JP2686147B2 - 原子炉 - Google Patents
原子炉Info
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- JP2686147B2 JP2686147B2 JP1159646A JP15964689A JP2686147B2 JP 2686147 B2 JP2686147 B2 JP 2686147B2 JP 1159646 A JP1159646 A JP 1159646A JP 15964689 A JP15964689 A JP 15964689A JP 2686147 B2 JP2686147 B2 JP 2686147B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
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- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
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- Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は原子炉の熱交換器に係わり、特に高速炉の熱
交換器で使用するに好適な熱交換器に関する。
交換器で使用するに好適な熱交換器に関する。
[従来の技術] 液体金属ナトリウム(以下、ナトリウムと記す)を冷
却材として用いるタンク型高速炉は第2図に示すように
原子炉容器9をナトリウムで満たし、その内部に炉心1
0、炉心上部機構8、複数基の熱交換器1、複数器のポ
ンプ11が設置されている。さらに原子炉容器9内に通常
の定格運転時に炉心10より流出する高温のナトリウムと
熱交換器1より流出する低温のナトリウムを分離する隔
壁12により原子炉容器9内は上部のホットプレナム5と
下部のコールドプレナム6に分離されている。原子炉容
器9の上部はルーフスラブ13(厚い蓋板)によって閉ざ
されている。
却材として用いるタンク型高速炉は第2図に示すように
原子炉容器9をナトリウムで満たし、その内部に炉心1
0、炉心上部機構8、複数基の熱交換器1、複数器のポ
ンプ11が設置されている。さらに原子炉容器9内に通常
の定格運転時に炉心10より流出する高温のナトリウムと
熱交換器1より流出する低温のナトリウムを分離する隔
壁12により原子炉容器9内は上部のホットプレナム5と
下部のコールドプレナム6に分離されている。原子炉容
器9の上部はルーフスラブ13(厚い蓋板)によって閉ざ
されている。
第3図はDRACS(Direct Reactor Auxiliary Cooling
System)と呼ばれる高速炉の崩壊熱除去系の系統図を示
している。
System)と呼ばれる高速炉の崩壊熱除去系の系統図を示
している。
この崩壊熱除去系は燃料交換時などの原子炉停止時に
主循環系に替わって運転され、ホットプレナム5内に浸
漬されている。冷却器に相当するDHX(Direct Heat Exc
henger)14がホットプレナム内の熱を除去する。また同
時に熱交換器1内で冷却されたナトリウムはコールドプ
レナム6に送られ、それによって炉心10の崩壊熱を除去
する。通常原子炉停止時にはポニーモータと呼ばれる小
型のモータによりポンプが駆動され、定格時の約10%の
循環流量が確保される。
主循環系に替わって運転され、ホットプレナム5内に浸
漬されている。冷却器に相当するDHX(Direct Heat Exc
henger)14がホットプレナム内の熱を除去する。また同
時に熱交換器1内で冷却されたナトリウムはコールドプ
レナム6に送られ、それによって炉心10の崩壊熱を除去
する。通常原子炉停止時にはポニーモータと呼ばれる小
型のモータによりポンプが駆動され、定格時の約10%の
循環流量が確保される。
なお、本発明に最も近い公知技術は定期刊行物「日立
評論」1985年11月号第891頁から同第892頁に記載されて
いる。
評論」1985年11月号第891頁から同第892頁に記載されて
いる。
[発明が解決しようとする課題] 上述した従来の崩壊熱除去系のみによっては原子炉容
器内の冷却材の温度は充分に下がりきらず、特にそれが
コールドプレナムの上部において顕著であり、それ故に
コールドプレナム内の構造材に熱衝撃を発生される恐れ
がある。従来装置におけるこのような現象を以下に図を
使用して説明する。
