JP2679026B2 - 質量分析装置 - Google Patents
質量分析装置Info
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- JP2679026B2 JP2679026B2 JP60184866A JP18486685A JP2679026B2 JP 2679026 B2 JP2679026 B2 JP 2679026B2 JP 60184866 A JP60184866 A JP 60184866A JP 18486685 A JP18486685 A JP 18486685A JP 2679026 B2 JP2679026 B2 JP 2679026B2
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- ions
- electrode
- ion
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Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は質量分析計に関するものである。
(従来の技術)
質量分析計における従来の電子衝撃(EI)型イオン源
や化学イオン化(CI)型イオン源は、イオン源ボックス
内で生成されたあらゆるm/z(質量数と電荷数の比)の
イオンを分析部(磁場、電場又は四重極)に射出してい
る。 また、電子衝撃型と化学イオン化型に切り換えること
のできるイオン源があるが、化学イオン化型イオン源は
電子衝撃型イオン源に比べてイオン源ボックスを密にす
る必要があるため、イオン源の切換えはイオン源ボック
スを交換したり、イオン源ボックスの気密度を機械的に
切り換えることにより行なわれている。 (発明が解決しようとする問題点) 従来のイオン源では、真空容器内の残留ガスやガスク
ロマトグラフと接続した場合の多量のキャリアガス(例
えばHe)などのイオン、すなわち分析に全く興味のない
イオンまでが多量に分析部に侵入することになる。その
ため分析場での空間電荷や検出器での暗電流の増加をき
たし、感度や分解能を限界付ける原因の1つとなってい
た。 また、電子衝撃型と化学イオン化型の間の切換えは容
易ではなかった。 本発明はイオン源自体にm/z選択性を持たせ、分析に
興味のないイオンが分析部に侵入するのを防ぐことを目
的とするものである。 また、本発明は電子衝撃型と化学イオン化型の間の切
換えを機械的な切換え操作を必要としないで行なうこと
のできるイオン源を提供することを目的とするものであ
る。 (問題点を解決するための手段) 実施例を示す第1図を参照して説明すると、本発明の
質量分析装置は、そのイオン源ではイオン源ボックス
(2)が、リング状電極(4)とリング状電極(4)の
両開口部に設けられた一対のエンドキャップ電極(6,
8)とからなる三次元四重極で形成されているととも
に、一方のエンドキャップ電極(8)には分析部(20)
につながるイオン取出し用の孔(14)が開けられてい
る。 そして、リング状電極(4)とエンドキャップ電極
(6,8)に一定の高周波電圧と直流電圧を印加すること
により、イオン取出し用孔(14)から所定のm/z以上又
は以下のイオンを取り出すようにする。 また、リング状電極(4)とエンドキャップ電極(6,
8)に一定の高周波電圧と直流電圧を印加することによ
り、イオン取出し用孔(14)から所定のm/z以上又は以
下のイオンを取り出すとともに、所定範囲のm/zのイオ
ンをイオン源ボックス内(2)に捕捉するようする。 (実施例) 第1図は一実施例を表わす。 2はイオン源のイオン源ボックスであり、イオン源ボ
ックス2は回転双曲面をもつリング状電極4と、リング
状電極4の両開口部に設けられた双曲面をもつ一対のエ
ンドキャップ電極6,8とからなる三次元四重極により構
成されている。エンドキャップ電極6と8は電気的に接
続されている。 リング状電極4とエンドキャップ電極6,8には所定の
高周波電圧と直流電圧が印加される。これらの高周波電
圧と直流電圧は重畳して印加してもよく、別個に印加し
てもよい。 リング状電極4の半径方向をR方向、R方向に直交す
る方向、すなわちエンドキャップ電極6,8の中心を結ぶ
方向をZ軸方向とする。 リング状電極4にはフィラメント10からの電子ビーム
をイオン源内に取り入れるための電子ビーム入射孔12が
あけられている。 一方のエンドキャップ電極8にはZ軸方向のイオン取
出し孔14があけられ、Z軸延長上にはイオン引出し電極
16、アパーチャ18及び分析部20が設けられている。 分析試料は図に示されるように、例えばリング状電極
4とエンドキャップ電極6の間隙からイオン源内に導入
される。導入された試料はイオン源内で電子ビームと衝
