JP2694474B2 - 天然セルロース繊維のフィブリル化装置 - Google Patents

天然セルロース繊維のフィブリル化装置

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JP2694474B2 JP2198121A JP19812190A JP2694474B2 JP 2694474 B2 JP2694474 B2 JP 2694474B2 JP 2198121 A JP2198121 A JP 2198121A JP 19812190 A JP19812190 A JP 19812190A JP 2694474 B2 JP2694474 B2 JP 2694474B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、乾式でフィブリル化された天然セルロース
繊維を製造する方法及びその方法に使用される装置に関
する。
〔従来技術及びその解決課題〕
従来より、綿や麻繊維などの天然セルロース繊維をフ
ィブリル化する方法は公知であり、その方法は、叩解、
即ち、湿式でフィブリル化する方法である。湿式である
ため、フィブリル化天然セルロース繊維には、水分が付
着しており、そのため、例えば、充填財としてゴムなど
に配合する場合に、ゴム中に均一に混合できないなど問
題となっていた。
また、叩解作用に付される天然セルロース繊維は、そ
こに含まれるヘミセルロースを除去するため、100℃前
後で精練されており、その結晶化度は50以上で、重合度
は2000〜5000といった、高結晶化度、高重合度のもので
ある。
しかしながら、このような高結晶化度、高重合度の天
然セルロース繊維を直接叩解しようとしても、天然セル
ロース繊維の強度が高いために、効果的に叩解を行うこ
とは難しい。そのため、精練された天然セルロース繊維
は、叩解する前に、一旦高温、高圧で蒸解し、その強度
を低下させるならどの脆化を起させる必要がある。従っ
て、得られたフィブリル化天然セルロース繊維は、特性
の劣化を生じているため、その用途は限定され、例え
ば、パルプの代替品としての増量剤や、セルロース加工
原料などの用途が主体となるに過ぎなかった。そこで、
高結晶化度や高重合度などの天然セルロース繊維の有す
る優れた特性を有効に活用でき、広範囲の素材、例えば
アスベスト代替品や充填剤等、更にその他の複合素材な
どの用途に使用できるフィブリル化天然セルロース繊維
が強く要望されていた。
〔発明の目的〕
従って、本発明は、本来の天然セルロース繊維の有す
る特性を劣化させることなく、天然セルロース繊維をフ
ィブリル化できる方法及び装置を提供することを目的と
する。
〔発明の構成〕
本発明者は、上記目的を達成するため、鋭意検討した
結果、乾燥状態で天然セルロース繊維の短繊維を解砕す
ることにより、天然セルロース繊維を乾式でフィブリル
化できることを見出し、本発明に到達したものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で使用される天然セルロース繊維は、ヘミセル
ロースなど、セルロース繊維以外の成分を予め除去した
セルロース単繊維の集合体が好ましい。例えば、麻を原
料とする場合には、ヘミセルロースを除去するために精
練することが必要である。一方、綿のようにもともとセ
ルロース単繊維の集合物からなる場合には、そのような
精練工程を経る必要はない。
第1図は、本発明で使用される天然セルロース繊維の
形状を示す拡大写真である。
天然セルロース繊維は、所定の長さに切断された短繊
維であることが必要である。長繊維の状態で本発明の処
理に付する場合には、均一なセルロース繊維をフィブリ
ル化することは困難である。通常、天然セルロース繊維
の長さは、0.3〜2.0mmであることが好ましい。
天然セルロース繊維の短繊維は、乾燥状態で解砕(剪
断応力)されて、フィブリル化される。第2図は、フィ
ブリル化された天然セルロース繊維の形状を示す拡大写
真である。
なお、天然セルロース繊維を解砕する過程で、熱が発
生するので、フィブリル化を行う間に、熱によりセルロ
ース繊維が悪影響を受けないように、冷却することが好
ましい。
以下、上記フィブリル化を有効に実施するための装置
について詳細に説明する。
本発明の装置は、解砕領域を形成するためのハウジン
グと、該解砕領域内に配置されたロータと、該ロータと
一体的に回転されるハンマと、該ハンマの外端面と所定
