JP2680147B2 - 運動作動装置の重力補償試験システム - Google Patents

運動作動装置の重力補償試験システム

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JP2680147B2 JP29730189A JP29730189A JP2680147B2 JP 2680147 B2 JP2680147 B2 JP 2680147B2 JP 29730189 A JP29730189 A JP 29730189A JP 29730189 A JP29730189 A JP 29730189A JP 2680147 B2 JP2680147 B2 JP 2680147B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、無重力環境下で動作するように設計された
運動作動装置を、重力環境下で動作させるために、少な
くとも一端を例えば地上に固定し、運動作動装置と近似
の形状を持ち近似の動作を行ない、該運動作動装置を常
に浮上せしめる重力補償試験システムに関する。
[従来の技術] 従来の重力補償試験装置は、第4図に示すように、運
動作動装置402の動作領域全体に定盤400を敷きつめ、運
動作動装置402に浮上装置405〜410を取付け、空気配管4
04を介して供給される空気圧を定盤400に対して吹き付
け、運動作動装置402には重力が作用しないようにして
いた。なお第4図において、401は運動作動装置402の取
付台であり、また浮上装置405〜410は支持体403,固定部
材411〜415を介して運動作動装置402に取付けられてい
る。
なお、この種の重力補償試験装置は、「エイビエイシ
ョン ウィーク アンド スペース テクノロジー」
(Aviation Week & Space Technology)(1981年9月
7日)第57頁から第73頁において、「リモート アーム
エイズ シャトル ケイパビリティ」(Remote Arm A
ids Shuttle Capability)と題する論文に述べられてい
る。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来技術は、広い床に定盤400を平面度を保って
設置するため、施工費及び定盤購入費に多額を必要とし
ていた。
また、運動作動装置402は実際には無重力環境下で使
用されるためその作用負荷が小さいものとして設計され
ているが、補償試験は地球上において重力環境下で動作
させる必要がある。この場合、浮上装置405〜410を関節
毎に取付けることではその重量に耐えられなくなり、そ
のため、まず浮上装置405〜410を結合してその重力を支
持するための支持体403を作り、これに固定部材411〜41
5で運動作動装置402を固定することになる。
上記のような浮上装置付支持体403の総質量は、運動
作動装置402の質量をはるかに超えることになり、運動
作動装置の静的特性はともかく、動的特性については殆
ど検証することができない装置となっている。
本発明の第1の目的は、浮上装置は、運動作動装置側
に取付けず、運動作動装置と機械的に分離された重力補
償装置側に取付け、定盤は、床には設置せず、運動作動
装置側に空気圧反射板を設けて、運動作動装置の駆動装
置にかかる慣性重量を軽減することにある。
本発明の第2の目的は、床に定盤を設置しないことに
より、定盤設置に掛る施工費及び定盤購入費を無くし
て、重力補償試験システム全体の経費を軽減することに
ある。
本発明の他の目的は、床に定盤を設置しないことによ
り、重力補償装置を移動するだけで、どの場所でも重力
補償試験ができるようにすることにある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するため、床には定盤を設置せず、
また、運動作動装置には、空気圧反射板以外の質量のあ
る装置を取付けないようにして、運動作動装置が無重力
環境で動作するのと近似の動特性を示すことができるよ
うにしたものである。また、運動作動装置は、空気圧反
射板に空気圧を受けることにより浮上されており、その
ための空気圧は、運動作動装置に倣って動く重力補償装
置より与えられるようにしたものである。
重力補償装置は、運動作動装置の関節間寸法がほぼ等
しく、その動作は運動作動装置と近似の動作をすること
のみが重要であり、その他の制約はないので安価に作る
ことが可能である。
重力補償装置の制御は、運動作動装置と同じ制御信号
をそれぞれの関節の制御に用いれば、制御装置を簡素化
できる。また動作特性は、運動作動装置より悪いもので
よく、そのための補償は、精度の悪い分だけ空気圧反射
板の寸法をわずかに大きくするだけでよい。
[作用] 重力補償装置は、運動作動装置と機構的に完全に分離
