JP2704571B2 - 交流開閉装置 - Google Patents

交流開閉装置

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JP2704571B2
JP2704571B2 JP3351972A JP35197291A JP2704571B2 JP 2704571 B2 JP2704571 B2 JP 2704571B2 JP 3351972 A JP3351972 A JP 3351972A JP 35197291 A JP35197291 A JP 35197291A JP 2704571 B2 JP2704571 B2 JP 2704571B2
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  • Driving Mechanisms And Operating Circuits Of Arc-Extinguishing High-Tension Switches (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接点を有するスイッチ
とサイリスタとを並列接続して交流回路を略無アークで
開閉する交流開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置として、交流回路
に、接点を有するスイッチ(以下単に、スイッチとい
う)と、トライアックあるいは逆並列接続した単方向性
サイリスタ等のサイリスタ(以下単に、サイリスタとい
う)とを並列接続して挿入し、このサイリスタのゲート
に制御電源から定電圧を供給されて動作する制御回路の
出力端子を接続した装置がある。この制御回路の信号入
力端子には、例えば接点間に生じたアークを検出する光
検出素子、電流を検出する変流器および開極により生じ
た接点間電圧を検出する計器用変圧器等のセンサーの出
力端子を、または、上記スイッチの接点の開閉に連動し
て開閉する補助スイッチの出力端子が接続される。そし
上記センサーまたは補助スイッチから、上記スイッチ
の開極動作を検出した信号が出力されると、制御回路か
らゲート信号を送出してサイリスタを導通させ、上記ス
イッチに流れていた負荷電流をサイリスタに移行させた
後、ゲート信号の送出を停止して負荷電流をサイリスタ
で遮断するようにし、一方、負荷の投入は、上記スイッ
チの極により、スイッチを介して負荷電流を供給する
ことにより行うようにしたものがあった。
【0003】また、上記スイッチに開極または閉極の指
令を送出すると共に、サイリスタにゲート信号を送出す
るようにした制御装置を備え、この制御装置の制御指令
により、負荷の投入は、まず、ゲート信号を送出してサ
イリスタを導通後にスイッチを閉極して、スイッチを介
して負荷電流を供給することにより行い、負荷の遮断
は、ゲート信号を送出してサイリスタを導通可能にした
後にスイッチを開極して負荷電流をサイリスタに移行後
ゲート信号を停止してサイリスタで負荷電流を遮断する
ようにしたものがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように構成した交流開閉装置にあっては、制御電源、制
御回路もしくは制御装置、あるいは補助スイッチ等を必
要とし、また、該装置を高電圧回路に適用した場合、即
ちスイッチとサイリスタを高電圧の交流回路に接続した
場合、制御電源と高電圧回路との絶縁、または、制御回
路もしくは制御装置と高電圧回路との絶縁が必要とな
り、構成が複雑となって信頼性低下の要因となるという
問題があった。
【0005】また、スイッチの開極を検出するセンサー
または補助スイッチの出力信号を受けてからゲート信号
を送出してサイリスタを導通させるようにした上記交流
開閉装置にあっては、サイリスタは、ゲート信号を受け
てまずゲート近傍の局部を導通させ、この導通領域を接
合部全体に拡げて接合部全体が導通状態になるまでの時
間(ターンオン時間)を要する。そのためスイッチの開
極によりアークが発生して、スイッチの接点開離速度、
