記スペーサ3は、その周方向の熱膨張を
吸収する隙間Cを備えるので、スペーサ3の円周方向の
熱膨張が規制された場合に生じる当該スペーサ3の径方
向の過度の膨張を抑制することができる。このため、上
記スペーサ3の熱膨張に伴ってすべり軸受1に大きな負
荷が作用して、当該すべり軸受1が歪むのを防止するこ
とができる。
【0020】しかも、各スペーサ3の隙間Cが円周方向
において相互に位置ずれしているので、保持部材2の焼
嵌めに伴う収縮力が、すべり軸受1の外周上の特定部位
に集中的に作用するのを抑制することができる。このた
め、上記収縮力によってすべり軸受1が破損したり歪ん
だりするのを効果的に防止することができる。
【0021】図はさらに他の実施例を示す断面図であ
る。この実施例においては、セラミックス製の摺動スリ
ーブ1aと、同じくセラミックス製の軸受部材1bとに
よって構成された一対のすべり軸受1によって、回転軸
Sを回転自在に支持している。上記一対のすべり軸受1
は、軸方向に所定間隔離して配置されており、各摺動ス
リーブ1aは、互いに対向する内奥側の端面間に円筒状
のスペーサ3を介在した状態で、回転軸Sに対して一体
回転可能に嵌合されている。また、各すべり軸受1の外
側の端面は、回転軸Sに嵌合された円板状のリテーナ4
によってそれぞれ押圧されており、これによって各摺動
スリーブ1が回転軸Sに対して相対回転するのが規制さ
れている。即ち、図において右側のリテーナ4は、回転
軸Sに嵌合されたバックアップスリーブ5を介して、回
転軸Sの所定部に係止されて、矢印X方向への移動が規
制されており、この状態で、左側のリテーナ4を、回転
軸Sに螺合されたナット6の締付力によって、バックア
ップスリーブ5を介して矢印X方向に押圧して、各摺動
スリーブ1a及びスペーサ3を、一対のリテーナ4によ
って挟み込むことによって、各摺動スリーブ1が回転軸
Sに対して相対回転するのが規制されている。
【0022】上記軸受部材1bは、円筒状のものであ
り、摺動スリーブ1aの外周に対して相対回転に自在に
嵌合されているとともに、その外周に焼嵌めされた円筒
状の保持部材2によって保持されている。また、各軸受
部材1bの内奥側の端面は、保持部材2の内周に形成さ
れた段部22に突き当てられており、外側の端面を、軸
受部材1bと同じ材料又は同等の耐摩耗性を有する材料
からなる環状のスラスト板7を介して上記リテーナ4に
よって摺動自在に押圧することにより、保持部材2との
相対回転が規制されている。上記保持部材2は、チタン
等の熱膨張係数が小さい金属によって構成されており、
その外周には取付け用のフランジ23が突設されてい
る。また、スペーサ3は、回転軸S、リテーナ4、バッ
クアップスリーブ5、及び保持部材2よりも熱膨張係数
の大きい金属で形成されている。
【0023】以上の構成であれば、高温環境下において
生じる回転軸Sと摺動スリーブ1aとの軸方向における
熱膨量の差を、回転軸Sよりも熱膨張係数の大きいスペ
ーサ3の熱膨張によって補うことができる。このため、
リテーナ4による摺動スリーブ1aの押圧状態を維持す
ることができる。従って、高温環境下においても、回転
軸Sと摺動スリーブ1aとが共回りするのを防止するこ
とができる。
【0024】なお、上記実施例において、一対の摺動ス
リーブ1とスペーサ3との接触面を、テーパ面で構成し
てもよく(図参照)、この場合には、スペーサ3及び
各摺動スリーブ1aの相互間で相対回転が生じるのを規
制することができる。このため、一方の摺動スリーブ1
aと他方の摺動スリーブ1aにそれぞれ作用する負荷や
摺動抵抗等の差に起因して、何れか一方の摺動スリーブ
1aが回転軸Sに対して相対回転しようとしても、これ
を他方の摺動スリーブ1aによって規制することができ
る。従って、摺動スリーブ1aと回転軸Sとが共回りす
るのをより確実に防止することができる。
【0025】また、この実施例においては、一対の摺動
スリーブ1の互いに対向する端面と、スペーサ3の端面
との間に、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)等の耐熱
性を有する樹脂からなる緩衝材8が介在されており、こ
の緩衝材8によって、摺動スリーブ1aとスペーサ3の
それぞれの突き合わせ側の端面が、割れたり欠けたりす
るのが防止されている。
【0026】図はさらに他の実施例を示す断面図であ
る。この実施例においては、上記保持部材2が、軸受部
材1bよりも熱膨張係数の大きい金属からなる一対の筒
状部材2aによって構成されているとともに、一対の軸
受部材1bの間に、上記筒状部材2aよりも熱膨張係数
の大きい金属からなる第2のスペーサ9が介在されてい
る。上記一対の筒状部材2aの突き合わせ端面側には、
