JP2682431B2 - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JP2682431B2
JP2682431B2 JP6037583A JP3758394A JP2682431B2 JP 2682431 B2 JP2682431 B2 JP 2682431B2 JP 6037583 A JP6037583 A JP 6037583A JP 3758394 A JP3758394 A JP 3758394A JP 2682431 B2 JP2682431 B2 JP 2682431B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波モータに関し、特
に安定な回転動作をさせ得るようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来超音波モータとして、図8の構成の
ものが用いられている。図8において、1は全体として
超音波モータを示し、接触面に振動を発生させる振動子
(以下これをステータと呼ぶ)2を有すると共に接触面
をステータ2の接触面に所定の圧力で接触させることに
よりステータ2との間で相対運動を行う相対運動部材
(以下これをロータと呼ぶ)3を有する。ステータ2の
環状ステータ固定部2Aは外部のベース(図示せず)に
固定され、可撓性を有するステータ支持部2Bを介して
環状弾性体2Cがステータ固定部2Aに対して同軸的に
支持されている。
【0003】弾性体2Cは弾性を有する金属でなり、内
面に付着された圧電素子でなる圧電体2Dによつて振動
し得るようになされている。弾性体2Cの表面には櫛歯
状の凹凸面が形成され、この凹凸面がロータ3の環状ロ
ータ母材3Aに例えば合成樹脂でなるスライダ3Bを介
して圧接し、ロータ母材3Aの回転力をロータ支持部3
Cを介して環状回転出力部3Dに伝達する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが従来の超音波
モータ1においては、ロータ3からの駆動出力を増大さ
せるためには、ステータ2に対するロータ3の摩擦係数
μをできるだけ大きくする必要があると考えられてお
り、摩擦係数μを大きくした場合にロータ3及びステー
タ2間の接触部に生ずる摩耗が大きくなる点を考慮して
当該摩耗をできるだけ小さくするような工夫がされてい
る。例えば特開昭62-23379号、特開昭 62-100178号の場
合には、摩擦係数μをμ>0.4 程度に選定することによ
り、駆動効率を向上させるような構成が示されている。
【0005】ところが実験によれば、ロータ3及びステ
ータ2間の摩擦係数μを大きくすると、超音波モータ1
の駆動電源の周波数fに対する超音波モータ1の駆動出
力の関係を表す共振特性曲線にヒステリシス現象が生ず
る状態になるため、超音波モータ1を安定に駆動し得な
い問題があることが分かつた。すなわち摩擦係数μをμ
>0.4 程度に選定した超音波モータ1を、図9に示すよ
うに、電源の周波数fを超音波モータ1が起動し得ない
下限周波数fMIN に設定した状態から周波数fを徐々に
上昇させて行く場合を考える。周波数fがf=fMIN
とき、振幅|x|は共振特性曲線K1上の下限動作点P
MIN を表す値|xMIN |になつている。
【0006】この下限動作点PMIN の状態から周波数f
を上昇させて行くとき、第1の遷移点PA に対応する周
波数fA に至るまでの間振幅|x|が|xMIN |程度を
維持するために停止状態を表す第1の特性曲線部分K1
A上を移動して行く状態になり、結局超音波モータ1は
起動できないことになる。やがて、周波数fが第1の遷
移点PA の周波数fA を超えると、超音波モータ1は起
動して第2の特性曲線部分K1B上の点PC にジヤンプ
し、当該第2の特性曲線部分K1B上を変化する。
【0007】ここで超音波モータ1は周波数fが第1の
遷移点PA の周波数fA より高くなつて行けば、これに
応じて振幅|x|が次第に小さくなつて行き、やがて上
限周波数fMAX の上限動作点PMAX において停止状態に
なる。ところが、電源の周波数fを一旦上限周波数f
MAX にした後その周波数を少しずつ下げて行くと、振幅
|x|が徐々に大きくなつて行き、第1の遷移点PA
周波数fA より低くなれば振幅|x|がますます大きく
なつて行く。やがて、周波数fが第2の遷移点PB の周
波数fB に近づいて来ると、振幅|x|は急激に低下し
て周波数fが周波数fB より低くなつたとき振幅|x|
の値は第1の特性曲線部分K1A上の点PD にジヤンプ
して最小振幅|xMIN |になり、結局超音波モータ1は
停止する。
【0008】このようにロータ3及びステータ2間の摩
擦係数μが大きい超音波モータ1においては、駆動電源
の周波数fを下限周波数fMIN から上限周波数fMAX
上昇させる際には、図10に示すように点PMIN −PD
−PA −PC −PMAX の特性曲線部を通るように振幅|
x|が変化するのに対して、周波数fを上限周波数f
MAX から下限周波数fMIN に下降させる際には、点P
MAX −PC −PB −PD −PMIN のように、上昇する場
合とは異なる特性曲線部分を通つて振幅|x|が変化す
るようなヒステリシス現象を呈する。ところで実際上超
音波モータ1をできるだけ高い効率で駆動しようとする
場合には、振幅|x|が最大値に近い駆動点PDRV にな
るような駆動周波数fDRV (図10)に電源周波数fを
設定することが必要となる。
【0009】しかし何らかの原因で電源周波数fが変動
することにより、駆動周波数fDRVが低下したような場
合や、温度変化、負荷変動などによつて共振特性曲線K
1自体が変動したような場合に、駆動点PDRV が第2の
遷移点PB 以下になるような変動が超音波モータ1の駆
動条件に生ずると、超音波モータ1が直ちに停止すると
共に、当該変動条件が解消しても超音波モータ1が駆動
動作状態に復帰できなくなるおそれがある。本発明は以
上の点を考慮してなされたもので、このような不安定な
挙動をするおそれをなくし得る超音波モータを提案しよ
うとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、第1の接触面を有し、該第1の接
触面に振動を発生させる振動子2と、第1の接触面に所
定の圧力によつて接触する第2の接触面を有し、振動に
より振動子との間で相対運動を行う相対運動部材3とを
備えた超音波モータにおいて、第1の接触面と第2の接
触面との間の摩擦係数が、共振特性曲線K11にヒステ
リシス現象を生じさせない程度の0.34未満の値又は
0.34未満0.05より大きな値になるように、第1
の接触面の材料を、オーステナイト系ステンレス、SU
S304又はインバ材(特に42%のニツケル合金であ
るインバ材)のような材料に、選定するようにする。
【0011】
【作用】振動子2の接触面と相対運動部材3の接触面と
の聞の摩擦係数μを小さくして行くと、超音波モータ1
の共振特性曲面K11にヒステリシス現象が生じなくな
る。そこで当該ヒステリシス現象を生じさせない程度
に、摩擦係数μが0.34未満の値、又は0.34未満
であつて0.05より大きな値になるように、第1の接
触面の材料、オーステナイト系ステンレス、SUS30
4又はインバ材(特に42%のニツケル合金であるイン
バ材)のような材料に、選定したことにより、超音波モ
ータ1の駆動動作を、電源の周波数fに対して安定化し
得る。
【0012】
【実施例】以下図面について、本発明の一実施例を詳述
する。
【0013】〔1〕駆動原理 図10との対応部分に同一符号を付して示す図1におい
て、本発明による超音波モータ1(図8)においては、
共振特性曲線K11にヒステリシス現象を生じさせない
ような摩擦係数μを選定する。かかる条件を満足する摩
擦係数μとして、μ<μ0 (=0.25)に選定する。かか
る条件下における超音波モータ1は、駆動電源の周波数
fを下限周波数fMIN から上限周波数fMAX まで変化さ
せたとき、共振特性曲線K11にヒステリシス現象を生
じるような挙動をしなくなる。
【0014】例えば摩擦係数μをμ=μ1 (=0.18)に
選定した状態において周波数fを下限周波数fMIN から
上限周波数fMAX まで上昇させた場合の超音波モータ1
の挙動は図1と共に、次のようになる。すなわち、超音
波モータ1は、下限周波数fMIN に対応する下限動作点
MIN から、起動開始する周波数f=f1 の起動動作点
1 までの停止状態に相当する低出力曲線部分K11A
を過ぎた後、周波数f2 において振幅|x|がピーク点
2 になるまで立上り曲線部K11Bを通つて急速に立
ち上がる。
【0015】ピーク点P2 を通つた後超音波モータ1は
高出力曲線部K11Cを通つて、振幅|x|がピーク値
近傍の値をもちながらゆつくりと低下して行く動作状態
を経過して、振幅|x|が停止状態に近い低い値になる
低出力曲線部K11D上の上限動作点PMAX に至る。こ
れに対して、周波数fを上限周波数fMAX から下限周波
数fMIN まで降下させて行くと、超音波モータ1は低出
力曲線部K11D上の上限動作点PMAX から、高出力曲
線部K11C、立上り曲線部K11Bを順次通つて低出
力曲線部K11A上の下限動作点PMIN に移つて行く。
【0016】このように、超音波モータ1の共振特性曲
線K11にヒステリシス現象が生じないことにより、超
音波モータ1が駆動状態にあるとき、瞬時的に停止状態
に落ち込むような不安定な動作を生じさせないようにし
得る。因に超音波モータ1を駆動周波数fDRV で駆動す
ることにより、駆動点PDRVにおいて駆動していると
き、駆動周波数fDRV が変動し、又は温度変化又は負荷
変動によつて共振特性曲線が崩れることによつて駆動点
DRV が変動してピーク点P2 を超えて立上り曲線部K
11Bないし低出力曲線部K11Aに落ち込んだとして
も、共振特性曲線K11がヒステリシスループをもたな
いことにより、超音波モータ1は動作状態が元に戻れば
駆動点PDRV を高出力曲線部K11Cに戻すことができ
る。
【0017】実験によれば、図1について上述したよう
に、ロータ3及びステータ2間の摩擦係数μが0.25以下
になるような条件の超音波モータ1においてはヒステリ
シス現象が発生しなかつたのに対して、摩擦係数μがそ
れ以上の超音波モータにおいてはヒステリシス現象が生
ずると共に、そのヒステリシス動作の深さが摩擦係数μ
が大きくなればなる程大きくなることを確認し得た。す
なわち図1の共振特性曲線K11は、ロータ3及びステ
ータ2間の摩擦係数μが、μ=μ1 =0.18の場合である
のに対して、摩擦係数μを、μ=μ2 =0.34に選定した
場合には、図3の共振特性曲線K12で示すように、共
振特性曲線K12上に第1及び第2の遷移点PA1及びP
B1が生じることにより、ヒステリシス現象が生じるよう
になつたことが分かつた。
【0018】同様にして摩擦係数μを、μ=μ3 =0.45
に選定した場合には、図4の共振特性曲線K13で示す
ように、同様に第1及び第2の遷移点PA2及びPB2が発
生することにより、超音波モータ1の動作にヒステリシ
ス現象が生じたことが分かつた。ところが、摩擦係数が
小さい図3の場合の共振特性曲線K12における第1及
び第2の遷移点PA1及びPB1の周波数fA1及びfB1間の
周波数偏差Δf1 に対して、図4の共振特性曲線K13
における第1及び第2の遷移点PA2及びPB2の周波数f
A2及びfB2間の周波数偏差Δf2 は大きくなつており、
この分図4の場合の超音波モータ1の方がヒステリシス
動作の深さが深くなつたことを表している。
【0019】因に一般的に言つて振動系における共振特
性曲線は、例えば図1のピーク点P2 を中心として対称
性が良い曲線を描く傾向があるのに対して、図1の場合
には、ピーク点P2 より低い周波数における立上り曲線
部K11Bがピーク点P2 に近づく方向に引き付けられ
たと同様の曲線をもつている。このようにして立上り曲
線部がピーク点の方に引きつけられる傾向は摩擦係数μ
を、μ=μ1 (=0.25)より大きくした場合(すなわち
図3、図4の場合のように)強まつて行き、その結果、
摩擦係数μがμ=μ2 (=0.34(図3))より大きい摩
擦係数μ=μ3 (=0.45(図4))の方がヒステリシス
動作が深くなつて行く。
【0020】〔2〕実験結果 (1)第1実施例 図2の試料番号3は、摩擦係数μをμ=μ0 (=0.25)
に選定した場合を示し、ステータ2の弾性体2Cとして
オーステナイト系ステンレス(例えばSUS304 )、又
はインバ材(例えば42%Ni合金)を用いると共に(以
下の実施例についても同様である)、スライダ3Bとし
て芳香族ポリエステル30%及びPTFEを70%含有した
高分子材料で構成したものを用いた。このとき超音波モ
ータ1の共振特性動作にヒステリシス現象が発生しなか
つた。
【0021】(2)第2実施例 図2の試料番号4の実施例は図1について上述したよう
に摩擦係数μを、μ=μ1 (=0.18)に選定した場合
で、スライダ3Bをポリアミドイミド85%、グラフアイ
ト12%及びPTFE3%を含有した高分子材料で構成し
た。この場合は図1について上述したように、超音波モ
ータ1の共振特性動作にヒステリシス現象は発生しなか
つた。
【0022】(3)第3実施例 図2の試料番号5の場合には、スライダ3Bとしてアル
ミ合金の表面を潤滑アルマイト処理したものを適用した
場合で、この場合の摩擦係数μはμ=0.08であつた。こ
の場合にも超音波モータ1の共振特性動作にヒステリシ
ス現象が発生しなかつた。
【0023】(4)ヒステリシス現象が発生した実施例 図2の試料番号2の場合は、図3について上述したよう
に、摩擦係数μを、μ=μ2 (=0.34)に選定した場合
で、スライダ3Bをビスマレイミド・トリアジン及びポ
リアミドを含有した高分子材料で構成した。この場合に
は、図3について上述したように、超音波モータ1の動
作にヒステリシス現象が発生した。また図2の試料番号
1の場合は、図4について上述したように摩擦係数μ
を、μ=μ3 (=0.45)に選定した場合で、スライダ3
Bをフエノール樹脂で構成した。この場合には図4につ
いて上述したように、超音波モータ1の動作にかなり深
いヒステリシス現象が発生した。
【0024】(5)参考例 図2の「参考」の欄の場合は、スライダ3Bとして試料
番号4の組成の材料を用いると共に、その表面にシリコ
ンオイルを塗布した場合で、摩擦係数μ=0.05であつ
た。このとき超音波モータ1の動作にはヒステリシス現
象の発生はなく、ロータ3の出力も実用に供し得ない程
度には低下しなかつた。
【0025】〔3〕理論的検討 上述のように種々の実験結果から考察すると、従来行わ
れていたように、回転出力の効率を高めるために摩擦係
数μを高くするようにすれば、効率が上昇すると共に超
音波モータの動作に生ずるヒステリシス現象が深くなる
傾向にあり、当該ヒステリシス現象のために超音波モー
タ1の動作が不安定になるおそれがあつたのに対して、
摩擦係数μを小さくすることにより超音波モータ1の共
振特性動作にヒステリシス現象を生じさせないようにす
ることができ、この分超音波モータの動作を一段と安定
化し得る。かくするにつき、摩擦係数μを小さくするよ
うにしたにもかかわらず、超音波モータ1の回転出力が
それ程小さくならないことが確認できた。
【0026】この現象について、従来は摩擦係数μと出
力との関係を、図5に示すように、ステータ2の弾性体
2C及びスライダ3B間の摩擦係数μとして、いわゆる
静摩擦係数を基準としてロータ母材3A側に生ずる駆動
力を評定していたと考えられるのに対して、実際上振動
状態にある弾性体2C及びスライダ3B間の摩擦状態
は、静摩擦係数では評定しきれない挙動をしていると考
えられ、当該動的な摩擦状態に基づいてたとえ弾性体2
C及びスライダ3B間の静摩擦係数が小さい場合にも、
ロータ母材3A側に生ずる駆動力がさほど低下しない結
果を生じているものと考えられる。
【0027】すなわち一般に摩擦係数μは次式
【数1】 で表される。ここでN0 は、弾性体2C及びスライダ3
Bが振動していない状態において面接触しているとき加
えられる圧力であり、F0 はこの状態においてロータ3
を動かすに必要な力である。このように弾性体2C及び
スライダ3Bが静止状態にあるときには、摩擦係数μが
大きくなればこれに応じて力F0 が大きくなると考えら
れ、従来はかかる考え方に基づいて摩擦係数μを大きく
することにより超音波モータ1の効率を高める工夫がさ
れていた。
【0028】ところが同じように加圧力N0 を加えてい
ても、図6の場合のように弾性体2Cが振動状態にある
場合には、弾性体2Cに符号Rの方向に進行波が発生し
ていると共に、弾性体2Cの櫛歯2Eの表面がスライダ
3Bの表面に接触する点SAは、進行波の進行と共に図
7に示すように楕円軌道上を回転運動をしていると考え
られる。
【0029】そこで、弾性体2C及びスライダ3Bの接
触点SA においては、図5について上述した静的な摩擦
状態とは異なる動的な摩擦状態が発生しており、そのた
めに次式
【数2】 のように、図5の静的な接触状態においてロータ3を動
かすのに必要な力F0 より大きい力F1 が符号Lの方向
に回転しているロータ3を停止させるために必要になる
と考えられる。このような理由によつて、たとえ摩擦係
数μが小さくなつてもロータ3から得られる駆動力はそ
れ程小さくならないと考えられる。
【0030】〔4〕他の実施例 (1)上述の実施例においては、共振特性曲線として、
電源の周波数fに対してステータ2の接触面の振幅|x
|を用いて表すようにしたが、これに代え、無負荷状態
における回転数、圧電体2Dに流れる電流、弾性体2C
の進行波を検出することによつて得られるピツクアツプ
電圧(特開昭 59-204477号公報)等を用いて表現するよ
うにしても、上述の場合と同様の効果を得ることができ
る。
【0031】(2)上述の実施例においては、超音波モ
ータ1として、ロータ3のロータ母材3A上にスライダ
3Bを設けることにより、当該スライダ3Bの接触面を
弾性体2Cの接触面に接触させるようにした場合につい
て述べたが、スライダ3Bを省略してロータ母材3Aを
直接接触させるようにしても良い。
【0032】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、振動子の
第1の接触面と相対運動部材の第2の接触面との間の摩
擦係数が超音波モータの共振特性動作にヒステリシス現
象が生じない程度の小さい値になるように、第1の接触
面の材料を選定するようにしたことにより、超音波モー
タを一段と安定に駆動し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超音波モータの共振特性曲線を示
す特性曲線図である。
【図2】実験例を示す図表である。
【図3】図2の実験例のうち、試料番号2の場合の共振
特性曲線を示す特性曲線図である。
【図4】図2の実験例のうち、試料番号1の場合の共振
特性曲線を示す特性曲線図である。
【図5】小さい摩擦係数でも実用的な回転出力を得るこ
とができたことの理論的検討に供する断面図である。
【図6】小さい摩擦係数でも実用的な回転出力を得るこ
とができたことの理論的検討に供する断面図である。
【図7】櫛歯2Eの運動を示す略線図である。
【図8】超音波モータの構成を示す略線的断面図であ
る。
【図9】従来の問題点の説明に供する特性曲線図であ
る。
【図10】従来の問題点の説明に供する特性曲線図であ
る。
【符号の説明】
1……超音波モータ、2……ステータ、3……ロータ、
2C……弾性体、2E……櫛歯、3A……ロータ母材、
3B……スライダ。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の接触面を有し、該第1の接触面に振
    動を発生させる振動子と、前記第1の接触面に所定の圧
    力によつて接触する第2の接触面を有し、前記振動によ
    り前記振動子との間で相対運動を行う相対運動部材とを
    備えた超音波モータにおいて、 前記第1の接触面と第2の接触面との間の摩擦係数が、
    共振特性曲線にヒステリシス現象を生じさせない程度の
    0.34未満の値となるように、前記第1の接触面の材
    料を選定したことを特徴とする超音波モータ。
  2. 【請求項2】前記摩擦係数は、0.34未満0.05よ
    り大きな値であることを特徴とする請求項1に記載の超
    音波モータ。
  3. 【請求項3】前記第1の接触面は、オーステナイト系ス
    テンレスで形成したことを特徴とする請求項1に記載の
    超音波モータ。
  4. 【請求項4】前記第1の接触面は、SUS304で形成
    したことを特徴とする請求項3に記載の超音波モータ。
  5. 【請求項5】前記第1の接触面は、インバ材で形成した
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波モータ。
  6. 【請求項6】前記第1の接触面は、42%のニツケル合
    金であるインバ材で形成したことを特徴とする請求項5
    に記載の超音波モータ。
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