されており、運動作動装置は、空気圧反射板の質量分だ
け余分の駆動力を必要とするだけで、余分な質量は運動
作動装置の10%以下に抑えることができ、動特性への影
響も少なく、また実験データを解析することで余分な質
量分をキャンセルさせることも10%程度であれば容易で
ある。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を第1図により詳細に説明す
る。
第1図において100は床であり、101は床100に設置さ
れた取付台である。102は取付台101に固定された6自由
度のアームであり、6つの関節を持っていて、3次元の
位置決めとヨウ,ピッチ,ロールの3つの姿勢制御がで
きる。103は一端は取付台101に固定された回転軸であ
り、アーム全体をその中心軸のまわりに回転させること
ができるが、本発明の目的には動作させることをしな
い。
104は第1アーム駆動軸で、第1アーム105を床100に
平行な面内に回転させる。
106は第2アーム駆動軸で、第2アーム107を床100に
平行な面内に回転させる。
108はヨウ軸で、アーム102の先端を床100に平行な面
内に回転させる。
109はピッチ軸で、アーム102の先端を紙面に垂直な軸
のまわりに回転させる。
110はロール軸で、その中心軸のまわりにアーム102の
先端を回転させる。
111はスタンダードエンドエフェクタ(SEE)で、対象
物をハンドリングするために用意された把持装置であ
る。
112〜115はアーム102に取付けられた空気圧反射板で
あり、床100方向から吹き上げられた空気圧を受けるも
のである。
116は球面リングで、その面に空気圧を受けることが
でき、これも一種の空気圧反射板である。
200は重力補償装置であり、5つの関節で構成され
る。
201は、取付台101に重力補償装置200を固定するため
の支持部である。
202は第1腕駆動軸で、第1腕203を床100に平行な面
内で回転させる。第1腕駆動軸202の中心軸と取付台101
の端面との間の寸法は、同じ取付台101の端面から第1
アーム駆動軸104の中心軸までの寸法と1mm以内の誤差の
範囲で同一寸法である。
204は第2腕駆動軸で、第2腕205を床100に平行な面
内で回転させる。第2腕駆動軸204の中心軸と第1腕駆
動軸202の中心軸との間の寸法は、第1アーム駆動軸104
の中心軸から第2アーム駆動軸106までの寸法と5mm以内
の誤差の範囲で同一寸法である。
206はヨウ軸で、重力補償装置200の先端を床100に平
行な面内で回転させる。ヨウ軸206の中心軸と第2腕205
の中心軸との間の寸法は、第2アーム駆動軸106の中心
軸からヨウ軸108の中心軸までの寸法と5mm以内の誤差の
範囲で同一寸法である。
207はピッチ軸で、重力補償装置200の先端を紙面に垂
直な軸のまわりに回転させる。ピッチ軸207に垂直な紙
面上の中心線とヨウ軸206の中心軸との間の寸法は、ピ
ッチ軸109に垂直な紙面上の中心線からヨウ軸108までの
寸法と1mm以内の誤差の範囲で同一寸法である。
208はロール軸で、その中心軸のまわりに重力補償装
置200の先端を回転させる。
209〜213は浮上装置で、空気を放出して対象面に吹き
付けることにより、対象物を浮上させるものである。な
お、空気圧配管は、第2図に示すように腕203,205内に
収納されているため、第1図においては図示していな
い。
214は自由摺動装置で、ピッチ軸109及びピッチ軸207
の動作によって球面リング116がその浮上装置213とずれ
るのを補正するように動くものである。自由摺動装置21
4を動作させる力は、球面リング116と浮上装置213の間
に発生する軸方向力によって得られる。
第2図は、第1図の自由摺動装置214の動作を説明す
るためのもので、ピッチ軸109及びピッチ軸207の動作に
よって、自由摺動装置214が軸方向に動作した状況を示
している。なお、第2図において220は、浮上装置212,2
13に空気を供給する配管である。
第3図は第1図のアーム102と重力補償装置200とを動
作させるための制御回路を示す。
300はアーム102の動作指令を入力する入力装置、301
はアーム102の各関節への動作指令を演算する中央演算
装置、303,304はそれぞれアーム102及び重力補償装置20
0の各関節に駆動電流を供給するサーボアンプである。
なお、305は電源である。
103〜111は第1図に示したアーム102の各駆動軸であ
る。また、202〜208は第1図に示した重力補償装置200
の各駆動軸である。
回転軸103は、本発明の重力補償試験システムを用い
る場合には、これを動作させると空気圧反射板112〜116
が浮上装置209〜213より外れてしまうので使用すること
ができない。このために、回転軸103に対する制御信号
は、中央演算装置301でインタロックをかけ、常時零と
