JP3776464B2 - 電子放射部材およびそれを用いた電子管用陰極構体 - Google Patents

電子放射部材およびそれを用いた電子管用陰極構体 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子放射部材およびそれを用いてなる電子管用陰極構体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子管、例えばマグネトロンは、マイクロ波を効率良く発生することから各種の用途に使用されている。代表的な用途としては電子レンジがあり、これに組み込まれ、加熱調理や冷凍食品の回答などに使用されている。
【0003】
従来、このマグネトロンのマイクロ波発生源である陰極構体には、トリウムあるいは酸化トリウムを含有するタングステン(W)線(以下「トリウムタングステン線」という)をコイル状に形成し、両端を支持部材で支持したものが用いられている。
【0004】
このような陰極構体には、電子放射密度が高いこと,瞬時に動作が可能であることなどのマグネトロンの陰極として各種の特性が要求される。
【0005】
このため、通常コイル状に形成した線材の電子放射特性の安定化さらには寿命の増大を図るために、その表面に炭化層を形成させることが行われている。この炭化層の形成は、例えばトリウムタングステン線をコイル状に形成した後、これを炭化水素雰囲気中で熱処理することにより行われている。
【0006】
上記マグネトロンなどの電子管に限らず、線材の加熱による電子の放出を用いる用途において、トリウムタングステン線は種々の用途に使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、地球環境への問題から放射性物質に関する規制が厳しくなりつつあり、上記マグネトロンなどの電子管のトリウムタングステン線に使用されているトリウムなどの放射性元素の使用においても例外ではない。
【0008】
このため、トリウムタングステン線などの電子放射用線材に使用されている放射性元素を使用しない電子放射部材の開発が望まれている。
【0009】
しかし、大容量の電流を短時間の間隔で点滅させて発振出力を調整する使用の場合など、ヒートサイクルや振動が加わるような種々の条件が加わる用途において、トリウムタングステン線に代わる安定した電子放出を長時間維持する電子放出用線材は今だ実用化されてはいない。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、従来のトリウムタングステン線に代わり、放射性元素を使用せず、いかなる条件においても安定した電子放出を長時間維持する電子放射部材およびそれを用いた電子管用陰極構体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段と作用】
本発明の第1の発明である電子放射部材は、Ca,Sc,Ti,Sr,Y,Zr,Nb,Ba,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,HfおよびTaの単元素、その酸化物、炭化物、窒化物および硼化物のいずれか1種または2種以上を4重量%以下、およびレニウムを 10 重量%以下含有し、残部実質的にタングステン(W)よりなることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の第2の発明である電子放射部材は、上記第1の発明の線材の、横断面における結晶粒数が500個/mm2 以下であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の第3の発明である電子放射部材は、上記第1の発明または第2の発明の線材の、表面部に炭化層を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の第4の発明である電子放射部材は、上記第3の発明の線材の、表面部の炭化層が炭化タングステン(W2 C)とWからなる層状組織をなすことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の第5の発明である電子放射部材は、上記第3または第4の発明の線材の炭化層中の空孔の大きさは5μm以下であり、空孔密度は3μm以上の空孔が100個/mm2 以下であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の第6の発明である電子放射部材は、上記第3乃至第5の発明の線材の炭化層はW2 C層がWよりも厚く構成していることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の第の発明である電子管用陰極構体は、上記第1乃至第の発明のいずれかの電子放射部材を用いてなることを特徴とする。
