JP2695904B2 - 音声パケット欠落補償波形の歪量算出方式 - Google Patents

音声パケット欠落補償波形の歪量算出方式

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JP2695904B2 JP1056226A JP5622689A JP2695904B2 JP 2695904 B2 JP2695904 B2 JP 2695904B2 JP 1056226 A JP1056226 A JP 1056226A JP 5622689 A JP5622689 A JP 5622689A JP 2695904 B2 JP2695904 B2 JP 2695904B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、音声パケット通信システムにおいて欠落さ
れた音声パケットを補償した後の欠落補償音声信号を客
観的に評価することができるようにした音声パケット欠
落補償波形の歪量算出方式に関する。
[従来の技術] 符号化された音声信号をパケット化して通信する音声
パケット通信は、データ通信や画像パケット通信等との
親和性があり、最近、検討及び開発が活発化している。
この要因としては、無音圧縮や有音のみの高能率符号化
等の技術の併用により、音声情報の冗長度を削減し、こ
の圧縮期間に他のデータや他の音声等の伝送が可能とな
る点、通信速度が異なる各種のデータ通信を統合するマ
ルチメディア処理に適している点等が挙げられる。
しかし、パケット通信は、本来、データ通信に適した
蓄積型の通信形態であるため、即時性のある音声通信で
は、次の点が問題となる。
すなわち、第1に、蓄積に使用するバッファの容量を
越える大きな遅延時間を持つパケットが廃棄されるこ
と、第2の、交換網のふくそう時にあふれたパケットが
網内やパケット分解部で廃棄されることが問題となる。
パケット廃棄が問題となるのは、パケット廃棄によっ
てパケット欠落が生じると音声信号にも欠落が生じ、音
声通信の実時間性及び時間の透過性を損なうからであ
る。例えば、第2図(A)に示す原音声信号を送信側で
符号化、パケット化して交換網に送出し、交換網を介し
て受信側で受信した場合に、上述のような廃棄原因によ
って一部のパケットが欠落すると、再生音声信号は、第
2図(B)に示すように、パケット欠落が生じた期間で
情報が欠落し、受話者に不快な雑音を与えることとな
る。
このように、音声パケットの欠落は、再生音声信号の
大きな品質劣化要因となる。そこで、この欠落期間の音
声情報を補間して品質劣化を抑えようとする各種の補償
方式が、既に提案されている(文献:阿部政美、横田
潔、鈴木孝夫、野口修、庄司保夫共著「改良パターンマ
ッチング法を用いた音声パケット欠落補間の特性」、電
子情報通信学会技術報告 SSE88−62、1988年7月参
照)。このような複数の補償方式は、通話品質の点から
比較されて定量的に評価されなければならず、上記文献
には、提案した補償方式を、受話者の主観評価試験(官
能試験)によって、他の補償方式、例えば、零値補償方
式や前値補償方式と比較して、再生音声の品質劣化の補
償割合を定量評価することについても記載されている。
[発明が解決しようとする課題] 主観評価試験による評価は、音声が人間に聴取される
ものである点から好ましいものである。しかしながら、
上記文献に記載のものを含め、主観評価試験によって通
話品質を評価しようとすると、異なる試験間の評価値を
比較する場合、次の項目が評価結果に影響を与えるとい
う問題があった。
(1)提示する試験条件の枠組みと提示の順序、及び練
習方法 (2)被試験者への提示の与え方 (3)被試験者層の選択法 (4)試験音声の数と内容の選択法 (5)被試験者の数の選定 (6)音声パケット欠落による不快音の判断方法 そのため、定量化されても主観評価試験による比較
は、上記の点をも考慮してなされなけれならず、難しい
