JP3330821B2 - 重力補償装置 - Google Patents

重力補償装置

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JP3330821B2 JP14606496A JP14606496A JP3330821B2 JP 3330821 B2 JP3330821 B2 JP 3330821B2 JP 14606496 A JP14606496 A JP 14606496A JP 14606496 A JP14606496 A JP 14606496A JP 3330821 B2 JP3330821 B2 JP 3330821B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象物の重力を補
償し、無重力空間における対象物の3次元的な運動を地
上で模擬する装置に関し、特に、人工衛星搭載用の展開
アンテナや太陽電池パドルなどの柔軟な展開構造物の地
上における展開試験に対して、試験対象となる展開構造
物の重力を補償し、その展開性能の高精度な評価と宇宙
空間での展開構造物の運動の高精度な再現を行う装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】地上において、宇宙空間における無重力
環境を模擬するための重力補償装置は既にいくつか提案
されている。例えば、特開平4−118400号公報に
記載されている無重力模擬実験装置がある。
【0003】この実験装置では、実験対象である多関節
構造体を上方からワイヤで吊している。そして、このワ
イヤを鉛直方向に維持するとともに、ワイヤの張力を一
定にすることで、無重力空間での多関節構造体の挙動を
模擬している。そして、この吊り機構部は、多関節構造
体の作業領域を囲むように形成されたフレームに沿って
移動する。
【0004】また、特開平1−316186号公報に記
載されている重力補償装置では、実験対象である多関節
構造物を、浮上させた支持手段によって重力補償してい
る。
【0005】さらに、特開平8−26198号公報に記
載されている重力補償装置では、床上を走行できる支持
手段により重力補償している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平4−118400号公報に記載の無重力模擬実験装
置や特開平8−26198号公報に記載の重力補償装置
では、対象物が剛体の多リンク系の場合には有効である
が、重力補償用の支持装置を多数用いる必要がある場合
には適さない。これは次の理由による。
【0007】宇宙用の柔軟な展開構造物は、多くの支持
点でその自重を分散支持しなければならないが、展開構
造物が展開アンテナの場合、アンテナの収納状態では、
例えば、直径1メートルのなかに重力補償のための支持
点を数十個も設ける必要がある。従って、特開平4−1
18400号公報及び特開平8−26198号公報に記
載の重力補償装置は、宇宙用の展開アンテナのように柔
軟な展開構造を対象とした重力補償には適さない。
【0008】さらに、これらの従来の重力補償装置は、
重力補償対象物が剛体とみなせる場合には適している
が、柔軟な構造物のように対象物が振動しやすい場合に
は、大きな慣性を持った支持装置をその振動に合わせて
移動させなければならないので、精度のよい重力補償が
困難である。
【0009】また、特開平1−316186号公報に記
載の重力補償装置では、浮上手段によって対象物を支持
するため、水平方向の対象物の運動には小さな抵抗で追
従できるが、3次元的な運動には対処できない。宇宙用
の展開アンテナは、展開が3次元的であるので、このよ
うな2次元的な運動にのみ追従できる重力補償装置では
支持できない。
【0010】これらの問題点を考慮して、本発明の目的
は、剛体多リンク系の対象物のみならず、宇宙用展開ア
ンテナ等の柔軟な展開構造物の3次元的な展開の展開試
験をより高精度に行うことができる重力補償装置を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明に係る重力補償装置は、対象物の重
力を補償する重力補償装置において、磁性体よりなり、
水平な表面を有する基準板と、磁気支持制御によって前
記基準板の下側に非接触支持された支持体と、前記対象
物と前記支持体を連結する連結器とを備え、前記支持体
は、磁気支持制御によって前記支持体を前記基準板の下
側の水平な表面の下方で非接触で運動させるための磁気
支持制御装置と、前記磁気支持制御を行うために磁気力
を発生する磁気力発生装置と、前記支持体の位置と姿勢
を検出する支持体位置姿勢検出装置と、前記連結器の長
さを検出する連結器長さ検出装置と、前記連結器長さを
制御する連結器長さ制御装置と、前記連結器に加わる力
を検出する連結力検出装置と、前記連結器の連結力を制
御する連結力制御装置と、連結力制御装置の出力により
前記連結器を駆動する連結器駆動装置とを備え、前記連
結力制御検出装置は、前記連結力検出装置で前記対象物
の重力を検出して、目標連結力と前記対象物の重力が一
致するように前記連結器駆動装置を駆動することにより