【0019】
まず、本発明の電子放射部材においては、Ca,Sc,Ti,Sr,Y,Zr,Nb,Ba,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,HfおよびTaの単元素,その酸化物,炭化物,窒化物および硼化物のいずれか1種または2種以上を、W線中に分散することにより優れた電子放出特性を得ることができる。これらの元素は仕事関数が低く、かつ融点が比較的高いものであり、電子放射部材として優れた効果を得ることができる。
【0020】
これらの量はあまりその量が多くても、加工性が低下するために上記量以下とした、十分な電子放射特性を得るためには好ましいその量は0.5〜4重量%であり、より好ましくは0.7〜2.3重量%である。
【0021】
次に、このような各種元素を含有する電子放射部材において、線材とした場合のその結晶粒度は安定した電子放出を長時間維持するための寿命に大きく影響を与える。
【0022】
すなわち、線材の横断面における結晶粒数を500個/mm2 以下とすることにより、長寿命の電子放射部材を得ることができるのである。
【0023】
ここで、その横断面における1mm2 当りの結晶個数があまり多いと安定した電子放出を維持するための時間、言い換えれば寿命が低下するために、上記範囲とした。好ましい結晶個数は300個/mm2 以下であり、さらに好ましくは200個/mm2 以下である。
【0024】
本発明でいう横断面とは、線材としての電子放射部材の中心軸を通って軸方向に切断した際の断面のことをいう。
【0025】
本発明においては、上記電子放射部材のさらなる電子放出特性の安定化さらには寿命の増大を図るために、その表面部に炭化層を形成することが好ましい。
【0026】
そして、さらに上記炭化層においても、電子放出状態はその表面状態、とくに表面に形成される表面層の状態に影響される。
【0027】
これは、一般にマグネトロンにおいては発振出力を調整するために、電流を断続的に「入」「切」すると電流を「入」にした時の過電流(ラッシュカレント)により線材は急激に温度が上昇し、この際、線材の内部と表面部に形成された炭化層との熱膨張の差などの性質の相違により応力が生じるため、表面層の電子放出特性を劣化させるのである。
【0028】
このため、炭化層はW2 CとWからなる層状組織を形成していることが好ましい。
【0029】
このような層状組織とすることにより、電子放出のための加熱においても電子放出に最も影響する電子放射部材の表面部が、とくに熱応力に対して安定した組織となるため、所定の熱電子放出状態を長期間維持できると共に、安定した電子放出状態を維持できるのである。
【0030】
上記炭化層は、線材の直径をDとした場合に、0.1D以下の厚さを有していることが好ましい。
【0031】
これは、その炭化物層があまり厚いと、表面層である炭化層の形状くずれが著しくなり、逆に寿命が低下してしまうためである。この炭化層の効果を効果的に得るためには、その厚さは0.01D以上が好ましい。より好ましくは0.05D〜0.1Dである。
【0032】
さらに、本発明においては上記表面部に炭化物を形成した電子放射部材のさらなる電子放出特性の安定化さらには寿命の増大を図るために、炭化層中の空孔の大きさを5μm以下とし、空孔密度を3μm以上の空孔が100個/mm2 以下とすることが好ましい。
【0033】
これは、寿命低下の原因として、表面炭化層の形状が使用中に次第に崩れ表面積が増大して温度が低下し、電子放出を劣化させるためと考えらる。そして、この表面炭化層が崩れる理由は、炭化層の結晶のすべりが炭化層内に存在する空孔によって促進するためである。一般にタングステン線は粉末冶金法ににより得られるため、焼結時に内部に空孔が閉じ込められ、この空孔がとくに線材の表面の炭化層に集中的に発生し、この炭化処理後の初期の状態で存在する空孔が核となって、くすれを促進すると考えられるのである。
【0034】
このため、本発明においてはその炭化層中に存在する空孔の大きさを5μm以下とし、空孔密度を3μm以上の空孔が100個/mm2 以下と規定したのである。炭化層中の空孔の好ましい大きさは、4μm以下であり、さらに好ましくは3μmである。またさらに好ましい空孔密度は90個/mm2 以下であり、さらに好ましくは80個/mm2 以下である。
