JP2686743B2 - アウトサイド型メカニカルシール - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ 産業上の利用分野 本発明は、回転軸が機器のケーシングを貫通する部分
に装着され、ケーシング内の流体（密封流体）が外部へ
漏れ出るのを防ぐアウトサイド型メカニカルシールに関
する。 従来の技術 従来のアウトサイド型メカニカルシールは、第１図に
示すように、硬質材料からなるシートリング５′は、そ
の後端面を接合面として、スタッフィングボックス１の
後端面に、Ｏリング16とガスケット17を介してグランド
カバーにより固定されている。 外周面が段付きになっているリング状のストッパー６
は、スタッフィングボックス１の外側で、回転軸に固定
され、またストッパー６の段付き部に設けられた軸線方
向に複数の穴には、ばね８が収納されている。 従動リング７は、その一部がストッパー６の一部と重
なる状態で装着され、後端面をばね８を先端に押圧支持
されるとともに、Ｏリング13を介して、軸線方向に摺動
自在に支持され、従動リング７の前端面（密封流体側の
端面）とシートリング５′の後端面が接合して、密封端
面を形成して密封流体４の漏洩を防止している。 発明が解決しようとする問題点 このようなアウトサイド型メカニカルシールにあって
は、グランドカバーをスタッフィングボックスに取付け
るボルトの締付け力がシートリングの円周方向に不均一
に伝わり、密封端面を形成するシートリングの接合面に
歪みが生じ、漏洩および接合面の異常摩耗が発生するこ
とがある。 また、シートリングは完全に固定され、従動リングへ
の追従性がないため、振動等により回転軸が振れた場
合、密封端面における接合が不均一になり、漏れが生
じ、また接合面の過度の摩耗あるいは焼付きなどが起こ
ることがある。 本発明は、従来のアウトサイド型メカニカルシールの
このような欠点を改良することを目的としたものであ
る。 ［発明の構成］ 問題点を解決するための手段 本発明のアウトサイド型メカニカルシールは、回転軸
が貫通するスタフィングボックスと、該スタフィングボ
ックスの後端面にガスケットを介して取り付けられるグ
ランドカバーと、該グランドカバーと上記回転軸の間に
設けられる円筒状のシートリングと、上記スタフィング
ボックスの外側で上記回転軸に固定されるストッパー
と、該ストッパーにばねを介して取り付けられると共に
上記シートリングの後端面と弾性的に接合して密封端面
を形成して上記スタフィングボックス内の流体の漏洩を
防止する従動リングと、から成るアウトサイド型メカニ
カルシールにおいて、上記グランドカバーに円筒部を設
けて上記スタフィングボックス内部に挿設し、さらに該
円筒部内に上記シートリングを同心円状に組み込んで、
Ｏリングとスナップリングによって該円筒部に軸方向に
固定すると共に放射方向に浮動的に保持し、しかもピン
によって円周方向に回転規制するように構成したことを
特徴とするものである。 実施例 以下に、本発明の実施例を第２図にもとづいて説明す
る。 第２図で第１図と同一のものは同一の符号を付してあ
り、３は回転軸、４は密封流体、６はストッパー、７は
従動リング、８はばね、13はＯリングである。 グランドカバー２は、スタッフィングボックス１の後
端面にガスケット15を介して取付けられている。また、
グランドカバー２は円筒部９を有し、この円筒部９はそ
の外周面の一部をスタッフィングボックス１とのはめ合
い部とし、また外周面に円周方向に設けられた溝内にＯ
リング14を装着して、スタッフィングボックス１内に挿
入されている。 硬質材料からなる円筒状のシートリング５は、その後
端面を接合面として、円筒部９内に同心円状に重ねら
れ、円筒部９とシートリング５との間にＯリング12を介
在させ、またシートリング５の前端部に、シートリング
５の大気側への移動を制限するスナップリング10を装着
することにより、シートリング５は円筒部９内に浮動的
に保持されている。 また、円筒部９とシートリング５の半径方向にピン11
が挿入され、シートリング５の回転は防止されている。 ［発明の効果］ 本発明によるアウトサイド型メカニカルシールは、従
来のアウトサイド型メカニカルシールに比べて、次のよ
うな優れた点を有するものである。 （１）シートリングがスナップリングと緩衝性のあるＯ
リングとにより、グランドカバーの円筒部内の浮動内に
保持されているため、シートリングの接合面は、従動リ
ングの接合面への追従性が高い。従って、回転軸が振れ
た場合でも、密封端面で漏れが生じたり、過度の摩耗あ
るいは焼付きが起こることはない。 （２）グランドカバー取付け用ボルトの締付け力が、シ
ートリングには伝わらないため、シートリングの接合面
に歪が発生することがない。従って、シートリングの接
合面の歪による漏洩および接合面の異常摩耗が起ること
はない。 （３）シートリングは、グランドカバーの円筒部に組込
まれ、一体化されているため、スタッフィングボックス
への取付けが容易である。

【図面の簡単な説明】 第１図は従来のアウトサイド型メカニカルシールの半縦
断面図、第２図は本発明によるアウトサイド型メカニカ
ルシールの一実施例を示す半縦断面図である。 なお、図中の主要部の符号は次の通りである。 １……スタッフィングボックス、2,2′……グランドカ
バー、３……回転軸、４……密封流体、5,5′……シー
トリング、６……ストッパー、７……従動リング、８…
…ばね、９……円筒部、10……スナップリング、11……
ピン、12,13,14,16……Ｏリング、15,17……ガスケッ
ト。

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．回転軸（３）が貫通するスタフィングボックス
   （１）と、該スタフィングボックス（１）の後端面にガ
   スケット（15）を介して取り付けられるグランドカバー
   （２）と、該グランドカバー（２）と上記回転軸（３）
   の間に設けられる円筒状のシートリング（５）と、上記
   スタフィングボックス（１）の外側で上記回転軸（３）
   に固定されるストッパー（６）と、該ストッパー（６）
   にばね（８）を介して取り付けられると共に上記シート
   リング（５）の後端面と弾性的に接合して密封端面を形
   成して上記スタフィングボックス（１）内の流体の漏洩
   を防止する従動リング（７）と、から成るアウトサイド
   型メカニカルシールにおいて、上記グランドカバー
   （２）に円筒部（９）を設けて上記スタフィングボック
   ス（１）内部に挿設し、さらに該円筒部（９）内に上記
   シートリング（５）を同心円状に組み込んで、Ｏリング
   （12）とスナップリング（10）によって該円筒部（９）
   に軸方向に固定すると共に放射方向に浮動的に保持し、
   しかもピン（11）によって円周方向に回転規制するよう
   に構成したことを特徴とするアウトサイド型メカニカル
   シール。