JP2698590B2 - 耐振性タングステン線 - Google Patents

耐振性タングステン線

Info

Publication number
JP2698590B2
JP2698590B2 JP378788A JP378788A JP2698590B2 JP 2698590 B2 JP2698590 B2 JP 2698590B2 JP 378788 A JP378788 A JP 378788A JP 378788 A JP378788 A JP 378788A JP 2698590 B2 JP2698590 B2 JP 2698590B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bubbles
diameter
wire
aligned
dispersed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP378788A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01186547A (ja
Inventor
敬祐 林
幹治 福地
勇 小関
正美 伊藤
淳二 畠山
忠 清水
良三 秋山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP378788A priority Critical patent/JP2698590B2/ja
Publication of JPH01186547A publication Critical patent/JPH01186547A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2698590B2 publication Critical patent/JP2698590B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は電球用フィラメント材として有用な耐振性の
W線に関し、更に詳しくは、白熱電球のフィラメント発
熱温度以上の高温下の点灯時においてもまた振動の激し
い使用条件下においても、フィラメントの変形若しくは
断線を招くことがなく、例えばハロゲン電球のフィラメ
ントを製造するときのワイヤとして有用なW線に関す
る。
(従来の技術) 振動の激しい条件下で使用される電球のフィラメント
例えばハロゲン電球のフィラメントは通常耐振性の高い
ドープW線で構成されている。このドープW線は概ね次
のようにして製造されている。
すなわち、まず、所定粒度分布のWO3粉に、K,Si,Alに
代表されるドープ剤を配合する。しかるのちに、この粉
末に水素炉中で還元処理を施して、ドープ剤が担持され
たW粉末とする。ついで、このW粉末を加圧成形してグ
リーン成形体にする。このグリーン成形体を例えば1200
℃程度の温度で仮焼結したのち、仮焼結体の両端を端子
にして通電焼結して焼結体とする。得られた焼結体には
通常転打加工を施し、この間に再結晶化処理をし、さら
に伸線加工して所定線径の線材とする。
この一連の過程において、グリーン成形体中に配合さ
れていたドープ剤は次のように挙動する。
まず、焼結過程では、W粉末同志間の焼結が進みWの
結晶粒が成長していくが、同時に、配合されていたドー
プ剤は熱分解してその一部が揮散する。焼結完了時の焼
結体にあっては、このドープ剤は、この揮散痕が比較的
真円に近いドープ孔として多数残存するかまたは空隙孔
として存在することになる。
その後、焼結体に転打加工を施すと、上記したW結晶
粒は線軸方向に伸長する繊維状組織となり、同時にドー
プ孔も細長い空隙孔へと変形する。更に加工を進める
と、ドープ孔は線軸方向に扁平化した状態になる。
ついでこの線材を高温加熱(例えばフラッシング)し
て再結晶化処理を施すと、ドープ剤はガス化し、その結
果、その痕跡である微細バブルが線材の長手方向に連接
した状態で整列して成るある長さの整列したバルブが形
成される。
線材の長手方向に多数分散しているこれら整列したバ
ブルの作用により、線材の長手方向と直交する方向への
再結晶粒の成長は抑制され、結果として、再結晶粒の成
長は線材の長手方向に選択的に進行することになり線軸
方向に伸長する長大な再結晶粒が形成され、これらが互
いにインターロックして線材の高温変形に対する耐性が
向上するのである。
つまり、整列したバブルの存在態様は、その線材の再
結晶時における結晶粒の成長に影響を与え、これにより
耐振性,耐高温変形性に対し大なる影響を与えるのであ
る。
(発明が解決しようとする問題点) 最近、ハロゲン電球は種々の照明分野で使用されてい
るが、それに伴い使用環境は過酷になっている。このよ
うな条件の中で従来から市販されているドープW線のフ
ィラメントでは、高温点灯時の耐振性が不充分で、点灯
時のフィラメントの変形、更には配光の不均一などの問
題が指摘され、より点灯時の耐振性に優れかつ信頼性の
高いドープW線への開発要求が強まっている。
本発明はこの要求に応えるべく開発されたものであっ
て、高温下における耐振性が優れたドープW線の提供を
目的とする。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ね
る過程で、その線径が0.39mmとした従来のドープW線
に、その溶断電流値の90%に相当する電流を5分間通電
し、そのときの抵抗発熱で加熱されて成長した再結晶組
織を観察した。その結果、従来の市販ドープW線の場
合、成長した再結晶粒の粒界には概ね直径が0.5μmの
微細バブルが線軸方向に連接した状態で概ね2μm程度
の長さで整列している整列したバブルが複数本存在する
事実を見出した。また、これら整列したバブルの外に、
ランダムに分散するバブルの存在も確認した。更に、個
々の結晶粒の粒内に関しても同様の観察を行なったとこ
ろ、0.1〜0.5μm程度のバブルから成る長さ30μm程度
の整列したバブルが複数本存在し、またランダムに分散
するバブルの存在も確認した。
そして、本発明者らは、結晶粒界および結晶粒内に存
在する整列したバブルの形状、またこれら整列したバブ
ルを形成するバブルの形状と耐振性との関係につき検討
を加えたところ、これら形状が後述する状態にあるとき
そのドープW線の耐振性は従来以上に向上するとの事実
を見出し本発明のドープW線を開発するに到った。
すなわち、本発明の耐振性W線は、直径が0.39mmのW
線に、溶断電流値の90%に相当する値の電流を5分間通
電したときのバブルの直径および分散状況が、 (a)結晶粒界には、直径0.3μm以下のバブルが、該
結晶粒界の線軸方向に沿って、長さ3μm以上のバブル
