JP2705657B2 - 人工衛星の熱制御方式 - Google Patents

人工衛星の熱制御方式

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JP2705657B2
JP2705657B2 JP7221311A JP22131195A JP2705657B2 JP 2705657 B2 JP2705657 B2 JP 2705657B2 JP 7221311 A JP7221311 A JP 7221311A JP 22131195 A JP22131195 A JP 22131195A JP 2705657 B2 JP2705657 B2 JP 2705657B2
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慎二 萩野
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NEC Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工衛星の熱制御
方式に関し、特に人工衛星搭載機器の下限温度を一定に
保持する制御方式に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、人工衛星の搭載機器の下限温度を
一定に保持する方式としては、搭載機器に温度検出用セ
ンサと加温用ヒータを取り付け、搭載機器が設定温度以
下とならないように、自動ヒータ制御で保温する方式が
一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の人工衛星の
搭載機器の下限温度を一定に保持する熱制御方式では、
一般的にヒータ制御が用いられてきた。しかし、この従
来の熱制御方式では保温用ヒータを用いるので、余分な
電力が必要になり、また、保温用ヒータを制御するため
の電子回路が必要になるという問題点がある。
【0004】このような点に鑑み本発明は、相転移物質
の温度変化にしたがって相が変化することによる相転移
物質の熱伝導率の変化を利用して、受動的に熱制御を行
い、人工衛星の搭載機器の消費電力を低減することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の人工衛星の熱制御方式は、発熱変動の大きい
人工衛星搭載機器と、安定な熱供給源と、相の転移によ
って熱伝導率が変化する相転移物質と、該安定な熱供給
源と該相転移物質とを接続する第1の伝導経路と、該発
熱変動の大きい人工衛星搭載機器と該相転移物質とを接
続する第2の伝導経路とを有する人工衛星であって、前
記発熱変動の大きい人工衛星搭載機器が、放熱面を備
え、前記相転移物質が、高温の状態にあるときに呈する
第1の相では熱伝導率が小さくなり、低温の状態にある
ときに呈する第2の相では熱伝導率が大きくなる性質を
備え、前記第1の伝導経路と前記第2の伝導経路とが、
前記安定な熱供給源から該相転移物質を介して該発熱変
動の大きい人工衛星搭載機器に熱を供給し、該相転移物
質の温度変化にしたがって相が変化することによる該相
転移物質の熱伝導率の変化を利用して、受動的に熱制御
が行われて、該人工衛星搭載機器の下限温度を一定に保
持する。
【0006】上記本発明の人工衛星の熱制御方式は、前
記相転移物質の温度が、前記発熱変動の大きい人工衛星
搭載機器の温度よりも高く、かつ、前記安定な熱供給源
の温度よりも低い。
【0007】また、上記本発明の人工衛星の熱制御方式
は、前記相転移物質の相転移温度が、該相転移物質の熱
伝導率が前記第1の相の熱伝導率のまま保持されるとき
に前記発熱変動の大きい人工衛星搭載機器が最低温度に
到達した状態における該相転移物質の到達温度よりも高
く、かつ、該相転移物質の熱伝導率が前記第2の相の熱
伝導率のまま保持されるときに該発熱変動の大きい人工
衛星搭載機器が最低温度に到達した状態における該相転
移物質の到達温度よりも低い。
【0008】
【発明の実施の形態】このように、本発明の人工衛星の
熱制御方式においては、熱制御の対象となる人工衛星の
搭載機器の発熱量が大きいときには、搭載機器の放熱面
から放熱を行い、熱供給源からの熱供給を抑えることに