の間隔を隔てて、所定の粗さを有する周面を形成する周
面形成手段とを有する解砕装置を含む構成となってい
る。
本発明の上記構成によれば、ハンマは、その回転によ
って、ハンマの外端面と上記周面との間に挿入された天
然セルロース繊維の外表面を解砕して、天然セルロース
繊維の外部フィブリル化を行うとともに、天然セルロー
スの内部に剪断応力を作用させて、内部フィブリル化を
行うので、乾式法により天然セルロース繊維をフィブリ
ル化することができる。
本発明の好ましい実施態様においては、前記ハウジン
グは、冷却水が循環される冷却水室を備えている。この
構成によれば、解砕に伴う発熱が冷却水によって吸収さ
れることから、上記周面への天然セルロース繊維の焼付
きなどが防止される。
本発明の別の好ましい実施態様においては、前記解砕
装置は、前記ハウジングと協働して解砕領域を形成する
スクリーンを有し、該スクリーンは、フィブリル化され
た天然セルロース繊維のみを選択的に通過させる複数の
孔部を備えている。この構成によれば、フィブリル化さ
れた天然セルロース繊維のみがスクリーンを通過するの
で、フィブリル化した天然セルロース繊維をフィブリル
化していない天然セルロース繊維から容易に分離するこ
とが可能となる。
更に好ましくは、フィブリル化すべき天然セルロース
繊維を前記解砕領域に案内するとともに、前記スクリー
ンの前後に所定の差圧を形成する吸気手段が設けられ
る。これによって、所望のフィブリル化がなされた天然
セルロース繊維のみを差圧の下で連続的に送りだすこと
ができるので、フィブリル化された天然セルロース繊維
を、連続運転によって、比較的大量に製造することが可
能となる。
(実施例) 以下、図面を参照しながら、本発明の装置の実施例に
ついて説明する。
第3図及び第4図は、本発明の実施例に係るフィブリ
ル化天然セルロース繊維の製造装置の全体構成を概略的
に示す正面図及び平面図である。
第3図及び第4図において、フィブリル化天然セルロ
ースの製造装置1は、予備工程により所望の繊維長に切
断された天然セルロース繊維が供給される原料供給装置
10、原料供給装置10によって供給される天然セルロース
繊維を解砕する解砕機20、解砕機20によって解砕された
天然セルロースを給送する輸送管30、輸送管30の下流側
端が接続されているフィルターユニット40、フィルター
ユニット40の下端部分に接続されているホッパ50、及び
吸気管61を介してフィルターユニット40の上端部分と接
続されているブロワーユニット60とから略構成されてい
る。
原料供給装置10は、天然セルロースの原料を解砕機20
の上方から解砕機20に供給するために、仮想線で示す架
台11に支持されている。原料供給装置10は、上記天然セ
ルロース繊維が投入される原料ホッパ12と、原料ホッパ
12に投入された天然セルロース繊維を解砕機20に向かっ
て移送するスクリュー式フィーダー13と、フィーダー13
の吐出口13aから吐出された天然セルロース繊維を上面
で受ける振動板14とを備えている。フィーダー13は図示
しないモータに連結され、モータの作動によって所定の
方向に回転されるように構成されている。また、振動板
14は、天然セルロースを均一な送り速度で解砕機20の原
料受け口21に案内するように、図示しない振動手段によ
って振動される。
解砕機20は、仮想線で示すフレーム20aに支持されて
おり、上記原料受け口21と、解砕領域を形成するための
ハウジング23とを備えている。また、原料受け口21とハ
ウジング23との間には、ロータ24の回転によって生じる
騒音を吸収するための消音器22が介挿されている。
第5図は、第3図及び第4図に示す解砕機20の概略断
面図であり、第6図は、第5図に示すハンマの外端部分
を概略的に示す拡大断面図である。また、第7A図及び第
7B図は、第5図に示す内側被覆部材を構成している被覆
ブロックの各々を示す斜視図である。
第5図に示すように、消音器22の下端が、ハウジング
23に形成された原料案内通路23aと連通している。ハウ
ジング23内には、ハウジング23に回転可能に支持された
ロータ24と、ロータ24から半径方向外方に延びるように
ロータ24に枢着された複数のハンマ25と、ハンマ25の外
端面から半径方向外方に所定の間隔を隔てた周面を形成
している内側被覆部材26と、ロータ24の下側に配置され
た全体的に半円状のスクリーン27とが配置されている。
また、ハウジング23には、冷却水室23bが形成されてお