列を形成するように整列して分散し、さらに、 (b)結晶粒内には、直径0.3μm以下のバブルが、該
結晶粒内の線軸方向に沿って、長さ30μm以上のバブル
列を形成するように整列して分散している ことを特徴とする。
本発明のW線は所定の温度で加熱されたときに形成さ
れる整列したバブルおよびランダムに分散したバブル、
さらにそれを構成するバブルの形状に特徴を有する。
本発明において、これらの整列したバブルおよびラン
ダムに分散したバブルとそれらの形状は、対象とする線
材の線径が0.39mmで、この線材を90%溶断電流値に相当
する温度で5分間加熱したときに形成される整列したバ
ブル、ランダムに分散したバブルとその形状をいう。こ
のときの温度は概ね3100℃に相当する。
まず、本発明のW線においては、上記した加熱処理を
施したときに、成長した再結晶粒の粒界の線軸方向に分
散する整列したバブルは、その長さが3μm以上であ
る。この長さ3μmより短い場合、再結晶粒の線軸方向
の成長が抑制され、結局は線材の耐高温変形性,耐振性
が低下するからである。好ましくは、5μm以上であ
る。また、上記整列したバブルを構成するバブルは、そ
の径を0.3μm以下とする。このバブルの径が大きくな
りすぎると、線材中にはいわば“ボイド”が形成された
と同じ状態になり、耐高温変形性に限らず常温下にあっ
ても強度低下が発現するからである。好ましくは0.2μ
m以下とする。
更に、この結晶粒界には上記した整列したバブルの外
にランダムにバブルが分散する場合には、その径は0.2
μm以下であることが好ましい。その径があまり大きい
ランダム分散のバブルは、線材の強度低下を招くからで
ある。より好ましくは0.1μm以下とする。皆無である
ことが最も好ましい。
つぎに、結晶粒内の線軸方向に分散する整列したバブ
ルは、その長さを30μm以上とする。この長さが30μm
より短い場合は線材の耐高温変形性,耐振性が低下す
る。好ましくは40μm以上である。
また、この整列したバブルを構成する微細バブルは、
前述した粒界に分散する整列したバブルの微細バブルの
場合と同様の理由により、その径を0.3μm以下とす
る。好ましくは0.2μm以下とする。
更に、結晶粒内には上記した整列したバブルの外にラ
ンダムに微細バブルが分散する場合には、結晶粒界のそ
れの場合と同様に、その径は0.2μm以下であることが
好ましい。より好ましくは0.1μm以下である。皆無で
あることが最も好ましい。
本発明のドープW線における整列したバブル,微細バ
ブルの形状は上記したように特定されるが、これはあく
までもその線径が0.39mmの線材の場合に対応せしめた特
定数値である。
仮に線径が0.39mmではなく例えばa mmなる線径の線材
であった場合には、この線材における整列したバブルの
直径およびバブル列の長さ、ならびにランダムに分散し
たバブルの形状は線材の線径に応じて、下記のように特
定される。すなわち、線径a mmの線材において、結晶粒
界に分散する整列ドープ孔におけるバブル列の長さは 以上であり、それを構成するバブルの径は0.3μm以下
となる。そして結晶粒内に分散する整列ドープ孔の場
合、そのバブル列の長さは 以上であり、それを構成する微細バブルの径は0.3μm
以下となる。
本発明のドープW線における整列したバブル,分散し
たバブルの上記した形状特性は、製造時において、ドー
プ剤の添加量,添加方法,グリーン成形体の焼結条件,
加工時の加工率等の因子によって種々変化するので一概
に決めることはできない。
(発明の実施例) ドープ剤の添加量,焼結条件,及び加工率を種々に変
化させて常法により線径0.39mmのドープW線を製造し
た。
このドープW線にH2気流中で溶断電流の90%に相当す
る電流を5分間通電して加熱した。
得られた各ドープW線につき、その単位長さ(1cm)
を切り出し、成長した再結晶粒の粒界および粒内に分散
している整列したバブルおよびそれを構成する微細バブ
ルの形状を顕微鏡で観察し、整列したバブルの長さ,バ
ブルの径を測定しその結果を平均値として表に示した。
その後、各ドープW線を更に伸線し線径を20g/200m
(20MG)にまで細径化し、これを用いてハロゲン電球
(175V,250W)のフィラメントを製作した。
ハロゲン電球を点灯非点灯のくり返しで強制振動試験
を行ないフィラメントの変形状態を観察した。
[発明の効果] 以上の説明で明らかなように、本発明のドープW線
は、それを用いて製作したフィラメンドが高温点灯時に
おいても変形せずかつ耐振性も優れている。これは本発
明のドープW線内に前記した形状特性をもって分散する
整列したバブルが繊維強化機能を発揮するためであろう
と推察される。
フロントページの続き (72)発明者 小関 勇 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 伊藤 正美 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 畠山 淳二 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 清水 忠 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 秋山 良三 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 東芝マテリアルエンジニアリング株式会 社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直径が0.39mmのタングステン線に、溶断電
    流値の90%に相当する値の電流を5分間通電したときの
    バブルの直径および分散状況が、 (a)結晶粒界には、直径0.3μm以下のバブルが、該
    結晶粒界の線軸方向に添って、長さ3μm以上のバブル
    列を形成するように整列して分散し、さらに、 (b)結晶粒内には、直径0.3μm以下のバブルが、該
    結晶粒内の線軸方向に沿って、長さ30μm以上のバブル
    列を形成するように整列して分散している ことを特徴とする耐振性タングステン線。
  2. 【請求項2】結晶粒界および結晶粒内にランダムに分散
    して形成されるバブルの直径が0.2μm以下である、請
    求項1記載の耐振性タングステン線。
JP378788A 1988-01-13 1988-01-13 耐振性タングステン線 Expired - Lifetime JP2698590B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP378788A JP2698590B2 (ja) 1988-01-13 1988-01-13 耐振性タングステン線

