JP2695099B2 - 無機質微粉体表面への金属コーティング方法 - Google Patents
無機質微粉体表面への金属コーティング方法Info
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- JP2695099B2 JP2695099B2 JP4196299A JP19629992A JP2695099B2 JP 2695099 B2 JP2695099 B2 JP 2695099B2 JP 4196299 A JP4196299 A JP 4196299A JP 19629992 A JP19629992 A JP 19629992A JP 2695099 B2 JP2695099 B2 JP 2695099B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば溶射材料、磁性
材料、導電性塗料、インキ材料等として用いられる金属
コーティングされた無機質微粉体を製造する方法に関す
るものである。
材料、導電性塗料、インキ材料等として用いられる金属
コーティングされた無機質微粉体を製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】例えば溶射材料として、金
属コーティングされた無機質微粉体を用いることは知ら
れている。そして、その製造方法としては、一般に、無
電解めっき法、メタライジング法が採用されている。し
かしながら、無電解めっき法では、前処理が必要である
ため、作業が煩雑であった。また、メタライジング法で
は、装置が大がかりとなっていた。従って、いずれの方
法においても大量生産が不可能であった。
属コーティングされた無機質微粉体を用いることは知ら
れている。そして、その製造方法としては、一般に、無
電解めっき法、メタライジング法が採用されている。し
かしながら、無電解めっき法では、前処理が必要である
ため、作業が煩雑であった。また、メタライジング法で
は、装置が大がかりとなっていた。従って、いずれの方
法においても大量生産が不可能であった。
【0003】ところで、金属コーティングされた無機質
微粉体を溶射材料として用いると、コーティングされて
いる金属が溶けて結合剤として作用して微粉体からなる
溶射層が形成される。この溶射層としては、均一で緻密
なものが期待でき、金属コーティング層が薄いほど微粉
体材料の性質を十分に備えたものが得られる。また、金
属コーティングされた酸化チタン、酸化鉄等の顔料を塗
料中に分散させて塗装すると、導電性を持った塗膜が得
られる。
微粉体を溶射材料として用いると、コーティングされて
いる金属が溶けて結合剤として作用して微粉体からなる
溶射層が形成される。この溶射層としては、均一で緻密
なものが期待でき、金属コーティング層が薄いほど微粉
体材料の性質を十分に備えたものが得られる。また、金
属コーティングされた酸化チタン、酸化鉄等の顔料を塗
料中に分散させて塗装すると、導電性を持った塗膜が得
られる。
【0004】
【発明の目的】本発明は、金属コーティングされた無機
質微粉体を、極めて容易に得ることができるコーティン
グ方法を提供することを目的とする。
質微粉体を、極めて容易に得ることができるコーティン
グ方法を提供することを目的とする。
【0005】
【目的を達成するための手段】本発明の無機質微粉体表
面への金属コーティング方法は、アニソール又はジフェ
ニルエーテルに、所定の金属のアセチルアセトナトキレ
ート錯体、還元剤、及び大きさが0.01〜100μm
の無機質微粉体を加え、攪拌しながら加熱還流するもの
であり、無機質微粉体が、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒
化チタン、タングステンカーバイト、クロムカーバイ
ト、又は雲母の、微粉体であることを特徴としている。
面への金属コーティング方法は、アニソール又はジフェ
ニルエーテルに、所定の金属のアセチルアセトナトキレ
ート錯体、還元剤、及び大きさが0.01〜100μm
の無機質微粉体を加え、攪拌しながら加熱還流するもの
であり、無機質微粉体が、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒
化チタン、タングステンカーバイト、クロムカーバイ
ト、又は雲母の、微粉体であることを特徴としている。
【0006】
【0007】また、還元剤としては、水素化物類又はヒ
ドラジン類が好ましく用いられる。水素化物類として
は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウム、水素化
カリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素
カリウム等が挙げられ、ヒドラジン類としては、硫酸ヒ
ドラジニウム、ヒドラジン、一塩化ヒドラジニウム、二
塩化ヒドラジニウム等が挙げられる。
ドラジン類が好ましく用いられる。水素化物類として
は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウム、水素化
カリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素
カリウム等が挙げられ、ヒドラジン類としては、硫酸ヒ
ドラジニウム、ヒドラジン、一塩化ヒドラジニウム、二
塩化ヒドラジニウム等が挙げられる。
【0008】
【作用】鉄、コバルト、ニッケル、銅等の金属のアセチ
ルアセトナトキレート錯体を有機溶媒中で還元すると、
これら金属の微粒子が得られる。従って、無機質微粉体
の存在下で金属の微粒子を合成すると、金属の核が生成
する段階で、微粉体表面とこれらの金属との結合が起こ
り、微粉体表面はこれらの金属で覆われる。なお、アニ
ソール又はジフェニルエーテルという有機溶媒中で反応
させるので、高温処理が可能であり、それ故、無機質微