ものであった。
そこで、音声パケットの廃棄によって生じた通話音声
の欠落を補償する補償方式に対して、主観評価値との対
応良く広範囲にわたり客観的に品質評価できるような方
式が要望されている。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、
音声パケット欠落補償方式間の比較を、主観評価試験に
よらずにできる、しかも、主観評価値との対応の良い、
客観評価尺度としての欠落補償音声信号の歪量を算出す
る音声パケット欠落補償波形の歪量算出方式を提供しよ
うとするものである。
[課題を解決するための手段] かかる課題を解決するため、本発明においては、以下
の各手段でなる音声パケット欠落補償波形の歪量算出方
式を提案する。
この音声パケット欠落補償波形の歪量算出方式は、原
音声信号を第1の入力信号とし、音声パケットの欠落期
間を補償した欠落補償音声信号を第2の入力信号とし、
これら第1及び第2の入力信号を分析セグメント毎に分
割する分析セグメント分割手段と、第1の入力信号又は
第2の入力信号の少なくとも一方について、分析セグメ
ントの有音判定を行なう有音判定手段と、第1の入力信
号及び第2の入力信号のサンプル単位の振幅比較を行な
って、分析セグメント毎に相違の有無を判定する振幅比
較手段とを備える。また、有音判定手段の判定結果と振
幅比較手段の判定結果に基づいて、ケプストラム距離の
演算を実行するか否かを決定する演算実行判定手段と、
演算の実行が指示された分析セグメントの第1及び第2
の入力信号間のケプストラム距離を求めるケプストラム
距離算出手段と、算出されたケプストラム距離を蓄積す
るケプストラム距離蓄積手段とを備える。さらに、全て
の分析セグメントを対象とした蓄積処理が終了したと
き、分析セグメント分割手段の分割開始点を少なくとも
1回だけ移動して分析セグメント分割手段、有音判定手
段、振幅比較手段、演算実行判定手段、ケプストラム距
離算出手段及びケプストラム距離蓄積手段に新たな処理
を実行させる分割開始点制御手段と、ケプストラム距離
蓄積手段に蓄積されたケプストラム距離の中から一定の
数を選択して中心情報を算出する中心情報算出手段とを
備える。
[作用] 分析セグメント分割手段は、原音声信号を第1の入力
信号とし、欠落補償音声信号を第2の入力信号とし、こ
れら第1及び第2の入力信号を分析セグメント毎に分割
して有音判定手段、振幅比較手段、ケプストラム距離算
出手段に出力する。
有音判定手段は、第1の入力信号又は第2の入力信号
の少なくとも一方について、分析セグメントの有音判定
を行ない有音判定結果を演算実行判定手段に与える。ま
た、振幅比較手段は、第1の入力信号及び第2の入力信
号のサンプル単位の振幅比較を行なって、分析セグメン
ト毎に相違の有無を判定して相違判定結果を演算実行判
定手段に与える。演算実行判定手段は、ケプストラム距
離算出手段が演算を実行する分析セグメントを少なくす
べく、有音判定手段の判定結果と振幅比較手段の判定結
果に基づいて、ケストラム距離の演算を実行するか否か
を決定する。
ケプストラム距離算出手段は、演算が指示された分析
セグメントについて、分析セグメント分割手段によって
分割された第1及び第2の入力信号間のケプストラム距
離を求めてケプストラム距離蓄積手段に出力する。ケプ
ストラム距離蓄積手段は、算出されたケプストラム距離
を蓄積する。
分割開始点制御手段は、分析セグメント分割手段の分
割開始点を移動して第1及び第2の入力信号を分析セグ
メントに分割し直させて、上述の有音判定手段、振幅比
較手段、演算実行判定手段、ケプストラム距離算出手段
及びケプストラム距離蓄積手段に繰り返し処理を実行さ
せる。分割開始点制御手段は、分割開始点の移動制御を
少なくとも1回以上実行させる。
中心情報算出手段は、分割開始点制御手段により制御
が終了した段階でケプストラム距離蓄積手段に蓄積され