【0035】
ここで、W2 CとWからなる層状組織からなる炭化層において、電子放出に寄与するW2 C層がW層より厚く形成されていることが電子放出特性向上の上で好ましい。
【0036】
なお、電子放射部材の横断面における結晶粒数を500個/mm2 以下とした発明においても、上記炭化層を形成することにより優れた効果を得ることができる。
【0037】
また、上記各種元素を含有した電子放射部材は、上記各種元素の他にさらにReを10重量%以下含有しても良い。
【0038】
これはReを添加することにより、電子放射用タングステン線の高温での強度を向上させると共に、低温での電気抵抗を増加させることが可能となる。これにより、電流を断続的に「入」「切」すると電流を「入」にした時の過電流(ラッシュカレント)を減少させることが可能となる。
【0039】
上記Reの含有により、電子放出特性を向上することができるが、あまりその量が多いと加工性が低下し、加工が困難となるため、そのRe量は10%以下が好ましい。より好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは2.5〜3.5重量%である。
【0040】
本発明においては、上記各電子放射用タングステン線を用い、電子放出を利用した各種電子管用陰極構体として好ましいものである。
【0041】
本発明の製造方法の一例を説明する。
【0042】
まずタングステン粉末と、Ca,Sc,Ti,Sr,Y,Zr,Nb,Ba,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,HfおよびTaの単元素,その酸化物,炭化物,窒化物および硼化物のいずれか1種または2種以上を常法により混合し混合粉末を製造する。その際必要によりReを添加混合する。
【0043】
上記混合粉末を、棒状に成形した後、非酸化性雰囲気で通電加熱して焼結を行い焼結体を得た。得られた焼結体を転打加工、伸線加工を行い所定線径の線材を得る。得られた線材を対象とする用途の陰極形状に加工する。この加工は、例えばマグネトロン用の陰極構体においては、コイル状に加工される。そして、コイル状に加工した線材を、例えば図1に示すようなコイル状線1の両端を支持部材2,3により支持固定して、陰極構体として使用され。
【0044】
なお、線材の横断面における結晶個数を500個/mm2 とする場合には、コイル状に形成した状態で、電流を流し、水素雰囲気中で2000〜2200℃の条件で所定時間加熱し、2次再結晶化させることにより得ることができる。この際、昇温速度と冷却速度を遅くすると再結晶時の結晶粒度がこれにしたがって大きくすることができる。
【0045】
また、線材の表面部に炭化層を形成する場合は、コイル状に形成した状態で、ベンゼンなどの炭化水素ガスを含む水素ガス雰囲気中で通電加熱して線材の表面に浸炭を行い、炭化タングステンを主体とする炭化層を形成する。この場合、炭化水素ガスの濃度は水素ガス流量に対して0.2〜1.2体積%が好ましい。また加熱条件は1800〜2200℃で10〜120秒間加熱することが好ましく、この加熱により、表面炭化層をWCからW2 CとWの層状組織に変換することができ、電子放出特性に優れ、空孔が少ない表面炭化層を得ることができる。
【0046】
本発明においては、上記製造方法に限らず、本発明で規定する成分および組織を有する線材を製造できれば、何等その製造方法は限定されるものではない。
【0047】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を説明する。
【0048】
(実施例1)
CeO2 を1重量%含有した直径0.6mmのタングステン線を常法により製造した。得られた線材をコイル径6mmのコイル状陰極とした。得られた線材の横断面の結晶組織(100倍)を図2に示す。また同様のコイル状陰極を2000℃で20秒間の熱処理を加えた後、炭化水素雰囲気中において2000℃で20秒間加熱保持して、炭化層を形成した。
【0049】
得られたコイル状陰極を、マグネトロン用の陰極構体として実施試験を行った結果、トリウムタングステン線よりなる陰極構体と同等または同等以上の優れた電子放出特性および寿命が得られた。
【0050】
(実施例2)
CeO2 を1重量%含有した直径0.6mmのタングステン線を常法により製造した。得られた線材をコイル径6mmのコイル状陰極とした。そして、このコイル状陰極を、2次再結晶処理条件および炭化処理条件を種々変更し横断面における結晶粒数が異なる表面に炭化層を有する各種陰極を線材を得た。