接点間距離、接点材料、電源電圧及び負荷電流の大きさ
等に起因した大きなアーク電圧がサイリスタの端子間に
印加され、ゲート信号が送出されることによって、負荷
電流が急峻な立上り(即ち高電流上昇率)でサイリスタ
に移行して上記ゲート近傍の局部に集中して流れ、この
局部を加熱させてサイリスタを破壊するおそれがあっ
た。そしてさらに、スイッチ開極後ゲート信号が送出さ
れるまでの時間遅れ、およびゲート信号を受けたサイリ
スタの上記ターンオン時間を要するので、負荷電流がス
イッチからサイリスタへ移行してしまうまでの時間が長
くなり、それだけスイッチ接点間のアークの続時間が
長くなってスイッチ接点の消耗が大きくなるという問題
があった。
【0006】また、スイッチの開極を検出しゲート信号
を送出して導通させたサイリスタに負荷電流を移行させ
た後、ゲート信号の送出を停止して負荷電流をサイリス
タで遮断する際、ゲート信号停止のタイミング調整を、
周囲温度の変動や電子部品の経年変化に関りなく一定に
することは困難であり、このため、ゲート信号の送出時
間が長くなった(例えば、スイッチ開極後、半サイクル
を越えた)場合は、この時間に比例してサイリスタの通
電時間が長くなるため、容量の大きなサイリスタ、さら
にはサイリスタ用放熱装置が必要となるという問題があ
った。
【0007】また、負荷投入時のスイッチ閉極の際に、
スイッチのチャタリングにより負荷電流が断続されるこ
とがあり、このとき発生するアークによってスイッチ接
点が消耗したり、ノイズを発生したりするという問題が
あった。
【0008】一方、制御装置から、スイッチの開極また
は閉極の指令と共にゲート信号を送出するようにした上
記制御装置にあっては、負荷を遮断する際には、スイッ
チ開極後、直ち(例えば半サイクル以内)にゲート信号
を停止して、または、負荷を投入する際には、ゲート信
号の送出後、直ち(例えば半サイクル以内)にスイッチ
を閉極して、サイリスタの通電時間を短くしサイリスタ
の小容量化を図る必要があるが、上記ゲート信号の停止
または送出のタイミングを、周囲温度の変動や、スイッ
チ接点あるいはその駆動機構の磨耗等に関わりなく一定
に保持することが困難であるという問題があった。
【0009】本発明の目的は、上記課題を解決して、上
記のような制御電源、補助接点、制御回路もしくは制御
装置等を特に設ける必要がなく、また、高電圧回路に適
用した場合にも格別の絶縁処理を施す必要がなく、しか
もゲート信号の送出または停止のタイミングの調整をす
ることなく、スイッチ開極後スイッチに流れる負荷電流
を、その立上りが急峻であっても速やかに、かつ安全に
サイリスタを導通させて移行し、サイリスタに移行後は
瞬時に略無アークで負荷電流を遮断することはもちろ
ん、スイッチ投入時のチャタリングの弊害を抑制するこ
とのできる交流開閉装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、交流回路に、接点を有するスイッチと変流
器の一次巻線を直列に接続した回路を挿入し、このス
イッチと変流器の直列回路にサイリスタを並列に接続
し、このサイリスタのゲートに上記変流器の二次巻線
抵抗を介して接続すると共に、上記変流器の二次巻線に
非線形電圧電流特性を有するバイパスインピーダンスを
並列に接続して、上記サイリスタを上記変流器の二次巻
線出力電流によってオンオフ制御するようにした。
【0011】
【作用】スイッチが閉極しているときは、負荷電流はす
べてスイッチを流れており、この負荷電流が変流器の1
次巻線で検出され、その二次巻線の出力電流をバイパス
インピーダンスが分流し、分流された残りの電流がゲー
ト電流としてサイリスタのゲートに送出されている。こ
れによりサイリスタは素子の接合部全体が導通可能な状
態で待機している(即ち、サイリスタの両端子間に所定
の電圧が印加されると直ちに導通する)ことになる。こ
の状態でスイッチが開極するとスイッチの接点間にアー
クが発生し、このアーク電圧がサイリスタの両端子間に
印加されて該サイリスタが導通する。その結果、負荷電