ているケプストラム距離の中から一定の数を選択して平
均値や中央値等の中心情報を求めて歪量として出力す
る。
[実施例] 以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら
詳述する。
ここで、第1図はこの実施例の全体構成を示すブロッ
ク図、第3図はそのケプストラム距離算出手段の詳細構
成を示すブロック図である。
実施例の構成 まず、実施例の構成について説明する。
第1図において、この実施例の歪量算出方式は2個の
入力端子10及び11を備え、入力端子10には原音声信号が
入力され、他方の入力端子11には原音声信号に対応した
パケット欠落期間が補償されている欠落補償音声信号が
入力される。これら入力端子10及び11を介して入力され
た原音声信号及び欠落補償音声信号は分析セグメント分
割手段12に与えられる。
分析セグメト分割手段12は、これら原音声信号及び欠
落補償音声信号をそれぞれ入力開始点から、単位パケッ
ト区間の一定倍数でなる分析セグメント毎に分割するも
のである。分析セグメント分割手段12は、分析セグメン
トに分割した原音声信号を有音判定手段13、振幅比較手
段14及びケプストラム距離算出手段16に与え、また、分
析セグメントに分割した欠落補償音声信号を振幅比較手
段14及びケプストラム距離算出手段16に与える。
有音判定手段13は、原音声信号が有音であるか又は無
音であるかを分析セグメント毎に判定して判定結果を演
算実行判定手段15に与えるものである。
振幅比較手段14は、分析セグメント毎に、分析セグメ
ントに分割された原音声信号及び欠落補償音声信号の振
幅が同一とみなせるか否かを判定し、判定結果を演算実
行判定手段15に与えるものである。
演算実行判定手段15は、有音判定がなされ、かつ、振
幅が相違すると判定された分析セグメントを、ケプスト
ラム距離を算出する分析セグメントとしてケプストラム
距離算出手段16に指示するものである。
ケプストラム距離算出手段16は、詳細には第3図に示
すように構成され、分析セグメント毎に、これら原音声
信号と欠落補償音声信号間のケプストラム距離を求め、
求めたケプストラム距離をケプストラム距離蓄積手段17
に与える。
ケプストラム距離蓄積手段17は、算出されたケプスト
ラム距離を蓄積するものである。
分割開始点制御手段18は、ケプストラム距離蓄積手段
17が全ての分析セグメントを対象とした処理を行なった
ときに、分析セグメント分割手段12の分割開始点を後述
するように所定量だけ移動して、分析セグメント分割手
段12、有音判定手段13、振幅比較手段14、演算実行判定
手段15、ケプストラム距離算出手段16及びケプストラム
距離蓄積手段17に再度処理を実行させるものである。す
なわち、この分割開始点制御手段18の制御により、この
実施例の場合、2回に渡って蓄積処理が実行させる。
平均化処理手段19は、ケプストラム距離蓄積手段17に
蓄積されているケプストラム距離の中から、値が大きい
ケストラム距離を所定個だけ取出して平均値を求め、歪
量として出力端子20を介して外部に出力するものであ
る。
次に、第3図について、ケプストラム距離算出手段16
の詳細構成を説明する。
ケプストラム距離算出手段16は、原音声信号の分析セ
グメントに対するケプストラム係数を得る部分30と、欠
落補償音声信号の分析セグメントに対するケプストラム
係数を得る部分40と、ケプストラム距離計算部50とから
なる。
各ケプストラム係数を求める部分30及び40はそれぞ
れ、演算実行判定手段15から演算実行が指示されたとき
にその分析セグメントについて処理を開始して原音声信
号又は欠落補償音声信号に例えばハニング窓掛けを施す
時間窓乗算部31、41と、窓掛け処理後の音声信号を時間
領域から周波数領域の信号に変換する高速フーリエ変換
部32、42と、その出力を対数スペクトル変換する対数ス
ペクトル変換部33、43と、その出力信号を周波数領域か
