JPH0590974A - 前反響処理方法およびその装置 - Google Patents

前反響処理方法およびその装置

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JPH0590974A
JPH0590974A JP4071461A JP7146192A JPH0590974A JP H0590974 A JPH0590974 A JP H0590974A JP 4071461 A JP4071461 A JP 4071461A JP 7146192 A JP7146192 A JP 7146192A JP H0590974 A JPH0590974 A JP H0590974A
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JP
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noise
signal
energy
block
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JP4071461A
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English (en)
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Yannick Mahieux
ヤニツク・マイユー
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CENTRE NAT ETD TELECOMM
Orange SA
France Telecom R&D SA
Original Assignee
CENTRE NAT ETD TELECOMM
France Telecom SA
Centre National dEtudes des Telecommunications CNET
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Publication date
Application filed by CENTRE NAT ETD TELECOMM, France Telecom SA, Centre National dEtudes des Telecommunications CNET filed Critical CENTRE NAT ETD TELECOMM
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H17/00Networks using digital techniques
    • H03H17/02Frequency selective networks
    • H03H17/0248Filters characterised by a particular frequency response or filtering method
    • H03H17/0255Filters based on statistics
    • H03H17/0257KALMAN filters
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/66Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission for reducing bandwidth of signals; for improving efficiency of transmission

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  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)
  • Transmission Systems Not Characterized By The Medium Used For Transmission (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Reduction Or Emphasis Of Bandwidth Of Signals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 MDCT変換によって符号化された音響信号
に存在する前反響を実質的に抑圧し、MDCT変換によ
って符号化された音響信号の内、励振前後に信号レベル
の修正を加えることなく原信号を完全に復元する。 【構成】 本発明の前反響処理方法は、連続するN個の
サンプルからなり、各ブロックに重み付け窓が形成され
た音響信号x(n)を、周波数変換により符号化して変
換係数y(k)を発生するステップと、この変換係数y
(k)を復号化するステップと、変換係数y(k)を符
号化する際に音響信号x(n)に付加される前反響を、
音響信号x(n)の振幅変化となる遷移状態の有無に応
じて施されるカルマンフィルタリングで抑制するステッ
プとからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MDCT変換(修正デ
ィスクリートコサイン変換)等の周波数変換により符号
化されたオーディオ・ディジタル信号(音響信号)に存
在する前反響を抑圧する前反響処理方法およびその装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタル化された音響信号の伝
送および記憶等の処理には、増加しつつあるスループッ
ト要求に対処するため、各種の符号化技術が用いられて
いる。ディジタル化された音響信号を周波数変換によっ
て符号化する技術の1つとして、MDCTと呼ばれる修
正ディスクリート・コサイン変換が知られている。この
修正デスクリート・コサイン変換によれば、原信号の品
質を実質的に保つ一方、そのデータスループットが減少
する。
【0003】図10は、このような符号化器の構成の一
例を示すブロック図である。この図に示すように、連続
するサンプルx(n)は、時間信号に基づきN個のサン
プルからなる複数のブロックに分割することにより、変
換による符号化が実行される。これら各ブロックでは、
サンプル0〜(N−1)間に図示される窓ブロックmの
ような、振幅に対して適用される「重み付け窓」を有す
る。この「窓」は、N/2サンプル毎にオーバーラップ
して繰り返されており、時間/周波数変換がこうして重
み付けされたブロックに適用される。この変換では、符
号化された1組の係数y(k)が得られ、スループット
が減少した形で出力される。いっぽう、復号化において
は、逆変換が係数y’(k)に適用され、これにより、
処理時間と伝送時間とでなされる符号化/復号化がリア
ルタイムで行われ、原サンプルx’(n)が再生され
る。
【0004】上述したMCDTのような周波数変換を行
う幾つかのタイプでは、データ圧縮により大きなスルー
プットを達成することが可能である。なお、この周波数
変換を行うタイプの処理の詳細については、たとえば、
Jonstonによって著された「Transfer Coding of Audio
Signals Using Perceptual Noise Criteria, IEEE Jour
nal on selected Areas in Communications, Vol.6, N
o.2, Februry 1988, pp.314-323」や、Princen & Bradl
eyによって著された「Adaptive Transform Coding inco
rporating Time Domain Aliasing Cancellation, Speec
h Communication, December 1987」を参照されたい。