流はスイッチからサイリスタに瞬時に移行して上記接点
間のアークは消失する。アークが消失すると変流器の二
次巻線の出力電流即ちゲート電流が零となり、サイリス
タは移行した負荷電流の交流零点で負荷電流を遮断す
る。また、スイッチ閉極時、スイッチに通電すると、変
流器を介してゲート電流を受けたサイリスタは導通可能
状態となる。そのためスイッチにチャタリングが起こっ
て次の瞬間スイッチが開極してアークが生じても、瞬時
にサイリスタに電流が移行しアークが消失してサイリス
タのターンオフまでにスイッチは再閉極されるので、負
荷電流が途切れることもなく通電もされる。
【0012】上記変流器の変流比は、負荷電流が小のと
き、サイリスタの導通に必要なゲート電流を供給できる
比に設定されているので、負荷電流が大きくなると二次
巻線の出力電流が大きくなる。そのため上記変流器の二
次巻線に、非線形電圧電流特性を有するバイパスインピ
ーダンスを並列接続すると共に、上記サイリスタのゲー
トに上記変流器の二次巻線と抵抗を直列に接続し、大き
な負荷電流が流れて変流器の二次巻線の出力電流が大き
くなっても、この出力電流バイパスインピーダンスに
分流して変流器の二次巻線端子間を略定電圧に保持する
ため、負荷電流が大きく変動しても安定したゲート電流
を流すことができる。
【0013】
【実施例】本発明を負荷時タップ切換器の切換開閉器に
実施した例について説明する。図1は、例えば三相用の
負荷時タップ切換器1の一相分の回路構成を示して
る。この負荷時タップ切換器1は、変圧器のタップ巻線
2と、例えば星形結線の中性点N接続された出力端子1
0との間に、タップ選択器3、限流インピーダンス(本
例では限流抵抗)4及び切換開閉器5を備えて構成され
ている。
【0014】図1において、上記タップ選択器3は、上
記変圧器のタップ巻線2に設けた複数のタップにそれぞ
れ接続した固定接触子21,23―――及び22,24
――それぞれ切換接続可能な一対の可動接触子31及
び32とを有している。そしてこの一対の可動接触子3
1,32は、図示しない制御装置のタップ切換指令によ
り、上記切換開閉器5の開閉動作と連動して動作するよ
うに形成されている。
【0015】次に、上記切換開閉器5について説明する
と、6a,6bは一対の短絡スイッチで、上記一対の可
動接触子31,32にそれぞれ接続された固定接点6a
,6bと、出力端子10にそれぞれ接続された固定
接点6a,6bと、これら固定接点6a,6a
並びに固定接点6b,6bのいずれか一方に切換接
続する可動接点6a,6bからそれぞれ構成されて
いる。7は補助スイッチで、上記短絡スイッチ6a,6
bの可動接点6a,6bにそれぞれ接続された固定
接点7a,7bと、これら固定接点7a,7bのいずれ
か一方に切換接続する可動接点7cとから構成されてい
る。
【0016】8は、例えば、ロータリ式の切換スイッチ
で、上記補助スイッチ7の可動接点7cに限流抵抗4を
介して接続された固定接点8cと、上記短絡スイッチ6
a,6bにそれぞれ接続された固定接点8a,8bと、
出力端子10に接続された可動接点8dとから構成され
ている。そして、上記可動接点8dは、短絡スイッチ6
a,6b及び補助スイッチ7と連動して回動し、隣接す
る固定接点8a・8c間を一旦橋絡した後、隣接する固
定接点8a,8bまたは8cに切換接続するようになっ
ている。
【0017】CTa,CTbは変流器で、その一次巻線
Ca,Cbは、短絡スイッチ6aの可動接点6a
と切換スイッチ8の固定接点8aとの間、及び短絡スイ
ッチ6bの可動接点6bと切換スイッチ8の固定接点
8bとの間にそれぞれ挿入されている。そして図5に示
すように、上記変流器CTaの二次巻線と抵抗Rgは直
列に接続され、その直列回路は、出力端子10に端子T
が接続されたサイリスタ(本例ではトライアック)
ThaのゲートGaと短絡スイッチ6aの可動接点6a
に接続された端子Taとの間に接続されている。変
流器CTbの二次巻線も、上述同様、抵抗Rgと直列に
接続され、その直列回路は、出力端子10に端子Tb