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP378788A JP2698590B2 (ja) 1988-01-13 1988-01-13 耐振性タングステン線

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01186547A JPH01186547A (ja) 1989-07-26
JP2698590B2 true JP2698590B2 (ja) 1998-01-19

Family

ID=11566893

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP378788A Expired - Lifetime JP2698590B2 (ja) 1988-01-13 1988-01-13 耐振性タングステン線

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2698590B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01186547A (ja) 1989-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kane et al. Revolution in lamps: a chronicle of 50 years of progress
JP2839542B2 (ja) 耐振性タングステン線、それを用いた電球用フィラメントおよびハロゲン電球
KR960016763B1 (ko) 몰리브덴 기본합금 및 그로부터 제조된 인입선
US4016446A (en) Refractory-oxide-based incandescible radiators and method of making
EP0407468B1 (en) Single crystal whisker electric light filament
JP2698590B2 (ja) 耐振性タングステン線
US5785731A (en) Process of making a non-sag tungsten wire for electric lamps
US3136039A (en) Tungsten alloy
US5795366A (en) Method of manufacturing a non-sag tungsten wire for electric lamps
JPS60224742A (ja) レニウム−タングステン合金
US6190466B1 (en) Non-sag tungsten wire
US3989549A (en) Method of making incandescent lamp
US1461118A (en) Filament
JPS63235458A (ja) ド−プタングステン線の製造方法
US4863527A (en) Process for producing doped tungsten wire with low strength and high ductility
US1461117A (en) Filamentary body for electric lamps and method of making the same
CN112408946B (zh) 零秒速热高温陶瓷发热体冷烧结制备方法
JPH0565609A (ja) 高強度タングステン線
JPS63164154A (ja) 電球フイラメント用タングステン線
JPH0250187B2 (ja)
JP3776464B2 (ja) 電子放射部材およびそれを用いた電子管用陰極構体
US3838486A (en) Method for the preparation of tungsten incandescent body containing foreign substances
HU216708B (hu) Non-sag volfrámhuzal
JPH042657B2 (ja)
US844213A (en) Illuminant for incandescent electric lamps.

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070919

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919

Year of fee payment: 11