フランジ23が設けられており、このフランジ23どう
しを、図示しないボルトによって連結することにより、
両者が一体化されている。また、この一体化に伴って、
各筒状部材2aの内周端部に突設された鍔部24の相互
間で、各軸受部材1bを第2のスペーサ9とともに挟み
込んで押圧しており、これによって、保持部材2と各軸
受部材1bとが相対回転するのが規制されている。な
お、摺動スリーブ1aの相互間に介在された上記スペー
サ(第1のスペーサ)3は、前記実施例と同様に、軸受
部材1bと同じ材料又は同等の耐摩耗性を有する材料か
らなるリテーナ4によって押圧されている。
【0027】この実施例によれば、高温環境下において
生じる回転軸Sと摺動スリーブ1aとの軸方向における
熱膨量の差を、第1のスペーサ3の熱膨張によって補っ
て、リテーナ4による摺動スリーブ1aの押圧状態を維
持することができる。このため摺動スリーブ1aと回転
軸Sとが共回りするのを防止することができる。また保
持部材2と軸受部材1bとの軸方向における熱膨量の差
を、第2のスペーサ9の熱膨張によって補って、保持部
材2による軸受部材1bの押圧状態を維持することがで
きる。このため摺動スリーブ1aと軸受部材1bとが共
回りするのを防止することができる。
【0028】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係るすべり軸
受の保持構造によれば、高温環境下におけるすべり軸受
と保持部材との径方向の熱膨張量の差を、両者間に介在
したスペーサの径方向厚みの熱膨張によって補うことが
できるので、高温環境下においても、保持部材によって
すべり軸受を確実に保持しておくことができる。このた
め、すべり軸受と回転軸とが共回りするのを防止するこ
とができ、ひいては、保持部材が摩耗したり異常振動が
生じたりするのを防止することができる。また、上記す
べり軸受に対して保持部材を焼嵌めした場合でも、その
常温時の収縮力をスペーサによって緩和して、すべり軸
受に過大な負荷が作用するのを防止することができる。
このため、すべり軸受が割れたり大きく歪んだりするの
を防止することができる結果、回転軸を円滑にすべり支
承することができる。
【0029】また、スペーサが備える隙間によって、そ
の周方向の熱膨張を吸収して、スペーサの円周方向の熱
膨張に伴う径方向の過度の膨張を抑制することができ
る。このため、上記スペーサの熱膨張に伴ってすべり軸
受に大きな負荷が作用するのを防止することができる結
果、回転軸をより円滑にすべり支承することができる。
【0030】しかも、軸方向に沿って配列した複数個の
スペーサの、それぞれの軸方向に延びる隙間の位相をず
らしているので、上記保持部材の収縮力を、すべり軸受
に対して分散させて付加することができる。このため、
すべり軸受が歪むのを抑制することができる結果、回転
軸をより円滑にすべり支承することができる。
【0031】請求項に係るすべり軸受の保持構造によ
れば、高温環境下における回転軸と摺動スリーブとの軸
方向の熱膨張量の差を、各摺動スリーブの相互間に介在
したスペーサの熱膨張によって補うことができるので、
高温環境下においても、摺動スリーブの端面を確実に押
圧して、摺動スリーブと回転軸とが共回りするのを防止
することができる。このため、回転軸が摩耗したり異常
振動が生じたりするのを防止することができる。
【0032】請求項に係るすべり軸受の保持構造によ
れば、上記スペーサと各摺動スリーブとの接触面がテー
パ面であるので、各摺動スリーブの相互間で相対回転が
生じるのを規制して、各摺動スリーブに作用する負荷や
摺動抵抗等の差に起因して、何れか一方の摺動スリーブ
が回転軸と共回りするのを防止することができる。従っ
て、摺動スリーブと回転軸とが共回りするのをより確実
に防止することができる。
【0033】請求項に係るすべり軸受の保持構造によ
れば、高温環境下における回転軸と摺動スリーブとの軸
方向の熱膨張量の差を、各摺動スリーブの相互間に介在
した第1のスペーサによって補うことができるととも
に、保持部材と軸受部材との軸方向の熱膨張量の差を、
各軸受部材の相互間に介在した第2のスペーサによって
補うことができる。このため、高温環境下においても、
各摺動スリーブ及び軸受部材のそれぞれの端面を確実に
押圧して、各摺動スリーブと回転軸との間、及び軸受部
材と保持部材との間で相対回転が生じるのを防止するこ
とができる。この結果、回転軸や保持部材か摩耗した
り、異常振動が生じたりするのを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のすべり軸受の保持構造の一実施例を
