JP2022019310A - 負荷時タップ切換器及び電圧調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】タップの切換状態に関わらず、直列変圧器の一次巻線の両端を随時短絡することが可能な負荷時タップ切換器及び電圧調整装置を提供する。【解決手段】負荷時タップ切換器(3a)は、交流電圧を配電する配電線(1u,1v)に二次巻線(112,122)が直列に接続される直列変圧器(1a)の一次巻線(111,121)に、前記配電線に一次巻線(21)が並列に接続される調整変圧器(2a)の二次巻線(22)のタップ(t1~t3)を切り換えて接続するための切換スイッチ(ThX:X=1,2,3),(ThY:Y=A,B,C)と、直列変圧器の一次巻線の一端(u2,v1)を、a接点を介して切換スイッチ(ThX)に接続するか、b接点を介して該一次巻線の他端(u1,v2)に接続するかを切り換える電磁接触器(MC)とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、変圧器のタップを切換スイッチにより切り換える負荷時タップ切換器及び該負荷時タップ切換器を含む電圧調整装置に関する。
いわゆる間接切換式の電圧調整装置は、二次巻線が配電線に直列に接続される直列変圧器と、一次巻線が配電線に並列に接続され、二次巻線に複数のタップが設けられた調整変圧器と、該複数のタップを切り換えて直列変圧器の一次巻線に接続する負荷時タップ切換器とを備えている。
負荷時タップ切換器は、直列変圧器の一次巻線に接続するタップを切り換えるための切換スイッチと、タップ切換を行う過程でタップ間に流れる矯絡電流を制限する限流抵抗器等の限流素子と、該限流素子のタップ間への接続及び切り離しを行う矯絡用スイッチとを有する。限流抵抗器及び矯絡用スイッチは直列に接続されている。負荷時タップ切換器は、切換スイッチ及び矯絡用スイッチを所定のシーケンスでオンオフすることにより、調整変圧器から直列変圧器の一次巻線に印加する調整電圧の大きさ及び極性を切り換える。
限流抵抗器及び矯絡用スイッチの直列回路には、機械接点を有する電磁接触器等の開閉器が並列に接続されている(特許文献1参照)。この開閉器は、例えば電圧調整装置の運転停止時及び故障に対する保護動作時に閉路されて、直列変圧器の一次巻線に電流を流し続けるようになっている。この場合の機械接点としては、電源喪失の場合にも閉路するようにb接点(常閉接点)又は機械ラッチ式のa接点(常開接点)が用いられる。
しかしながら、特許文献1に開示された電圧調整器では、素通し以外のタップが選択されている場合、タップを選択している切換スイッチをオフにして即座に電磁接触器の開閉器を閉路するか、又は開閉器を閉路する前に素通しタップに切り換える必要があり、このような制御が確実に行えない場合があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、タップの切換状態に関わらず、直列変圧器の一次巻線の両端を随時短絡することが可能な負荷時タップ切換器及び電圧調整装置を提供することにある。
本発明の一態様に係る負荷時タップ切換器は、交流電圧を配電する配電線に二次巻線が直列に接続される直列変圧器の一次巻線に、前記配電線に一次巻線が並列に接続される調整変圧器の二次巻線のタップを切り換えて接続するための切換スイッチを備える負荷時タップ切換器であって、前記直列変圧器の一次巻線の一端を、a接点を介して前記切換スイッチに接続するか、b接点を介して他端に接続するかを切り換える電磁接触器を備える。
本態様にあっては、配電線に二次巻線が直列に接続される直列変圧器の一次巻線に対し、配電線に一次巻線が並列に接続される調整変圧器の二次巻線のタップから切換スイッチを介して調整電圧が印加される。電磁接触器は、直列変圧器の一次巻線の一端を、投入時にa接点を介して切換スイッチに接続するか、開放時にb接点を介して該一次巻線の他端に接続するかを切り換える。これにより、電磁接触器が開放された場合、調整変圧器の二次巻線と直列変圧器の一次巻線の一端とが切り離されると共に、該一次巻線の両端が短絡される。
本発明の一態様に係る負荷時タップ切換器は、前記切換スイッチに流れる電流に基づいて前記電磁接触器の操作コイルに流れる駆動電流を遮断する継電器を更に備える。
本態様にあっては、切換スイッチに流れる電流によって継電器が作動することにより、電磁接触器の操作コイルに流れる駆動電流が遮断されてa接点が開路し、b接点が閉路する。従って、負荷時タップ切換器に流れる電流が増大した場合、当該電流が間接的に遮断されると共に、直列変圧器の一次巻線の両端が短絡される。
本発明の一態様に係る負荷時タップ切換器は、前記切換スイッチに流れる電流に基づいて前記電磁接触器のa接点を引き外して開路させる引外し部を更に備える。
本態様にあっては、切換スイッチに流れる電流によって電磁接触器のa接点が機械的に開路し、b接点が閉路する。従って、負荷時タップ切換器に流れる電流が増大した場合、当該電流が直接的に遮断されると共に、直列変圧器の一次巻線の両端が短絡される。
本発明の一態様に係る負荷時タップ切換器は、前記切換スイッチに流れる電流によって発熱するヒータと、該ヒータによって熱変形するバイメタルとを更に備える。
本態様にあっては、切換スイッチに流れる電流によりヒータが発熱してバイメタルが熱的に変形することを利用して、継電器又は引外し部を作動させる。
本発明の一態様に係る負荷時タップ切換器は、前記電磁接触器の操作コイルの駆動を制御する制御部と、前記切換スイッチに流れる電流を検出する電流検出部とを備え、前記制御部は、前記電流検出部の検出結果に基づいて前記操作コイルの駆動を停止させるようにしてある。
本態様にあっては、切換スイッチに流れる電流の検出結果に基づいて電磁接触器の操作コイルの駆動を停止させる。これにより、切換スイッチに過電流が流れたときに制御部がa接点を閉路させ、b接点を閉路させる。
本発明の一態様に係る電圧調整装置は、上述の負荷時タップ切換器と、前記直列変圧器と、前記タップ付変圧器とを備える。
本態様にあっては、上述の負荷時タップ切換器と、直列変圧器と、タップ付変圧器とを備えて電圧調整装置を構成するため、直列変圧器の一次巻線の両端を随時短絡することが可能な負荷時タップ切換器を電圧調整装置に適用できる。
本発明によれば、負荷時タップ切換変圧器の切換状態に関わらず、直列変圧器の一次巻線の両端を随時短絡することが可能となる。
以下、本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る電圧調整装置100aの構成例を示すブロック図である。サイリスタ式の電圧調整装置(TVR=Thyristor type step Voltage Regulator )100aは、紙面左側の電源から供給されるU相,V相の交流電圧を調整し、紙面右側の負荷へ、配電線1u,1vを介してu相,v相の交流電圧を配電する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る電圧調整装置100aの構成例を示すブロック図である。サイリスタ式の電圧調整装置(TVR=Thyristor type step Voltage Regulator )100aは、紙面左側の電源から供給されるU相,V相の交流電圧を調整し、紙面右側の負荷へ、配電線1u,1vを介してu相,v相の交流電圧を配電する。
電圧調整装置100aは、配電線1u,1vそれぞれに二次巻線112,122が直列に接続される直列変圧器1aと、配電線1u,1vに一次巻線21が並列に接続される調整変圧器2a(タップ付変圧器に相当)とを備える。電圧調整装置100aは、更に、調整変圧器2aの二次巻線22及び直列変圧器1aの一次巻線111,121の間に設けられた負荷時タップ切換器(以下、単にタップ切換器とも言う)3aを備える。タップ切換器3a及び調整変圧器2aが、負荷時タップ切換変圧器200aを構成する。
直列変圧器1aは、二次巻線112,122それぞれに一次巻線111,121が対応している。一次巻線111,121は、それぞれ二次巻線112,122に互いに逆位相の電圧が誘起するように並列に接続されている。二次巻線112,122それぞれの上記負荷側の端子に対応する一次巻線111,121の端子をu1,v1とする。また、二次巻線112,122それぞれの上記電源側の端子に対応する一次巻線111,121の端子をu2,v2とする。
調整変圧器2aは、一次巻線21が配電線1u,1v間に接続されている。一次巻線21に対応する二次巻線22は、一端及び他端から引き出されたタップt1及びt3と,一端及び他端の間から引き出された中間のタップt2とを有する。二次巻線22は、タップt1~t3の何れか1つがタップ切換器3aを介して直列変圧器1aの一次側の端子u2,v1に接続され、該1つと同一又は異なる他の1つがタップ切換器3aを介して直列変圧器1aの一次側の端子u1,v2に接続される。同一のタップが直列変圧器1aの一次側の各端子に接続されるのは、後述する素通しタップの場合である。
調整変圧器2aの一次巻線21に印加される電圧を計測するために、配電線1u,1v間には計測用変圧器PT1の一次巻線が接続されている。計測用変圧器PT1に代えて、例えば抵抗分圧等の手段を用いて配電線1u,1v間の電圧を計測してもよい。
タップ切換器3aは、調整変圧器2aの二次巻線22のタップt1~t3を切り換えるための6つの切換スイッチThA,ThB,ThC,Th1,Th2,Th3を有する。各切換スイッチは、例えば双方向に導通するトライアック又は逆並列に接続されたサイリスタ対を含む。タップ切換器の構成は図1に示すものに限定されず、例えば、直列変圧器1aに印加する電圧の極性を切り換える極性切換用タップ選択スイッチを含む構成であってもよい。
タップ切換器3aは、更に、上記各切換スイッチの切り換えを制御する制御部31aと、制御部31aからの駆動信号に基づいて各切換スイッチをオンに駆動する駆動部32aとを有する。制御部31aには、計測用変圧器PT1の二次巻線と、後述する計測用変圧器PT及び変流器CTの二次巻線とが接続されている。制御部31aと計測用変圧器PT1,PT及び変流器CTとの接続、並びに駆動部32aと各切換スイッチとの接続は、図示を省略する。
制御部31aは、不図示のCPU(Central Processing Unit )を有し、予めROM(Read Only Memory )に記憶された制御プログラムに従って、電圧の調整を制御する。一時的に発生した情報はRAM(Random Access Memory )に記憶される。制御部31aは、また、経過時間を計測するためのタイマカウンタを有する。
二次巻線22のタップt1は、保護用のヒューズ(不図示:以下同様)を介して切換スイッチThA及びTh1の一端に接続され、タップt2は、ヒューズを介して切換スイッチThB及びTh2の一端に接続され、タップt3は、ヒューズを介して切換スイッチThC及びTh3の一端に接続されている。切換スイッチThA,ThB,ThCの他端同士は、接続線3uを介して直列変圧器1aの一次側の端子u1及びv2に接続されている。切換スイッチTh1,Th2,Th3の他端同士は、接続線3v-1、後述するヒータ51(図3参照)、電磁接触器MCのa接点(NO接点/常開接点)及び接続線3v-2を介して直列変圧器1aの一次側の端子u2及びv1に接続されている。
接続線3u及び3v-1間には、線間電圧を検出するための計測用変圧器PTの一次巻線が接続されている。接続線3v-1と、切換スイッチTh1,Th2,Th3の他端同士との接続部位には、該他端同士に対して流れる電流を計測するための変流器CTの一次巻線が結合している。切換スイッチTh1,Th2,Th3の他端同士と接続線3v-1との間に流れる電流は、切換スイッチThA,ThB,ThCの他端同士と接続線3uとの間に流れる電流と一致する。よって、変流器CTの一次巻線は、切換スイッチThA,ThB,ThCの他端同士と接続線3uとの接続部位に結合させてもよい。以下では、切換スイッチTh1,Th2,Th3の他端同士と接続線3v-1との間に流れる電流を、単に切換スイッチTh1,Th2,Th3に流れる電流と言う。
接続線3v-2及び3u間には、限流抵抗器RS及び矯絡用スイッチThSの直列回路と、電磁接触器MCのb接点(NC接点/常閉接点)とが接続されている。電磁接触器MCは、接続線3v-2を接続線3v-1に接続するか、接続線3uに接続するかを切り換えるものであるが、接続線3v-2に対応する接続線3uの一部を接続線3uの他の一部に接続するか、一本化された接続線3v-1,3v-2に接続するかを切り換えるものであってもよい。
矯絡用スイッチThSは、二次巻線22のタップt1~t3を切り換える過程で、限流抵抗器RSを介してタップ間を矯絡させておくために、タップ間への限流抵抗器RSの接続及び切り離しを行うためのものである。電磁接触器MCは、タップ切換器3aの過電流が検出された場合、又はタップ切換器3aの運用が停止される場合に、タップ切換器3aを直列変圧器1aの一次巻線111,121から切り離すと共に。直列変圧器1aの一次側の端子u1,u2間及び端子v1,v2間を矯絡して、開放状態にしないようにするためのものである。
次に、オンにする切換スイッチの組合せについて説明する。図2は、タップ位置とオンにする切換スイッチとの関係を示す図表である。切換スイッチの組合せは7通りあり、これらの組合せをタップ1からタップ7までのタップ位置で表す。例えば、タップ位置をタップ1にした場合、切換スイッチThC及びTh1がオンする。これにより、二次巻線22のタップt1が接続線3v-1に接続され、タップt3が接続線3uに接続される。この場合、タップt1及びt3間の巻数が二次巻線22の巻数に等しくなり、タップ切換器3aが出力する電圧の大きさが最大となる。
タップ2からタップ3までについては、タップ間の巻数が段階的に少なくなるようなタップの組合せに応じて、2つのタップを接続線3u及び3v-1に接続する切換スイッチが決まる。例えば、タップ位置をタップ3にした場合、切換スイッチThC及びTh2がオンする。これにより、二次巻線22のタップt2が接続線3v-1に接続され、タップt3が接続線3uに接続される。この場合、タップt2及びt3間の巻数が0を除いて最小となり、タップ切換器3aが出力する電圧の大きさが0を除いて最小となる。
タップ位置をタップ4にした場合、切換スイッチThA及びTh1がオンする。これにより、二次巻線22のタップt1が接続線3u及び3v-1に接続される。この場合、タップ切換器3aが出力する電圧が0となる。これが、いわゆる素通しタップである。なお、素通しタップにするための切換スイッチは、切換スイッチThA及びTh1に限定されず、切換スイッチThB及びTh2でもよいし、切換スイッチThC及びTh3でもよい。
タップ5からタップ7までについては、タップ間の巻数が段階的に多くなるようなタップの組合せに応じて、2つのタップを接続線3u及び3v-1に接続する切換スイッチが決まる。例えば、タップ位置をタップ7にした場合、切換スイッチThA及びTh3がオンする。これにより、二次巻線22のタップt1が接続線3uに接続され、タップt3が接続線3v-1に接続される。この場合、タップt1及びt3間の巻数が二次巻線22の巻数に等しくなり、タップ切換器3aが出力する電圧の大きさが最大となる。但し、タップ1の場合と比較して、出力される電圧の位相が反転する。
前述の通り、タップ切換によって接続線3u及び3v-1に接続される2つのタップに係るタップ間の巻数は、タップ位置に応じて決まる、換言すれば、タップ位置に応じて、調整変圧器2aの巻数比(即ち変圧比)が決まる。ここで言う巻数比は、タップ切換によって接続線3u-1及び3vに接続される2つのタップに係るタップ間の巻数に対する一次巻線21の巻数の比である。
本実施形態1にあっては、図2に示すタップ位置と、オンにする切換スイッチとを対応付けたテーブルが、制御部31aのROMに予め記憶されている。タップ位置を上げ下げする毎にこのテーブルを参照して、オンにすべき切換スイッチを示す情報を読み出すことにより、タップ切換の処理が容易に行える。
次に、電源側からの交流電圧に加算又は減算される電圧について説明する。図2を用いて説明したように、タップ位置がタップ1からタップ3までの何れかである場合と、タップ位置がタップ5からタップ7までの何れかである場合とでは、タップ切換器3aが出力する電圧の位相が互いに反転する。ここでは、タップ位置がタップ4からタップ7までの間にある場合について説明する。
タップ位置がタップ4からタップ7までの間にある場合、接続線3v-1に対する接続線3uの電圧は、配電線1vに対する配電線1uの電圧と同相になる。即ち、直列変圧器1aの一次巻線111の端子u2に対する端子u1の電圧は、配電線1vに対する配電線1uの電圧と同相になる。また、一次巻線121の端子v2に対する端子v1の電圧は、配電線1vに対する配電線1uの電圧と逆相になる。従って、接続線3u及び3v-1間の電圧が直列変圧器1aの一次巻線111,121に印加されることにより、二次巻線112,122から配電線1u,1vに配電される電圧が昇圧されて負荷側に配電される。
以上のことから、タップ位置をタップ1からタップ7まで切り換えることにより、電源側からの単相交流を降圧した電圧から昇圧した電圧まで段階的に調整して負荷側に配電することができる。制御部31aは、計測用変圧器PT1により、配電線1u,1v間の電圧を検出し、検出した電圧が不感帯を逸脱した場合に、タップ位置を上げ下げすることによって、配電線1u,1v間電圧が基準電圧に近づくように調整する。
次に、電磁接触器MCと、図1には示されていない熱動継電器とを含む電磁開閉器MSについて説明する。図3は、実施形態1に係る電磁開閉器MSの構成を模式的に示す説明図である。図3Aでは電磁接触器MCが投入されており、熱動継電器TRが作動(トリップ)していない状態を示す。図3Bでは熱動継電器TRが作動して電磁接触器MCが開放されている状態を示す。
電磁接触器MCは、投入時に駆動部32aによって駆動される操作コイル41と、固定鉄心42と、可動鉄心43と、互いに連動するa接点、b接点及び補助接点(不図示)とを有する。可動鉄心43の復帰バネについては図示を省略する。投入時に操作コイル41が駆動されて固定鉄心42側へ可動鉄心43が吸引されることにより、a接点が閉路し、b接点が開路し、補助接点の開閉状態が変化する。補助接点は、制御部31aに接続されている(不図示)。
熱動継電器TRは、ヒータ51と、該ヒータ51からの熱によって変形するバイメタル52と、b接点とを有する。
電磁接触器MCのa接点及びb接点それぞれの一端は、接続線3v-2に接続されている。このa接点の他端は、熱動継電器TRのヒータ51を介して接続線3v-1に接続されている。電磁接触器MCのb接点の他端は、接続線3uに接続されている。電磁接触器MCの操作コイル41は、熱動継電器TRのb接点を介して駆動部32aに接続されている。
電磁接触器MCは、上述したように、接続線3v-2を、接続線3v-1に接続するか、接続線3uに接続するかを切り換える。即ち、電磁接触器MCは、直列変圧器1aの一次巻線の端子u2,v1を、投入時にa接点を介して切換スイッチTh1,Th2,Th3の他端同士に接続し、開放時にb接点を介して端子u1,v2に接続する。
熱動継電器TRは、切換スイッチTh1,Th2,Th3と同じ電流が通流するヒータ51が該電流によるジュール熱を発生する。このジュール熱がバイメタル52に伝わって該バイメタル52が熱変形することにより、b接点が機械的に開路する。これにより、操作コイル41に流れる駆動電流が遮断されて電磁接触器MCのa接点が開路し、b接点が閉路する(図3B参照)。a接点が開路した場合、オンに駆動されている切換スイッチに流れる電流が遮断されてタップ切換器3aが保護される。制御部31aは、電磁接触器MCが開放されたことを、補助接点によって検知した場合、電磁接触器MCの操作コイル41の駆動を停止する。
即ち、切換スイッチTh1,Th2,Th3に流れる電流が増大して、切換スイッチTh1,Th2,Th3が過熱状態に近づいた場合、オンに駆動されている切換スイッチに流れる電流が遮断されると共に、直列変圧器1aの一次巻線111,121の両端が短絡される。この場合、一次巻線111,121に流れる電流が保持されるため、一次巻線111,121に過電圧が生じることが防止される。
上述のバイメタル52は、電圧調整装置100aの動作温度範囲にて、各切換スイッチの短時間特性(負荷電流の大きさと、該大きさの負荷電流を流せる時間との対応を示す特性)よりも下側の領域(上記特性を示す曲線よりも原点側の領域)で所要の熱変形を生じ、且つ各切換スイッチの定格電流付近では有意な熱変形を生じないように設計する。
バイメタル52は、切換スイッチTh1,Th2,Th3に流れる電流が緩やかに増大した場合に、電流量に応じて好適に熱変形するが、負荷側での短絡事故や装置内部の故障等によって切換スイッチTh1,Th2,Th3に過電流が流れた場合は、熱変形に遅れが生じる。このような場合であっても切換スイッチTh1,Th2,Th3を含むタップ切換器3aを保護するために、制御部31aが切換スイッチTh1,Th2,Th3に流れる電流を監視している。
具体的に、制御部31aは、変流器CTによって検出した切換スイッチTh1,Th2,Th3に流れる電流が所定の閾値を上回った場合、駆動部32aによって操作コイル41の駆動電流をオフする。これにより、電磁接触器MCのa接点が開路し、b接点が閉路するため、タップ切換器3aが保護されると共に、直列変圧器1aの一次巻線111,121に過電圧が生じることが防止される。
以下では、上述した制御部31aの動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。図4は、電磁接触器MCを開放させる制御部31aの処理手順を示すフローチャートである。図4の処理は、タップ切換器3aの運用開始時に起動され、制御部31aに含まれるROMに予め格納されている制御プログラムに従って、CPUにより実行される。制御部31aにFPGA(Field Programmable Gate Array )が含まれる場合は、この制御プログラムをFPGAが実行してもよい。なお、図4の処理が起動される前に、操作コイル41が駆動されて電磁接触器MCが投入されているものとする。
図4の処理が起動された場合、制御部31aのCPUは、電圧調整装置100aが運用を停止すべき状態であるか否かを判定し(S11)、運用を停止すべき状態である場合(S11:YES)、後述するステップS15に処理を移す。
運用を停止すべき状態ではない場合(S11:NO)、CPUは、電磁接触器MCの補助接点の状態を取り込んで、電磁接触器MCが開放したか否かを判定し(S12)、開放した場合(S12:YES)、後述するステップS15に処理を移す。
電磁接触器MCが開放していない場合(S12:NO)、CPUは、変流器CTから取得した計測結果に基づいて、切換スイッチTh1,Th2,Th3に流れる電流を検出し(S13)、検出した電流が所定の閾値より大きいか否かを判定する(S14)。検出した電流が所定の閾値より大きくない場合(S14:NO)、CPUは、ステップS11に処理を移す。
検出した電流が所定の閾値より大きい場合(S14:YES)、CPUは、駆動部32aによって操作コイル41の駆動をオフし(S15)、図4の処理を終了する。これにより、電圧調整装置100aが運用を停止する。運用を再開するには、使用者が再開の操作を行うものとする。
次に、上述した熱動継電器TRの作動による保護と、制御部31aのCPUの制御による保護との関係について説明する。図5は、バイメタル52の熱変形による保護と、操作コイル41の駆動電流のオン/オフによる保護とを対比する図表である。バイメタル52の熱変形がある場合(番号=1,2)、操作コイル41の駆動電流がオフであるかオンであるかに関わらず、タップ切換器3aは保護状態にある。
一方、バイメタル52の熱変形がない場合(番号=3,4)、操作コイル41の駆動電流がオフであるかオンであるかに応じて、タップ切換器3aは保護状態にあるか否かが切り換わる。保護状態にない場合は、運用状態にある。このように、熱動継電器TRの作動による保護は、制御部31aのCPUの制御による保護よりも優先される。
以上のように本実施形態1によれば、配電線1u,1vそれぞれに二次巻線112,122が直列に接続される直列変圧器1aの一次巻線111,121に対し、配電線1u,1vに一次巻線21が並列に接続される調整変圧器2aの二次巻線22のタップt1,t2,t3の何れか2つから切換スイッチThX(X=1,2,3)及びThY(Y=A,B,C)を介して調整電圧が印加される。電磁接触器MCは、直列変圧器1aの一次巻線111,121それぞれの端子u2,v1を、投入時にa接点を介して切換スイッチThXに接続するか、開放時にb接点を介して一次巻線111,121それぞれの端子u1,v2に接続するかを切り換える。これにより、電磁接触器MCが開放された場合、調整変圧器2aの二次巻線22と直列変圧器1aの一次巻線111,121とが切り離されると共に、一次巻線111,121の両端が短絡される。従って、タップの切換状態に関わらず、直列変圧器1aの一次巻線111,121の両端を随時短絡することが可能となる。
また、実施形態1によれば、切換スイッチThXに流れる電流によって熱動継電器TRが熱的に作動することにより、電磁接触器MCの操作コイル41に流れる駆動電流が遮断されてa接点が開路し、b接点が閉路する。従って、タップ切換器3aに流れる電流が増大してタップ切換器3aが過熱した場合、該電流を間接的に遮断して過熱を解消させることができると共に、直列変圧器1aの一次巻線111,121の両端を短絡することができる。
更に、実施形態1によれば、切換スイッチThXに流れる電流によりヒータ51が発熱してバイメタル52が熱的に変形することを利用して、熱動継電器TRを作動させることができる。
更に、実施形態1によれば、切換スイッチThXと直列変圧器1aの一次巻線111,121との間に流れる電流の検出結果に基づいて電磁接触器MCの操作コイル41の駆動を停止させる。従って、切換スイッチThXに過電流が流れたときにa接点を開路させ、b接点を閉路させることができる。
更に、実施形態1によれば、負荷時タップ切換器3aと、直列変圧器1aと、調整変圧器2aとを備えて電圧調整装置100aを構成するため、直列変圧器1aの一次巻線111,121の両端を随時短絡することが可能な負荷時タップ切換器3aを電圧調整装置100aに適用することができる。
なお、実施形態1にあっては、電磁接触器MCによる電路の切り換えにa接点及びb接点を用いたが、電磁接触器MCが投入/開放される際にa接点及びb接点が同時に閉路する瞬間が存在しないことが好ましい。a接点及びb接点が同時に閉路する瞬間が存在する場合は、切換スイッチTh1,Th2,Th3の他端同士と、切換スイッチThA,ThB,ThCの他端同士とが一時的に短絡されることになるため、このような場合は避けなければならない。個別のa接点及びb接点に代えて、a接点及びb接点の両方を含むBBM(Break Before Make )接点、即ちc接点(トランスファ接点)を用いることが更に好ましい。c接点を用いることにより、電路の切り換えに伴うアーク放電の経路が速やかに切り換わり、a接点及びb接点の同時的な閉路を防止することができる。
(実施形態2)
実施形態1は、切換スイッチThX(X=1,2,3)に過電流が流れた場合に、制御部31aが変流器CTの検出結果に基づいて操作コイル41の駆動電流をオフすることにより、電磁接触器MCのa接点が開路し、b接点が閉路する形態であった。これに対し、実施形態2は、切換スイッチThXに過電流が流れた場合に熱動継電器のb接点が瞬時に開路することによって、電磁接触器MCのa接点が開路し、b接点が閉路する形態である。実施形態2に係る電圧調整装置100aの構成は、熱動継電器を除いて実施形態1の図1及び図3に示すものと同様であるため、実施形態1に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
実施形態1は、切換スイッチThX(X=1,2,3)に過電流が流れた場合に、制御部31aが変流器CTの検出結果に基づいて操作コイル41の駆動電流をオフすることにより、電磁接触器MCのa接点が開路し、b接点が閉路する形態であった。これに対し、実施形態2は、切換スイッチThXに過電流が流れた場合に熱動継電器のb接点が瞬時に開路することによって、電磁接触器MCのa接点が開路し、b接点が閉路する形態である。実施形態2に係る電圧調整装置100aの構成は、熱動継電器を除いて実施形態1の図1及び図3に示すものと同様であるため、実施形態1に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
図6は、実施形態2に係る熱動継電器TRbの構成を模式的に示す説明図である。熱動継電器TRbは、ヒータ51と、バイメタル52と、b接点とに加えて、引外しコイル53と、固定鉄心54と、可動鉄心55とを有する。可動鉄心55は、支軸55cによって回動可能に軸支されている。b接点の可動接点56は、支軸56cによって回動可能に軸支されている。可動鉄心55及び可動接点56の復帰バネについては図示を省略する。
ヒータ51の一端は引外しコイル53の一端に接続されている。ヒータ51の他端は電磁接触器MCのa接点に接続されており、引外しコイル53の他端は接続線3v-1に接続されている(図3参照)。b接点の固定接点56bは駆動部32aに接続されており、b接点の可動接点56は電磁接触器MCの操作コイル41の一端に接続されている(図3参照)。
図6に示す構成において、切換スイッチTh1,Th2、Th3に流れる電流により熱動継電器TRbのバイメタル52が熱変形して可動接点56側へ湾曲した場合、バイメタル52の先端部位に設けられた作用部材52aが可動接点56の一端部を紙面の左側へ押し込むように作用することにより、b接点が引外される。この引外し動作は、実施形態1の場合と同様である(図3B参照)。
一方、負荷側での短絡事故や装置内部の故障等によって切換スイッチTh1,Th2,Th3に過電流が流れた場合、可動鉄心55の一端部が固定鉄心54側へ瞬時に吸引され、可動鉄心55の他端部が可動接点56の一端部を紙面の左側へ押し込むことにより、b接点が引外される。これにより、電磁接触器MCのa接点が開路し、b接点が閉路し、補助接点の開閉状態が変化する。
制御部31aは、実施形態1の図4に示す処理手順を実行する間に、ステップS12にて電磁接触器MCが開放したと判定した場合、ステップS15にて電磁接触器MCの操作コイル41の駆動をオフして電圧調整装置100aの運用を停止することができる。変流器CTによる過電流の検出(ステップS13)は、重複して実行してもよいし、実行しなくてもよい。
以上のように本実施形態2によれば、切換スイッチThX(X=1,2,3)に流れる過電流によって熱動継電器TRbが電磁的に作動することにより、電磁接触器MCの操作コイル41に流れる駆動電流が遮断されてa接点が開路し、b接点が閉路する。従って、タップ切換器3aに過電流が流れた場合、該過電流を間接的に瞬時に遮断することができると共に、直列変圧器1aの一次巻線111,121の両端を短絡することができる。
(実施形態3)
実施形態1及び2は、切換スイッチTh1,Th2,Th3に流れる電流によって熱動継電器TR及びTRbのb接点が開路して、間接的に電磁接触器MCのa接点が開路し、b接点が閉路する形態であった。これに対し、実施形態3は、切換スイッチTh1,Th2,Th3に流れる電流によって直接的に電磁接触器のa接点が開路し、b接点が閉路する形態である。実施形態3に係る電圧調整装置100aの構成は、電磁接触器を除いて実施形態1の図1及び図3に示すものと同様であるため、実施形態1に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
実施形態1及び2は、切換スイッチTh1,Th2,Th3に流れる電流によって熱動継電器TR及びTRbのb接点が開路して、間接的に電磁接触器MCのa接点が開路し、b接点が閉路する形態であった。これに対し、実施形態3は、切換スイッチTh1,Th2,Th3に流れる電流によって直接的に電磁接触器のa接点が開路し、b接点が閉路する形態である。実施形態3に係る電圧調整装置100aの構成は、電磁接触器を除いて実施形態1の図1及び図3に示すものと同様であるため、実施形態1に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
図7は、実施形態3に係る電磁接触器MCbの構成を模式的に示す説明図である。電磁接触器MCbは、操作コイル41と、固定鉄心42と、a接点及びb接点を含むc接点とに加えて、ヒータ45と、バイメタル46と、引外しコイル47と、固定鉄心48とを有する。c接点の可動接点44は、支軸44cに軸支されている。可動接点44の復帰バネについては図示を省略する。可動接点44は、操作コイル41が駆動されて電磁接触器MCbが投入されているときの状態を二点鎖線で表し、開放されているときの状態を実線で表す。電磁接触器MCbは、更に、補助接点(不図示)を有し、制御部31aが該補助接点の状態を取り込むことにより、電磁接触器MCbが開放したか否かを判定できるようになっている。
可動接点44は接続線3v-2に接続されている。b接点の固定接点44bは接続線3uに接続されている。a接点の固定接点44aは引外しコイル47の一端に接続されている。引外しコイル47の他端はヒータ45の一端に接続されている。ヒータ45の他端は接続線3v-1に接続されている。即ち、a接点及びb接点の共通接点は接続線3v-2に接続されており、b接点は接続線3uに接続されており、a接点は引外しコイル47及びヒータ45を介して接続線3v-1に接続されている(図1参照)。
駆動部32aによって駆動される操作コイル41が励磁する固定鉄心42は、可動接点44の長手方向の一端部を吸引する(二点鎖線参照)。1a接点を通過する電流で駆動される引外しコイル47が励磁する固定鉄心48は、可動接点44の他端部を吸引する(実線参照)。バイメタル46の作用部材46aは、可動接点44の他端部に作用する。固定鉄心48及びバイメタル46が可動接点44に作用してa接点を引き外す応力は、固定鉄心42が可動接点44に作用してa接点を閉路させる応力及び復帰バネによる応力の差分よりも強いものとする。
図7に示す構成において、切換スイッチTh1,Th2、Th3に流れる電流により電磁接触器MCbのバイメタル46が熱変形して可動接点44側へ湾曲した場合、バイメタル46の先端部位に設けられた作用部材46aが可動接点44の他端部を紙面の下側へ押し込むように作用することにより、a接点が引外されて開路し、b接点が閉路する。
一方、負荷側での短絡事故や装置内部の故障等によって切換スイッチTh1,Th2,Th3に過電流が流れた場合、可動接点44の他端部が固定鉄心48側へ瞬時に吸引される。これにより、電磁接触器MCbのa接点が引外されて開路し、b接点が閉路する。
制御部31aは、実施形態1の図4に示す処理手順と同様の手順を実行する間に、ステップS12にて電磁接触器MCbが開放したと判定した場合、ステップS15にて電磁接触器MCbの操作コイル41の駆動をオフして電圧調整装置100aの運用を停止することができる。変流器CTによる過電流の検出(ステップS13)は、重複して実行してもよいし、実行しなくてもよい。
以上のように本実施形態3によれば、切換スイッチThX(X=1,2,3)に流れる電流によって電磁接触器MCbのa接点が機械的に開路し、b接点が閉路する。従って、タップ切換器3aに電流が流れて過熱した場合又は過電流が流れた場合、該電流を直接的に遮断することができると共に、直列変圧器1aの一次巻線111,121の両端を短絡することができる。
更に、実施形態3によれば、切換スイッチThXに流れる電流によりヒータ45が発熱してバイメタル46が熱的に変形することを利用して、電磁接触器MCbのa接点を直接的に引き外すことができる。
(実施形態4)
実施形態1は、負荷時タップ切換器3aが単相交流を出力する形態であるのに対し、実施形態4は、負荷時タップ切換器が3相交流を出力する形態である。図8は、実施形態4に係る負荷時タップ切換器3bを含む電圧調整装置100bの構成例を示すブロック図である。図9は、実施形態4に係る電磁開閉器MS_UWの構成を模式的に示す説明図である。電圧調整装置100bは、紙面左側の電源から供給されるU相,V相,W相の3相交流の電圧を調整し、紙面右側の負荷へ、配電線1u,1v,1wを介してu相,v相,w相の3相交流を配電する。
実施形態1は、負荷時タップ切換器3aが単相交流を出力する形態であるのに対し、実施形態4は、負荷時タップ切換器が3相交流を出力する形態である。図8は、実施形態4に係る負荷時タップ切換器3bを含む電圧調整装置100bの構成例を示すブロック図である。図9は、実施形態4に係る電磁開閉器MS_UWの構成を模式的に示す説明図である。電圧調整装置100bは、紙面左側の電源から供給されるU相,V相,W相の3相交流の電圧を調整し、紙面右側の負荷へ、配電線1u,1v,1wを介してu相,v相,w相の3相交流を配電する。
電圧調整装置100bは、配電線1u,1v,1wそれぞれに二次巻線112,122,132が直列に接続される直列変圧器1bと、配電線1u,1v,1wに一次巻線211,221,231がΔ結線される調整変圧器2bとを備える。電圧調整装置100bは、更に、調整変圧器2bの二次巻線212,222,232及び直列変圧器1bの一次巻線111,121,131の間に設けられた負荷時タップ切換器(タップ切換器)3bを備える。タップ切換器3b及び調整変圧器2bが、負荷時タップ切換変圧器200bを構成する。
直列変圧器1bは、二次巻線112,122,132それぞれに一次巻線111,121,131が対応している。一次巻線111,121,131はΔ結線されている。二次巻線112,122,132それぞれの上記負荷側の端子に対応する一次巻線111,121,131の端子をu1,v1,w1とする。また、二次巻線112,122,132それぞれの上記電源側の端子に対応する一次巻線111,121,131の端子をu2,v2,w2とする。
調整変圧器2bは、一次巻線211が配電線1u,1v間に、一次巻線221が配電線1v,1w間に、一次巻線231が配電線1w,1u間にそれぞれ接続されている。一次巻線211,221,231のそれぞれには、二次巻線212,222,232が対応している。
二次巻線212,222,232のそれぞれは、一端及び他端から引き出されたタップt1及びt4と,一端及び他端の間から引き出された中間のタップt2及びt3とを有する。二次巻線212,222,232のそれぞれは、タップt1~t4の何れか1つがタップ切換器3bを介して直列変圧器1bの一次側の端子u2,v2,w2と、端子v1,w1,u1とに接続され、該1つと同一又は異なる他の1つが中性点Nとしてアースに接続される。即ち、調整変圧器2bの二次巻線212,222,232は、タップ切換器3bを介してY結線される。
調整変圧器2bの一次巻線211,221,231に印加される電圧を計測するために、配電線1u,1v、1wには計測用変圧器PT1,PT2がV結線されている。即ち、配電線1u及び1v間には計測用変圧器PT1の一次巻線が接続されており、配電線1v及び1w間には計測用変圧器PT2の一次巻線が接続されている。
タップ切換器3bは、調整変圧器2bの二次巻線212のタップt1~t4を切り換えるための8つの切換スイッチThA_U,ThB_U,ThC_U,ThD_U,Th1_U,Th2_U,Th3_U,Th4_Uと、二次巻線222のタップt1~t4を切り換えるための8つの切換スイッチThA_V,ThB_V,ThC_V,ThD_V,Th1_V,Th2_V,Th3_V,Th4_Vと、二次巻線232のタップt1~t4を切り換えるための8つの切換スイッチThA_W,ThB_W,ThC_W,ThD_W,Th1_W,Th2_W,Th3_W,Th4_Wとを有する。各切換スイッチは、例えば双方向に導通するトライアック又は逆並列に接続されたサイリスタ対を含む。
タップ切換器3bは、更に、上記各切換スイッチの切り換えを制御する制御部31bと、制御部31bからの駆動信号に基づいて各切換スイッチをオンに駆動する駆動部32bとを有する。制御部31bには、計測用変圧器PT1,PT2の二次巻線と、後述する計測用変圧器PT3,PT4及び変流器CT_U,CT_Wの二次巻線とが接続されている。
二次巻線212のタップt1は、保護用のヒューズを介して切換スイッチThA_U及びTh1_Uの一端に接続され、タップt2は、ヒューズを介して切換スイッチThB_U及びTh2_Uの一端に接続され、タップt3は、ヒューズを介して切換スイッチThC_U及びTh3_Uの一端に接続され、タップt4は、切換スイッチThD_U及びTh4_Uの一端に接続されている。切換スイッチThA_U,ThB_U,ThC_U,ThD_Uの他端同士は、中性点Nに接続されている。切換スイッチTh1_U,Th2_U,Th3_U,Th4_Uの他端同士は、接続線3u-1、第1のヒータ51(図9参照)、電磁接触器MC_UWの1a接点及び接続線3u-2を介して直列変圧器1bの一次側の端子u2及びv1に接続されている。
二次巻線222のタップt1は、ヒューズを介して切換スイッチThA_V及びTh1_Vの一端に接続され、タップt2は、ヒューズを介して切換スイッチThB_V及びTh2_Vの一端に接続され、タップt3は、ヒューズを介して切換スイッチThC_V及びTh3_Vの一端に接続され、タップt4は、切換スイッチThD_V及びTh4_Vの一端に接続されている。切換スイッチThA_V,ThB_V,ThC_V,ThD_Vの他端同士は、中性点Nに接続されている。切換スイッチTh1_V,Th2_V,Th3_V,Th4_Vの他端同士は、接続線3v-1、第3のヒータ51(図9参照)及び3v-2を介して直列変圧器1bの一次側の端子v2及びw1に接続されている。
二次巻線232のタップt1は、ヒューズを介して切換スイッチThA_W及びTh1_Wの一端に接続され、タップt2は、ヒューズを介して切換スイッチThB_W及びTh2_Wの一端に接続され、タップt3は、ヒューズを介して切換スイッチThC_W及びTh3_Wの一端に接続され、タップt4は、切換スイッチThD_W及びTh4_Wの一端に接続されている。切換スイッチThA_W,ThB_W,ThC_W,ThD_Wの他端同士は、中性点Nに接続されている。切換スイッチTh1_W,Th2_W,Th3_W,Th4_Wの他端同士は、接続線3w-1、第2のヒータ51(図9参照)、電磁接触器MC_UWの2a接点及び接続線3w-2を介して直列変圧器1bの一次側の端子w2及びu1に接続されている。
接続線3u-1,3v-1、3w-1には、線間電圧を検出するための計測用変圧器PT3,PT4が接続されている。即ち、接続線3u-1,3v-1間に計測用変圧器PT3の一次巻線が接続されており、接続線3v-1,3w-1間に計測用変圧器PT4の一次巻線が接続されている。
接続線3u-1と、切換スイッチTh1_U,Th2_U,Th3_U,Th4_Uの他端同士との接続部位には、該他端同士に対して流れる電流を計測するための変流器CT_Uの一次巻線が結合している。接続線3w-1と、切換スイッチTh1_W,Th2_W,Th3_W,Th4_Wの他端同士との接続部位には、該他端同士に対して流れる電流を計測するための変流器CT_Wの一次巻線が結合している。切換スイッチTh1_V,Th2_V,Th3_V,Th4_Vの他端同士に対して流れる電流は、変流器CT_U及びCT_Wで検出された電流に基づいて算出される。
切換スイッチTh1_U,Th2_U,Th3_U,Th4_Uの他端同士と接続線3u-1との間に流れる電流は、切換スイッチThA_U,ThB_U,ThC_U,ThD_Uの他端同士と中性点Nとの間に流れる電流と一致する。また、切換スイッチTh1_W,Th2_W,Th3_W,Th4_Wの他端同士と接続線3w-1との間に流れる電流は、切換スイッチThA_W,ThB_W,ThC_W,ThD_Wの他端同士と中性点Nとの間に流れる電流と一致する。よって、変流器CT_Uの一次巻線は、切換スイッチThA_U,ThB_U,ThC_U,ThD_Uの他端同士と中性点Nとの接続部位に結合させてもよい。同様に、変流器CT_Wの一次巻線は、切換スイッチThA_W,ThB_W,ThC_W,ThD_Wの他端同士と中性点Nとの接続部位に結合させてもよい。
以下では、切換スイッチTh1_U,Th2_U,Th3_U,Th4_Uの他端同士と接続線3u-1との間に流れる電流を、単に切換スイッチTh1_U,Th2_U,Th3_U,Th4_Uに流れる電流と言う。また、切換スイッチTh1_V,Th2_V,Th3_V,Th4_Vの他端同士と接続線3v-1との間に流れる電流を、単に切換スイッチTh1_V,Th2_V,Th3_V,Th4_Vに流れる電流と言う。更に、切換スイッチTh1_W,Th2_W,Th3_W,Th4_Wの他端同士と接続線3w-1との間に流れる電流を、単に切換スイッチTh1_W,Th2_W,Th3_W,Th4_Wに流れる電流と言う。
接続線3u-2及び3v-2間には、限流抵抗器R_UV及び矯絡用スイッチThS_UVの直列回路と、電磁接触器MC_UWの1b接点とが接続されている。接続線3v-2及び3w-2間には、限流抵抗器R_VW及び矯絡用スイッチThS_VWの直列回路と、電磁接触器MC_UWの2b接点とが接続されている。電磁接触器MC_UWの1a接点及び1b接点は、接続線3u-2を接続線3u-1に接続するか、接続線3v-2に接続するかを切り換えるものである。電磁接触器MC_UWの2a接点及び2b接点は、接続線3w-2を接続線3w-1に接続するか、接続線3v-2に接続するかを切り換えるものである。
なお、限流抵抗器R_UV及び矯絡用スイッチThS_UVの直列回路と、電磁接触器MC_UWの1b接点とを、接続線3u-2及び3w-2間に接続してもよい。この場合、接続線3v-2及び3v-1間に2a接点を設ける。即ち、電磁接触器MC_UWの2a接点及び2b接点は、接続線3v-2を接続線3v-1に接続するか、接続線3w-2に接続するかを切り換えるようにする。同様に、限流抵抗器R_VW及び矯絡用スイッチThS_VWの直列回路と、電磁接触器MC_UWの2b接点とを、接続線3w-2及び3u-2間に接続してもよい。この場合、接続線3v-2及び3v-1間に1a接点を設ける。即ち、電磁接触器MC_UWの1a接点及び1b接点は、接続線3v-2を接続線3v-1に接続するか、接続線3u-2に接続するかを切り換えるようにする。
図9に移って、電磁開閉器MS_UWは、電磁接触器MC_UWと、第1の熱動継電器TR,第2の熱動継電器TR,第3の熱動継電器TRとを含む。電磁接触器MC_UWは、投入時に駆動部32bによって駆動される操作コイル41と、固定鉄心42と、可動鉄心43と、互いに連動する1a接点,1b接点、2a接点,2b接点及び補助接点(不図示)とを有する。可動鉄心43の復帰バネについては図示を省略する。補助接点は、制御部31bに接続されている(不図示)。
各熱動継電器TRは、実施形態1の図3に示すものと同様であり、それぞれヒータ51と、該ヒータ51からの熱によって変形するバイメタル52と、b接点とを有する。
各接続線と、電磁接触器MC_UWの1a接点,1b接点及び2a接点,2b接点並びに各熱動継電器TRのヒータ51との接続関係は、上述した通りである。電磁接触器MC_UWの操作コイル41は、各熱動継電器TRについて直列接続された3つのb接点を介して駆動部32bに接続されている。その他、実施形態1に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
第1の熱動継電器TRは、切換スイッチTh1_U,Th2_U,Th3_U,Th4_Uと同じ電流が通流する第1のヒータ51が該電流によるジュール熱を発生する。第2の熱動継電器TRは、切換スイッチTh1_W,Th2_W,Th3_W,Th4_Wと同じ電流が通流する第2のヒータ51が該電流によるジュール熱を発生する。第3の熱動継電器TRは、切換スイッチTh1_V,Th2_V,Th3_V,Th4_Vと同じ電流が通流する第3のヒータ51が該電流によるジュール熱を発生する。何れかのヒータ51のジュール熱が対応するバイメタル52に伝わって該バイメタル52が熱変形することにより、対応するb接点が機械的に開路する。
これにより、操作コイル41に流れる駆動電流が遮断されて電磁接触器MC_UWの1a接点及び2aが開路し、1b接点及び2b接点が閉路する。1a接点及び2a接点が開路した場合、オンに駆動されている切換スイッチに流れる電流が遮断されてタップ切換器3bが保護される。制御部31bは、電磁接触器MC_UWが開放されたことを、補助接点によって検知した場合、電磁接触器MC_UWの操作コイル41の駆動を停止する。
切換スイッチTh1_U,Th2_U,Th3_U,Th4_Uに流れる電流が増大して、切換スイッチTh1_U,Th2_U,Th3_U,Th4_Uが過熱状態に近づいた場合、オンに駆動されている全ての切換スイッチに流れる電流が遮断されると共に、直列変圧器1bの一次巻線111,121,131の両端が短絡される。この場合、一次巻線111,121,131に流れる電流が保持されるため、一次巻線111,121,131に過電圧が生じることが防止される。切換スイッチTh1_V,Th2_V,Th3_V,Th4_V、又は切換スイッチTh1_W,Th2_W,Th3_W,Th4_Wに流れる電流が増大した場合についても同様である。
制御部31bは、実施形態1の図4に示す処理手順と同様の処理手順を実行することにより、ステップS15にて電磁接触器MC_UWの操作コイル41の駆動をオフして電圧調整装置100bの運用を停止することができる。但し、ステップS12では、電磁接触器MC_UWの補助接点によって電磁接触器MC_UWが開放したか否かを判定する。また、ステップS13では、変流器CT_U,CT_Wから取得した計測結果に基づいて、切換スイッチTh1_U,Th2_U,Th3_U,Th4_Uに流れる電流と、切換スイッチTh1_V,Th2_V,Th3_V,Th4_Vに流れる電流と、切換スイッチTh1_W,Th2_W,Th3_W,Th4_Wに流れる電流とを検出する。更に、ステップS14では、ステップS13で検出した各電流の何れかが所定の閾値より大きいか否かを判定する。
以上のように本実施形態4によれば、配電線1u,1v,1wそれぞれに二次巻線112,122,132が直列に接続される直列変圧器1bの一次巻線111,121,131に対し、配電線1u,1v,1wに一次巻線211,221が並列に接続される調整変圧器2bの二次巻線212,222,232それぞれのタップt1,t2,t3,t4の何れか2つから切換スイッチThX’_U(X’=1,2,3,4)及びThY’_U(Y’=A,B,C,D),ThX’_V及びThY’_V,ThX’_W及びThY’_Wを介して調整電圧が印加される。電磁接触器MC_UWは、直列変圧器1bの一次巻線111,121それぞれの端子u2,v1を、投入時に1a接点を介して切換スイッチThX’_Uに接続するか、開放時に1b接点を介して一次巻線121,131それぞれの端子v2,w1に接続するかを切り換えると共に、一次巻線111,131それぞれの端子u1,w2を、投入時に2a接点を介して切換スイッチThX’_Wに接続するか、開放時に2b接点を介して一次巻線121,131それぞれの端子v2,w1に接続するかを切り換える。これにより、電磁接触器MC_UWが開放された場合、調整変圧器2bの二次巻線212,222,232と直列変圧器1bの一次巻線111,121,131とが切り離されると共に、一次巻線111,121,131の両端が短絡される。従って、タップの切換状態に関わらず、直列変圧器1bの一次巻線111,121,131の両端を随時短絡することが可能となる。
また、実施形態4によれば、切換スイッチThX’_U,ThX’_V,ThX’_Wそれぞれに流れる電流によって熱動継電器TR,TR,TRが熱的に作動することにより、電磁接触器MC_UWの操作コイル41に流れる駆動電流が遮断されて1a接点及び2a接点が開路し、1b接点及び2b接点が閉路する。従って、タップ切換器3bに流れる電流が増大してタップ切換器3bが過熱した場合、該電流を間接的に遮断して過熱を解消させることができると共に、直列変圧器1bの一次巻線111,121,131の両端を短絡することができる。
更に、実施形態4によれば、切換スイッチThX’_U,ThX’_V,ThX’_Wそれぞれに流れる電流によりヒータ51,51,51が発熱してバイメタル52,52,52が熱的に変形することを利用して、熱動継電器TR,TR,TRを作動させることができる。
更に、実施形態4によれば、切換スイッチThX’_Uと直列変圧器1bの一次巻線111,121との間に流れる電流、切換スイッチThX’_Vと直列変圧器1bの一次巻線121,131との間に流れる電流、及び切換スイッチThX’_Wと直列変圧器1bの一次巻線131,111との間に流れる電流の検出結果に基づいて電磁接触器MC_UWの操作コイル41の駆動を停止させる。従って、切換スイッチThX’_U,ThX’_V,ThX’_Wに過電流が流れたときに1a接点及び2a接点を開路させ、1b接点及び2b接点を閉路させることができる。
更に、実施形態4によれば、負荷時タップ切換器3bと、直列変圧器1bと、調整変圧器2bとを備えて電圧調整装置100bを構成するため、直列変圧器1bの一次巻線111,121,131の両端を随時短絡することが可能な負荷時タップ切換器3bを電圧調整装置100bに適用することができる。
なお、実施形態4にあっては、調整変圧器2bの二次巻線がタップ切換器3bを介してY結線され、直列変圧器1bの一次巻線111,121,131がΔ結線されている場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、調整変圧器2bの二次巻線212,222,232がタップ切換器を介してΔ結線され、直列変圧器1bの一次巻線111,121,131がY結線されていてもよい。また、調整変圧器2bの二次巻線212,222がタップ切換器を介してV結線され、直列変圧器1bの一次巻線111,121,131がY結線されていてもよい。これらの場合であっても、タップ切換器3bの過熱又は過電流を検出して直列変圧器1bの一次巻線111,121,131の両端を短絡することができ、実施形態1から3と同様の効果を奏する。
(変形例1)
実施形態4は、切換スイッチThX’_U(X’=1,2,3,4),ThX’_V,ThX’_Wに過電流が流れた場合に、制御部31bが変流器CT_U,CT_Wの検出結果に基づいて操作コイル41の駆動電流をオフすることにより、電磁接触器MC_UWの1a接点及び2a接点が開路し、1b接点及び2b接点が閉路する形態であった。これに対し、変形例1は、切換スイッチThX’_U,ThX’_V,ThX’_Wに過電流が流れた場合に熱動継電器TRb(図6参照)のb接点が瞬時に開路することによって、電磁接触器MC_UWの1a接点及び2a接点が開路し、1b接点及び2b接点が閉路する形態である。変形例1に係る電圧調整装置100bの構成は、熱動継電器TRbを除いて実施形態4の図8及び図9に示すものと同様であるため、実施形態4に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。本変形例1では、図9の各熱動継電器TRに図6の熱動継電器TRbを適用する。
実施形態4は、切換スイッチThX’_U(X’=1,2,3,4),ThX’_V,ThX’_Wに過電流が流れた場合に、制御部31bが変流器CT_U,CT_Wの検出結果に基づいて操作コイル41の駆動電流をオフすることにより、電磁接触器MC_UWの1a接点及び2a接点が開路し、1b接点及び2b接点が閉路する形態であった。これに対し、変形例1は、切換スイッチThX’_U,ThX’_V,ThX’_Wに過電流が流れた場合に熱動継電器TRb(図6参照)のb接点が瞬時に開路することによって、電磁接触器MC_UWの1a接点及び2a接点が開路し、1b接点及び2b接点が閉路する形態である。変形例1に係る電圧調整装置100bの構成は、熱動継電器TRbを除いて実施形態4の図8及び図9に示すものと同様であるため、実施形態4に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。本変形例1では、図9の各熱動継電器TRに図6の熱動継電器TRbを適用する。
図9の各熱動継電器TRに図6の熱動継電器TRbを適用した場合、第1の熱動継電器TRbのヒータ51の他端は電磁接触器MC_UWの1a接点に接続されており、引外しコイル53の他端は接続線3u-1に接続されている。第2の熱動継電器TRbのヒータ51の他端は電磁接触器MC_UWの2a接点に接続されており、引外しコイル53の他端は接続線3w-1に接続されている。第3の熱動継電器TRbのヒータ51の他端は接続線3v-2に接続されており、引外しコイル53の他端は接続線3v-1に接続されている。第1の熱動継電器TRbのb接点の可動接点56は、電磁接触器MC_UWの操作コイル41の一端に接続されている。第1の熱動継電器TRbのb接点の固定接点56bは、第2の熱動継電器TRbのb接点の可動接点56に接続されている。第2の熱動継電器TRbのb接点の固定接点56bは、第3の熱動継電器TRbのb接点の可動接点56に接続されている。第3の熱動継電器TRbのb接点の固定接点56bは、駆動部32bに接続されている。
上述の構成において、切換スイッチThX’_U,ThX’_V,ThX’_Wそれぞれに流れる電流により、対応する熱動継電器TRbのバイメタル52が熱変形して可動接点56側へ湾曲した場合、b接点が引外される。この引外し動作は、実施形態1及び2の場合と同様である(図3B,図6参照)。
一方、負荷側での短絡事故や装置内部の故障等によって切換スイッチThX’_U,ThX’_V,ThX’_Wそれぞれに過電流が流れた場合、対応する熱動継電器TRbの可動鉄心55の一端部が固定鉄心54側へ瞬時に吸引されて、b接点が引外される。これにより、電磁接触器MC_UWの1a接点及び2a接点が開路し、1b接点及び2b接点が閉路し、補助接点の開閉状態が変化する。
制御部31bは、実施形態4の場合と同様に、実施形態1の図4に示す処理手順と同様の処理手順を実行する間に、ステップS12にて電磁接触器MC_UWが開放したと判定した場合、ステップS15にて電磁接触器MC_UWの操作コイル41の駆動をオフして電圧調整装置100bの運用を停止することができる。変流器CT_U,CT_Wによる過電流の検出(ステップS13)は、重複して実行してもよいし、実行しなくてもよい。
以上のように本変形例1によれば、切換スイッチThX’_U,ThX’_V,ThX’_Wそれぞれに流れる過電流によって熱動継電器TRbが電磁的に作動することにより、電磁接触器MC_UWの操作コイル41に流れる駆動電流が遮断されて1a接点及び2a接点が開路し、1b接点及び2b接点が閉路する。従って、タップ切換器3bに過電流が流れた場合、該過電流を間接的に瞬時に遮断することができると共に、直列変圧器1bの一次巻線111,121,131の両端を短絡することができる。
(変形例2)
実施形態4及び変形例1は、切換スイッチThX’_U,ThX’_V,ThX’_Wそれぞれに流れる電流によって熱動継電器TR及びTRbのb接点が開路して、間接的に電磁接触器MC_UWの1a接点及び2a接点が開路し、1b接点及び2b接点が閉路する形態であった。これに対し、変形例2は、切換スイッチThX’_U,ThX’_V,ThX’_Wそれぞれに流れる電流によって直接的に電磁接触器の1a接点及び2a接点が開路し、1b接点及び2b接点が閉路する形態である。変形例2に係る電圧調整装置100bの構成は、電磁接触器を除いて実施形態4の図8及び図9に示すものと同様であるため、実施形態4に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
実施形態4及び変形例1は、切換スイッチThX’_U,ThX’_V,ThX’_Wそれぞれに流れる電流によって熱動継電器TR及びTRbのb接点が開路して、間接的に電磁接触器MC_UWの1a接点及び2a接点が開路し、1b接点及び2b接点が閉路する形態であった。これに対し、変形例2は、切換スイッチThX’_U,ThX’_V,ThX’_Wそれぞれに流れる電流によって直接的に電磁接触器の1a接点及び2a接点が開路し、1b接点及び2b接点が閉路する形態である。変形例2に係る電圧調整装置100bの構成は、電磁接触器を除いて実施形態4の図8及び図9に示すものと同様であるため、実施形態4に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
図10は、変形例2に係る電磁接触器MCb_UWの構成を模式的に示す説明図である。電磁接触器MCb_UWは、実施形態3の図7に示す電磁接触器MCbと比較して、可動接点44、固定接点44a及び固定接点44bを2系統有する。このうち、例えば1a接点及び1b接点に対応する可動接点44、固定接点44a及び固定接点44bを括弧なしで表し、2a接点及び2b接点に対応する可動接点44、固定接点44a及び固定接点44bを括弧付きで表す。
1a接点の可動接点44は接続線3u-2に接続されている(図8参照、以下同様)。1b接点の固定接点44bは接続線3v-2に接続されている。1a接点の固定接点44aは引外しコイル47の一端に接続されている。ヒータ45の他端は接続線3u-1に接続されている。即ち、1a接点及び1b接点の共通接点は接続線3u-2に接続されており、1b接点は接続線3v-2に接続されており、1a接点は引外しコイル47及びヒータ45を介して接続線3u-1に接続されている。2a接点の可動接点44は接続線3w-2に接続されている。2b接点の固定接点44bは接続線3v-2に接続されている。2a接点の固定接点44aは接続線3w-1に接続されている。
駆動部32bによって駆動される操作コイル41が励磁する固定鉄心42は、可動接点44,44の長手方向の一端部を同時的に吸引する(二点鎖線参照)。1a接点を通過する電流で駆動される引外しコイル47が励磁する固定鉄心48は、可動接点44,44の他端部を同時的に吸引する(実線参照)。バイメタル46の作用部材46aは、可動接点44,44の他端部に作用する。固定鉄心48及びバイメタル46が可動接点44,44に作用して1a接点及び2a接点を引き外す応力は、固定鉄心42が可動接点44,44に作用して1a接点及び2a接点を閉路させる応力及び復帰バネによる応力の差分よりも強いものとする。
図10では、引外しコイル47及びヒータ45を介して1a接点を接続線3u-1に接続したが、1a接点及び1b接点を図8の通り接続し、引外しコイル47及びヒータ45を介して2a接点を接続線3w-1に接続してもよい。この場合、1a接点の固定接点44aは接続線3u-1に接続されており、2a接点の固定接点44aは引外しコイル47の一端に接続されている。
上述の2通りの接続構成において、切換スイッチThX’_U(X’=1,2,3,4)又はThX’_Wに流れる電流によりバイメタル46が熱変形して可動接点44側へ湾曲した場合、1a接点及び2a接点が引外されて開路し、1b接点及び2b接点が閉路する。
一方、負荷側での短絡事故や装置内部の故障等によって切換スイッチThX’_U又はThX’_Wに過電流が流れた場合、可動接点44,44の他端部が固定鉄心48側へ瞬時に吸引される。これにより、1a接点及び2a接点が引外されて開路し、1b接点及び2b接点が閉路する。
制御部31bは、実施形態4の場合と同様に、実施形態1の図4に示す処理手順と同様の処理手順を実行する間に、ステップS12にて電磁接触器MCb_UWが開放したと判定した場合、ステップS15にて操作コイル41の駆動をオフして電圧調整装置100bの運用を停止することができる。変流器CT_U,CT_Wによる過電流の検出(ステップS13)は、重複して実行してもよいし、実行しなくてもよい。
なお、上述の説明では、切換スイッチThX’_U又はThX’_Wの何れかに流れる電流によって電磁接触器MCb_UWの1a接点及び2a接点が機械的に開路し、1b接点及び2b接点が閉路したが、これに限定されるものではない。例えば、接続線3u-1,3v-1,3w-1それぞれに流れる電流が、各別のヒータ45,45,45を通流するようにしておき、該ヒータ45,45,45からの熱によってバイメタル46が熱変形するようにしてもよい。この場合、切換スイッチThX’_U,ThX’_V,ThX’_Wそれぞれに流れる電流によりヒータ45,45,45が発熱してバイメタル46が熱的に変形することを利用して、電磁接触器MCb_UWの1a接点及び2a接点を開路させ、1b接点及び2b接点を閉路させることができる。
同様に、接続線3u-1,3v-1,3w-1それぞれに流れる電流が、各別の引外しコイル47,47,47それぞれを通流して固定鉄心48,48,48を励磁するようにしておき、固定鉄心48,48,48が可動接点44,44の他端部を同時的に吸引するようにしてもよい。この場合、切換スイッチThX’_U,ThX’_V,ThX’_Wそれぞれに流れる過電流により、電磁接触器MCb_UWの1a接点及び2a接点を引き外して開路させ、1b接点及び2b接点を閉路させることができる。
以上のように本変形例2によれば、切換スイッチThX’_U(X=1,2,3,4),ThX‘_V,ThX’_Wそれぞれに流れる電流によって電磁接触器MCb_UWの1a接点及び2a接点が機械的に開路し、1b接点及び2b接点が閉路する。従って、タップ切換器3bに電流が流れて過熱した場合又は過電流が流れた場合、該電流を直接的に遮断することができると共に、直列変圧器1bの一次巻線111,121,131の両端を短絡することができる。
更に、変形例2によれば、切換スイッチThX’_U,ThX‘_V,ThX’_Wそれぞれに流れる電流によりヒータ45が発熱してバイメタル46が熱的に変形することを利用して、電磁接触器MCb_UWの1a接点及び2a接点を直接的に引き外すことができる。
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、各実施形態で記載されている技術的特徴は、お互いに組み合わせることが可能である。
1u,1v,1w 配電線、 100a,100b 電圧調整装置、 1a,1b 直列変圧器、 111,121,131 一次巻線、 112,122,132 二次巻線、 u1,u2,v1,v2,w1,w2 端子、 200a,200b 負荷時タップ切換変圧器、 2a,2b 調整変圧器(タップ付変圧器)、 21,211,221,231 一次巻線、 22,212,222,232 二次巻線、 t1,t2,t3,t4 タップ、 3a,3b 負荷時タップ切換器(タップ切換器)、 31a,31b 制御部、 32a,32b 駆動部、 Th1,Th2,Th3,ThA,ThB,ThC,Th1_U,Th2_U,Th3_U,Th4_U,ThA_U,ThB_U,ThC_U,ThD_U 切換スイッチ、 3u,3u-1,3u-2,3v-1,3v-2,3w-1,3w-2 接続線、 ThS,ThS_UV,ThS_VW 矯絡用スイッチ、 RS,R_UV,R_VW 限流抵抗器、 PT,PT1,PT2,PT3,PT4 計測用変圧器、 CT,CT_U,CT_W 変流器、MS,MS_UW 電磁開閉器、MC,MC_UW 電磁接触器、41 操作コイル、42 固定鉄心、43 可動鉄心、44 可動接点、45 ヒータ、46 バイメタル、47 引外しコイル、48 固定鉄心、TR,TRb 熱動継電器、51 ヒータ、52 バイメタル、53 引外しコイル、54 固定鉄心、55 可動鉄心、56 可動接点
Claims (6)
- 交流電圧を配電する配電線に二次巻線が直列に接続される直列変圧器の一次巻線に、前記配電線に一次巻線が並列に接続されるタップ付変圧器の二次巻線のタップを切り換えて接続するための切換スイッチを備える負荷時タップ切換器であって、
前記直列変圧器の一次巻線の一端を、a接点を介して前記切換スイッチに接続するか、b接点を介して他端に接続するかを切り換える電磁接触器を備える負荷時タップ切換器。 - 前記切換スイッチに流れる電流に基づいて前記電磁接触器の操作コイルに流れる駆動電流を遮断する継電器を更に備える請求項1に記載の負荷時タップ切換器。
- 前記切換スイッチに流れる電流に基づいて前記電磁接触器のa接点を引き外して開路させる引外し部を更に備える請求項1に記載の負荷時タップ切換器。
- 前記切換スイッチに流れる電流によって発熱するヒータと、
該ヒータによって熱変形するバイメタルと
を更に備える請求項2又は請求項3に記載の負荷時タップ切換器。 - 前記電磁接触器の操作コイルの駆動を制御する制御部と、
前記切換スイッチに流れる電流を検出する電流検出部と
を備え、
前記制御部は、前記電流検出部の検出結果に基づいて前記操作コイルの駆動を停止させるようにしてある
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の負荷時タップ切換器。 - 請求項1から請求項5の何れか1項に記載の負荷時タップ切換器と、
前記直列変圧器と、
前記タップ付変圧器と
を備える電圧調整装置。
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Cited By (1)
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CN114512956A (zh) * | 2022-03-15 | 2022-05-17 | 南京南瑞继保电气有限公司 | 基于内置电流及温度传感器的变压器分接开关保护方法 |
-
2020
- 2020-07-17 JP JP2020123073A patent/JP2022019310A/ja active Pending
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