器内の冷却材の温度は充分に下がりきらず、特にそれが
コールドプレナムの上部において顕著であり、それ故に
コールドプレナム内の構造材に熱衝撃を発生される恐れ
がある。従来装置におけるこのような現象を以下に図を
使用して説明する。
第4図は原子炉停止後の原子炉容器内の温度分布の過
渡塩化の一例の概略を示したものである。(a)原子炉
停止前の通常の定格運転時、ホットプレナム温度530
℃、コールドプレナム温度380℃で冷却材が循環してい
る。(b)原子炉が停止し、ポニーモータ運転に移行し
てDHX14が作動し、ホットプレナム5の冷却が開始さ
れ、DHX14から冷却されたホットプレナム5の流体が約4
50℃でホットプレナム5の下部に供給される。(c)時
間の経過とともにホットプレナム5の下部に低温の流体
が積層し、成層界面17が上昇する。(d)、(e)ホッ
トプレナム5の成層界面17の上昇に伴い、ホットプレナ
ム5の成層界面17上部の高温流体が熱交換器1を通して
コールドプレナム6に流出し、コールドプレナム6の上
部に成層して成層界面18を形成する。(f)ホットプレ
ナム5の成層界面17がホットプレナムの上部まで達し、
熱交換器1からDHX14で冷却された流体が吸い込まれ、
コールドプレナム6に流れ込むようになる。この状態に
なると前記コールドプレナムの成層界面18上部の流体よ
りも熱交換器1から流出する流体は低温であるため、混
合せず、コールドプレナム6の上部に高温流体が留まる
ことになる。第5図は原子炉停止後の熱交換器出口温度
の過渡変化の一例を概略を前記第4図に記載した(a)
〜(f)の時間経過に合わせて表示したグラフである。
渡塩化の一例の概略を示したものである。(a)原子炉
停止前の通常の定格運転時、ホットプレナム温度530
℃、コールドプレナム温度380℃で冷却材が循環してい
る。(b)原子炉が停止し、ポニーモータ運転に移行し
てDHX14が作動し、ホットプレナム5の冷却が開始さ
れ、DHX14から冷却されたホットプレナム5の流体が約4
50℃でホットプレナム5の下部に供給される。(c)時
間の経過とともにホットプレナム5の下部に低温の流体
が積層し、成層界面17が上昇する。(d)、(e)ホッ
トプレナム5の成層界面17の上昇に伴い、ホットプレナ
ム5の成層界面17上部の高温流体が熱交換器1を通して
コールドプレナム6に流出し、コールドプレナム6の上
部に成層して成層界面18を形成する。(f)ホットプレ
ナム5の成層界面17がホットプレナムの上部まで達し、
熱交換器1からDHX14で冷却された流体が吸い込まれ、
コールドプレナム6に流れ込むようになる。この状態に
なると前記コールドプレナムの成層界面18上部の流体よ
りも熱交換器1から流出する流体は低温であるため、混
合せず、コールドプレナム6の上部に高温流体が留まる
ことになる。第5図は原子炉停止後の熱交換器出口温度
の過渡変化の一例を概略を前記第4図に記載した(a)
〜(f)の時間経過に合わせて表示したグラフである。
このように従来技術では原子炉停止時に熱交換器1を
通してホットプレナム5の高温流体がコールドプレナム
6に流れ込み、コールドプレナム6の上部に成層してコ
ールドプレナム6内の構造材に熱衝撃を発生させる恐れ
があるという問題点があった。さらに、コールドプレナ
ム6の上部に成層した高温流体がコールドプレナム6下
部の低温流体に替わってポンプ11から吸い込まれて炉心
10に供給され、炉心出口温度が上昇するという問題があ
る。
通してホットプレナム5の高温流体がコールドプレナム
6に流れ込み、コールドプレナム6の上部に成層してコ
ールドプレナム6内の構造材に熱衝撃を発生させる恐れ
があるという問題点があった。さらに、コールドプレナ
ム6の上部に成層した高温流体がコールドプレナム6下
部の低温流体に替わってポンプ11から吸い込まれて炉心
10に供給され、炉心出口温度が上昇するという問題があ
る。
本発明の目的は、原子炉停止時に、コールドプレナム
に発生する温度成層化現象を低減した高速炉を得ること
にある。
に発生する温度成層化現象を低減した高速炉を得ること
にある。
[問題を解決するための手段] 本発明はコールドプレナムに発生する温度成層化現象
を低減させることを目的とし、原子炉停止時におけるポ
ニーモータによるポンプの循環作用を有効に活用してコ
ールドプレナム内の上層流体を下層部への移行を促進す
る手段をそなえるものである。
を低減させることを目的とし、原子炉停止時におけるポ
ニーモータによるポンプの循環作用を有効に活用してコ