が接続されたサイリスタThbのゲートGbと短絡スイ
ッチ6bの可動接点6bに接続された端子Tbとの
に接続されている。その結果変流器CTa,CTbの
一次巻線Ca,Cb に電流が流れると、二次巻線か
ら変流比に対応する電流が出力され、サイリスタTh
a,Thbが導通されることになる。
【0018】換言すれば、交流回路の一部をなす、可動
接触子31と出力端子10との間に、短絡スイッチ6a
を介して、変流器CTaの一次巻線Caと、切換スイ
ッチ8の固定接点8a及び可動接点8dによって形成さ
れるスイッチSaとを直列に接続した回路が形成され
る。そしてこの変流器CTaの一次巻線Caとスイッ
チSaの直列回路にサイリスタThaを並列に接続する
と共に、このサイリスタThaのゲートGa・端子Ta
間に上記変流器CTaの二次巻線と抵抗Rgを直列
に接続し、上記変流器CTaの二次巻線の端子間にはバ
イパスインピーダンスZbを接続し交流開閉器9aが構
成される。そして、同様に、可動接触子32と出力端子
10との間には、短絡スイッチ6bを介して、変流器C
Tbの一次巻線Cbと、切換スイッチ8の固定接点8
b及び可動接点8dによって形成されるスイッチSbと
を直列に接続した回路が形成される。そして、この変流
器CTbの一次巻線CbとスイッチSbの直列回路に
サイリスタThbを並列に接続すると共に、このサイリ
スタThbのゲートGb・端子Tb間には上記変流器
CTbの二次巻線と抵抗Rgを直列に接続し、上記変流
器CTbの二次巻線の端子間にはバイパスインピーダン
スZbを接続し交流開閉器9bが構成される。
【0019】そして、上記スイッチSa及びSbの接点
8a・8d間及び8c・8d間の電圧降下は、上記サイ
リスタTha及びThbの導通に要する端子Ta・T
間及び端子Tb・Tb間の電圧(例えば1.5
V)よりも極めて小さくなるように設定されている。
【0020】変流器CTaは負荷電流が小のときでもサ
イリスタThaを導通させるに十分なゲート電流が得ら
れるようにその変流比が設定されているので、大きい負
荷電流により変流器CTaの二次巻線の出力電流が大き
くなり、二次電圧が変流器の鉄心を飽和させるまで大き
くなると出力電流が零となる。この結果ゲート点弧失敗
し負荷電流をスイッチSaからサイリスタThaに移行
できなくなる。そのため、上記のように、変流器CTa
の二次巻線端子に、並列にバイパスインピーダンスZb
及び抵抗Rgを接続することにより、変流器CTaの一
次巻線Ca に流れる負荷電流の変動範囲が大きい場合
でも、その出力電流をバイパスインピーダンスZbに分
流し出力電圧を略一定(V cp )に保ち、変流器CTa
の鉄心の飽和を防ぐと共に、安定したゲート電流を供給
する。さらに、変流器CTaの鉄心の飽和を防ぐ、即ち
磁束を一定値以下に抑制するので鉄心の小形化、即ち変
器CTaの小形化を図ることができる。変流CTbに
ついても上記変流器CTaと同様である。
【0021】次に、上記のように構成した負荷時タップ
切換器1の動作を図2〜図4と共に説明する。例えば、
タップ21を中性点Nに接続する場合は、図1に示すよ
うに、タップ選択器3の可動接触子31及び32が固定
接触子21に及び22に、短絡スイッチ6aの可動接点
6aが固定接点6aに、短絡スイッチ6bの可動接
点6bが固定接点6bに、補助スイッチ7の可動接
点7cが固定接点7bにそれぞれ切換接続され、切換ス
イッチ8の可動接点8dが固定接点8aに接続(即ちス
イッチSaは閉極)されることになる。そのため、この
ときの負荷電流は、図1の回路中の太線で示すように、
タップ巻線2と中性点Nの間を、可動接触子31、短絡
スイッチ6aの固定接点6aと可動接点6a、変流
器CTaの一次巻線Ca、固定接点8aと可動接点8
d(即ちスイッチSa)、出力端子10によって形成さ
れる電流回路で流れている。
【0022】そして上記負荷電流により変流器CTa
は、2次巻線から電流を出力し、これをゲート電流とし
てサイリスタThaに送出しているが、閉極しているス
イッチSaの接点8a・8d間の電圧降下は、サイリス