【0051】
得られた線材をマグネトロン用の陰極構体として実施試験を行い、結晶個数と寿命との関係を比較した結果を図3に示す。図3において耐久時間の比率とは、従来の結晶粒数を調整していないトリウムタングステンを用いた陰極構体を1とした場合の比率でしめしている。
【0052】
図3より明らかなように、結晶粒数が500個/mm2 以下とすることにより、耐久時間が増大し、優れた特性を有している。特に結晶個数が200個/mm2 以下とすることにより、極めて良好な特性を有している。
【0053】
(実施例3)
La2 3 を1重量%含有した直径0.6mmのタングステン線を常法により製造した。得られた線材をコイル径6mmのコイル状陰極とした。また同様のコイル状陰極を2000℃で20秒間の熱処理を加えた後、炭化水素雰囲気中において2000℃で20秒間加熱保持して、炭化層を形成することによりW2 C層とW層が交互に配列した層状組織を有する炭化層を得た。また比較としてW2 C層とW層の層状組織を形成していない炭化層を有するコイル状陰極も作成した。
【0054】
得られた各コイル状陰極を、マグネトロン用の陰極構体として実機に組込み、点滅サイクルを5秒間隔とし、陰極構体からの電子放射の低下の度合いを比較した。その結果を図4に示す。図4中Aは比較として示したW2 C層とW層の層状組織を形成していない炭化層を有するコイル状陰極であり、図4中BはW2 C層とW層が交互に配列した層状組織を有するコイル状陰極である。
【0055】
図4より明らかなように、W2 C層とW層が交互に配列した層状組織を有するコイル状陰極を用いた陰極構体は、電子放射低下率が比較の陰極構体に比較し、低下しにくく、長寿命の陰極構体を得ている。
【0056】
(実施例4)
La2 3 を1重量%含有した直径0.6mmのタングステン線を常法により製造した。得られた線材をコイル径6mmのコイル状陰極とした。そして、このコイル状陰極を、炭化処理条件およびその後の水素中で加熱条件を種々変更し、各種の空孔の大きさおよび空孔密度を有する、表面に炭化層を有する各種陰極を線材を得た。
【0057】
得られた線材をマグネトロン用の陰極構体として実施試験を行い、空孔の大きさと寿命と強度の関係を図5に、空孔密度と寿命および強度の関係を図6に示す。なお、空孔の大きさおよび空孔密度を調整していないトリウムタングステンを用いた陰極構体の場合を図中に従来レベルとして示している。
【0058】
図5および図6より明らかなように、空孔の大きさを5μm以下とすること、さらに空孔密度を3μm以上の空孔が100個/mm2 以下とすることにより、寿命および強度において優れた特性を有している。
【0059】
(実施例5)
CeO2 を1重量%,Reを3重量%含有した直径0.6mmのタングステン線を常法により製造した。得られた線材をコイル径6mmのコイル状陰極とした。また同様のコイル状陰極を2000℃で20秒間の熱処理を加えた後、炭化水素雰囲気中において2000℃で20秒間加熱保持して、炭化層を形成することによりW2 C層とW層が交互に配列した層状組織を有する炭化層を得た。また比較としてReを含有していないコイル状陰極も作成した。
【0060】
得られた各コイル状陰極を、マグネトロン用の陰極構体として実機に組込み、点滅サイクルを5秒間隔とし、陰極構体からの電子放射の低下の度合いを比較した。その結果を図7に示す。図7中Aは比較として示したReを含有しないコイル状陰極であり、図7中BはReを含有するコイル状陰極である。
【0061】
図7より明らかなように、Reを含有したコイル状陰極を用いた陰極構体は、電子放射低下率が比較の陰極構体に比較し、低下しにくく、長寿命の陰極構体を得ている。
【0062】
また、CeO2 を1重量%一定とし、Re量を種々変化させる以外は上記と同様の方法により、各種コイル状陰極を作成した。
【0063】
これらの線材を用い、Reの含有量による抵抗の変化を測定した。その結果を、図8に示す。
【0064】
図8より明らかなように、Reの添加量を増加させることにより、陰極の抵抗を増加させることができる。この抵抗の増加は、低温での抵抗を大きくすることができ、点滅時の過電流を減少させることを示すものである。このようにReを含有することにより電子放射特性は著しく改善している。
【0065】
また、CeO2 を1重量%,Reを3重量%含有し、残部実質的にタングステンよりなる線材を用い、上記と同様の方法により得られたコイル状陰極を用いて、過電流をマグネトロンの点滅サイクルを変化させて測定した。その結果を図9に示す。図9において、CeO2 を1重量%,Reを3重量%、残部タングステンよりなるコイル状陰極の連続点灯時を1とした場合の相対比較で示す。