ールドプレナム内の上層流体を下層部への移行を促進す
る手段をそなえるものである。
すなわち、熱交換器からコールドプレスム内への出口
管路を二重管構造とし、内側管路はその上部を熱交換器
の出口に連結しその下部を外側管路内に開口し、外側管
路はその上部をコールドプレナムの上層に開口し、その
下部をコールドプレナムの中層以下に開口するようにし
た。
管路を二重管構造とし、内側管路はその上部を熱交換器
の出口に連結しその下部を外側管路内に開口し、外側管
路はその上部をコールドプレナムの上層に開口し、その
下部をコールドプレナムの中層以下に開口するようにし
た。
[作用] 高速炉の熱交換器の出口に設けた二重管路の外側管路
に孔を配し、内側管路を外側管路よりも短くすることに
より、原子炉が停止し、ポニーモータ運転に移行してDH
Xが作動し、ホットプレナム下部に形成された成層界面
上部の高温流体が熱交換器を通してコールドプレナムに
流出する際、熱交換器出口の高温流体は二重管路の内側
管路から外側管路を通ってコールドプレナムに流出す
る。
に孔を配し、内側管路を外側管路よりも短くすることに
より、原子炉が停止し、ポニーモータ運転に移行してDH
Xが作動し、ホットプレナム下部に形成された成層界面
上部の高温流体が熱交換器を通してコールドプレナムに
流出する際、熱交換器出口の高温流体は二重管路の内側
管路から外側管路を通ってコールドプレナムに流出す
る。
この際に内側管路から外側管路に流出した流体が外側
管路内の流体を押し出し、これに引かれて外側管路の上
部に配置した開口から外側管路周りのコールドプレナム
の低温流体が外側管路内に流入し、内側管路から流出す
る熱交換器出口の高温流体と混合して外側管路から流出
する。さらに外側管路から出てコールドプレナム上部へ
上昇する際に周囲の流体とも混合してコールドプレナム
温度の急激な変化を押さえ、コールドプレナム上部の成
層流体の温度を低く保つことができる。
管路内の流体を押し出し、これに引かれて外側管路の上
部に配置した開口から外側管路周りのコールドプレナム
の低温流体が外側管路内に流入し、内側管路から流出す
る熱交換器出口の高温流体と混合して外側管路から流出
する。さらに外側管路から出てコールドプレナム上部へ
上昇する際に周囲の流体とも混合してコールドプレナム
温度の急激な変化を押さえ、コールドプレナム上部の成
層流体の温度を低く保つことができる。
また、ホットプレナムの成層界面がホットプレナムの
上部まで達し、熱交換器からDHXで冷却された流体が吸
い込まれ、熱交換器出口から流出するようになると、熱
交換器出口に設置した二重管路の内側管路を通る熱交換
器出口の流体が前記と同様に外側管路内部の流体を押し
出し、これに引かれて外側管路の上部に配置した開口か
らコールドプレナム上部に成層した高温流体が外側管路
に流入し、内側管路から流出する熱交換器出口の流体と
混合して二重管路を通り、コールドプレナム下部に流出
する。これにより、コールドプレナム上部に成層した高
温流体がコールドプレナム上部に停留することなく混合
され、成層界面を早期に解消することができる。
上部まで達し、熱交換器からDHXで冷却された流体が吸
い込まれ、熱交換器出口から流出するようになると、熱
交換器出口に設置した二重管路の内側管路を通る熱交換
器出口の流体が前記と同様に外側管路内部の流体を押し
出し、これに引かれて外側管路の上部に配置した開口か
らコールドプレナム上部に成層した高温流体が外側管路
に流入し、内側管路から流出する熱交換器出口の流体と
混合して二重管路を通り、コールドプレナム下部に流出
する。これにより、コールドプレナム上部に成層した高
温流体がコールドプレナム上部に停留することなく混合
され、成層界面を早期に解消することができる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面により説明する。
第1図は、本発明の高速炉の熱交換器をタンク型高速
炉の熱交換器として用いた場合の一実施例である。熱交
換器1の出口に内側管路3と外側管路4からなる二重管
路が取り付けてある。内側管路3は外側管路4よりも短
く、外側管路4と熱交換器1の接続部、即ち外側管路4
の上部、隔壁12との境界にあたる部分にスリット(孔)
7が設けらている。
炉の熱交換器として用いた場合の一実施例である。熱交
換器1の出口に内側管路3と外側管路4からなる二重管
路が取り付けてある。内側管路3は外側管路4よりも短
く、外側管路4と熱交換器1の接続部、即ち外側管路4
の上部、隔壁12との境界にあたる部分にスリット(孔)