突し、イオン化される。リング状電極4とエンドキャッ
プ電極6,8に印加される電圧により、Z軸不安定となっ
たm/zのイオンがイオン取出し孔14から射出し、イオン
引出し電極16により引き出され、アパーチャ18を経て分
析部20に導かれる。 このイオン源を化学イオン化イオン源として使用する
場合は、分析試料の他に反応ガスもイオン源内に導入す
る必要がある。反応ガスも、例えば図に示されるように
リング状電極4とエンドキャップ電極6の間隙からイオ
ン源内に導入される。 三次元四重極は従来の四重極と同様に高周波電圧と直
流電圧を印加することによって電極内の任意のm/z範囲
のイオンを安定又は不安定にすることができる。 第1図に示される回転双曲面をもつ三次元四重極の場
合、イオンの安定、不安定を示す安定線図は第2図のよ
うに示される。第2図で、 a=−8eU/mro2ω2 q=−4eV/mro2ω2 である。ここで、Uは直流電圧、Vは高周波電圧の振
幅、eは電子の電荷、mは質量数、roはリング状電極4
の内半径、ω=2πν(νは高周波電圧の振動数)であ
る。 このような三次元四重極内でのイオンの挙動には、例
えばPeter H・Dawson 編の「Quadrupole Mass spectrom
etry and its applications」(Elsevier Scientific P
ublishing Company,New York,1976年)の第46〜49ペー
ジ、II章、D(1)にも説明されている。 第2図において、曲線A1とA2で挟まれたR安定領域
は、その領域内のm/zのイオンの半径R方向の振動が発
散しないことを示しており、曲線B1とB2で挟まれたZ安
定領域は、その領域内のm/zのイオンのZ軸方向の振動
が発散しないことを示してしている。したがって、4本
の曲線A1,A2,B1,B2で囲まれたR−Z安定領域では、そ
の領域内のm/zのイオンが電極4,6,8で囲まれたイオン源
ボックス内に捕捉されることになる。 いま、リング状電極4とエンドキャップ電極6,8に適
当な高周波電圧と直流電圧を印加すると、イオンはm/z
によって、例えば直線22上に並ぶ。直線2上ではm/zの
大きいもの程、原点0に近く並ぶことになる。直線22の
傾きは印加電圧のU/Vにより定まる。 直線22のように、曲線B1と曲線A2の交点Cを通るよう
にU/Vを設定した場合は、点Cに位置するm/zを境にして
それ未満のm/zのイオンはZ軸方向は安定で半径R方向
に発散し、それを越えるm/zのイオンは半径R方向は安
定でZ軸方向に発散することになる。したがって、興味
深いm/z範囲の下限が点Cになるように電圧を印加し、
Z軸方向に発散したイオンをイオン取出し孔14から有効
に分析部20に導けば、分析の妨げとなる不要な低m/zの
イオンが分析部20に侵入するのを防ぐことができる。こ
のように直線22が点Cを通るように印加電圧を設定した
ものは、電子衝撃型イオン源に特に有効である。 また、第2図で、直線26で示されるように、安定線図
の上側領域を用いることもできる。その場合、点C′に
位置するイオンを境にしてそれより高m/zのイオンはZ
軸方向に安定で半径R方向に発散し、それより低m/zの
イオンは半径R方向が安定でZ軸方向に発散することに
なる。その結果、所定の質量数以上のイオンの侵入を防
ぐことができるようになる。 また、イオンが直線24上に並ぶように、リング状電極
4とエンドキャップ電極6,8に高周波電圧と直流電圧を
印加すると、この直線24がR−Z安定領域を横切るS部
にあたるm/z範囲のイオンはイオン源内に捕捉され、そ
れより低m/zのイオンはZ軸方向に安定で半径R方向に
発散し、それより高m/zのイオンは半径R方向が安定で
Z軸方向に発散することになる。したがって、S部に反
応ガスイオンが位置するように電圧を印加すれば、電極
内に反応ガスイオンを有効に捕捉して化学イオン化を行
なうと同時に、分析に興味のない低m/zのイオンが分析
部20に侵入するのを防ぐことができる。 このような印加電圧の設定は化学イオン化型イオン源
として有効である。 化学イオン化型イオン源として利用する場合にも第2
図の安定線図の上側領域を利用することができる。その
場合、イオンが配列する直線がR−Z安定領域を横切る
部分にあたるm/z範囲のイオンはイオン源内に捕捉さ
れ、それより高m/zのイオンはZ軸方向に安定で半径R
方向に発散して分析部20には侵入せず、それより低m/z
のイオンは半径R方向が安定でZ軸方向に発散して分析
部20に取り出されることになる。 第1図の実施例では、イオン源ボックスに回転双曲面
をもつ三次元四重極を使用しているが、例えばリング状
電極を円筒状にしエンドキャップ電極を円板状とするこ
ともできる。円筒状電極と2枚の円板電極を用いた三次
