JP2709905B2 - 腹腔鏡下手術用腹壁吊り上げ装置 - Google Patents

腹腔鏡下手術用腹壁吊り上げ装置

Info

Publication number
JP2709905B2
JP2709905B2 JP7159747A JP15974795A JP2709905B2 JP 2709905 B2 JP2709905 B2 JP 2709905B2 JP 7159747 A JP7159747 A JP 7159747A JP 15974795 A JP15974795 A JP 15974795A JP 2709905 B2 JP2709905 B2 JP 2709905B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
abdominal wall
lifting device
laparoscopic surgery
abdominal
lifting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7159747A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08308845A (ja
Inventor
正雄 多祢
Original Assignee
正雄 多祢
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 正雄 多祢 filed Critical 正雄 多祢
Priority to JP7159747A priority Critical patent/JP2709905B2/ja
Publication of JPH08308845A publication Critical patent/JPH08308845A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2709905B2 publication Critical patent/JP2709905B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腹腔鏡下手術の際
に、腹壁を吊り上げて腹腔内に手術のための空間を保持
する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】腹腔鏡下手術を行なう場合、腹腔内に手
術空間を確保することが必要であるが、そのために従来
は主として腹腔に炭酸ガスを送入して膨らませる気腹法
が行なわれてきた。しかしこの方法には次のような種々
の欠点がある。
【0003】まず、当然起こり得ることとして、 炭
酸ガスは血中に吸収されやすいので、高炭酸血症が起こ
る。 腹腔内圧が高まるので、イ)横隔膜が押し上げ
られて肺の換気がさまたげられ、また、ロ)下半身から
の静脈還流が障害され、心拍出量の低下、ひいては血圧
低下を来たしやすい。 また、重大な合併症として、
肺ガス塞栓症、 気胸、 気腹するために刺入す
る針による、血管や消化管の穿孔損傷など致命的な事
故が起こりうる。
【0004】そこで最近は腹壁を機械的に吊り上げる腹
壁吊り上げ法が注目されている。現在2種類の吊り上げ
装置が販売されているが、その1つは、国産(瑞穂医科
工業KK)で、1本または2本の金属棒を腹部皮下に刺
し通し、金属棒の両端部分を吊り上げるように構成され
ているが、この場合は、金属棒毎にそれぞれ2箇所ずつ
の切開口及び吊り上げ箇所を必要とし、装置全体が複雑
で、本来の手術操作の邪魔になり、また、高価である。
もう一つは米国製(Origin社、Laparoli
ft)で、大型で、手術操作の邪魔になるばかりでな
く、非常に高価である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の欠点を改良すること、すなわち、(1)腹腔内に
装着するための皮膚切開がなるべく少く、(2)手術操
作の邪魔にならず、(3)操作が簡単であり、(4)安
価な装置を開発することを課題とし、目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決し、その目的を達成する手段として、支柱の下端
に、支柱の延長部分を支柱と直角な平面に沿って折り曲
げることにより、腹壁支持部が支柱と一続きに円形に
成されており、支柱の上端に、留め具により装置の吊り
上げ高さを調節可能に構成された鎖、穴あきベルト等か
ら成る吊り下げ具が取り付けられていることを特徴とす
る腹腔鏡下手術用腹壁吊り上げ装置を提供するものであ
る。
【0007】この装置は、腹部にただ1の小さな切開
口をけ、腹壁支持部をその先端から順次腹腔内に挿入
し、支柱上端に取り付けた吊り下げ具によって、手術
台に装着した水平の金属棒から吊り下げて使用する極め
簡単な構造の装置であって、操作が簡単で腹部の傷も
小さく、本来の手術の邪魔になることも少ない上に、安
価である。しかも、この装置の挿入口は腹腔鏡カメラの
挿入口と共用することもでき、その場合は、この装置を
挿入するために新たな切開口を設ける必要がない。