り、冷却水室23bは、冷却水入口ポート23c及び冷却水出
口ポート23dを介して、図示しない冷却水供給管路及び
冷却水戻し管路にそれぞれ連結されている。
ロータ24は、解砕機20の回転軸線方向に延びる回転軸
24aと、回転軸24aに一体的に支持された略円板状のハン
マ支持部材24bとから構成されている。回転軸24aは、図
示しない軸受を介してハウジング23に回転自在に支持さ
れるとともに、第4図に示すように、ハウジング23を貫
通して回転軸線方向に延び、プーリ(図示せず)及び無
端ベルト24cを介して、電動機29に連結されている。
ハンマ25の各々は、半径方向に延びるアーム部25a
と、アーム部25aの半径方向外端部分に一体的に連結さ
れている解砕部25bとからなり、アーム部25aの半径方向
内端部は、ハンマ支持部材24bの側面に固定軸25cを介し
て回動可能に支持されている。
第5A図に示すように、ロータ24の回転軸線方向に整列
して、2つの解砕部25bが配列されており、各列におけ
る一方の解砕部25bと、他方の解砕部25bとは、異なる長
さを有し、互いに所定の間隔を隔てている。周方向に隣
合う解砕部25bも又、異なる長さを有しており、比較的
長い長さに設定された解砕部25bと、比較的短い長さに
設定された解砕部25bとが周方向に交互に配列されてい
る。したがって、回転軸線方向に列をなす2つの解砕部
25bの間の間隙は、回転軸線方向の中央部に配置された
ハンマ支持部材24bの両側に交互に位置決めされ、周方
向に千鳥状に配列されている。
また、第6図に示すように、ハンマ25の解砕部25b
は、その外端面が、内側被覆部材26の周面から所定の間
隔l、例えば、1mmの間隔を隔てて、該周面と相補する
ように湾曲している。
更に、内側被覆部材26は、第7A図に示すように、表面
に所定の粗さを有する被覆ブロック26a、26bを組み合わ
せることによって形成されている。被覆ブロック26a、2
6bは、第7B図に示すように、複数の突出部と、各突出部
に隣接する複数の溝部とを備えており、第7B図に矢印で
示す解砕部25bの進行方向に対して、相対的に大きな摩
擦抵抗が作用するようにハウジング23の内周面に取付け
られる。被覆ブロック26a及び被覆ブロック26bは、互い
に類似する形状を有するが、突出部の高さhが互いに異
なっており、第6図に示すように、周方向に交互に配置
される。
スクリーン27は、第5図に示すように、ロータ24の下
側に配置され、内側被覆部材26と協働して、略円筒状の
解砕領域を形成しており、スクリーン27は、スクリーン
27の前後の雰囲気に所定の差圧が形成されたときに解砕
された天然セルロース繊維のみを選択的に通過させる複
数の孔部27aを備えている。孔部27aの各々は、例えば、
第8A図に示すような長孔状の開口に形成され、その最小
径Dは、好ましくは、0,3mm乃至1.5mmに設定される。
解砕機20は又、スクリーン27の下方に、スクリーン27
を通過した天然セルロース繊維を受けるシュート28を備
えており、シュート28は、下方に延びるにつれて縮径
し、その下端部に、輸送管30と連通する開口(図示せ
ず)が形成されている。
輸送管30は、第1図に示すように、解砕機20から側方
に延び、更に、上方に屈曲して、フィルターユニット40
の上端部に接続されている。
フィルターユニット40は、仮想線で示す架台41によっ
て支持されており、その内部空間が、所定の集塵効率を
有するバグフィルタ42によって、捕捉室43と排気44とに
区画されている。輸送管30は捕捉室43と連通し、また、
吸気管61は排気室44と連通し、更に、ホッパ50は捕捉室
43と連通している。
ホッパ50は、その上端部が捕捉室42の幅及び奥行と相
応する幅及び奥行を有し、下方に延びるにつれて縮径し
ている。ホッパ50の下端部分には、床面(図示せず)か
ら所定の高さにロータリーバルブ51が配設されており、
フィブリル化された天然セルロース繊維の搬出を可能に
するための所望の搬出空間が、ロータリーバルブ51の下
方に形成される。ロータリーバルブ51は、図示しない駆
動機構に作動的に連結された回転軸と、該回転軸から放
射状に延びる複数の弁体とを備えており、ホッパ50内の
領域と周囲雰囲気とを隔絶しながら、ホッパ50内に蓄積
した天然セルロース繊維を下方に放出できるように構成
されている。
ブロワーユニット60は、第4図に示すように、風量調
整用ダンパ62を介して、吸気管61に接続されており、解
