JP2699124B2 - テレビジョン装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、テレビジョン受像機に
関し、特に、ルミナンス成分とクロミナンス成分が分離
している非複合型の補助ビデオ入力信号を使用すること
を意図した受像機に関する。

【０００２】

【発明の背景】比較的広帯域のルミナンス信号応答（例
えば、５ＭＨ_ｚ）が得られると共に分離されたルミナン
ス出力信号とクロミナンス出力信号を供給する出力コネ
クタ（一般に“Ｓ−端子”と呼ばれる）を備えているビ
デオカセットレコーダ（ＶＣＲ）およびカメラとレコー
ダの組み合せ（カム・コーダ）が提案されている。この
新しいビデオ相互接続標準は“Ｓ−ＶＨＳ”（“スーパ
ーＶＨＳ”を表す）ビデオ形式として一般に知られてい
る。この新しい（非複合）ビデオ相互接続形式の利点
は、分離されたルミナンス信号とクロミナンス信号を受
像機内部のルミナンス・クロミナンス信号分離フィルタ
（例えば、くし形フィルタ）を通さずにテレビジョン受
像機の表示用処理回路に直接供給できることである。Ｓ
−ＶＨＳビデオ信号形式の有利な点は、ルミナンス信号
とクロミナンス信号を合成して複合ビデオ信号として受
像機に供給すると起り得るクロスカラーやクロスルミナ
ンスのような干渉効果を排除できることである。

【０００３】複合型のビデオ信号あるいはルミナンスと
クロミナンスが分離された形式のビデオ信号を処理して
表示するのに適するテレビジョン受像機は知られてい
る。１９８４年８月１５日に発表された“カラー表示シ
ステム”という名称の田中氏の英国特許出願ＧＢ２，１
３４，７４３Ａに一例が示され説明がなされている。こ
のシステムでは、複合型のビデオ入力信号がくし形フィ
ルタに供給されて、くし形濾波済みルミナンス成分とク
ロミナンス成分とに分離され、それぞれのスイッチによ
り表示用処理ユニットの対応するルミナンス入力とクロ
ミナンス入力に供給される。このシステムは、非複合ビ
デオ入力信号のルミナンス成分とクロミナンス成分をそ
れぞれ受け取る一対の入力端子を備えている。この型式
の信号を表示するために、スイッチを切り換えてくし形
フィルタを表示用処理回路から切り離し、非複合信号源
の入力端子を表示用処理回路のルミナンス入力端子とク
ロミナンス入力端子にそれぞれ接続する。

【０００４】複合型と非複合型の両方の信号を表示する
装置を有するカラーテレビジョン受像機のもう１つの例
は、インディアナ州インディアナポリス所在のトムソン
・コンシューマ・エレクトロニクス社が製造し販売した
シャーシ型式番号ＣＴＣ−１５９を使用した“ＲＣＡ”
というブランドの受像機である。この受像機では、くし
形フィルタがくし形濾波済みルミナンス信号とクロミナ
ンス信号を表示用処理回路に供給するために、エミッタ
ホロワ出力段を備えている。非複合（Ｓ−ＶＨＳ）入力
信号のルミナンス成分とクロミナンス成分は、切り換え
られる各増幅器によりくし形フィルタの各出力に供給さ
れる。この増幅器は、くし形フィルタの入力に供給され
る複合ビデオ信号の表示を可能にするためにオフに切り
換えられる。Ｓ−ＶＨＳ信号を表示するには、増幅器を
オンに切り換えて、くし形フィルタのエミッタホロワ出
力トランジスタを逆方向にバイアスし、Ｓ−ＶＨＳ入力
信号の増幅されたルミナンス成分とクロミナンス成分を
表示用処理回路の各入力に結合する。表示用の信号を選
択するこの方法の有利な点は、増幅と切り換えとが行わ
れることであり、これと比較して前述の田中氏の方式で
は、複合信号と非複合信号の切り換えだけが行われる。
この受像機の更に別の特徴は、多極入力スイッチが設け
られ、複数の複合ビデオ入力信号のうち１つを選択して
くし形フィルタの入力に供給し、このスイッチは増幅器
によりくし形フィルタに結合され、表示用に選択される
各複合ビデオ信号はくし形フィルタに先立つ増幅器によ
り増幅され、Ｓ−ＶＨＳルミナンス成分とクロミナンス
成分はくし形フィルタ出力端子に接続される２個の切り
換え型増幅器のそれぞれ１個により別々に増幅される。