元四重極でのイオンの挙動も第1図に示される回転双曲
面をもつ三次元四重極でのイオンの挙動と類似したもの
である。詳しくは、例えば「Internatinal Jourual of
Mass Specteometry and Ion physics」誌、第33巻、第2
01〜203ページ(1980年)に記載されている。 (発明の効果) 本発明によれば、次のような利点をもつ質量分析装置
を実現することができる。 イオン取出し用孔からの所定のm/z以上もしくは以下
のイオンを取り出すようにして、不要なイオンが分析部
に侵入するのを防いで、高感度、高分解能を実現できる
電子衝撃型イオン化に有効なイオン化と、所定のm/z以
上もしくは以下のイオンを取り出して高感度、高分解能
を実現するとともに、反応ガスイオンを含む所定範囲の
m/zのイオンをイオン源ボックス内に捕捉して化学イオ
ン化に有効なイオン化とを、切り換えることができる。
しかも、この切換えにはイオン源ボックスの交換や気密
度の機械的切換えなどが不要であり、リング状電極とエ
ンドキャップ電極に印加する高周波電圧と直流電圧を変
更するだけですむ。
や化学イオン化(CI)型イオン源は、イオン源ボックス
内で生成されたあらゆるm/z(質量数と電荷数の比)の
イオンを分析部(磁場、電場又は四重極)に射出してい
る。 また、電子衝撃型と化学イオン化型に切り換えること
のできるイオン源があるが、化学イオン化型イオン源は
電子衝撃型イオン源に比べてイオン源ボックスを密にす
る必要があるため、イオン源の切換えはイオン源ボック
スを交換したり、イオン源ボックスの気密度を機械的に
切り換えることにより行なわれている。 (発明が解決しようとする問題点) 従来のイオン源では、真空容器内の残留ガスやガスク
ロマトグラフと接続した場合の多量のキャリアガス(例
えばHe)などのイオン、すなわち分析に全く興味のない
イオンまでが多量に分析部に侵入することになる。その
ため分析場での空間電荷や検出器での暗電流の増加をき
たし、感度や分解能を限界付ける原因の1つとなってい
た。 また、電子衝撃型と化学イオン化型の間の切換えは容
易ではなかった。 本発明はイオン源自体にm/z選択性を持たせ、分析に
興味のないイオンが分析部に侵入するのを防ぐことを目
的とするものである。 また、本発明は電子衝撃型と化学イオン化型の間の切
換えを機械的な切換え操作を必要としないで行なうこと
のできるイオン源を提供することを目的とするものであ
る。 (問題点を解決するための手段) 実施例を示す第1図を参照して説明すると、本発明の
質量分析装置は、そのイオン源ではイオン源ボックス
(2)が、リング状電極(4)とリング状電極(4)の
両開口部に設けられた一対のエンドキャップ電極(6,
8)とからなる三次元四重極で形成されているととも
に、一方のエンドキャップ電極(8)には分析部(20)
につながるイオン取出し用の孔(14)が開けられてい
る。 そして、リング状電極(4)とエンドキャップ電極
(6,8)に一定の高周波電圧と直流電圧を印加すること
により、イオン取出し用孔(14)から所定のm/z以上又
は以下のイオンを取り出すようにする。 また、リング状電極(4)とエンドキャップ電極(6,
8)に一定の高周波電圧と直流電圧を印加することによ
り、イオン取出し用孔(14)から所定のm/z以上又は以
下のイオンを取り出すとともに、所定範囲のm/zのイオ
ンをイオン源ボックス内(2)に捕捉するようする。 (実施例) 第1図は一実施例を表わす。 2はイオン源のイオン源ボックスであり、イオン源ボ
ックス2は回転双曲面をもつリング状電極4と、リング
状電極4の両開口部に設けられた双曲面をもつ一対のエ
ンドキャップ電極6,8とからなる三次元四重極により構
成されている。エンドキャップ電極6と8は電気的に接
続されている。 リング状電極4とエンドキャップ電極6,8には所定の
高周波電圧と直流電圧が印加される。これらの高周波電
圧と直流電圧は重畳して印加してもよく、別個に印加し
てもよい。 リング状電極4の半径方向をR方向、R方向に直交す
る方向、すなわちエンドキャップ電極6,8の中心を結ぶ
方向をZ軸方向とする。 リング状電極4にはフィラメント10からの電子ビーム
をイオン源内に取り入れるための電子ビーム入射孔12が
あけられている。 一方のエンドキャップ電極8にはZ軸方向のイオン取
出し孔14があけられ、Z軸延長上にはイオン引出し電極
16、アパーチャ18及び分析部20が設けられている。 分析試料は図に示されるように、例えばリング状電極
4とエンドキャップ電極6の間隙からイオン源内に導入
される。導入された試料はイオン源内で電子ビームと衝
突し、イオン化される。リング状電極4とエンドキャッ
プ電極6,8に印加される電圧により、Z軸不安定となっ
たm/zのイオンがイオン取出し孔14から射出し、イオン
引出し電極16により引き出され、アパーチャ18を経て分
析部20に導かれる。 このイオン源を化学イオン化イオン源として使用する
場合は、分析試料の他に反応ガスもイオン源内に導入す
る必要がある。反応ガスも、例えば図に示されるように
リング状電極4とエンドキャップ電極6の間隙からイオ
ン源内に導入される。 三次元四重極は従来の四重極と同様に高周波電圧と直
流電圧を印加することによって電極内の任意のm/z範囲
のイオンを安定又は不安定にすることができる。 第1図に示される回転双曲面をもつ三次元四重極の場
合、イオンの安定、不安定を示す安定線図は第2図のよ
うに示される。第2図で、 a=−8eU/mro2ω2 q=−4eV/mro2ω2 である。ここで、Uは直流電圧、Vは高周波電圧の振
幅、eは電子の電荷、mは質量数、roはリング状電極4
の内半径、ω=2πν(νは高周波電圧の振動数)であ
る。 このような三次元四重極内でのイオンの挙動には、例
えばPeter H・Dawson 編の「Quadrupole Mass spectrom
etry and its applications」(Elsevier Scientific P
ublishing Company,New York,1976年)の第46〜49ペー
ジ、II章、D(1)にも説明されている。 第2図において、曲線A1とA2で挟まれたR安定領域
は、その領域内のm/zのイオンの半径R方向の振動が発
散しないことを示しており、曲線B1とB2で挟まれたZ安
定領域は、その領域内のm/zのイオンのZ軸方向の振動
が発散しないことを示してしている。したがって、4本
の曲線A1,A2,B1,B2で囲まれたR−Z安定領域では、そ
の領域内のm/zのイオンが電極4,6,8で囲まれたイオン源
ボックス内に捕捉されることになる。 いま、リング状電極4とエンドキャップ電極6,8に適
当な高周波電圧と直流電圧を印加すると、イオンはm/z
によって、例えば直線22上に並ぶ。直線2上ではm/zの
大きいもの程、原点0に近く並ぶことになる。直線22の
傾きは印加電圧のU/Vにより定まる。 直線22のように、曲線B1と曲線A2の交点Cを通るよう
にU/Vを設定した場合は、点Cに位置するm/zを境にして
それ未満のm/zのイオンはZ軸方向は安定で半径R方向
に発散し、それを越えるm/zのイオンは半径R方向は安
定でZ軸方向に発散することになる。したがって、興味
深いm/z範囲の下限が点Cになるように電圧を印加し、
Z軸方向に発散したイオンをイオン取出し孔14から有効
に分析部20に導けば、分析の妨げとなる不要な低m/zの
イオンが分析部20に侵入するのを防ぐことができる。こ
のように直線22が点Cを通るように印加電圧を設定した
ものは、電子衝撃型イオン源に特に有効である。 また、第2図で、直線26で示されるように、安定線図
の上側領域を用いることもできる。その場合、点C′に
位置するイオンを境にしてそれより高m/zのイオンはZ
軸方向に安定で半径R方向に発散し、それより低m/zの
イオンは半径R方向が安定でZ軸方向に発散することに
なる。その結果、所定の質量数以上のイオンの侵入を防
ぐことができるようになる。 また、イオンが直線24上に並ぶように、リング状電極
4とエンドキャップ電極6,8に高周波電圧と直流電圧を
印加すると、この直線24がR−Z安定領域を横切るS部
にあたるm/z範囲のイオンはイオン源内に捕捉され、そ
れより低m/zのイオンはZ軸方向に安定で半径R方向に
発散し、それより高m/zのイオンは半径R方向が安定で
Z軸方向に発散することになる。したがって、S部に反
応ガスイオンが位置するように電圧を印加すれば、電極
内に反応ガスイオンを有効に捕捉して化学イオン化を行
なうと同時に、分析に興味のない低m/zのイオンが分析
部20に侵入するのを防ぐことができる。 このような印加電圧の設定は化学イオン化型イオン源
として有効である。 化学イオン化型イオン源として利用する場合にも第2
図の安定線図の上側領域を利用することができる。その
場合、イオンが配列する直線がR−Z安定領域を横切る
部分にあたるm/z範囲のイオンはイオン源内に捕捉さ
れ、それより高m/zのイオンはZ軸方向に安定で半径R
方向に発散して分析部20には侵入せず、それより低m/z
のイオンは半径R方向が安定でZ軸方向に発散して分析
部20に取り出されることになる。 第1図の実施例では、イオン源ボックスに回転双曲面
をもつ三次元四重極を使用しているが、例えばリング状
電極を円筒状にしエンドキャップ電極を円板状とするこ
ともできる。円筒状電極と2枚の円板電極を用いた三次
元四重極でのイオンの挙動も第1図に示される回転双曲
面をもつ三次元四重極でのイオンの挙動と類似したもの
である。詳しくは、例えば「Internatinal Jourual of
Mass Specteometry and Ion physics」誌、第33巻、第2
01〜203ページ(1980年)に記載されている。 (発明の効果) 本発明によれば、次のような利点をもつ質量分析装置
を実現することができる。 イオン取出し用孔からの所定のm/z以上もしくは以下
のイオンを取り出すようにして、不要なイオンが分析部
に侵入するのを防いで、高感度、高分解能を実現できる
電子衝撃型イオン化に有効なイオン化と、所定のm/z以
上もしくは以下のイオンを取り出して高感度、高分解能
を実現するとともに、反応ガスイオンを含む所定範囲の
m/zのイオンをイオン源ボックス内に捕捉して化学イオ
ン化に有効なイオン化とを、切り換えることができる。
しかも、この切換えにはイオン源ボックスの交換や気密
度の機械的切換えなどが不要であり、リング状電極とエ
ンドキャップ電極に印加する高周波電圧と直流電圧を変
更するだけですむ。
【図面の簡単な説明】
第1図は一実施例を示す断面図、第2図は同実施例の動
作を示す安定線図である。 2……イオン源ボックス、 4……リング状電極、 6,8……エンドキャップ電極、 14……イオン取出し孔。
作を示す安定線図である。 2……イオン源ボックス、 4……リング状電極、 6,8……エンドキャップ電極、 14……イオン取出し孔。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.イオン源ボックス内に導入された物質をイオン化す
るための電子ビームを発生する手段をイオン源ボックス
に備え、そのイオン源ボックスを、リング状電極とこの
リング状電極の両開口部に設けられた一対のエンドキャ
ップ電極とからなる三次元四重極で形成するとともに、
一方のエンドキャップ電極にはイオン取出し用孔を開
け、前記リング状電極とエンドキャップ電極に一定の高
周波電圧と直流電圧を印加することにより、前記イオン
取出し用孔から所定のm/z以上もしくは以下のイオンを
取り出すイオン化と、所定のm/z以上もしくは以下のイ
オンを取り出すとともに所定範囲のm/zのイオンをイオ
ン源ボックス内に捕捉するイオン化とを切り換えるイオ
ン源と、 前記イオン取出し用孔につながり、イオン引出し電極、
アパーチャ及び分析部を有する質量分析部と、を備えた
質量分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60184866A JP2679026B2 (ja) | 1985-08-21 | 1985-08-21 | 質量分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60184866A JP2679026B2 (ja) | 1985-08-21 | 1985-08-21 | 質量分析装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6244947A JPS6244947A (ja) | 1987-02-26 |
JP2679026B2 true JP2679026B2 (ja) | 1997-11-19 |
Family
ID=16160680
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60184866A Expired - Lifetime JP2679026B2 (ja) | 1985-08-21 | 1985-08-21 | 質量分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2679026B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002150992A (ja) | 2000-11-09 | 2002-05-24 | Anelva Corp | 質量分析のためのイオン化装置およびイオン化方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4540884A (en) * | 1982-12-29 | 1985-09-10 | Finnigan Corporation | Method of mass analyzing a sample by use of a quadrupole ion trap |
-
1985
- 1985-08-21 JP JP60184866A patent/JP2679026B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6244947A (ja) | 1987-02-26 |
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