JP2683826B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、剛性を中心に特に優れた機械的物性バラン
スを示し、成形加工性、耐油性、耐薬品性の良好な樹脂
組成物に関する。
詳しくは、ポリオレフィン、特に結晶性ポリオレフィ
ン、ポリフェニレンエーテル樹脂および部分水素添加ア
ルケニル芳香族化合物−イソプレンブロック共重合体、
および特定のエチレン型エラストマーからなり、剛性と
耐熱性を中心とする機械的物性バランスに優れ、成形加
工性、耐有機溶剤性、耐薬品性の良好な射出成形用、押
し出し成形用または中空成形用樹脂組成物に関する。
[従来の技術およびその課題] ポリオレフィンは、成形加工性、靭性、耐水性、耐有
機溶剤性、耐薬品性などに優れ、低比重で安価であるこ
とから各種成形品やシート等に従来から広く利用されて
いるが、耐熱性に要改良点を有しており、これが新規な
用途開拓上の障害となっている。
一方、ポリフェニレンエーテル樹脂は、優れた耐熱性
を有するが、成形加工性、耐溶剤性に難点があるため、
その利用範囲が限られている。成形加工性と衝撃強度改
良等の目的で、例えばスチレン系樹脂とブレンドされ、
利用されているが、耐溶剤性に難点があるため、その利
用範囲にも限界があり、例えばガソリン等の油性溶剤に
対する耐性の要求される分野には適していない。
これらポリオレフィンとポリフェニレンエーテルのそ
れぞれの長所を兼ね備え、欠点を補う目的で、種々のブ
レンド組成物が提案されており、例えば加工性や抗張力
の改良を目的とした組成物(特公昭42−7069号)がある
ので、工業分野で要求される比較的高い機械的強度レベ
ルをかならずしも満足し得ない。また、さらにポリオレ
フィンとポリフェニレンエーテル樹脂の相溶性を改善
し、機械的強度の向上を図ることを目的として、例えば
スチレンとブタジエンのブロック共重合体ないしはこれ
らの水素添加物を配合してなる組成物(特開昭53−7115
8号、特開昭54−88960号、特開昭59−100159号等)、さ
らにこれらの成分に、無機フィラーを加えてなる組成物
(特開昭58−103556号公報)等が提案されており、成形
加工性と機械的強度は改善され得るが、ポリオレフィン
の配合量が少ない、もしくは、マトリックス(連続相)
がポリフェニレンエーテル樹脂ないしはこれとスチレン
系樹脂との組み合せによりなるという理由から、ポリオ
レフィンのもつ耐有機溶剤性が充分発揮されない。ま
た、ポリフェニレンエーテル樹脂に20重量%を超える大
量のポリオレフィンを配合し、さらに相溶化剤としてア
ルケニル芳香族化合物と共役ジエンよりなるジブロック
共重合体ないしはラジアルテレブロック共重合体および
これらの水素添加重合体を加えてなる組成物(特開昭58
−103557号、特開昭60−76547号)が提案され、ポリオ
レフィンの例として低密度ポリエチレンを用い、これと
ポリフェニレンエーテル樹脂とのブレンド物は、アルケ
ニル芳香族化合物−共役ジエンジブロック共重合体の水
素添加物の配合により、相溶性が改善され、引っ張り特
性、脆弱性等は改善され得るとされている。しかし、相
溶性の改善のみでは、樹脂一般に要求される諸性質を満
たすのに充分ではない。例えば、特開昭60−76547号中
に示された組成物、すなわち、ポリフェニレンエーテ
ル、大量成分としてのポリオレフィンとして低密度ポリ
エチレン、両成分の相溶化成分としてのアルケニル芳香
族−共役ジエンジブロック共重合体水素添加物の三成分
よりなる樹脂組成物は、剛性レベルが著しく劣るため、
その用途に限界がある。上記の組合わせのうちで、ポリ
オレフィンとして、ポリプロピレンを用いた樹脂組成物
は、剛性と耐熱性が若干改善されるが、実用上はなお不
足するケースがあり、改善の余地があった。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは上記の問題点に鑑みて、より一層の改良
を加え、種々の用途、例えば工業部品分野等で要求され
る比較的高いレベルの機械的強度バランスと耐溶剤性、
成形加工性に対応可能な樹脂組成物を提供せんとして鋭
意探索を行った。
このために、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレ
フィン、および各種の配合剤について検討を行なった結
果、ポリフェニレンエーテル樹脂およびポリオレフィ
ン、望ましくは結晶性ポリオレフィンの組合わせに、特
定の構造のアルケニル芳香族化合物−共役ジエンブロッ
ク共重合体の水素添加物、および特定の構造を持ったエ
チレン系エラストマーを配合することにより、優れた機
械的物性バランスを示し、耐溶剤性と成形加工性の良好
な樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成し
た。
すなわち、本発明は、 (a)ポリオレフィン樹脂20〜95重量%と、 (b)ポリフェニレンエーテル樹脂80〜5重量%と、 前記(a)成分と(b)成分との合計量100重量部に対