示す断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】他の実施例を示す断面図である。
【図4】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図5】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図6】従来例を示す断面図である。
【図7】他の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 すべり軸受 1a 摺動スリーブ 1b 軸受部材 2 保持部材 3 スペーサ(第1のスペーサ)9 第2のスペーサ S 回転軸 C 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒造 豊 京都府福知山市長田野町2丁目66番地の 3 日本ピラー工業株式会社福知山工場 内 (56)参考文献 特開 平4−119225(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属製の回転軸を相対回転自在に嵌合させ
    るセラミックスからなる円筒状のすべり軸受を、当該す
    べり軸受よりも熱膨張係数の大きい金属からなる保持部
    材によって保持するすべり軸受の保持構造において、 上記すべり軸受の外周と保持部材の内周との間に、保持
    部材よりも熱膨張係数の大きい金属からなる環状のスペ
    ーサを複数個介在しており、 各スペーサは、軸方向に延びてその周方向の熱膨張を吸
    収する隙間を備えるとともに、それぞれの隙間の位相を
    ずらした状態で、軸方向に沿って配列されている ことを
    特徴とするすべり軸受の保持構造。
  2. 【請求項2】セラミックスからなる摺動スリーブの外周
    に、セラミックスからなる円筒状の軸受部材を相対回転
    自在に嵌合している一対のすべり軸受を、軸方向に所定
    間隔離して配置し、上記摺動スリーブの内周に、当該摺
    動スリーブよりも熱膨張係数の大きい金属からなる回転
    軸を嵌合しているとともに、各摺動スリーブの端面を押
    圧することにより、当該摺動スリーブと回転軸との相対
    回転を規制しているすべり軸受の保持構造において、 各摺動スリーブの互いに対向する端面間に、回転軸より
    も熱膨張係数の大きい金属からなる筒状のスペーサを介
    在したことを特徴とするすべり軸受の保持構造。
  3. 【請求項3】上記スペーサと各摺動スリーブとの接触面
    がテーパ面である請求項記載のすべり軸受の保持構
    造。
  4. 【請求項4】セラミックスからなる摺動スリーブの外周
    に、セラミックスからなる円筒状の軸受部材を相対回転
    自在に嵌合している一対のすべり軸受を、軸方向に所定
    間隔離して配置し、上記摺動スリーブの内周に、当該摺
    動スリーブよりも熱膨張係数の大きい金属からなる回転
    軸を嵌合しているとともに、各軸受部材の外周を、当該
    軸受部材よりも熱膨張係数の大きい金属からなる保持部
    材に嵌合し、各摺動スリーブ及び軸受部材の端面をそれ
    ぞれ押圧することにより、当該摺動スリーブと回転軸と
    の相対回転、及び軸受部材と保持部材との相対回転を規
    制しているすべり軸受の保持構造において、 各摺動スリーブの互いに対向する端面間に、回転軸より
    も熱膨張係数の大きい金属からなる筒状の第1のスペー
    サを介在し、各軸受部材の互いに対向する端面間に、保
    持部材よりも熱膨張係数の大きい金属からなる筒状の第
    2のスペーサを介在したことを特徴とするすべり軸受の
    保持構造。
JP6334000A 1994-12-15 1994-12-15 すべり軸受の保持構造 Expired - Lifetime JP2711434B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6334000A JP2711434B2 (ja) 1994-12-15 1994-12-15 すべり軸受の保持構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6334000A JP2711434B2 (ja) 1994-12-15 1994-12-15 すべり軸受の保持構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08170646A JPH08170646A (ja) 1996-07-02
JP2711434B2 true JP2711434B2 (ja) 1998-02-10