タThaの導通に要する端子Ta・Ta間電圧より
極めて小さいので、負荷電流は、サイリスタThaに流
れずに全てスイッチSaを流れる(図2のt時点より
前)。このため、サイリスタThaは、素子の接合部全
体で導通可能な状態で待機していることになる。このと
き、サイリスタThaの両端子Ta・Ta間はスイ
ッチSaを介して、また、サイリスタThbの両端子T
・Tb間は短絡スイッチ6bを介してそれぞれ短
絡されている。そのため変圧器巻線2からサージ電圧等
が該負荷時タップ切換器1に侵入しても、これがサイリ
スタTha,Thbの端子間に印加されることなく、サ
イリスタTha,Thbが破壊するようなことは全くな
い。
【0023】そして、図示しない制御装置から、固定接
触子21から22のタップへ切換えるタップ切換指令が
送出されると、まず、短絡スイッチ6bの可動接点6b
を固定接点6bに切換接続し、次に切換スイッチ8
の可動接点8dが回動して固定接点8a・8c間を一時
的に橋絡する(図4の(1))。これによって、上記負
荷電流に加えて、タップ間循環電流が、可動接触子3
2,短絡スイッチ6bの固定接点6bと可動接点6b
,補助スイッチ7の固定接点7bと可動接点7c,限
流抵抗4、固定接点8cの可動接点8d,固定接点8
a,短絡スイッチ6a,可動接触子31および固定接触
子21によって形成される電流回路を流れる。
【0024】次に、可動接点8dが固定接点8aから開
離(即ちスイッチSaが開極)して固定接点8cのみに
接続される瞬間においては、接点8a・8d間にアーク
が生じ、このアーク電圧が、既にゲート電流を受けて導
通可能な状態にあるサイリスタThaの端子Ta ・T
間に印加される。このアーク電圧はサイリスタTh
aの導通に必要な端子間電圧より大であるため、サイリ
スタThaは瞬時に導通して負荷電流及びタップ間循環
電流がスイッチSaからサイリスタThaに移行する
(図4の(2)、図2のt 時点)。
【0025】そして、電流がスイッチSaからサイリス
タThaへ全て移行すると、アークの消失とともに変流
器CTaの一次巻線Caに流れる電流が零になってサ
イリスタThaのゲート電流も零となるので、サイリス
タThaは移行した電流を交流零点で遮断する(図2の
時点、図4の(3))。
【0026】切換スイッチ8の可動接点8dがさらに回
動して固定接点8cと8bを橋絡すると、固定接点8c
に流れていた電流は全て固定接点8bに移行し、固定接
点8cの電流は零になる。この際、可動接点8dと固定
接点8bが接続(即ちスイッチSbが閉極)される瞬間
(図2のt時点)に、上記接点8d・8b間にチャタ
リングが発生すると、これに伴いアークも発生する。し
かしスイッチSbに一旦通電されるとサイリスタThb
は、変流器CTbを介してゲート電流を受け導通可能な
状態となっている。即ち、チャタリングによってアーク
が発生するとその瞬間スイッチSbはその接点間にアー
ク電流が流れ閉極状態となる。そして、それと同時にア
ーク電圧も発生し、この電圧により瞬時にサイリスタT
hbも導通状態になり負荷電流がサイリスタThbにも
分流し、やがてアークが消失すると負荷電流は全てスイ
ッチSbを流れる。そのため、チャタリングによって負
荷電流が断続されることなく、また、アークも極く微小
にすることができ、チャタリングの弊害を殆どなくする
ことが可能となる。
【0027】可動接点8dがさらに動いて接点8d・8
b間のみが接続されると、接点8c・8d間は電流零で
開極され、このとき、接点8c・8d間にアークは発生
しない。そして、負荷電流が、切換えたタップに接続さ
れた固定接触子22,可動接触子32,短絡スイッチ6
bの固定接点6bと可動接点6b,変流器CTbの
一次巻線Cb,スイッチSb及び出力端子10で形成
される電流回路を流れると、この負荷電流により変流器
CTbからサイリスタThbのゲートGbにゲート電流
が送出される(図2のt時点より後、図4の
(4))。そして、短絡スイッチ6aの可動接点6a
を固定接点6aに切換接続して非通電側のサイリスタ