らケプストラム領域へ変換する高速逆フーリエ変換部3
4、44と、この出力信号であるケプストラム係数に窓掛
け演算を施すケプストラム窓掛け部35、45とから構成さ
れている。
実施例の動作 次に、実施例の動作について説明する。
原音声信号X0(t)が入力端子10を介して分析セグメ
ント分割手段12に入力され、音声パケットの欠落があっ
た区間がこの原音声信号X0(t)と異なる信号で補間さ
れた欠落補償音声信号Y0(t)が入力端子11を介して分
析セグメント分割手段12に入力される。
今、パケットの単位区間を8[kHz]のサンプリング
による32サンプルの区間とすると、この単位パケット区
間の一定倍数、例えば16倍の512サンプルを1回当りの
分析セグメントとする。原音声信号X0(t)及び欠落補
償音声信号Y0(t)はそれぞれ、分析セグメント分割手
段12によって、入力開始点からこの512サンプル毎に切
り出される。このようにセグメントに分割された原音声
信号X1(t)は、有音判定手段13、振幅比較手段14及び
ケプストラム距離算出手段16に入力される。他方、セグ
メントに分割された欠落補償音声信号Y1(t)は、振幅
比較手段14及びケプストラム距離算出手段16に入力され
る。
セグメントに分割された原音声信号X1(t)は、有音
判定手段13によって、有音であるか無音であるかが判別
される。この判定方法としては、分析セグメント内の平
均電力値をある判定レベルと比較してこれより大きいと
きに有音とみなす電力加算方式や、また、電力の代わり
に電圧の絶対値を用いて行なう絶対値加算方式等を適用
することができる。このようにして得られた有音判定結
果は、演算実行判定手段15に与えられる。
セグメントに分割された原音声信号X1(t)及び欠落
補償音声信号Y1(t)は、その振幅同士が分析セグメン
ト毎に、振幅比較手段14によって比較される。例えば、
分析セグメントの対応するサンプル同士の差が所定の値
を越えているか否か判断し、越えているサンプル個数を
分析セグメントについてカウントし、そのカウントされ
たサンプル個数が所定の個数を越えている場合に振幅が
相違するという比較結果を出力する。ここで、サンプル
同士の差に対する判断基準値、及び、カウントされたサ
ンプル個数に対する判断基準値を、パケット欠落期間を
有する分析セグメントに対して、振幅が相違するという
比較結果が得られるように選定しておく。このようにし
て得られた振幅比較結果も、演算実行判定手段15に与え
られる。
有音判定結果及び振幅比較結果に基づいて、ケプスト
ラム距離算出手段16にその分析セグメントに対する演算
を実行させるか否かを指示する演算制御信号ENが形成さ
れる。すなわち、演算実行判定手段15は、有音で、しか
も、振幅が異なる分析セグメントに対しては、演算を指
示する論理「0」の演算制御信号ENを出力し、この条件
を満足しない分析セグメントに対しては、非演算を指示
する論理「1」の演算制御信号ENを出力する。ここで、
ケプストラム距離算出手段16が演算を実行する分析セグ
メントを限定するようにしたのは、ケプストラム距離の
演算には多くの演算が必要であり、全ての分析セグメン
トに対して演算を実行した場合には、最終的な歪量を得
るまでの時間が非常に長くなるためである。演算制御信
号ENは、ケプストラム距離算出手段16に与えられる。
ケプストラム距離算出手段16においては、まず、時間
窓乗算部31、41によって、入力された分析セグメントの
原音声信号X1(t)及び欠落補償音声信号Y1(t)につ
いて演算を実行するか否かの判断が演算制御信号ENに基
づいてなされる。その結果、演算を実行しない分析セグ
メントの原音声信号X1(t)及び欠落補償音声信号Y
1(t)であると、時間窓乗算部31、41は、演算を実行
することなく、次の分析セグメントの原音声信号X
1(t)及び欠落補償音声信号Y1(t)を待ち受ける。
他方、ケプストラム距離算出演算を実行する分析セグ
