JP2708621B2 - 基板の位置検出方法および基板への部品搭載装置 - Google Patents

基板の位置検出方法および基板への部品搭載装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子部品を基板へ自動搭載する場合や搭載
された部品の検査を行う場合などの、基板の位置検出方
法およびこれを用いた基板への部品搭載位置に関する。
〔従来の技術〕
電子部品の自動搭載機の基板位置検出法としては、辻
ほか「視覚認識装置付きFICマウンタの開発」日立評論,
vol.68,No.10,pp.21〜24(1986-10)に示されているよ
うに、パターンの測定線に沿った明るさ波形を検出し、
その変化点を検出する方法が知られている。また、同論
文には、位置決めマークの重心を算出する方法も一般的
に行われていることが記述されている。
他の基板の位置検出法として、例えば、菅原「大型産
業基板用自動位置決め機能付スクリーン印刷機」センサ
技術,vol.8,No6,pp.132〜135(1988−5)に開示されて
いる様に、基板に設けられた2個以上の円形アライメン
トマークをカメラで検出し、その2値画像の重心を求め
て基板の位置を決定する方法が知られている。また、特
開昭61-165184号公報に記載されている十字状アライメ
ントマークの投影よりその中心位置を検出するもの、電
気学会論文誌第96−C巻,第1号(1976)「時分割パタ
ーン認識技術による群制御トランジスタ組立システム」
に記載されている予め記憶された特定パターンのテンプ
レートマッチングによりその位置を検出するもの、特開
昭57-154887号公報記載のアライメントマークの1次元
検出波形より位置検出するものなども知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記した従来の位置検出法では、基板上のアライメン
トマークあるいは特定パターンは、予め想定された形状
で正しく画像検出されることを前提としている。このた
め、基板にははんだコートが施してある場合など、マー
クが正しい形状で検出できないと、基板の位置検出誤差
が大きくなり、部品の搭載や検査が正しく行えないとい
う課題があった。
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、基板に設け
られたアライメントマークの表面の状態に影響を受けず
に正確にマーク位置を検出する基板の位置検出方法を提
供することにある。
また本発明の目的は、基板に設けられたアライメント
マークの表面の状態に影響を受けずに、正確にマーク位
置を検出して正確に部品を基板に搭載できるようにした
基板への部品搭載装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明は、基板上の複数箇
所に、特定の形状のマークを配し、特定位置からマーク
の形状を検出し、電気信号に変換し、電気信号に変換さ
れた画像をマークのパターンが“1"、他が“0"となる様
に2値化し、2値化されたパターンを内包する大きさ最
小の図形(最小包含図形と呼ぶ)を検出し、その位置に
基づいて基板の位置を決定するようにしたものである。
即ち本発明は、基板の複数箇所に特定の形状のパター
ンを位置決めマークとして配置し、該位置決めマークを
光学的に検出して光学像を得、上記光学像を電気信号に
変換し、該電気信号を該位置決めマークの少なくとも一
部分とその他の部分に2値化して2値化して2値化画像
信号に変換し、該2値化画像信号により得られる該位置
決めマークの少なくとも一部分の形状に外接する予め定
められた形状に相似の図形のうち最小の図形を検出し、
該検出された最小の図形の位置から上記位置決めマーク
の位置を検出することを特徴とする基板の位置検出方法
である。
また、本発明は、基板の位置決めマークの形状を検出
する第1の手段と、該第1の手段により検出された検出
形状の外周輪郭の情報に基づき基板の位置を検出する第
2の手段と、上記第2の手段により検出された基板の位
置に基づき部品を基板に位置合せし搭載する手段とを備
えたことを特徴とする基板への部品搭載装置である。
〔作用〕
基板に設けられた位置検出に使用するマークを例えば
リング状の照明光源によって検出すると、マーク表面に
はんだコートが施されている場合、その立体的な形状に
よって、第2図(b)〜(d)に示すように、マークの
一部が欠けたパターン形状として検出されることがあ
る。
しかし、マーク本来の輪郭の2分の1以上が欠けるこ
とは、ほとんどないことから、検出されたパターンを包
含する大きさ最小の図形(最小包含図形)は、輪郭部の
欠けにかかわらず、一定の位置に決定することができ、
これによって、基板の位置を正確に検出することが可能
