JP2675823B2 - 噴霧式燃焼装置の火炎検知装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、噴霧式燃焼装置、特に自動車に搭載する車
載用またはガスタービンエンジン用の噴霧式燃焼装置に
おいて、燃焼の火炎を検知する火炎検知装置に関する。

＜従来の技術＞ 自動車に搭載されて暖房用ヒータとして使用される噴
霧式燃焼装置は、円筒状の燃焼室の外回りに円環状の空
気通路を設け、燃焼室の周壁の複数個所にそれぞれその
個所の内周面の接線方向にほぼ沿って空気孔を貫設し、
空気通路の燃焼用空気が空気孔を経て燃焼室に流入して
燃焼室の軸芯の回りに旋回する構成にしている。

燃焼室の一端の開口には、燃焼噴射弁を取り付け、燃
料噴射弁の噴射口を燃焼室の他端の出口側に向けて開口
している。

燃焼室内には、点火栓の点火部を突出して配置してい
る。

燃焼室の他端の出口には、熱交換器の放熱通路を接続
し、熱交換器の受熱通路に暖房用空気を流通する構成に
している。

そして、燃焼室における燃焼の有無を検知するため、
燃焼の排ガスが流通する熱交換器の放熱通路に熱電対を
設けている。又は、燃焼の火炎が発生する燃焼室に、温
度によって抵抗値が変化するフレームロッドを設けてい
る。

この噴射式燃焼装置を作動すると、燃焼室に燃焼用空
気が流入して軸芯の回りに旋回し、燃料噴射弁の噴射口
から液体燃料が燃焼室の旋回空気に噴霧され、噴霧燃料
と旋回空気の混合気流が点火栓によって着火して燃焼す
る。

そして、燃焼室の燃焼の排ガスが熱交換器の放熱通路
に流入し、熱交換器の放熱通路に設けた熱電対が燃焼の
排ガスの温度を検出する。即ち、熱交換器の放熱通路に
設けた熱電対の検出温度から燃焼室における燃焼の有無
を検知する。

又は、燃焼室に燃焼の火炎が発生すると、燃焼室に設
けたフレームロッドが高温度を検出する。即ち、燃焼室
に設けたフレームロッドの検出温度から燃焼室における
燃焼の有無を検知する。

＜発明が解決しようとする課題＞ ところが、熱電対を用いた上記の燃焼検知装置におい
ては、熱電対は、熱交換器の放熱通路に設けられ、高温
度の排ガスにさらされるので、劣化が早く、耐久性が高
くない。

また、フレームロッドを用いた上記の燃焼検知装置に
おいては、フレームロッドは、燃焼室に設けられ、高温
度の火炎にさらされるので、劣化が早く、耐久性が高く
ない。その上、フレームロッドは、燃焼の火炎の中に位
置するので、燃焼に悪影響を与える。

本発明の目的は、上記のような従来の課題を解決する
ことである。

＜課題を解決するための手段＞ 本発明は、噴霧式燃焼装置において、燃焼室に発生す
る燃焼の火炎の光を燃焼室から離れた位置で検出する火
炎検知装置である。

即ち、本発明は、筒状の燃焼室の外側に空気通路を設
け、燃焼室の周壁に空気孔を設け、空気通路の空気が空
気孔を経て燃焼室に流入して燃焼室の軸芯の回りに旋回
する構成にし、 燃焼室の一端に燃料噴射弁を取り付け、燃料噴射弁の
噴射口を燃焼室の他端側に向けて開口し、 燃焼室に流入して旋回する空気に燃焼噴射弁の噴射口
から液体燃料が噴霧され、噴霧燃料と旋回空気の混合気
流が燃焼する構成にした噴霧式燃焼装置において、 燃焼室の外側位置に光通路を設け、光通路の先端を、
燃焼室の周壁の空気孔を経て燃焼室内を覗く位置に配置
し、光通路の基端に光検出素子を接続し、 燃焼室に燃焼の火炎が発生すると、光検出素子が出力
する構成にしたことを特徴とする火炎検知装置である。

＜作 用＞ 本発明の噴霧式燃焼装置の火炎検知装置においては、
燃焼室に燃焼の火炎が発生すると、燃焼室の火炎の光
は、燃焼室の周壁の空気孔を経て光通路の先端に入射
し、光通路を経て光通路の基端から光検出端子に入射す
る。

すると、光検出素子が出力して、燃焼室に燃焼の火炎
が発生したことが検知される。

＜発明の効果＞ 本発明の噴霧式燃焼装置の火炎検知装置においては、
光通路が燃焼室の外側位置に配置され、光通路の先端が
燃焼室の周壁の空気孔側の位置即ち燃焼室に発生する燃
焼の火炎の低温度の根元側の位置に配置され、光検出素
子が光通路の基端に接続されるので、光検出素子が燃焼
室の高温部から離れて配置される。

従って、光検出素子が高温度にならないので、熱電対
又はフレームロッドが高温度になる従来の検知装置とは
異なり、高温度による光検出素子の劣化が少なく、耐久
性が高い。

また、本発明の噴霧式燃焼装置の火炎検知装置におい
ては、燃焼室に発生する燃焼の火炎の中に位置するフレ
ームロッドのような物がないので、フレームロッドを用
いた従来の検知装置とは異なり、燃焼室の燃焼に悪影響
を与えない。