メントであると、ケプストラム距離算出手段16の各手段
によって、以下のように信号が変換されていく。
原音声信号X1(t)及び欠落補償音声信号Y1(t)は
それぞれ、対応する時間窓乗算部31、41によって、例え
ば、ハニング窓の乗算処理が施され、スペクトラム成分
に対する移動平均化が施されて高速フーリエ変換部32、
42に与えられる。
各窓掛け処理出力X1M(t)及びY1M(t)は、各高速
フーリエ変換部32、42によって高速フーリエ変換され、
時間領域信号から周波数領域信号へ変換されて対応する
対数スペクトル変換部33、43に与えられる。ここで、フ
ーリエ変換をF{ }で表すと、各高速フーリエ変換部
32、42の出力X(w)、Y(w)は、次式 X(w)=F{X1M(t)} Y(w)=F{X1M(t)} …(1) で表される。
各高速フーリエ出力X(w)、Y(w)はそれぞれ、
各対数スペクトル変換部33、43によって、その振幅値が
対数スペクトル変換される。これら各出力信号Log|X
(w)|、Log|Y(w)|は、対応する高速フーリエ逆
変換部34、44に与えられる。
高速フーリエ逆変換部34、44は、各入力信号Log|X
(w)|、Log|Y(w)|を高速フーリエ逆変換する。
すなわち、周波数領域からケプストラム領域への変換を
実行する。ここで、フーリエ逆変換をF-1{ }で表す
と、各高速フーリエ逆変換部34、44の出力信号CX
(n)、CY(n)は、次式 CX(n)=F-1{Log|X(w)|} CY(n)=F-1{Log|Y(w)|} …(2) で表される。このようにしてケプストラム係数CX
(n)、CY(n)が得られる。
ケプストラム係数CX(n)、CY(n)はそれぞれ、各
高速フーリエ逆変換部34、44の変換ポイント数Nに対応
した離散的な値として求まるが、ケプストラム距離の算
出には、変換ポイント数全体を必要としない。そこで、
ケプストラム窓掛け部35、45によって、各ケプストラム
係数CX(n)、CY(n)に対して窓掛けを行なう。ケプ
ストラム窓掛け演算は、変換ポイント数Nの次数のケプ
ストラム係数から、ケプストラム距離尺度を求めるのに
使用する次数P(P<N)のケプストラム係数のみを取
出す処理に相当する。この次数Pは、分析セグメントが
512サンプルの場合には、次数Nが512であるので、例え
ば、16とする。
このようにケプストラム窓掛けが施されたケプストラ
ム係数CX(i)、CY(i)が、ケプストラム距離計算部
50に与えられる。このケプストラム距離計算部50によっ
て、次式 に従ってケプストラム距離CDが算出され、このケプスト
ラム距離CDがケプストラム距離算出手段16の出力として
ケプストラム距離蓄積手段17に与えられる。
ケプストラム距離蓄積手段17には上述した演算制御信
号ENも与えられており、ケプストラム距離蓄積手段17
は、ケプストラム距離の算出演算が実行された分析セグ
メントについてのケプストラム距離を蓄積する。この蓄
積動作は、原音声信号X0(t)及び欠落補償音声信号Y0
(t)の最後の分析セグメントに対する処理(蓄積され
ない場合も含む)が終了するまで実行される。
このようにして原音声信号X0(t)及び欠落補償音声
信号Y0(t)の全ての分析セグメントに対するケプスト
ラム距離の1回目の蓄積動作が終了すると、分割開始点
制御手段18は、分割開始点を1分析セグメントのサンプ
ル数の1/2だけ移動させて、上述した処理を繰り換えさ
れる。すなわち、分析セグメントのサンプル数の1/2だ
け先程とは異なる点を分割開始点として原音声信号X
0(t)及び欠落補償音声信号Y0(t)を分析セグメン
トに分割させ、次いで、有音で振幅の相違が大きい分析
セグメントを見付けてその見付けた分析セグメントにつ
いてケプストラム距離を算出させ、そのケプストラム距
離を蓄積する。この2回目の蓄積動作が終了すると、分
割開始点制御手段18は、1回目及び2回目の蓄積動作で