【0005】周波数変換符号化装置では、係数のディジ
タル化の結果に基づく符号化ノイズがサンプルブロック
期間中にわたって均一に分布される。このサンプルブロ
ックに、図11に示すような突然変化する励振波形(非
停滞部)が含まれる場合、この非停滞部以前の信号周波
数スペクトラム、すなわち、周波数変換後の振幅係数y
(k)を見ると、殆どフラットな特性となっている。
【0006】さらに、上記Jonstonによって著された文
献によれば、符号化アルゴリズムは、一般に、ノイズの
スペクトラム形状を定め、上記非停滞部に遷移する初期
波形を含むブロックでは、ノイズスペクトラムは殆ど平
坦となり、しかもそのブロック期間中のレベルは一定と
なる。したがって、励振波形に先立つ部分のノイズスペ
クトラムは、その励振波形部分のスペクトラムより大き
くなる。たとえば、図11に示す振動励起音の原信号x
(n)を周波数変換による符号化を施し、これを復号化
した逆変換信号x’(n)は、図12に示すように変化
する。すなわち、図11は振動励起音を32KHzでサ
ンプリングした原信号x(k)であり、これを符号化/
復号化することで、逆変換信号x’(k)に「前反響」
と呼ばれる大きな信号劣化となるノイズが現れる。ここ
で、図12に示す逆変換信号x’(k)は、64Kビッ
ト/sでMDCT変換符号化されたものを復号化したも
のである。
【0007】さらに、MDCT変換を用いる符号化シス
テムでは、N/2サンプル毎に重なる窓が存在するため
に上記の「前反響」の影響が現れる。そして、こうした
前反響現象を除去、あるいは低減するためにこれまで各
種の処理手法が提案されている。この前反響現象を除去
あるいは低減する技術については、Schroderによって著
された「Stereo Coding with CD quality, Internation
al Conferenceon Consumer Electronics, Chicago, 198
7」や、Sugiyamaによって著された「AdaptiveTransform
Coding with an adaptive Block Size, ICASSP 1990,
pp.1093-1096」を参照されたい。
【0008】上記文献に開示された手法によれば、励振
によって生成される遷移前後のノイズレベル変動を抑え
るため、スケールファクタが変換前のサンプルブロック
に適用される。復号化時に適用される逆スケールファク
タは、低エネルギー領域におけるノイズレベルを低減さ
せるために用いられ、これは前述した「前反響」現象に
対応するノイズレベルを抑圧する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなスケールファクタを適用する手法は、前述したMD
CT変換に用いることができない。これは、スケールフ
ァクタが存在することで符号化の際に欠落が生じてしま
い、結果的に原信号を完全に復元することができなくな
るからである。
【0010】したがって、本発明は、上述した事情に鑑
みてなされたもので、MDCT変換によって符号化され
た音響信号に存在する前反響を実質的に抑圧できる前反
響処理方法およびその装置を提供することを目的として
いる。
【0011】さらに、本発明は、MDCT変換によって
符号化された音響信号の内、励振前後に信号レベルの修
正を加えることなく原信号を完全に復元することができ
る前反響処理方法およびその装置を提供することも目的
としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の前反響処
理方法は、連続するN個のサンプルからなり、各ブロッ
クに重み付け窓が形成された音響信号x(n)を、周波
数変換により符号化して変換係数y(k)を発生するス
テップと、この変換係数y(k)を復号化するステップ
と、前記変換係数y(k)を符号化する際に前記音響信
号x(n)に付加される前反響を、前記音響信号x
(n)の振幅変化となる遷移状態の有無に応じて施され
るカルマンフィルタリングで抑制するステップとを具備
することを特徴としている。
【0013】請求項2記載の前反響処理方法は、請求項
1記載の前反響処理方法において、前記カルマンフィル
タリングは、a1およびa2をフィルタの予測係数と
し、w(n)を階数nのサンプルx(n)に対応する改
善されるノイズ振幅としたときの次数2の回帰型として
定義される以下に示す状態方程式、 x(n)=a1・x(n−1)+a2・x(n−2)+w(n) b(n)を前記サンプルx(n)に対して付加される前
反響の符号化ノイズ振幅とし、x’(n)をノイズを含
んだ復号化された信号の階数nのサンプルとしたときの
以下に示す観測方程式および、 x’(n)=x(n)+b(n) K1およびK2をそれぞれ以下に示す関係式を満足する
フィルタゲイン値とし、以下に示す関係式の係数P1
(1)をカルマン・フィルタの予測誤差行列とし、以下
に示す関係式のσ2b(n)を符号化ノイズエネルギー
としたときの K1=P1(1)/(P1(1)+σ2b(n) 以下に示す関係式によって与えられる、フィルタされ、
復号化された信号の階数nのサンプルに基づくものであ
って、 xr(n)=a1・(1−K1)・xr(n−1)+a2・(1−K1) ・xr(n−2)+K1・x’(n) 原信号のサンプルx(n)のエネルギーパラメータσ2
x(n)と、少なくとも現時点で決定される階数(N−
q)のブロックのサンプルx(N−q)に存在する遷移
状態とを決定し、前記エネルギーパラメータσ2
(n)および遷移状態の有無を表わすパラメータの値を
復号化レベルで伝送する符号化手順と、先立つブロック
のサンプルから求まる予測係数a1,a2を見積り、処
理対象とされる階数nのサンプルに対するノイズσ2
(n)と、符号化ノイズエネルギーσ2b(n)とを評
価して、フィルタされ、復号化されて前反響が実質的に
抑圧された信号を再構成するために、ノイズを含んだ復
号化された信号x’(n)の適応性のあるフィルタリン
グを復号化段階において確実にする復号化手順とを具備
することを特徴としている。
【0014】請求項3記載の前反響処理装置は、N個の
サンプルブロックから構成され、サンプルx(n)で表
わされる音響信号を順次読取る読取り手段と、前記サン
プルブロックを周波数変換し、該サンプルブロックに対
応する変換係数y(k)を発生する変換手段と、前記変
換係数y(k)を量子化すると共に、符号化した符号化
係数を所定の伝送路に送出する符号化手段とが直列接続
されてなる符号化器と、前記伝送路を介して供給される
前記符号化係数を復号し、前記変換係数y(k)を発生
する復号化手段と、この復号された変換係数y(k)に
逆周波数変換を施し、復号化によりノイズが付与された
信号x’(n)を発生する逆変換手段とが直列接続され
てなる復号化器とを備える装置であって、前記符号化器
は、階数N−qで識別され、処理対象となる現在ブロッ
クの遷移状態の有無を検出する検出手段と、原信号の連
続するサンプル集団あるいは前記サンプルx(n)から
エネルギーパラメータσ2x(n)を抽出して出力する
抽出手段と、この抽出手段から供給されるエネルギーパ
ラメータσ2x(n)を符号化すると共に、処理対象と
なる前記サンプルブロックにおける遷移状態の有無を表
わす信号tを発生するパラメータ符号化手段とを具備
し、前記復号化器は、前記パラメータ符号化手段から供
給され、符号化されたエネルギーパラメータσ2
(n)を復元する復元手段と、前ブロックのサンプルx
(n)からフィルタリングパラメータa1,a2を抽出
すると共に、改善ノイズσ2w(n)のエネルギーおよ
び処理対象となる前記サンプルブロックに付与される符
号化ノイズσ2b(n)のエネルギーを評価する抽出評
価手段と、前記フィルタリングパラメータa1,a2
と、前記符号化ノイズσ2b(n)およびノイズσ2