【０００５】

【発明の概要】本発明を具体化するカラーテレビジョン
受像機は、くし形フィルタを含んでおり、フィルタのル
ミナンス出力とクロミナンス出力は表示用処理回路のそ
れぞれの入力に結合され、フィルタはルミナンス成分と
クロミナンス成分の合成された複合ビデオ入力信号を供
給すると共にルミナンス成分とクロミナンス成分が分離
された非複合ビデオ入力信号を供給する信号源を備えて
いる。第１の動作モードでは複合ビデオ信号を前記くし
形フィルタの入力に結合し、前記表示用処理回路により
前記複合ビデオ入力信号の表示を可能にし、第２の動作
モードでは前記非複合ビデオ入力信号の前記ルミナンス
成分を前記くし形フィルタの前記入力に結合すると共に
前記非複合ビデオ入力信号の前記クロミナンス成分を前
記くし形フィルタの前記クロミナンス出力に直接に結合
して、表示手段により前記非複合ビデオ入力信号を表示
する回路手段が設けられている。

【０００６】本発明は添付した図面に示されており、図
面において類似の要素には類似の参照番号が付けられて
いる。

【０００７】

【実施例】図１のカラーテレビジョン受像機はくし形フ
ィルタ１０を含んでおり、フィルタ１０のルミナンス
（Ｙ）出力とクロミナンス（Ｃ）出力は表示用処理回路
１２のそれぞれの入力に結合され、処理回路１２の出力
は表示装置（例えば受像管）１４に結合され、表示用処
理回路１２に供給される信号を表示する。受像機は、ル
ミナンス成分とクロミナンス成分の合成された複合ビデ
オ入力信号およびルミナンス成分とクロミナンス成分の
分離された非複合ビデオ入力信号を供給する信号源を含
んでいる。信号源は、ＶＣＲその他適当な信号源からベ
ースバンドの複合ビデオ入力信号を受け取る補助入力端
子１６と１８、およびＲＦ変調されたテレビジョン信号
を受信するアンテナ入力２０とべースバンドの複合ビデ
オ信号を供給する出力２４とを有するチューナ２２を含
んでいる。また、信号源はルミナンス成分とクロミナン
ス成分が分離されている非複合型式のビデオ入力信号を
それぞれ端子３２と３４において供給するＳ−ＶＨＳコ
ネクタ３０を含んでいる。

【０００８】図１のカラーテレビジョン受像機は、更に
複合型式と非複合型式の入力信号の表示を容易にする回
路手段を含んでいる。この回路手段は入力スイッチ４０
を含んでおり、このスイッチ４０の入力はチューナ２２
のべースバンドの複合ビデオ信号、端子１６と１８から
供給される補助のベースバンド複合ビデオ信号および端
子３２から供給されるＳ−ＶＨＳ信号のルミナンス成分
をオンの動作モードとオフの動作モードを有する増幅器
（以下、スイッチ増幅器という。）５０を介してくし形
フィルタ１０の入力に供給するように接続される。ま
た、この回路手段は、端子３４に供給されるＳ−ＶＨＳ
ビデオ信号（非複合型式）のクロミナンス成分をくし形
フィルタ１０のクロミナンス出力（Ｃ）に結合するスイ
ッチ増幅器６０も含んでいる。制御ユニット７０はチャ
ネル選択を制御するための制御信号をチューナ２２に供
給し、またくし形フィルタ１０に入力される信号の選択
を制御するための制御信号をスイッチ４０に供給し、そ
してＳ−ＶＨＳ信号のクロミナンス成分をくし形フィル
タ１０の出力に結合するのを制御するための制御信号を
スイッチ増幅器６０に供給する。