ケプストラム距離蓄積手段17に蓄積されたケプストラム
距離を平均化処理手段19に出力する。
平均化処理手段19では、まず、蓄積されていたケプス
トラム距離を振幅値の大きい順に並べ換えた後、最大値
の方から、分析セグメント総数(2回分の分析セグメン
ト総数)に有音率と音声パケット欠落率とから決まる定
数を掛けた数に相当する個数(M個)のケプストラム距
離を取出し、取出したケプストラム距離について、次式 に従って平均値CDpを算出する。例えば分析セグメント
総数が64、有音率70%、音声パケット欠落率の最大が10
%とすると、平均化処理に供するケプストラム距離の個
数Mは、8〜16個程度となる。
このようにして得られた平均値出力CDpが、出力端子2
0を介して欠落補償音声信号の原音声信号に対する歪量
として出力される。
実施例の効果 従って、上述の実施例によれば、音声パケット欠落補
償方式の評価値が歪量として客観的に得られるので、補
償方式間の比較が主観評価を行なうことなくできる。か
くするにつき、音声品質に影響を及ぼす、欠落を含まな
い原音声信号に対する欠落補償音声信号の歪量が、人間
の聴覚特性との対応が良いケプストラム距離として求ま
るので、人間が主観的に評価する場合との対応が良いも
のとなっている。
また、上述の実施例によれば、入力音声信号を分析セ
グメントに分割するにつき、分析セグメント周期の1/2
だけ異なる分割開始点によって2回に分けて分割して2
回分のケプストラム距離を得て歪量を算出するようにし
たので、得られた歪量が分割開始点の選定に仕方による
影響を受けることを防止できる。
さらに、上述の実施例によれば、ケプストラム距離の
算出を全ての分析セグメントに対して行なうのではな
く、演算制御信号ENが演算を指示している分析セグメン
トに対してのみ実行するようにしたので、歪量を得るま
での時間を短時間とすることができる。因に、ケプスト
ラム距離の算出にかかる分析セグメントを有音判定結果
又は振幅比較結果の一方だけを用いて絞り込むことも考
えられるが、このようにすると、演算を実行する分析セ
グメントの絞り込みとしては不十分であり、高速演算を
十分に達成することができない。
第4図は、原音声信号と、各種の音声パケット欠落補
償方式に従う欠落補償音声信号とを示すものであり、第
5図はこれらの欠落補償音声信号についての歪量算出結
果を示すものである。
第4図において、同図(A)は原音声信号を示し、同
図(B)はパケット欠落期間の信号として零値を用いる
零値置換補償方式に従う欠落補償音声信号を示し、同図
(C)はパケット欠落期間の信号として前の周期の信号
を用いる前値置換補償方式に従う欠落補償音声信号を示
し、同図(D)はパケット欠落期間の信号として欠落直
前の値をホールドする0次ホールド補償方式に従う欠落
補償音声信号を示す。
上述の実施例の動作で示したパケット条件では、第5
図に示すように、0次ホールド補償方式が他の補償方式
より、歪量CDpが小さくなる。これは、0次ホールド補
償方式が、他の補償方式とは異なり、欠落補償音声信号
が、パケット欠落期間を含むフレーム期間でその周波数
成分をほぼ維持するためと考えられる。
他の実施例 なお、上述の実施例においては、ケプストラム距離算
出手段16として高速フーリエ変換を利用したものを示し
たが、他の方法、例えば、線形予測分析法による算出手
段を適用しても良い。
また、上述の実施例においては、複数のケプストラム
距離の平均を歪量とするものを示したが、複数のケプス
トラム距離の中央値等の他の中心情報を歪量としても良
い。
さらに、上述の実施例においては、セグメント分割開
始点の影響が歪量に入り込むことを防止すべく、分割開
始点が分析セグメント周期の1/2だけ異なる2回の処理
によって各分析セグメントのケプストラム距離を得て歪
量を得るようにしたものを示したが、分割開始点が分析
セグメント周期の1/S(Sは3以上)だけ異なるS回の
処理によって各分析セグメントのケプストラム距離を得