(n)とに応じて前記信号x’(n)をフィルタリング
し、復号化信号xr(n)を出力するカルマンフィルタ
リング手段とを具備することを特徴としている。
【0015】請求項4記載の前反響処理装置は、請求項
3記載の前反響処理装置において、前記フィルタされ、
復号化された信号x(n)が第1の入力端から供給さ
れ、逆変換モジュールから出力されたノイズを含んだ復
号化された信号x’(n)が第2の入力端から供給さ
れ、処理対象とされるブロック内に前反響がある否かを
示す前記信号tがスイッチング制御入力端から供給され
る切換手段を具備することを特徴としている。
【0016】請求項5記載の前反響処理装置は、請求項
3記載の前反響処理装置において、前記抽出手段は、N
個のサンプルのそれぞれのブロックを連続するサンプル
の決定された数のサブブロックに分割する分割手段と、
原信号の、1つのサンプルあるいは、複数のサンプルか
らなる1つのグループのエネルギーパラメータσ2
(j)を計算する計算手段とを具備することを特徴とし
ている。
【0017】請求項6記載の前反響処理装置は、請求項
3記載の前反響処理装置において、前記符号化手段は、
前記エネルギーパラメータを入力して符号ワードを出力
する均一量子化手段と、ハフマン符号化手段とを具備す
ることを特徴としている。
【0018】請求項7記載の前反響処理装置は、請求項
3記載の前反響処理装置において、前記抽出・評価手段
は、デコードされ、ノイズを含んだ信号のサンプルx’
(n)を平行して入力する入力ポートを備え、前記入力
ポートは、処理対象とされる階数nのサンプルについて
フィルタリングパラメータa1,a2および改善ノイズ
エネルギーσ2w(n)の変化を計算する第1のパス
と、符号化ノイズエネルギーσ2b(n)を計算するの
第2のパスとを備え、前記フィルタリングパラメータa
1,a2並びに前記改善ノイズエネルギーσ2w(n)
および前記符号化ノイズエネルギーσ2b(n)を前記
カルマンフィルタリング手段に供給するを具備すること
を特徴としている。
【0019】請求項8記載の前反響処理装置は、請求項
7記載の前反響処理装置において、前記第1のパスは、
前記逆変換手段から供給されたノイズを含んだサンプル
x’(n)を入力するサンプルメモリと、予測係数a
i,a1,a2および予測利得Gpを計算する第1の計
算手段と、伝送されたサンプルのエネルギーパラメータ
σ2x’(n)の再構成された値と、前記予測利得Gp
を入力して、以下に示す関係式に基づいて改善ノイズエ
ネルギーσ2w(n)の変化を計算する第2の計算手段
と σ2w(n)=σx2(n)/Gp が縦続接続されていることを特徴としている。
【0020】請求項9記載の前反響処理装置は、請求項
7記載の前反響処理装置において、前記第2のパスは、
αを0から1までの値をとる定数としたときの以下に示
す回帰型の関係式に基づいて、ノイズを含んだサンプル
x’(n)のエネルギーパラメータσ2x’(n)を計
算する第1の計算手段と、 σ2x’(n)=α・σ2x’(n−1)+(1−α)・x’2(n) 以下に示す関係式に基づいて、サンプルに対して符号化
ノイズエネルギーσ2b(n)を計算する第2の計算手
段と σ2b(n)=σ2x’(n)−σ2x(n) が縦続接続されていることを特徴としている。
【0021】
【作用】この発明によれば、連続するN個のサンプルか
らなり、各ブロックに重み付け窓が形成された音響信号
x(n)を周波数変換により符号化して変換係数y
(k)を発生し、この後の変換係数y(k)が復号化さ
れる過程において、前記変換係数y(k)を符号化する
際に前記音響信号x(n)に付加される前反響が、前記
音響信号x(n)の振幅変化となる遷移状態の有無に応
じて施されるカルマンフィルタリングによって抑制され
る。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は本発明による一実施例の構成を示す
ブロック図である。この図に示す構成は、MDCT変換
によって非制限方式で符号化される音響信号に生じる前
反響を処理する機能を図示したものであるが、これと異
なる他の周波数変換においても適用可能である。
【0023】この図に示す前反響処理方法は、音響信号
x(n)を符号化する段階を含む。すなわち、x(n)
で示されるN個連続するサンプルが所定の手順を介して
順次読み込まれる。次いで、この読み込まれたサンプル
x(n)に対し、図10に示した従来例と同様にして重
み付け窓が形成される。次に、MDCT変換が施され
る。この変換では、変換係数y(k)が生成される。そ
して、MDCT変換によって生成された変換係数y
(k)は、符号化処理Hが施される。ここでは、符号化
された変換係数Cy(k)を次段の復号化処理へ出力す
る。
【0024】この図に示す変換係数y(k)の符号化
は、適正な符号化レベルH-1で行われる。これを詳細に
言えば、後述するように、復号化されてノイズ成分を含
む信号の階数nのサンプルx’(n)を得るため、変換
係数y(k)にMDCT-1で示される逆変換手順が施さ
れる。この逆変換手順においては、ノイズ成分を含む信
号の階数nのサンプルx’(n)に対して最適フィルタ
リングを施す。最適フィルタリングは、音響信号の振幅
にレベル変化する遷移状態が存在する時に行われ、符号
化時に付加される量子化ノイズを減少させる。すなわ
ち、符号化された音響信号のレベルに応じて生じる前反
響は、変換係数y(k)の量子化に起因して付加的なノ
イズb(n)が誘発される。そして、このノイズb
(n)は、原信号を劣化させるものであり、音響信号の
遷移状態において生成される。
【0025】この前反響という現象を抑圧することが本
発明の主題であり、復号化された音響信号に最適フィル
タリングを施すことでこれを達成するようにしている。
図1に示す前反響処理方法においては、まず、符号化す
る段階で反響信号の遷移状態を判定する手順を備える。
この遷移状態判定は、現在のブロックの状態を勘案して
遷移状態を検出するものである。たとえば、現在のブロ
ックが遷移状態にあるか否かを変数tで表わす。さら
に、ここでは非制限方式により現在のブロックにおける
遷移位置を分離することが可能になる。これは、遷移状
態が最初に起こるサンプルを横座標Mで表示するという
事実に基づく。
【0026】次に、遷移状態を判定する段階では、上述
したサンプルx(n)の各々に対するエネルギーパラメ
ータを評価する。このエネルギーパラメータは、音響信
号の各サンプルx(n)毎に対応してσ2(n)で表現
される。図示された各パラメータt,C,M,Cσ
2は、遷移状態の判定に伴って組として生成される。す
なわち、パラメータtは遷移状態の有無を表わし、パラ
メータC,Mは符号化されたブロックの内、遷移状態に
あるブロックの横座標を表わす。また、パラメータCσ
2は、符号化された音響信号の各サンプルx(n)毎の
エネルギーを表わすものである。これらパラメータのセ
ットは、Cpとして記述され、前述した符号化変換係数
Cy(k)と共に、次段の復号化手順へ供給される。な
お、この前反響処理方法において有利な点は、付加され
るノイズが非固定的なことにある。実際、付加されるノ
イズのエネルギーは、サンプルの開始ブロックより遷移
状態が存在するブロックnに近付く程大きくなる。
【0027】本発明による前反響処理方法においては、
最適フィルタリングに周知のカルマン・フィルタリング
を適用している。カルマン・フィルタリングは、後述す
るように、前反響現象を抑圧するため、復号化する際に
使用される。以下では、音響信号のフィルタリングに適
用されるカルマン・フィルタをモデリングした状態方程
式と観測方程式とを示す。
【0028】状態モデルは、前反射の影響を受け、ノイ
ズ成分を有する復号化信号x’(n)で記述される観測
方程式と、これに対応する原信号x(n)とで表わされ
る。状態方程式は、p次の自動回帰で定義することがで
