JP2685802B2 - 翼形羽根を電解加工ための電極 - Google Patents

翼形羽根を電解加工ための電極

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    • B23HWORKING OF METAL BY THE ACTION OF A HIGH CONCENTRATION OF ELECTRIC CURRENT ON A WORKPIECE USING AN ELECTRODE WHICH TAKES THE PLACE OF A TOOL; SUCH WORKING COMBINED WITH OTHER FORMS OF WORKING OF METAL
    • B23H3/00Electrochemical machining, i.e. removing metal by passing current between an electrode and a workpiece in the presence of an electrolyte
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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は金属製部品の電解加工に関するものであっ
て、更に詳しく言えば、翼形部品の電解加工に関する。
電解加工(以後は単に「加工」と呼ぶこともある)は
公知の方法である。それによれば、通例、被加工物に正
電圧を印加することによって陽極が形成され、かつ電極
に負電圧を印加することによって陰極が形成される。か
かる目的のため、約5〜25ボルトおよび約15〜30000ア
ンペアの直流が通例使用される。次に、被加工物と電極
との間隙に電解液を流すことによって被加工物の電解加
工が行われる。その際、損傷をもたらすような火花放電
またはアーク放電の発生を回避するため、上記の間隙は
正確に維持しなければならない。このような放電は間隙
が小さ過ぎたり、あるいは電解液の量が少な過ぎたりし
た場合に発生するものである。
従来、単独の翼形羽根または単一の一体化された羽根
付きディスクすなわちブリスク(blisk)上の翼形羽根
を製造するための様々な電解加工方法が知られている。
特に、翼形羽根の前縁および後縁を正確に加工すること
は非常に困難であって、そのための様々な装置が従来提
唱されてきた。
そり(キャンバ)が大きく、捩れが大きく、かつ(あ
るいは)ソリディティが大きいブリスクの場合には、経
済的に羽根の電解加工を行うことが大きな問題となる。
「そり」とは、中心軸に対する羽根の先端の角度を指
す。「捩れ」とは、羽根の根元と先端との間におけるそ
り角の差を示す。また、「ソリディティ」とはブリスク
の外周に対する羽根の数を指し、ソリディティが大きい
ことは羽根同士の間隔が比較的小さいことを表わす。
それ故、ブリスクの電解加工を効率的かつ経済的に行
うための装置は、比較的複雑な機構を使用することなし
に比較的少ない操作でそれを行うものでなければならな
い。
発明の効果 本発明の目的の1つは、翼形部品を電解加工するため
の新規で改良された方法および装置を提供することにあ
る。
また、ブリスクを電解加工するための新規で改良され
た方法および装置を提供することも本発明の目的の1つ
である。
更にまた、1回の作業によって被加工物の素材片から
翼形部品を電解加工するための新規で改良された方法お
よび装置を提供することも本発明の目的の1つである。
更にまた、被加工物の素材片の両側面ばかりなく、そ
れの前縁および後縁を正確に電解加工するための新規で
改良された方法および装置を提供することも本発明の目
的の1つである。
更にまた、ブリスクの羽根の電解加工と同時に、互い
に隣接した羽根の間にプラットホームを電解加工するた
めの新規で改良された方法および装置を提供することも
本発明の目的の1つである。
発明の要約 本発明の好適な実施の一態様に従えば、被加工物から
ブリスクを製造するための電極対が提供される。その場
合の被加工物は、半径方向内側の基部、半径方向外側の
頂端、第1の縁端および第2の縁端によって境界が規定
されかつ互いに背中合せに位置する第1および第2の側
面を有する素材片を含む。
本発明の電極対は、被加工物の素材片の周囲に配置し
得る第1および第2の相補的な電極を含んでいる。各々
の電極は作用部分と支持部分とから成っている。本発明
の電極対はまた、電極間に形成された入口から出口に向
かって電解液を流すための流路手段、および電極の作用
部分を封止して電解液の漏れを防止するための封止手段
をも含んでいる。
発明の詳細な説明 第1図には、複数の素材片14を円周方向に沿って互い
に離隔した状態で具備する被加工物12からブリスク電解
加工によって製造するための製造10が示されている。か
かる装置10は、ハウジング16、第1の電極18と第2の電
極20とを含む電極対、および外被16に電極対を取付ける
ための電極対取付手段22を具備する電解加工機15を含ん
でいる。また、ハウジング16に被加工物12を取付けるた
の被加工物取付手段24も設けられている。
装置10はまた、電極対に電解液28を供給するための電
解液供給手段26、および電極対に負電圧を印加しかつ被
加工物12に正電圧を印加するための電力供給手段30をも
含んでいる。電解液28は、常法に従い、塩化ナトリムウ
および(または)硝酸ナトリウムの水溶液あるいはその
他の有効な電解質溶液から成ればよい。
電解液供給手段26は、供給管34を通して温度調節され
た比較的清浄な電解液28を電極対18,20に供給する通常
の電解液供給装置32を含んでいる。供給装置32は公知の
ものであって、その中には高圧ポンプ、直列フィルタ、
温度調節手段および適当な制御弁(いずれも図示せず)
が含まれている。また、電極対から電解液28を回収して
供給装置32を戻すための帰り管36も設けられている。ハ
ウジング16に設けられてドレン孔38は、漏れ出た電解液
28を集め、そして帰り管36に連結されたドレン管40を通
してそれを供給装置32に戻すために役立つ。電極対およ
びドレン孔38からの電解液28を供給装置32に戻すため、
帰り管36中には通常のポンプ42が配置されている。
電力供給手段30は、5〜25ボルトおよび15000アンぺ
アまでの直流を供給するのに有効な通常の電源装置44を
含んでいる。比較的大形の被加工物12を加工するために
は、30000アンペアまでの電流を使用することも可能で
ある。電源装置44と被加工物12とは正電圧ケーブル46に
よって接続されている。また、電源装置44と第1および
第2の電極18,20とは負電圧ケーブル48によって接続さ
れている。第1および第2の電極18,20にはケーブル48
を通して負電圧が印加され、また被加工物12にはケーブ
ル46とを通して正電圧が印加される。
装置10または、電極対取付手段22、被加工物取付手段
24、電力供給手段および電解液供給手段26に適宜に接続
されかつそれらを電気的に制御するための通常の制御手
段50をも含んでいる。
電極対取付手段22は、同一直線上における電極対の並
進運動を可能にするものである。すなわち第1の電極18
の並進はU方向すなわちU軸に沿って行われ、また第2
の電極20の並進はU方向と平行なX方向すなわちX軸に
沿って行われる。電極対取付手段22はまた、後で一層詳
しく説明するように、円形のC方向に電極対を回転させ
ることもできる。通常の弾性シール52が設けられている
ことにより、電極対取付手段22はX、UおよびC方向の