し、(c)部分水素添加アルケニル芳香族化合物−イソ
プレンブロック共重合体3〜45重量部および(d)不飽
和エポキシ化合物で変性されたエチレン−α−オレフィ
ン共重合体エラストマー3〜45重量部 を含有することを特徴とする樹脂組成物である。
[発明の構成] (a)成分:ポリオレフィン樹脂 本発明で使用されるポリオレフィンは、プロピレン、
ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、3−メチル
ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、
オクテン−1等の炭素数3以上のα−オレフィンの単独
重合体、これらのα−オレフィンの過半重量とエチレン
を含むα−オレフィンとのランダム、ブロック等の形態
をなす相互共重合体及びそれらの混合物、炭素数3以上
のα−オレフィンの過半重量と他の不飽和単量体とのラ
ンダムもしくはブロック、グラフト等の共重合体、また
はこれら重合体の酸化、ハロゲン化、スルホン化したも
のであり、少なくとも部分的に結晶性を示すものが好ま
しい。
他の不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、
アリールマレイン酸イミド、アルキルマレイン酸イミド
等の不飽和有機酸またはその誘導体;酢酸ビニル、酪酸
ビニル等のビニルエステル;スチレン、メチルスチレン
等の芳香族ビニル化合物;ビニルトリメチルメトキシシ
ラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシ
シラン等のビニルシラン、ジシクロペンタジエン、4−
エチリデン−2−ノルボルネン、4−メチル−1,4−ヘ
キサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン等の非共
役ジエンなどが用いられる。
共重合体の場合には、α−オレフィンや他の単量体
は、2種に限らず複数種からなるものであってもよい。
これらの重合体は既知の方法で重合あるいは変性によ
り得られ、また、市販のものを適宜選んでで用いてもよ
い。当然、併用もできる。
これらの中でも、プロピレン、ブテン−1、3−メチ
ルブテン−1、4−メチルペンテン−1を過半重量含む
共重合体または単独重合体が好ましく、中でも特に結晶
性プロピレン系重合体類すなわち結晶性プロピレン単独
重合体、結晶性プロピレン−エチレンブロックもしくは
ランダム共重合体、これらの結晶性プロピレン系重合体
類とα−オレフィン系ゴムすなわち複数のα−オレフィ
ンよりなるゴム状共重合体ないしは複数のα−オレフィ
ンと非共役ジエンとのゴム状共重合体との混合物が機械
的物性バランスの点で好ましい。
これらの結晶性プロピレン系重合体類及びこれらとα
−オレフィン系ゴムを含む混合物のメルトフローレート
(MFR)(230℃、荷重2.16kg)は0.01〜400の範囲が好
ましく、0.15〜60の範囲がより好ましい。MFRの値が0.0
1より小さい範囲では成形加工性に難点が生じ易く、400
より大きい範囲では機械的強度レベルが低く好ましくな
い。
ポリオレフィンとしては、よりMFR値の小さいもの、
すなわち高分子量のものを、公知の方法、例えばラジカ
ル発生剤(有機および無機の過酸化物、有機スズ化合
物、有機アゾ化合物等)の存在下または非存在下での加
熱処理、あるいは溶融混練時の加熱及び機械的せん断等
による分子量変化を起こし、このMFRの範囲となったも
のを含む。
(b)成分:ポリフェニレンエーテル樹脂 本発明で使用されるポリフェニレンエーテル樹脂は、
一般式 で表わされる循環構造単位を有し、式中一つの単位のエ
ーテル酸素原子は次の隣接単位のベンゼン核に接続して
おり、nは少くとも30であり、複数のRはそれぞれ独立
して、水素、ハロゲン、三酸α−炭素原子を含有しない
炭化水素基、ハロゲン原子とフェニル核との間に少くと
も2個の炭素原子を有するハロ炭化水素基、炭化水素オ
キシ基およびハロゲン原子とフェニル核との間に少くと
も2個の炭素原子を有する炭化水素オキシ基からなる群
より選択した一価置換基を示す。
ポリフェニレンエーテルの代表的な例としては、 ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エ
ーテル、 ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)
エーテル、 ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)
エーテル、 ポリ(2,6−ジブチル−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2,6−ジプロペニル−1,4−フェニレン)エーテ
