JP2690228B2 - アリーレンスルフィド重合体とその調製方法 - Google Patents

アリーレンスルフィド重合体とその調製方法

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JP2690228B2 JP3281209A JP28120991A JP2690228B2 JP 2690228 B2 JP2690228 B2 JP 2690228B2 JP 3281209 A JP3281209 A JP 3281209A JP 28120991 A JP28120991 A JP 28120991A JP 2690228 B2 JP2690228 B2 JP 2690228B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はアリーレンスルフィド重合体に関
する。一つの面では、本発明はフェニレンスルフィド重
合体の製造に関する。別の面では、本発明は高い押出量
または低い内部粘度を有するアリーレンスルフィド重合
体の製造に関する。更に別の面では、本発明は重合体末
端基の官能価がコントロール可能なアリーレンスルフィ
ド重合体の製造に関する。尚、別の面では、本発明は、
アルキル、アルケニル、官能化されたアルキル又は官能
化されたアルケニルからなる末端基を有するアリーレン
スルフィド重合体に関する。
【0002】極性の有機化合物の存在でアルカリ金属硫
化物と反応させることによってポリハロ‐置換芳香族化
合物からアリーレンスルフィド重合体を製造する基本的
な方法が米国特許第3,354,129号明細書に開示さ
れている。同じくまた、この特許明細書は、重合反応混
合物の中で、連鎖停止剤としてモノハロ‐置換芳香族化
合物を使用することによって、又は例えば、p‐ジクロ
ロベンゼンのような反応体の一つにその過剰量を使用す
ることによって、アリーレンスルフィド重合体の分子量
を減少できることを開示する。反応物であるジハロ‐置
換芳香族化合物の過剰量の使用は、添加された反応物質
のコストが増加すること、重合体の回収が困難になるこ
と、、及び過剰量のジハロ‐置換芳香族を回収してそれ
を重合帯域にリサイクルする必要があること等の不利益
を受ける。それに加えて、減少した分子量を有するアリ
ーレンスルフィド重合体を得る為に連鎖停止剤としてモ
ノハロ‐置換の芳香族化合物を使用する以前の試みは一
般に不満足な結果を与えてきたが、その理由は(1)モノ
ハロ‐置換の芳香族化合物の反応性がポリハロ‐置換の
芳香族化合物モノマーを使用した場合と競合できる程に
高くなく、従ってその存在で製造される重合体には事実
上何の影響も持たなかったか、又は(2)モノハロ‐化合
物はポリハロ‐置換の芳香族化合物に関して相対的に活
性化されてはいたけれども、重合および/または重合体
回収の条件下では不安定な活性基を持ち、その為に重合
体の不安定性を促進したか、又は(3)モノハロ‐化合物
はポリハロ‐置換の芳香族化合物に関して相対的に活性
化されてはいたが、ポリハロ‐置換の芳香族化合物に比
較すると相対的に高価であったかのいずれかであるから
である。
【0003】アリーレンスルフィド重合体の特徴は、少
なくとも部分的には溶融流量を用いて表わすことができ
る。一般に、溶融流量は重合体物質全般に就いてその分
子量に逆比例すると考えられるが、アリーレンスルフィ
ド重合体の場合は特に然りである。この後でもっと詳細
に定義するが、押出量は溶融流量の特定の形式であっ
て、それは低分子量領域のアリーレンスルフィド重合体
を特徴付けるのに特に有用である。同じくまた、アリー
レンスルフィド重合体は、少なくとも部分的には内部粘
度の点から特徴付けることができる。一般に、この後に
もっと詳しく定義するように、内部粘度は重合体物質全
般の分子量に正比例するものと考えられるが、アリーレ
ンスルフィド重合体に就いては特に然りである。
【0004】比較的高い押出量または比較的低い内部粘
度を有するアリーレンスルフィド重合体は、電子部品の
カプセル封入と被覆組成物(配合処方物、フォーミュレ
ーション)などの種々の用途に望ましいものである。例
えば、米国特許第4,437,182号及び同第4,48
2,665号各明細書は、電子部品のカプセル封入に用
いられるアリーレンスルフィド重合体からなる組成物の
典型的な開示を与える。
【0005】重合体末端基の官能価をコントロールでき
るアリーレンスルフィド重合体は、重合体の金属基板へ
の接着性および/または重合体の繊維強化を改良するの
に望ましいものである。同じく又そのような重合体は、
希望する官能価を有する重合体の末端基の位置で反応さ
せることによって共重合体を調製する時に用いるのに好
ましいものである。共重合体はポリマーブレンドにおけ
る相溶化剤として特に有用であろう。
【0006】本発明によれば、(a)少なくとも一種の硫
黄源、少なくとも一種の環式の有機アミド、及び少なく
とも一種のジハロ芳香族化合物を接触させて重合用混合
物を形成し、(b)該重合用混合物をアリーレンスルフィ
ド重合体を形成するに足る温度と時間の重合条件下に重
合せしめ、(c)得られたアリーレンスルフィド重合体を
回収するプロセスからなり、該プロセスは適当なオレフ
ィンの存在下で行われる、アリーレンスルフィド重合体
の調製方法が提供される。別の具体例では、オレフィン
は、重合用混合物を重合条件下に重合させる前か、又は
重合用混合物を重合させている最中のいずれかに重合用
混合物に添加することができる。
【0007】別の具体例では、アルキル基、アルケニル
基、官能化されたアルキル基、官能化されたアルケニル
基及びそれらの組み合わせから構成される群から選ばれ
る適当なオレフィンの存在で重合することによって生ず
る末端基からなるアリーレンスルフィド重合体組成物が
提供される。
【0008】本発明は、押出量または内部粘度で測定し
たときに容易にコントロールできる分子量および/また
は容易にコントロールできる重合体の末端官能価を有す
るアリーレンスルフィド重合体組成物とアリーレンスル
フィド重合体の調製方法に関し、次の工程から構成され
る。すなわち、(a)少なくとも一種の硫黄源と少なくと
も一種の環式の有機アミドからなる水性の混合物を脱水
して脱水された混合物を形成し、(b)少なくとも一種の
ジハロ芳香族化合物を前記の脱水された混合物と接触さ
せて重合用混合物を造り、(c)重合用混合物をアリーレ
ンスルフィド重合体を形成するに足る温度と時間の重合
条件下に重合させ、そして(d)アリーレンスルフィド重
合体を回収する工程からなり、この場合に本方法では炭
素原子数が2〜約20のオレフィンの存在で行なわれ
る。本発明に従って造られた比較的高い押出量または比
較的低い内部粘度を有するアリーレンスルフィド重合体
は、容易に回収することができ、そのような高い押出量
または比較的低い内部粘度を持つアリーレンスルフィド
重合体が望ましいような用途、例えば、電子部品のカプ
セル封入と被覆(コーティング)で使用するのに良く適し
ている。本発明に従って造られた所望の官能価の重合体
末端基を有するアリーレンスルフィド重合体は、容易に
回収することができ、そのような重合体の末端基官能価
が望ましい用途、例えば、金属基板への改良された接着
性および/または繊維強化に、又ブレンド相溶化剤とし
て用いられる共重合体の調製に良く適している。
【0009】“アリーレンスルフィド重合体"という用
語は次の式:
【0010】
【0011】によって定義され、式中、 ‐Ar‐S‐ は反復単位であり、iは重合体分子の中の反復単位の数
であり、そしてArは次の群
【0012】
【0013】から選ばれる。上の式で各Rは、水素と炭
素原子数が1から約4のアルキル基から構成される群か
ら選ばれ、R基の総てにおける炭素原子の総数は0から
約12である。
【0014】明細書全体を通して用いられる“押出量"
という用語は、長さ31.8mmのオリフィスと5分間
の予熱時間を持つように修正されたASTM D 123
8‐86、条件315/0.345に基づいて測定される
溶融重合体の溶融流量値を指す。前にも述べたように、
押出量は低分子量領域におけるアリーレンスルフィド重
合体の特徴を表わす場合に特に有用な溶融流量値の特定
の形式である。
【0015】明細書全体を通して用いられる“内部粘
度"という用語は、g/dLで表わした重合体溶液の濃度に
対する相対粘度の自然対数の比である希薄溶液の粘度を
指す。相対粘度は重合体の特定の溶液の流れ時間と純溶
媒の流れ時間との比である。アリーレンスルフィド重合
体の場合の内部粘度は、一般にASTM D1243‐
79に記述された方法に従って測定されるが、その場
合、乾燥した重合体の試料は、No.50Cannon‐Fens
ke粘度計を用いて温度210℃で、重合体の濃度が0.
4グラム/デシリットル(g/dL)になるように1‐クロロ
ナフタレンに溶解される。前にも述べたように、内部粘
度は分子量の函数としての一つの測定値であり、低分子
量領域におけるアリーレンスルフィド重合体の特徴を表
現するのに特に有用なものである。
【0016】本発明に従って用いられる適当なオレフィ
ンは、炭素原子数が2〜約20のアルケン、炭素原子数
が2〜約20のジエン、式
【0017】
【0018】及び
【0019】
【0020】によって表わされる官能化されたアルケ
ン、及び式
【0021】
【0022】によって表わされる官能化されたジエンか
ら構成される群から選ばれる。
【0023】上記式中、R′は、水素と炭素原子数が1
から約10のアルキル基からなる群から選ばれ、R″は
【0024】
【0025】から構成される群から選ばれ、R″′は、
‐Hと‐CH3からなる群から選ばれ、Yは、‐Hと‐
COO-からなる群から選ばれ、mは0又は1、nは0
〜10、pは0又は1であり、上記の各式のいずれにお
けるY、nとR″も同一若しくは異なり、式(II)の官
能化されたアルケンと官能化されたジエンの中の炭素原
子の総数は2〜約20であり、式(I)の官能化されたア
ルケン中の炭素原子の総数は3又は4である。−COO
-のY基は、対応するカルボン酸塩の添加によって得ら
れるか、又はフリーのカルボン酸を理論量の(化学量論
的当量の)塩基、例えば、アルカリ金属水酸化物とその
場で(in situ)反応させることによって調製することが
できる。本発明に従って用いられるアルケン、ジエン、
式(II)の官能化されたアルケン及び官能化されたジエ
ンは分子当たり2個〜約20個、好ましくは約4個〜約
9個、そして最も好ましくは約5個〜約7個の炭素原子
を有する化合物である。
【0026】本発明の方法に用いることができる適当な
オレフィンの例は、1‐ブテン、1−ペンテン、1‐ヘ
キセン、1‐ヘプテン、1‐ノネン、2‐ブテン、3‐
メチル‐1‐ブテン、1,3‐ブタジエン、1,3‐ペン
タジエン、1,4‐ペンタジエン、1,5‐ヘキサジエ
ン、2‐メチル‐1,3‐ブタジエン、3‐ブテン酸、
4‐ペンテンニトリル、4‐ペンテン‐1‐オール、4
‐メチル‐3‐ペンテン‐2‐オン、5‐アミノ‐4‐
メチル‐1‐ヘキセン、2‐メチル‐6‐メチルアミノ
‐2‐ヘプテン、6‐メチル‐5‐ヘプテン‐2‐オン
等、及びそれらの任意の二種又は二種以上の混合物であ
る。その効果から見て差し当たって好ましい化合物は、
1‐ヘプテン、1,5‐ヘキサジエン、1‐ノネン、3
‐ブテン酸である。
【0027】本発明の方法に従って用いられるオレフィ
ンの量は、便宜的に硫黄源を基準としたモル比を用いて
表わすことができる。広く言えば、オレフィン対硫黄源
のモル比は、約0.02:1〜約0.3:1、好ましくは、
約0.05:1〜約0.25:1、そして最も好ましくは、
約0.1:1〜約0.2:1であろう。オレフインは、重合
用混合物を重合条件下に置く前か、又は重合用混合物を
重合条件下で重合している最中に重合混合物に添加する
時に、本発明のプロセスに有効であろう。若しも水性の
硫黄‐含有化合物を使用し、そして脱水工程が必要であ
るならば、オレフィンが脱水条件下で揮発性でない限り
脱水の前にオレフィンを添加しても良い。
【0028】本発明に従って用いられるジハロ芳香族化
合物は、分子当たり6個〜約22個の炭素原子を含む化
合物である。ジハロ芳香族化合物上のハロゲン置換基
は、塩素、臭素、沃素からなる群から選ぶことができ
る。好ましくは、ジハロ芳香族化合物はジハロ‐置換の
ベンゼンであり、更に好ましくは、ジクロロ‐置換ベン
ゼンであるだろう。ジハロ芳香族化合物が、p‐ジクロ
ロベンゼン並びに、p‐ジクロロベンゼンとその約0〜
約10モルパーセント(合計して)の少なくとも一種のm
‐ジクロロベンゼン、o‐ジクロロベンゼン及び式
【0029】
【0030】を持つアルキル‐置換のジクロロベンゼン
との混合物からなる群から選ばれる時は、特に良好な結
果が期待される。上の式でRは前に定義した通りであ
り、少なくとも一つのRは水素ではない。
【0031】幾つかの適当なジハロ芳香族化合物の例
は、p‐ジクロロベンゼン、p‐ジブロモベンゼン、p‐
ジヨードベンゼン、1‐クロロ‐4‐ブロモベンゼン、
1‐クロロ‐4‐ヨードベンゼン、1‐ブロモ‐4‐ヨ
ードベンゼン、2,5‐ジクロロトルエン、2,5‐ジク
ロロ‐p‐キシレン、1‐エチル‐4‐イソプロピル‐
2,5‐ジブロモベンゼン、1,2,4,5‐テトラメチル
‐3,6‐ジクロロベンゼン、1,2,4,5‐テトラブチ
ル‐3,6‐ジクロロベンゼン、1‐エチル‐3‐ブチ
ル‐2,5‐ジクロロベンゼン、1‐エチル‐2,5‐ジ
ヨードベンゼン、1‐ブチル‐2,5‐ジクロロベンゼ
ン、1‐ブチル‐4‐エチル‐2,5‐ジブロモベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン等、
及びそれらの任意の二種又は二種以上の混合物を含む。
その効果と市場での入手のし易さから見て、差し当たっ
て好ましいジハロ芳香族化合物は、p‐ジクロロベンゼ
ンである。
【0032】本発明のプロセスに用いられる環式の有機
アミドは、事実上、使用する反応温度と反応圧力の条件
下で液体であるべきである。環式の有機アミドは分子当
たり5個から約12個の炭素原子を持つことができる。
幾つかの適当な環式の有機アミドの例には、N,N′‐
エチレンジピロリドン、N‐メチル‐2‐ピロリドン、
ピロリドン、カプロラクタム、N‐エチルカプロラクタ
ム、N‐メチルカプロラクタム及びそれらの混合物が含
まれる。その有効性と市場での入手のし易さから見て、
差し当たって好ましい環式の有機アミドは、N‐メチル
‐2‐ピロリドンである。本発明の方法に従って使用さ
れる環式の有機アミドの量は、硫黄源化合物に対する環
式有機アミドのモル比を用いて表わすことができる。広
く言えば、環式の有機アミド対硫黄源のモル比は、約
1.5:1〜約25:1、好ましくは、約2:1〜約8:1
であろう。
【0033】本発明によれば、アリーレンスルフィド重
合体の製造に使用できる適当な硫黄源には、アルカリ金
属硫化物、アルカリ金属水硫化物、N‐メチル‐2‐ピ
ロリジンチオン、及び硫化水素が含まれる。更に本発明
によれば、アルカリ金属硫化物は他に追加のアルカリ金
属水酸化物の存在無しで良好な結果で使用することがで
きるが、他方、アルカリ金属水酸化物が存在する時は、
他の適当な硫黄源が用いられるのが好ましい。アルカリ
金属水硫化物とN‐メチル‐2‐ピロリジンチオンの場
合は、添加されるアルカリ金属水酸化物の量は、一般に
アルカリ金属水硫化物又はN‐メチル‐2‐ピロリジン
チオンのモル当たり、約0.3:1〜約4:1モル、好ま
しくは、約0.4:1〜約2:1モルの範囲内にあるだろ
う。硫黄源として硫化水素を用いる時は、添加されるア
ルカリ金属水酸化物の量は、一般に使用する硫化水素の
1モル当たり、約1.3:1〜約5:1モルの範囲、好ま
しくは、約1.4:1〜約3:1の範囲内にあるだろう。
【0034】本発明に従って用いることができるアルカ
リ金属水酸化物には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウ
ム、及びそれらの混合物が含まれる。市場での入手のし
易さと、それを用いた時に好結果が得られることから、
水酸化ナトリウムが好ましい。アルカリ金属水酸化物
は、本発明のプロセスでは便宜的に水性溶液として利用
される。例えば、約50重量パーセントの水酸化ナトリ
ウムを含む水酸化ナトリウムの水性溶液が使用するのに
都合良い。
【0035】本発明に従って用いることができるアルカ
リ金属水硫化物には、水硫化ナトリウム、水硫化リチウ
ム、水硫化カリウム、水硫化ルビジウム、水硫化セシウ
ム、及びそれらの混合物が含まれる。市場で入手し易い
ことと、それを用いた時に好結果が得られることから、
水硫化ナトリウムが好ましく用いられる。アルカリ金属
水硫化物は、本発明のプロセスでは水性溶液として都合
良く使用することができる。例えば、約60重量パーセ
ントの水硫化ナトリウムを含む水硫化ナトリウムの水性
溶液が使用するのに都合良い。
【0036】本発明のプロセスの中で使用できるアルカ
リ金属硫化物には、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫
化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム、及びそれ
らの混合物が含まれる。アルカリ金属硫化物は、無水の
形で、水和物として、又は水性の混合物として使用する
ことができる。市場での入手のし易さと、それを用いた
時に好結果が得られることから、硫化ナトリウムが好ま
しく用いられる。
【0037】本発明に従ってアリーレンスルフィド重合
体を調製する時の反応物の使用比率は相当に変動するけ
れども、ジハロ芳香族化合物対硫黄源の中の二価の硫黄
原子のモル比は、約0.8:1〜約2:1の範囲、好まし
くは、約0.95:1〜約1.3:1の範囲内にあるべきで
ある。
【0038】本発明の別の具体例では、用いたオレフィ
ンが官能化されたアルケン又は官能化されたジエンであ
る時は、アルカリ金属カルボン酸塩のような重合調節剤
を本発明のプロセスの中で使用することができる。本発
明のプロセスの中で使用できるアルカリ金属カルボン酸
塩は、式R″″CO2Mによって表わすことができる。
式中のR″″は、アルキル、シクロアルキル、アリール
及びそれらの組み合わせ、即ち、アルカリール、アラル
アルキル等から選ばれる炭化水素基であり、該R″″の
中の炭素原子の総数は1から約20の範囲にあり、Mは
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ムから選ばれるアルカリ金属である。
【0039】本発明のプロセスの中で使用できる幾つか
のアルカリ金属カルボン酸塩の例を挙げると、酢酸リチ
ウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸リ
チウム、プロピオン酸ナトリウム、2‐メチルプロピオ
ン酸リチウム、酪酸ルビジウム、吉草酸リチウム、吉草
酸ナトリウム、ヘキサン酸セシウム、ヘプタン酸リチウ
ム、2‐メチルオクタン酸リチウム、ドデカン酸カリウ
ム、4‐エチルテトラデカン酸ルビジウム、オクタデカ
ン酸ナトリウム、ヘンエイコサン酸ナトリウム、シクロ
ヘキサンカルボン酸リチウム、シクロドデカンカルボン
酸セシウム、3‐メチルシクロペンタンカルボン酸ナト
リウム、シクロヘキシル酢酸カリウム、安息香酸カリウ
ム、安息香酸リチウム、安息香酸ナトリウム、m−トル
イル酸カリウム、フェニル酢酸リチウム、4‐フェニル
シクロヘキサンカルボン酸ナトリウム、p−トリル酢酸
カリウム、4‐エチルシクロヘキシル酢酸リチウム等、
及びそれらの混合物がある。その効果と、市場での入手
し易さから見て、差し当たって好ましいアルカリ金属カ
ルボン酸塩は酢酸ナトリウムである。
【0040】本発明に従ってプロセス中で使用されるア
ルカリ金属カルボン酸塩の量は、使用される硫黄源化合
物を基準としたモル比を用いて表わすことができる。広
く言えば、アルカリ金属カルボン酸塩対硫黄源化合物の
モル比は約0.002:1〜約4:1、好ましくは、約0.
1:1〜約2:1の範囲にある。アルカリ金属カルボン酸
塩は、無水の形で、水和物として、又は水性の混合物と
して使用することができる。
【0041】適当な重合条件には反応温度が含まれる
が、それは広い範囲に亙って変動し得る。しかし、一般
には約200℃〜約450℃の範囲内、好ましくは、約
200℃〜約350℃の範囲内にあるだろう。反応時間
は約10分から約72時間までの範囲、好ましくは、約
1時間〜約8時間の範囲内にあるだろう。重合反応の圧
力は、ジハロ芳香族化合物と環式の有機アミドとを事実
上、液体相に維持し、実質的にその中に硫黄源を保持す
るに足るだけの圧力が必要である。
【0042】本発明に従って造られたアリーレンスルフ
ィド重合体の回収には色々な既知の方法を用いることが
できるが、米国特許第3,800,845号明細書に記述
されたような方法を用いるのが好ましい。上記の方法で
は、加熱された重合混合物を等温蒸発に掛けて、重合混
合物に掛かる圧力を反応圧力から混合物中の水の本質的
に全部と環式の有機アミドのおおよそ1/3を蒸発する
のに十分な圧力まで下げて行き、それから濃縮された重
合混合物をフラッシュ蒸発しながら別の容器に移し、断
熱的に凡そ大気圧迄圧力を下げてアリーレンスルフィド
重合体から本質的に総ての環式有機アミドを除去する。
フラッシュした反応混合物の残留物は、アルカリ金属ハ
ロゲン化物とその他の不純物が可溶な、例えば、水のよ
うな液体希釈剤を用いてスラリー化することができる。
液体希釈剤を、例えば濾過によって溶解不純物と一緒に
除去すれば、跡に微粒子のアリーレンスルフィド重合体
が残る。この洗浄方法はアリーレンスルフィド重合体の
純度が希望する水準に達する迄繰り返すことができる。
使用できる別の既知の方法には、米国特許第4,415,
729号明細書に記述された“水中急冷(water quenc
h)"方法があるが、そこでは重合混合物を、アリーレン
スルフィド重合体が重合混合物中に可溶な温度よりも高
い温度で、環式有機アミドは可溶であるがアリーレンス
ルフィド重合体にとっては非溶媒であるような十分量の
分離剤、例えば、水の十分量と接触させて相分離を発生
させるか又は相分離を促進する。更に急冷すると、環式
の有機アミド中に分散した微粒子のアリーレンスルフィ
ド重合体のスラリーが得られるので、濾過すれば微粒子
のアリーレンスルフィド重合体を回収することができ
る。分離された重合体は上述したようにして洗浄するこ
とができる。
【0043】アリーレンスルフィド重合体組成物は、炭
素原子数が2〜約20のアルキル基、炭素原子数が2〜
約20のアルケニル基、式(I)から誘導された炭素原子
数が3又は4の官能化したアルキル基、式(II)から誘
導された炭素原子数が2から約20の官能化したアルキ
ル基、炭素原子数が2から約20の官能化したアルケニ
ル基及びそれらの組み合わせから構成される群から選ば
れる末端基を含み、上記の末端基は、本発明の方法に従
ってここに定義されるようなオレフィンを使用した結果
である。
【0044】上に定義したアリーレンスルフィド重合体
組成物は次の各式:
【0045】
【0046】
【0047】及びそれらの組み合わせからなる群から選
ばれる構造を有する末端基を含むだろう。但し、上の各
式において、m,n,p,R′,R″,R″′及びYは本
明細書中で定義した通りであり、末端基(III)〜(X)
のいずれにおけるY,n及びR″も同一、若しくは異な
り、式(III)と(IV)の末端基の炭素原子の総数は3
又は4であり、式(V),(VI),(VII),(VIII),
(IX),(X)の末端基の炭素原子の総数は2〜約20で
ある。
【0048】
【実施例】以下の実施例では、“押出量"という用語
は、ASTM D 1238‐86、条件315/0.34
5(長さが31.8mmのオリフィスと5分間の予熱時間を
用いるように一部修正したもの)に基づいて測定したポ
リフェニレンスルフィド(PPS)に対する溶融流量を指
す。押出量の単位はg/10分間である。重合体の内部粘
度(IV)は、ASTM D 1243‐79に記述された
手順に基づくPPSの希薄溶液粘度である。乾燥したP
PSの試料を、ポリマー濃度が0.4g/dLになるように
温度210℃で1‐クロロナフタレンに溶解し、IVは
No.50のCannon‐Fenske粘度計を用いて測定され
る。IVの単位はdL/gである。
【0049】重合体の熱転移は、Perkin‐Elmer DS
C, Model DSC‐2の示差走査型熱量計によって窒
素雰囲気下に試料の加熱速度20℃/分で測定した。重
合体のガラス転移点(Tg)と融点(Tm)は、℃として報告
する。
【0050】重合体の灰分量は、秤量した重合体の試料
を白金皿の中で燃焼することによって測定した。残留炭
素質物質は、残渣をマッフル炉の中で540℃で燃焼す
ることによって取り出した。残渣(灰分)の重量は、重合
体の元の重量に対するパーセンテージとして表示する。
【0051】重合体の塩素含有量は、中性子放射化学分
析によって測定し、結果は試料の元の重量に対する塩素
の重量パーセントとして報告した。熱を加えずに重合体
を圧縮して作ったポリマーのフィルムを用いてフーリエ
変換赤外分光分析(FTIR)によりスペクトルを測定し
た。アルキル基の存在は大凡そ2925cm-1の波長域に
現われるピークによって示された。
【0052】
【実施例1】この実施例はオレフィンを添加しないで造
ったPPSの対照実験である。1リットル容のステンレ
ス鋼製の反応器に、約60重量パーセントのNaSHを
含有する水性混合物としての1.00g−モルの水硫化
ナトリウム(NaSH)、固体としての1.03g−モ
ルの水酸化ナトリウム(NaOH)、及び2.5g−モルの
N‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)を装入した。反応
器を閉じ、攪拌機を始動させて窒素で5回反応器をパー
ジングした。反応器の温度が約150℃迄上がった後
に、反応器の温度を約204℃に上げながら内容物中の
水を除去する為に脱水を行なった。
【0053】反応器中の脱水された混合物に、1.03g
‐モルのp‐ジクロロベンゼン(DCB)と1.0g‐モル
のNMPを添加した。反応器を235℃に加熱し、23
5℃の温度で1時間保持した。次に、反応器を265℃
に加熱し、265℃の温度で2時間保持した。反応器を
約130℃に冷却し、一晩中放置した。
【0054】反応器の蓋を開いて灰色の重合体を回収
し、Waringブレンダーの中で2‐プロパノール中にス
ラリー化した。懸濁液を濾過して固体の重合体を取り出
し、次いで重合体を熱水(約80℃)を用いて洗浄した
(7回、洗浄水合計約1リットル)。洗浄した重合体を真
空オーブンの中で120℃で乾燥した後、僅かに灰色が
かった白色の生成物を92モルパーセントの収率で回収
した。重合体1は、押出量が71g/10分間で、IVが
0.16dL/gであった。重合体のTgは85℃で、Tmは
291℃であった。
【0055】
【実施例2】この実施例では、PPSの重合中に1‐ノ
ネンを添加した本発明の実験を示す。重合実験2は、脱
水段階の後にDCBとNMPと一緒に0.25g/モルの
1‐ノネンを反応器に装入し、反応混合物を235℃で
1時間、その後更に265℃で2.4時間保持したこと
以外は実施例1の中で記述したのと同じ手順を用いて行
なった。
【0056】僅かに灰色がかった白色の重合体を94モ
ルパーセントの収率で回収した。押出量を決定しようと
試みたが、溶融重合体の流動性が良過ぎて押出量の数値
を得ることはできなかった。重合体のIVは、0.12d
L/gで、赤外スペクトルはアルキル基が重合体中に存在
することを示した。重合中に1‐ノネンを添加したこと
で重合体の中にアルキル基が組み込まれ、重合体の融点
と溶液粘度、即ち、重合体の分子量を低下した。
【0057】
【実施例3】溶液核磁気共鳴(NMR)スペクトルを用い
て重合体中のアルキル基の存在を確定する研究用に適当
なPPS共重合体を造る為に、メタ‐とパラ‐のジクロ
ロベンゼンの混合物と1‐ノネンを用いて別の本発明の
実験を行なった。PPS重合実験3は、脱水した混合物
に0.515g‐モルのメタ‐DCBと0.515g‐モル
のパラ‐DCB及び0.25g‐モルの1‐ノネンとNM
Pを装入した以外は、実施例2に記述したのと類似の手
順を用いて行なった。
【0058】この重合実験では、重合混合物を温度23
5℃で1時間、その後更に265℃で2時間保持した。
この重合実験の生成物は収率56モルパーセントで回収
した共重合体で、IVは0.06dL/gであった。重合体
のTgは、約25℃であった。共重合体のベンゼン溶液
とテトラヒドロフラン(THF)溶液を用いた13C‐NM
Rスペクトルは、重合体がアルキル基を含むことを示し
た。
【0059】
【実施例4】PPSの重合に添加された1‐ノネンから
何等かのポリオレフィンが生成したか否かを決定する為
に、DCBの不存在下で対照実験を行なった。PPS重
合実験4は、反応器に0.5g‐モルのNaSH、0.5g
‐モルのNaOHと1.25g‐モルのNMPを装入し、
脱水した混合物に0.5g‐モルの1‐ノネンと0.50g
‐モルのNMPを添加した以外は、実施例2に記述した
のと類似の方法で行なった。脱水した混合物にはDCB
を全く添加しなかった。混合物は235℃で1時間、そ
の後更に265℃で2時間保持した。
【0060】反応混合物を実施例1で述べた条件に曝し
た後に混合物に大量の水を添加した処、水の添加によっ
て生じた沈澱が無かったことで証明されるように、何等
のポリオレフィンも形成されなかったことが明らかとな
った。PPSの重合に用いられた条件は、添加されたオ
レフィンから僅かでも有意的な量のポリオレフィンを生
じない。
【0061】
【実施例5】添加オレフィンとして1‐ヘプテンを用い
更に二つの本発明の実験を行なった。重合は実施例1に
記述したのと類似の手順を用いて行なった。この実施例
の中の総ての実験では、1.01g‐モルのDCBを使用
した。実験5はオレフィンの添加無しで行なった対照実
験である。実験6では、脱水した混合物にDCBとNM
Pを装入する時に一緒に添加した0.25g‐モルの1‐
ヘプテンを使用した。実験7では、脱水した混合物に添
加された0.25g‐モルの1‐ヘプテンと0.30g‐モ
ルの酢酸ナトリウム(NaOAc)を使用した。実験7の重
合条件は、235℃で1時間、その後更に265℃で3
時間の保持であった。表Iに使用した薬品とこれらの実
験の結果を要約する。
【0062】
【0063】重合体6と7の場合の押出量は対照実験5
の場合よりも高い。重合体6と7の赤外スペクトルは、
重合体の中にアルキル基が存在することを示している。
実験7における酢酸ナトリウムの存在は、重合体の分子
量に有意的な影響を及ぼさない。PPSの重合実験で添
加された1‐ヘプテンは重合体の分子に組み込まれ、P
PSの溶融粘度を減少する。
【0064】
【実施例6】PPSの重合に与える不飽和カルボン酸塩
の影響を決定する為に、重合実験に不飽和のカルボン酸
を添加した本発明の実験を行なった。対照実験8では、
実施例5の中の実験5に就いて述べたのと類似の重合手
順の中で、混合物を脱水する前に、0.25g‐モルの4
‐ペンテン酸をNaSH、NaOH及びNMPと共に反応
器に装入した。本発明の実験9では、混合物の脱水前
に、0.29g‐モルの3‐ブテン酸をNaSH、NaOH
及びNMPと共に反応器に装入した。実験8と9の両方
とも重合は、235℃で1時間、その後更に265℃で
3時間の保持で行なった。これらの重合実験では酸基を
中和する為に追加のNaOHを使用した。使用した薬品
と、これら二つの実験の結果を表IIに要約する。実施
例5の実験5を比較の為に表に再現する。
【0065】
【0066】4‐ペンテン酸を用いた対照実験8は、重
合体の溶融粘度に減少を生じなかった。実験8からの重
合体のFTIR(フーリエ変換赤外分光分析)のスペクト
ルは、アルキル基が存在しないことを示したのに、一方
で実験9からの重合体のFTIRスペクトルは、アルキ
ル基の存在を確かに示した。これらの結果は、選ばれた
不飽和カルボン酸塩であれば重合体の溶融粘度を減少す
る為にPPSの重合に利用できることを示している。
【0067】
【実施例7】反応器の冶金学と反応条件がPPS重合中
のオレフィンの取り込み(PPS分子中への)に及ぼす影
響を決定する為に、1‐ヘプテンを添加した一連の重合
実験を行なった。総ての実験で1.00g‐モルのNaO
Hと1.01g‐モルのDCBを用いた。重合の手順は実
施例1と2に記述したのと類似のものであった。
【0068】実験10は、1‐ヘプテンを添加せずにチ
タン製の反応器の中で行なった対照実験であり、この場
合の重合条件は、235℃で1時間、その後更に265
℃で2時間の保持である。実験11は、0.25g‐モル
の1‐ヘプテンの添加と245℃で3時間保持の重合条
件を用いて316ステンレス鋼製の反応器中で行なった
本発明の実験である。実験12〜16は総てチタン製の
反応器と0.25g‐モルの1‐ヘプテンを使用した。実
験16では0.30g‐モルのNaOAc(酢酸ナトリウム)
も同じくまた存在させた。重合条件は、実験12では2
45℃で3時間保持;実験13では255℃で2.5時間
保持;実験14では235℃で4時間の保持;実験15で
は265℃で2時間保持;実験16では265℃で3時
間保持である。使用した薬品と、これらの実験の結果を
表IIIに要約する。
【0069】
【0070】実験11〜16では、オレフィンの反応が
起こり、その為に対照重合体10よりも低い溶融粘度を
持つ重合体を与えた。反応器の冶金を316ステンレス
鋼からチタンに変え、そして重合の温度と時間を変えて
も重合の結果に有意的な変化は無かった。酢酸ナトリウ
ムを存在させても(実験16)重合の結果には有意的な変
化は無い。
【0071】
【実施例8】この実施例では、PPSの重合の中でジエ
ンを使用した場合を示す。PPS重合実験17は、脱水
した混合物に1‐ヘプテンの代わりに0.10g‐モルの
1,5‐ヘキサジエンを添加したこと以外は実施例7の
実験11の中で記述したのと同じような方法で行なっ
た。
【0072】重合体は90モルパーセントの収率で回収
され、その押出量は104g/10分であった。このこと
はPPSの溶融粘度を減少させるのにジエンを使用でき
ることを示している。
【0073】
【実施例9】上述した本発明実験の生成物との比較用に
本当に低い分子量を持ったPPSを造る為の対照のPP
S重合を行なった。実験18は反応器に0.5g‐モルの
NaSH、0.5g‐モルのNaOHと1.25g‐モルのN
MPを装入したこと以外は実施例1の中で記述したのと
類似の手順を用いて行なった。脱水した混合物に、1.
03g‐モルのDCBと1.0g‐モルのNMPを装入し
た。硫黄源よりもDCBの方が遥かに大量であった為、
非常に低い分子量のPPSが生成した。重合体18は9
4モルパーセントの収率で回収され、このものは13CN
MRで測定して約13という重合度を持っていた。
【0074】実験1、2、13〜15及び18の比較が
表IVに示されている。実験18の生成物は溶融状態で
流動性が良過ぎた為に押出量を測定することが出来なか
ったが、IVは0.11dL/gであった。低分子量である
ことは、重合体の低いTg(40℃以下)と低いTm(27
2℃)に示されている。4.97重量パーセントという非
常に高い塩素含有量は、多数の塩素末端基が存在するこ
とを示している。それと対照的に、本発明の実験2、1
3、14、及び15から得られた重合体は類似したIV
値を持っていたが、しかし、TgとTmの値は遥かに高
く、塩素含有量は遥かに低かった。比較の為に対照実験
1を表に再現する。発明の重合体は対照実験1に比較す
ると低い溶融粘度と溶液粘度を持っているが、しかし、
PPSの熱転移では一番僅かな減少を保っている。
【0075】

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端基が 又はそれらの組み合わせからなるアリーレンスルフィド
    重合体。但し、上記の式において、R′は水素または炭
    素原子数が1から10のアルキル基であり、R″は であり、R″′は、‐H、又は‐CH3であり、Yは、
    ‐H、又は‐COO-であり、mは0又は1、nは0〜
    10、pは0又は1であり、該末端基のいずれにおける
    Y、n及びR″も同一か若しくは異なり、この場合、式
    (III)と式(IV)の該末端基の中の炭素原子の総数は
    3又は4であり、式(V)、(VI)、(VII)、(VII
    I)、(IX)及び(X)の該末端基の中の炭素原子の総数
    は2から20である。
  2. 【請求項2】 前記アリーレンスルフィド重合体がポリ
    (フェニレンスルフィド)である請求項1記載の重合体。
  3. 【請求項3】(a)少なくとも一種の硫黄源、少なくとも
    一種の環式の有機アミド、及び少なくとも一種のジハロ
    芳香族化合物を接触させて重合用混合物を形成し; (b)該重合用混合物を該アリーレンスルフィド重合体を
    形成するに足る温度と時間の重合条件下に重合せしめ;
    そして (c)該アリーレンスルフィド重合体を回収する: ことからなるアリーレンスルフィド重合体の調製方法で
    あって、 この場合に該方法は、炭素原子数が2〜20のアルケ
    ン、炭素原子数が2〜20のジエン、式(I): を有するアルケン、式(II): を有するアルケン、又は式: を有するジエンであるオレフィンの存在で行なわれ、上
    の式でR′は水素又は炭素原子数が1から10のアルキ
    ル基であり、R″は であり、R″′は水素または‐CH3であり、Yは‐H
    または‐COO-であり、mは0又は1、nは0〜1
    0、pは0又は1であり、該式のいずれにおけるY,n
    及びR″も同一か若しくは異なり、この場合に式(II)
    の前記アルケンと上式のジエンの中の炭素原子の総数は
    2〜20であり、式(I)の前記アルケンの中の炭素原子
    の総数は3又は4である、上記アリーレンスルフィド重
    合体の調製方法。
  4. 【請求項4】 前記オレフィン対前記硫黄源のモル比が
    0.02:1〜0.3:1である請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記重合用混合物を重合条件下に重合す
    る前に、前記オレフィンを該重合用混合物に添加する請
    求項3又は4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記重合用混合物の重合期間中に前記オ
    レフィンを添加する請求項3又は4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記硫黄源がアルカリ金属硫化物、アル
    カリ金属水硫化物、N‐メチル‐2‐ピロリジンチオン
    又は硫化水素である請求項3乃至6のいずれか一つに記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 前記重合用混合物が更にアルカリ金属水
    酸化物を含む請求項3乃至7のいずれか一つに記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 前記硫黄源、アルカリ金属水酸化物及び
    環式有機アミドからなる水性の混合物を脱水し、それに
    よって脱水された混合物を造り、それから、前記ジハロ
    芳香族化合物を該脱水された混合物と接触させる請求項
    8記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記環式の有機アミドがN‐メチル‐
    2‐ピロリドンからなり、前記ジハロ芳香族化合物がp
    −ジクロロベンゼン、又は p−ジクロロベンゼンとそ
    の0モルパーセント〜10モルパーセントのm−ジクロ
    ロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、又は式 (式中でRは水素または炭素原子数が1〜4のアルキル
    基であり、そして少なくとも一つのRは水素ではな
    い。)を有するアルキル置換ジクロロベンゼンの少なく
    とも一種との混合物である請求項7と8又は請求項7、
    8及び9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記アルカリ金属水硫化物が水硫化ナ
    トリウムからなり、前記アルカリ金属水酸化物が水酸化
    ナトリウムからなり、前記ジハロ芳香族化合物がp−ジ
    クロロベンゼンからなる請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記重合用混合物が更にアルカリ金属
    カルボン酸塩を含む請求項3乃至11のいずれか一つに
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記オレフィンが1‐ヘプテン、1‐
    ノネン、1,5‐ヘキサジエン、又は3‐ブテン酸であ
    る請求項3乃至12のいずれか一つに記載の方法。
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