通常の作用機構を電解液に接触させることなしに並進お
よび回転を行うことができる。弾性シール52は、たとえ
ば、XおよびU方向の並進に順応し得る蛇腹形の折り目
(図示せず)を含んでいる。弾性シール52または、それ
の外周部においてC方向の回転に順応し得る環状の滑り
シールをも含んでいる。
被加工物取付手段24は、やはり後で一層詳しく説明す
るように、Z方向すなわちZ軸に沿って被加工物12を並
進させかつ円形のB方向に被加工物12を回転させるため
に役立つ。通常の弾性シール54が設けられていることに
より、被加工物取付手段24はハウジング16の内部に位置
する通常の作動機構を電解液に接触させることなしに並
進および回転を行うことができる。弾性シール54は、た
とえば、Z方向の並進に順応し得る蛇腹形の折り目(図
示せず)を含んでいる。弾性シール54はまた、それの外
周部においてB方向の回転に順応し得る環状の滑りシー
ルをも含んでいる。
第2〜4図には、ハウジング16の幾つかの特徴が一層
詳しく図示されている。電極対取付手段22はハウジング
16に取り付けられた第1のターンテーブル56を含むが、
この第1のターンテーブル56はそれに対して垂直に伸び
る第1の中心線すなわち回転軸線58を中心としてC方向
に回転することができる。第1のターンテーブル56は、
常法に従い、第1の回転軸線の回りに正または負のC方
向に回転し得るように取付けられている。
電極対取付手段22はまた、第1のターンテーブル56に
適宜に連結されていて、それに第1の電極18を移動可能
に取付けるための第1のL形支持体62を有する第1の並
進手段60をも含んでいる。第1の支持体62は弾性シール
52を貫通し、そして通常の動力ねじ(図示せず)に適宜
に連結されている。かかる動力ねじは、たとえば、第1
の支持体62をU軸に沿って正または負の方向に並進させ
るように作用する。
電極対取付手段22はまた、第2の電極20をX軸に沿っ
て並進させるための第2の並進手段64をも含んでいる。
第2の並進手段64は、第1のターンテーブル56に適宜に
連結されていて、それに第2の電極20を移動可能に取付
けるための第2のL形支持体66を含んでいる。第2の支
持体66は弾性シール52を貫通し、そして通常の動力ねじ
に連結されている。かかる動力ねじは、たとえば、第2
の支持体66をX軸に沿って正または負の方向に並進させ
るために役立つものである。
第1および第2の電極18,20は、X軸およびU軸に平
行な縦方向の中心線または第1の並進軸線68に沿って、
それぞれ第1および第2の支持体62,66上に取付けられ
ている。なお、第1の並進軸線68は第1の回転軸線58に
対して垂直である。
被加工物取付手段24は、たとえばナット72によって被
加工物12を適宜に固定するための肩を有するシャフト70
を含んでいる。シャフト70は第2のターンテーブル74に
対して同軸に連結されている。第2のターンテーブル74
は、ハウジング16に対して滑動可能に取付けられた第3
の並進手段76に連結されている。第3の並進手段76はハ
ウジング73を含んでいて、その中には第2のターンテー
ブル74を回転可能に支持してそれをB方向に回転させる
ための通常の機構が収容されている。ハウジング78は、
常法に従い、滑りレール80によってハウジング16に取付
けられている。滑りレール80は通常の送りねじ(図示せ
ず)を含んでいて、それによりハウジング78をZ方向に
沿って正または負の方向に並進させることが可能であ
る。
第2のターンテーブル74およびシャフト70は第2の中
心線すなわち回転軸線82を有していて、それを中心とし
て第2のターンテーブル74が正または負のB方向に回転
する。なお、第2の回転軸線82は第1の回転軸線58と同
一平面内にあり、かつそれに対して垂直である。
制御手段50は、第1および第2のターンテーブル56,7
4並びに第1、第2および第3の並進手段60,64,76に適
宜接続され、そしてそれらの運動を互いに独立に制御す
る。詳しく述べれば、制御手段50は第2のターンテーブ
ル74の回転を制御して被加工物12の第1の素材片14を加
工位置に配置し、次いで電極対に向かって被加工物12を
並進させる作用を有する。制御手段50はまた、第1のタ
ーンテーブル56の回転並びにそれに連結された第1およ
び第2の電極18,20の並進を制御する作用を有する。後
で一層詳しく説明するように、制御手段50はX、U、C
およびZ方向における電極対および第1の素材片14の独
立した運動を互いに協調させ、それによって第1および
第2の電極18,20を第1の素材片14に隣接した初期加工
位置に到達させる。制御手段50はまた、加工作業中にも
それらの独立した運動を同様にして協調させる。なお、
ここで言う運動は電極対の回転をも含んでおり、それに
よって第1の素材片14に対する電極対のひねりを達成す
ることができる。
第5図には、被加工物12を形成する前の荒加工物体84
の部分切欠き斜視図が示されている。かかる荒加工物体
84からは、通常の多軸フライス盤を用いて素材片14を形
成してもよいし、あるいは電解加工機15を用いて素材片
14を形成してもよい。
第6図には、荒加工用の電極86が例示されている。電
極86は、一端において支持リング90に適宜固定された非
導電性物体88を有し、かつ他端において実質的に平坦な
電極板92を有している。電極板92および非導電性物体88
には、それらを貫通して翼形の開口94が設けられてい
る。
電極86は、第1および第2の並進手段60,64の第1お
よび第2の支持体62,66の一方または両方に連結するこ
とができる。他方、荒加工物体84は被加工物取付手段24
のシャフト70に連結される。更に、負電圧ケーブル48が
電極板92に接続され、かつ正電圧ケーブル46が荒加工物
体84に接続される。次いで、第7図に一層詳しく図示さ
れるごとく、荒加工物体84が電極84に向かってZ方向に
移動させられる。開口94中に電解液28を供給すれば、電
極板92と荒加工物体84との間において電解加工が起こ
り、それによって素材片14が形成される。捩れた素材片
14を得るためには、荒加工物体84を電極86に向かってZ
方向に並進させなら、第1のターンテーブル56によって
電極86をC方向に回転させればよい。
次に、荒加工物体84および電極86を互いに引き離した
後、荒加工物体84を第2のターンテーブル74によってB
方向に一定角度だけ回転させ、そして上記のごとき加工
作業を繰返すことによって次の素材片14が形成される。
このようにして、荒加工物体84において全ての素材片14
が形成されるまで上記の操作を繰返せばよい。
第8図には、装置10によって電解加工を施した後にお
ける被加工物10の一部分の斜視図が示されている。破線
の外形線96は、素材片14を具備した被加工物12の初期外
形を示している。実線の外形線は、最終的に形成された
ブリスク98の外形を示している。実線と破線との間の差
は、たとえば、通例約30ミル(すなわち0.030インチ)
である。
ブリスク98は、前縁106、後縁108、先端110および根
元112によって境界が規定された全体的に凹面状の第1
の翼面102および全体的に凸面状の第2の翼面104をそれ
ぞれに有する複数の羽根100を円周方向に沿って互いに
離隔した状態で具備している。互いに隣接した羽根100
の根元間にはプラットホーム114が存在している。ブリ
スク98はまた、プラットホーム114および前縁106の前方
に広がる第1の肩116、並びにプラットホーム114および
後縁108の後方に広がる第2の肩118をも有している。な