前記対象物の重力を補償し、前記対象物の無重力空間あ
るいは微小重力空間における3次元的な運動を拘束する
ことなく前記対象物を支持するように構成される。
【0012】
【0013】請求項2の発明に係る重力補償装置は、前
記支持体が前記基準板の下側の水平な表面の下方で前記
磁気支持制御装置によって磁力により支持され、前記連
結器がケーブルにより構成され、前記磁気力発生装置が
電磁アクチュエータにより構成され、前記支持体位置姿
勢検出装置が前記基準板と前記電磁アクチュエータとの
空隙長を検出する非接触型の変位センサを構成要素とし
て含み、前記連結器長さ制御装置及び前記連結力制御装
置が前記ケーブルの長さ及び連結力を調整するモータを
構成要素として含むものである。
【0014】請求項3の発明に係る重力補償装置は、前
記支持体が2リンク以上の多リンク系であり、前記支持
体に作用する力のモーメントの伝達を防ぐための回転自
由度を有するヒンジにより、前記支持体のリンク間が結
合されているものである。
【0015】請求項4の発明に係る重力補償装置は、前
記連結器長さから前記対象物の剛体的な変位を算出する
剛体的変位計算装置と、算出された前記対象物の剛体的
変位を一定に保つよう制御する剛体的変位制御装置とを
更に備えるものである。
【0016】請求項5の発明に係る重力補償装置は、複
数の前記支持体の間で情報を受け渡しする通信装置と、
前記支持体と前記基準板との距離や前記ケーブルの張力
や前記電磁アクチュエータへの供給電流や前記通信装置
の動作状況等の制御状態を監視する制御状態監視装置
と、前記制御状態が予め設定した許容範囲から外れたと
きに動作して、前記磁気支持制御を停止させる磁気支持
制御停止装置と、前記ケーブルの張力に応じて、前記磁
気支持制御装置における前記基準板と前記電磁アクチュ
エータとの間の目標空隙長を自動補正する空隙長自動補
正装置とを更に備えるものである。
【0017】請求項6の発明に係る重力補償装置は、前
記電磁アクチュエータが永久磁石と電磁石を併用した構
造であり、支持体の落下を防ぐための安全機能を有する
ものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき本発明を
重力補償装置に適用した場合の一実施の形態について説
明する。図1は本発明による重力補償装置の一実施の形
態を概略的に示している。この図において、展開アンテ
ナ等の対象物300は、複数の支持体100によって、
ケーブル150等の連結器を介して支持される。同時
に、各支持体100は、基準板200に対して、基準板
200の鉛直下側で磁気制御によって非接触支持されて
いる。基準板200は鉄等の磁性体により形成されてい
る。この支持体100のみを拡大して斜視図で示したの
が図2である。
【0019】この図2において、各支持体100は、該
支持体100の位置及び姿勢等の変位を検出するための
複数の非接触型の変位センサ110と、基準板200に
対する磁気吸引力発生用の電磁アクチュエータ120
と、変位センサ110と電磁アクチュエータ120を所
定の位置に固定するためのベースプレート130と、連
結器としてのケーブル150の長さを制御する連結器駆
動装置としてのモータ140と、モータ140の回転軸
を固定するためのブレーキ141と、モータ140の回
転角を検出するエンコーダ142と、ケーブル150の
張力を検出するためのロードセル170と、そのロード
セル170とベースプレート130とを相対回転自在に
連結する球面ジョイント180と、後述する制御回路を
搭載した回路基板1000と、その回路基板1000と
ロードセル170及びモータ140を所定の位置関係に
固定する固定板190とより構成される。ケーブル15
0には衝撃吸収用のバネ160とダンパ161とが取り
付けられている。
【0020】図示例では、ベースプレート130は略三
角形状を呈し、3つの電磁アクチュエータ120が三角
形状のベースプレート130の各頂点に近接して配置さ
れ、3つの非接触型の変位センサ110が互いに隣接す
る2つの電磁アクチュエータ120の略中間位置にそれ
ぞれ配置されており、3つの電磁アクチュエータ120
により、基準板200に対して略均等な磁気吸着力がベ
ースプレート130に作用するとともに、3つの変位セ
ンサ110により、それらの先端部から基準板200の
下面までの距離(すなわちベースプレートと基準板20
0との空隙長)を検出できるようになっている。ロード
セル170の一端は固定板190を介してケーブル15
0に連結されると共に、その他端は球面ジョイント18
0を介してベースプレート130の重心位置に連結され
ている。
【0021】ベースプレート130の形状は三角形以外
の形状でもよく、また電磁アクチュエータ120も3つ
に限らず、ベースプレート130を基準板200に対し
て安定よく支持できれば、いくつ用いても構わない。変
位センサ110も3つに限らず、ベースプレート130
の基準板200に対する位置(距離)及び姿勢(傾き)
を正確に検出できれば、いくつ用いてもよい。
【0022】尚、電磁アクチュエータ120は本発明の
磁気支持制御を行うために磁気力を発生する磁気力発生
装置を構成し、モータ140は本発明の連結力制御装置