きる。このp値は、演算量の制限と音響信号x(n)の
サンプルを十分正確にモデリングすることとの関係を折
衷させるように選択する必要がある。この場合、リアル
タイム演算処理に適合させるようにすることも要求され
る。なお、自動回帰の詳細については、Jayant& Nollに
よって著された「Digital Coding of Waveforms, Prent
ice Hall Signal Processing series, 1984」を参照さ
れたい。
【0029】フィルタリングに対応する行列方程式は、
以下の関係で与えられる。 x(n)=A・x(n−1)+w(n) x’(n)=C・x(n)+b(n) ここで、x(n),C,Aは、それぞれ次式で表わすこ
とができる。なお、上記式におけるx’(n)およびb
(n)は、スカラ量である。
【数1】
【数2】
【数3】
【0030】フィルタの一般式は、次のように表わすこ
とができる。 評価関数:xr(n)=A・xr(n−1)+K(n)
(x’(n)−C・A・xr(n−1)) ゲイン計算式:K(n)=Pl(n)・CT・〔C・P
l(n)・CT+σb2(n)〕-1 予測誤差行列:Pl(n)=A・P(n−1)・AT
Q(n) ここで、上記Q(n)は次式で表わされる。
【数4】 また、評価誤差行列:P(n)=Pl(n)−K(n)
・C・Pl(n)となる。ここで、この実施例において
用いられる非制限方式では、たとえば、上述した次数p
を「2」としている。
【0031】このような条件下における次数2の状態方
程式は、以下のように定義される。 x(n)=a1・x(n−1)+a2・x(n−2)+w(n) …(1) 上記(1)式において、a1,a2はフィルタの予測係
数を示し、w(n)は階数n下のサンプルx(n)に対
応する改善されるノイズ振幅を示している。さらに、観
測方程式は、(2)式のようにスカラで表現できる。 x’(n)=x(n)+b(n) …(2) 上記(2)式において、x(n)はオリジナルの音響信
号であり、次数nでサンプリングされるものである。b
(n)はこのサンプルに対して付加される前反響(符号
化)ノイズ振幅を表わす。x’(n)は、復号されたノ
イズ成分を有する信号の階数nのサンプルを表わしてい
る。これは、図4に示す逆MDCT変換後の出力に相当
するものである。
【0032】カルマン・フィルタリング方程式およびそ
のモデリングに関しては公知のものであり、このカルマ
ン・フィルタによって最適フィルタリングが施された復
号信号は、以下の関係にある。 xr(n)=a1・(1−K1)・xr(n−1)+a2・(1−K1)・xr (n−2)+K1・x’(n) …(3) xr(n−1)=xr(n−1)+K2(x’(n)−(a1・xr(n−1) +a2・xr(n−2)) 上記(3)式において、K1,K2はフィルタゲインで
あり、(4)および(5)式の関係を満たすものであ
る。 K1=P1(1)/(P1(1)+σ2b(n) …(4) K2=P1(3)/(P1(1)+σ2b(n) …(5) ここで、係数P1(1)およびP1(3)は、カルマン
・フィルタの評価誤差行列および予測誤差行列から与え
られるものである。
【0033】予測誤差行列は、(6)〜(9)式の関係
にある。 P1(1)=a12・P(1)+a1a2(P(2)+P(3)) +a22・P(4)+σw2(n) …(6) P1(2)=a1・P(1)+a2・P(3) …(7) P1(3)=a1・P(1)+a2・P(2) …(8) P1(4)=P(1) …(9)
【0034】さらに、評価誤差行列は、(10)〜(1
3)式の関係にある。 P(1)=(1−K1)・P1(1) …(10) P(2)=(1−K1)・P1(2) …(11) P(3)=P1(3)−K2・P1(1) …(12) P(4)=P1(4)−K2・P1(2) …(13)
【0035】上記各式は、それぞれ階数nに対して計算
される。この階数nは、処理対象となるブロックに存在
する値である。処理対象となるブロックとは、0〜(M
−1)の指数で示されるブロックである。ここで、指数
(M−1)とは、遷移状態にある指数Mのサンプルに先
立つサンプルを表わしている。サンプルの振幅変化は、
例えば4以上である。MDCT変換によって符号化され
た場合にあっては、2つのブロックが重なるようにして
いるため、遷移状態が2つのオーバラッピングブロック
として現れる。
【0036】上記関係におけるσ2b(n)は、符号化
により生じるノイズのエネルギーを示し、また、σ2
(n)は処理対象となる階数nのサンプルx(n)に対
する付加される改善ノイズのエネルギーを示す。上述し
た各方程式は、b(n)がx(n)に関して独立したホ
ワイトノイズであるという仮定の基で確立され、こうし
た条件は一般に満たされている。実際、遷移状態が現れ
る励振期間中には、MDCT変換により得られる短期間
のスペクトラムが実質的にフラットなものになる。遷移
状態の後に発生するノイズは、信号のエネルギーに大き
く依存するので、ノイズb(n)は、励振部分に先立つ
信号x(n)に相関しなくなる。
【0037】この実施例による前反響処理方法では、図
2に示すように、カルマン・フィルタリングによる最適
フィルタリングがなされている。これは、復号化過程に
おいて実行されるものであり、原信号のサンプルx
(n)のエネルギーパラメータσ2 x(n)と、少なく
とも現時点で決定される階数(N−q)のブロックのサ
ンプルx(N−q)に存在する遷移状態とに基づきフィ
ルタリング処理がなされる。なお、ここで言う階数(N
−q)は、前述の指数Mに相当する。つまり、(14)
式の関係にある。 N−q=M …(14)
【0038】この前反響処理方法は、前述したように、
遷移状態の有無を表わすパラメータtと上記エネルギー
パラメータσ2x(n)とのレベル値を復号化する手順
を備える。また、復号化過程においてフィルタリングパ
ラメータが見積もられる。このフィルタリングパラメー
タとは、前述した関係から与えられるものであって、ブ
ロック(b−1)に先立つサンプルから求まる予測係数
a1,a2である。さらに、処理対象とされる階数nの
サンプルに対するノイズσ2w(n)と、符号化により
生じるノイズエネルギーσ2b(n)とが評価される。
こうしたことは、復号化段階における前反響を実質的に
抑圧する。すなわち、カルマン・フィルタリングによっ
て復号化された信号x’(n)からノイズを除去するも
のである。
【0039】復号化の後に得られる信号Sは、(15)
式の関係で与えられる。すなわち、 S=t・xr(n)+t’・x’(n) …(15) ここで、パラメータtは処理対象となるブロックに遷移
状態が存在するか否かを表わすものであり、「0」また
は「1」になる。
【0040】以上のように、本発明による前反響処理方
法では、効率的に処理されるよう、フィルタリングに要
求される各種のパラメータが復号段階で見積もられるよ
うになっている。また、原信号となる音響信号x(n)
のパラメータは、符号化の段階で評価される。この符号
化の際に生成されたパラメータは、復号側へ送出され、
最適フィルタリングが施される。
【0041】次に、図3および図4を参照し、この前反
響処理方法を適用した前反響処理装置について詳述す
る。なお、図3は前反響処理方法を適用した符号化装置
の構成を示すブロック図であり、図4は同処理方法を適
用した復号化装置の構成を示すブロック図である。図3
において、1はモジュール10、11,12が直列接続
してなる符号化器である。モジュール10は、N個のサ
ンプルのブロックで形成される音響信号のサンプルx
(n)を読み込む。モジュール11は、取込んだサンプ
ルx(n)をMDCT変換し、各サンプルブロックに対
応する変換係数y(k)を発生する。モジュール12
は、この変換係数y(k)を量子化して符号化し、これ
を順次ディジタル伝送チャネルCTに出力する。ディジ
