JP2684254B2 - 浮体の係留方法 - Google Patents

浮体の係留方法

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JP2684254B2
JP2684254B2 JP3073112A JP7311291A JP2684254B2 JP 2684254 B2 JP2684254 B2 JP 2684254B2 JP 3073112 A JP3073112 A JP 3073112A JP 7311291 A JP7311291 A JP 7311291A JP 2684254 B2 JP2684254 B2 JP 2684254B2
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真人 堀沢
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東亜建設工業 株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として浅海域におい
て、浮桟橋など各種の水上浮体式施設を長期間係留する
ために用いられる浮体の係留方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、浮桟橋、海上貯油施設、駐車場
船、展示場船等の浮体式施設を、長期にわたり海域のあ
る地点に位置保持させるための係留方式としては、チェ
ーン、ワイヤー等の係留ラインによるもの及びドルフィ
ンとゴム防舷材とによるものの2つに大別されるが、そ
のうち係留ラインによる係留は、海洋構造物では従来最
も多く採用されている方式である。
【0003】しかしながら、上記各浮体式施設は比較的
水深が浅い海域、例えば20m程度以下のところに係留
されることが多く、この場合、浮体の僅かな運動によっ
て係留ラインが容易に緊張状態となるため、カテナリー
特性を有効に発揮することができない。このことから、
浅海域での係留ラインによる長期の係留は不適当である
とされていた。
【0004】そこで、図7は、係留点の水平変位と浮体
1の係留ライン2の張力の水平成分の関係、すなわち変
位復原力曲線を示したものであり、係留ライン2の張力
は、風等による定常外力と波浪等の変動外力に起因する
浮体1の動揺による張力増加の和として考えることがで
きる。また、図7では係留ライン2としてチェーンを使
用したときの、水深が深い場合と、水深が浅い場合の変
位復原力曲線を比較しているが、水深が深い場合に比較
して水深が浅い場合には、係留ライン2に発生する張力
は極端に大きくなり、許容動揺量がかなり小さくなる。
さらに、水深が浅い場合には、ばねが硬くて曲線の勾配
が大きくなり、浮体水平面内動揺の固有周期が短かくな
って波周期に近づく。それにより同調現象が生じて、動
揺が大きくなり、係留ラインが破断する危険性があり、
このような現象は、係留ラインのサイズあるいは係留ラ
イン長を大きくしてもあまり改善されない。
【0005】そこで、この点を改善する目的で以下の方
法が採用される場合がある。その一つは、係留ラインの
途中にシンカーを設ける、例えば中間シンカー方式であ
り、この場合、浅水深における浮体係留装置に関する特
開昭57−107988及び係留ライン装置に関する特
開昭59−59587の発明などに示されている公知技
術であり、もう一つは係留ラインの一部あるいは前部に
ゴムとチェーンの複合材を用いる方法である。
【0006】上記前者の中間シンカー方式では、係留ラ
インとしてチェーンのみを使用した場合の曲線A及びそ
の許容動揺量XA に対比して示した図8の曲線Bとその
許容動揺量XB に示すように、定常外力に対して生じる
浮体1の定常変位量を中間シンカーの持ち上がりによっ
て減少させる効果があり、それによって、変動外力に対
する許容変位量が大きくなるため、浅海域においても適
用性のある係留方式である。
【0007】しかしながら、係留ラインとシンカーとの
結合部は、簡単な方法では摩耗等により破損の可能性が
あるため、定期的に点検し、補修する必要があり、十分
に信頼性のある構造としなければならず、コストがかさ
むという問題がある。一方、後者の複合材を用いる方法
は、ゴムの弾性を利用するものであり、係留ラインの係
留特性は図8の曲線Cで、その許容動揺量がXC であ
る。
【0008】この方式では、定常外力がゴムの弾性分を
ほとんど消費してしまい、変動外力に対する許容変位量
の増大はあまり期待できず、運動変位が大きくなるとい
う欠点もある。また、上記のような浮体式施設は、陸域
に近い場所に設置される場合が多いため、係留の占有面
積が制限されることが多く、この場合にはさらに係留の
安全性を確保することが困難になることから、浅海域に
おいて係留ラインによる係留の適用性は低いといえる。
【0009】このことから、浅海域においては、一般に
ドルフィンとゴム防舷材、すなわち、定反力型防舷材に
よる係留が推奨されている。これによれば、係留のため
の占有面積も比較的小さくでき、ゴム防舷材として適当
な型式、サイズを選定すれば、外力に対する運動変位が
小さく、安全性の高い係留の確保が比較的容易である。
【0010】しかしながら、この方式では、海上に杭式
あるいはケーソン式の強固な構造物を建設する必要があ
り、その費用が膨大となり、さらに、その撤去も困難で
あるので、移動が容易であるという浮体式構造形式の長
所を生かせないことになり、そのことから公有水面では
立地が困難な場合もでてくるという問題がある。また、
近年廃棄された船舶等を用いて観光用施設として利用す
る例が多く見られるが、この場合、舷側に防舷材が接触
するための平行部分を設けることが必要となり、その必
要がない場合でも、本来あまり強固な構造となっていな
い船体外板に反力の大きい防舷材が接触するため、相当
な補強が必要となる場合があるという問題点がある。
【0011】一方、ゴム防舷材は、防舷材の弾性変形に
よって船舶の接岸時の衝撃力、すなわち接岸エネルギー
を吸収して接岸力を和らげることを目的に開発されたも
のであり、現在生産されているゴム防舷材はその変位─
反力特性によって、定反力型(座屈型)と、反力漸増型
の2つに分類でき、それらの各特性を、図6の実線で定
反力型防舷材を、そして一点鎖線で反力漸増型防舷材を
それぞれ示している。
【0012】すなわち、定反力型防舷材は、圧縮変形の
初期に反力が大きく立ち上がるが、ある程度、例えば通
常防舷材高さの約15%圧縮されると、ゴムの座屈変形
により、反力がほぼ一定となる領域が存在する。一方、
反力漸増型防舷材は、その圧縮にしたがい反力が徐々に
増加する特性を有するものである。
【0013】そこで、長期の係留となる浮体式構造施設
では、50から100年期待値に相当する外力を考慮す
る必要があり、風などによる定常外力も大きい。反力漸
増型ではそれだけで可能な変形、すなわち許容変位を消
費してしまうため、現状における長期係留では定反力型
防舷材が有利であるとされており、また実際に多用され
ている。そこで、本発明者等は、上記定反力型防舷材の
利点に着目して種々検討を加えた結果、この発明に到達
した。
【0014】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
問題点を解決するためになされたものであり、海上に大
がかりな構造物を建設する必要がなく、かつ係留ライン
長は短くて良く、構造的にも有利な浮体の係留方法を
供することを解決課題としたものである。
【0015】 上記の課題を解決するための手段とし
て、本発明の浮体の係留方法は、浮体とアンカー側端と
を係留ラインで連結し、該アンカー側端に定反力型防舷
材をその変位が横方向になるように固設し、かつ定反力
型防舷材の定反力を生じる力を係留ラインの切断張力に
近づけるようにした浮体の係留方法からなる。
【0016】
【実施例】以下図面を参照して本発明の浮体の係留方法
を適用する係留装置の実施例を説明するが、図1及び図
2に示す実施例においては、浮体1を係留しているチェ
ーン、ワイヤー等の係留ライン2のアンカー側端3に、
定反力型防舷材4とその支持部分、すなわち張力と防舷
材重量を支持する部分からなる係留装置を設けた場合で
あり、支持部分は、例えば水底に打込まれた抗上に固定
される。このような装置をアンカー側端に設ける。そこ
で、図5の曲線Aは係留ラインだけを用いた場合の変位
−張力曲線であるが、これによっても明らかなごとく許
容動揺量(X )がきわめて小さいところから、少しの
動揺量でも大きい張力が作用するという欠点を有するの
に対し、同図の曲線Dは本発明を示すものであって、係
留ライン2の一端を、アンカー側端3に設けた定張力型
防舷材4に連結したものの変位−張力曲線であり、これ
から明らかなように、許容動揺量(X )はきわめて大
きく、しかもそのように大きい動揺量でもそれによる張
力はほぼ一定であり、大きく動揺しても張力の急激な増
加を示さないという好適な実施例を示す。しかもこのD
曲線の初期曲線は右肩上りで、しかも上方に向かって凹
状に彎曲した曲線を呈することにより、動揺量が大きく
てもその初期においてはその張力の増加は比較的小さい
挙動を示すという利点を有する。 一方、図6は定反力型
防舷材だけを用いた場合と、反力漸増型防舷材だけを使
用した場合の変位−張力曲線を示すが、定張力型防舷材
だけの場合は初期曲線は直線状の右肩上りであるから、
変位量の割には大きい張力が作用し、好ましくないこと
は明らかである。また張力漸増型防舷材だけでは右肩上
りの彎曲した曲線ではあるが、定反力現象を呈すること
がないために張力は急激に増大するという欠点を有する
ことがわかる。
【0017】 さらに本発明では、浮体1からの係留ラ
イン2はアンカー側端3に定反力型防舷材4の変位が横
方向になるように固設したために、定反力型防舷材4に
対して係留ライン2の垂直方向の重量が作用せず、係留
ラインの重量が定反力型防舷材4に及ぼす張力の増加と
いう好ましくない影響を与えることがないという利点を
有する。なお、上記定反力型防舷材4には種々の型式、
サイズのものを使用でき、図1から図4までの各実施例
ではセル型を用いた場合の例を示したが、その他の形
状、例えばV型、M型、H型、六角型、π型、ユニット
型等の定反力防舷材の使用も可能である。さらに、いく
つかの定反力型防舷材4を図3及び図4の実施例のごと
く直列に配置したりすることにより、任意の係留特性を
得ることが可能である。
【0018】 例えば、許容動揺量を大きくするために
は、定反力型防舷材4を図のごとく直列に複数個適宜
に接続されればよく、この場合、防舷材重量を支持する
ためのスライディングベース4Aが支持部分として設け
られている。なお、定反力型防舷材4は、従来岸壁や桟
橋などの係留施設において多用されており、一般に市販
されているものであり、その信頼性には問題がない。
【0019】
【発明の効果】本発明が特に、浮体とアンカー側端とを
係留ラインで連結し、しかもアンカー側端に定反力型防
舷材をその変位が横方向になるように固設したのは、図
5に示すように、係留ラインだけを使用した場合には許
容動揺量が小さく、少しの動揺でも大きい張力が加わる
という欠点を有し、また図6に示すように、定反力型防
舷材だけでは変位−張力曲線の立ち上りが直線状とな
り、少しの動揺でも大きい張力が初期に加わるという欠
点があり、さらに反力漸増型防舷材だけでは図6に示す
ようにほぼ一定の張力曲線を示さないから張力が増加す
る一方となるという欠点があるからであり、さらに、定
反力型防舷材を浮体側ではなく、特にアンカー側端に設
けたのは、同じ定張力防舷材をアンカー側に取付けた場
合と浮体側に取付けた場合の変位−張力曲線を示す図9
から明らかなごとく、定反力型防舷材を浮体側に取付け
た場合は、それをアンカー側に取付けた場合に比べて硬
いバネ特性をもつ防舷材、つまり高価な防舷材を用いな
ければならないという欠点を有するからである。
【0020】 つまり本発明は浮体を係留ラインにより
係留するにあたり、アンカー側端部に設けた定反力防舷
材に係留ラインを係留したために、浮体の変位に対して
大きい張力を作用させずに、かつ係留ラインの破断もな
く、安定的に浮体を係留できる。 また、防舷材を浮体側
に設ける場合には、防舷材は水面側に位置することにな
り、初期に係留ラインの自重によって防舷材が大きく歪
み、大きな外力が作用したときあるいは浮体が大きく動
揺したときの緩衝効果を得ることはむづかしいが、本発
明は防舷材をアンカーに固設したので係留ラインの自重
が作用しないため、そのような欠点がない
【0021】 図5に示すように、定反力型防舷材の
定反力を生ずる力を係留ラインの切断張力に近づけるよ
うにしたから、引張強度の必要以上に強い係留ラインを
用いる必要はなく、また必要以上に大きい定反力の定反
力型防舷材を使用する必要もないことになり、定反力型
防舷材の定反力と係留ラインの切断張力が近似のものを
使用することにより経済的な定反力型防舷材と係留ライ
ンを選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浮体の係留装置の実施例1の要部配置
図である。
【図2】図1の係留装置の要部拡大の配置図である。
【図3】本発明の係留装置の実施例2における定反力型
防舷材の側面図である。
【図4】図3の定反力型防舷材の正面図である。
【図5】本発明の係留装置と、係留ラインのみの場合
留装置の各係留特性図である。
【図6】本発明に適用する定反力型防舷材と従来の反力
漸増型防舷材との変位−張力特性線図である。
【図7】従来の係留ラインの張力の水平成分の関係を示
す変位復原力曲線図である。
【図8】それぞれ異なる従来の係留ラインの許容動揺量
を示す線図である。
【図9】定反力型防舷材をアンカー側に取付けた場合と
浮体側に取付けた場合の変位−張力曲線図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浮体とアンカー側端とを係留ラインで連
    結し、該アンカー側端に定反力型防舷材をその変位が横
    方向になるように固設し、かつ定反力型防舷材の定反力
    を生じる力を係留ラインの切断張力に近づけるようにし
    浮体の係留方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2524777B2 (ja) * 1987-11-19 1996-08-14 五洋建設 株式会社 浮体の係留方法
JPH01182406A (ja) * 1988-01-18 1989-07-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd フエンダー式係留方法

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