の出力により連結器を駆動する連結器駆動装置を構成
し、球面ジョイント180は本発明の支持体に作用する
力のモーメントの伝達を防ぐための回転自由度を有する
ヒンジを構成する。
【0023】図3は、回路基板1000を拡大して示し
たブロック回路図である。図3において、回路基板10
00は、磁気支持制御を行うための磁気支持制御装置1
300と、ケーブル150の張力と長さを制御するため
の連結力制御装置としてのケーブル長さ・張力制御装置
1400、複数の支持体100の間で指令やデータを受
け渡しするための通信装置1500と、コイル電流検出
装置1630とからなる。
【0024】磁気支持制御装置1300は、変位センサ
110からの信号を処理して支持体100の位置と姿勢
等の変位を検出する変位検出装置1600と、電磁アク
チュエータ120に電流を流すための第一増幅器135
0と、検出された変位から制御力を計算する信号処理装
置1100からなる。尚、変位センサ110及び変位検
出装置1600は本発明の支持体の位置と姿勢を検出す
る支持体位置姿勢検出装置を構成する。
【0025】ケーブル長さ・張力制御装置1400は、
エンコーダ142からの信号を処理してモータ140の
回転角度を検出することによりケーブル150の長さを
検出するケーブル長さ検出装置1610と、ロードセル
170からの信号を処理してケーブル150にはたらく
張力を検出するケーブル張力検出装置1620と、モー
タ140を駆動するために必要な電流を供給する第二増
幅器1470と、検出されたケーブル長さ及びケーブル
張力から制御力を計算するための信号処理装置1100
とからなる。尚、ケーブル長さ検出装置1610は本発
明の連結器の長さを検出する連結器長さ検出装置を構成
し、ケーブル張力検出装置1620は本発明の連結器に
加わる力を検出する連結力検出装置を構成し、モータ1
40及びケーブル長さ・張力制御装置1400は本発明
の連結器の長さを制御する連結器長さ制御装置及び本発
明の連結力を制御する連結力制御装置を構成する。
【0026】通信装置1500は、送信部1510と、
受信部1520と、信号処理装置1100とからなる。
【0027】信号処理装置1100は、ディジタル信号
処理装置(DSP)であり、DSPの動作のためのプロ
グラムを保持する読み出し専用メモリ(ROM)120
0を回路基板1000上に有している。
【0028】支持体100と基準板200との距離と、
基準板200に対する支持体100の姿勢を表す2つの
回転角度を検出できるように、3台の変位センサ110
が同一直線上にのらないようにベースプレート130に
配置されている。
【0029】また、基準板200に対する支持体100
の距離と姿勢を変えるための力を発生できるように、3
台の電磁アクチュエータ120も同様に同一直線状にの
らないようにベースプレート130に配置されている。
【0030】図4は電磁アクチュエータ120の断面図
である。電磁アクチュエータ120は、縦断面が略倒立
E字状で、外観が円筒状のマグネットヨーク121と、
そのマグネットヨーク121の中央凸部に固着された円
盤状の永久磁石122と、その永久磁石122を取り囲
むように、マグネットヨーク121の環状凹部に配置さ
れた電磁石としての電磁コイル123とから構成され
る。マグネットヨーク121の中央の凸部の高さは環状
の側壁部の高さよりも低くなっており、この凸部に円盤
状の永久磁石122を配置したとき、永久磁石122の
端面が環状側壁部と略面一になるようになっている。永
久磁石122によって発生する磁束の方向と、電磁コイ
ル123によって発生する磁束の方向は、互いに逆向き
になるように設定されている。従って、電磁コイル12
3に流す電流を小さくすれば、電磁コイル123の発生
する磁力は弱くなり、永久磁石122の磁力を打ち消す
磁力が小さくなるので、電磁アクチュエータ120全体
としての磁気吸引力は大きくなる。逆に、電磁コイル1
23に流す電流を大きくすれば、電磁アクチュエータ1
20全体としての磁気吸引力は小さくなる。このように
して、電磁コイル123に流す電流を調整することによ
り、電磁アクチュエータ120が発生する磁気吸引力を
制御することができる。
【0031】次に、複数の支持体100の間での通信に
ついて説明する。図7は通信装置1500のブロック図
である。図7において、通信装置1500は、受信部1
501と、送信部1502と、信号処理装置1100と
からなる。図示例では、通信の方法はシリアル通信であ
る。これは、次の理由による。 (1) 支持体100間の通信線の本数が多くなるほ
ど、磁気支持制御によって非接触支持された支持体10
0の抵抗のない自由な運動を妨げやすくなる。 (2) 通信する情報量を少なく設定できる。 (3) パラレル通信を用いると、通信線の本数がシリ
アル通信のときの2倍以上になる。
【0032】以上の理由から、シリアル通信を採用し
た。複数の支持体100の間の通信は一方向通信にして
おり、2方向通信のときと比べて通信線の本数を減らす
ことができる。本実施の形態における通信線の本数は4
本であり、通信線は受信線1510と送信線1520が