お、第1および第2の肩116,118は略示されたものに過
ぎないのであって、ブリスク98をガスタービンエンジン
内に隣接する構造物に固定するために設けられる通常の
曲面結合手段(図示せず)を具備していてもよい。
被加工物12の素材片14の各々は、半径方向に伸びる第
1の縁端124、半径方向に伸びかつ第1の縁端124とは反
対側に位置する第2の縁端126、半径方向外側の頂端12
8、および半径方向の内側の基部130によって境界が規定
されかつ互いに背中合せに位置する第1の側面120およ
び第2の側面122を有している。互いに隣接した素材片1
4は基部130の間にはランド132が存在している。
このように、被加工物12の第1の側面120、第2の側
面122、頂端128、基部130およびランド132は、電解加工
を施す前の初期構造物を表わしている。それに対し、電
解加工によって最終的に得られるブリスクは、上記の各
部に対応して、第1の翼面102、第2の翼面104、後縁10
8、前縁106、先端110、根元112およびプラットホーム11
4を有することになる。
第9図には、複数の羽根100を含むブリスク12の上面
図が示されている。羽根の先端110におけるそり(キャ
ンバ)は、先端110の後縁108と前縁106との間に引いた
弦136がブリスク12の軸方向中心線134と成す角Bによっ
て表わされる。羽根の根元112におけるそりは、同様に
定義された根元112の弦138が中心線134と成す角Aによ
って表わされる。羽根100の捩れ角は、そり角Aおよび
B間の差である角Cによって表わされる。本発明の特徴
の1つは、そりおよび捩れの比較的大きい羽根100を有
する翼車の電解加工が可能なことである。たとえば、約
30゜のそり角A、約65゜のそり角Bおよび35゜の捩れ角
Cを有するブリスク12の電解加工が可能である。ブリス
ク12のソリディティは外周に対する羽根の数により表わ
されるが、本発明はソリディティの比較的大きいブリス
ク12を製造するのに有効である。たとえば、約7.5イン
チの外径に対して約22枚の羽根を有するブリスクや、約
6インチの外径に対して約32枚の羽根を有するブリスク
を製造することができる。
第10図および11図には、第1および第2の電極18,20
を引き離して前方および後方から見た斜視図が示されて
いる。かかる電極対は、十分な構造強度を有する任意の
導電性材料(たとえば銅−アルミニウム合金)から作製
することができる。
第1図の電極18は、(第15図に示されるごとく)止め
ボルト144を挿入して該電極を支持体62に固定するため
の複数の開口142を有する全体的に直方体の支持部分140
を含んでいる。第1の電極18または、電解液28を流して
素材片14の第1の側面120を電解加工するための作用部
分146をも含んでいる。
同様に第2の電極20は、(第15図に示されるごとく)
複数の止めボルト114を挿入して該電極を支持体66に固
定するための複数の開口142を有する支持部分148を含ん
でいる。第2の電極20または、電解液28を流して素材片
14の第2の側面122を電解加工するための作用部分150を
も含んでいる。
第1の電極18の作用部分146は、入口側末端152、狭ま
り面154、第1ののど面156、全体的に凸面状の作用面15
8、第2ののど面160、広がり面162および出口側末端164
を順次に含んでいる。同様に第2の電極20の作用部分15
0は、入口側末端166、狭まり面168、第1ののど面170、
全体的凹面状の作用面172、第2ののど面174、広がり面
176および出口側末端178を順次に含んでいる。
第12〜14図に一層詳しく示されるごとく、第1および
第2の電極18,20を1個の素材片14の周囲に配置した場
合には、作用部分146および150の間に入口180、先細ノ
ズル182、第1ののど部184、素材片14を受入れるための
作用空間186、第2ののど部188、末広ノズル190および
出口192が順次に形成される。更に詳しく述べれば、作
用部分146および150同士が所定の間隔をもって離隔しな
がら互いに向かい合う結果、入口側末端152および166の
間には入口180が形成され、狭まり面154および168の間
には先細ノズル182が形成され、第1ののど面156おび17
0の間には第1ののど部180が形成され、作用面158およ
び172の間には作用空間186が形成され、第2ののど面16
0および174の間には第2ののど部188が形成され、広が
り面162および176の間には末広ノズル190が形成され、
かつ出口側末端164および178の間には出口192が形成さ
れるのである。
電解液供給手段26はまた、たとえば第12および15図に
示されるごとく、たとえば1対のボルト196によって第
2の電極20に連結固定された非導電性の入口ブロック19
4、およびたとえば別の1対のボルト196によって第1の
電極18に連結固定された非導電性の電極ブロック198を
も含んでいる。これらのブロック194および198は、非腐
食性を有すると共に電解液28を吸収しない適当な非導電
性の材料(たとえば、米軍規格品G−10として知られる
ガラス繊維/エポキシ樹脂積層材)から作製されてい
る。入口ブロック194および出口ブロック198には、それ
ぞれ供給管34および帰り管36が連通状態で適宜に連結さ
れている。かかる目的のため、入口ブロック194および
出口ブロック198にねじで結合された中空ブッシュ200お
よび202がそれぞれ使用されている。
第16および第17図に一層詳しく示されるごとく、入口
ブロック194はブッシュ200と連通関係にある概して広が
り形状の入口室204を含み、また出口ブロック198はブッ
シュ202と連通関係にある概して狭まり形状の出口室206
を含んでいる。第12,14および17図に示されるごとく、
入口室204は電極対の入口180のほぼ全体と連通状態で整
列しており、また出口室206は電極対の出口192のほぼ全
体と連通状態で整列している。
第12,14および17図には、動作状態にある第1および
第2の電極18,20の作用面158,172の間に第1の素材片14
を配置したところが示されている。電解液28は入口ブロ
ック194から流入し、作用部分146および150の間に流
れ、そして出口ブロック198から流出するわけてあるか
ら、第1および第2の電極18,20を封止して電解液28の
漏れを実質的に防止するための適当な封止手段を設ける
ことが望ましい。さもないと、ブリスク12の所望されな
い部分が電解加工を受けることになるので望ましくな
い。かかる封止手段は、第1の電極18の入口側末端152
と滑動的に係合し得る入口ブロック194の封止部分210に
よって規定された入口シール208を含んでいる。なお、
入口ブロック194は第2の電極20に連結固定されている
ので、それらの間には効果的な封止が達成されている。
入口シール208は、入口ブロック194に対する第1の電極
18の運動を可能にしながら、入口180における電解液28
の漏れを実質的に防止するために有効な封止をもたら
す。
上記の封止手段はまた、第2の電極20の出口側末端17
8と滑動的に係合し得る出口ブロック198の封止部分214
によって規定された同様な出口シール212をも含んでい
る。なお、出口ブロック198は第1の電極18に連結固定
されているので、それらの間には効果的な封止が達成さ
れている。出口シール212は出口ブロック198と第2の電
極20との相対運動を可能にしながら、出口192における
電解液28の漏れを実質的に防止するために有効な封止を
