JP2687500B2 - 高温強度および溶接性に優れた高クロム合金鋼 - Google Patents

高温強度および溶接性に優れた高クロム合金鋼

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【発明の詳細な説明】 「発明の目的」 (産業上の利用分野) この発明は高クロム合金鋼の組成に関するもので、特
に高温強度および溶接性に優れた高クロムフェライト合
金鋼に係るものである。
(従来の技術) 高温用として用いられる鋼材は、凡そ550℃を境界と
して低温側ではSTBA24鋼(2 1/4 Cr−1Mo)が、高温側
ではSUS304鋼が使用されて来たが、両者間には性能およ
び価格(生産コスト)に大きな差があるため、その間隙
を埋めるものとして登場して来たのが高クロムフェライ
ト鋼である。
その代表鋼種として、ASTM A213 T−91鋼(9Cr−1
Mo−V−Nb)があげられる。然し鋼材の温度が600℃を
超えて使用する場合には、Cr含有量が9%では耐食性も
耐酸化性も不足してくるので、12%Cr鋼が研究され開発
されている。その代表例としては特公昭57−36341、特
開昭62−89842があげられる。然し、これらの先行技術
は、何れも600℃以上の高温環境下でも充分な強度が得
られるように、Mo、W等の強化元素を略2.0%も含有せ
しめたので、前述したSUS304オーステナイト鋼に比較し
て安価であると云う高クロムフェライト鋼の特徴が若干
失われていることは否めない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者等は、先に、前述したような高クロムフェラ
イト鋼の本来の特徴を生かすべく、Mo、W、並びにNbを
低減せしめ、その代り低MnとNの添加量に特徴を有する
高強度で耐食、耐酸化性に優れ且つ安価な12Cr鋼を開発
し、特許出願を行ない刊行物でも発表した(特開昭63−
103053号、「鉄と鋼」vol.(1988)−924)。然しなが
ら、この技術には高温構造材料として不可欠な溶接性の
解決が未完成のため、更に研究を重ね、高温度での使用
時における強度の改善、耐食、耐酸化性の向上、低コス
トの他に、溶接性の向上をも目的とした高クロムフェラ
イト鋼の組成を提供することを、本願発明の目的とする
ものである。
「発明の構成」 (課題を解決するための手段) 前述の目的を達成するために本発明者等は、 重量%で、 C:0.06〜0.13%、Si:0.50%以下、 Mn:0.03〜0.20%未満、P:0.030%以下、 S:0.020%以下、Cr:10.0〜14.0%、 Mo:0.35〜0.85%、W:0.90%以下、 V:0.10〜0.30%、Nb:0.01〜0.10%、 Al:0.005〜0.050%、N:0.020〜0.080%、 を含み、且つMo+1/2 W:0.80〜1.3%を満足し、残部は
鉄および不可避的な不純物よりなることを特徴とする高
温強度および溶接性に優れた高クロム合金鋼を茲に提案
する。
本発明による合金鋼を使用する場合には、高温環境域
において高強度が維持でき耐食、耐酸化性に優れ、安価
で更に溶接性が一段と改善されたので、適用される鋼材
の大幅な用途開発が可能となる。
(作用) 前述した多くの優れた特質を備えた本願発明の高クロ
ムフェライト鋼を得るためには、所定の構成元素および
それら構成元素の好適な添加範囲の規制が必要である。
下記にそれ等の元素名と、数値限定の理由を記載する。
C:0.06〜0.13% 高温強度と靭性を付与するのに必要である。然し、0.
06%未満では高温強度が出ず、一方0.13%を超えて添加
すると溶接性を著しく悪化せしめるので、0.06〜0.13%
の範囲とする。
Si:0.50%以下 耐酸化性、脱酸効果を期待し得る元素である。しか
し、0.50%を超える場合には、脆化相の析出を促進する
ことになり、且つ高温強度を低下せしめることとなるの
で、0.50%を上限とする。
Mn:0.03〜0.20%未満 高温強度と溶接性を付与するのに有効な元素である。
しかし、0.03%未満では溶接性の改善効果がなく、むし
ろ製造コストを上昇せしめることになり、一方0.20%以
上では高温強度の低下を招くので、0.03〜0.20%未満の
範囲とした。
P:0.030%以下 不可避的な不純物の1種である。0.030%を超えると
溶接性が損われ、且つ高温強度も低下する。
S:0.020%以下 P同様不可避的な不純物である。0.020%を超えると
熱間加工性、靭性の低下を招くことになる。
Cr:10.0〜14.0% 耐食性、耐酸化性を付与するのに有効な元素である。
しかし乍ら、10.0%未満では600℃以上での高温使用に
際しての耐食性、耐酸化性が不足することになり、一方
14.0%を超えて添加すると高温強度と靭性が低下してく
るので、10.0〜14.0%の範囲とした。
Mo:0.35〜0.85% 固溶強化および析出強化に有効な元素であるが、0.35
%未満では高温強度が期待できず、0.85%を超えての添
加は脆化相の析出を促進し、且つコストの上昇をもたら
すので、0.35〜0.85%の範囲とする。
W:0.90%以下 Mo同様に固溶強化、析出強化に寄与する。しかし、0.
90%を超えての添加は脆化相の析出を促進し、且つコス
トの上昇にもつながるので、0.90%を上限とする。
Mo+1/2 W:0.80〜1.3% MoとWの複合添加は、特に高温強度に大きな影響を与
える。しかしMoと1/2 Wの合量が0.80%未満では高温強
度が期待できず、一方1.3%を超えての複合添加は脆化
相の析出を促進することになり、且つコストも上昇せし
めることになるので、0.80〜1.3%の範囲とする。
V:0.10〜0.30% 鋼中のNと結合し、炭窒化物を形成し、高温強度の発
現に寄与する。しかし、0.10%未満では高温強度は期待
できず、一方0.30%を超えて添加することは、溶接性を
阻害し、且つ高温強度も低下せしめることになるので、
0.10〜0.30%の範囲とする。
Nb:0.01〜0.10% 前述のVと同様の働らきをする元素である。0.01%未
満では高温強度は期待できず、一方0.10%を超えて添加
することは、溶接性を損うことになると共に、高温域で
長時間使用する際に強度が低下するので、0.01〜0.10%
の範囲とする。
Al:0.005〜0.050% 脱酸剤としての効果の大きな元素であり、溶接割れ、
熱間加工割れを低減させる効果もある。高温長時間の使
用に際し、高温強度を維持するのに有効である。しか
し、0.005%未満では溶接性、高温強度を向上せしめる
効果は期待できず、一方0.050%を超えると高温強度の
急激な低下を来すので、0.005〜0.050%の範囲とした。
N:0.020〜0.080% 高温強度を向上せしめるのに有効な元素である。しか
し、0.20%未満では高温強度の向上効果は期待できず、
一方0.080%を超えて添加する場合には靭性と強度の低
下が著しいので、0.020〜0.080%の範囲とした。
総体的に云えることは、低MnとAl添加を必須としたこ
とに特徴があると云うことができる。
(実施例) 第1表に本発明鋼18チャージ、比較鋼21チャージの合
計39チャージの供試材の化学組成と、夫々のクリープ破
断応力と所定の付加歪を与えた場合の全割れ長さを示
す。先ず、供試材は、各チャージ50kgを眞空溶解後、12
50℃に加熱し、13mm厚の鋼板に熱間仕上(圧下率93%)
を行なった。次いで、1050℃で30分焼準した後、780℃
で2時間焼戻した。クリープ試験は、各供試材から長さ
方向に試験片を採取し、650℃において応力を4〜5水
準振らし、104時間破断応力を測定したものである。
溶接性の評価は、幅120mm、長さ140mm、厚さ8mmの板
材を、各供試材から3枚切り出し、予熱温度約100℃に
し、150A−15V−7cm/min(入熱約19.3KJ)の溶接条件で
板の表面を溶融し、ビードと直角に1%の曲げを加え、
この時凝固部に発生するマイクロクラックを実体顕微鏡
で測定し、そのトータル長さを測定した。この測定法
は、トランスバレストレイン試験法と称するもので、第
4図に原理を示す。(a)は側面図を、(b)は斜視図
を示すものである。第1表に記載したクリープ試験値、
溶接性の評価値からも明らかなように、本発明の化学的
組成の高クロム鋼の場合には、何れも、650℃で104
間のクリープ破断応力がSUS304鋼の下限値に匹敵する8.
5kgf/mm2以上を有しており、且つ、実用的に問題のな
いとされるトランスバレストレイン試験における1.0%
付加歪下での全割れ長さが(3点平均値で)2.0mm以下
を示していることが判る。一方、供試材としての比較鋼
は、クリープ強度、もしくは溶接性の何れか、又はその
双方が前述の基本的な強度および溶接性の条件を充して
いないことが判る。
第1図は、第1表における全供試材の測定結果につ
き、クリープ破断応力とトランスバレストレイン試験に
おける1%付加歪における全割れ長さ(溶接性)との関
係を示したものであって、本発明鋼が、比較鋼とは別異
な特殊な分布(1%付加歪における全割れ長さ2.0mm以
下、クリープ破断応力8.5kgf/mm2以上に集中)を示して
いることを表示している。
第2表はクリープ破断強度、溶接性とMnの添加量との
関係を示すものであり、本願発明の規定の範囲外の場合
には、少量の場合でも大量添加の場合でも機械的特性が
本発明鋼より劣ることが明示されている。
第3図はクリープ破断強度、溶接性とAlの添加量との
関係を示したものである。これも前図同様、本願発明で
特定する範囲の、総合評価が比較鋼より優れていること
を示している。
「発明の効果」 以上詳細に説明したように、本願発明の高クロム鋼
は、従来の公知の高クロムフェライト鋼に比較して、高
価な強化元素の添加量はより少ないかもしくは同量程度
であるにも拘らず、各主要元素の適確な含有量の組合せ
および選択により、耐食性、耐酸化性は従来のものと同
一性能を維持、且つ高温強度と溶接性に優れているの
で、ボイラ、化学プラント、原子力設備等の鋼材として
最適である。特に、Mn量とAl量を適宜組合せることによ
り、高温強度を向上せしめ溶接割れ感受性を低下せしめ
ることが可能であるから、用途に応じた鋼材を自在に製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明鋼および比較鋼における破断応力とトラ
ンスバレストレイン試験、1.0%付加歪を与えた場合に
おける全割れ長さとの関係を示す図表、第2図はクリー
プ破断強度、溶接性とMn添加量の関係を示す図表、第3
図はクリープ破断強度、溶接性とAl添加量の関係を示す
図表、第4図はトランスバレストレイン試験の原理を示
すもので(a)は概略側面図、(b)は斜視図を示すも
のである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 C:0.06〜0.13%、Si:0.50%以下、 Mn:0.03〜0.20%未満、P:0.030%以下、 S:0.020%以下、Cr:10.0〜14.0%、 Mo:0.35〜0.85%、W:0.90%以下、 V:0.10〜0.30%、Nb:0.01〜0.10%、 Al:0.005〜0.050%、N:0.020〜0.080%、 を含み、且つMo+1/2 W:0.80〜1.3%を満足し、残部は
    鉄および不可避的な不純物よりなることを特徴とする高
    温強度および溶接性に優れた高クロム合金鋼。
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