それぞれ4本ずつである。受信線1520は、受信デー
タ線1511、受信フレーム同期パルス線1512、受
信クロック線1513、受信グランド線1514からな
り、同様に、送信線1520も、送信データ線152
1、送信フレーム同期パルス線1522、送信クロック
線1523、送信グランド線1524からなる。
【0033】また、通信内容は図8に示すようなフォー
マット1550で行われる。すなわち、通信は16ビッ
トでひとまとまりとし、上位5ビットが支持体100を
識別するための支持体識別番号1551、下位8ビット
が情報の本体である数値データ1553、そして残る中
央の3ビットは、その下位8ビットの数値データがどの
ような種類の数値データであるかを区別するための数値
データ標識1553である。このフォーマット1550
は受信及び送信のいずれの場合も同じである。
【0034】6台の支持体100による通信の様子の概
略を図9に示す。支持体100は互いに通信線でつなが
れており、4本一組の通信線の一端は送信線1520、
他端は受信線1510となる。通信線はすべての支持体
をつないでおり、また、この通信線には、通信ホスト1
580を介して支持体統合監視・制御装置1590が接
続されている。通信ホスト1580と支持体統合監視・
制御装置1590との間は双方向通信ができるようにな
っている。そして、支持体統合監視・制御装置1590
からすべての支持体100を個別に監視・制御すること
が可能である。
【0035】次に、本実施の形態の動作を説明する。先
ず、図3に示されるROM1200に所定のプログラム
を記憶させておき、ROM1200に保持されているプ
ログラムに基づいてDSP1150を動作させる。これ
により、信号処理装置1100が動作する。
【0036】第一に、支持体100の磁気支持制御につ
いて説明する。支持体100の磁気支持制御のブロック
図を図5に示す。この図において、磁気支持制御の制御
対象となる支持体100の変位1320が、3台の変位
センサ110における変位として磁気支持制御装置13
00の変位センサ110と変位検出装置1600によっ
て検出される。この3台の変位センサ100における変
位は信号処理装置1100に伝えられる。信号処理装置
1100内では、3台の変位センサ100における変位
を、第二座標変換1341によって基準板200に対す
る支持体100の姿勢を表す2つの回転角度に変換す
る。さらに、制御目標指令値1310との差に対して第
一補償器1330で補償を行い、第一座標変換1340
によって3台の電磁アクチュエータ120に流す電流指
令値に変換する。この電流指令値は、第一増幅器135
0によって電流となり、電磁アクチュエータ120を駆
動する。こうして磁気吸引力によって支持体100の基
準板200に対する距離と姿勢を制御する。ここに、第
一補償器はPID補償を行う。また、磁気支持制御のO
N/OFFの指令は、通信装置1500を介して支持体
統合監視・制御装置1590から与えられる。
【0037】第二に、ケーブル150の張力制御につい
て説明する。ケーブル150の張力制御のブロック図を
図6に示す。この張力制御は、制御ループの内側にサー
ボ系を含んでいるため、ケーブル150の張力と長さの
複合制御となる。図6において、ケーブル長さ1420
はエンコーダ142を通してケーブル長さ検出装置16
10により検出される。検出されたケーブル150の長
さは、信号処理装置1100に入り、そこで制限装置1
450から出力された複合指令値1412と比較され、
第二補償器1460にて補償される。そして第二増幅器
1470で電流にかえられ、モータ140を駆動する。
また、ケーブル長さ1420の変化と対象物300の剛
性301によって変化したケーブル150の張力はロー
ドセル170を通してケーブル張力検出装置1620に
より検出される。検出されたケーブル150の張力は信
号処理装置1100に入り、第二ローパスフィルタ14
80によりフィルタリングされ、張力指令値1411と
の差が計算される。この差は第三補償器1440で補償
され、ケーブル長さ指令値1410との和が複合指令値
1412となる。この複合指令値1412は制限装置1
450に入力され、そこでケーブル長さを所定範囲に制
限するため複合指令値1412は所定の範囲内に入るよ
うに制限を加えられて出力される。こうしてケーブル1
50の張力の変化によってもモータ140が駆動され、
ケーブル長さ制御とケーブル張力制御が達成される。こ
こで、第二補償器1460はPID補償を行い、第三補
償器1440はI(積分)補償を行う。また、ケーブル
張力及びケーブル長さの制御の指令値は、通信装置15
00を介して支持体統合監視・制御装置1590から与
えられる。
【0038】第三に、複数の支持体100の間での通信
について説明する。通信装置1500は、一定間隔毎に
支持体統合監視・制御装置1590から送られて、受信
線1510で受信された通信内容を信号処理装置110
0に伝送する。信号処理装置1100は、通信内容のう
ち、支持体識別番号1551を参照し、すべての支持体
100に、重複しないように割り当てられた識別番号と
比較する。もしも、この識別番号が支持体識別番号15