もたらす。
上記の封止手段はまた、第10,13および17図に示され
るごとく、素材片14の頂端128の上方に配置された上部
シール216をも含んでいる。上部シール216は、第1およ
び第2の電極18,20の作用部分146,150の滑動的に係合し
得る封止部分によって規定される。実施の一態様に従っ
て更に詳しく述べれば、上部シール216は複数のねじ220
によって第2の電極20の作用部分150の一方の端部に連
結固定された非導電性の封止ブロック218を含んでい
る。封止ブロック218もまた、前記のG−10積層材のご
とき適当な非導電性材料から作製されている。上部シー
ル216はまた、第1の電極18の作用部分146の対向端部に
設けられた相補的なくぼみ222をも含んでいる。上部シ
ール216は、封止ブロック218とくぼみ222との間の滑動
によって第1および第2の電極18,20の相対運動を可能
にしながら、電解液28の漏れを実質的に防止するための
封止をもたらす。
封止ブロック218とくぼみ222とから成る封止機構は、
第17図に最も良く示される通り、電解液28の主として横
断方向の流れをできるだけ半径方向に逸らさないように
する点で特に有効である。そのような半径方向への逸れ
が起こると、素材片14の形状によっては、頂端128と第
1および第2と縁端124,126との交点に丸みが生じるこ
とがあるために望ましくない。
素材片14の形状によってはまた、比較的複雑な封止ブ
ロック218とくぼみ222とから成る封止機構を排除して、
より簡単な上部シール216を使用することもできる。た
とえば、封止ブロック218が図示されている区域にさね
はぎ式の簡単な封止機構を設けることができる。すなわ
ち、電極対の対向部分に適当なU形溝を設け、そしてそ
れらの溝の中に細長い平板部材を配置すれば、第1およ
び第2の電極18,20を合体させた場合にさねはぎ式の封
止機構が得られる(図示せず)。
上記の封止手段はまた、第10〜13図に示されるごと
く、上部シール216の反対側に配置された第1の下部シ
ール224および第2の下部シール226をも含んでいる。こ
れらの下部シールは、電解液28の先細ノズル182および
末広ノズル190から被加工物12の第1および第2の肩11
6,118に向かって半径方向に漏る出るのを実質的に防止
するために役立つ(第17図参照)。図示された実施の態
様においては、これらの下部シールは第1および第2の
のど部184,188からの半径方向漏れをも防止するように
配置されているが、そのように配置することは必ずしも
必要でない。
第1の下部シール224は、たとえば1対のねじ230によ
って第1の電極18の作用部分146の支持端部229に適宜に
連結固定された非導電性の封止パッド228を含んでい
る。封止パッド228は、前記のG−10積層材のごとき適
当な非導電性材料から作製されている。封止パッド228
は、第1の電極18の狭まり面154および第1ののど面156
の上方において作用部分146から伸び出ている。第2の
電極20の狭まり面168および第1ののど面170の上方にお
いては、封止パッド228と可動状態で係合し得る相補的
なくぼみ232が作用部分150に設けられている。
同様に第2の下部シール226は、たとえば1対の同様
なねじ230によって第2の電極20の作用部分150の支持端
部235に連結固定された同様な非導電性の封止パッド234
(G−10積層材製)を含んでいる。封止パッド234は、
広がり面176および第2ののど面174の上方において作用
部分150から伸び出ている。第1の電極18の広がり面162
および第2ののど面160の上方においては、封止パッド2
34と可動状態で係合し得る相補的なくぼみ236が作用部
分146に設けられている。
第1および第2の電極18,20を第12図に示されるよう
な動作状態に配置した場合、封止パッド228および234は
くぼみ232および236のそれぞれに重なり合う。その結
果、第1および第2の電極18,20の相対的な並進運動を
可能にしながら、作用空間186と入口180および出口192
のそれぞれとの間において電解液28が半径方向に漏れ出
るのを実質的に防止するために有効に封止が達成される
ことになる(第14図参照)。勿論、それらの重なり合っ
た部材間には比較的小さい間隙が存在するとは言え、か
かる部材はそれらを使用しない場合に生じるような漏れ
を低減もしくは実質的に防止するため十分に有効であ
る。
第15図には、電解加工のための最終位置に移動させる
直前の状態にある被加工物12と電極対18,20との相対位
置が示されている。詳しく述べれば、被加工物12はナッ
ト72によってシャフト70に固定されている。ナット72と
被加工物12との間には導電性のスペーサブロック238が
配置され、そしてスペーサブロック238にはたとえば1
対のボルト242によって正電圧ケーブル46の端部240が固
定されている。スペーサブロック238は、被加工物12に
電流を供給するための電気接点として役立つ。勿論、た
とえば適当な絶縁スリーブおよびスペーサ(図示せず)
の使用により、被加工物12は常法に従ってシャフト70の
残部から電気的に絶縁されている。
あるいはまた、正電圧ケーブル46をシャフト70に適宜
に接続することにより、シャフト70の中心部を通して被
加工物12に電流を供給することもできる。このような構
成の場合には、正電圧ケーブル46にハウジング16および
シャフト70の内部に完全に隠されるので、被加工物12が
配置される電解加工機15の作業区域内により多くのスペ
ースを得ることができる。
負電圧ケーブル48は、同様なボルト242によって第1
の電極18に固定された第1の端部244、およびたとえば
別のボルト242によって第2の電極20に固定された第2
の端部246を含んでいる。
第17図は、第1および第2の電極18,20を用いて被加
工物12の第1の素材片14の電解加工を行う場合の最終段
階を示すものである。第14図には、第17図に示された構
造物を素材片14の半径方向寸法の約50%の位置で切断し
た横断面が示されいる。実線で示されているのは、最終
的に加工された羽根100並びに第1の電極18、第2の電
極20、入口ブロック194および出口ブロック198の位置で
ある。破線で示されているのは、素材片14の外形並びに
電解加工の開始直前における第1の電極18、第2の電極
20、入口ブロック194および出口ブロック198の相対位置
である。本発明の装置を使用すれば、電解液を流すため
素材片14と第1および第2の電極18,20の作用部分との
間に設けられる約8ミルの間隙を正確に維持することが
できる。
本発明の好適な実施の態様は、被加工物12の素材片14
に対する1回の電解加工作業によって正確に加工された
羽根100を確実に得るために役立つ幾つかの特徴を備え
ている。詳しく述べれば、入口室204は第14および17図
に示されるごとくに末広ノズルを成している。その結
果、ブッシュ200からの流れは急速に方向を変え、そし
て電極対の入口180の位置では実質的に一様な流れにな
っている。また、基部130から頂端128までにわたる素材
片14の半径方向寸法全体に沿って電解液28の一様な流れ
を得るために部分的に役立つ先細ノズル182および第1
ののど部184が設けられている。
第1ののど部184は単に一平面内に存在するものでは
なく、有限の長さL1を有している。その結果、第1のの
ど部184はそれの下流側における縮流の形成を防止する
めに役立つ。更にまた、素材片14から材料を除去する前
の初期加工位置においては、第1ののど部184は素材片1
4の第1の縁端124の少なくも一部分に重なるように配置
されている。その結果、第1ののど部が部分的に及ぼす
電解加工作用により、加工に際して第1の縁端124に生
じることのあるまくれ248が確実に除去される。このよ
うなまくれ248は、火花放電を起こして損傷をもたらす
ことがある点で望ましくない。
作用面172および158は、常法に従い、羽根100の第1
および第2の翼面102,104に所望の形状が得られるよう
に適切に成形される。図示された実施の態様において
は、作用面172および158は全体的に凸面状の翼面102お
よび全体的に凹面状の翼面104をそれぞれ加工するよう
に成形されている。
第2ののど部188は、同様に、基部130から頂端128ま
でにわたる素材片14の半径方向寸法全体に沿って電解液
28の一様な流れを得るために役立つ有限の長さL2を有し
ている。なお、長さL1およびL2は過大な圧力損失を生じ
るほどに大きくすべきではない。第2ののど部188はま
た、初期加工位置においては、素材片14の第2の縁端12
6の少なくとも一部分と重なっている。その結果、電解
加工に際して第2の縁端126に生じることのあるまくれ2
50が除去され、それによって望ましくない火花放電の発
生が回避される。
第14図に示された素材片14は、第1の縁端124から第
2の縁端126にまで伸びる弓形のそり曲線249を有してい
る。好適な実施の態様に基づく電極対は、上記のごとき
まくれを除去するため、かかるそり曲線249が部分的に
第1および第2ののど部184,186の内部にまで伸びるよ
うに寸法決定される。また、第1ののど部184の下流端
および第2ののど部188の上流端に対するそり曲線249の
相対位置は、羽根100の最終弦長並びに羽根100の前縁10
6および後縁108の位置を調節するためにも役立つ。
第1および第2ののど部184,188はまた、それぞれ幅W
1およびW2を有している。これらの幅W1およびW2によ
り、第1ののど部184のは半径方向寸法全体にわたる流
路面積A1および第2ののど部188の半径方向寸法全体に
わたる流路面積A2がそれぞれ規定される。第1ののど部
184の流路面積A1および幅W1は第2ののど部188の流路面
積A2および幅W1より大きいことが好ましい。それが好ま
し理由は、作用空間186の下流側において所定の制流を
もたらし、それにより素材片14の半径方向寸法全体にわ
たって電解液28の一様な流れを維持するために役立つこ
とにある。それはまた、一様な電解加工を達成するため
にも部分的に役立つと共に、流れが不均一もしくは不十
分な区域において起こるとのある火花放電の可能性を低
減させるめにも部分的に役立つのである。更にまた、こ
のような構成は電解加工によって素材片14の第1および
第2の側面120,122にすじ模様が生じるのを防止するた
めにも役立つ。
末広ノズル190は、第2ののど部188の下流側における
制流を低減させるために好適なものである。
また、先細ノズル182および第1ののど部184は、第1
の縁端124に対して実質的に垂直でありかつそり曲線249
と同一線上にある中心の線252に関して実質的に対称的
に形成されていることが好ましい。それが好ましい理由
は、第1および第2の側面120,122に沿って等量の電解
液28を流すために部分的に役立つからである。更にま
た、第2ののど部188および末広ノズル190も、第2の縁
端126に対して垂直でありかつそり曲線249と同一線上に
ある中心線254に関して実質的に対称的に形成されてい
ることが好ましい。これもまた、第1および第2の側面
120,122に沿って等量の電解液28を流すために役立つの
である。とは言え、羽根の形状によっては、第1および
第2の側面120,122に沿って等量の電解液28を流すため
に非対称的な配置を採用することもできる。
出口ブロック198の出口室206は、ブッシュ202に向か
って急速に狭まり、それによって比較的細長い出口192
から円形の帰り管36にまで比較的短い距離で移行してい
ることが好ましい。
封止パッド228および234によって先細ノズル182、第
1ののど部184、第2ののど部188および末広ノズル190
からの電解液28の漏れが防止されるので、半径方向に沿
って一様な分布を有する電解液28の流れを容易に得るこ
とができる。
本発明はまた、被加工物12のランド132を同時に電解
加工して最終的にプラットホーム114を形成するための
手段をも含んでいる。第10,11および15図には、第1の
電極18の作用面158の下部作用縁端(またはランド)256
が示されているが、これは封止パッド228の外面257と実
質的に同一平面内にある。同様に、第2の電極20の作用
面172の下部作用縁端(またはランド)258が示されてい
るが、これは封止パッド234の外面259と実質的に同一平
面内にある。なお、いずれの下部作用縁端256および258
もプラットホーム114の曲率に合わせて適当な弓形を成
している。
第18図には下部作用縁端258付近における電解加工の
様子が示されているが、下部作用縁端256付近において
も同様な電解加工が行われる。下部作用縁端258は、電
解加工開始直前の初期位置にあるところが示されてい
る、羽根100およびプラットホーム114は、最終的に加工
された位置にあるところが示されている。破線で示され
ているのは、電解加工の開始直前における素材片14およ
びランド132の初期位置である。また、破線260で示され
ていのは電解加工後における下部作用縁端258の最終位
置である。
第18図に示されるごとく、電解液28の一部は作用空間
186からランド132に向かって内方に流れ、次いでランド
132と実質的に平行な方向に沿って外方に流れる。下部
作用縁端258はかど部分264を有していて、それが羽根10
0の根元112において相補的なすみ部分264を電解加工す
るために役立つ。それと同時に、下部作用縁端258は羽
根100の根元112および翼車98のプラットホーム114の一
部分を電解加工するためにも役立つ。
第17図に示されるごとく、電解液28は素材片14の周囲
においては、主として第1の縁端124から第2の縁端126
に向かう横断方向に沿って流れることに留意されたい。
ところで、第12および14図に示されるごとく、下部シー
ル224および226は作用空間186にまでは伸びていない。
それ故、電解液28は作用空間186から半径方向に沿って
流れ出し、次いで下部作用縁端256および258に沿って横
断方向に流れる。その結果、上記のごとくにしてランド
132の加工が達成されるのである。このように、ランド1
32の加工に際しては、電解液28の流れは横断方向から半
径方向に向きを変え、次いで半径方向から横断方向に向
きを変えるわけである。
本発明の好適な実施の態様に従えば、電解液28の局部
的な減少もしくは欠乏を生じることのある急激な方向転
換を伴わずに、上記のごとき流れ方向の変化をもたらす
ような移行手段が設けられる。なお、電解液28の欠乏や
不足が生じると、望ましくない火花放電またはアーク放
電が発生し、素材片14上に局部的なすじ模様が形成され
る惧れがあることが経験的に判明している。
一層詳しく述べれば、実施の一態様に基づく上記のご
とき移行手段が第10〜12および15図に示されている。す
なわち、素材片14の入口側(または上流側)には第1の
下部シール224が示されている。第1の下部シール224の
封止パッド228に沿って電解液28が流れる場合、それが
封止パッド228の下流端266を越えると、第15図に示され
るごとく横断方向の流れから半径方向の流れへの移行が
起こらなければならない。そこで、上記のごとき移行手
段の1つとして、第10および11図に示されるごとくに封
止パット228の内面268は弓形を成し、それにより電解液
28の横断方向流れに対して広がり形状を有している。実
際には、図示された実施の態様においては、封止パット
228の厚さが下流方向に向かって減少している。封止パ
ッド228の固定された支持端部229は、封止パッド228に
対して相補的な形状を有すると共に、封止パッド228の
下流側266からは離隔して第1の間隙270を規定してい
る。同様に、くぼみ232も内面268に対して相補的な弓形
部分272を有すると共に、それの下流端からは離間して
第2の間隙274を規定している。
上記のごとき間隙270および274は先細ノズル182と連
通している結果、第15図に示されるごとく、電解液28の
一部はそれらの間隙を通って流れ出し、そして下部作用
縁端256および258に沿って流れることになる。
上記のごとき弓形の内面268と間隙270および274とを
含む移行手段により、電解液28の流れは素材片14の上流
側において横断方向から半径方向へ円滑に変化ることに
なる。その結果、十分な量の電解液28が下部作用縁端25
6および258(とりわけ、それらの上流端)に沿って流
れ、それによって火花放電の発生およびすじ模様の形成
の可能性は低減することになる。
更にまた、第2の下部シール226に対しても同様な移
行手段が設けられる。これは、電解液28の流れ方向が逆
転された場合、すなわち第17図に示された流れ方向とは
逆に電解液28が第2の縁端126から第1の縁端124に向か
って流れるような場合に特に望ましいものである。
かかる第2の移行手段としては、同様に、封止パッド
234の内面に276が弓形の広り形状を成している一方、支
持端部235がそれに対して相補的な形状を有し、かつく
ぼみ236が弓形部分278を有している。更にまた、封止パ
ッド234の上流端284と支持端部235および弓形部分278と
の間には間隙280および282がそれぞれ規定されている。
これらの間隙280および282は、末広ノズル190と連通し
ている。従って、電解液28の流れを第17図に示された方
向と逆にした場合には、内面276と間隙280および282と
を含む移行手段によって横断方向から半径方向への円滑
な変化が同様に達成される。
電解液28の流れが第17図に示される通りのものである
場合、封止パッド228の内面268は広がり形状を有するの
に対し、封止パッド234の内面276は狭まり形状を有する
点に留意されたい(第10,11および14図参照)。このよ
うな動作様式の場合には、素材片14の下流端に位置する
内面276は、下部作用縁端256および258付近において電
解液28が作用空間186から第2ののど部188へ円滑に流入
することを容易にするのである。
このようにして、被加工物12の素材片14から1枚の羽
根100およびプラットホーム114の一部を1回の作業で最
終的に形成することができ、追加の加工作業は必要とさ
れない。勿論、タービン囲い輪に正確に適合するように
するため、組立時に羽根の先端110を常法に従って研削
することは必要である。しかしながら、そのような作業
は従来の方法によって加工されたブリスク車の場合にも
やはり必要である。
下部作用縁端256および258に沿って流れる電解液28の
一部はドレン孔38によって集められ、そして電解液供給
装置32に戻される。第1および第2の電極18,20を用い
てブリスク98の加工を行う場合には、第12図に破線で示
されるような隣接した素材片14が不要の加工を受けない
ようにそれらを電解液28から保護しなければならない。
そのためには、第11図に示されるごとく、第1および第
2の電極18,20に適当な逃げ面または背面286および288
をそれぞれ形成し、それによって隣接した素材片14を収
容するためのスペースを設ければよい。その場合、背面
286および288によって隣接した素材片14が不要の加工を
受けるのを防止するため、背面286および288は任意適宜
の非導電性材料(たとえばエポキシ樹脂)で被覆され
る。
第1および第2の電極18,20はブリスクとして一体化
されていない単独の翼形羽根14を加工するために使用す
ることもできるが、素材片14を加工してブリスク98を製
造するためにそれらを使用する場合には、封止パッド28
8および234は追加の利点をもたらすことになる。すなわ
ち、封止パッド228および23は作用部分146および150の
間の作用空間186から漏れ出て肩116および118に流れる
電解液28の量を低減させるために役立つ。
電解液28の漏れを更に低減させるため、封止パッド22
8および234の外面257および259は肩116および118の湾曲
に対して相補的な湾曲を示すように形成され、それによ
って両者間の間隙は最小化されている。なお、第15およ
び17図に示された実施の態様においては、上記部材の湾
曲度は比較的小さく、従って図面上では認知し得ない。
しかしながら、比較的小さい直径の被加工物12において
は、それらの湾曲度は大きくて明確に認知し得るのであ
る。
封止パッド228および238はまた、電気絶縁目的のため
にも役立つ。その結果、それらを使用しなければ起こり
得るような肩116および118の不要の加工が防止されるこ
とになる。
のど部の幅W1およびW2は加工の開始時には比較的大き
い(第14および17図)ので、電解液28の大部分は入口18
0から出口190に向かう横断方向に沿って流れ、従って下
部作用縁端256および258付近に流れる電解液28は比較的
少なくなる。それ故、電解液28の一部が下部作用縁端25
6および258に沿って流れてランド132の加工を行うこと
を確実にするため、出口室206内に適当な背圧を付与す
るための手段が設けられる。本発明の実施の一態様に従
えば、第1図に示されるごとく、帰り管36中に弁294が
直列に配置される。その結果、弁294を適宜に調整する
ことにより、出口室206内に適当な背圧を得ることがで
きるのである。
本発明のもう1つの実施の態様に従えば、円周方向に
沿って互いに離隔した複数の素材片14を具備する被加工
物12からブリスク98を製造するための新規で改良された
方法が提供される。かかる方法に従えば、先ず最初に、
第2のターンテーブル74が被加工物12を回転させて第1
の素材片14を加工位置に移動させる。次いで、第3の並
進76が被加工物12の電極対の位置にまで並進させる。第
15図には、電極対間に挿入される直前の状態にある第1
の素材片14が示されている。制御手段50がX、U、Cお
よびZ方向における第1および第2の電極18,20並びに
被加工物12の運動を互いに協調させることにより、第1
および第2の電極18,20が第1の素材片14の第1および
第2の側面120,122に隣接した位置に配置される。次い
で、電力供給手段30により、正電圧がケーブル46を通し
て第1の素材片14に印加され、かつ負電圧がケーブル48
を通して第1および第2の電極18,20印加される。ま
た、電解液供給手段26が第1の素材片14の第1および第
2の側面120,122と第1および第2の電極18,20の作用面
158,172との間に電解液28を流すことにより、第1の素
材片14の電解加工が行われる。次いで制御手段50が、第
1および第2の電極18,20をXおよびU方向に第1の素
材片14の第1および第2の側面120,122に向かって並進
させる。それと同時に制御手段50は、Z方向に被加工物
12を第1および第2の電極18,20に向かって並進させ
る。
電解加工機15は、X、UおよびZ方向に第1および第
2の電極18,20並びに被加工物12を独立に並進させるこ
とができる。とは言え、それらの並進運動は協調的に行
われ、それによって第1の素材片14と第1および第2の
電極18,20との相対位置は適正に維持される。更にま
た、第1のターンテーブル56上において第1および第2
の電極18,20をC方向に回転させることもできる。それ
がもたらすひねり作用により、捩れを有する素材片14に
沿って第1および第2の電極18,20を協調的に運動させ
ることができるのである。
このように、電解加工に際して、X、U、ZおよびC
方向における第1の素材片14並びに第1および第2の電
極18,20の運動を協調させることにより、作用面158およ
び172と第1の素材面14との間にはたとえば約8ミルの
実質的に一様な間隙が維持され、それによって望ましく
ない火花放電の発生なしに実質的に一様な電解加工が達
成されることになる。X、U、Z、CおよびB方向にお
ける5段階の運動を可能にする本発明の電解加工機15
は、電解対および被加工物12の両方を運動させてそれら
の相対位置を正確に維持し、それによって素材片14に対
する1回の作業で羽根の最終的な電解加工を達成する比
較的簡単な装置である。
第1の素材片14の加工が完了した後、制御手段50は第
1および第2の電極18,20並びに被加工物12を逆方向に
運動させ、第1の素材片14を第1および第2の電極18,2
0から引き離し、次いで被加工物12をB方向に回転させ
て隣接する第2の素材片14を加工位置に配置する。次い
で、第1の素材片14の場合と同様にして第2の素材片14
の電解加工が行われる。同様にしてその他の素材片14を
順次に電解加工すれば、被加工物12から完成したブリス
ク98が形成されることになる。
本発明の実施の一態様における顕著な特徴の1つは、
第1および第2の側面120,122に沿って第1の縁端124か
ら第2の縁端126に向かう円周方向に電解液28を流すこ
とである。なお、第1および第2の縁端124,126は前縁1
06および後縁108にそれぞれ対応することもあれば、後
縁108および前縁106にそれぞれ対応することもある。本
発明の好適な実施の態様に従えば、電解液28を第1の縁
端124から第2の縁端126に向かって流すことにより、後
縁108および前縁106がそれぞれ形成される。試験の結
果、後縁108から前縁106に向かって電解液28を流す場合
の方が前縁106の寸法を一層良好に制御し得ることが判
明している。
本発明に基づく装置を使用した場合には、約0.005イ
ンチの曲率半径を有する前縁106および後縁108の正確な
加工が達成される。
本発明方法のもう1つの特徴は、先細ノズル182を通
して電解液28を加速し、先細ノズル182に比べて最小の
流路面積を有する第1ののど部184に電解液28を通過さ
せ、素材片14の第1および第2の側面120,122の両方に
沿って電解液28を流し、広がりノズル190に比べて最小
の流路面積を有する第2ののど部188に電解液28を通過
させ、次いで末広ノズル190を通して電解液28を流出さ
せることである。
本発明方法の更にもう1つの特徴は、第1および第2
の電極18,20を互いに接近する方向に並進させ、それに
よって第1および2ののど部184,188の一部分が素材片1
4の第1および第2の縁端124,126から材料を電解的に除
去するように作用することである。その結果、最終的に
完成された前縁106および後縁108が形成されるのであっ
て、追加の加工作業は必要とされない。
本発明の更にもう1つの特徴は、電解液28の一部を作
用空間186から流出させ、そして下部作用縁端256および
258に沿って流すことである。このようにして、素材片1
4の基部130と第1および第2の電極18,20との間に電解
液28が流れる結果、被加工物12のランド132は電解加工
を受けてブリスク98のプラットホーム114を形成するこ
とになる。
以上、本発明の好適な実施の態様を記載したが、上記
の記載に基づけばその他の変更態様も可能であることは
当業者によって自明であろう。
それ故、本発明の精神および範囲から逸脱しない限
り、前記特許請求の範囲はそのような変更態様の全を包
括するものと解すべきである。たとえば、本明細書中に
記載された封止手段は一方の電極に連結固定され、そし
て他方の電極に重なり合っているが、それらを逆のやり
方で支持することもできる。また、実質的に相補的な1
対の電極18および20が使用されているので、一方の電極
上の特性を他方の電極上の特性を交換することもでき
る。たとえば、作用面158および172の形状を交換するこ
とも可能である。更にまた、本発明に従えば、翼形以外
の形状を有する部品を加工することもできる。
更にまた、電解液28の流れは後縁から前縁への方向ま
たはその逆の方向に向かうものであってもよいし、ある
いはそれらの間で交互に変化するものであってもよい。
従って、第1および第2の電極18,20に対する入口ブロ
ック194および出口ブロック198の位置関係を交換するこ
ともできる。
更にまた、本発明に従えば、軸方向に沿って隣接した
二連式のブリスク(すなわち、一体成形された2つのブ
リスク)の羽根を加工することもできる。とは言え、か
かる構成の場合には、ブリスク間の空隙が比較的小さ
く、そのために電極対18,20を該空隙内に配置し得ない
こともある。このような場合には、本発明の別の実施の
態様に従い、出口ブロック198、封止パッド234および広
がり面162,176の大部分を削除し、それによって電極対
をブリスク間の空隙内に配置し得るようにすればよい。
上記の諸要素を削除する代りに、単純な電気絶縁性ブロ
ック(G−10積層材製)を一方の電極に連結固定し、か
つ相互の運動が可能となるようにして他方の電極に重ね
合わせることにより、該ブロックと他方の電極との間に
所定の半径方向間隙が設けられる。その結果、電解液は
第2ののど部188の排出孔を成す上記を間隙を通って流
出することになる。この場合には、弁294を使用しなく
ても上記の間隙が所定の背圧を付与し、また排出された
電解液は帰り管36の代りにドレン孔38を通して回収され
る。このような実施の態様に従えば、二連式のブリスク
間により短い電極対を配置することが可能になると共
に、電気絶縁体である上記のブロックによって第2のブ
リスクが不要の加工を受けることが防止される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の好適な実施の態様に基づく電解加工機
を含む装置の部分概略斜視図、第2図は第1図に示され
た電解加工機の一部分を水平面内において見た平面図、
第3図は第1図に示された電解加工機の一部分を第2図
の平面図に対して垂直な鉛直面内において見た立面図、
第4図は第1図に示された電解加工機の一部分を第2図
の水平面および第3図の鉛直面の両方に対して垂直な第
2の鉛直面内において見た立面図、第5図は円板形翼車
を製造するために使用される荒加工物体の一部分を示す
斜視図、第6図は第5図に示された荒加工物体から素材
片を電解加工するために使用し得る荒加工用電極の斜視
図、第7図は第6図の荒加工用電極を用いて第5図に示
された荒加工物体の電解加工を行っているところを示す
断面図、第8図は第5図に示された荒加工物体から形成
された被加工物の一部分を示す部分断面斜視図、第9図
は第8図に示された被加工物から最終的に形成されたブ
リスクの一部分を示す立面図、第10図は本発明の実施の
一態様に従ってブリスクの羽根を電解加工するために使
用し得る相補的な電極対の前方斜視図、第11図は第10図
に示された電極対の後方斜視図、第12図は第10および11
図に示された電極対が第8図の被加工物を取囲む加工位
置にある状態を示す上面図、第13図は第12図に示された
電極対を線13−13の方向から見た側面図、第14図は第17
図に示された電極対の線14−14に関する断面図、第15図
は第12図に示された電極対の間に素材片が挿入される直
前の状態にある被加工物の斜視図、第16図は第12図の線
16−16の方向から見た電解液出口ブロックの斜視図、第
17図は第12図中に示された電極対の線17−17(すなわ
ち、電解液流路の中心線)に関する部分断面図、そして
第18図は第14図に示された一方の電極および素材片の一
部分の線18−18に関する断面図である。 図中、10は電解加工装置、12は被加工物、14は素材片、
15は電解加工機、16はハウジング、18は第1の電極、20
は第2の電極、22は電極対取付手段、24は被加工物取付
手段、26は電解液供給手段、28は電解液、30は電力供給
手段、32は電解液供給装置、34は供給管、36は帰り管、
38はドレン孔、40はドレン孔、42はポンプ、44は電源装
置、46は正電圧ケーブル、48は負電圧ケーブル、50は制
御手段、52および54は弾性シール、56は第1のターンテ
ーブル、58は第1の回転軸線、60は第1の並進手段、62
は第1のL形支持体、64は第2の並進手段、66は第2の
L形支持体、68は第1の並進軸線、70はシャフト、72は
ナット、74は第2のターンテーブル、76は第3の並進手
段、78はハウジング、80は滑りレール、82は第2の回転
軸線、84は荒加工物体、86は荒加工用電極、88は非導電
性物体、90は支持リング、92は電極板、94は翼形開口、
98は円板翼車、100は羽根、102は第1の翼面、104は第
2の翼面、106は前縁、108は後縁、110は先端、112は根
元、114はプラットホーム、116は第1の肩、118は第2
の肩、120は第1の側面、122は第2の側面、124は第1
の縁端、126は第2の縁端、128は頂端、130は基部、132
はランド、140および148は支持部分、142は開口、144は
止めボルト、146および150は作用部分、152および166は
入口側末端、154および168は狭まり面、156および170は
第1ののど面、158および172は作用面、160および174は
第2ののど面、162および176は広がり面、164および178
は出口側末端、180は入口、182は先細ノズル、184は第
1ののど部、186は作用空間、188は第2ののど部、190
は末広ノズル、192は出口、194は入口ブロック、196は
ボルト、198は出口ブロック、200および202は中空ブッ
シュ、204は入口室、206は出口室、208は入口シール、2
10は入口ブロックの封止部分、212は出口シール、214は
出口ブロックの封止部分、216は上部シール、218は封止
ブロック、222はくぼみ、224は第1の下部シール、226
は第2の下部シール、228および234は封止パッド、229
および235は支持端部、232および236はくぼみ、238はス
ペーサブロック、240は正電圧ケーブルの端部、242はボ
ルト、244および246は負電圧ケーブルの端部、248およ
び250はまくれ、256および258は下部作用縁端、268およ
び276は封止パッドの内面、270および274は間隙、272お
よび278はくぼみの弓形部分、280および282は間隙、そ
して286および288は背面を表わす。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半径方向内側の基部、半径方向外側の頂
    端、第1の縁端および第2の縁端によって境界が規定さ
    れかつ互いに背中合せに位置する第1および第2の側面
    を有する素材片から電解加工によって羽根を製造するた
    めに使用される電極対において、(a)入口側末端およ
    び出口側末端を持ちかつ前記素材片の前記第1の側面を
    電解加工するために役立つ作用部分と、支持部分とを有
    する導電性の第1の電極、並びに(b)入口側末端およ
    び出口側末端を持ちかつ前記素材片の前記第2の側面を
    電解加工するために役立つ作用部分と、支持部分とを有
    する導電性の第2の電極を含み、前記第1および第2の
    電極は前記素材片の周囲に配置したときに前記第1およ
    び第2の電極の前記作用部分の前記入口側末端間および
    前記出口側末端間にそれぞれ入口および出口を形成し、 更に、(c)前記入口から前記出口へ向かって電解液を
    流すための流路手段、並びに(d)前記第1および第2
    の電極の前記作用部分を封止して前記入口および前記出
    口からの電解液の漏れを実質的に防止するための封止手
    段をも含み、前記流路手段の各部が前記第1および第2
    の電極の少なくとも一方に連結固定されており、また前
    記封止手段の各部が前記第1および第2の電極の少なく
    とも一方に連結固定されていることを特徴とする電極
    対。
  2. 【請求項2】前記流路手段が(1)前記第1および第2
    の電極間に形成された前記入口と整列し得る入口室を有
    しかつ前記第2の電極に連結固定された非導電性の入口
    ブロック、並びに(2)前記第1および第2の電極間に
    形成された前記出口と整列し得る出口室を有しかつ前記
    第1の電極に連結固定された非導電性の出口ブロックを
    含み、前記封止手段が(1)前記第1の電極の前記入口
    側末端と滑動的に係合し得る前記入口ブロックの封止部
    分によって規定された入口シール、並びに(2)前記第
    2の電極の前記出口側末端と滑動的に係合し得る前記出
    口ブロックの封止部分によって規定された出口シールを
    含む請求項1記載の電極対。
  3. 【請求項3】前記封止手段が(1)前記第1および第2
    の電極の一方に連結固定された非導電性の封止ブロッ
    ク、並びに(2)前記第1および第2の電極の他方に設
    けられた相補的なくぼみとによって規定される上部シー
    ルを更に含み、前記上部シールが前記素材片の前記頂端
    の上方に配置される請求項2記載の電極対。
  4. 【請求項4】前記第1の電極の前記作用部分が、それの
    前記入口側末端から前記出口側末端に向かって順次、狭
    まり面、第1ののど面、作用面、第2ののど面および広
    がり面を含み、また前記第2の電極の前記作用部分が、
    それの前記入口側末端から前記出口側末端に向かって順
    次に、狭まり面、第1ののど面、作用面、第2ののど面
    および広がり面を含み、そして前記第1および第2の電
    極の前記作用部分同士を互いに向かい合うように配置す
    ることにより、前記狭まり面間に先細ノズルが形成さ
    れ、前記第1ののど面間に第1ののど部が形成され、前
    記作用面間に前記素材片を配置するための作用空間が形
    成され、前記第2ののど面間に第2ののど部が形成さ
    れ、かつ前記広がり面間に末広ノズルが形成される請求
    項1記載の電極対。
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