タル伝送チャネルCTは、通常の伝送路であり、その詳
細については省略する。
【0042】次に、図4において、2はモジュール2
0,21が直列接続されてなる復号化器であり、ディジ
タル伝送チャネルCTを介して供給される信号を復号化
する。モジュール20は変換係数y(k)を復号化し、
逆変換モジュール21は逆MDCT変換 (MDC
-1)計算する。これらモジュール20,21は、復号
化した信号x’(n)にノイズ成分を付加してしまう。
【0043】次に、再び図3を参照し、符号化装置の構
成について説明を進める。図において、モジュール13
はブロックに遷移状態が存在するか否かを検出する。こ
こで、検出対象となるブロックは、階数(N−q)で識
別された現時点のサンプルブロックである。モジュール
14は、サンプルブロックx(n)からエネルギーパラ
メータσ2x(n)を抽出して出力する。エネルギーパ
ラメータσ2x(n)は、原信号の連続する各サンプル
x(n)に対応する。モジュール15は、モジュール1
4から供給されるエネルギーパラメータσ2x(n)を
符号化して出力する。このモジュール15は、遷移状態
が存在する旨を表わすパラメータtに応じてパラメータ
Cσ2x(n),CおよびMを生成する。
【0044】ここで、パラメータC,Mは符号化された
ブロックの内、遷移状態にあるブロックの横座標を表わ
す。また、パラメータCσ2は、符号化された音響信号
の各サンプルx(n)毎のエネルギーを表わすものであ
る。これらパラメータは1組にされ、図示Cpで表示さ
れる。そして、このセットされたパラメータCpが前述
した符号化変換係数Cy(k)と共に、ディジタル伝送
チャネルCTを介して次段の復号化側へ供給される。
【0045】遷移状態の有無を検出するモジュール13
では、サンプルブロックに遷移状態が存在する場合、す
なわち、前反響が発生する時には、たとえば、「t=
1」なるパラメータを発生する。つまり、このモジュー
ル13は、1ビットで表わされるパラメータtを復号化
器2側に供給する。さらに、該モジュール13は、検出
対象であるブロックに遷移状態が存在する時、そのブロ
ック内における遷移状態の位置を横座標Mで表現する。
この横座標Mで表現される遷移状態の位置は、符号化モ
ジュール15に供給される。モジュール15では、たと
えば、log2(N) ビットで符号化する。ここで、N
は、上述したパラメータC,Mで形成される変換ブロッ
クのサイズを表わす。
【0046】遷移状態の有無を検出するモジュール13
においては、信号x(n)の励振波形部分の検出を、た
とえば、4段階のスレッショルド値に基づき波形振幅レ
ベルを比較する。この他の検出態様としては、たとえ
ば、現時点で検出対象となっているブロックにおけるス
ペクトラムと、これ以前のブロックにおけるスペクトラ
ムとを比較して励振波形を予測することも可能である。
【0047】次に、再び図4を参照し、復号化装置の構
成について説明を加える。この図において、モジュール
22は伝送チャネルCTを介して供給されるエネルギー
パラメータを復元する。すなわち、符号化された遷移状
態アドレスC,MおよびエネルギーパラメータCσ2
(n)を、それぞれ復号化してこれらに対応するパラメ
ータM,Cσ2x(n)として出力する。このモジュー
ル22は、復号化段階では未知なパラメータ、すなわ
ち、最適フィルタリングに不可欠なパラメータの復元を
可能にしている。
【0048】モジュール23は、処理対象のサンプルブ
ロックに先立つブロックからフィルタリングパラメータ
a1,a2を抽出するとともに、処理対象となる階数n
のサンプルブロックに基づいて符号化ノイズσ2
(n)とノイズσ2w(n)とを生成する。なお、上記
フィルタリングパラメータa1,a2は、前述したモジ
ュール20から供給される量子化された変換係数y’
(k)と、復号化されてノイズ成分が付加された信号
x’(n)とから順次抽出されるものである。
【0049】モジュール24は、逆MDCT変換(MD
CT-1)を行う逆変換モジュール21から供給される信
号x’(n)に最適フィルタリングを施すカルマン・フ
ィルタである。このモジュール24は、制御入力となる
上述のフィルタリングパラメータa1,a2と、モジュ
ール23から供給される符号化ノイズσ2b(n)およ
びノイズσ2w(n)とを受ける。さらに、該モジュー
ル24は、モジュール22から復元された遷移状態アド
レスMおよびエネルギーパラメータσ2x’(n)を受
ける。そして、このカルマン・フィルタリングモジュー
ル24は、フィルタリングされた復号化信号xr(n)
を出力する。
【0050】制限のない方法および図4に示す本発明の
主題である装置の有利な見地によれば、復号化器2の出
力には、フィルタされ、復号化された信号xr(n)が
第1のスイッチング入力から供給され、復号化器2、特
に、逆変換モジュール21から出力された信号x’
(n)が第2のスイッチング入力から供給される制御ス
イッチ25に接続されている。制御スイッチ25は、ス
イッチング制御入力からパラメータtが供給される。制
御スイッチ25から出力される信号Sは、図2に示され
ている信号Sと等しい。
【0051】次に、図5および図6に、フィルタリング
パラメータa1およびa2を抽出し、符号化ノイズエネ
ルギーσ2b(n)および改善ノイズエネルギーσ2
(n)を評価するフィルタリングパラメータ抽出・ノイ
ズエネルギー評価モジュール23(以下、単に、モジュ
ール23という)のより詳細なブロック図を示す。図5
に示すように、モジュール23は、復号化され、ノイズ
を含んだ信号x’(n)のサンプルを、入力ポート、す
なわち、階数nのサンプルについてフィルタリングパラ
メータa1,a2および改善ノイズエネルギーσ2
(n)を計算するための第1のパスA、および符号化ノ
イズエネルギーσ2b(n)を計算するための第2のパ
スBからパラレルに入力している。そして、フィルタリ
ングパラメータa1,a2、改善ノイズエネルギーσ2
w(n)および符号化ノイズエネルギーσ2b(n)
は、カルマン・フィルタリングモジュール24に供給さ
れる。
【0052】図5に示すモジュール23の構造は、以下
に示す方法で正当化することができる。(1)式によっ
て与えられる状態方程式は、この状態方程式が次数2の
自動回帰型として定義されている場合、予測係数ai、
すなわち、フィルタリングパラメータa1,a2を必要
とする。これらのフィルタリングパラメータa1,a2
は、反対に、ノイズのない信号に基づいて計算されなけ
ればならない。励起遷移変化が現れる前は、信号は変化
しないと仮定すると、フィルタリングパラメータa1,
a2は、上述したブロックの再構成されたサンプルに基
づいて復号化器2のレベルで評価することができる。と
いうのは、これらのサンプルは、前反響現象から影響を
受けていないからである。
【0053】したがって、フィルタリングパラメータa
1,a2を計算するための第1のパスAは、逆変換モジ
ュール21から供給されたノイズを含んだサンプルx’
(n)を入力するサンプルメモリ230を有している。
復号化器の端末にあるそれぞれのブロックとともに、R
個の最も遅いサンプルは、サンプルメモリ230に記憶
されている。たとえば、ブロックサイズNが1024で
ある場合、サンプル数Rを256とすることは可能であ
る。これらR個のサンプルは、後述する予測係数を計算
するための計算回路231に入力される。さらに、第1
のパスAは、予測係数、正確には、フィルタリングパラ
メータa1,a2と、予測利得Gpを計算するための計
算回路231を有している。サンプルメモリ230に記
憶されているR個のサンプルは、次のブロックが前反響
を有するブロックであると検出された場合、すなわち、
パラメータtが1である場合、計算回路231に入力さ
れる。
【0054】計算回路231は、たとえば、レヴィンソ
ン・アルゴリズムを用いて上述したフィルタリングパラ