ル、 ポリ(2,6−ジラウリル−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2,6−ジフェニル1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2,6−ジメトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2,6−ジエトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2−メトキシ−6−エトキシ−1,4−フェニレ
ン)エーテル、 ポリ(2−エチル−6−ステアリルオキシ−1,4−フェ
ニレン)エーテル、 ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレン)
エーテル、 ポリ(2,6−ジベンジル−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2−エトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2−クロロ−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2,5−ジブロモ−1,4−フェニレン)エーテルおよ
び同等物がある。
また、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチル
フェノールの共重合体、 2,6−ジメチルフェノールと2,3,5,6−テトラメチルフェ
ノールの共重合体、 2,6−ジエチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノー
ルの共重合体などの共重合体をも挙げることができる。
更に、本発明で使用されるポリフェニレンエーテル
は、前記一般式で定義されたポリフェニレンエーテルに
スチレン系モノマー(例えば、スチレン、p−メチルス
チレン、α−メチルスチレンなど)をグラフトしたもの
等変性されたポリフェニレンエーテルをも包含する。
上記に相当するポリフェニレンエーテルの製造方法は
公知であり、例えば、米国特許第3306874号、同第33068
75号、同第3257357号および同第3257358号各明細書およ
び特公昭52−17880号および特開昭50−51197号明細書に
記載されている。
本発明の目的のために好ましいポリフェニレンエーテ
ル類は、エーテル酸素原子に対する2つのオルソ位にア
ルキル置換基を有するものおよび2,6−ジアルキルフェ
ノールと2,3,6−トトリアルキルフェノールの共重合体
である。
これらのうちでも、とりわけ2,6−ジメチルフェノー
ルの重合体が好ましい。また、その好ましい分子量の範
囲は、その尺度として、25℃クロロホルム中に於ける極
限粘度の値で示すと、0.2dl/gの範囲であり、より好ま
しくは0.25〜0.6dl/gの範囲であり、さらに好ましくは
0.3〜0.55dl/gの範囲である。極限粘度が0.2dl/gより小
さい範囲では、組成物の機械的強度が不満足となり、ま
た0.7dl/gより大きい範囲では、組成物の成形加工性が
低下するので好ましくない。
また、ポリフェニレンエーテルの半重量以下をスチレ
ン系樹脂、例えば、ポリスチレン、種々のゴムで補強さ
れたハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂等で置換さ
れたものであってもよい。
(c)成分:部分水素添加アルケニル芳香族化合物−イ
ソプレン共重合体 本発明で使用される部分水素添加アルケニル芳香族化
合物−イソプレンブロック共重合体とは、アルケニル芳
香族化合物に由来する連鎖ブロック「A」とイソプレン
に由来する連鎖ブロック「B」をそれぞれ少なくとも一
個有する構造をもつアルケニル芳香族化合物−イソプレ
ンブロック共重合体のブロックBの脂肪族不飽和基が水
素化により減少したブロック共重合体である。ブロック
AおよびBの配列は、線状構造をなすものあるいは分岐
構造をなす、いわゆるラジアルテレブロック構造をなす
ものを含む。
モノマー成分の分布は特に限定されず、均一であって
も、また不均一であっても、さらには分子鎖に沿ってモ
ノマー成分の量が増加ないしは減少するテーパー状であ
ってもよい。したがって、複数のAブロックないしはB
ブロックのそれぞれの分子量は同じであっても異なって
いてもよい。また、これらの構造のうちの一部にアルケ
ニル芳香族化合物とイソプレンとのランダム共重合部分
に由来するランダム鎖を含んでいてもよい。これらのう
ちで、線状構造をなすジブロック(A−Bブロック)、
トリブロック(A−B−Aブロック,B−A−Bブロッ
ク)、テトラブロック(A−B−A−Bブロック)、ペ
ンタブロック(A−B−A−B−Aブロック、B−A−
B−A−Bブロック)あるいはAとBのブロック数の合
計が6以上のものを含む線状構造をなすものがより好ま
しく、これらの中でもジブロック、トリブロック、テト
ラブロック構造がさらに好ましく、とりわけA−Bジブ
ロック構造をなすものが好ましい。
ブロックAをなすアルケニル芳香族化合物は、次の一