になる。上記した包含図形は、位置決めマークに外接す
れば良いから、互いに相似であれば良く、限ずしも第3
図に示すように位置決めマークと同一形状である必要は
ない。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図および第4図から第
8図を用いて説明する。本実施例では、基板の位置検出
に使用するマークとして、円形パターンを用いる。
第4図に示すように、本実施例では、パターンを検出
し(40で示す)、2値化し(41で示す)、2次元の2値
ディジタル画像とした後、パターンの最外郭輪郭線を検
出し(42で示す)、次に最外郭輪郭線を構成する点群か
ら凸包の頂点を求め(43で示す)、次に凸包の頂点をな
す点の最遠点ボロノイ図を求め(44で示す)、ボロノイ
点を中心としボロノイ点に隣接する3つのボロノイ領域
に対応する3点を通る円のうち半径が最小となる円、す
なわち最小包含円を求め(45で示す)、この中心をもっ
て位置決めマークの位置とする。
次に、本実施例で用いる最外郭輪郭線、凸包、最遠点
ボロノイ図について述べる。
最外郭輪郭線の検出は、第5図に示すように、検出さ
れた2値画像を、まず左から右、上から下へサーチし、
それぞれのY座標において値がはじめて“0"から“1"に
変化した点の画像上の座標を列挙し、続いて右から左、
下から上へサーチして同様に“0"から“1"に変化した点
の座標を列挙して一連の座標系列を生成するものであ
る。最外郭輪郭線は、その検出法より明らかな様に、検
出2値パターンの最も外側の輪郭の候補点であり、続い
て行う凸包の検出結果は、検出2値パターンの“1"の部
分のすべての点の座標を用いて直接凸包を検出した場合
に一致する。最外郭輪郭線の検出は単純な画像処理であ
るため、これによって、より複雑な処理を要求する凸包
検出の入力データ量を減らすことができ、結果的に、全
体の処理時間を減らすことができる。
凸包は、第6図に示すように、すべての点を頂点ある
いは辺上、あるいは内部に含む凸の多角形である。凸包
検出の目的は、凸包の頂点のみを最外郭輪郭線より抽出
することによって、最小包含円を決定する輪郭線上の3
点の情報を失うことなく、より複雑な処理を要求される
最遠点ボロノイ図の生成処理の入力データ量を減らし、
結果的に全体の処理時間を減らすことである。凸包の検
出法は、例えば、伊理監修「計算幾何学と地理情報処
理」bit別冊、pp79,共立出版(1986)に示された「Grah
amの算法」を用いることによって実現できる。なお、こ
の場合、すでに最外郭輪郭線を上記した様に左から右、
上から下へ、また右から左、下から上への順に検出して
いるので、「Grahamの算法」で前処理として使用してい
る偏角順のソーティングは不要である。
最遠点ボロノイ図は、例えば、上記の「計算幾何学と
地理情報処理」pp110に述べられている様に、最小包含
円を効率良く、かつ厳密に求める場合、使用される。第
7図に第6図の点a〜gに対する最遠点ボロノイ図を示
す。最遠点ボロノイ図は、各点に対応する「ボロノイ領
域」(同図では小文字のアルファベットの点に対応する
領域を大文字のアルファベットで示した)とそれらの境
界線、「ボロノイ辺」、およびボロノイ辺の交点、「ボ
ロノイ点」より成る。各ボロノイ領域、例えばA内のす
べての点は、点aまでの距離が、他の点b〜gまでの距
離よのも大であるという性質を持つ。従って、第8図に
示すように、3つ(あるいは4つ以上)のボロノイ領域
の境界点であるボロノイ点は、それぞれボロノイ領域
(第8図ではC,D,E)に対応する点(同図でc,d,e)まで
の距離が等しく、かつ、他のどの点までの距離も、点c,
d,eまでの距離より小となる。この結果、ボロノイ点
は、(同図の場合、点c,d,eを通る)包含円(すべての
点を円周上または内部に含む円)の中心となる。このよ
うに、最遠点ボロノイ図を生成し、すべてのボロノイ点
について包含円の半径を調べ、半径が最小となるボロノ
イ点を見い出せば、最小包含円の中心座標が決定でき
る。最遠点ボロノイ図の生成は、上記の「計算幾何学と
地理情報処理」pp136〜141に述べられている様に、「逐
次添加法」「再帰2分法」などを用いて効率良く実現で
きる。
一旦、基板上の個々の位置決めマークの位置が求まれ
ば、従来の基板の位置決定法と同様の手法を用いて基板
の位置が決定できる。
本実施例によれば、位置決めマークとして円形パター
ンを用いているので、最も単純な処理で最小包含図形の
位置を決定でき、短時間に基板の位置を決定できるとい
う効果がある。
なお、本実施例において、パターン検出は、検出器と
してTVカメラ、CCDラインセンサの走査など、また照明
法としてリング状照明など、位置決めマークが鮮明に検