粉体が、化学的に極めて活性の低い、炭化ケイ素、窒化
ケイ素、窒化チタン、タングステンカーバイト、クロム
カーバイト、及び雲母であっても、上記反応は良好に起
こる。更に、無機質微粉体の大きさが0.01〜100
μmであるので、微粉体表面は、十分且つ均一に上記金
属で覆われる。即ち、100μmより大きいと無機質微
粉体と金属微粒子との出会う確率が極めて低くなり、コ
ーティングが不十分となり、0.01μmより小さい
と、金属微粒子の凝集が生じ、均一なコーティングが困
難となる。
ルアセトナトキレート錯体を有機溶媒中で還元すると、
これら金属の微粒子が得られる。従って、無機質微粉体
の存在下で金属の微粒子を合成すると、金属の核が生成
する段階で、微粉体表面とこれらの金属との結合が起こ
り、微粉体表面はこれらの金属で覆われる。なお、アニ
ソール又はジフェニルエーテルという有機溶媒中で反応
させるので、高温処理が可能であり、それ故、無機質微
粉体が、化学的に極めて活性の低い、炭化ケイ素、窒化
ケイ素、窒化チタン、タングステンカーバイト、クロム
カーバイト、及び雲母であっても、上記反応は良好に起
こる。更に、無機質微粉体の大きさが0.01〜100
μmであるので、微粉体表面は、十分且つ均一に上記金
属で覆われる。即ち、100μmより大きいと無機質微
粉体と金属微粒子との出会う確率が極めて低くなり、コ
ーティングが不十分となり、0.01μmより小さい
と、金属微粒子の凝集が生じ、均一なコーティングが困
難となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。なお、本
発明はこれらの実施例に限られるものではない。
発明はこれらの実施例に限られるものではない。
【0010】
【0011】
【0012】(実施例1) ジフェニルエーテル150mlにトリス(アセチルアセ
トナト)コバルト0.03molを溶解し、これに水素
化ホウ素ナトリウム0.6molを添加し、この浴中に
粒径が30〜50μmのタングステンカーバイトの微粉
体10gを入れ、攪拌しながら250℃で2時間加熱還
流した。得られた微粉体をろ過し、洗浄し、乾燥した。
トナト)コバルト0.03molを溶解し、これに水素
化ホウ素ナトリウム0.6molを添加し、この浴中に
粒径が30〜50μmのタングステンカーバイトの微粉
体10gを入れ、攪拌しながら250℃で2時間加熱還
流した。得られた微粉体をろ過し、洗浄し、乾燥した。
【0013】図1は得られた微粉体を示すSEM写真、
図2は図1に示す微粉体の一部を拡大して示すSEM写
真である。両図からはコーティング層を形成する金属が
粒状に付着していることがわかる。本実施例において
も、タングステンカーバイトの微粉体表面にはコバルト
のみからなるコーティング層が形成された。
図2は図1に示す微粉体の一部を拡大して示すSEM写
真である。両図からはコーティング層を形成する金属が
粒状に付着していることがわかる。本実施例において
も、タングステンカーバイトの微粉体表面にはコバルト
のみからなるコーティング層が形成された。
【0014】(実施例2) ジフェニルエーテル250mlにトリス(アセチルアセ
トナト)鉄0.02molを溶解し、これに水素化アル
ミニウムリチウム0.1molを添加し、この浴中に大
きさが20〜50μmの雲母の微粉体(正確には板状
体)10gを入れ、攪拌しながら250℃で1時間加熱
還流した。得られた微粉体をろ過し、洗浄し、乾燥し
た。
トナト)鉄0.02molを溶解し、これに水素化アル
ミニウムリチウム0.1molを添加し、この浴中に大
きさが20〜50μmの雲母の微粉体(正確には板状
体)10gを入れ、攪拌しながら250℃で1時間加熱
還流した。得られた微粉体をろ過し、洗浄し、乾燥し
た。
【0015】図3は得られた微粉体を示すSEM写真で
ある。図3から、雲母表面の全面に、コーティング層を
形成する金属が付着していることがわかる。即ち、本実
施例においても、雲母の表面には鉄のみからなるコーテ
ィング層が形成された。
ある。図3から、雲母表面の全面に、コーティング層を
形成する金属が付着していることがわかる。即ち、本実
施例においても、雲母の表面には鉄のみからなるコーテ
ィング層が形成された。
【0016】
【0017】
【別の実施例】また、本発明でコーティングする金属
は、銅、亜鉛、クロム、モリブデン等であってもよい。
は、銅、亜鉛、クロム、モリブデン等であってもよい。
【0018】また、本発明で用いる還元剤は、水素化物
類又はヒドラジン類であれば、上記実施例のものに限る
ものではない。
類又はヒドラジン類であれば、上記実施例のものに限る
ものではない。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、炭化ケイ
素、窒化ケイ素、窒化チタン、タングステンカーバイ
ト、クロムカーバイト、又は雲母の微粉体表面に金属コ
ーティング層を形成することができる。
素、窒化ケイ素、窒化チタン、タングステンカーバイ
ト、クロムカーバイト、又は雲母の微粉体表面に金属コ
ーティング層を形成することができる。
【0020】しかも、有機溶媒に、金属のアセチルアセ
トナトキレート錯体、還元剤、無機質微粉体を加え、攪
拌しながら加熱還流するだけでよいので、極めて容易に
行なうことができる。
トナトキレート錯体、還元剤、無機質微粉体を加え、攪
拌しながら加熱還流するだけでよいので、極めて容易に
行なうことができる。
【0021】更に、攪拌しながら行なうため、上記錯
体、還元剤、及び無機質微粉体は有機溶媒中にて均一に
分散し、微粉体表面は均等に金属と出会うこととなる。
従って、均一な厚さの金属コーティング層を形成するこ
とができる。
体、還元剤、及び無機質微粉体は有機溶媒中にて均一に
分散し、微粉体表面は均等に金属と出会うこととなる。
従って、均一な厚さの金属コーティング層を形成するこ
とができる。