般式に示される化学構造を有するものである。
式中、R1とR2は水素および炭素数1〜6の低級アルキ
ル基またはアルケニル基からなる群より選ばれ、R3およ
びR4は水素、炭素数1〜6の低級アルキル基、塩素、臭
素よりなる群より選ばれ、R5、R6およびR7は水素、炭素
数1〜6の低級アルキル基およびアルケニル基からなる
群より選ばれるか、あるいはR6とR7がハイドロカルビル
基と共に連結してナフチル基を有することもある。
アルケニル芳香族化合物の具体例には、スチレン、パ
ラメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルキシレ
ン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、シビニルベン
ゼン、ブロモスチレンおよびクロロスチレンがあり、併
用も可能である。これらの中で、スチレン、α−メチル
スチレン、パラメチルスチレン、ビニルトルエン、ビニ
ルキシレンが好ましく、スチレンがより好ましい。
部分水素添加されたアルケニル芳香族化合物−イソプ
レンブロック共重合体(c)におけるアルケニル芳香族
化合物に由来する繰り返し単位の占める割合は20重量%
を超え80重量%以下の範囲が良く、特に25重量%以上65
重量%以下の範囲が好ましい。
部分水素添加されたアルケニル芳香族化合物−イソプ
レンブロック重合体(c)中のアルケニル芳香族化合物
に由来する繰り返し単位の占める割合が80重量%を超え
た範囲では、樹脂組成物の衝撃強度が不満足なレベルと
なり、20重量%以下の範囲では、樹脂組成物の剛性レベ
ルおよび耐熱性が不満足となり本発明の目的を達し得な
いために好ましくない。
これらブロック共重合体(c)における脂肪族鎖部分
のうち、イソプレンに由来し、水素添加されずに残存し
ている不飽和結合の割合は、50%以下が好ましく、20%
以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。ま
た、アルケニル芳香族化合物に由来する芳香族性不飽和
結合の約25%以下が水素添加されていてもよい。
これら水素添加物ブロック共重合体(c)は、それら
の分子量の目安として、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィーにより測定されたポリスチレン換算法による
数平均分子量の値が、5,000g/mol以上500,000g/mol以下
のものが好ましく、10,000g/mol以上300,000g/mol以下
のものがより好ましい。さらに好ましくは30,000g/mol
以上200,000g/mol以下、とりわけ好ましくは45,000g/mo
l以上150,000g/mol以下の範囲にあるものである。ゲル
パーミエーションクロマトグラフィーにより測定され、
ポリスチレン換算法による平均分子量の値が500,000g/m
olを超えるものおよび同法による数平均分子量の値が5,
000g/molを下回るものは製造コストの面で割高となり易
い。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定
は、溶出時間と分子量との関係を求めるに際し、標準物
質として単分散ポリスチレンを用いた。各平均分子量は
ポリスチレン換算の分子量とした。
これら水素添加ブロック共重合体(c)の分子量分布
は、上記のゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
より測定できるが、好ましい分子量分布は特に限定され
ず、また、重量平均分子量の値を数平均分子量の値で除
して得られる、いわゆるQ値がいかなる範囲のものであ
っても差し支えない。また、分子量分布の山状の分散が
1つだけでなく複数あるもの、あるいは、山状の主分散
に加えて主分散よりも高分子量ないしは低分子量の成分
を少量含み、分子量分布の形としては山状の主分散に加
えてすそを引く形を示すものであっても作用可能であ
る。
これら水素添加ブロック共重合体(c)中のアルケニ
ル芳香族連鎖ブロック(ブロックA)および水素添加さ
れたイソプレン連鎖ブロック(ブロックB)の分子量
は、上記の数平均分子量を満足する範囲のものであれ
ば、種々のもの、種々の組合わせのものが使用可能であ
る。
これら水素添加ブロック共重合体(c)は、水素添加
されたイソプレン重合連鎖部分をもち、この連鎖に由来
する結晶性を示すものがある。これは水素添加されたイ
ソプレン重合連鎖が、ポリオレフィン類似の分子構造で
あることによると推定される。水素添加ブロック共重合
体(c)の結晶性は、示差走査熱量計(DSCと略す。)
により測定することができる。
本発明における水素添加ブロック共重合体(c)いは
いかなる結晶性を示すものも使用可能である。
水素添加ブロック共重合体(c)の水素添加されたイ
ソプレン重合連鎖部分に基づくガラス転移温度は、いか
なるものでも使用可能である。
ガラス転移温度は上記のDSC法や、メカニカルスペク
トロメーター等を用いた粘弾性の温度変化挙動等により
測定可能である。
アルケニル芳香族化合物−イソプレンブロック共重合
体の製造方法としては、数多くの方法が提案されてい
る。代用的な方法としては、例えば特公昭40−23798
号、米国特許第3595942号および同第4090996号等に記載
された方法があり、リチウム触媒またはチーグラー型触
媒等を用いて、例えばシクロヘキサン等の不活性溶媒中
でブロック共重合体を行なわせる。このようなブロック
共重合体の一つとして、日本合成ゴム株式会社より「TR
2400」といった商品名で市販されているものもある。こ
れらのブロック共重合体の水素添加処理は、例えば特公
昭42−8704号、同43−6636号あるいは同46−20814号等
の明細書に記載された方法により、例えばシクロンヘキ
サン等の不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添
加することによって行われる。
また、Journal of Polymer Science Part B Polymer
Letters Volume 11,427〜434頁(1973年)等に示された
方法により、不活性溶媒中で、パラトルエンスルホニル
ヒドラジド等を用いて水素添加を行なうことも可能であ
る。
(d)成分:変性エチレン系エラストマー 本発明で使用される変性エチレン−α−オレフィン共
重合体は、エチレン−α−オレフィン共重合体に不飽和
エポキシ化合物をグラフト共重合したものである。
グラフト変性に供されるエチレン−α−オレフィン共
重合体は、エチレン含量が30ないし93モル%の範囲であ
ることが必要であり、さらには35ないし90モル%の範囲
にあることが好ましい。該エチレン−α−オレフィン共
重合体のエチレン含量が93モル%より大きくなってもま
たは30モル%より小さくなっても該エチレン−α−オレ
フィン共重合体は高結晶性となり、組成物の耐衝撃性の
改良効果が十分とはいえない。また、該エチレン−α−
オレフィン共重合体の190℃におけるメルトフローレー
ト[MFR、荷重2160gで190℃にて測定した値(ASTM D−1
238 E 条件)]が0.1ないし50g/10分の範囲にあること
が望ましく、特に0.2ないし20g/10分の範囲にあること
が好ましい。該エチレン−α−オレフィン共重合体のMF
Rが0.1g/10分より小さくてもまた50g/10分より大きくて
も、耐衝撃性を改良する効果が小さくなる傾向にある。
また、該エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は
0.90g/cm3以下の範囲にあることが好ましく、さらに好
ましくは0.85ないし0.89g/cm3の範囲にある。さらに該
エチレン−α−オレフィン共重合体は低結晶性ないしは
非晶性のものが好適であり、その結晶化度は通常0ない
し50%の範囲であり、好ましくは0ないし40%の範囲で
ある。
該エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−
オレフィン成分単位は、炭素数が3ないし18のα−オレ
フィンであり、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセンなどを例示
することができ、これらの1種または2種以上の混合物
が用いられる。該エチレン−α−オレフィン共重合体
は、通常エチレン成分とα−オレフィンとの共重合体で
あるが、5モル%以下の範囲でジエン成分を含有してい
ても差しつかえない。
ジエン成分の具体例としては、ジシクロペンタジエ
ン、エチリデンノルボルネンなどが代表的なものであ
る。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体にグラフト共
重合されるグラフトモノマーは、分子内に不飽和結合と
エポキシ基を同時に有する化合物であり、その具体例と
しては、不飽和カルボン酸のグリシジルエステルが挙げ
られる。
不飽和カルボン酸の具体例としては、下記のようなも
のが挙げられる。
アクリル酸、イソクロトン酸、クロトン酸、ビニル酢
酸、メタクリル酸、ペンテン酸、アンゲリカ酸、チブリ
ン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、α−エチルア
クリル酸、β−メチルクロトン酸、4−ペンテン酸、2
−ヘキセン酸、2−メチル−2−ペンテン酸、3−メチ
ル−2−ペンテン酸、α−エチルクロトン酸、2,2−ジ
メチル−3−ブテン酸、2−ヘプテン酸、2−オクテン
酸、4−デセン酸、9−ウンデセン酸、10−ウンデセン
酸、4−ドデセン酸、5−ドデセン酸、4−テトラデセ
ン酸、9−テトラデセン酸、9−ヘキサデセン酸、2−
オクタデセン酸、9−オクタデセン酸、アイコセン酸、
ドコセン酸、エルカ酸、テトラコセン酸、マイコリペン
酸、2,4−ペンタジエン酸、2,4−ヘキサジエン酸、ジア
リル酢酸、ゲラニウム酸、2,4−デカジエン酸、2,4−ド
デカジエン酸、9,12−ヘキサデカジエン酸、9,12−オク
タデカジエン酸、ヘキサデカトリエン酸、リノール酸、
リノレン酸、オクタデカトリエン酸、アイコサジエン
酸、アイコサトリエン酸、アイコサテトラエン酸、リシ
ノール酸、エレオステアリン酸、オレイン酸、アイコサ
ペンタエン酸、エルシン酸、ドコサジエン酸、ドコサト
リエン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、
テトラコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘキサコジエン酸、
オクタコセン酸、トラアコンテン酸、マレイン酸、テト
ラヒドロフタル酸、イタコン酸、フマール酸、シトラコ
ン酸、ナジック酸(エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)。また、その他
の不飽和エポキシ化合物の具体例としては、アリルグリ
シジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、シクロヘ
キセンエポキシドなどが挙げられる。これらは単独で、
または2種以上を併用することができる。
グラフトモノマーのグラフト割合は、該エチレン−α
−オレフィン共重合体100重量部に対して0.05ないし、1
0重量部の範囲にあることが必要であり、特に0.1ないし
5重量部の範囲にあることが好ましい。グラフトモノマ
ーのグラフト割合が0.05重量部より小さくなると、ポリ
フェニレンエーテル系樹脂に対する相溶性が良好とはい
えなくなり、層状剥離が起こりやすくなり、かつ耐衝撃
性改良効果も小さくなる傾向となる。また、グラフト割
合が10重量部より大きくなると該グラフト変性物の架橋
度が増大して、ポリフェニレンエーテル系樹脂に配合し
ても、その耐衝撃性を改良する効果が小さくなる傾向に
なる。さらに、グラフト変性エチレン−α−オレフィン
共重合体のメルトフローレート〔MFR、荷重2,160g、190
℃で測定した値〕は0.1ないし50g/10分であり、好まし
くは0.2ないし20g/10分の範囲である。
さらにグラフトモノマーとして、不飽和エポキシ化合
物から選ばれる少なくとも1種以上の化合物と共にスチ
レンなどのスチレン系炭化水素から選ばれる少なくとも
1種類以上の化合物を併用することができる。その場合
はエチレン−α−オレフィン共重合体100重量部に対し
て不飽和エポキシ化合物から選ばれる化合物を約0.05な
いし約10重量%、中でもとくに約0.1ないし約5重量%
とすることが好ましく、スチレン系炭化水素から選ばれ
る化合物を約0.3ないし約50重量%、中でもとくに約1
ないし約20重量%とすることが好ましい。
本発明で使用される変性エチレン−α−オレフィン共
重合体は、前記エチレン−α−オレフィン共重合体を直
接溶融あるいは溶媒に溶かして、ラジカル開始剤および
前記グラフトモノマーを添加してグラフト反応を行うこ
とによって調製することが望ましい。グラフト反応に
は、反応器、押出機、ニーダーなどが利用される。
ラジカル開始剤としては有機ペルオキシド、有機ペル
エステル、例えばベンゾイルペルオキシド、ジクロルベ
ンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキジド、ジ−te
rtブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペル
オキシドベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(ter
t−ブチルペルオキソイソプロピル)ベンゼン、ラウロ
イルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキ
シン−3、2,5ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオ
キシ)ヘキサン、tert−ブチルペルベンゾエート、tert
−ブチルペルフエニルアセテート、tert−ブチルペルイ
ソブチレート、tert−ブチルペル−sec−オクトエー
ト、tert−ブチルペルピバレート、クミルペルピバレー
トおよびtert−ブチルペルジエチルアセテート、その他
アゾ化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリル、ジメ
チルアゾイソブチレートがある。これらのうちではジク
ミルペルオキシド、ジ−tertブチルペルオキシド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキ
シン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペル
オキシ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキ
シイソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。
[構成成分の組成比] 本発明による樹脂組成物に占めるポリオレフィン成分
(a)の割合は、ポリオレフィン(a)とポリフェニレ
ンエーテル樹脂(b)の合計量を100重量%として、20
〜95重量%が推奨でき、その中でも30〜95重量%の範囲
が好ましく、とりわけ40〜90重量%の範囲が好ましい。
20重量%未満では耐有機溶剤性が充分でなく、95重量
%を越える範囲では、耐熱性が不満足なレベルとなり、
本発明の目的を達し得ないため好ましくない。
同様に(b)成分のポリフェニレンエーテル樹脂の占
める割合は、樹脂成分(a)および(b)の合計量を10
0重量%として、80〜5重量%が推奨され、その中でも7
0〜5重量%の範囲が好ましく、とりわけ60〜10重量%
の範囲が好ましい。5重量%未満では剛性レベルが不満
足となり、80重量%を超える範囲では耐有機溶剤性が不
充分となるため好ましくない。
(c)成分の部分水素添加アルケニル芳香族化合物−
イソプレンブロック共重合体の量は、上記(a)と
(b)成分の合計量100重量部に対して3〜45重量部の
範囲が好ましく、5〜40重量部の範囲がとくに好まし
く、とりわけ5〜30重量部の範囲が好ましい。3重量部
未満では、衝撃強度レベルが不充分となり、45重量部を
超える範囲では剛性レベルが不満足となり、本発明にお
ける目的を達し得ないので好ましくない。
(d)成分の変性エチレン−α−オレフィン共重合体
の割合は、上記(a)および(b)成分の合計量100重
量部に対して3〜45重量部の範囲が好ましく、特に5〜
30重量部が好ましい。3重量部未満では、衝撃強度レベ
ルが不充分となり、45重量部を超える範囲では剛性レベ
ルが不満足となり、本発明における目的を達し得ないた
めに好ましくない。
本発明では、上記の成分の外に、本発明の効果を損な
わない範囲で、必要に応じて他の付加的成分、例えば、
酸化防止剤、耐候性改良剤、ポリオレフィン用造核剤、
スリップ剤、無機又は有機の充填剤や補強剤、難燃剤、
各種着色剤、帯電防止剤、離型剤、ポリオレフィンの分
子量調節用の少量のラジカル発生剤(有機過酸化物等)
等を添加しても差し支えない。
また、ポリフェニレンエーテル樹脂に使用されるトリ
フェニルホスフェート等の可塑剤、さらに、ガラス繊
維、ワラストナイト、チタン酸カリウム、ウイスカー、
マイカ、タルク、炭酸カルシウム等の充填剤は、剛性な
どの物性バランスの改良、成形性、寸法精度、寸法安定
性の向上に有効である。
[ブレンド方法] 本発明による樹脂組成物を得るためのブレンド方法と
しては、一般に樹脂同志あるいは樹脂と安定剤や着色
剤、さらには樹脂と充填剤とをブレンドする種々の方法
を適用することができる。例えば、粉体状あるいは粒状
の各成分を、ヘンシエルミキサー、スーパーミキサー、
リボンブレンダー、Vブレンダー等により均一に分散し
た混合物とし、次に二軸型混練押し出し機、一軸型混練
押し出し機、ロール、バンバリーミキサー、ブラストミ
ル、ブラベンダーブラストグラフの溶融混練機が使用し
得る。溶融混練温度は通常200℃〜350℃の範囲が挙げら
れる。以上の様にして得られた樹脂組成物は、溶融混練
後に押し出しペレット状とすることができる。
[本発明による樹脂組成物の応用] 本発明による樹脂組成物は、一般に熱可塑性樹脂に適
用される成形性、すなわち射出成形や押し出し成形、中
空成形等により容易に成形することができるが、中でも
射出成形が最も好ましい。機械的物性が良好であること
から、自動車部品、具体的にはバンバー、ドアー、ドア
ーパネル、フェンダー、モール、エンブレム、ホイール
カバー、エンジンフード、ルーフ、スポイラー等の外装
部品、インストウルメントパネル、コンソールボック
ス、トリム等の内装部品、さらに、電気機器外装部品、
具体的にはテレビ、冷蔵庫、並びに所謂オフィスオート
メーション機器等の部品用途に適している。
[実施例] 以下、実施例および比較例により本発明を説明する
が、これは単なる例示であり、本発明はこれに限定され
るものではない。
測定および評価法 以下に示す実施例および比較例において、各物性値と
諸性質は下記の条件により測定され、また評価されたも
のである。
1) MFR(流れ性の目安) JIS K 7210−1975に準じ、ポリオレフィンのMFRを測
定した。
2) 曲げ弾性率(剛性の目安) ISO R 178−1974 Procedure 12(JIS K 7203)に準
じ、インストロン試験機を用い測定した。
3) アゾット衝撃値 ISO R 180−1969(JIS K 7110)(ノッチ付アイゾッ
ト衝撃強度)に準じ、東洋精機製作所製アイゾット衝撃
試験機を用い、測定した。
4) 熱変形温度(耐熱性の目安) ISO R 75−1958 Method A(JIS K 7207−1974 A法)
に準じて測定した。なお、100℃にて30分間アニール処
理を施した射出成形試片を使用した。
参考例1 グリシジルメタクリレートグラフト変性エチ
レン−プロピレン共重合体の製造 エチレン−プロピレン共重合体(住友化学社製、エス
プレン E−120:商品名)100重量部、グリシジルメタ
クリレート5重量部およびジクミルパーオキシド0.1重
量部をスーパーミキサーにて充分混合したのち、2軸押
出機(東芝機械社製 TEM−50:商品名)を用い、230℃に
て溶融混練した。得られた変性エチレン−プロピレン共
重合体には2.1重量%のグリシジルメタクリレートがグ
ラフト共重合していた。
実施例1 プロピレン単独重合体(住友化学社製、住友ノーブレ
ン D−501:商品名)、ポリ−(2,6−ジメチルフェニレ
ン)エーテル(住友化学社製)、水素添加スチレン−イ
ソプレンブロック共重合体(以下、水添SIと略記す
る。)(シェル化学社製、クレイトン G1701 X:商品
名)、および参考例1で得られたグリシジルメタクリレ
ートグラフトエチレン−プロピレン共重合体を表1の配
合割合でスーパーミキサーにて混合したのち、2軸押出
機(東芝機械社製 TEM−50)を用い260〜280℃で溶融混
練し、ペレットを得た。物性測定結果を表1に示す。
比較例1 実施例1の水素添加スチレン−イソプレンブロック共
重合体の代りに水素添加スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体(以下、水添SBと略記する。)(シ
ェル化学製、クレイトンG−1650:商品名)を用いたこ
とを以外、すべて実施例1と同様にしてペレットを得
た。物性測定結果を表1に示す。
比較例2 実施例1のグリシジルメタクリレートグラフトエチレ
ン−プロピレン共重合体の代りに、未変性エチレン−プ
ロピレン共重合体(住友化学社製、エスプレンE−120:
商品名)を用いたこと以外は、すべて実施例1と同様に
してペレットを得た。物性測定結果を表−1に示す。
比較例3 実施例1のグリシジルメタクリレートグラフト−エチ
レン−プロピレン共重合体を用いず、その他はすべて実
施例1と同様にしてペレットを得た。物性測定結果を表
1に示す。
実施例1と比較例1〜比較例3を比べると明らかなよ
うに、本発明組成物である水素添加スチレン−イソプレ
ンブロック共重合体とグリシジルメタクリレート変性エ
チレン−プロピレン共重合体とを組合せた場合に特異的
に良好な物性を示している。
実施例2〜5 表2のような配合割合で実施例1と同様にして成形し
ペレットを得、物性評価を行った。その結果を表2に示
す。表2において使用した成分は下記の通りである。
ポリプロピレン 単独重合体:住友化学社製、住友ノーブレンD501(商品
名) ランダム共重合体:プロピレン−エチレンランダム共重
合体[住友化学社製、住友ノーブレンS−131(商品
名)] ブロック共重合体:プロピレン−エチレンブロック共重
合体[住友化学社製、住友ノーブレンAS−171A(商品
名)] ポリフェニレンエーテル:ポリ−(2,6−ジメチルフェ
ニレン)エーテル(住友化学社製] 水添SI:シェル化学社製[クレイトンG−1701 (商品
名)] 変性エチレン−α−オレフィン共重合体 GMA−EP(1):グリシジルメタクリレート変性エチレ
ン−プロピレン共重合体(参考例1で得られたもの) GMA−EP(2):グリシジルメタクリレート変性エチレ
ン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体(参
考例1のエスプレンE−120の代りにエスプレンE−501
Aを使用) M−EP:マレイン酸モノグリシジルエステル変性エチレ
ン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=約8/
2(モル比)、マレイン酸モノグリシジルエステル2.3重
量%) GMA−EB:グリシジルメタクリレート変性エチレン−ブテ
ン共重合体(エチレン/ブテン=約8/2(重量比)、グ
リシジルメタクリレート1.3重量%) [発明の結果] 以上説明したように、本発明の樹脂組成物はすぐれた
機械的強度バランスを示し、耐溶剤性、成形加工性が良
好である。
本発明による樹脂組成物は一般の熱可塑性樹脂組成物
に適用される成形加工法、例えば射出成形、押出成形、
中空成形などにより容易に成形品に加工され、耐衝撃
性、耐熱性および耐溶剤性などの物性のバランスが極め
て良好で、外観の均一性および平滑性に優れた製品を与
える。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリオレフィン樹脂20〜95重量%
    と、 (b)ポリフェニレンエーテル樹脂80〜5重量%と、 前記(a)成分と(b)成分との合計量100重量部に対
    し、(c)部分水素添加アルケニル芳香族化合物−イソ
    プレンブロック共重合体3〜45重量部および(d)不飽
    和エポキシ化合物で変性されたエチレン−α−オレフィ
    ン共重合体エラストマー3〜45重量部 を含有することを特徴とする樹脂組成物。
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