Thaの端子Ta・Ta間を短絡し、サイリスタT
haを異常電圧から保護する。さらに続いて、補助スイ
ッチ7の可動接点7cを固定接点7aに切換接続して次
のタップ切換動作に備える(図4の(5))。以上でタ
ップ切換動作の一行程が終了する。
【0028】そして、次に、固定接触子22から23の
タップへ切換えるタップ切換指令が送出されると、タッ
プ選択器3の可動接触子31を固定接触子23に切換接
続して、短絡スイッチ6aの可動接点6aを固定接点
6aに切換接続し、切換スイッチ8を上記タップ切換
動作の場合とは逆の方向に回動し(図4の(6))、上
記と同様の行程を経てタップ切換動作が行われることに
よる。
【0029】上述したように、可動接点8dが固定接点
8aから開離(即ちスイッチSaが開極)する際、接点
8d・8a間にはアークが発生して、スイッチSaに流
れていた電流がサイリスタThaへ移行するが、これに
ついて説明する(スイッチSbの開極の場合についても
同様)。上記電流の移行中、スイッチSa,一次巻線C
,サイリスタTha,出力端子10,及びこれらを
接続する導体でループが形成されるので、このループの
面積に比例した大きさのインダクタンスが生じる。その
ため図2の(ハ)のt時点でサイリスタThaに移行
する電流の立上り時間(図3の(tb−ta))
は、上記インダクタンスの大きさに比例して長くなる。
接点8a・8d間に発生したアークは、上記立上り時間
(tb−ta)だけ持続し、図3のtb時点で電
流がサイリスタThaへ移行し終ると同時に消失する。
【0030】上記ループを形成する各部材のうち、スイ
ッチSaの固定接点8aと一次巻線Caとサイリスタ
Thaの端子Taとを接続する導体、及びスイッチS
aの可動接点8dとサイリスタThaの端子Taと出
力端子10とを接続する導体をそれぞれ必要最小限の長
さにするなどして、ループの面積を小さくすると、イン
ダクタンスが小さくなり、スイッチSaに生ずるアーク
の持続時間(tb−ta)短くなるので、アーク
エネルギー小さくなり、接点8a,8dの消耗を少な
くすることができる。
【0031】また、上記サイリスタThaは、最大でも
交流半サイクルの期間だけ通電して初めて接合部の温度
が上昇することになるので、タップ切換時以外は電力損
失を発生せず、サイリスタThaの接合部の温度は略周
囲温度に等しく、サイリスタThaは、タップ切換時に
瞬間的に流れるサージオン電流のみを考慮して選択する
ことができ小容量のサイリスタThaを使用することが
でき、かつ放熱装置も不要となる。このため、上記ルー
プを形成する各部材をさらに近接配置してループを小さ
くすることが可能となり、アーク持続時間をさらに短く
することができる。
【0032】上記のように、ループの面積を小さくする
とループのインダクタンスが小さくなり、サイリスタT
haに移行する電流の立上り時間(tb−ta)が
短くなるが、サイリスタThaは、電流の立上り前から
ゲート電流が供給されて素子の接合部全体が導通可能な
状態にあり、端子Ta・Ta間に電圧が印加される
電流は瞬時に接合部全体に流れるようになっている。
それに対し、一般的なサイリスタの使用方法では、端子
Ta・Ta間に電圧を印加した状態でゲート電流を
加えて導通するので、このときの電流の立上りが急峻
で、この電流がゲート近傍に集中して過熱しサイリスタ
を破壊するというおそれがある。従って、本発明では
急峻な立上りの電流がサイリスタThaに流れる場合で
も、電流上昇率抑制用のリアクトルをサイリスタTha
と直列に設けたり、大きな電流上昇率に比例したゲート
電流を流すようにした(いわゆるハイゲートドライブ)
回路を設けたりする必要がない。
【0033】次に、スイッチの接点の消耗に直接影響す
るアークエネルギーを、上記交流開閉器9aを用いて電
流を遮断した場合と、スイッチSa単独で遮断した場合
とを、例えば周波数60Hz、実効値300Aの負荷電
流を電流の波高値時点で遮断した場合について計算し、
スイッチSaの接点寿命を比較してみる。
【0034】スイッチSaの接点8a・8d間のアーク