出できれば、公知のいずれのパターン検出法を用いても
良い。また、処理時間の増大を許せば、最外郭輪郭線の
検出又は最外郭輪郭線および凸包の検出を省いても良
い。
また、本実施例において、検出画像のX方向、Y方向
にそれぞれ軸を持ち、それぞれの方向の径の比がp:qで
あるような楕円を位置決めマークとして用いても良い。
この場合、凸包を検出した後、頂点のXY座標をそれぞれ
1/p倍,1/q倍し、同様に最小包含円を求め、その中心座
標をp倍、q倍すれば良い。この方法は、パターン検出
の際、画像のサンプリング間隔がX方向とY方向で一致
せず、結果的に画像上で円形パターンが楕円になってし
まった場合にも適用できる。上記した座標変換は、凸包
検出後の少数の点について行っているので、全検出パタ
ーンを円に形状変換して処理する場合に比べ、大幅な処
理時間の短縮ができ、かつ、上記した実施例と全く同様
の効果を持つ。
本実施例を実施するための処理装置は、画像信号を2
値化し、一定の時間間隔でサンプリングし、メモリに蓄
え、そのメモリの内容に対してプログラムによって自由
に処理を行うことのできる、いかなる形態の公知の処理
装置を用いてもよい。
次に、第9図および第10図を用いて本発明による第2
の実施例について述べる。
本実施例では、第1の実施例と同様、円形パターンを
位置決めマークとして用い、第1の実施例で述べた最小
包含円の検出23までの処理に加え、円周候補点の抽出51
及び最小2乗近似円の計算52を行う。
円周候補点の抽出は、第10図に示すように、凸包の頂
点47の中から、最小包含円46の円周からの距離が一定値
α(例えば、1画素に相当する量)以内の点を抽出する
ことにより行う。従って48の円周候補点は除去される。
抽出された点の座標を(xi,yi)i=1,2,…,Nとし、
円の方程式を x2+y2+2gx+2fy+c=0 ……(1) としたとき、最小2乗近似円は、 とおき、 の3元1次連立方程式をg,f,cについて解けば、中心
(−g,−f), として求めることができる。
本実施例では、このようにして求めた最小2乗近似円
の中心を位置決めマークの位置とし、基板の位置を決定
する。
本実施例によれば、最終的に最小2乗近似円の中心と
してマーク位置を検出しているので、画像のサンプリン
グ誤差を最小とし、かつ画素単位以下の高精度な位置検
出が可能になるという効果がある。
本実施例の場合も、第1の実施例の場合と同様、パタ
ーン検出及び処理装置として公知のいずれを用いても良
い。また、楕円形位置決めマークも同様に扱うことが可
能である。本実施例の場合、凸包の頂点のXY座標を1/p
倍,1/q倍として、最小2乗近似円の中心座標をp倍,q倍
としすれば良い。
以上に述べた実施例では、円形パターン,楕円形パタ
ーンを位置決めマークとして用いたが、第11図に示すよ
うに、直線で構成されたパターン、複数のパターンから
成るパターン、内部に任意形状の空白さらには空白の中
にパターンが存在するパターン、任意の既知の曲線から
成るパターンなど、最外周の輪郭に既知形状(大きさは
未知で可)を含むパターンであれば、本発明の原理に従
って、位置決めマークの位置を正確に検出できることは
明らかである。
次に、第12図を用い、本発明による基板への部品搭載
装置について述べる。
上記した第1,第2の実施例に従えは、基板の位置決め
マークの位置を、はんだコートなどその表面状態にかか
わらず、誤りなく高精度に検出できる。まず、基板110
は基板搬送機構によって部品搭載装置に搬送され、ガイ
ドピン111によって機械的に粗位置決めされる。基板110
には円形の位置決めマーク2個、112a,112bが形成され
ている。次に、全体制御装置101よりの指令によって、
リング照明107a,107bで照明された基板の位置決めマー
ク112a,112bがTVカメラ106a,106bによって検出され、画
像処理装置100に画像が取り込まれる。画像処理装置100
によって第1の実施例又は第2の実施例に示した位置検
出方法が、TVカメラ106a,106bで検出されたそれぞれの
画像に対して実行され、マーク112a,112bの位置が全体
制御装置101に出力される。画像処理装置100は、入力さ
れた画像を一定のクロックでサンプリングし、2次元デ
ィジタル画像としてメモリに取り込むことができ、か
つ、取り込まれた画像に対して専用ハードウェア、ある
いは、マイクロプロセッサなどのソフトウェアによって
自由に処理できるものであれば、公知のいかなる形態の
装置でも用いることができる。次に全体制御装置は、XY
Z直交ロボット103に指令を出し、部品供給機構104から
搭載すべき部品109を部品吸着機構105用いて取り出し、
画像処理装置100からの位置決めマーク112a,112bの位置