砕機20の原料受け口21から、解砕機20、輸送管30、輸送
管30、フィルターユニット40及び吸気管61を介して、製
造装置1の周囲雰囲気の空気を吸気するのに充分な吸気
能力を有する電動機付送風機からなる。なお、輸送管30
は、所望により、シュート28の下流側から周囲雰囲気の
空気を輸送管30に直接導入することができるバイパスバ
ルブ31を備えており、バイパスバルブ31には、消音器
(図示せず)が取り付けられている。
このように構成された製造装置1は、以下の如く作動
される。
製造装置1は、運転時に、原料供給装置10のモータ、
解砕機20の原動機28、ブロアーユニット60の電動機及び
ロータリーバルブ51の駆動装置が作動される。好ましく
は、ブロワーユニット60の電動機が比較的早期に作動さ
れ、解砕機20及び輸送管30が掃気される。また、解砕機
20の冷却水室23bに、図示しない冷却水供給装置から、
冷却水供給管路及び冷却水戻し管路を介して、所望の温
度の冷却水が給排される。
所定の予備工程により、図示しない予備加工装置、例
えば、小野打社製D型ギロチンタイプの高速切断機や、
スクリーン装置などによって、所望の繊維長に定長化さ
れた短繊維の天然セルロース繊維が、原料供給装置10の
原料ホッパ11に投入され、天然セルロース繊維は、スク
リュー式フィーダー12の回転によって、吐出口13aから
振動板14上に落下し、振動板14の振動によって、比較的
均一な移送速度で解砕機20の受け口21内に案内される。
受け口21は、ブロアユニット60の吸気作用によって、周
囲の空気を吸引しており、受け口21に案内された天然セ
ルロース繊維は、受け口21、消音器22及び原料案内通路
23aを通って、解砕機20の内部、即ち、解砕領域に達す
る。
ロータ24は、原動機28の作動によって、第5図に矢印
で示す方向に所定の回転速度で回転され、ロータ24に枢
着されたハンマ25は、ロータ24の回転によって作用する
遠心力により、半径方向外方に最も延びた状態、即ち、
内側被覆部材26から所定の間隔lを隔てた状態で安定
し、回転される。なお、ロータ24の上記所定の回転速度
は、例えば、ハンマ25の外端面が100乃至130m/sの周速
で回転されるように設定される。
解砕機20の解砕領域に達した天然セルロース繊維は、
ハンマ25の外端部分によって、内側被覆部材26の周面に
沿って上昇され、ハンマ25の外端面と内側被覆部材26の
内側面との間に挿入される。ハンマ25の各列を構成する
2つの解砕部25bの間の間隙が、周方向に千鳥状に配列
されており、また、異なる高さの突出部を有する被覆ブ
ロック26a、26bが、周方向に交互に配置されていること
から、ハンマ25の回転に伴って解砕領域に乱気流が生じ
るので、天然セルロース繊維は、ハンマ25の外端面と内
側被覆部材26の内側面との間に局部的に偏って挿入され
ることなく、比較的均一に挿入されるとともに、各一定
の方向に配向することなく、ランダムに配向される。
解砕部25bと内側被覆部材26の内側面との間に挿入さ
れた天然セルロース繊維は、内側被覆部材26の内側面の
摩擦抵抗と、ハンマ25の回転に伴って該内側面に対して
相対運動する解砕部25bの解砕作用によって、その外表
面が解砕され、外部フィブリル化が施される。また、天
然セルロース繊維は、内側被覆部材26の内側面と解砕部
25の相対運動により、その内部に剪断応力が作用し、内
部フィブリル化が施される。
かくしてフィブリル化した天然セルロース繊維は、ブ
ロアユニット60の吸気作用によって全体的にスクリーン
27に向かうように形成された気流により、スクリーン27
上に運ばれて、スクリーン27に付着し、更に、スクリー
ン27の通気抵抗によりスクリーン27の前後に生じている
差圧により、所望のフィブリル化がなされた天然セルロ
ース繊維のみがスクリーン27を選択的に通過する。スク
リーン27を通過した天然セルロース繊維は、ブロアユニ
ット60の吸気作用により、シュート28及び輸送管30を介
して、フィルターユニット40の捕捉室43に給送され、バ
グフィルタ42によって、搬送媒体である空気と分離さ
れ、ホッパ50内に落下し、更に、ロータリーバルブ51の
回転によって、ホッパ50の下方に順次放出される。
このように、上記製造装置1は、解砕機20を有し、解
砕機20は、解砕領域を形成するためのハウジング23と、
解砕領域内に配置されたロータ24と、ロータ24と一体的
に回転されるハンマ25と、ハンマ25の外端面と所定の間