エネルギーは下記の数式1で示される。
【0035】
【数1】
【0036】但し、上記数式1においてEaはアークエ
ネルギー(J),taはアーク持続時間(S),Iaは
アーク電流(A),Vaはアーク電圧(V)をそれぞれ
示す。
【0037】また、接点8a・8d間にアークを介して
流れる電流の減少率は下記の数式2で示される。
【0038】
【数2】
【0039】但し、Lはインダクタンス(本例では、ス
イッチSa、変流器CTaの一次巻線Ca、サイリス
タTha、出力端子10で形成されるループのインダク
タンス)(H)を示す。
【0040】上記インダクタンスLは実測例では略2μ
Hであり、アーク電圧Vaを50V一定とみなせば、ア
ーク持続時間ta(図3におけるtb−ta)は、
上記の数式2から、下記の数式3のようにして求められ
る。
【0041】
【数3】
【0042】このときのアークエネルギーEaは、上記
の数式1,数式2,数式3から下記の数式4のようにし
て求められる。
【0043】
【数4】
【0044】一方、スイッチSaのみで遮断した場合の
アークエネルギーEaは、アーク電圧Vaを上記と同様
に50V一定とみなせば、上記の数式1から、下記の数
式5のようにして求められる。
【0045】
【数5】
【0046】上記のように、負荷電流をスイッチSa単
独で遮断した場合のアークエネルギーEa(数式5)
は、交流開閉器9aで遮断した場合のアークエネルギー
Ea(数式4)の約300倍となる。アークによる接点
8a,8dの消耗は、アークエネルギーEaに比例する
ので、スイッチSaの電気的寿命は、アークエネルギー
Eaに略反比例し、上記計算結果によれば、例えば5千
回寿命のスイッチSaを上記交流開閉器9aの部材とし
て使用すれば300倍の150万回まで使用可能とな
る。
【0047】上記実施例においては、サイリスタTha
(及びThb)はトライアックとし、これらにゲート電
流を送出する変流器CTa(及びCTb)は一つの二次
巻線を有するものとしてそれぞれ説明したが、上記トラ
イアックに代えて、二個の単方向性のサイリスタを逆並
列に接続し、変流器CTa(及びCTb)は、二つの二
次巻線を備えて、この二つの二次巻線を上記二個のサイ
リスタのゲートにそれぞれ接続するようにしてもよい。
【0048】また、上記実施例は、図1に示すような負
荷時タップ切換器1の切換開閉器に実施した例である
が、図1に示した負荷時タップ切換器1に限定すること
なく、制御装置のタップ切換指令により、連動してタッ
プ巻線の隣接タップを橋絡しつつ複数のタップを選択す
る一対の可動接触子と、この一対の可動接触子のうち一
方の可動接触子と出力端子間に、接点を有するスイッチ
と変流器の一次巻線とを直列に接続した回路を挿入し、
このスイッチと変流器の直列回路にサイリスタを並列に
接続し、このサイリスタのゲートに上記変流器の二次巻
線を接続して負荷電流を導通又は遮断するようにした交
流開閉器を接続し、上記一対の可動接触子のうち他方の
可動接触子と出力端子間にタップ間循環電流を制限する
限流抵抗を接続して、タップ切換指令により、上記一対
の可動接触子と連動して上記交流開閉器で負荷電流を導
通又は遮断してタップ切換を行うようにした負荷時タッ
プ切換器が可能である。さらに、上記と同様の一対の可
動接触子のうち一方の可動接触子と出力端子間に上記と
同様に交流開閉器を挿入し、一対の可動接触子のうち他
方の可動接触子と出力端子間に、限流抵抗と上記交流開
閉器を直列に接続して挿入しこの限流抵抗と交流開閉器
の直列回路に上記交流開閉器を並列に接続して形成した
負荷時タップ切換器等の抵抗式負荷時タップ切換器、上
記と同様の一対の可動接触子のそれぞれと出力端子間に
上記交流開閉器と限流リアクトルを直列に接続して挿入
し、上記二つの限流リアクトルは、タップ切換時以外の
負荷電流通電時はそのリアクタンスを互いに打消すよう
に形成されているリアクトル式の負荷時タップ切換器等
実施できる。
【0049】
【発明の効果】サイリスタのオン(またはオフ)制御
は、スイッチの閉(または開)に対応して送出(または