【０００９】動作中、標準放送の信号あるいはケーブル
ＴＶチャネルの信号を表示しようとする場合、制御ユニ
ット７０は不能化信号をスイッチ増幅器６０に送り、チ
ャネル選択信号をチューナ２２に送り、そして制御信号
をスイッチ４０に送って、選択された複合ビデオ入力信
号を受信された放送チャネルまたはケーブルチャネルに
対応するくし形フィルタ１０の端子１１に供給するよう
にスイッチ４０を条件づける。くし形フィルタ１０は、
チューナ２２が選択した複合ビデオ信号のルミナンス成
分とクロミナンス成分とを分離し、処理回路１２の入力
に供給し、表示ユニットにより表示する。補助の複合ビ
デオ入力信号ＡＵＸ−１あるいはＡＵＸ−２の何れかを
選択する時にも同じ動作が行われる。

【００１０】Ｓ−ＶＨＳ入力コネクタ３０から供給され
る非複合ビデオ入力信号を表示しようとする場合、その
処理は変る。詳しく言うと、制御ユニット７０は制御信
号をビデオ入力スイッチ４０に送る。その結果スイッチ
４０はＳ−ＶＨＳ信号のルミナンス成分を増幅器５０を
介してくし形フィルタ１０の入力１１に供給する。同時
に制御ユニット７０は、スイッチ増幅器６０がＳ−ＶＨ
Ｓ信号のクロミナンス成分を（端子３４において）くし
形フィルタ１０のクロミナンス出力に結合するのを可能
にする。くし形フィルタ１０はエミッタホロワ出力段を
有する形式のものが好ましく、クロミナンス信号がスイ
ッチ増幅器６０を介してフィルタ１０に供給される時、
エミッタホロワの出力トランジスタは逆方向にバイアス
される。くし形フィルタはエミッタホロワ出力段を有す
るものが好ましいが、このことは本発明にとっては重要
でない。何故ならば、このモードでくし形フィルタに供
給される信号はクロミナンス成分を含んでおらず、従っ
てくし形フィルタのクロミナンス出力がＳ−ＶＨＳコネ
クタの端子３４から結合されるクロミナンス信号と干渉
することはあり得ないからである。しかしながら、通常
の複合ビデオ信号が表示される時、スイッチ増幅器６０
によりＳ−ＶＨＳクロミナンス信号（もし存在すれば）
は処理されている複合ビデオ信号のクロミナンス成分と
干渉しないようにされる。

【００１１】図１のカラーテレビジョン受像機は先に述
べた従来技術の受像機よりも有利な特徴をいくつか持っ
ている。第１に注目すべきは、非複合ビデオ信号のルミ
ナンス成分はくし形フィルタで濾波されるが、Ｓ−ＶＨ
Ｓクロミナンス信号と決して混合されず、従って、望ま
しくないクロスカラーやクロスルミナンス作用の可能性
はない。第２に注目すべきは、すべての信号は２個の増
幅器（５０と６０）だけで増幅されるのに対し、既知の
受像機では３個の増幅器が必要とされた。このように必
要とされる増幅器の数が減少すると、必要とされる部品
が減少するためにカラーテレビジョン受像機の信頼度が
全体的に望ましく向上し、また明らかに経済上の利益も
得られる。