で補正した基板上の位置へ部品を搭載する。なお、位置
の補正は、XYZ直交ロボット103への位置補正に限らず、
基板110の支持機構をX,Yに移動させて行っても良い。以
降、部品の取り出しと搭載を指定された部品に対してす
べて行った後、再び基板搬送機構108を用いて基板110を
搬出する。
なお、部品の取り出し/搭載は、XYZ直交ロボットと
部品吸着機構の他、いわゆるスカラー形のロボットなど
正しく機械的に部品の取り出し/搭載を行うことのでき
るものであれば何でも良い。
また、画像の検出も、リング照明とTVカメラの組合せ
の他、位置決めマークを鮮明に2次元画像検出できれ
ば、公知のいかなる手段を用いても良い。
本実施例によれば、基板位置決めマークの表面状態に
かかわらず、正確な部品の搭載が可能になるという効果
がある。
なお、以上の実施例では、部品の搭載を例にとった
が、部品搭載済の基板の検査など、基板の位置を検出す
る必要のあるいかなる装置へも本発明方法が適用可能で
あり、同様な効果が得られることはもちろんである。
〔発明の効果〕
本発明によれば、位置決めマークの表面の状態にかか
わらず正確にマークの位置を検出できるので、部品の基
板への搭載または基板の検査のを誤りなく精度良く行う
ことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による自動位置検出方法の流れを示す
図、第2図は基板の位置決めマークの検出例を示す図、
第3図は最小包含図形を説明する図、第4図は本発明の
第1の実施例の流れを示す図、第5図は最外郭輪郭線の
検出法を示す図、第6図は凸包を説明する図、第7図は
最遠点ボロノイ図を説明する図、第8図は最遠点ボロノ
イ図の性質を説明する図、第9図は本発明による第2の
実施例の流れを示す図、第10図は第2の実施例による円
周候補点の抽出法を示す図、第11図は本発明による位置
検出方法に使用できる基板の位置決めマークの他の例を
示す図、第12図は本発明による基板への部品搭載装置の
一実施例の構成を示す図である。 100……画像処理装置、101……全体制御装置、103……X
YZ直交ロボット、104……部品供給機構、105……部品吸
着機構、106a,b……TVカメラ、107a,b……リング照明、
108……基板搬送機構、109……搭載部品、110……基
板、111……ガイドピン、112a,b……位置決めマーク。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の複数個所に特定の形状のパターンを
    位置決めマークとして配置し、該位置決めマークを光学
    的に検出して光学像を得、上記光学像を電気信号に変換
    し、該電気信号を該位置決めマークの少なくとも一部分
    とその他の部分に2値化して2値化画像信号に変換し、
    該2値化画像信号により得られる該位置決めマークの少
    なくとも一部分の形状に外接する予め定められた形状に
    相似の図形のうち最小の図形を検出し、該検出された最
    小の図形の位置から上記位置決めマークの位置を検出す
    ることを特徴とする基板の位置検出方法。
  2. 【請求項2】上記位置決めマークの最外周の輪郭および
    外接する最小の図形は円であることを特徴とする請求項
    1記載の基板の位置検出方法。
  3. 【請求項3】検出された最小の外接円から一定距離内に
    ある2値化した位置決めマークの形状を構成する点を抽
    出し、上記抽出した点を最小2乗近似して円をあては
    め、円の中心位置をもって位置決めマーク位置とするこ
    とを特徴とする請求項2記載の基板の位置検出方法。
  4. 【請求項4】上記位置決めマークの最外周の輪郭および
    外接する最小の図形は、少なくともその輪郭の一部に曲
    線を含むことを特徴とする請求項1記載の基板の位置検
    出方法。
  5. 【請求項5】基板の複数の位置決めマークの形状を検出
    する第1の手段と、該第1の手段により検出された複数
    の位置決めマークの検出形状の、それぞれの外周輪郭の
    少なくとも一部に接し、かつ該外周輪郭を内側に含む、
    予め定めた形状の図形のうち最も小さなものを検出する
    第2の手段と、上記第2の手段で得られた最も小さな図
    形のそれぞれの位置情報を検出する第3の手段と、上記
    第3の手段で得られた情報に基づき基板の位置を検出す
    る第4の手段と、上記第4の手段により検出された基板
    の位置に基づき部品を基板に位置合わせし搭載する手段
    とを備えたことを特徴とする基板への部品搭載装置。
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