JP2685072B2 - 赤外線検出器 - Google Patents

赤外線検出器

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JP2685072B2 JP62308469A JP30846987A JP2685072B2 JP 2685072 B2 JP2685072 B2 JP 2685072B2 JP 62308469 A JP62308469 A JP 62308469A JP 30846987 A JP30846987 A JP 30846987A JP 2685072 B2 JP2685072 B2 JP 2685072B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、赤外線検出器に関する。さらに詳しく
は、ガス分子固有の赤外線吸収効果を利用して特定のガ
ス成分濃度を検出でき、ことに赤外線式ガス分析計(ND
IR)の検出器として有用なガス封入型赤外線検出器に関
する。 (ロ)従来の技術 従来、ガス成分濃度の赤外線による検出方法として、
第3図に示すように被測定成分含有ガスをコンデンサマ
イクロホンの金属膜4で仕切られた赤外線透過窓を有す
る二つ部屋内に導入・密封したガス封入型検出器を用い
る方法が知られている。この方法は、試料ガスが保持又
は流通された試料セルからの赤外線透過光を上記検出器
の一方の部屋(測定室;2)に、かつ参照ガス(通常、窒
素ガス)が保持された比較セルからの赤外線透過光を他
方の部屋(比較室;3)に、各々一定の周期で交互に照射
し、これら赤外線の照射によって受け取る測定室と比較
室内のガスの熱エネルギー差により生じうる各部屋内の
圧力差により金属膜4を一定周期で振動させ、この振幅
強度に基づいて試料ガス中の被測定成分を定量する方法
である。 従って、上記検出器の測定室と比較室とは原則として
金属膜で完全に分離密閉されていることが要求される
が、実際に完全に分離した場合には、測定室と比較室内
へ導入・密閉するガス圧を同一にして張着された金属膜
を基準位置(非湾曲状態)に調整することが困難であ
り、仮に同一に調整できても長期間に亘って同一圧力に
維持することが困難であった。 このため、従来、上記金属膜を検出器容器内に張着固
定する絶縁性固定具11と容器内壁との接合部に用いられ
るシール材として、いわゆるペーパーパッキンのような
ガス流通性のパッキング材12を用いてこの締め付け圧力
を調整したり、またその接合部の容器内壁の一部に傷を
つけることによって、測定室と比較室との間を僅かにガ
ス流通可能とし、それにより、一定時間放置後に両室内
のガス圧力が一定になるようにすることが行われてい
る。 そして、上記ガス流通可能な測定室と比較室を用いた
検出器においては、被測定成分含有ガスを導入する際に
両室に各々接続されるガス導入管を開放した状態で一方
のガス導入管からガスを圧入することにより、とくに専
用のエアー抜き等を設けることなく両室内にガスを導入
することも可能であった。 (ハ)発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記のごとき検出器においては、測定
室と比較室との間の僅かなガス流通がパッキング材の締
め付けの度合や容器壁への傷の作製度合等の経験的な手
法によって調整されるため、意図する僅かなガス流通を
再現性良く設定することが困難であった。 また、被測定成分含有ガスの導入を一方のガス導入管
からの圧入によって行う場合には両室間のガス流通性が
極めて小さいため、他方の室に所定量のガスが満たされ
る迄に長時間を要する問題があり、ことに被測定成分と
して分子量の大きいヘキサンやアルコールなどを対象と
する場合この傾向が著しい。この際、ガス導入圧を大き
くすれば、導入時間を短縮できるが、この場合には、張
着された金属膜に大きな応力が掛かって歪みが生じる不
都合があった。 この発明は、上記種々の問題点を解消すべくなされた
ものであり、ガス導入が迅速に行え、かつ導入後の両室