7が設けらている。
原子炉が停止し、ポニーモータ運転に移行してDHXが
作動し、ホットプレナム下部に形成された成層界面上部
の高温流体が熱交換器を通して二重管路の内側管路3か
ら外側管路4を通ってコールドプレナムに流出する。こ
の際に内側管路3から外側管路4に流出した流体が外側
管路4内の流体を押し出し、これに引かれて外側管路4
に配置たスリット7から外側管路周りコールドプレナム
の低温流体が外側管路内に流入し、内側管路から流出す
る熱交換器出口の高温流体と混合し、外側管路から流出
する。さらに外側管路から出てコールドプレナム上部へ
上昇する際に周囲の流体とも混合してコールドプレナム
温度の急激な変化を押さえ、コールドプレナム上部の成
層流体の温度を低く保つことができる。
作動し、ホットプレナム下部に形成された成層界面上部
の高温流体が熱交換器を通して二重管路の内側管路3か
ら外側管路4を通ってコールドプレナムに流出する。こ
の際に内側管路3から外側管路4に流出した流体が外側
管路4内の流体を押し出し、これに引かれて外側管路4
に配置たスリット7から外側管路周りコールドプレナム
の低温流体が外側管路内に流入し、内側管路から流出す
る熱交換器出口の高温流体と混合し、外側管路から流出
する。さらに外側管路から出てコールドプレナム上部へ
上昇する際に周囲の流体とも混合してコールドプレナム
温度の急激な変化を押さえ、コールドプレナム上部の成
層流体の温度を低く保つことができる。
また、ホットプレナムの成層界面がホットプレナムの
上部まで達し、熱交換器からDHXで冷却された流体が吸
い込まれ、熱交換器出口から流出するようになると、熱
交換器出口に設置した二重管路の内側管路3を通る熱交
換器出口の流体が外側管路4内部の流体を押し出し、こ
れに引かれて外側管路に配設したスリット7からコール
ドプレナム上部に成層した高温流体が外側管路4に流入
し、内側管路3から流出する熱交換器出口の流体と混合
して二重管路を通り、コールドプレナム下部に流出す
る。これにより、コールドプレナム上部に成層した高温
流体がコールドプレナム上部に停留することなく混合さ
れ、成層界面を早期に解消することができる。
上部まで達し、熱交換器からDHXで冷却された流体が吸
い込まれ、熱交換器出口から流出するようになると、熱
交換器出口に設置した二重管路の内側管路3を通る熱交
換器出口の流体が外側管路4内部の流体を押し出し、こ
れに引かれて外側管路に配設したスリット7からコール
ドプレナム上部に成層した高温流体が外側管路4に流入
し、内側管路3から流出する熱交換器出口の流体と混合
して二重管路を通り、コールドプレナム下部に流出す
る。これにより、コールドプレナム上部に成層した高温
流体がコールドプレナム上部に停留することなく混合さ
れ、成層界面を早期に解消することができる。
これらの効果を定量的に評価するため、第6図
(イ),(ロ)に示すタンク型高速炉の概略寸法の一例
を用いたモデルにより一次元解析を実施する。流路とし
ては炉心10からホットプレナム5、IHX1,コールドプレ
ナム6、ポンプ11を通り、炉心10へ戻る経路を一次元的
に考慮する。IHX1の出口ノズル、ポンプ11と炉心10を結
ぶ配管及びDHX14は全体に対してその長さ、体積が小さ
いので無視する。炉心10の断面積に対する流路面積は炉
心内構造物を考慮して40%、とする。また、スクラム後
に発生する温度成層化現象を考慮して、低温流体の上部
に高温流体が存在する場合にはこれらの流体は混合せ
ず、高温流体の上部に低温流体が存在する場合にはこれ
らは完全に混合するものとする。また、流量は定格運転
時を16m3/minとし、スクラム後定格時の10%の流量でポ
ニーモータにより循環されるものとする。一次元解析で
用いる本発明の二重管路の寸法の一例を第7図に示す。
内側管路3の出口流速と同じ速度で外側管路4のスリッ
ト7からの周囲の流体が流入するとすると、内側配管3
の流量の42%の流量を外側管路4のスリットから吸入可
能である。この寸法の二重管路を取り付けることによる
定格運転時の圧力損失の増加分を二重管路の出入口損
失、摩擦損失を考慮して試算すると、約3000Paの圧力損
失となる。炉心10の圧力損失はおよそ0.5MPa程度である
から1%以下の増加量であり、本発明の熱交換器の二重
管路を取り付けることによる圧力損失の増加は無視でき
る程度であり、通常の運転には支障を生じていない。炉
心10の発熱量は定格時を2600MWtとし、スクラム後の発
熱量はその3%にあたる78MWtとする。
(イ),(ロ)に示すタンク型高速炉の概略寸法の一例
を用いたモデルにより一次元解析を実施する。流路とし
ては炉心10からホットプレナム5、IHX1,コールドプレ
ナム6、ポンプ11を通り、炉心10へ戻る経路を一次元的
に考慮する。IHX1の出口ノズル、ポンプ11と炉心10を結
ぶ配管及びDHX14は全体に対してその長さ、体積が小さ
いので無視する。炉心10の断面積に対する流路面積は炉
心内構造物を考慮して40%、とする。また、スクラム後
に発生する温度成層化現象を考慮して、低温流体の上部
に高温流体が存在する場合にはこれらの流体は混合せ
ず、高温流体の上部に低温流体が存在する場合にはこれ
らは完全に混合するものとする。また、流量は定格運転
時を16m3/minとし、スクラム後定格時の10%の流量でポ
ニーモータにより循環されるものとする。一次元解析で
用いる本発明の二重管路の寸法の一例を第7図に示す。
内側管路3の出口流速と同じ速度で外側管路4のスリッ
ト7からの周囲の流体が流入するとすると、内側配管3
の流量の42%の流量を外側管路4のスリットから吸入可
能である。この寸法の二重管路を取り付けることによる
定格運転時の圧力損失の増加分を二重管路の出入口損
失、摩擦損失を考慮して試算すると、約3000Paの圧力損
失となる。炉心10の圧力損失はおよそ0.5MPa程度である
から1%以下の増加量であり、本発明の熱交換器の二重
管路を取り付けることによる圧力損失の増加は無視でき
る程度であり、通常の運転には支障を生じていない。炉
心10の発熱量は定格時を2600MWtとし、スクラム後の発
熱量はその3%にあたる78MWtとする。
第8図〜第10図に上記一次元モデル解析により求めた
スクラム後の炉心各部の温度の時間変化を示す。第8図
は炉心10の出口温度の時間変化を示したものである。従
来技術に比べて600秒付近の温度ピークを本発明により
低く押さえられていることがわかる。第9図は熱交換器
1の出口温度の時間変化を示したものである。スクラム
初期にホットプレナム内の高温流体が熱交換器1を通し
てコールドプレナム6に流れ込む際に温度上昇の勾配が
低く押さえられていることがわかる。第10図はコールド
プレナム6上部の温度変化を示したものである。従来技
術は長時間高温流体がコールドプレナム6上部に停留し
ているのに対して本発明においては成層流体の温度が低
く押さえられているとともに約1400秒でスクラム前のホ
ットプレナム5とコールドプレナム6の流体を全て混合
した場合の温度である約450℃に達していることがわか
る。
スクラム後の炉心各部の温度の時間変化を示す。第8図
は炉心10の出口温度の時間変化を示したものである。従
来技術に比べて600秒付近の温度ピークを本発明により
低く押さえられていることがわかる。第9図は熱交換器
1の出口温度の時間変化を示したものである。スクラム
初期にホットプレナム内の高温流体が熱交換器1を通し
てコールドプレナム6に流れ込む際に温度上昇の勾配が
低く押さえられていることがわかる。第10図はコールド
プレナム6上部の温度変化を示したものである。従来技
術は長時間高温流体がコールドプレナム6上部に停留し
ているのに対して本発明においては成層流体の温度が低
く押さえられているとともに約1400秒でスクラム前のホ
ットプレナム5とコールドプレナム6の流体を全て混合
した場合の温度である約450℃に達していることがわか
る。
ループ型の高速炉に本発明の熱交換器の二重管路を適
用した場合の実施例を第11図に示す。熱交換器1に接続
された配管21を介して原子炉容器9のコールドプレナム
6に外側管路4と内側管路3及び外側管路のスリット7
からなる本発明の二重管路が水平に設置されている。
用した場合の実施例を第11図に示す。熱交換器1に接続
された配管21を介して原子炉容器9のコールドプレナム
6に外側管路4と内側管路3及び外側管路のスリット7
からなる本発明の二重管路が水平に設置されている。
ホットプレナム5内に配置された補助熱交換器14に本
発明の熱交換器の二重管路を適用した実施例を第12図に
示す。補助熱交換器であるDHX14の出口に外側管路4と
内側管路3及び外側管路に設けられたスリット7からな
る二重管路が垂直に接続されている。これによりスクラ
ムしてDHX14が作動し、低温流体がホットプレナム5底
部に流出する際に周りの高温流体と低温流体を混合し、
急激な温度変化を低減することができる。
発明の熱交換器の二重管路を適用した実施例を第12図に
示す。補助熱交換器であるDHX14の出口に外側管路4と
内側管路3及び外側管路に設けられたスリット7からな
る二重管路が垂直に接続されている。これによりスクラ
ムしてDHX14が作動し、低温流体がホットプレナム5底
部に流出する際に周りの高温流体と低温流体を混合し、
急激な温度変化を低減することができる。
[発明の効果] 本発明によれば、原子炉が停止し、ポニーモータ運転
に移行してDHXが作動し、ホットプレナム下部に形成さ
れた成層界面上部の高温流体が熱交換器を通してコール
ドプレナムに流出する際に熱交換器出口の高温流体は外
側管路に配置したスリットから外側管路周りのコールド
プレナムの低温流体と混合して外側管路から流出する。
そして、外側配管の出口からコールドプレナム上部へ上
昇する際に周囲の流体を巻き込み混合して、コールドプ
レナム上部に成層する流体の温度を低下させる。
に移行してDHXが作動し、ホットプレナム下部に形成さ
れた成層界面上部の高温流体が熱交換器を通してコール
ドプレナムに流出する際に熱交換器出口の高温流体は外
側管路に配置したスリットから外側管路周りのコールド
プレナムの低温流体と混合して外側管路から流出する。
そして、外側配管の出口からコールドプレナム上部へ上
昇する際に周囲の流体を巻き込み混合して、コールドプ
レナム上部に成層する流体の温度を低下させる。
また、ホットプレナムの成層界面がホットプレナムの
上部まで達し、熱交換器からDHXで冷却された流体が吸
い込まれ、熱交換器出口から流出するようになると、熱
交換器出口に設置した二重管路の内側管路を通る熱交換
器出口の流体が前記と同様に外側管路内部に押し出し、
これに引かれて外側管路に配置した孔からコールドプレ
ナム上部に成層した高温流体が外側管路内に流入し、内
側管路から流出する熱交換器出口の流体と混合して二重
管路を通り、コールドプレナム下部に流出する。これに
より、コールドプナナム上部に成層した高温流体がコー
ルドプレナム上部に停留することなく混合され、成層界
面を早期に解消することができる。
上部まで達し、熱交換器からDHXで冷却された流体が吸
い込まれ、熱交換器出口から流出するようになると、熱
交換器出口に設置した二重管路の内側管路を通る熱交換
器出口の流体が前記と同様に外側管路内部に押し出し、
これに引かれて外側管路に配置した孔からコールドプレ
ナム上部に成層した高温流体が外側管路内に流入し、内
側管路から流出する熱交換器出口の流体と混合して二重
管路を通り、コールドプレナム下部に流出する。これに
より、コールドプナナム上部に成層した高温流体がコー
ルドプレナム上部に停留することなく混合され、成層界
面を早期に解消することができる。
第1図は本発明の一実施例の構造を示す部分断面図、第
2図はタンク型高速炉の概念を示す略断面図、第3図は
タンク型高速炉のDRACSタイプの崩壊熱除去系の系統
図、第4図は従来技術における原子炉停止時の原子炉容
器内の温度分布の(a)から(f)に到る過渡変化の概
念図、第5図は従来技術における原子炉停止時の熱交換
器出口の過渡変化の概略図、第6図(イ),(ロ)は一
次元解析モデルに用いるタンク型高速炉の寸法線図、第
7図は本発明の熱交換器の二重管路の一例を示す寸法線
図、第8図は一次元解析による炉心出口温度の時間変化
を示す略線図、第9図は一次元解析による熱交換器出口
温度の時間変化を示す略線図、第10図は一次元解析によ
るコールドプレナム上部温度の時間変化を示す略線図、
第11図は本発明をループ型高速炉に適用した実施例を示
す概念図、第12図は本発明を補助熱交換器に適用した実
施例を示す概念図である。 <符号の説明> 1……熱交換器、2……熱交換器入口窓、3……内側管
路、4……外側管路、5……ホットプレナム、6……コ
ールドプレナム、7……スリット、8……炉心上部機
構、9……原子炉容器、10……炉心、11……ポンプ、12
……隔壁、13……ルーフスラブ、14……DHX、15……空
気冷却器、16……蒸気発生器、17……ホットプレナムの
成層界面、18……コールドプレナムの成層界面、19…
…コールドプレナムの成層界面、20……自由液面、21
……配管。
2図はタンク型高速炉の概念を示す略断面図、第3図は
タンク型高速炉のDRACSタイプの崩壊熱除去系の系統
図、第4図は従来技術における原子炉停止時の原子炉容
器内の温度分布の(a)から(f)に到る過渡変化の概
念図、第5図は従来技術における原子炉停止時の熱交換
器出口の過渡変化の概略図、第6図(イ),(ロ)は一
次元解析モデルに用いるタンク型高速炉の寸法線図、第
7図は本発明の熱交換器の二重管路の一例を示す寸法線
図、第8図は一次元解析による炉心出口温度の時間変化
を示す略線図、第9図は一次元解析による熱交換器出口
温度の時間変化を示す略線図、第10図は一次元解析によ
るコールドプレナム上部温度の時間変化を示す略線図、
第11図は本発明をループ型高速炉に適用した実施例を示
す概念図、第12図は本発明を補助熱交換器に適用した実
施例を示す概念図である。 <符号の説明> 1……熱交換器、2……熱交換器入口窓、3……内側管
路、4……外側管路、5……ホットプレナム、6……コ
ールドプレナム、7……スリット、8……炉心上部機
構、9……原子炉容器、10……炉心、11……ポンプ、12
……隔壁、13……ルーフスラブ、14……DHX、15……空
気冷却器、16……蒸気発生器、17……ホットプレナムの
成層界面、18……コールドプレナムの成層界面、19…
…コールドプレナムの成層界面、20……自由液面、21
……配管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 正剛 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−225196(JP,A) 特開 昭59−44693(JP,A)
Claims (6)
- 【請求項1】原子炉容器内が隔壁によりホットプレナム
とコールドプレナムに区分され、原子炉容器内の熱を外
部に取り出すための熱交換器をそなえてなるものにおい
て、この熱交換器の出口管路を二重管路とし、内側管路
はその上部を上記熱交換器の出口に連結しその下部を外
側管路内に開口し、外側管路はその上部及び下部に開口
を設けたことを特徴とする原子炉。 - 【請求項2】請求項1において、前記二重管路が前記熱
交換器に直結されていることを特徴とする原子炉。 - 【請求項3】請求項1において、前記二重管路が前記熱
交換器に配管を通して連結されていることを特徴とする
原子炉。 - 【請求項4】請求項1において、前記外側管路はその上
部をコールドプレナムの上層部に開口し、その下部をコ
ールドプレナムの中層部に開口するようにしたことを特
徴とする原子炉。 - 【請求項5】請求項4において、前記外側管路の下部を
前記コールドプレナムの底部に開口するようにしたこと
を特徴とする原子炉。 - 【請求項6】請求項1において、前記二重配管にしたも
のを前記ホットプレナム内に開口するようにしたことを
特徴とする原子炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1159646A JP2686147B2 (ja) | 1989-06-23 | 1989-06-23 | 原子炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1159646A JP2686147B2 (ja) | 1989-06-23 | 1989-06-23 | 原子炉 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0325394A JPH0325394A (ja) | 1991-02-04 |
JP2686147B2 true JP2686147B2 (ja) | 1997-12-08 |
Family
ID=15698260
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1159646A Expired - Lifetime JP2686147B2 (ja) | 1989-06-23 | 1989-06-23 | 原子炉 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2686147B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102820067B (zh) * | 2012-08-22 | 2015-04-15 | 华北电力大学 | 一种用于超临界水堆余热排出的自然循环换热器 |
-
1989
- 1989-06-23 JP JP1159646A patent/JP2686147B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0325394A (ja) | 1991-02-04 |
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