【0008】支柱と、それに一続きに形成される腹壁支
持部は、1本の棒を、支持部分を残して支柱に直角な平
面に沿って折り曲げることによって作成される。棒の材
質としては、金属、プラスチック等が使用可能である
が、強度、衛生面等から見て、金属、特にステンレスが
望ましい。棒の直径は、患者の体格、腹壁の厚さ、必要
な手術空間の大きさ等により異なるが、一般に3mm〜
10mmで、腹壁支持部を大きくするのに従い太くす
る。
【0009】腹壁支持部の形状は、強度、形成の容易
さ、挿入の滑らかさ等の点からみて円形に構成されてお
り、また、腹壁支持部の大きさは、必要な手術空間によ
り適宜に選択されるが、一般に直径10cm〜20cm
程度、好ましくは15cmである。さらに、挿入の便宜
のためには、腹壁支持部の先端部分が、下方(支柱と反
対側)に傾斜しているのが望ましく、傾斜角度は約10
度程度が望ましい。
【0010】吊り下げ具は、装置を吊り下げたときの高
さを調節することが可能に構成されており、例えば鎖、
穴あきベルト等で吊り下げ具を構成し、その上端に留具
を設け、装置を吊り上げる高さを調節した後に、これを
固定するように構成されており、留具としては、鎖、ベ
ルト等を固定するために使用されている部品が使用可能
である。この吊り下げ具を使用する場合、手術台のサイ
ドレールに装着した逆L字型金具(一般にリヒカと呼ば
れているもの)の水平部分に、鎖、ベルト等を懸けて任
意の高さにして、留具によって固定することが望まし
い。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の第1の実施の形
態を添付図面に基づいて説明する。 図1及び図2に示す
ように、直径5mmのステンレス棒を、支柱1の部分と
して10cmを残して直角に折り曲げ、この折り曲げ箇
所から7cmのところから、折り曲げ部分を含む支柱と
直角の平面上半径7cmの円を描くように丸く曲げて、
直径14cmで、4分の3の円周体を形成し、この円周
の先端部分3cmを、10度下方(支柱と反対側)に
傾斜させて平面形状が円形の腹壁支持部2を形成し、
らに支柱の上端小さなループ3を形成して、このル
ープ3に30cmの鎖から成る吊り下げ具4を取り付
け、この吊り下げ具4の上端にフックから成る留具5を
取り付けて、装置の吊り上げ高さを調節できる腹腔鏡下
手術用腹壁吊り上げ装置を構成したものである。この
ックは、直角よりはやや鋭角のL字型で、その先端はわ
ずかに外側に傾斜し、L字の垂直線にほぼ直角に形成さ
れている。これは鎖の孔に挿入しやすくするためであ
る。
【0012】また、図示していないが、本発明の第2の
実施の形態として直径10cmの腹腔鏡下手術用腹壁吊
り上げ装置、及び本発明の第3の実施の形態として直径
18cmの腹腔鏡下手術用腹壁吊り上げ装置を上記と同
様にして作製した。これら大、中、小の装置は、手術
の規模、患者の体格等に合わせて選択使用されるもので
る。なお、上記直径18cmの装置の場合には、直径
7mmのステンレス棒を用いた。
【0013】次に、上記第1の実施の形態の使用状態を
作用、効果と共に説明する。 まづ、腹部の手術を行なう
部位に3mmないし5mmの皮膚切開を行ない、ここに
腹腔ドレンを設置するときと同様に、ペアン鉗子かコッ
ヘル鉗子で穴をあけ、腹壁支持部をこの穴を通して、
その先端から順次平面部分が全て腹腔内に収容されるま
で挿入し、吊り下げ具を持って腹壁を吊り上げ、必要
な高さを選んで留具5により固定する。
【0014】この装置によれば、円形で平面状の腹壁支
持部分が腹壁を広く均等な力で吊り上げるため、既述
した市販の装置に比べて安全、かつ十分に手術空間を確
保できる。また、一本の棒を挿通するだけで装着できる
ため、市販の装置に比べて装着操作が極めて容易である
上に、腹部の切開創が1箇所で済む利点がある
【0015】
【発明の効果】本発明の装置は、構造が極めて簡単で、
一本の棒と吊り下げ具があれば作成できるため、極めて
安価である。ちなみに、その販売価格は米国製の1/5
0以下、国産の1/3以下と予測される。
【0016】また、比較的細い一本の棒を通すだけで装
着できるため、装着操作が極めて容易である上に、腹部
の切開口が1箇所のみであるから傷が少ない利点があ
り、その上、手術の種類によっては、請部の腹腔鏡カメ
ラ挿入口と共用することが可能で、この場合は、上記の
1箇所のみの切開口すらも不要となり、その分だけ術後
の疼痛が軽減される。
【0017】さらに、平面状の腹壁支持部分が腹壁を広
く均等な力で吊り上げるため、安全容易であり、かつ装
置の吊り上げ高さの調節が可能な吊り下げ具により、必
要にしてかつ十分な手術空間を確保できる上に、吊り下
げ箇所が一箇所であるため本来の手術操作の邪魔になる
程度が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すもので、装置の下半
部を示す斜視図である。
【図2】装置の上半部を、吊り下げ状態と共に示す斜視
図である。
【符号の説明】1 支柱 2 腹壁支持部 3 ループ 4 吊り下げ具 5 留具