51と一致すれば、次の手順(1)に入る。そして、予
め割り当てられた識別番号と通信内容の支持体識別番号
1551とが異なれば、次の手順(2)に入る。 手順(1): (1−1) 数値データ標識1552と数値データ15
53とから通信内容を復元する。そして、その通信内容
に従って、磁気支持制御やケーブル張力制御を行う。 (1−2) 支持体100の制御状態、すなわち、支持
体100の変位の値や電磁コイル123に流れている電
流の値、そしてケーブル150の長さと張力の値を順番
に送信し、フォーマット1650に則って送信して支持
体統合監視・制御装置1590に情報を提供する。 手順(2): (2−1) 受信線1510で受信した通信内容をその
まま送信線1520から送信して、隣の支持体100に
通信内容を転送する。
【0039】第四に、信号処理装置1100の役割を説
明する。前述のように、信号処理装置1100は、支持
体100の磁気支持制御装置1300の実現と、ケーブ
ル長さ・張力制御装置1400の実現と、通信装置15
00との共同作業による通信機能の実現とを担当する。
そして、これらの3つの機能の他に、信号処理装置11
00はさらに、支持体100の磁気支持制御の安全性の
確保のための制御状態監視装置、磁気支持制御停止機
能、ケーブル150の張力に応じて磁気支持制御装置1
300における目標指令値1310を適切に変更する空
隙長自動補正装置等を実現する役割をも担っている。
【0040】第五に、制御状態監視装置(信号処理装置
1100内でソフトウェアにより実現)の機能を説明す
る。信号処理装置1100は、支持体100の磁気支持
制御装置1300及びケーブル長さ・張力制御装置14
00の一部を構成しているから、支持体100と基準板
200の距離と、支持体100の基準板200に対する
姿勢とを表す2つの回転角度と、ケーブル150の張力
とを常に把握している。また、信号処理装置1100
は、電磁アクチュエータ120に流れている電流を検出
するコイル電流検出装置1630を介してコイル電流も
常に把握している。さらに、信号処理装置1100は、
通信装置1500を介して通信状態も常に把握してい
る。信号処理装置1100で把握できる状態量に対して
それぞれ予め数値変化の許容範囲を定めておき、状態量
のいずれかが対応する許容範囲を逸脱すると、直ちに磁
気支持制御停止装置(信号処理装置1100内でソフト
ウェアで実現)の機能を働かせる。
【0041】第六に、磁気支持制御停止装置(信号処理
装置1100内でソフトウェアで実現)の機能を説明す
る。磁気支持制御停止装置の機能は、制御状態監視装置
(信号処理装置1100内でソフトウェアで実現)によ
って駆動される。磁気支持制御停止装置は次の動作を行
う。 (1) 支持体100の磁気支持制御を停止させる。 (2) 他の支持体100に対して、磁気支持制御一斉
停止の指令を、通信装置1500を介して送信する。 (3) 任意の支持体100は、磁気支持制御一斉停止
の指令を通信装置1500で受けると、自らの磁気支持
制御を停止するとともに、直ちに通信装置1500か
ら、同じく磁気支持制御一斉停止の指令を隣の支持体1
00に送信する。 (4) 通信ホスト1580は、磁気支持制御一斉停止
の指令を受け取ると、支持体統合監視・制御装置159
0に、磁気支持制御一斉停止中であることを伝えるとと
もに、磁気支持制御一斉停止の第二指令を隣の支持体1
00へ送信する。 (5) 支持体100は、磁気支持制御一斉停止の第二
指令を受信すると、磁気支持制御停止を再度行い、隣の
支持体100に送信する。 (6) 磁気支持制御停止の第二指令が通信ホスト15
80に帰ってくると、通信ホスト1580は通常の通信
常態に戻る。
【0042】このようにして、任意の支持体100が偶
発的な事故によって磁気支持制御を停止した場合、すべ
ての支持体100が磁気支持制御を停止して基準板20
0に吸着するので、本発明による重力補償装置の安全性
と信頼性を向上させることが可能になる。
【0043】第七に、空隙長自動補正装置(信号処理装
置1100内でソフトウェアで実現)の機能を説明す
る。図5に示した磁気支持制御における目標指令値13
10において、支持体100の基準板200に対する姿
勢を表す2つの回転角度は、常に一定値(零等)に固定
しておく。そして、支持体100と基準板200との距
離に関しては、ケーブル150の張力に応じて目標指令
値1310を自動補正する。
【0044】図10は、永久磁石122がサマリウム−
コバルト磁石の場合の電磁アクチュエータ120の起磁
力Eと磁束密度Bの関係を示す図である。サマリウム−
コバルト磁石を永久磁石122に採用した場合の電磁ア
クチュエータ120の発生吸引力F及び磁束密度Bは近
似的に、それぞれ式(1)と式(2)のように表すこと
ができる。 F=B2S/(2μ0) 式(1) B=μ0(H0w−E)/(2z+w) 式(2) ここで、Sは電磁アクチュエータ120の総磁極面積、
μ0は大気の透磁率、H0は永久磁石122の保磁力、w
は永久磁石122の厚さ、zは電磁アクチュエータ12
0の位置における磁気支持の空隙長(図4において基準
板200の下面と電磁アクチュエータ120の上面との