なるようにしてある。
中央演算装置301からサーボアンプ303へ出力される第
1アーム駆動軸104のための制御信号は、サーボアンプ3
04への第1腕駆動軸202のための制御信号と共通になっ
ている。しかし、同じ制御信号を受けたサーボアンプ30
3,304は、第1アーム駆動軸104と第1腕駆動軸202の仕
様に合わせて、それぞれ異なる制御電流・電圧を出力す
る。
上記の関係は、第2アーム駆動軸106と第2腕駆動軸2
04、ヨウ軸108とヨウ軸206、ピッチ軸109とピッチ軸20
7、ロール軸110とロール軸208との間に同様に成立して
いる。
上記により、アーム102と重力補償装置200は同期して
動作することができる構成となっている。
しかし、前述したように、アーム102と重力補償装置2
00の軸間寸法は、1mm〜5mmの寸法誤差があり、しかも、
サーボアンプ303とサーボアンプ304は、アーム102と重
力補償装置200の動特性を合わすように構成されていな
いので、常時多少のずれを生じている。このずれを吸収
するため、空気圧反射板112〜116と浮上装置209〜213
は、上記のずれがあっても浮上に支障が起きないよう余
裕をもって作られている。
上述のようにして、無重力環境下で動作するように製
作されたアーム102は、空気圧反射板112〜116をつける
ことにより、重力環境下で重力補償装置200に支持され
た浮上装置209〜213で浮上されて動作することができ
る。
[発明の効果] 以上詳しく説明したように、本発明によれば、無重力
環境下で動作するため重力環境下では動作させることの
できない運動作動装置に、軽量の空気圧反射板を取付け
ることで、重力環境下で動作させることができる。
さらに、第4図に示した従来の装置に比較して、運動
作動装置に付加する質量がはるかに小さくてすむため、
動特性試験を有効に行なうことができる。
また、床に定盤を敷くための施工費と定盤購入費を除
くことができるため、経済的効果が多大である。
さらに、運動作動装置の動作試験は、定盤のない所で
も行なうことができ、試験場所を自由に選択できる効果
も大きい。
また、従来の方式では、第4図に示すように3自由度
の動作しかできなかったが、本発明によれば5自由度の
動作まで可能で、ハンドリングに対して全ての方向の試
験ができる効果も大である。
このように、本発明による運動作動装置の重力補償試
験システムによれば、重力環境下で、無重力環境下で動
作するように設計された運動作動装置の特性試験が精度
よくできるため、宇宙開発への貢献度は極めて大なるも
のがある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による運動作動装置の重力補償試験シス
テムの一実施例のシステム構成図、第2図は第1図にお
ける自由摺動装置の動作説明図、第3図は第1図のシス
テムの制御系の一実施例ブロック図、第4図は従来の装
置の構成図である。 100……床 101……取付台 102……アーム 103……回転軸 104……第1アーム駆動軸 105……第1アーム 106……第2アーム駆動軸 107……第2アーム 108……ヨウ軸 109……ピッチ軸 110……ロール軸 111……スタンダードエンドエフェクタ 112〜115……空気圧反射板 116……球面リング 200……重力補償装置 201……支持部 202……第1腕駆動軸 203……第1腕 204……第2腕駆動軸 205……第2腕 206……ヨウ軸 207……ピッチ軸 208……ロール軸 209〜213……浮上装置 214……自由摺動装置

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御指令を受けて運動する作動装置と、該
    作動装置を浮上せしめるとともにこの作動装置に追従し
    て運動する支持体とを備えたことを特徴とする運動作動
    装置の重力補償試験システム。
  2. 【請求項2】上記支持体は、空気圧によって上記作動装
    置を浮上せしめることを特徴とする請求項1記載の運動
    作動装置の重力補償試験システム。
  3. 【請求項3】上記支持体は、上記作動装置に与えられる
    制御指令と同じ制御指令を受けて作動装置に追従運動す
    ることを特徴とする請求項1記載の運動作動装置の重力
    補償試験システム。
  4. 【請求項4】上記支持体の運動部間の寸法は、上記作動
    装置のそれと近似であることを特徴とする請求項1記載
    の運動作動装置の重力補償試験システム。
  5. 【請求項5】上記作動装置は、水平方向動作,ピッチ動
    作及びロール動作を行なうことを特徴とする請求項1記
    載の運動作動装置の重力補償試験システム。
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