【００１２】図２は図１のスイッチ４０の好ましい実施
例としてここに選択されたものである。ビデオ周波数で
の動作に適した他のスイッチを代りに使用してもよい。
ここに選択されたスイッチは、本発明の発明者が１９８
９年１１月２８日に出願した米国特許出願第４４１９０
１号に詳細に説明されている。このスイッチは、４位置
スイッチ（Ａ−Ｄ）を有するＣＤ４０５２Ｂ型ＣＭＯＳ
集積回路２００とスイッチを制御するためのデコーダ２
０２から成る。このスイッチの出力は、増幅器５０が接
続される負荷抵抗２０４に接続され、集積回路２００の
４個のスイッチの入力は、それぞれの結合回路網２１０
−２１４を介して、端子２０，１６，１８および３２結
合される。各回路網は、入力終端抵抗２２０−２２３、
ＣＭＯＳスイッチ入力と大地との間に結合されるツェナ
ーダイオード２３０−２３３、ビデオ入力端子とそれぞ
れのＣＭＯＳスイッチ入力端子との間に直列接続される
抵抗（２４０−２４３）とコンデンサ（２５０−２５
３）、および電源電圧端子２７０とツェナーダイオード
（２３０−２３３）のそれぞれのカソードとの間に結合
されるバイアス抵抗（２６０−２６３）を含んでいる。

【００１３】動作中、デコーダ２０２は制御ユニット７
０から供給される制御信号を復号化し、ＣＭＯＳスイッ
チ２００の４個のスイッチＡ−Ｄのうち１個を閉じ、端
子２０，１８，１６および３２における入力信号の中の
１つを選択し、負荷抵抗２０４と増幅器５０に供給す
る。例えば、チューナ入力２０が選択されなければ、ス
イッチＡは開いており、ツェナーダイオード２３０は抵
抗２６０からの電流により順方向にバイアスされる。こ
の状態で端子２０における信号は、開いたスイッチＡに
より、そして抵抗２４０と順方向にバイアスされたツェ
ナーダイオード２３０とにより形成される“Ｌ”型減衰
器により減衰される。逆に、スイッチＡが閉じている時
は、ツェナーダイオード２３０のバイアス電流は負荷抵
抗２０４により大地に向けられる。従って、ツェナーダ
イオード２３０はオフになり、減衰は生ぜず、スイッチ
部Ａは端子２０の入力信号を増幅器５０に結合させる。
残りのスイッチ部についても同じ動作が行われる。この
スイッチ装置のその他の利点は本発明者が１９８９年１
１月２８日に出願した米国特許出願第４４１，９０１号
に述べられている。

【００１４】図３は、図１の例に使用することのできる
スイッチ増幅器としてここに選択された実施例である。
これ以外の他のスイッチ増幅器を代りに使用することも
できる。図３において、Ｓ−ＶＨＳクロミナンス入力端
子３４は入力終端抵抗３００により大地に結合され、直
流阻止コンデンサ３０４と直列の静電放電（ＥＳＤ）保
護抵抗３０２を介して回路ノード３０６に結合される。
回路ノード３０６は、直列抵抗３０８と３１０および制
御ユニット７０により制御されるスイッチ３１２に結合
される。抵抗３０８と３１０の共通接続点はバイパス・
コンデンサ３１４を介して大地に結合されることにより
低域フィルタを形成して、スイッチ３１２に存在する雑
音をノード３０６から分離すると共にスイッチ３１２に
おける追加的スイッチ部によりスイッチされる他の信号
からノード３０６に存在するクロミナンスを分離する。
ノード３０６は更にダイオードのカソード・アノード径
路と抵抗３２２を介してＮＰＮトランジスタのべースに
結合される。ＮＰＮトランジスタのエミッタはエミッタ
抵抗を介して接地され、コレクタはコレクタ負荷抵抗３
２８を介して電源端子３３０に結合される。また電源端
子はバイアス抵抗３３２を介してツェナーダイオード３
２０のアノードに結合される。トランジスタ３２４のコ
レクタは出力トランジスタ３４０のべースに結合され
る。トランジスタ３４０のコレクタは電源端子３３０に
接続され、エミッタはくし形フィルタ１０の出力に接続
される。くし形フィルタ１０はエミッタホロワ出力段が
点線で描かれており、エミッタが電流源３６０を介して
接地されるＮＰＮトランジスタ３５０を含んでいる。