停止)される変流器の二次巻線の出力電流によって行う
ようになっているので、この二次巻線の出力電流、即ち
ゲート電流を送出(または停止)するための制御電源お
よび制御回路を格別に設けることなくサイリスタをオン
(またはオフ)制御して交流回路を開路(又は閉路)さ
せることができる。しかも、スイッチに流れる電流を、
変流器の一次巻線で検出し、変流器の二次巻線からサイ
リスタのゲートに送出しているので、この交流開閉装置
を高電圧回路に適用した場合でも上記変流器とスイッ
チ、サイリスタとの間に高耐圧の絶縁が不要となり、構
成が簡素化して、故障率が低下すると共に、コストを低
減することができる。
【0050】また、交流回路を閉路、即ちスイッチを閉
極して負荷電流を通電している間、サイリスタは常時ゲ
ート電流を受けて導通可能な状態で待機するようになっ
ている。そして、交流回路を開路、即ち負荷電流を遮断
するためスイッチを開極すると同時に、瞬時に、かつ的
確にサイリスタ導通され、スイッチに流れるこの負荷
電流速やかにサイリスタに移行される。そのためスイ
ッチ接点間に発生するアークは持続時間が極めて短く
略無アークで負荷電流をしゃ断することができ、かつ
そのアークエネルギーは非常に小さいので、スイッチ接
点の消耗を防止して接点の長寿命化をはかることができ
る。そして常時ゲート電流を受けて導通可能な状態で待
機しているので、スイッチ開極時にサイリスタに移行す
る負荷電流の立上りが急峻であっても、この電流がゲー
ト近傍に集中して局部を加熱してサイリスタを破壊させ
るようなことなく、サイリスタを素子の接合面全体で導
通させて負荷電流を安全に移行させることができる。
【0051】さらに、スイッチが閉極時にチャタリング
を起こしても、スイッチが閉極したときスイッチに並列
接続したサイリスタが導通可能な状態となり、次の瞬間
スイッチが開極するときには、すでに負荷電流はサイリ
スタに移行しているので、チャタリングによって生ずる
アークを抑制することができると共に、負荷電流が断続
することはなく、ノイズを発生させないようにすること
が可能となる。
【0052】また、大きな負荷電流が流れて変流器の二
次巻線の出力電流が大きくなっても、この出力電流
イパスインピーダンスに分流するので変流器の二次巻線
端子間電圧略一定に保持される。そのため負荷電流が
大きく変動しても、安定したゲート電流を流してサイリ
スタを的確に動作させることができると共に、変流器の
鉄心の磁束を一定値以下に抑制するので変流器の小形化
を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を適用した負荷時タップ切換器
の回路構成図である。
【図2】本発明の実施例の動作を示すタイミング図であ
る。
【図3】図2のt付近を拡大して動作を示すタイミン
グ図である。
【図4】本発明の実施例を適用した負荷時タップ切換器
の動作の説明図である。
【図5】本発明の詳細を示す図である。
【図6】図5のバイパスインピーダンスの電圧電流特性
を示す図である。
【符号の説明】
9a,9b 交流開閉器 Sa,Sb スイッチ CTa,CTb 変流器 Ca,Cb 変流器の一次巻線 Tha,Thb サイリスタ Ga,Gb ゲート Zb バイパスインピーダンス Rg 抵抗

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流回路に、接点を有するスイッチと変
    流器の一次巻線とを直列に接続した回路を挿入し、この
    スイッチと変流器の直列回路にサイリスタを並列に接続
    し、このサイリスタのゲートに上記変流器の二次巻線を
    抵抗を介して接続し、上記変流器の二次巻線に、非線形
    電圧電流特性を有するバイパスインピーダンスを並列に
    接続して、上記サイリスタを上記変流器の二次巻線出力
    電流によってオンオフ制御するようにしたことを特徴と
    する交流開閉装置。
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