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支柱の下端に、支柱の延長部分を支柱と
    直角な平面に沿って折り曲げることによ、腹壁支持部
    が支柱と一続きに円形に形成されており、支柱の上端
    、留め具により装置の吊り上げ高さを調節可能に構成
    された鎖、穴あきベルト等から成る吊り下げ具が取り付
    けられていることを特徴とする腹腔鏡下手術用腹壁吊り
    上げ装置。
  2. 【請求項2】 円形に形成された腹壁支持部の先端部分
    が下方(支柱と反対方向)に傾斜していることを特徴と
    する請求項1に記載の腹腔鏡下手術用腹壁吊り上げ装
    置。
JP7159747A 1995-05-22 1995-05-22 腹腔鏡下手術用腹壁吊り上げ装置 Expired - Fee Related JP2709905B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7159747A JP2709905B2 (ja) 1995-05-22 1995-05-22 腹腔鏡下手術用腹壁吊り上げ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7159747A JP2709905B2 (ja) 1995-05-22 1995-05-22 腹腔鏡下手術用腹壁吊り上げ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08308845A JPH08308845A (ja) 1996-11-26
JP2709905B2 true JP2709905B2 (ja) 1998-02-04

Family

ID=15700391

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7159747A Expired - Fee Related JP2709905B2 (ja) 1995-05-22 1995-05-22 腹腔鏡下手術用腹壁吊り上げ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2709905B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2659860B1 (fr) * 1990-03-20 1992-06-12 Mouret Philippe Instrument pour la mise en óoeuvre d'interventions medicales ou chirurgicales par laparoscopie ou cóoelioscopie.
JPH05317318A (ja) * 1992-05-19 1993-12-03 Olympus Optical Co Ltd 腹壁吊り上げ器
JPH07194602A (ja) * 1993-12-28 1995-08-01 Olympus Optical Co Ltd 腹壁吊り上げ器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08308845A (ja) 1996-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5634882A (en) Abdomen suspending device
US7300400B2 (en) Pediatric liver retractor
AU2010200990B2 (en) Internal tissue retractor
US6478733B1 (en) Stabilizing device having a removable portion
US6120436A (en) Apparatus and method for cardiac stabilization and arterial occlusion
JP2513804B2 (ja) 背骨と頭蓋骨との固定装置
JPH07313516A (ja) 外科用の持上げ方法及び装置
CA2456047A1 (en) Surgical retractor and tissue stabilization device
US5474056A (en) Suspension and retraction system for endoscopic surgery and method for using same
US5976079A (en) Device for lifting the abdominal wall for conducting endoscopic examinations including surgery
US5603689A (en) Elevator device for an abdominal wall, in videolaparoscopic surgical operations
US5383451A (en) Endotracheal tube stabilization device
JP2709905B2 (ja) 腹腔鏡下手術用腹壁吊り上げ装置
US20030092968A1 (en) Stabilizing device for performing surgical procedures on cardiac tissue
KR200489503Y1 (ko) 배액관 고정부재
Nande et al. Modified technique of gasless laparoscopic cholecystectomy in a developing country: a 5-year experience
CN107928723A (zh) 免气腹腹腔镜手术的单孔腹壁固定装置
CN211355641U (zh) 一种甲状腺微创手术建腔拉钩装置
JPH0819546A (ja) 腹壁吊り上げ装置
CN207545175U (zh) 一种超声引导桡动脉穿刺置管固定架
CN111904495A (zh) 一种单孔胸腔镜下的悬吊装置
JP3049394B1 (ja) 頸部内視鏡手術用開創器
CN214909608U (zh) 一种冠状动脉造影术后上肢抬高装置
CN215227965U (zh) 一种脊柱手术用腹部扩撑器
Chaturachinda Laparoscopy: A technique for a tropical setting

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees