JP2688301B2 - 受信装置 - Google Patents

受信装置

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JP2688301B2
JP2688301B2 JP3294832A JP29483291A JP2688301B2 JP 2688301 B2 JP2688301 B2 JP 2688301B2 JP 3294832 A JP3294832 A JP 3294832A JP 29483291 A JP29483291 A JP 29483291A JP 2688301 B2 JP2688301 B2 JP 2688301B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、レーダ電波等の電磁
波を広帯域の周波数にわたって捕捉するための受信装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は、例えば1986年に発行された
「マイクロウェーブ レシーバーズウイズ エレクトロ
ニック ワーフェア アプリケーションズ(MICROWAVE
RECEIVERS WITH ELECTRONIC WARFARE APPLICATIONS)」
ジェームス ビー ツーイ(James B. Tsui )著の第8
章PP278〜に記載された従来の受信機装置を示すブ
ロック図である。
【0003】図において、1は受信した電磁波を中間周
波数(以下IFという)信号に変換するミキサであり、
2はこのミキサ1に供給する局部信号の周波数を高速に
掃引する局部発振器(以下局発という)である。3はミ
キサ1からのIF信号を時間的に整形するためのウェイ
ティング・フィルタ、4はウェイティング・フィルタ3
の出力の信号エネルギーを時間的に圧縮するための分散
型遅延線(以下DDLという)であり、5はDDL4の
出力を飽絡線検波する検波器である。
【0004】また、6は局発2の出力するローカル信号
であり、7は受信された電磁波としての無線周波数(以
下RFという)信号である。8はミキサ1より出力され
るIF信号、9はDDL4より出力されるDDL出力で
あり、10は検波器5の検波出力としてのビデオ信号で
ある。
【0005】次に動作について説明する。図示の受信装
置は通常コンプレッシブ受信機と呼ばれているものであ
り、このコンプレッシブ受信機が機能的に通常のスーパ
ヘテロダイン受信機と最も相違する点は、時間軸を周波
数軸に変換するいわゆるスペクトル・アナライザであっ
て、以下にその特徴を説明する。
【0006】局発2の出力するローカル信号6は図5
(a)に示すように、T1 時間毎に(BR +BI )の周
波数帯を直線的に繰り返し高速掃引している。また、D
DL4は通過周波数に応じてその通過に要する遅延時間
が変わる、いわゆる分散遅延特性を持っており、図5
(b)に示すようにBI の周波数帯でその遅延時間が−
Tだけ傾斜した特性を持っており、上記局発2の特性に
対し、次の数1に示す関係を持っている。
【0007】
【数1】
【0008】但し、BI はIF帯域幅、BR はRF帯域
幅、μは傾き(Hz/SEC)、又はスキャン・レート
と呼ばれるものである。
【0009】ここで図4に戻り、各部における信号の周
波数と時間との関係を図6を用いて説明する。入力端子
に今、RF信号7としてS1 ,S2 ,S3 の3波が連続
して到来しているものと仮定する。これらは図6(a)
に示すように横軸を時間(t)、縦軸を周波数(f)と
した場合、RFの帯域幅BR にわたってそれぞれfH
M ,fL という周波数であるとする。
【0010】一方、ローカル信号6は図6(b)に示す
ように(BR +BI )の周波数帯にわたってT1 の時間
で高速掃引しているので、ミキサ1において乗算された
結果としてのIF信号8は、図6(c)で示すように
(2BR +BI )の周波数帯にわたる信号となる。
【0011】ここで、ウェイティング・フィルタ3は、
通常の周波数特性に重み付けをして時間的な信号波形を
整形するためのものであるが、ここでは簡単のため、図
6(c)右側に示すようにBI (IF通過帯域)だけを
通し、それ以外の帯域を阻止する周波数特性が矩形のバ
ンドパスフィルタとして説明する。このウェイティング
・フィルタ3によって、それより外れた周波数帯域の信
号は除去され、S1 ,S2 ,S3 の信号についても断続
的になってしまう。なお、この止切れる時間は入力信号
において図6(a)の斜線部で示す領域に相当する。
【0012】ここで、このように断続的にならないよう
にするため、IF帯域幅として(2BR +BI )を持た
せた例も提案されてはいるが、広帯域となるため、次の
DDL4が製造上難しくなる。
【0013】このウェイティング・フィルタ3の出力
は、その後DDL4に入力される。DDL4はBI の帯
域内で分散遅延特性を持つため、時間的にTの幅を持っ
ていたウェイティング・フィルタ3の出力の信号エネル
ギーは、位相合成による積み上げが行われることである
時刻の一点に集中し、信号が時間的に圧縮され、積み上
がる。
【0014】従って、DDL4より出力されるDDL出
力9は図6(d),(e)に示す振幅と周波数の関係と
なる。ここでは信号S1 ,S2 ,S3 がそれぞれはじめ
に持っていた時間の関係は存在せず、代わって出力され
る信号の時間関係は周波数(fH ,fM ,fL )を意味
するようになる。つまり、周波数軸を時間軸へ変換する
操作(一般にチャープ変換と呼ばれる)が行われる。
【0015】従って、検波器5によって振幅成分のみを
抽出したビデオ信号10は図6(f)に示すインパルス
状となり、1/T1 の周期毎に信号S1 ,S2 ,S3
順次(時系列的に)出力される。
【0016】以上の説明を更に判り易くするために、図
7に概念波形を示す。図7は、RF信号7として連続信
号Aと短いパルス信号Bが到来した場合について、各部
信号波形を振幅−周波数−時間の3次元的イメージで示
したものである。
【0017】入力信号Aに対しては連続した信号のた
め、時間的圧縮も大きく出力振幅が高く尖鋭化するが、
一方では局発掃引周期毎に信号が分断される。また、入
力信号Bに対しては短時間的なパルス信号であるために
時間的圧縮も少なく、出力振幅もそれ程積み上らないと
いう現象となる。
【0018】このようになる現象をかいつまんで言え
ば、フーリエ変換であり、以上のことからコンプレッシ
ブ受信機をスペクトル・アナライザと位置付けることが
できる。以上のことより、コンプレッシブ受信機は入力
されるRF信号7の搬送周波数やスペクトル幅等を測定
するのに恰好の受信機であるといえる。
【0019】なお、ここで注目すべき点は、信号Bの検
波出力においてその出力される時刻は前記したように信
号到来時刻とは無関係になっていることである。即ち、
出力時刻は入力周波数との比例関係に置き変わってい
る。
【0020】なお、前述のチャープ変換については、例
えば電子通信学会編「弾性表面波工学」の第4章 信号
処理への応用(p.p.207)などに詳しく説明されてい
る。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】従来の受信装置は以上
のように構成されているので、局発2にてローカル信号
6を掃引する度に到来信号の有無は判るものの、掃引内
の正確なパルス幅や到来時刻は測定できず、パルス幅や
その繰り返し時間間隔を正確に測定することが重要な要
素となっているレーダ信号などの探知には不適当である
という問題点があった。
【0022】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたものであり、同時に複数の信号が到来し
た場合でも、それらを分離してそれぞれのスペクトルを
測定することが可能であり、かつ、個々の信号について
も正確な到来時間を測定できる受信装置を得ることを目
的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る受信装置は、入力される電磁波を受信検波し、周波
数に対応してそれぞれ抽出された信号成分を時系列的に
出力するコンプレッシブ受信機と、このコンプレッシブ
受信機の出力信号を分析処理してスペクトル情報をそれ
ぞれ算出するスペクトル分析処理器と、少なくとも一の
信号成分を前記スペクトル分析処理器により分析処理す
る期間、前記電磁波の出力を待機させる遅延素子を有
し、前記スペクトル分析処理器により算出された前記一
の信号成分に対応するスペクトル情報に基づいて前記遅
延素子から出力された前記電磁波の受信検波を行う狭帯
域受信機と、この狭帯域受信機の出力信号を分析処理し
て前記一の信号成分の時間軸情報を出力する時間軸分析
処理器と、前記狭帯域受信機が前記一の信号成分に基づ
く受信検波をしているときに、前記一の信号成分に続く
他の信号成分が前記スペクトル分析処理器に入力される
のを禁止するスイッチ制御回路とを設けたものである。
【0024】また、請求項2に記載の発明に係る受信装
置は、前記狭帯域受信機を複数用意し、それぞれがコン
プレッシブ受信機の異なった出力信号のスペクトル分析
処理結果に基づいて決定された周波数にて受信検波を行
うものである。
【0025】さらに、請求項3に記載の発明に係る受信
装置は、コンプレッシブ受信機からの所定の出力信号の
スペクトル分析処理結果を記憶するスペクトル・メモリ
を設け、狭帯域受信機からのスペクトル・メモリの内容
に基づいて決定された周波数にて受信検波を行うもので
ある。
【0026】
【作用】請求項1に記載の発明における狭帯域受信機
は、内蔵した遅延素子によって入力された電磁波を遅延
させ、その間にコンプレッシブ受信機が受信検波して出
力する信号のスペクトル分析処理結果に基づいて決定さ
れた周波数によって、遅延させた前記電磁波の受信検波
を行い、その出力信号を、タイマからの時刻信号に従っ
て前記スペクトル分析処理と同期して実行される時間軸
分析処理に供給することにより、同時に到来した複数の
信号を分離してそれぞれのスペクトルを測定することが
でき、個々の信号について正確な到来時間を測定するこ
とが可能な受信装置を実現する。
【0027】また、請求項2に記載の発明における狭帯
域受信機は、複数用意された狭帯域受信機のそれぞれ
で、コンプレッシブ受信機の異なる出力信号のスペクト
ル分析処理結果に基づいて決定された周波数による受信
検波を行うことにより、複数の信号の個々についても正
確な到来時間が測定できる受信装置を実現する。
【0028】さらに、請求項3に記載の発明におけるス
ペクトル・メモリは、コンプレッシブ受信機の所定の出
力信号のスペクトル分析処理結果を記憶し、狭帯域受信
機にその受信検波を行う周波数を決定するための情報と
してそれを供給することにより、スペクトル情報だけは
到来信号の数だけ出力できる受信装置を実現する。
【0029】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例1を図に基づいて説
明する。図1は請求項1に記載の発明の一実施例を示す
ブロック図である。図において、101は図4に示した
内部構成をとるコンプレッシブ受信機であり、102は
このコンプレッシブ受信機101の出力信号であるビデ
オ信号を分析処理し、スペクトル情報としての搬送周波
数、スペクトル幅などを算出するスペクトル分析処理器
である。
【0030】103は時刻信号を発生するタイマであ
り、104は前記コンプレッシブ受信機101からスペ
クトル分析処理器102へのビデオ信号を入切するスイ
ッチ回路、105はこのスイッチ回路104を制御する
スイッチ制御回路である。
【0031】201は前記スペクトル分析処理器102
の分析処理結果に基づく信号によって決定された周波数
にて入力された電磁波であるRF信号を受信検波する、
狭帯域同期型スーパヘテロダイン受信機による狭帯域受
信機である。202はこの狭帯域受信機201の出力信
号であるビデオ信号を分析処理して、時間軸情報として
のパルス幅、パルス到来時刻等を算出する時間軸分析処
理器である。
【0032】狭帯域受信機201内において、21は前
記コンプレッシブ受信機101と同等、あるいはそれ以
上の通過帯域を持った遅延素子としての広帯域の遅延線
であり、22はRF信号をIF信号に変換するミキサで
ある。23はスペクトル分析処理器102の分析処理結
果に基づく信号によって決定された周波数のローカル信
号を発生してミキサ22に供給する局発である。
【0033】24はミキサ22の出力するIF信号より
IF帯域以外の成分を除去するIFバンドパスフィルタ
であり、25はこのIFバンドパスフィルタ24の出力
を飽絡線検波し、それをビデオ信号として出力する検波
器である。
【0034】また、7は入力されたRF信号、10はコ
ンプレックス受信器101の出力するビデオ信号であ
り、従来のそれらと同等のものである。11は前記スペ
クトル分析処理器102より狭帯域受信器201の局発
23に送られる制御信号、12はタイマ103の発生す
る時刻信号であり、13はスペクトル分析処理器102
よりスイッチ制御回路105に送られるスペクトル完了
タイミング、14は時間軸分析処理器202よりスイッ
チ制御回路105に送られる時間軸完了タイミングであ
る。
【0035】次に動作について説明する。ここで、狭帯
域受信機201は基本的にはスーパヘテロダイン受信機
を発展させたものであり、その入力部にはコンプレッシ
ブ受信機101の受信帯域幅と等価か、もしくはそれ以
上の帯域幅を持った広帯域の遅延線21が配置されてい
る。
【0036】この遅延線の役割は、入力端子にRF信号
7が到来した場合、コンプレッシブ受信機101からビ
デオ信号10が出力され、スペクトル分析処理器102
において、スペクトル情報である搬送周波数がデジタル
出力として算出され、更にこの算出された搬送周波数に
基づいた制御信号11で狭帯域受信機201内の局発2
3を同調するまでの一連の作業に要する期間の間、到来
したRF信号7を遅延線21内部に待機させておくため
のものである。
【0037】従って、この遅延線21としては、図6
(a)で説明したように到来信号の周波数に比例して受
信が断続する時刻が傾斜しているので、周波数と遅延時
間が傾斜している分散型遅延線を用いてもよく、また、
より簡単に製造できる、遅延時間が周波数に対して一定
の固定遅延線であっても構わない。
【0038】ここで、スペクトル分析処理器102の動
作について説明しておく。コンプレッシブ受信機101
から出力されるビデオ出力10は図6(f)、又は図7
で説明したように、T1 期間毎にT時間だけfH からf
L に至る周波数に相当するパルス状波形の信号が順次時
系列的に出力される。従って、このスペクトル分析処理
器102では通常のパルス信号に対するパルス幅や到来
時刻等を算出する時間軸分析処理器202と同様の時間
的な分析処理が行われる。
【0039】具体的に言えば、パルス状ビデオ信号10
の時間的な幅を測ればそれがスペクトル幅に相当し、そ
の幅の中心に位置する時刻が搬送周波数に相当する訳で
あり、更にその時刻の振幅を測定することによってスペ
クトル振幅が求まる。それらをデジタル的な数値として
スペクトル情報が出力されるものであるが、スペクトル
情報としては到来信号の搬送周波数とスペクトル幅、T
1 時間毎の掃引回数を示すフレーム番号等が含まれる。
【0040】このように、スペクトル情報によって到来
したRF信号7の搬送周波数が判るので、狭帯域受信機
201でこの信号を捕捉するように制御信号11を介し
て局発23を同調させることは可能である。従って、局
発23による同調が完了した後、遅延線21から到来し
たRF信号7が出力されるようにしておけば狭帯域受信
機201としてその信号だけを選択受信することが可能
である。
【0041】これら一連の過程において、遅延線21で
信号を待機(又は遅延)させている時間は固定遅延線の
場合約10μsec 前後であって、表面弾性波素子等の製
造技術を使えばこの遅延線21は現在容易に制作可能と
なり、新たな意義が生じる。
【0042】狭帯域受信機201は遅延線21を除けば
通常のスーパヘテロダイン受信機であって、その信号選
択度の良さによって該到来信号だけを受信させるもので
ある。
【0043】例えば、図6に示したようにS1 〜S3
信号3波が同時に到来している場合(図では簡単のため
連続信号で示しているが実際はパルス信号が多い)、コ
ンプレッシブ受信機101からはビデオ信号10とし
て、まず図6(f)のようにS1 の信号が出力され(続
いてS2 ,S3 の信号が出力されるが)、スペクトル分
析処理器102ではこれより前記した方法でfH という
搬送周波数が算出されている。
【0044】その後、直ぐ制御信号11によって局発2
3を同調するが、元々信号S1 〜S3 3波が同時に到来
していたので遅延線21からもこの3波が出力される。
従って、ミキサ22で周波数変換された後もその3波の
IF信号が存在するのであるが、本来、受信を目的とし
て同調した信号はS1 のみがIFバンドパスフィルタ2
4を通過する。
【0045】このIFバンドパスフィルタ24は、ミキ
サ22の周波数変換によってIFの中心周波数付近にI
F信号が存在している信号S1 のみがその通過帯域内に
入って通過し、残りのS2 ,S3 は帯域外にあって阻止
されるよう設定されている。
【0046】このように、このIFバンドパスフィルタ
24は、コンプレッシブ受信機101の持つ受信帯域幅
に比べて十分狭帯域(数MHz〜10数MHz)であっ
て、複数の信号が同時に到来してもその内の1波だけを
通過させ、他の信号は除去するものであらねばならな
い。
【0047】また、このIFバンドパスフィルタ24は
通過帯域が固定され、狭帯域受信機201のIF周波数
の中心付近しか通過させないが、RF信号7が入力され
る入力端子側から見ればRF信号7の周波数に応じて局
発23の同調を変えることができるので、コンプレッシ
ブ受信機101の持つ受信帯域幅を全てカバーできるこ
とが理解し得る。
【0048】以上のように、このIFバンドパスフィル
タ42ではS1 の信号成分だけが選択され、検波器25
でこのS1 信号を飽絡線検波すれば、このパルス波形を
ビデオ信号として観測することができる。時間軸分析処
理器202ではこのビデオ信号より、スペクトル分析処
理器102の場合と同様の手法で時間軸情報を得ること
ができる。具体的に言えば、ビデオ信号の時間的な幅を
測ることによってパルス幅が測定され、ビデオ信号の立
ち上がり時刻によって信号の到来時刻(TOA:Time o
f Arrival)が判る。
【0049】以上、スペクトル分析処理器102と時間
軸分析処理器202とはいづれも時間測定を行うので、
タイマ103によって正確な時刻のデータが時刻信号1
2によって伝達される。この時間的な同期は両者の一致
をとるために重要であり、それぞれの出力結果(スペク
トル情報と時間軸情報)が一つの信号に対するデータと
して最終的にまとめられる。
【0050】次にスイッチ回路104とスイッチ制御回
路105の働きについて述べる。前記した一連の動作で
はS1 〜S3 の3波の信号が同時に到来した時、S1
スペクトル情報及び時間軸情報が得られるまでの過程を
説明した。しかし、図6(f)で示したS1 の信号ビデ
オの後にはS2 ,S3 の信号ビデオも続いて出力されて
いる。
【0051】従って、スペクトル分析処理器102にこ
の信号が続けて入力されると、それぞれの搬送周波数が
算出されてfM ,fL という周波数に同調受信するよう
狭帯域受信機201に対して制御信号11が発せられて
しまう。
【0052】このような状態になると、時間軸分析処理
器202においてS1 信号に対する時間測定が行われて
いたものが、突然S2 ,S3 の測定に切り換えられてし
まう恐れがあり、これではS1 の信号に対する時間測定
が中断されてしまう可能性が生ずる。
【0053】そこで、S1 の信号に対して測定が続行さ
れている間、狭帯域受信機201の局発23はその同調
周波数が変えられないようにする必要がある。そのた
め、図1に示す構成では、高い周波数fH を持つ信号S
1 が優先される。
【0054】即ち、まずS1 の信号のスペクトル情報が
出力されると、その情報出力が完了したというスペクト
ル完了タイミング13が、スペクトル分析処理器102
よりスイッチ制御回路105へ発せられ、これに基づい
てスイッチ制御回路105はスイッチ回路104に対し
て、次のS2 及びS3 のビデオ信号10が続いてスペク
トル分析処理器102へ入いるのを禁止するために、図
1に示す“入”状態から“切”状態に切り換える。従っ
て、狭帯域受信機201はS1 の信号受信状態を維持で
きる。
【0055】その後、時間軸分析処理器202より時間
軸情報の出力が完了したという時間軸完了タイミング1
4がスイッチ制御回路105に発せられれば、スイッチ
制御回路105は次のスペクトル分析処理のために、ス
イッチ回路104を“入”状態に復帰させる。
【0056】なお、図6の信号S1 〜S3 はあたかも連
続信号のように説明してきたので、以上の内容は理解し
難い点もあるが、実際には対象としているレーダ信号等
はパルス信号であり、連続信号の到来によって永久にそ
の信号だけしか受信できないという場面は少ない。
【0057】また、そのような結果を避けるため、ある
程度以上長いパルス幅を持つ信号に対しては、その時間
軸情報の結果より、その信号のビデオ信号10の出力に
対してスイッチ回路104を同期させ、間欠的にその信
号だけ“切”にすることで除去する方法も考えられる。
【0058】以上の説明では、図1に示す構成において
1 〜S3 の信号到来時にS1 信号だけのスペクトル情
報及び時間軸情報だけしか得られない場合について説明
したが、コンプレッシブ受信機101が持つ時間軸情報
の欠落という点は補完することが可能となる。
【0059】また、狭帯域受信機201については、従
来例で示した著書にキューイング(CUEING)受信機(1
0.4章PP385)として類似の構成が示されている
が、この構成自身は新規なものではなく、古くから考え
られていたものである。しかし、コンプレッシブ受信機
101にない機能を補完するためにこれらを組み合わ
せ、タイマ103で同期して動作させることによって、
信号の持つ様々な情報が同時に測定可能となる。
【0060】実施例2.なお、上記実施例ではS1 〜S
3 到来時にS1 信号だけ正確に時間軸測定できる例につ
いて示したが、コンプレッシブ受信機としてS1 〜S3
それぞれを個別に出力できる同時多信号分離能力が生か
されていない。図2はそれを成立させ得る請求項2に記
載した発明の一実施例を示すブロック図である。
【0061】図示の実施例ではスペクトル分析処理器が
102a,102b、時間軸分析処理器が202a,2
02b、狭帯域受信機が201a,201bとそれぞれ
2系列づつ用意されており、各スペクトル分析処理器1
02a,102bは単極双投のスイッチ回路104aに
よってコンプレッシブ受信機101に選択的に接続され
ている。
【0062】次に動作について説明する。今、スイッチ
回路104aは図2に示す状態になっており、コンプレ
ッシブ受信機101からのビデオ信号10はスペクトル
分析処理器102aに接続されている。従って、図6に
示したS1 〜S3 の信号が到来した場合、スペクトル分
析処理器102aからスペクトル情報1としてS1 の信
号に対するスペクトル情報が出力され、続いて狭帯域受
信機201a経由で時間軸分析処理器202aよりS1
信号に対する時間軸情報が出力される。ここまでは図1
の場合の動作と同一である。
【0063】この時、スペクトル分析処理器102aよ
りスペクトル完了タイミング13aがスイッチ制御回路
105aに出力される。このスペクトル完了タイミング
13aを受けたスイッチ制御回路105aは、スイッチ
回路104aに対して接点2の側へ切り換えるように指
示を出す。ここで、コンプレッシブ受信機101から次
に出力されるビデオ信号10にはS2 信号に相当するビ
デオ信号が出力されるが、当該ビデオ信号10はスイッ
チ回路104aを介してスペクトル分析処理器102b
へ送られる。
【0064】以降の動作は前述の場合と同様であり、S
2 信号に対するスペクトル情報がスペクトル分析処理器
102bより出力され、時間軸分析処理器202bから
はS2 信号に対する時間軸情報が得られる。
【0065】なお、図2の構成ではS1 ,S2 の2信号
に対する情報までしか得られないが、同様にして回路を
増設してゆけば、多数の信号が同時に到来時に対応可能
となることは明らかである。
【0066】実施例3.また、図3は請求項3に記載の
発明の一実施例を示すブロック図であり、到来した信号
の数に対応したスペクトル情報を出力できるようにした
ものである。図において、106はスペクトル情報分析
処理器102にて分析処理されたコンプレッシブ受信機
101の所定の出力信号のスペクトル分析処理結果を記
憶し、それを受信検波を行う周波数決定のための制御信
号11として狭帯域受信機201の局発23に供給する
スペクトル・メモリである。
【0067】次に動作について説明する。この場合、コ
ンプレッシブ受信機からのビデオ信号10は次々とスペ
クトル分析処理器102へ送られ、スペクトル情報が算
出される。即ち、S1 〜S3 の信号が到来している場合
には、時系列的にS1 〜S3信号に対するスペクトル情
報が順次算出されて出力される。
【0068】同時にこの分析処理結果はスペクトル・メ
モリ106にも送られて一旦記憶される。ここで、この
スペクトル・メモリ106は先勝ちメモリであっても、
またスペクトル情報の一つとしてスペクトル振幅データ
があるので最大スペクトル振幅を選択してこのスペクト
ル情報を記憶するピーク検出メモリであってもよい。
【0069】従って、T時間後にこのスペクトル・メモ
リ106に記憶されている信号は1波であって、その信
号に対してだけ狭帯域受信機201が同調されるので、
時間軸分析処理器202からの時間軸情報はいづれかの
1波のみのものが得られる。
【0070】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、入力される電磁波を受信検波し、周波数に対応
してそれぞれ抽出された信号成分を時系列的に出力する
コンプレッシブ受信機と、このコンプレッシブ受信機の
出力信号を分析処理してスペクトル情報をそれぞれ算出
するスペクトル分析処理器と、少なくとも一の信号成分
を前記スペクトル分析処理器により分析処理する期間、
前記電磁波の出力を待機させる遅延素子を有し、前記ス
ペクトル分析処理器により算出された前記一の信号成分
に対応するスペクトル情報に基づいて前記遅延素子から
出力された前記電磁波の受信検波を行う狭帯域受信機
と、この狭帯域受信機の出力信号を分析処理して前記一
の信号成分の時間軸情報を出力する時間軸分析処理器
と、前記狭帯域受信機が前記一の信号成分に基づく受信
検波をしているときに、前記一の信号成分に続く他の信
号成分が前記スペクトル分析処理器に入力されるのを禁
止するスイッチ制御回路とを設けたので、同時に到来し
た複数の信号のスペクトル情報を分離して得ることがで
ると共に、これら個々の信号について正確な時間軸情
報を得ることが可能な受信装置が得られる。
【0071】また、請求項2に記載の発明によれば、複
数用意された狭帯域受信機のそれぞれで、コンプレッシ
ブ受信機の異なる出力信号のスペクトル分析処理結果に
基づいて決定された周波数による受信検波を行うように
構成したので、複数の信号の個々についても正確な到来
時間が測定できる受信装置が得られる効果がある。
【0072】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
コンプレッシブ受信機の所定の出力信号のスペクトル分
析処理結果をスペクトル・メモリに記憶させ、それに基
づいて狭帯域受信機の受信検波を行う周波数を決定する
ように構成したので、スペクトル情報だけは到来信号の
数だけ出力できる受信装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施例2を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施例3を示すブロック図である。
【図4】従来の受信装置を示すブロック図である。
【図5】その局発およびDDLの特性を示す線図であ
る。
【図6】従来の受信装置の動作の時間関係を示す説明図
である。
【図7】受信装置の動作を説明するための概念波形図で
ある。
【符号の説明】
101 コンプレッシブ受信機 102,102a,102b スペクトル分析処理器 103 タイマ 106 スペクトル・メモリ 201,201a,201b 狭帯域受信機 202,202a,202b 時間軸分析処理器 21,21a,21b 遅延素子(遅延線)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力される電磁波を受信検波し、周波数
    に対応してそれぞれ抽出された信号成分を時系列的に出
    力するコンプレッシブ受信機と、このコンプレッシブ受
    信機の出力信号を分析処理してスペクトル情報をそれぞ
    れ算出するスペクトル分析処理器と、少なくとも一の信
    号成分を前記スペクトル分析処理器により分析処理する
    期間、前記電磁波の出力を待機させる遅延素子を有し、
    前記スペクトル分析処理器により算出された前記一の信
    号威分に対応するスペクトル情報に基づいて前記遅延素
    子から出力された前記電磁波の受信検波を行う狭帯域受
    信機と、この狭帯域受信機の出力信号を分析処理して
    記一の信号成分の時間軸情報を出力する時間軸分析処理
    器と、前記狭帯域受信機が前記一の信号成分に基づく受
    信検波をしているときに、前記一の信号成分に続く他の
    信号成分が前記スペクトル分析処理器に入力されるのを
    禁止するスイッチ制御回路とを備えたことを特徴とする
    受信装置。
  2. 【請求項2】 入力される電磁波を受信検波し、周波数
    に対応してそれぞれ抽出された信号成分を時系列的に出
    力するコンプレッシブ受信機と、このコンプレッシブ受
    信機の出力信号をそれぞれに分析処理してスペクトル情
    報を算出する複数のスペクトル分析処理器と、これら
    ペクトル分析処理器の各々に対応して用意され、少なく
    とも対応するスペクトル分析処理器が前記コンプレッシ
    ブ受信機の出力信号を分析処理する期間、前記電磁波の
    出力を待機させる遅延素子を有し、前記対応するスペク
    トル分析処理器により算出されたスペクトル情報に基づ
    いて前記遅延素子から出力された前記電磁波の受信検波
    それぞれ行う複数の狭帯域受信機と、これら狭帯域受
    信機の各々に対応して用意され、対応する狭帯域受信機
    の出力信号をそれぞれに分析処理して時間軸情報を出力
    する複数の時間軸分析処理器と、一の狭帯域受信機が対
    応する一の信号成分に基づく受信検波をしているとき
    に、前記一の信号成分に続く他の信号成分を前記一の狭
    帯域受信機と異なる他の狭帯域受信機に対応する他のス
    ペクトル分析処理器に入力させるスイッチ制御回路とを
    備えたことを特徴とする受信装置。
  3. 【請求項3】 入力される電磁波を受信検波し、周波数
    に対応してそれぞれ抽出された信号成分を時系列に出力
    するコンプレッシブ受信機と、このコンプレッシブ受信
    機の出力信号を分析処理してスペクトル情報をそれぞれ
    算出するスペクトル分析処理器と、このスペクトル分析
    処理器の出力信号を記憶するスペクトル・メモリと、
    なくとも前記スペクトル分析処理器の出力信号が前記ス
    ペクトル・メモリに記憶されるまでの期間、前記電磁波
    の出力を待機させる遅延素子を有し、前記スペクトル・
    メモリに記億された一の信号成分に対応するスペクトル
    情報に基づいて前記遅延素子から出力された前記電磁波
    の受信検波を行う狭帯域受信機と、この狭帯域受信機の
    出力信号を分析処理して前記一の信号成分の時間軸情報
    を出力する時間軸分析処理器と、前記狭帯域受信機が前
    記一の信号成分に基づいて受信検波をしているときに、
    前記スペクトル・メモリに記憶された他の信号成分の周
    波数情報に基づく受信検波を禁止するスイッチ制御回路
    とを備えたことを特徴とする受信装置。
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