距離)である。
【0045】支持体100の磁気支持制御が安定に行わ
れているとき、電磁アクチュエータ120の発生吸引力
Fは、支持体100の自重とケーブル150の張力の和
と一致している。いま、式(1)と式(2)から、電磁
アクチュエータの120の発生吸引力Fを制御するため
には、電磁コイル123に流すコイル電流を制御する方
法と、磁気支持の空隙長を制御する方法の2つがあるこ
とが分かる。そこで、本実施の形態では、ケーブル15
0の張力の変化のうち、高周波成分に対して電磁コイル
123に流すコイル電流を制御する方法で、低周波成分
に対して磁気支持の空隙長を制御する方法で、それぞれ
対処している。このようすれば、コイル電流は定常的に
は略一定に保つように、磁気支持制御の目標指令値13
20を自動的に補正できる。その結果、ケーブル150
の張力変化をすべてコイル電流の制御で対処する場合に
比べて、電磁アクチュエータの安定度を向上させること
ができる。さらに、ケーブル張力が大きくなっても、磁
気支持の空隙長を小さくすることによりコイル電流が零
になりにくくなるため、ケーブル150の張力の変動の
許容範囲を広く設定することが可能である。
【0046】支持体100に取り付けられた球面ジョイ
ント180は、支持体100の不安定な固有振動を、磁
気支持制御で能動的に減衰させることが可能な領域に移
行させることで、支持体100や基準板200の共振を
抑制する働きを持つ。さらに、支持体100の姿勢変動
に対する磁気支持制御において、ロードセル170より
も下方に働いた外乱トルクを球面ジョイント180で逃
がす効果も備えている。
【0047】以上のようにして、本実施の形態では、支
持体100を磁気支持制御で非接触支持するとともに、
ケーブル150の張力を制御することで対象物300の
重力補償をして、対象物300の微小重力あるいは無重
力の環境での3次元的な挙動を拘束することなく地上で
精度よく模擬することができる。また、支持体100の
水平面内での運動を能動的に制御しないので、支持体1
00の磁気支持制御装置1300の負荷が小さくなると
ともに、支持体100の構造をより単純にすることがで
きる。さらに、球面ジョイント180によって支持体1
00と基準板200の不安定な機械共振を抑えることが
可能になる。
【0048】また、支持体100間の通信や、支持体統
合監視・制御装置1590と各々の支持体100とが制
御の指令や各支持体100の情報を交換することによっ
て、すべての支持体100に対して、支持体統合監視・
制御装置1590が一括して監視や制御といった管理を
行うことができる。従って、この支持体統合監視・制御
装置1590を用いることによって、対象物300の剛
体的な変位を測定でき、剛体的変位計算装置が実現され
る。また、支持体統合監視・制御装置1590がそれぞ
れの支持体100に適切な張力制御指令を与えることに
より、剛体的変位制御装置が実現でき、対象物300の
剛体的な変位を制御することが可能になる。さらに、支
持体100の制御状態監視機能と磁気支持制御停止機能
によって、支持体100の落下に対して安全対策を施す
ことができ、支持体100の磁気支持制御の安全性の向
上と、本発明による重力補償装置の安全性と信頼性の向
上が可能である。
【0049】さらにまた、電磁アクチュエータ120が
永久磁石122と電磁石123を併用した構造にするこ
とによって、停電時でも支持体100は基準板200に
吸着するので、本発明による重力補償装置の安全性と信
頼性のさらなる向上が可能となる。
【0050】以上の説明では、本発明を重力補償装置に
実施した場合について説明したが、本発明は、対象物を
支持するにおいて、磁気支持制御によって非接触支持さ
れた支持体により対象物を支える一般的な支持装置にも
適用できるものである。
【0051】
【発明の効果】請求項1に記載の重力補償装置によれ
ば、対象物の重力を補償する重力補償装置において、磁
性体よりなり、水平な表面を有する基準板と、磁気支持
制御によって前記基準板の下側に非接触支持された支持
体と、前記対象物と前記支持体を連結する連結器とを備
え、前記支持体は、磁気支持制御によって前記支持体を
前記基準板の下側の水平な表面の下方で非接触で運動さ
せるための磁気支持制御装置と、前記磁気支持制御を行
うために磁気力を発生する磁気力発生装置と、前記支持
体の位置と姿勢を検出する支持体位置姿勢検出装置と、
前記連結器の長さを検出する連結器長さ検出装置と、前
記連結器長さを制御する連結器長さ制御装置と、前記連
結器に加わる力を検出する連結力検出装置と、前記連結
器の連結力を制御する連結力制御装置と、連結力制御装
置の出力により前記連結器を駆動する連結器駆動装置と
を備えるので、前記連結力制御検出装置は、前記連結力
検出装置で前記対象物の重力を検出して、目標連結力と
前記対象物の重力が一致するように前記連結器駆動装置
を駆動することにより前記対象物の重力を補償して、前
記対象物の無重力空間あるいは微小重力空間における3
次元的な運動を拘束することなく前記対象物を支持する
ことが可能になる。従って、剛体多リンク系の対象物の
みならず、宇宙用展開アンテナ等の柔軟な展開構造物の