【００１５】動作中、制御ユニット７０がスイッチ３１
２を閉じると、電流は抵抗３３２，３０８，３１０，ダ
イオード３２０を通って大地に流れ、それにより同時に
ダイオード３２０が順方向にバイアスされ、増幅用トラ
ンジスタ３２４が順方向にバイアスされて線形動作を行
う。端子３４における入力信号はダイオード３２０によ
り増幅用トランジスタ３２４に導かれて増幅され、エミ
ッタホロワ３４０により出力端子に供給される。トラン
ジスタ３４０は十分高い正電圧（例えば、９ボルト）で
バイアスされ、それよりも低い電圧（例えば、６ボル
ト）でバイアスされるくし形フィルタ１０のエミッタホ
ロワ３５０を逆方向にバイアスする。制御ユニット７０
がスイッチ３１２を開くと、ダイオード３２０のカソー
ドの直流経路がなくなる。従って、この状態では抵抗３
３２から供給される電流はトランジスタ３２４を飽和さ
せ、このエミッタホロワ・トランジスタを低電位にする
ので、トランジスタ３４０のベース・エミッタ接合は逆
方向にバイアスされ、くし形フィルタ１０のエミッタホ
ロワ３５０はくし形濾波済み出力信号を処理回路１２に
結合させることができる。これと同時にダイオード３２
０は端子３４における入力信号を整流して、自己バイア
ス電圧を発生し、この電圧はダイオード３２０を逆方向
にバイアスするので、逆方向にバイアスされたエミッタ
ホロワ・トランジスタ３４０により得られる減衰に加え
て、端子３４における信号の減衰が増大する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を具体化するカラーテレビジョン受像機
のブロック図である。

【図２】図１の受像機に使用するのに適する入力ビデオ
選択スイッチの回路図を一部ブロック図の形式で示す。

【図３】図１の受像機に使用するのに適するスイッチ増
幅器の回路図である。

【符号の説明】

１０ くし形フィルタ １２ 表示用処理回路 １４ 表示装置（受像管） ２２ チューナ・ＩＦ処理回路 ３０ Ｓ−ＶＨＳコネクタ ３２ Ｓ−ＶＨＳルミナンス入力端子 ３４ Ｓ−ＶＨＳクロミナンス入力端子 ４０ スイッチ ５０ スイッチ増幅器 ６０ スイッチ増幅器 ７０ 制御ユニット ２００ ＣＭＯＳスイッチ ２０２ デコーダ ２７０ 電源電圧端子 ３０４ 直流阻止コンデンサ ３１２ スイッチ ３１４ バイパス・コンデンサ ３２０ ツェナーダイオード ３３０ 電源端子 ３６０ 電流源

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−250298（ＪＰ，Ａ) 実開 平１−64274（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−126671（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入力と、表示用処理回路の各入力に結合
   されるルミナンス出力およびクロミナンス出力とを有す
   るくし形フィルタと、 ルミナンス成分とクロミナンス成分が合成されている複
   合ビデオ入力信号を供給し、またルミナンス成分とクロ
   ミナンス成分が分離されている非複合ビデオ入力信号を
   供給する信号源と、 前記表示用処理回路により前記複合ビデオ入力信号を表
   示するために、前記複合ビデオ入力信号を前記くし形フ
   ィルタの前記入力に結合させる第１の動作モードと、前
   記表示用処理回路により前記非複合ビデオ入力信号を表
   示するために、前記非複合ビデオ入力信号の前記ルミナ
   ンス成分を前記くし形フィルタの前記入力に結合させる
   と共に前記非複合ビデオ入力信号の前記クロミナンス成
   分を前記くし形フィルタの前記クロミナンス出力に直接
   に結合させる第２の動作モードを有する回路手段とを具
   えた、テレビジョン装置。