【0022】また、加えるものの量的割合を容易に変更
できるので、金属コーティング層の厚さを容易に調整で
き、例えば非常に薄くできる。
できるので、金属コーティング層の厚さを容易に調整で
き、例えば非常に薄くできる。
【図1】 粒子構造を示す図面に代わる写真であって、
実施例1において得られた微粉体を示すSEM写真であ
る。
実施例1において得られた微粉体を示すSEM写真であ
る。
【図2】 粒子構造を示す図面に代わる写真であって、
図1に示す微粉体の一部を拡大して示すSEM写真であ
る。
図1に示す微粉体の一部を拡大して示すSEM写真であ
る。
【図3】 粒子構造を示す図面に代わる写真であって、
実施例2において得られた微粉体を示すSEM写真であ
る。
実施例2において得られた微粉体を示すSEM写真であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 慎一 大阪府大阪市淀川区三国本町3丁目9番 39号 株式会社日本アルミ内 (72)発明者 池田 承治 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 入山 裕 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本 ペイント株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−69901(JP,A) 特開 昭63−303004(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】 アニソール又はジフェニルエーテルに、
所定の金属のアセチルアセトナトキレート錯体、還元
剤、及び大きさが0.01〜100μmの無機質微粉体
を加え、攪拌しながら加熱還流するものであり、 無機質微粉体が、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化チタ
ン、タングステンカーバイト、クロムカーバイト、又は
雲母の、微粉体であることを特徴とする無機質微粉体表
面への金属コーティング方法。 - 【請求項2】 上記所定の金属は、ニッケル、鉄、コバ
ルト、銅、亜鉛、クロム、又はモリブデンである請求項
1記載の無機質微粉体表面への金属コーティング方法。 - 【請求項3】 上記還元剤は、水素化物類又はヒドラジ
ン類である請求項1記載の無機質微粉体表面への金属コ
ーティング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4196299A JP2695099B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 無機質微粉体表面への金属コーティング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4196299A JP2695099B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 無機質微粉体表面への金属コーティング方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0649651A JPH0649651A (ja) | 1994-02-22 |
JP2695099B2 true JP2695099B2 (ja) | 1997-12-24 |
Family
ID=16355502
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4196299A Expired - Fee Related JP2695099B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | 無機質微粉体表面への金属コーティング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2695099B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SE504244C2 (sv) * | 1994-03-29 | 1996-12-16 | Sandvik Ab | Sätt att tillverka kompositmaterial av hårdämnen i en metallbindefas |
JP4861802B2 (ja) * | 2006-11-30 | 2012-01-25 | 国立大学法人 筑波大学 | Fe/Pd複合ナノ粒子の製造方法 |
US10892075B2 (en) | 2015-09-25 | 2021-01-12 | Lg Chem, Ltd. | Composition for 3D printing |
CN110014146B (zh) * | 2019-05-22 | 2020-06-26 | 中国矿业大学 | 一种镍钼铁铬-金刚石合金复合粉末及其制备方法和用途 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6369901A (ja) * | 1986-09-09 | 1988-03-30 | Daido Steel Co Ltd | 焼結用複合粉末及びその製造法 |
JPS63303004A (ja) * | 1987-06-01 | 1988-12-09 | Nippon Steel Corp | 金属粉末の製造方法 |
-
1992
- 1992-06-29 JP JP4196299A patent/JP2695099B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0649651A (ja) | 1994-02-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |