JP2688261B2 - 電界放出型イオン源 - Google Patents

電界放出型イオン源

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JP2688261B2 JP1275950A JP27595089A JP2688261B2 JP 2688261 B2 JP2688261 B2 JP 2688261B2 JP 1275950 A JP1275950 A JP 1275950A JP 27595089 A JP27595089 A JP 27595089A JP 2688261 B2 JP2688261 B2 JP 2688261B2
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雅宏 紀国
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は金属又は合金を加熱して溶融し、高電界を印
加して金属イオンを放出させる、特にイオンビーム露光
装置、イオン注入装置などに用いられる電界放出型イオ
ン源に関する。
(従来の技術) 電界放出型イオン源はイオンビームの輝度が高いた
め、微細集束イオンビーム装置を用いたマスクレスイオ
ン注入、イオンビーム露光装置などに応用されている。
電界放出型イオン源はイオン化させる物質を液状で支持
し、電界の作用で該物質のイオンを放出させるために針
状電極と該物質を貯蔵するための貯蔵部から構成されて
いる。
従来からイオン化させる物質はアルミニウム、ヒ素、
ホウ素、炭素、ゲルマニウム、インジウム、リン、ケイ
素、スズなど多くの元素が知られており、これらの元素
は主として金属又は合金にして用いられ、針状電極の材
料はタングステン、レニゥムなどの金属単体、及びタン
グステンカーバイド、ホウ化チタン、ホウ化クロムなど
が知られている。アルミニウム、ホウ素、リン又はそれ
らを含む合金などの様に反応性が大きい物質の場合はイ
オン源構造体の材質が問題である。例えば、アルミニウ
ム単体の場合、針状電極の材料としてTiB2やBN−TiB2
ンポジットが適することが知られている。〔レボリュー
ション・サイエンス・インストラム(Rev.sci.Instru
m.)57巻、第7号、7月1282頁〜1285頁(1986)〕 しかしながら、近年、特にICのアルミニウム配線のマ
イグレーションを防止するという新しい要望が強く、ア
ルミニウムイオンと同時に銅イオンを同時に注入するこ
とが重要となっている。アルミニウム−銅合金を貯蔵
し、針状電極から放出する場合、従来から知られている
TiB2、BN−TiB2などを針状電極及び貯蔵部材料として用
いると、合金と針状電極との濡れ性が悪いため、合金の
融点よりもかなり高い温度で動作する必要がでてくる。
そのため、合金の蒸発が激しく、隔壁(第1図4A、4
B)、ヒーター(5A、5B)に合金蒸気が凝縮し、ヒータ
ーの導電性があがり、ヒーターとしての機能がなくな
り、長時間の安定作業ができなかった。
(発明が解決しようとする課題) 従来技術では金属又は合金の蒸発が激しく、長時間安
定した金属イオンを出す電界放出型イオン源を得ること
ができなかった。
本発明の目的は安定なイオンビームを再現よく得るこ
とができ実用的な寿命を有するアルミニウム−銅合金の
電界放出型イオン源を提供することである。
本発明者らはこの目的を達成するために、針状電極と
金属又は合金を貯蔵する貯蔵部の材料について、鋭意検
討した結果、針状電極としてチタンの硼化物を主成分と
する材料を使用し、貯蔵部材料としてクロムの硼化物を
主成分とする材料を使用することにより、微量のクロム
硼化物が金属又は合金中に微量溶出し、比較的低温でも
針状電極によく濡れるようになるため、、動作温度を従
来より下げることができることがわかった。そのため金
属又は合金の蒸発によるヒーターの損傷がなくなり、安
定した長寿命の電界放出型イオン源が得られることを見
出し、本発明を完成するに至った。
(課題を解決するための手段) すなわち、本発明は以下を要旨とするものである。
金属又は合金を液体で支持する針状電極と該合金を貯
蔵する貯蔵部とを有し、電界の作用で前記針状電極の先
端から、金属イオンを放出させる電界放出型イオン源に
おいて、前記針状電極がチタンの硼化物を主成分とする
材料であり、前記貯蔵部がクロムの硼化物を主成分とす
る材料であることを特徴とする電界放出型イオン源。
以下、さらに本発明について詳しく説明する。
本願発明において、イオン源構造体は第1図に示すよ
うに、少くとも先端が針状であり、イオンビームを放出
するための電極1と長時間使用するため、合金をためて
おく、貯蔵部2とこれらを加熱するための発熱体5A、5B
と、貯蔵部の表面に濡れ広がった合金の発熱体5A、5Bに
まで浸透することを防止する働きをする隔壁4A、4B等か
ら構成されている。
針状電極1の先端から少し離れたところに中心に穴の
ある引出し電極7を設け、この引出し電極は接地する。
引出し電極の穴を針状電極の先端から放出されるイオン
ビーム8が通過する。イオン源には高圧電源9によりプ
ラスの電圧が印加される。高圧電源のマイナス側は電流
計10を経て接地する。
本発明において、針状電極とは少くとも先端が針状で
ある電極を云う。又チタンの硼化物を主成分とする材料
とはホウ化チタン(Ti2B、TiB、TiB2、Ti2B5など)及び
ホウ化チタンと他のホウ化物、窒化物、カーバイトなど
の混合体たとえばホウ化チタン−窒化ホウ素、ホウ化チ
タン−窒化アルミ、ホウ化チタン−タングステンカーバ
イト、ホウ化チタン−ホウ化クロムなどのものでホウ化
合チタンの含有量が80%以上のものを言い、その相対密
度は90%以上のものが好ましい。
又クロムの硼化物を主成分とする材料とはホウ化クロ
ム(Cr4B、Cr2B、CrB、CrB2など)及びホウ化クロムと
他のホウ化物、窒化物、カーバイトなどの混合体たとえ
ばホウ化クロム−ホウ化モリブデン、ホウ化クロム−ホ
ウ化タングステン、ホウ化クロム−タングステンカーバ
イト、ホウ化クロム−窒化ホウ素などの混合体をいい、
少くともホウ化クロムの含有量が80%以上のものを言
い、その相対密度は90%いじょうが好ましい。
金属又は合金としては前述したように、アルミニウ
ム、ヒ素、ホウ素、ゲルマニウム、スズ、銅、アルミニ
ウム−銅、パラジウム−ヒ素など種々のものが用いられ
るが、特にアルミニウム−銅合金に対しては顕著な効果
が認められ、アルミニウム−銅合金の組成はアルミニウ
ムが原子%で66〜95%のものを用いることができる。
針状電極および貯蔵部の材料は焼結体または単結晶体
のいずれでも使用できる。たとえば100kg/cm2以上の圧
力であらかじめ成形した後、1600〜2100℃の温度範囲で
焼成した焼結体か、100kg/cm2以上の加圧下で1600〜210
0℃の温度範囲でホットプレス成形した成形体、また
は、フローティングゾーン法で作成した単結晶の先端を
針状に加工したものであっても良い。
針状電極への加工は、上記焼結体または単結晶をワイ
ヤカット放電加工機等で切断加工し、先端を機械研磨ま
たは電界研磨でとがらせる。先端曲率半径は、2μm以
下が好ましく、円錐角は、10°〜60°の範囲内が好まし
いが、これに限定されるものではない。
貯蔵部への加工は、上記焼結体をワイヤカット放電加
工機等で切断加工する。貯蔵部の構造は、該合金を、貯
蔵するとともに、針状電極に安定に、供給できるもので
あればよいが、針状電極の基部外形に、合わせた内面を
有する基部と、前記合金を、貯蔵する凹部を備えたもの
が好ましい。
次にこのイオン源構造体に次の方法により、金属又は
合金を貯蔵する。すなわち、たとえばアルミニウム−銅
合金の場合イオン源構造体がセットされた真空装置内に
アルミニウム−銅合金を入れたルツボをセットし、10-6
Torr以下で約700℃で加熱して、溶融した合金中に該イ
オン源構造体を浸漬し、貯蔵部に合金を溜める。
このようにして、準備したイオン源構造体を集束イオ
ンビームとして引出し電圧5〜7kV、動作温度550〜630
℃で使用する。
〈実施例〉 以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
(実施例1〜6、比較例1〜5) 表に示す針状電極の材料を加工して長さ5mmの棒状に
し、先端を機械研磨により尖らせ、先端の曲率半径が0.
5μmの針状電極1にした。材料の種類は表に示すとお
りである。なお、材料はタングステンの場合には塑性加
工品を用いたが、その他の材料の場合には原料粉をホッ
トプレス法で焼結したものを用いた。ホットプレスの条
件は温度は2050℃、圧力は150kg/cm2、時間は30分であ
った。
針状電極と同じ材料を長さ3.7mmのスプーン状に加工
して貯蔵部2とした。BNルツボ中に表に示すアルミニウ
ム−銅合金3を入れ、真空装置内で10-6Torrで800℃で1
0℃加熱して、溶融したところに、イオン源の先端を浸
漬させ、貯蔵部の中に表に示す合金を入れた。
次にこの電界放出型イオン源の発熱体5A、5Bは通電す
ることによって貯蔵部を加熱し、貯蔵部内のアルミニウ
ム合金を融解させ、針状電極1の先端まで浸み出させ
た。貯蔵部の温度を600℃に保ち、イオン源本体と引き
出し電極7との間に高圧電源9により引き出し電圧を印
加した。引き出し電圧は、イオンビーム電流が常に10μ
Aになるように調節した。イオンビーム電流は、電流計
10により監視し引き出し電圧は、高圧電源9に付属の電
圧計により測定した。
一方、比較のため、針状電極の材質、貯蔵部の材質を
表の比較例1〜5に示すように変えたものについても、
動作温度以外については上記の実施例と同じ条件で実施
した。
それらの結果を表に示す。針状電極として、チタンの
硼化物、貯蔵部にクロムの硼化物を用いた場合には、引
き出し電圧が5〜6kVで、安定なイオンビームを350〜45
0時間放出させることができた。
又針状電極として、TiB2−BN、TiB2−WC、貯蔵部材料
としてCrB2−BN、CrB2−WCとしたものもビームの安定性
はよく、300〜350時間安定にイオンを放出させることが
できた。
寿命後のイオン源の状態は表に示すとおり、実施例1
〜6は針状電極、貯蔵部、隔壁とも反応、侵食もなく、
良好であったが比較例1〜5は各々、針状電極又は貯蔵
部又は隔壁との侵食が認められた。
(発明の効果) この発明の電界放出型イオン源は、針状電極と金属又
は合金との濡れ性が良く、また、針状電極が該金属又は
合金により侵食されることもなく、長時間安定に金属イ
オンを放出させることができ、特にICのアルミ配線にこ
れらのイオンを注入することにより、アルミ配線のマイ
グレーションを防止するのに有効である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電界放出型イオン源の断面図および付
属の電気回路図である。 符号 1……針状電極、2A、2B……貯蔵部、3……アル
ミニウム合金、4A、4B……隔壁、5A、5B……発熱体、6
A、6B……導電体、7……引出し電極、8……イオンビ
ーム、9……高圧電源、10……電流計

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合金を液体で支持する針状電極と該合金を
    貯蔵する貯蔵部とを有し、電界の作用で前記針状電極の
    先端から、金属イオン放出させる電界放出型イオン源に
    おいて、該合金がアルミニウム−銅合金であって、前記
    針状電極がチタンの硼化物を主成分とする材料であり、
    前記貯蔵部がクロムの硼化物を主成分とする材料である
    ことを特徴とする電界放出型イオン源。
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