て歪量を得るようにしても良い。
さらにまた、上述の実施例においては、原音声信号に
基づいて有音判定を行なうものを示したが、これに代
え、又は、これに加えて、欠落補償音声信号に基づいて
有音判定を行なうようにしても良い。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、主観評価値との対応
の良いケプストラム係数を利用して、客観評価尺度とし
ての欠落補償音声信号の歪量を高速に算出するようにし
たので、音声パケット欠落補償方式間の比較を、主観評
価試験によらずにできる音声パケット欠落補償波形の歪
量算出方式を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による音声パケット欠落補償波形の歪量
算出方式の一実施例の全体構成を示すブロック図、第2
図は音声パケット欠落時の再生音声信号を原信号と対比
して示す信号波形図、第3図は上記実施例のケプストラ
ム距離算出手段の詳細構成を示すブロック図、第4図は
各種の音声パケット欠落補償方式に従う欠落補償音声信
号を示す信号波形図、第5図は各種の音声パケット欠落
補償方式について上記実施例によって得られた歪量を示
す特性曲線図である。 12……分析セグメント分割手段、13……有音判定手段、
14……振幅判定手段、15……演算実行判定手段、16……
ケプストラム距離算出手段、17……ケプストラム距離蓄
積手段、18……分割開始点制御手段、19……平均化処理
手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−80100(JP,A) 特開 昭62−55700(JP,A) 特公 昭58−22911(JP,B2) 電子情報通信学会技術研究報告、SS E88−198、(1989.3)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原音声信号を第1の入力信号とし、音声パ
    ケットの欠落期間を補償した欠落補償音声信号を第2の
    入力信号とし、これら第1及び第2の入力信号を分析セ
    グメント毎に分割する分析セグメント分割手段と、 上記第1の入力信号又は第2の入力信号の少なくとも一
    方について、分析セグメントの有音判定を行なう有音判
    定手段と、 上記第1の入力信号及び第2の入力信号のサンプル単位
    の振幅比較を行なって、分析セグメント毎に相違の有無
    を判定する振幅比較手段と、 上記有音判定手段の判定結果と上記振幅比較手段の判定
    結果に基づいて、ケプストラム距離の演算を実行するか
    否かを決定する演算実行判定手段と、 演算の実行が指示されたときに、分析セグメントの第1
    及び第2の入力信号間のケプストラム距離を求めるケプ
    ストラム距離算出手段と、 算出されたケプストラム距離を蓄積するケプストラム距
    離蓄積手段と、 全ての分析セグメントを対象とした蓄積処理が終了した
    とき、上記分析セグメント分割手段の分割開始点を少な
    くとも1回だけ移動して上記分析セグメント分割手段、
    上記有音判定手段、上記振幅比較手段、上記演算実行判
    定手段、上記ケプストラム距離算出手段及び上記ケプス
    トラム距離蓄積手段に新たな処理を実行させる分割開始
    点制御手段と、 上記ケプストラム距離蓄積手段に蓄積されたケプストラ
    ム距離の中から一定の数を選択して中心情報を算出する
    中心情報算出手段と を備えたことを特徴とする音声パケット欠落補償波形の
    歪量算出方式。
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電子情報通信学会技術研究報告、SSE88−198、(1989.3)

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