よって、搭載機器の温度を許容上限温度よりも低く保持
している。
【0009】搭載機器の発熱量が小さくなると、搭載機
器の温度は下降し始め、安定な熱供給源との温度差は大
きくなっていく。これによって、安定な熱供給源と搭載
機器との間に挿入された相転移物質の温度も下降してい
き、相の遷移点となる温度に達した時点で、相転移物質
は液相から固相への転移が進む。
【0010】液相から固相への転移によって、相転移物
質の熱伝導率が増加するので、相転移物質を介して安定
した熱供給源から搭載機器に熱供給を行っている伝導経
路の熱抵抗が減少し、熱供給源との熱結合が増大する。
そして、搭載機器の温度を上げる方向へのフィードバッ
クがかかり、相転移物質の温度は相転移温度に保持され
たままとなり、搭載機器の下限温度は安定する。
【0011】
【実施例】次に本発明の実施例について、図面を参照し
て詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明の一実施例が適用される人
工衛星搭載機器の熱制御装置を示す概念図である。図1
は、発熱変動の大きい人工衛星の搭載機器(以下、搭載
機器と記述する)1と、安定な熱供給源(以下、熱供給
源と記述する)2と、相転移物質である水を封入したケ
ース(以下、封入ケースと記述する)3と、搭載機器1
と封入ケース3との間に挿入されたヒートパイプ4a
と、熱供給源2と封入ケース3との間に挿入されたヒー
トパイプ4bと、搭載機器1の発熱を放熱するために搭
載機器1に取り付けられている放熱面5とを有する構成
となっている。
【0013】ヒートパイプ4a,4bは、熱供給源2か
ら封入ケース3を介して搭載機器1に熱供給を行うため
に設けられている。ここで、ヒートパイプ4bから封入
ケース3を介してヒートパイプ4aまでを、熱供給源2
から搭載機器1に供給される熱の伝導経路と称する。
【0014】本実施例においては、相転移物質として水
を用いているが、液体(高温)では熱伝導率が小さくな
り、固体(低温)では熱伝導率が大きくなる物質であれ
ば、他の物質を用いても良い。
【0015】図1において、搭載機器1の発熱量が最大
のときには、搭載機器1は、搭載機器1の自己発熱量Q
A と熱供給源2から供給される熱量QB とを合計した発
熱量(QA +QB )に相当する熱量を、放熱面5から放
熱する。このとき、搭載機器1の温度TA は、発熱量
(QA +QB )と放熱量とのバランスがとれた温度に保
持されている。ここで、熱供給源2の温度をTB とし
て、封入ケース3の温度をTC とすると、下記の式
(1)の関係が成り立つ。
【0016】TB >TC >TA (1) 次に、搭載機器1の発熱量が小さくなりQA *となると、
発熱量(QA *+QB )と放熱量とのバランスがとれなく
なり、その温度のままでは放熱量の方が多くなる。放熱
量は搭載機器1の温度の関数で表されるので、搭載機器
1の発熱量が小さくなることによって新たな平衡温度T
A *が存在し、搭載機器1の温度TA は温度TA *に収束す
るべく下降を始める。それに連動して、封入ケース3の
温度TCも、上記の式(1)の関係を保持したままで下
降する。
【0017】そして、封入ケース3の温度TC が相転移
温度である0℃に達し、封入ケース3内の相転移物質の
相が水から氷に変化すると、封入ケース3内の相転移物
質の熱伝導率は、0℃の水の熱伝導率0.561[W・
-1・k-1]から0℃の氷の熱伝導率2.2[W・m-1
・k-1]に変化する。
【0018】このように、相が水(液体)から氷(固
体)に変化することによって、封入ケース3内の相転移
物質の熱伝導率が約4倍になるので、熱供給源2から搭
載機器1に供給される熱の伝導経路の熱抵抗は熱伝導率
の逆数である1/4程度に減少し、このため、熱供給源
2との熱結合が4倍程度に増大する。したがって、熱供
給源2から搭載機器1に供給される熱量は増大する。
【0019】これによって、図1に示した熱制御装置に
は、搭載機器1の温度TA を上昇させようとする方向に
フィードバックがかかり、封入ケース3の温度TC は水
から氷への相転移温度である0℃で安定する。また、搭
載機器1の温度TA は、TCが相変化する温度に達した