隔を隔てて所定の粗さを有する周面を形成する内側被覆
部材26とを有しており、ハンマ25の回転によって、ハン
マ25の外端面と内側被覆部材26の内側面との間に挿入さ
れた天然セルロース繊維は、その外表面が解砕され、外
部フィブリル化が行われるとともに、その内部に剪断応
力が作用し、内部フィブリル化が行われる。かくして、
天然セルロース繊維は、叩解することなく、即ち、湿式
法によることなく、乾式法によりフィブリル化される。
また、ハウジング23に冷却水が循環される冷却水室23
bが形成され、解砕に伴う発熱が冷却水によって吸収さ
れることから、内側被覆部材26への天然セルロース繊維
の焼付きが防止される。
更に、解砕機20は、内側被覆部材26と協働して解砕領
域を形成するとともに、ブロアユニット60の吸気作用に
よって、フィブリル化した天然セルロース繊維のみを選
択的に通過させる複数の孔部27aを有するスクリーン27
を備えているので、所望のフィブリル化がなされた天然
セルロース繊維のみを連続的に送りだすことができ、か
くして、フィブリル化した天然セルロース繊維を、連続
運転によって、比較的大量に製造することが可能とな
る。
本発明は、上記実施例に限定されることなく、種々の
変形又は変更が可能であり、それらも特許請求の範囲に
記載された発明の範囲内に包含されるものであることは
いうまでもない。
例えば、上記実施例において、上記スクリーン27の孔
部27aは、長孔状に形成されているが、第8B図又は第8C
図に示すように菱形又は円形のものを選択しても良く、
或いは、これと同等の各種形状のものを選択しても良
い。
また、内側被覆部材26は、2種類の被覆ブロック26
a、26bを組み合わせることによって形成されているが、
かかる被覆ブロックによって形成される周面を他の方
法、例えば、一体的なライナによって形成しても良い。
更に、上記実施例においては、ハウジング23に冷却水
室23bを設けることによって解砕時の発熱を除去してい
るが、冷却水室23bによる冷却とともに、或いは、これ
に代えて、製造装置1の周囲雰囲気の温度を空調装置に
よって所望の温度に冷却し、解砕領域に導入される比較
的低温の空気によって、解砕時の発熱を除去することも
可能である。
また、ハンマ25の外端面の周速及びハンマ25の外端面
と内側被覆部材26との間隔lは、上記実施例において説
明した周速又は間隔に限定されるものではなく、内側被
覆部材26に天然セルロース繊維の焼付きなどが生じた
り、或いは、ロータの回転抵抗により、原動機28に過負
荷が生じないように、フィブリル化すべき繊維の種類に
応じて、適当に選択されるべきものであり。
更に、天然セルロースを定長化する予備工程に用いら
れる各装置は、所望の定長化を行うことができる従来知
られた種々のものを採用できることはいうまでもない。
例えば、上記実施例において説明した小野打社製D型ギ
ロチンタイプの高速切断機に代えて、ターボ工業社製タ
ーボカッターなどを適用可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、天然セルロース繊維の形状を示す拡大写真で
ある。 第2図は、本発明の方法により得られたフィブリル化天
然セルロース繊維の形状を示す拡大写真である。 第3図及び第4図は、本発明の実施例に係るフィブリル
化天然セルロースの製造装置の全体構成を概略的に示す
正面図及び平面図である。 第5図は、第3図及び第4図に示す解砕機の概略断面図
である。 第5A図は、第5図のA−A線における断面図である。 第6図は、第5図に示すハンマの外端部分を概略的に示
す拡大断面図である。 第7A図及び第7B図は、第5図に示す内側被覆部材を構成
する被覆ブロックの各々を示す斜視図である。 第8A図は、第5図に示すスクリーンに形成される孔部の
形状を示す説明図であり、第8B図及び第8C図は、その変
形例を示す説明図である。 (符号の説明) 1……フィブリル化天然セルロースの製造装置 10……原料供給装置、20……解砕機 21……原料受け口、22……消音器 23……ハウジング 23b……冷却水室、24……ロータ 24a……回転軸 24b……ハンマ支持部材 25……ハンマ、25a……アーム部 25b……解砕部、26……内側被覆部材 26a、26b……被覆ブロック 27……スクリーン、28……シュート 29……原動機、30……輸送管 40……フィルターユニット 50……ホッパ 60……ブロワーユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上用 秀樹 千葉県浦安市堀江6―5―23 (56)参考文献 特開 昭50−102180(JP,A) 特開 平2−14088(JP,A) 特公 昭44−3230(JP,B2)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロース単繊維である天然セルロース繊