3次元的な展開の展開試験をより高精度に行うことがで
きる重力補償装置が得られるものである。
【0052】
【0053】請求項2に記載の重力補償装置によれば、
前記支持体は前記基準板の下側の水平な表面の下方で前
記磁気支持制御装置によって磁力により支持され、前記
連結器はケーブルにより構成され、前記磁気力発生装置
は電磁アクチュエータにより構成され、前記支持体位置
姿勢検出装置は前記基準板と前記電磁アクチュエータと
の空隙長を検出する非接触型の変位センサを構成要素と
して含み、前記連結器長さ制御装置及び前記連結力制御
装置は前記ケーブルの長さ及び連結力を調整するモータ
を構成要素として含むので、支持体の制御装置を小型化
且つ軽量化することが可能になり、簡単な構造の支持体
で、対象物の無重力空間あるいは微小重力空間における
3次元的な運動を拘束することなく前記対象物を支持す
ることが可能になる。
【0054】請求項3に記載の重力補償装置によれば、
前記支持体は2リンク以上の多リンク系であり、前記支
持体に作用する力のモーメントの伝達を防ぐための回転
自由度を有するヒンジにより、前記支持体のリンク間が
結合されているので、前記支持体に作用する力のモーメ
ントを遮断して、前記支持体の磁気支持制御の安定性を
向上させることが可能になり、これにより重力補償装置
の信頼性を向上させることが可能になる。
【0055】請求項4に記載の重力補償装置によれば、
前記連結器長さから前記対象物の剛体的な変位を算出す
る剛体的変位計算装置と、算出された前記対象物の剛体
的変位を一定に保つよう制御する剛体的変位制御装置と
を更に備えるので、前記対象物の剛体的な変位を制御す
ることが可能になる。
【0056】請求項5に記載の重力補償装置によれば、
複数の前記支持体の間で情報を受け渡しする通信装置
と、前記支持体と前記基準板との距離や前記ケーブルの
張力や前記電磁アクチュエータへの供給電流や前記通信
装置の動作状況等の制御状態を監視する制御状態監視装
置と、前記制御状態が予め設定した許容範囲から外れた
ときに動作して、前記磁気支持制御を停止させる磁気支
持制御停止装置と、前記ケーブルの張力に応じて、前記
磁気支持制御装置における前記基準板と前記電磁アクチ
ュエータとの間の目標空隙長を自動補正する空隙長自動
補正装置とを更に備えるので、前記支持体の磁気支持制
御の安全性を向上させることができ、重力補償装置の信
頼性を向上させることが可能になる。
【0057】請求項6に記載の重力補償装置によれば、
前記電磁アクチュエータは永久磁石と電磁石を併用した
構造であり、支持体の落下を防ぐための安全機能を有す
るので、停電時でも前記支持体を自動的に吸着させるこ
とが可能になり、重力補償装置の信頼性を更に一層向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の重力補償装置の一実施の形態の概略
を示す図である。
【図2】 本発明の重力補償装置の支持体の構成を示す
斜視図である。
【図3】 本発明の重力補償装置の支持体における回路
基板の機能ブロック図である。
【図4】 本発明の重力補償装置の支持体における電磁
アクチュエータの断面図である。
【図5】 本発明の重力補償装置の支持体の磁気支持制
御のブロック図である。
【図6】 本発明の重力補償装置の支持体におけるケー
ブル張力制御のブロック図である。
【図7】 本発明の重力補償装置の支持体の通信機能を
示すための説明図である。
【図8】 本発明の重力補償装置の支持体の通信におけ
る通信のフォーマットを示す図である。
【図9】 本発明の重力補償装置における6台の支持体
による通信の概念図である。
【図10】本発明の重力補償装置における支持体の電磁
アクチュエータの特性を示す図である。
【符号の説明】
100 支持体、110 変位センサ、120 電磁ア
クチュエータ(磁気力発生装置)、121 マグネット
ヨーク、122 永久磁石、123 電磁コイル(電磁
石)、130 ベースプレート、140 モータ(連結
器駆動装置)、141 ブレーキ、142 エンコー
ダ、150 ケーブル(連結器)、160ばね、161
ダンパ、170 ロードセル、180 球面ジョイン
ト(ヒンジ)、190 固定板、200 基準板、30
0 対象物、1000 回路基板、1100 信号処理
装置(制御状態監視装置、磁気支持制御停止装置、空隙
長自動補正装置)、1200 読み出し専用メモリ、1
300 磁気支持制御装置、1310 磁気支持制御指
令値、1320 磁気支持制御変数、1330 第一補
償器、1340 第一変換装置、1341 第二変換装
置、1350 第一増幅器、1400 ケーブル長さ・
張力制御装置(連結器長さ制御装置、連結力制御装
置)、1410 ケーブル長さ指令値、1411 ケー
ブル張力指令値、1412 複合指令値、1420 ケ
ーブル長さ、1430 第一フィルタ、1440 第三
補償器、1450 制限装置、1460 第二補償器、
1470第二増幅器、1480 第二フィルタ、150
0 通信装置、1501 受信部、1502 送信部、
1510 受信線、1511 受信データ線、1512
受信フレーム同期パルス線、1513 受信クロック