メータa1,a2を計算するディジタル計算回路から構
成されている。なお、上述したレヴィンソン・アルゴリ
ズムは公知であるので、その説明を省略する。フィルタ
リングパラメータa1,a2、さらに一般的に、予測係
数aiは、カルマン・フィルタリングモジュール24に
入力される。これらの係数は、前反響が継続されても一
定であると仮定されている。
【0055】さらに、第1のパスAにおいては、改善ノ
イズエネルギーσ2w(n)の変化を計算する回路23
2が計算回路231と縦続接続されている。この回路2
32には、再構成モジュール22から供給される伝送さ
れたサンプルのエネルギーパラメータσ2x’(n)の
再構成された値と、予測利得Gpとが供給される。改善
ノイズエネルギーσ2w(n)の変化は、(16)式に
示す自動回帰型の関係式を満足する。 σ2w(n)=σx2(n)/Gp …(16) この(16)式において、σx2(n)はノイズのない
原信号のエネルギーであり、Gpは自動回帰型と関連し
た予測利得である。
【0056】予測利得Gpの計算は、明らかに、計算回
路231でフィルタリングパラメータa1,a2、ある
いは、さらに一般的には、予測係数aiに基づいて実行
される。ある有用な計算方法がJayant & Nollによって
著された「the work DigitalCoding of waveforms 198
4, Prentice Hall, Signal Processing Series」の26
3ページに示されている。
【0057】また、図5に示すように、第2のパスB
は、ノイズを含んだサンプルx’(n)のエネルギーパ
ラメータσ2x’(n)を計算する計算回路233を備
えている。計算回路233は、サンプルに対して符号化
ノイズエネルギーσ2b(n)を計算する計算回路23
5に縦続接続されている。符号化ノイズエネルギーσ2
b(n)は、ノイズのない原信号のエネルギーσx
2(n)と、ノイズを含んだサンプルx’(n)のエネ
ルギーパラメータσ2x’(n)とから求められる。確
かに、原信号と符号化ノイズb(n)との間の完全な相
互関係を仮定すると、符号化ノイズエネルギーσ2
(n)は、ノイズのない原信号のエネルギーσx
2(n)と、ノイズを含んだサンプルx’(n)のエネ
ルギーパラメータσ2x’(n)とによって次式に示す
ように表すことができる。 σ2x’(n)=σ2x(n)+σ2b(n) …(17) σ2b(n)=σ2x’(n)−σ2x(n) …(18)
【0058】ノイズのない原信号のエネルギーσx
2(n)と、ノイズを含んだサンプルx’(n)のエネ
ルギーパラメータσ2x’(n)とは、様々な方法で評
価できることわかるであろう。たとえば、ノイズを含ん
だサンプルx’(n)のエネルギーパラメータσ2x’
(n)は、次式に示す回帰方程式を用いて復号化器2の
レベルで計算することができる。 σ2x’(n)=α・σ2x’(n−1)+(1−α)・x’2(n)…(19) この方程式において、αは、0から1までの値をとる定
数であって、たとえば、0.95である。(19)式を
計算するために、ノイズを含んだサンプルx’(n−
1)の次数(n−1)のサンプルに対応したエネルギー
パラメータσ2x’(n−1)を出力する遅延回路23
4が計算回路233に接続されている。そして、もちろ
ん、計算回路233は(19)式にしたがってノイズを
含んだサンプルx’(n)のエネルギーパラメータσ2
x’(n)の現在の値を計算する。
【0059】ノイズのない原信号のエネルギーσ2
(n)は、上述したように、符号化器1で計算され、復
号化器2に伝送されて再構成モジュール22によって供
給される。ノイズのない原信号のエネルギーσ2
(n)は、前反響の継続の間中ずっと一定であるとみな
すことができ、このことは、1つのサンプルブロック当
たり単一の値を伝送することを可能にする。
【0060】ところが、たとえば、図12からわかるよ
うに、励振に先立つ信号、すなわち、遷移の出現は、情
報が与えられなければならない上述したカルマン・フィ
ルタリングモジュール24が他と比べてかなり大きなエ
ネルギーの変化を含んでいる。この目的のために、図6
に符号化器1のレベルでエネルギーパラメータを抽出す
るエネルギーパラメータ抽出モジュール14のより詳細
なブロック図を示す。図6に示すように、エネルギーパ
ラメータ抽出モジュール14は、N個のサンプルのb個
のブロックをそれぞれ、連続したサンプルの決定された
数のサブブロック内に分割する分割モジュール140を
備えている。そして、分割モジュール140は、次元L
のサブブロックに分割することを実行する。パラメータ
Lの値は、局部的なエネルギーの変化が1つのサブブロ
ック内に位置しうるならば、選択することができる。制
限のない例として、32kHzのサンプリング周波数に
対してLの値は、128とすることができる。
【0061】そして、フィルタリングによる前反響の処
理は、L個のサンプルの(R=E・〔M/L〕)個のサ
ブブロックに対して実行される。ここで、E〔・〕は、
整数部を示している。遷移に先立つ最も遅い(M−r・
L)個のサンプルは、フィルタされえないことがわかる
であろう。確かに、タイム・マスキングの特性のため、
および、充分に小さな値Lについては、それらに影響す
るノイズは、聞き取れない。なお、タイム・マスキング
の効果のより詳細な説明については、Zwickerによって
著された「Psycho-acoustique, l'oreille recepteur
d'informationpublished by MASSON, Paris, 1981」を
参照されたい。
【0062】M/L個のサブブロックのそれぞれにおい
て、ノイズのない原信号のエネルギーσ2x(n)は、
(20)式によって計算される。
【数5】 この式において、jは、M/L個のサブブロックから構
成される集合のサブブロックの指数を示しており、(0
≦j≦M/L−1)である。
【0063】上述した計算は、上述した分割モジュール
140から出力される様々なサブブロックを入力して、
エネルギーパラメータσ2x(j)を計算する計算モジ
ュール141によって実行される。エネルギーパラメー
タσ2x(j)の集合〔σ2x(j)〕は、符号化モジュ
ール15によって符号化された後、複号化器2に伝送さ
れる。
【0064】図6に示す実施例によれば、上述したエネ
ルギーパラメータの符号化は、たとえば、連続する割合
を量子化することによってこの図に示す実施例に従って
実行される。この目的のために、符号化モジュール15
は、上述したエネルギーパラメータσ2x(j)が入力
される割算器150、均一量子化器151およびハフマ
ン符号化器152が縦続接続されて構成されている。さ
らに、均一量子化器151の出力は、逆量子化器153
および1つのサンプルを遅延させるための遅延回路15
4を介して割算器150の1つの入力端に帰還されてい
る。
【0065】そして、割算器150が以下に示す関係式
で表される連続する割合e(j)の値を均一量子化器1
51に供給する。 e(j)=σ2x(j)/σ2x(j−1) …(21) これらの割合は、小さなレベルの量子化器からなる上述
した均一量子化器151によって量子化される。そし
て、均一量子化器151から出力されるコードワード出
力は、エントロピー符号化、たとえば、ハフマン符号化
器152によるハフマン符号化を受ける。しかしなが
ら、ベクトル量子化などの他の技術も用いることができ
る。
【0066】そして、符号化モジュール15は、上述し
た伝送チャンネルCTによって伝送されるために、コー
ドCσ2x(n)を出力する。複号化器2、特に、図5
に示すモジュール23においては、符号化ノイズエネル
ギーσ2b(n)は、(22)式で与えられる。 σ2b(n)=σ2x’(n)−σ2x’(j) …(22) この関係式において、指数jおよびnは、関係式{j.
