JP2701044B2 - 新規なフローインジェクション分析法 - Google Patents

新規なフローインジェクション分析法

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【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、新規なフローインジェクション分析(FI
A)法に関する。
〔従来の技術及びその問題点〕
フローインジェクション分析(FIA)法は、キャリヤ
ー溶液の流れの中に直接的に試料を注入し、キャリヤー
と共に移動する過程で対象成分に反応を行わせ、反応で
生じた化学的な変化を検出器で測定することによって、
対象成分を定量する、連続流れ分析である。通常、FIA
法は分離の段階を含んでいないので、選択性の高い反応
系、検出系を必要とする。
一般に酵素反応は基質特異性が極めて高いので、FIA
系に組み込むのに特に適しており、これまでに酵素反応
を利用したFIA法について種々の報告がなされている。
例えば、高い試料サンプリング速度の実現のためにキャ
リヤー溶液の中に酵素を溶解させて用いるFIAについて
の報告がある〔Anal.Chim.Acta,106,207(1979)〕。こ
の方法は酵素を流動相で用いるため反応効率が高く、ま
た、一つのFIA系で流れる酵素を変えるだけで異なる成
分の定量を行うことができる等の利点を有している。し
かし、この方法では酵素を回収して再使用することが難
しいので経済性の面からあまり実用的な方法であるとは
言えない。これに対し、酵素の繰り返し再使用が可能な
方法として、酵素を固定化した担体を反応管に充填させ
て用いるFIA法がある〔Anal.Chim.Acta,138,81(198
2);Anal.Chem.,52,2332(1980);Anal.Chim.Acta,171,
185(1985)等〕。更に、この固定化酵素法の改良法と
して、本発明者らは、FIA法の特徴の一つである迅速性
を維持し、且つ合理的な系の設計を容易にするために、
内径の小さい中空ガラス毛細管(キャピラリー)の内壁
に酵素を固定化したものを反応管として組み込んだFIA
法を提案し、アルコール〔Bunseki kagaku,32,E101(19
83)〕、乳酸〔分析化学,33,642(1984)〕及び尿酸
〔分析化学,35,575(1986)〕の定量へのその応用につ
いて報告している。これら所謂固定化酵素法は、いずれ
も酵素の繰り返し利用が可能なため、酵素をキャリヤー
溶液中に溶解させて用いる方法よりも、経済的で実用性
が高い点に利点を有する。しかしながら、これらの固定
化酵素法は、酵素をキャリヤー溶液中に溶解させて用い
る方法と比べると反応効率がやや低く、また、一つの反
応管は一つの測定対象にしか用いられず、測定対象が変
った場合には新たな反応管(新たな固定化酵素を充填し
た、或は新たな酵素をその内壁に固定化した反応管)を
用いなければならない点に問題点を有する。
〔発明の目的〕
本発明は、キャリヤー溶液中に酵素を溶解させて用い
るFIA法と、固定化酵素反応管を用いるFIA法(酵素を固
定化した担体を充填させた反応管を用いるか或は内壁に
酵素を固定化した反応管を用いるFIA法)の両方の利点
を有し、且つ両方の問題点を解決した新規なFIA法を提
供することにある。
〔発明の概要〕
本発明は、酵素を固定化したラテックスを懸濁させた
キャリヤー液を、該酵素の基質を含む被検試料と共に反
応管内を通過せしめ、この間に起る該酵素と該基質の酵
素反応の結果生じる反応系内の変化を測定することによ
り、被検試料中の基質量を測定することを特徴とする基
質の定量方法の発明である。
即ち、本発明者らは、FIA法では、適当な担体が見付
かれば、酵素を固定化した担体を懸濁させたキャリヤー
液を用い、このキャリヤー液中に基質溶液を注入するこ
とによっても酵素分析を行うことが可能であり、また酵
素を回収することもできる筈であると考え、鋭意研究を
重ねた結果、酵素を固定化したラテックスを懸濁させた
キャリヤー液を用いる本発明のFIA法に到達した。
本発明に於て、酵素を固定化する担体として用いられ
るラテックスとしては、例えばスチレン・アクリル酸共
重合体、スチレン・メタクリル酸共重合体、スチレン・
ブタジエン・アクリル酸共重合体等、カルボキシル基
(−COOH基)を有するポリマーのラテックスや、例えば
スチレン・アクリルアミド共重合体をホフマン反応で表
面処理したもの等、アミノ基(−NH2基)を有するポリ
マーのラテックス、或は例えば2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート重合体等、水酸基を有するポリマーのラテ
ックス等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
なく、カルボキシル基、アミノ基、水酸基等の官能基を
一種以上有するものであれば、いずれにてもよい。ポリ
マー中に存在するカルボキシル基、アミノ基、水酸基等
の官能基の数は、好ましくは10〜400μeq/gであり、こ
れら官能基の数が少なすぎると酵素が充分には固定化さ
れず、また官能基の数が多すぎると酵素によっては活性
が低下することがあり、共に好ましくない。ラテックス
の粒径は、好ましくは0.1〜1.0μm(平均)であり、粒
径が小さすぎると使用後の回収に難があるし、粒径が大
きすぎると光学的に測定する場合に妨害になって共に好
ましくない。
上記した如きラテックスへの酵素の固定化方法として
は、(i)カルボジイミド類等の縮合試薬を用いてラテ
ックスに直接酵素を共有結合させ固定化する方法、(i
i)ラテックスにヘキサメチレンジアミン等のスペーサ
ーを導入した後、縮合試薬を用いてこれに酵素を固定化
する方法、(iii)(ii)と同様にラテックスにスペー
サーを導入した後、グルタルアルデヒド等の架橋剤を用
いてこれに酵素を固定化する方法等が挙げられる。
(i),(ii)及び(iii)の方法で用いられる縮合
試薬としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)
カルボジイミド塩酸塩(以下、WSCと略称する。)等の
カルボジイミド類やウッドワード試薬K(N−エチル−
5−フェニルイソオキサゾリウム−3′−スルホネー
ト)等が挙げられる。
(ii)及び(iii)の方法で用いられるスペーサーと
しては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、ドデカメチ
レンジアミン、ε−アミノカプロン酸、グリシル−グリ
シル−グリシン等が挙げられる。
また、(iii)の方法で用いられる架橋剤としては、
例えば、グルタルアルデヒド、ヘキサメチレンジイソシ
アナート、N,N′−エチレンビスマレイミド等が挙げら
れる。
これら、縮合試薬、スペーサー及び架橋剤は、固定化
しようとする酵素の種類及びラテックスの種類等により
夫々好適なものが自ら異なるから酵素の種類及びラテッ
クスの種類等に応じて適宜選択して用いるべきであるこ
とは言うまでもない。(i),(ii),(iii)の固定
化方法の内、どの方法を選ぶかは任意であり、固定化し
ようとする酵素の種類及びラテックスの種類に応じて適
宜選択すれば良いが通常は(iii)の方法がより好まし
く用いられる。
本発明の方法に適用可能な酵素としては、例えばラク
テートデヒドロゲナーゼ(LDH),グルコースデヒドロ
ゲナーゼ(GlDH),グリセロールデヒドロゲナーゼ(GD
H),3α−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(3
α−HSD),α−ヒドロキシブチレートデヒドロゲナー
ゼ(α−HBD),アルコールデヒドロゲナーゼ等の脱水
素酵素類、例えばグルコースオキシダーゼ,コリンオキ
シダーゼ,ウリカーゼ等の酸化酵素類、例えばウレアー
ゼ,コリンエステラーゼ,コレステロールエステラーゼ
等の加水分解酵素類、例えばグルタミン酸ピルビン酸ト
ランスアミナーゼ,グルタミン酸オキザロ酢酸トランス
アミナーゼ等のトランスアミナーゼ類、例えばペプシ
ン,トリプシン,キモトリプシン,エラスターゼ等のプ
ロテアーゼ類、ペルオキシダーゼ,ガラクトシダーゼ等
々が挙げられるが、これらに限定されるものではないこ
とは言うまでもない。
本発明の方法により測定可能な基質としては、例え
ば、乳酸、ピルビン酸、グルコース、グリセリン、胆汁
酸、α−ヒドロキシ酪酸、α−ケト酪酸、アルコール、
尿酸、コリン、コレステロール、尿素、グルタミン酸、
ピルビン酸、オキザロ酢酸、リシン、アルギニン、過酸
化水素等々が挙げられるが、これらに限定されるもので
は勿論ない。
本発明の定量方法に於て用いられる反応管としては、
特に限定されるものではないが、通常は各種ガラス製の
反応管やテフロン製の反応管等が好ましく用いられ、特
にガラスキャピラリー管(毛細管)やテフロン製毛細管
が好ましく用いられる。またガラスキャピラリー管やテ
フロン製毛細管の中でも特にコイル状のものがより好ま
しく用いられる。
本発明の定量方法で用いられるキャリヤー液の成分
は、測定対象の基質やラテックスに固定化した酵素の種
類により自ら異なるものであり、特に一定したものでは
ない。しかしながら、測定対象の基質がそれ自体酵素反
応により、測定可能な(例えば光学的に或は電気化学的
に)変化を生じないものである場合には少くとも、代り
にそのような変化を生じ得る化合物、例えばニコチンア
ミドアデニンジヌクレオチド(NAD)やニコチンアミド
アデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)等の補酵素類
や、例えばp−ヒドロキシフェニルプロピオン酸や4−
ヒドロキシ−3−メトキシフェニル酢酸等のように酸化
されて螢光物質を生ずる化合物、ルミノール等の発光試
薬、或はフェリシアン化カリ、フェロシアン化カリ等電
気化学的にその変化を測定し得る化合物等をキャリヤー
溶液中に存在せしめることが必要であることは言うまで
もない。
本発明の定量方法に於て、酵素反応の結果生じる反応
系内の変化を測定する手段としては、UV検出器を用いる
方法、螢光検出器を用いる方法或は化学発光検出器を用
いる方法等、光学的に測定する方法や、電位検出器、電
流検出器等を用いる電気化学的検出法等が代表的なもの
として挙げられる。どの手段をとるかは測定対象の基質
や用いた酵素の種類に応じて適宜定むべきであり、特に
限定されるものではない。
本発明は、例えば以下の様にして実施される。
〔I〕 ラテックスへの酵素の固定化 例えば、先ずラテックス(例えばカルボキシル基を有
するラテックス)にカルボジイミド(例えばWSC)を用
いてスペーサー(例えばヘキサメチレンジアミン)を結
合させる。反応は通常室温前後で行われ、反応時のpHは
通常3〜5である。また、反応時間は通常1乃至数時間
程度で充分である。反応後はゲル過等により生成物と
未反応物とを分けること常法通りである。
次いで、このスペーサーを導入したラテックスに架橋
剤(例えばグルタルアルデヒド)を用いて酵素(例えば
LDH)を結合させ固定化する。反応は先ずスペーサー付
ラテックスに架橋剤を結合させ、次いでこれに酵素を結
合させる。スペーサー付ラテックスと架橋剤との反応は
通常室温前後で行われ、反応時間は通常3〜5時間程度
である。反応後は常法に従い、ゲル過等により目的物
を分取する。かくして得られた、架橋剤を結合したスペ
ーサー付ラテックスと、酵素との反応は、通常4℃前後
で行われ、反応時間は通常18〜24時間である。反応後は
常法に従いゲル過等により目的物を分取する。
〔II〕 酵素を固定化したラテックスを用いたFIA法に
よる基質の定量 例えば第1図に示す流路構成から成るFIA系を用いて
L−乳酸を定量する場合について述べる。
即ち、例えば〔I〕で得た、酵素LDHを固定化したラ
テックスを適当な濃度のNAD及び適当な濃度のジチオス
レイトール(DTT)を含む適当な濃度、適当なpHの緩衝
液(例えばトリス−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液等)で適
当な倍数に希釈したものをキャリヤー液とし、第1図
(d)のインジェクターより注入した試料(L−乳酸を
含む)と共に適当な流速で(e)の反応管に通し、反応
の結果生じたNADHの螢光強度を(f)の検出器(この場
合は螢光検出器を使用)で測定すれば(予め既知試料を
用いて作成してある検量線をもとにして)試料中のL−
乳酸量を定量することができる。尚、一度FIAに使用し
た酵素固定化ラテックスはゲル過法やメンブランフィ
ルターを用いる過等により容易に回収することがで
き、繰り返し再使用することが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例により何ら制約を受けるもの
ではない。
〔実施例〕
実施例1.LDHを固定化したラテックスを用いた乳酸の定
量 (1)LDHを固定化したラテックスの調製 ラテックスとしてRhone−Poulenc Chimie社製のEstap
or PSI 68(官能基COOH,官能基の数200〜300μed/g,粒
径0.2μm)を用いて酵素の固定化を行った。
(1−1)ラテックスへのスペーサーの導入 水5mlにEstapor PSI 68 58mg,WSC20μmol,ヘキサメチ
レンジアミン800μmol及び界面活性剤Tween20(花王−
アトラス社商品名)50μgを加え、pH約5に於て室温で
1時間振盪、反応させた。反応後、ゲル過によりラテ
ックス画分を分取し、O−フタルアルデヒド法によって
スペーサー末端アミノ基の検出を行ったところ、スペー
サーを導入していないラテックスに比べて螢光強度が増
大しており、スペーサーが導入されていることが確認さ
れた。
(1−2)ラテックスへのLDHの固定化 (1−1)で得られたスペーサー付きラテックスの画
分8c.c.に25%グルタルアルデヒド水溶液2c.c.を加え、
室温で3時間振盪、反応させた。反応後、ゲル過によ
りラテックス画分15c.c.を分取し、これにLDH溶液0.5c.
c.(3360U/ml、東洋紡(株)製)を加えて4℃で18時
間、振盪、反応させた。
反応後、ゲル過によりラテックス画分25c.c.を分取
した。このものの調製直後〜30時間後のLDH活性は0.9〜
0.6U/ml、100時間後で0.6U/ml、26日後でも、0.40U/ml
と経時安定性は良好であった。
尚、(1−1)及び(1−2)に於けるゲル過は、
いずれもSepharose 4B(Pharmacia社商品名。分画範囲
6×104〜2×107)を充填した内径1cm×高さ20cmのカ
ラムに、移動相として50mMリン酸緩衝液(pH7.4)を通
して行った。
(2)LDH固定化ラテックスを用いた乳酸の定量 (1)で得られたLDH固定化ラテックス画分を0.1Mト
リス−塩酸緩衝液(pH8.1)で20倍に希釈し、これにNAD
を5mM、DTTを0.3mMとなるように溶解したものをキャリ
ヤー液とし、各種濃度のL−乳酸溶液を試料として第1
図に示される流路構成から成るFIA系を用いて、次の反
応によって生成するNADHを螢光検出器で検出することに
よってFIAグラムを描いた。
<装置> 螢光検出器:シェッフェル FS−970 定流量ポンプ:サヌキ工業 DM2M−1024 パルスダンパー:協和精密 KU1型 インジェクター:日本分光 Jasco VL−611 反応管:内径0.5mm×長さ5mのコイル状テフロン毛細
管 <試料> 0.05,0.1,0.2,0.5,1,2及び4mMのL−乳酸水溶液。
<試料注入量> 各5μ <反応条件> 反応温度:37℃ キャリヤー液の流速:0.092c.c./min <結果> 得られたFIAグラムを第3図に、また、第3図のピー
ク高さを基に作成した検量線を第4図に夫夫示す。
第4図から明らかな如く、本発明のFIA法により得ら
れたL−乳酸の検量線は良好な定量性を示している。
実施例2.LDHを固定化したラテックスを用いた乳酸の定
量 実施例1の(1)で調製したLDH固定化ラテックスを
用い、第2図に示す如き二流路のFIA系を用いて、測定
を行ない、実施例1と同様にしてFIAグラムを描いた。
<キャリヤー溶液> 1mMのNADと0.3mMのDTTを含む0.1Mトリス−塩酸緩衝液
(pH8.1) <装置> 螢光検出器:シェッフェル FS−970 定流量ポンプ:サヌキ工業 DM2M−1024(2台共) インジェクター:日本分光VL−611(試料側) レオダイン7000(ラテックス側) 反応管:内径0.5mm×長さ5mのコイル状テフロン毛細
管 <試料> 0.05,0.1,0.3,0.5,1.0,1.5,3mMのL−乳酸水溶液。
<試料注入量> 15μ <ラテックス分散液注入量> 20μ <反応条件> 反応温度:37℃ キャリヤー溶液の流速:0.07c.c./min(流路1,流路2
共) <結果> 得られたFIAグラムを第5図に、また、第5図のピー
ク高さを基に作成した検量線を第6図に夫夫示す。
第6図から明らかな如く、二流路のFIA系による本実
施例に於ても、良好な定量性を示す検量線が得られた。
実施例3. 使用済LDH固定化ラテックスの再使用の検討 実施例1の(1)で調製したLDH固定化ラテックス画
分を0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.1)で20倍に希釈
し、これにNADを1mM,DTTを0.3mMになるように溶解した
ものをキャリヤー液として1.0mMのL−乳酸と共に第1
図に示されるFIA系に注入、反応させた後、使用済キャ
リヤー液をメンブランフィルター(孔径0.1μm)を用
いて過し、ラテックスを別した。
次いで、これを新たに調製した、1mM NADと0.3mM DTT
を含む0.1Mトリス−塩酸緩衝液中に投入し、超音波をか
けて分散させ、分光光度計を用いて500〜430nmの波長で
濁度を測定してラテックスの分散量を調節し、未使用ラ
テックスを用いて調製したキャリヤー液と濃度を同じに
した。
かくして得られた回収LDH固定化ラテックスを含むキ
ャリヤー液を用い、第1図に示されるFIA系を用いて、
実施例1と同様にしてL−乳酸の測定を行なってFIAグ
ラムを描き、未使用のLDH固定化ラテックスを用いて同
様に測定を行って作成したFIAグラムと比較を行った。
<装置> 実施例1と同じ。
但し、反応管は内径0.5mm×長さ5mのコイル状テフロ
ン管を用いた。
<試料> 0.05,0.1,0.2,0.5,1,2,3mMのL−乳酸水溶液。
<試料注入量> 各5μ <反応条件> 反応温度:37℃ キャリヤー液の流速:0.1c.c./min <結果> 回収LDH固定化ラテックスを用いて得られたFIAグラム
を第7図(A)に、未使用LDH固定化ラテックスを用い
て得られたFIAグラムを第7図(B)に夫々示す。また
第7図(A)及び(B)の夫々の場合のピーク高さとL
−乳酸濃度(mM)との関係を表1にまとめて示す。
第7図(A)(B)及び表1より明らかな如く、再使
用したLDH固定化ラテックスに酵素活性の低下は認めら
れず、くり返し使用が可能なことを示している。
実施例4. ペルオキシダーゼ(POD)を固定化したラテ
ックスを用いたH2O2の定量 (1)PODを固定化したラテックスの調製 ラテックスとして実施例1の(1)で用いたと同じEs
tapor PSI 68を用い、実施例1の(1)に於けるLDHをP
OD5mg(1000U/mg、ベーリンガーマンハイム社製)に代
えた以外は実施例1の(1)と全く同様にして即ち、ラ
テックスにスペーサーとしてヘキサメチレンジアミンを
導入した後グルタルアルデヒドを架橋剤としてこれにPO
Dを固定化し、ゲル過により目的の画分を分取してPOD
固定化ラテックスを調製した。
(2)POD固定化ラテックスを用いたH2O2の定量 (1)で得られたPOD固定化ラテックス画分を0.1Mト
リス−塩酸緩衝液(pH8.3)で20倍に希釈し、これにp
−ヒドロキシフェニルプロピオン液(HPPA)を1mMとな
るように溶解したものをキャリヤー液とし、各種濃度の
H2O2水溶液を試料として第1図に示される流路構成から
成るFIA系を用いて、次の反応によって生成する螢光物
質2,2′−ジヒドロキシビフェニル−5,5′−ジプロピオ
ン酸を螢光検出器で検出することによってFIAグラムを
画いた。
<装置> 実施例1と同じ。
但し、反応管は内径0.5mm×長さ5mのコイル状テフロ
ン管を用いた。
<試料> 0.02,0.05,0.1,0.2,及び0.5mMのH2O2水溶液。
<試料注入量> 各5μ <反応条件> 反応温度:37℃ キャリヤー液の流速:0.1c.c./min <結果> 得られたFIAグラムを第8図に、また、第8図のピー
ク高さを基に作成した検量線を第9図に夫夫示す。
第9図から明らかな如く、本発明のFIA法により得ら
れたH2O2の検量線は良好な定量性を示している。
〔発明の効果〕
以上述べた如く、本発明は、これまでのフローインジ
ェクション分析(FIA)法の問題点を一挙に解決した新
規なFIA法を提供するものであり、本発明のFIA法は、酵
素を流動相で用いるため反応効率が高く、また、1つの
FIA系で、流れる固定化酵素を変えるだけで異なる成分
の定量を行うことができ、且つ酵素の繰り返し利用が可
能なため経済的で実用性が高い点に顕著な効果を奏する
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るフローインジェクション分析(FI
A)の一流路系の流路構成を示し、第2図は同じく二流
路系の流路構成を示す。但し、第1図,第2図に於て
(a)は酵素固定化ラテックスを懸濁させたキャリヤー
液を、(a)′は酵素固定化ラテックスを含まないキャ
リヤー液を、(b),(b)′,(b)″は定流量ポン
プを、(c),(c)′,(c)″はパルスダンパー
を、(d),(d)′,(d)″はインジェクターを
〔但し、(d)′,(d)″のいずれか一方は試料側、
他方はラテックス側〕、(e),(e)′は反応管を、
(f),(f)′は検出器を、(g),(g)′は排出
液を、また、(h),(h)′は記録計を夫々示す。 第3図は実施例1で得られたFIAグラムを示し、第4図
は第3図のピーク高さを基に作成したL−乳酸の検量線
を示す。 第5図は実施例2で得られたFIAグラムを示し、第6図
は第5図のピーク高さを基に作成したL−乳酸の検量線
を示す。 第7図は実施例3で得られたFIAグラムを示し、(A)
は回収品を用いた場合の、(B)は新規調製品を用いた
場合のFIAグラムを夫々示す。 第8図は実施例4で得られたFIAグラムを示し、第9図
は第8図のピーク高さを基に作成したH2O2の検量線を示
す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酵素を固定化したラテックスを懸濁させた
    キャリヤー液を、該酵素の基質を含む被検試料と共に反
    応管内を通過せしめ、この間に起る該酵素と該基質の酵
    素反応の結果生じる反応系内の変化を測定することによ
    り、被検試料中の基質量を測定することを特徴とする基
    質の定量方法。
  2. 【請求項2】反応管がガラスキャピラリー管又はテフロ
    ン製毛細管である請求項(1)に記載の定量方法。
  3. 【請求項3】酵素反応の結果生じる反応系内の変化を光
    学的に測定する請求項(1)又は(2)に記載の定量方
    法。
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