内での圧力の安定化も円滑に行われ、しかも簡便に製造
できるガス封入型検出器を提供しようとするものであ
る。 (ニ)問題点を解決するための手段 かくしてこの発明によれば、赤外線透過部を有しかつ
被測定成分含有ガスを封入可能な容器と、この容器内に
張着された金属膜で隔離構成された測定室及び比較室
と、この測定室及び比較室のいずれかに内蔵されて上記
金属膜と共にコンデンサマイクロホンを構成する固定電
極を備え、上記容器内に、測定室と比較室との間を連絡
する、流量抵抗の小さな導通路及び流量抵抗の大きな細
管路を併設し、かつこの導通路の途中に上記ガスを容器
内に導入する際に開かれ、検出時には閉じられる流路閉
鎖手段を設けたことを特徴とする赤外線検出器が提供さ
れる。 この発明は、ガス封入型赤外線検出器の測定室と比較
室との間に、両室間で生じうるガス圧力差を徐々に解消
しうる流量抵抗の大きな細管路を設けると共に、測定室
と比較室のいずれか一方へのガス導入により他方の部屋
にガスが円滑に導入される流量抵抗の小さなガス導入専
用の導通路を設け、さらにガス導入後にこの導通路を閉
鎖しうる流路閉鎖手段を設けて使用時の両室間の迅速な
ガス流通を回避できるよう構成したものである。 上記細管部の流量抵抗は、少なくとも検出器使用時に
両室内で生じうる周期的な圧力変動を実質的に阻害しな
い僅かなガス流通性が得られる程度の大きさに設定さ
れ、例えば、圧力変動の周期が10Hz程度でガス圧300Pa
の条件下において流量が約10〜20ml/分に制限される細
管を用いるのが適している。この流量が大きすぎると使
用時に生じうる両室間の圧力差が吸収されるため検出器
としての感度の低下を招き、また少なすぎると非使用時
における両室の圧力平衡化に時間がかかりすぎるため好
ましくない。なお、この細管部には流量抵抗を変化しう
るニードル弁等の調圧弁が付設されていてもよい。 この発明における導通路は、細管部に比して小さな流
量抵抗を有する金属管や通路で構成するのが適してい
る。この流量抵抗は両室の一方から他方へのガス導入が
円滑に行える程度とされる。通常、内径0.15〜0.2mm程
度の導通路で構成するのが適している。 一方、上記導通路の途中に設けられる流路閉鎖手段と
しては、該導通路を通じてのガスの移動を実質的に完全
に防止できるものであればよく、管路閉鎖弁等を用いる
ことも可能であるが密閉性の点で鉛等の可塑性金属を導
通路の途中に挿入・押圧して封止固定する強制パッキン
グ式の閉鎖手段を用いるのが好ましい。 (ホ)作用 流路閉鎖手段が開放状態で、測定室と比較室のいずれ
か一方に被測定成分含有ガスを外部から導入するとこの
ガスは導通路を通じて他方に迅速に供給されることとな
る。一方、ガス導入後に流路閉鎖手段を閉じた状態で、
測定室と比較室との間に生じうるガス圧の不均衡は、細
管部を通じてのガス置換により徐々に解消されることと
なる。 (ヘ)実施例 第1図に示す1は、この発明の赤外線検出器の一実施
例を示す内部構成説明図であり、第2図は第1図のA−
A線断面図を示すものである。 図に示すごとく、赤外線検出器1は、その内部に赤外
線透過窓10を有する円筒状空隙からなる赤外線吸収部2
1、円周側壁を有する空隙からなる感応部23及びこれら
の接続路22で構成された測定室2と、同じく赤外線吸収
部31、感応部33及び接続路32で構成された比較室3を備
えた黄銅製容器9からなり、これら測定室2と比較室3
はコンデンサマイクの金属膜4(チタン膜)で隔離され
てなる。ここで金属膜4は円筒状のリング13に張着され
ており、このリング13は、切抜部を有しかつコンデンサ
マイクの固定電極5を中央に支持する円板状の絶縁性固
定具11(セラミック製)に固定されており、さらにこの
固定具11はガス非透過性のシール材を介して容器9の内
壁の段状部に接合されている。なお、図中14,15は各々
ガスの導入や排出を行うガス流通管を示し、これらは最
終的に封止される。また、金属膜4及び固定電極5は、
図示しないリード線を介して外部の容量変動検出器に接
続されている。 そして、上記容器9の壁内には、測定室2の感応部23
と比較室3の感応部33との間を連絡する導通路7が設け
られており、さらにこの導通路7には、鉛パッキング81
とこれを導通路7内に圧入固定可能な締付ボルト82から
なる流路閉鎖手段8が付設されている。また、絶縁性固
定具11には、同じく感応部23と33との間を連通する細管
路としてのステンレス細管6が埋設されている。この実
施例においては、上記導通路7は直径2mm、長さ15mmに
構成されており、ステンレス細管6は内径0.18mm、長さ
7mmのものが使用されている。 かかる赤外線検出器1は、使用に際し、ガスが封入さ
れる。このガス封入は、ガス導入口14,15を各々開放し
た状態で例えばガス流通管14から被測定成分含有ガスを
容器9内に導入することにより行われる。測定室2内に
導入されるガスは導通路7を通じて比較室3内に供給さ
れる。これにより、測定室2と比較室3内のガス置換が
短時間で円滑に行われることとなり、導入ガス圧を大き
くしても金属膜4に歪み等が生じることもない。通常、
ガス導入時間は30〜60分程度で充分である。 両室2,3内が充分にガス置換された後、出口側のガス
流通管15を封止し、次いで入口側のガス流通管14を封止
し最後に締付ボルト81を締め付けて鉛パッキング82を導
通路7内に挿入・押圧することにより導通路を封止する
ことによって赤外線検出可能な状態となる。そして、測
定室2と比較室3内のガス圧が上記封止終了後に異なる
場合には、細管6を通じて高圧側から低圧側に徐々にガ
スが移向して平衡状態が得られ、金属膜4の面方向の応
力は解消されて湾曲等を生じない基準張着状態が得られ
る。 さらに上記細管6は300Paのガス圧下でガス流量が約1
0ml/分となるような大きな流量抵抗を有しているため、
通常の周期の赤外線照射により生じる測定室と比較室間
の周期的な圧力差変動を阻害することもない。従って、
検出時には細管6を通じてのガス移向は実質的に無視で
き、この細管は非検出時に両室の圧力を平衡化するのみ
作用する。 (ト)発明の効果 この発明の赤外線検出器によれば、被測定成分含有ガ
スの封入が短時間で簡便に行えしかも、金属膜を傷める
こともない。さらに、封入後における測定室及び比較室
間の圧力の不均衡も自動的に解消される。そして装置製
造上、再現性良く上記圧力平衡化機能を構成できるた
め、有利である。
【図面の簡単な説明】 第1図は、この発明の赤外線検出器の一実施例を示し、
ガス封入前の状態を示す内部構成説明図、第2図は第1
図のA−A線断面図、第3図は従来の赤外線検出器を例
示する第1図相当図である。 1……赤外線検出器、2……測定室、3……試料室、4
……金属膜、5……固定電極、6……ステンレス細管、
7……導通路、8……流路閉鎖手段、9……容器、10…
…赤外線透過窓、14,15……ガス流通管。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.赤外線透過部を有しかつ被測定成分含有ガスを封入
    可能な容器と、この容器内に張着された金属膜で隔離構
    成された測定室及び比較室と、この測定室及び比較室の
    いずれかに内蔵されて上記金属膜と共にコンデンサマイ
    クロホンを構成する固定電極を備え、 上記容器内に、測定室と比較室との間を連絡する、流量
    抵抗の小さな導通路及び流量抵抗の大きな細管路を併設
    し、かつこの導通路の途中に上記ガスを容器内に導入す
    る際に開かれ、検出時には閉じられる流路閉鎖手段を設
    けたことを特徴とする赤外線検出器。
JP62308469A 1987-12-04 1987-12-04 赤外線検出器 Expired - Lifetime JP2685072B2 (ja)

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JPH01148945A JPH01148945A (ja) 1989-06-12
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