    維の短繊維を解砕する天然セルロース繊維のフィブリル
    化装置であって、 解砕領域を形成するハウジング(23)と、 該解砕領域内に配置されたロータ(24)と、 該ロータと一体的に回転するハンマ(25)と、 前記ローラを回転させる駆動装置(29)と、 前記ハンマと協働して前記天然セルロース単繊維の短繊
    維を外部フィブリル化し且つ内部フィブリル化する周面
    形成部材(26)と、 前記短繊維の解砕により発生する熱を除去する冷却手段
    (23b、23c、23d)と、 前記解砕領域を画成するとともに、フィブリル化した天
    然セルロース繊維のみを選択的に通過させる孔部(27
    a)を備えた繊維分離スクリーン(27)とを有し、 前記周面形成部材は、前記短繊維を外部フィブリル化し
    且つ内部フィブリル化することができる所定の粗さを有
    し、 前記ハンマの外端面と、前記周面形成部材とは、前記短
    繊維を外部フィブリル化し且つ内部フィブリル化するこ
    とができる所定距離の間隔(l)を隔てて位置決めされ
    ることを特徴とするフィブリル化装置。
  2. 【請求項2】前記冷却手段は、前記ハウジングに設けら
    れ且つ冷却水が循環する冷却室(23b)と、該冷却室に
    冷却水を給排する冷却水供給管路及び冷却水戻し管路
    (23c、23d)とを備え、前記天然セルロース繊維の解砕
    時に発生する熱を前記冷却水により除去するようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載のフィブリル化装置。
  3. 【請求項3】前記繊維分離スクリーン(27)は、前記ハ
    ウジングと協働して解砕領域を形成し、該スクリーン
    は、フィブリル化した天然セルロース繊維のみを選択的
    に通過させる多数の孔部(27a)を有することを特徴と
    する請求項1又は2に記載のフィブリル化装置。
  4. 【請求項4】所定の繊維長に定長化された天然セルロー
    ス繊維の短繊維が供給される原料供給装置(10)が設け
    られ、 該原料供給装置は、前記短繊維が投入される原料ホッパ
    (12)と、天然セルロース繊維を前記ハウジングの原料
    案内通路(23a)に対して供給するフィーダー(13)
    と、該フィーダーが送出した短繊維に振動を与えて前記
    原料受け口に移送するように、前記フィーダー(23)と
    前記原料受け口(21)との間に配置された振動板(14)
    とを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    1項に記載のフィブリル化装置。
  5. 【請求項5】前記原料案内通路(23a)には、前記ロー
    タの回転時に解砕領域に生じる騒音を吸収する消音器
    (22)が配設されることを特徴とする請求項4に記載の
    フィブリル化装置。
  6. 【請求項6】フィブリル化すべき天然セルロース繊維の
    短繊維を前記解砕領域に導入し且つ前記スクリーン(2
    7)の前後に所定の差圧を形成する吸気装置(60)が設
    けられ、 該吸気装置は、前記フィブリル化した繊維が前記スクリ
    ーンの孔部を通過して解砕領域のフィブリル化前の短繊
    維から強制的に分離されるように、前記スクリーン前後
    に差圧を形成することを特徴とする請求項1乃至5のい
    ずれか1項に記載のフィブリル化装置。
  7. 【請求項7】前記吸気装置(60)は、フィルターユニッ
    ト(40)を介して前記スクリーン(27)に連通し、該フ
    ィルターユニットは、前記スクリーンの孔部を通過した
    フィブリル化繊維を捕捉する繊維/気流分離用フィルタ
    ー(42)を備えることを特徴とする請求項6に記載のフ
    ィブリル化装置。
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