線、1514 受信グランド線、1520 送信線、1
521 送信データ線、1522 送信フレーム同期パ
ルス線、1523 送信クロック線、1524 送信グ
ランド線、1550フォーマット、1551 支持体識
別番号、1552 数値データ標識、1553 数値デ
ータ、1580 通信ホスト、1590 支持体統合監
視・制御装置(剛体的変位計算装置、剛体的変位制御装
置)、1600 変位検出装置(支持体位置姿勢検出装
置)、1610 ケーブル長さ検出装置(連結器長さ検
出装置)、1620 ケーブル張力検出装置(連結力検
出装置)、1630 コイル電流検出装置。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01Q 19/10 H01Q 19/10 (72)発明者 針生 健一 東京都千代田区岩本町二丁目12番5号 株式会社次世代衛星通信・放送システム 研究所内 審査官 下原 浩嗣 (56)参考文献 特開 平6−219400(JP,A) 特開 平3−277108(JP,A) 特開 平8−154388(JP,A) 特開 昭61−124838(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 15/00 B64G 7/00 H01Q 1/14 H01Q 1/30 H01Q 15/14 H01Q 19/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物の重力を補償する重力補償装置に
    おいて、 磁性体よりなり、水平な表面を有する基準板と、 磁気支持制御によって前記基準板の下側に非接触支持さ
    れた支持体と、 前記対象物と前記支持体を連結する連結器とを備え、 前記支持体は、 磁気支持制御によって前記支持体を前記基準板の下側の
    水平な表面の下方で非接触で運動させるための磁気支持
    制御装置と、 前記磁気支持制御を行うために磁気力を発生する磁気力
    発生装置と、 前記支持体の位置と姿勢を検出する支持体位置姿勢検出
    装置と、 前記連結器の長さを検出する連結器長さ検出装置と、 前記連結器長さを制御する連結器長さ制御装置と、 前記連結器に加わる力を検出する連結力検出装置と、 前記連結器の連結力を制御する連結力制御装置と、 連結力制御装置の出力により前記連結器を駆動する連結
    器駆動装置とを備え、 前記連結力制御検出装置は、前記連結力検出装置で前記
    対象物の重力を検出して、目標連結力と前記対象物の重
    力が一致するように前記連結器駆動装置を駆動すること
    により前記対象物の重力を補償し、前記対象物の無重力
    空間あるいは微小重力空間における3次元的な運動を拘
    束することなく前記対象物を支持することを特徴とする
    重力補償装置。
  2. 【請求項2】 前記支持体は前記基準板の下側の水平な
    表面の下方で前記磁気支持制御装置によって磁力により
    支持され、 前記連結器はケーブルにより構成され、 前記磁気力発生装置は電磁アクチュエータにより構成さ
    れ、 前記支持体位置姿勢検出装置は前記基準板と前記電磁ア
    クチュエータとの空隙長を検出する非接触型の変位セン
    サを構成要素として含み、 前記連結器長さ制御装置及び前記連結力制御装置は前記
    ケーブルの長さ及び連結力を調整するモータを構成要素
    として含むことを特徴とする請求項1記載の重力補償装
    置。
  3. 【請求項3】 前記支持体は2リンク以上の多リンク系
    であり、 前記支持体に作用する力のモーメントの伝達を防ぐため
    の回転自由度を有するヒンジにより、前記支持体のリン
    ク間が結合されていることを特徴とする請求項2記載の
    重力補償装置。
  4. 【請求項4】 前記連結器長さから前記対象物の剛体的
    な変位を算出する剛体的変位計算装置と、 算出された前記対象物の剛体的変位を一定に保つよう制
    御する剛体的変位制御装置と、 を更に備えることを特徴とする請求項2記載の重力補償
    装置。
  5. 【請求項5】 複数の前記支持体の間で情報を受け渡し
    する通信装置と、 前記支持体と前記基準板との距離や前記ケーブルの張力
    や前記電磁アクチュエータへの供給電流や前記通信装置
    の動作状況等の制御状態を監視する制御状態監視装置
    と、 前記制御状態が予め設定した許容範囲から外れたときに
    動作して、前記磁気支持制御を停止させる磁気支持制御
    停止装置と、 前記ケーブルの張力に応じて、前記磁気支持制御装置に
    おける前記基準板と前記電磁アクチュエータとの間の目
    標空隙長を自動補正する空隙長自動補正装置と、を更に
    備えることを特徴とする請求項2記載の重力補償装置。
  6. 【請求項6】 前記電磁アクチュエータは永久磁石と電
    磁石を併用した構造であり、支持体の落下を防ぐための
    安全機能を有することを特徴とする請求項2記載の重力
    補償装置。
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