L≦n≦(j+1)・L−1}によって関係づけられて
いる。上述した(22)式において、特に、σ2x’
(j)が複号化器2に入力されたサブブロックjの中の
σ2x(j)の量子化バージョンであり、σ2x’(n)
が上述した(19)式によって評価されることがわかる
であろう。
【0067】モジュール23によって供給された(2
3)式を満たすスムーズなノイズの値の評価を可能にす
るために、特に、nがj・Lであるサブブロックのジャ
ンクションにおいて、(19)式と同じタイプの回帰方
程式が用いられる。 σ2b(n)=β・σ2b(n−1)+(1−β)(σ2x’(n)−σ2x’(j )) ……(23) この(23)式において、βは0と1の間の定数であ
り、たとえば、0.85の値を有する。
【0068】(24)式によって与えられる回帰方程式
を初期化した場合の第1の値σ2x(0)は、符号化器
1および複号化器2とに共通な変数に関して符号化され
なければならない。制限のない例として、これは、量子
化された変換係数y’(k)のエネルギー量について評
価された先立つブロックのエネルギーとなりうる。この
ような仮定の下に、比e(0)は、(24)式を満足す
る。 e(0)=σ2x(0)/ρ2x …(24) 上述した(24)式において、ρ2xは(25)式で表
される。 ρ2x=Σy’2(k) …(25) (25)式において、y’2(k)は、上述したブロッ
クの量子化された係数である。確かに、パーセバルの関
係式によれば、符号化ノイズの範囲内において、ρ2
はσ2xに等しい。しかしながら、MDCT変換を用い
た符号化器の場合、パーセバルの関係式は、満たされな
い。しかしながら、この変換の特別な性質のために、ρ
2xは、(26)式によって概算される。 ρ2x=4・Σy’2(k) …(26)
【0069】本発明の方法および装置は、前反響を大幅
に削減することができるので、特に顕著な結果を得るこ
とが可能である。図7には、32kHzでサンプリング
されたギターの励振の原信号が32msec間継続され
たものが示されている。図7の縦軸は相対的な振幅値が
目盛られており、このことは、固有の伝送のすぐ前のサ
ンプルにおいて、後にスタートする同じブロックのサン
プルと比較して大きな振幅の変化があることを示してい
る。
【0070】図8には、MDCT変換器によって符号化
され、64kb/sのスループットで伝送され、しか
も、前反響の処理がなされていない信号の対比が示され
ている。図8から、前反響現象は、非常に明かであり、
前反響ノイズに限っていえば、伝送のすぐ前の同じサン
プルにおいて、ピーク−ピークの振幅は、後にスタート
する同じブロックのサンプルのノイズの振幅の4ないし
5倍であることがわかる。
【0071】図9には、前反響処理された符号化された
信号が示されており、この図から、前反響ノイズは、図
7とほぼ同様な信号を与えるために、ほとんど消えてい
ることがわかるであろう。もちろん、図7〜図9におい
て、それぞれの軸は、前反響のこのようにして得られた
レベルにおける削減を正しく理解するために、同じ相対
的な単位にしたがって目盛られている。
【0072】本発明の主題である方法および装置の適応
性のある性質のために、前反響の削減は、どのようなタ
イプの信号に対しても非常に強力である。このことから
品質の改善は、符号化システムにおける遅延が顕著に増
加することなく、特に、符号化器にMDCT変換を用い
た場合顕著である。実際に、符号化および複号化の両方
の段階における処理がリアルタイムで実行され、これに
より、ノイズのないサンプルの伝送が伝送および1つの
ブロックの処理時間以内にリアルタイムで実行されるこ
とがわかるであろう。
【0073】このように、上述した実施例にあっては、
変換係数y(k)を符号化する場合に音響信号x(n)
に付加される前反響が、該音響信号x(n)の振幅変化
となる遷移状態の有無に応じてカルマンフィルタリング
が施され、これにより前反響が抑制される。しかも、こ
の場合、原信号の劣化を生じさせることがないため、高
品質な周波数変換による符号化が可能になる。したがっ
て、近年、構築されつつあるISDN(サービス統合デ
ィジタル網)に用いれば、高品質なデータ伝送が実現で
きる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
連続するN個のサンプルからなり、各ブロックに重み付
け窓が形成された音響信号x(n)を周波数変換により
符号化して変換係数y(k)を発生し、この後の変換係
数y(k)が復号化される過程において、前記変換係数
y(k)を符号化する際に前記音響信号x(n)に付加
される前反響が、前記音響信号x(n)の振幅変化とな
る遷移状態の有無に応じて施されるカルマンフィルタリ
ングによって抑制されるので、MDCT変換等の周波数
変換によって符号化された音響信号に存在する前反響を
実質的に抑制することができる。また、この場合、信号
レベルの修正を加えることがないため、原信号を完全に
復元することができる。できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による前反響処理方法の機
能構成を示すブロック図。
【図2】同実施例による前反響処理方法の機能構成を示
すブロック図。
【図3】同実施例における符号化システムの構成を示す
ブロック図。
【図4】同実施例における復号化システムの構成を示す
ブロック図。
【図5】同実施例におけるフィルタリング抽出,ノイズ
エネルギー評価モジュール23の構成を示すブロック
図。
【図6】同実施例におけるエネルギーパラメータ抽出モ
ジュール14およびパラメータ符号化モジュール15の
構成を示すブロック図。
【図7】同実施例における原信号(音響信号)の一例を
示す波形図。
【図8】図7の原信号に生じる前反響の一例を示す波形
図。
【図9】同実施例により前反響が抑制された音響信号の
一例を示す波形図。
【図10】従来例を説明するための図。
【図11】従来例を説明するための図。
【図12】従来例を説明するための図。
【図13】従来例を説明するための図。
【符号の説明】 1…符号化器、 2…復号化器、 10…サンプル読み込みモジュール、 11…MDCT変換モジュール、 12…変換係数符号化モジュール、 13…遷移状態検出モジュール、 14…エネルギーパラメータ抽出モジュール、 15…パラメータ符号化モジュール、 20…変換係数復号モジュール、 21…逆変換モジュール、 22…エネルギーパラメータ再構成モジュール、 23…フィルタリングパラメータ抽出,ノイズエネルギ
ー評価モジュール、 24…カルマン・フィルタリングモジュール。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続するN個のサンプルからなり、各ブ
    ロックに重み付け窓が形成された音響信号x(n)を、
    周波数変換により符号化して変換係数y(k)を発生す
    るステップと、 この変換係数y(k)を復号化するステップと、 前記変換係数y(k)を符号化する際に前記音響信号x
    (n)に付加される前反響を、前記音響信号x(n)の
    振幅変化となる遷移状態の有無に応じて施されるカルマ
    ンフィルタリングで抑制するステップとを具備すること
    を特徴とする前反響処理方法。
  2. 【請求項2】 前記カルマンフィルタリングは、 a1およびa2をフィルタの予測係数とし、w(n)を
    階数nのサンプルx(n)に対応する改善されるノイズ