Family

ID=18272381

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6334000A Expired - Lifetime JP2711434B2 (ja) 1994-12-15 1994-12-15 すべり軸受の保持構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2711434B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3343054A1 (en) 2016-12-28 2018-07-04 Grundfos Holding A/S Bearing retainer for multistage centrifugal pump

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE202010006089U1 (de) * 2010-04-27 2011-09-01 Brose Fahrzeugteile GmbH & Co. Kommanditgesellschaft, Würzburg Gleitlager
DE102012103133A1 (de) 2012-04-12 2013-10-17 CEROBEAR GmbH Vorrichtung zur Bandführung in einem heißen Medium (II)
EP3876668A4 (en) * 2018-10-31 2022-08-03 Kyocera Corporation HEATING APPLIANCE
CN110043559A (zh) * 2019-05-22 2019-07-23 山东豪迈机械制造有限公司 滑动轴承支撑结构、滑动轴承组件及反应器
US11754115B1 (en) * 2022-04-18 2023-09-12 Pratt & Whitney Canada Corp. Multi-material bushing for rotatably mounting a rotating structure to a stationary structure

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04119225A (ja) * 1990-09-04 1992-04-20 Kubota Corp すべり軸受

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3343054A1 (en) 2016-12-28 2018-07-04 Grundfos Holding A/S Bearing retainer for multistage centrifugal pump
WO2018121827A1 (en) 2016-12-28 2018-07-05 Grundfos Holding A/S Flexible bearing retainer for multistage centrifugal pump

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08170646A (ja) 1996-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0922891B1 (en) Rotary, reciprocating seals with internal metal band
EP0123421B1 (en) Valve stem packing assembly
US7905495B2 (en) Circumferential sealing arrangement
US4792244A (en) Ceramic bearing construction
US20100066027A1 (en) Intershaft Seal Assembly
JPH0235177B2 (ja)
JP2711434B2 (ja) すべり軸受の保持構造
JP4217002B2 (ja) 静止シールリングを有する端面シール組立体
JP2011509384A (ja) シール
EP0549751B1 (en) Preloaded assembly with thermal compensation
JPH0423149B2 (ja)
US7427071B2 (en) Divided driver device for a slip ring seal
EP1373746B1 (en) Gear shaft bearing assembly
EP1377754B1 (en) Method for forming a taper roller bearing assembly
US3942847A (en) Temperature compensating ceramic metal bearing systems
JPH01295025A (ja) 軸と環体との取付装置
JPH0631252Y2 (ja) ベローズ型メカニカルシール
JP3116515B2 (ja) 環状輪体の取付装置
JPH0830492B2 (ja) 軸受装置
JPH0481043B2 (ja)
JPH04134963U (ja) ガスシール装置
JP2643415B2 (ja) 軸 受
JPH0629614B2 (ja) 軸受固定装置
JP2970003B2 (ja) 環状体の取付装置
JPH0571548A (ja) 環状体の取付装置