時点における機器温度で安定する。このとき、封入ケー
ス3内の相転移物質は水と氷とが混在した状態となり、
その熱伝導率は、0℃の水の熱伝導率と0℃の氷の熱伝
導率との間の値を保持する。この結果、搭載機器1の下
限温度TA は、一定温度で保持されることになる。この
場合にも、上記の式(1)の関係は保持されている。
【0020】なお、図1に示した熱制御装置において、
上述のフィードバックが安定に動作して、搭載機器1の
発熱量が多少変動しても一定温度で保持される系を構成
するためには、熱供給源2から搭載機器1に供給される
熱の伝導経路において、相転移温度における相転移物質
の熱伝導率が水の熱伝導率を保持していると仮定したと
きに搭載機器1が最低温度TA(w)に到達した場合の封入
ケース3内の相転移物質の温度をTC(w)として、相転移
温度における相転移物質の熱伝導率が氷の熱伝導率を保
持していると仮定したときに搭載機器1が最低温度T
A(i)に到達した場合の封入ケース3内の相転移物質の温
度をTC(i)とすると、封入ケース3内の相転移物質の相
転移温度TC(PT) は、下記の式(2)の関係を満足する
必要がある。
【0021】 TC(i)>TC(PT) >TC(w) (2)
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、保温ヒー
タを用いずに、相転移物質の温度変化にしたがって相が
変化することによる相転移物質の熱伝導率の変化を利用
して受動的に熱制御を行うことによって、人工衛星の搭
載機器の下限温度を一定に保持することができ、人工衛
星の搭載機器の消費電力を低減することができるという
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が適用される人工衛星搭載機
器の熱制御装置を示す概念図
【符号の説明】
1 発熱変動の大きい人工衛星の搭載機器 2 安定な熱供給源 3 水を封入したケース 4a,4b ヒートパイプ 5 放熱面

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱変動の大きい人工衛星搭載機器と、
    安定な熱供給源と、相の転移によって熱伝導率が変化す
    る相転移物質と、該安定な熱供給源と該相転移物質とを
    接続する第1の伝導経路と、該発熱変動の大きい人工衛
    星搭載機器と該相転移物質とを接続する第2の伝導経路
    とを有する人工衛星において、 前記発熱変動の大きい人工衛星搭載機器が、放熱面を備
    え、 前記相転移物質が、高温の状態にあるときに呈する第1
    の相では熱伝導率が小さくなり、低温の状態にあるとき
    に呈する第2の相では熱伝導率が大きくなる性質を備
    え、 前記第1の伝導経路と前記第2の伝導経路とが、前記安
    定な熱供給源から該相転移物質を介して該発熱変動の大
    きい人工衛星搭載機器に熱を供給し、 該相転移物質の温度変化にしたがって相が変化すること
    による該相転移物質の熱伝導率の変化を利用して、受動
    的に熱制御が行われて、該人工衛星搭載機器の下限温度
    を一定に保持することを特徴とする、人工衛星の熱制御
    方式。
  2. 【請求項2】 前記相転移物質の温度が、前記発熱変動
    の大きい人工衛星搭載機器の温度よりも高く、かつ、前
    記安定な熱供給源の温度よりも低い、請求項1に記載の
    人工衛星の熱制御方式。
  3. 【請求項3】 前記相転移物質の相転移温度が、 該相転移物質の熱伝導率が前記第1の相の熱伝導率のま
    ま保持されるときに前記発熱変動の大きい人工衛星搭載
    機器が最低温度に到達した状態における該相転移物質の
    到達温度よりも高く、 かつ、該相転移物質の熱伝導率が前記第2の相の熱伝導
    率のまま保持されるときに該発熱変動の大きい人工衛星
    搭載機器が最低温度に到達した状態における該相転移物
    質の到達温度よりも低い、請求項1または2に記載の人
    工衛星の熱制御方式。
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