    振幅としたときの次数2の回帰型として定義される以下
    に示す状態方程式、 x(n)=a1・x(n−1)+a2・x(n−2)+w(n) b(n)を前記サンプルx(n)に対して付加される前
    反響の符号化ノイズ振幅とし、x’(n)をノイズを含
    んだ復号化された信号の階数nのサンプルとしたときの
    以下に示す観測方程式および、 x’(n)=x(n)+b(n) K1およびK2をそれぞれ以下に示す関係式を満足する
    フィルタゲイン値とし、以下に示す関係式の係数P1
    (1)をカルマン・フィルタの予測誤差行列とし、以下
    に示す関係式のσ2b(n)を符号化ノイズエネルギー
    としたときの K1=P1(1)/(P1(1)+σ2b(n) 以下に示す関係式によって与えられる、フィルタされ、
    復号化された信号の階数nのサンプルに基づくものであ
    って、 xr(n)=a1・(1−K1)・xr(n−1)+a2・(1−K1) ・xr(n−2)+K1・x’(n) 原信号のサンプルx(n)のエネルギーパラメータσ2
    x(n)と、少なくとも現時点で決定される階数(N−
    q)のブロックのサンプルx(N−q)に存在する遷移
    状態とを決定し、前記エネルギーパラメータσ2
    (n)および遷移状態の有無を表わすパラメータの値を
    復号化レベルで伝送する符号化手順と、 先立つブロックのサンプルから求まる予測係数a1,a
    2を見積り、 処理対象とされる階数nのサンプルに対するノイズσ2
    w(n)と、符号化ノイズエネルギーσ2b(n)とを
    評価して、フィルタされ、復号化されて前反響が実質的
    に抑圧された信号を再構成するために、ノイズを含んだ
    復号化された信号x’(n)の適応性のあるフィルタリ
    ングを復号化段階において確実にする復号化手順とを具
    備することを特徴とする請求項1記載の前反響処理方
    法。
  3. 【請求項3】 N個のサンプルブロックから構成され、
    サンプルx(n)で表わされる音響信号を順次読取る読
    取り手段と、前記サンプルブロックを周波数変換し、該
    サンプルブロックに対応する変換係数y(k)を発生す
    る変換手段と、前記変換係数y(k)を量子化すると共
    に、符号化した符号化係数を所定の伝送路に送出する符
    号化手段とが直列接続されてなる符号化器と、 前記伝送路を介して供給される前記符号化係数を復号
    し、前記変換係数y(k)を発生する復号化手段と、こ
    の復号された変換係数y(k)に逆周波数変換を施し、
    復号化によりノイズが付与された信号x’(n)を発生
    する逆変換手段とが直列接続されてなる復号化器とを備
    える装置であって、 前記符号化器は、階数N−qで識別され、処理対象とな
    る現在ブロックの遷移状態の有無を検出する検出手段
    と、 原信号の連続するサンプル集団あるいは前記サンプルx
    (n)からエネルギーパラメータσ2x(n)を抽出し
    て出力する抽出手段と、 この抽出手段から供給されるエネルギーパラメータσ2
    x(n)を符号化すると共に、処理対象となる前記サン
    プルブロックにおける遷移状態の有無を表わす信号tを
    発生するパラメータ符号化手段とを具備し、 前記復号化器は、前記パラメータ符号化手段から供給さ
    れ、符号化されたエネルギーパラメータσ2x(n)を
    復元する復元手段と、 前ブロックのサンプルx(n)からフィルタリングパラ
    メータa1,a2を抽出すると共に、改善ノイズσ2
    (n)のエネルギーおよび処理対象となる前記サンプル
    ブロックに付与される符号化ノイズσ2b(n)のエネ
    ルギーを評価する抽出評価手段と、 前記フィルタリングパラメータa1,a2と、前記符号
    化ノイズσ2b(n)およびノイズσ2w(n)とに応じ
    て前記信号x’(n)をフィルタリングし、復号化信号
    xr(n)を出力するカルマンフィルタリング手段とを
    具備することを特徴とする前反響処理装置。
  4. 【請求項4】 前記フィルタされ、復号化された信号x
    r(n)が第1の入力端から供給され、逆変換モジュー
    ルから出力されたノイズを含んだ復号化された信号x’
    (n)が第2の入力端から供給され、処理対象とされる
    ブロック内に前反響がある否かを示す前記信号tがスイ
    ッチング制御入力端から供給される切換手段を具備する
    ことを特徴とする請求項3記載の前反響処理装置。
  5. 【請求項5】 前記抽出手段は、 N個のサンプルのそれぞれのブロックを連続するサンプ
    ルの決定された数のサブブロックに分割する分割手段
    と、 原信号の、1つのサンプルあるいは、複数のサンプルか
    らなる1つのグループのエネルギーパラメータσ2
    (j)を計算する計算手段とを具備することを特徴とす
    る請求項3記載の前反響処理装置。
  6. 【請求項6】 前記符号化手段は、 前記エネルギーパラメータを入力して符号ワードを出力
    する均一量子化手段と、 ハフマン符号化手段とを具備することを特徴とする請求
    項3記載の前反響処理装置。
  7. 【請求項7】 前記抽出・評価手段は、 デコードされ、ノイズを含んだ信号のサンプルx’
    (n)を平行して入力する入力ポートを備え、 前記入力ポートは、 処理対象とされる階数nのサンプルについてフィルタリ
    ングパラメータa1,a2および改善ノイズエネルギー
    σ2w(n)の変化を計算する第1のパスと、 符号化ノイズエネルギーσ2b(n)を計算するの第2
    のパスとを備え、前記フィルタリングパラメータa1,
    a2並びに前記改善ノイズエネルギーσ2w(n)およ
    び前記符号化ノイズエネルギーσ2b(n)を前記カル
    マンフィルタリング手段に供給するを具備することを特
    徴とする請求項3記載の前反響処理装置。
  8. 【請求項8】 前記第1のパスは、 前記逆変換手段から供給されたノイズを含んだサンプル
    x’(n)を入力するサンプルメモリと、 予測係数ai,a1,a2および予測利得Gpを計算す
    る第1の計算手段と、 伝送されたサンプルのエネルギーパラメータσ2x’
    (n)の再構成された値と、前記予測利得Gpとを入力
    して、以下に示す関係式に基づいて改善ノイズエネルギ
    ーσ2w(n)の変化を計算する第2の計算手段と σ2w(n)=σx2(n)/Gp が縦続接続されていることを特徴とする請求項7記載の
    前反響処理装置。
  9. 【請求項9】 前記第2のパスは、 αを0から1までの値をとる定数としたときの以下に示
    す回帰型の関係式に基づいて、ノイズを含んだサンプル
    x’(n)のエネルギーパラメータσ2x’(n)を計
    算する第1の計算手段と、 σ2x’(n)=α・σ2x’(n−1)+(1−α)・x’2(n) 以下に示す関係式に基づいて、サンプルに対して符号化
    ノイズエネルギーσ2b(n)を計算する第2の計算手
    段と σ2b(n)=σ2x’(n)−σ2x(n) が縦続接続されていることを特徴とする請求項7記載の
    前反響処理装置。
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