【0066】
図9より明らかなように、Reを含有した陰極構体は渦電流が少なく優れた特性を有している。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、従来のトリウムタングステン線に代わり、放射性元素を使用せず、いかなる条件においても安定した電子放出を長時間維持する電子放射部材およびそれを用いた電子管用陰極構体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マグネトロン用陰極構体の、構造を示す断面図である。
【図2】本発明の電子放射部材の横断面の金属組織を示す写真である。
【図3】結晶個数と耐久時間の比率との関係を示すグラフである。
【図4】点滅持続時間と電子放射低下率との関係を示すグラフである。
【図5】空孔の大きさと、寿命および強度との関係を示すグラフである。
【図6】空孔密度と、寿命および強度との関係を示すグラフである。
【図7】点滅持続時間と電子放射低下率との関係を示すグラフである。
【図8】Re量と抵抗との関係を示すグラフである。
【図9】断続動作サイクルと陰極フィラメントの過電流の比との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 コイル状線
2,3 支持部材

Claims (7)

  1. Ca,Sc,Ti,Sr,Y,Zr,Nb,Ba,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,HfおよびTaの単元素、その酸化物、炭化物、窒化物および硼化物のいずれか1種または2種以上を4重量%以下、およびレニウムを 10 重量%以下含有し、残部実質的にタングステンよりなることを特徴とする電子放射部材。
  2. Ca,Sc,Ti,Sr,Y,Zr,Nb,Ba,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,HfおよびTaの単元素、その酸化物、炭化物、窒化物および硼化物のいずれか1種または2種以上を4重量%以下、およびレニウムを 10 重量%以下含有し、残部実質的にタングステンよりなる線材であり、横断面における結晶粒数が500個/mm2以下であることを特徴とする電子放射部材。
  3. Ca,Sc,Ti,Sr,Y,Zr,Nb,Ba,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,HfおよびTaの単元素、その酸化物、炭化物、窒化物および硼化物のいずれか1種または2種以上を4重量%以下、およびレニウムを 10 重量%以下含有し、残部実質的にタングステンよりなる線材であり、表面部に炭化層を有することを特徴とする電子放射部材。
  4. Ca,Sc,Ti,Sr,Y,Zr,Nb,Ba,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,HfおよびTaの単元素、その酸化物、炭化物、窒化物および硼化物のいずれか1種または2種以上を4重量%以下、およびレニウムを 10 重量%以下含有し、残部実質的にタングステンよりなる線材であり、表面部に炭化タングステンとタングステンからなる層状組織をなす炭化層を有することを特徴とする電子放射部材。
  5. Ca,Sc,Ti,Sr,Y,Zr,Nb,Ba,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,HfおよびTaの単元素、その酸化物、炭化物、窒化物および硼化物のいずれか1種または2種以上を4重量%以下、およびレニウムを 10 重量%以下含有し、残部実質的にタングステンよりなる線材であり、表面部に炭化タングステンとタングステンからなる層状組織をなす炭化層を有し、かつ該炭化層中の空孔の大きさは5μm以下であり、空孔密度は3μm以上の空孔が100個/mm2以下であることを特徴とする電子放射部材。
  6. 炭化層は炭化タングステン層がタングステン層よりも厚く構成していることを特徴とする請求項3または請求項5に記載の電子放射部材。
  7. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の電子放射部材を用いてなることを特徴とする電子管用陰極構体。
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