＜実施例＞ 本例の火炎検知装置を備えた噴霧式燃焼装置は、自動
車に搭載されて暖房用ヒータとして使用されるカーヒー
タである。

このカーヒータは、第１図と第２図に示すように、円
筒形状の第１燃焼室１と第２燃焼室２及び第３燃焼室３
を同芯状に連通して設け、第１燃焼室１の後半部の外回
り位置に円環状の空気通路４を形成し、該第１燃焼室１
の後半部の周壁の複数個所にそれぞれその個所の内周面
の接線方向にほぼ沿って空気孔５を貫設して、空気通路
４を第１燃焼室１に接続し、空気通路４の燃焼用空気が
第１燃焼室１に流入して第１燃焼室１の軸芯の回りに旋
回する構成にしている。

第１燃焼室１の後端の開口には、第１図に示すよう
に、燃料噴射弁６の先端部を嵌合して同芯状に取り付
け、燃料噴射弁６の先端面の中心位置に噴射口７を第１
燃焼室１の前端の開口側に向けて開口している。

燃料噴射弁６は、第１図に示すように、燃料供給路８
に供給された液体燃料を空気供給路９に供給された微粒
化用空気によって微粒化して噴射口７から噴霧する二流
体噴霧形のものである。

燃料噴射弁６の燃料供給路８と空気供給路９は、それ
ぞれ、図示しない燃料供給源と空気供給源に接続してい
る。

燃料噴射弁６の後方位置には、第１図に示すように、
電動機10を設け、電動機10の回転軸の前端に羽根を取り
付けて送風機11を構成し、送風機11によって燃焼用空気
を空気通路４に供給する送風路12を設けている。

第１燃焼室１の前半部には、第１図に示すように、点
火栓13を取り付け、点火栓13の先端の点火部を第１燃焼
室１に突出して燃料噴射弁６の燃料噴霧領域に配置し、
点火栓13の基端の端子に図示しない点火源を接続してい
る。

第２燃焼室２と第３燃焼室３には、第１図に示すよう
に、熱交換器14を嵌合して取り付けている。

熱交換器14は、第１図に示すように、第２燃焼室２と
第３燃焼室３に円筒容器形状の器体15を同芯状に被嵌
し、器体15の内側に、第３燃焼室３の前端の出口に連通
した放熱通路の排ガス通路16を形成し、器体15の内周面
に図示しない熱交換用フィンを設け、器体15の後端に排
ガス通路16の出口17を設けている。

器体15の外側には、第１図に示すように、受熱通路の
流体通路18を設け、器体15の外周面に図示しない熱交換
用フィンを設け、流体通路18の前端に出口19を設けてい
る。

また、第１図に示すように、上記の電動機10の回転軸
の後端に羽根を取り付けて送風機20を構成し、送風機20
によって暖房用空気を熱交換器14の流体通路18の後端の
入口に供給する送風路21を設けている。

本例の火炎検知装置は、第２図に示すように、第１燃
焼室１の外側に位置する空気通路４の外周壁の外側に第
１取付筒25を取り付け、空気通路４の外側に位置する送
風路21の外周壁に第２取付筒26を貫通して取り付け、内
側の第１取付筒25と外側の第２取付筒26を同芯状に配置
し、第１取付筒25の外端の鐶部と第２取付筒26の内端の
鐶部を断熱パッキン27を介して重合し、第１取付筒25と
第２取付筒26をそれらの重合した鐶部をビス止めして連
結している。

第１取付筒25と第２取付筒26の連通した中心孔には、
第２図に示すように、両端面を光学研磨した円柱状のガ
ラス、内周面を鏡面仕上した円筒又は光ファイバのよう
な光通過部材28を嵌合して取り付け、棒状の光通過部材
28を第１燃焼室１の周壁の空気孔５と同芯状に配置し、
光通過部材28の内端を空気通路４に突出している。

即ち、光が一端から他端に通過する光通過部材28によ
って光通路を構成し、光通路28を第１燃焼室１の外側に
設け、光通路28の先端を、第１燃焼室１の周壁の空気孔
５を経て第１燃焼室１内を覗く位置に配置している。

送風路21の外周壁の外側に位置する第２取付筒26の中
心孔の外端部には、第２図に示すように、フォトダイオ
ード又はフォトトランジスタのような光電素子29を嵌合
して取り付け、光電素子29の受光部を光通過部材28の外
端に対面して配置し、光電素子29の出力電線を第２取付
筒26の中心孔の外端部から導出している。

即ち、光電素子29によって光検出素子を構成し、光検
出素子29を光通路28の基端に接続している。

なお、光検出素子29は、可視光又は可視光より短い波
長の光のみを検出し、赤熱した金属から放熱される赤外
光のような可視光より長い波長の光を検出しないもので
ある。

本例の火炎検知装置を備えた噴霧式燃焼装置を作動す
ると、電動機10が駆動して燃焼用空気の送風機11と暖房
用空気の送風機20が駆動し、燃焼用空気が第１燃焼室１
に流入して第１燃焼室１の軸芯の回りに旋回し、暖房用
空気が熱交換器14の流体通路18に流通する。

また、微粒化用空気が燃料噴射弁６の空気供給路９に
供給される。

その後、軽油や灯油のような液体燃料が燃料噴射弁６
の燃料供給路８に供給され、点火栓13が一定時間点火さ
れる。

すると、燃料噴射弁６の噴射口７から液体燃料が微粒
化用空気によって微粒化された状態で第１燃焼室１の旋
回空気に噴霧され、噴霧燃料と旋回空気の混合気流が第
１燃焼室１から第２燃焼室２と第３燃焼室３に流入し、
また、噴霧燃料と旋回空気の混合気流が点火栓13によっ
て着火して燃焼し、第１燃焼室１、第２燃焼室２と第３
燃焼室３に燃焼の火炎と排ガスが発生する。

第１燃焼室１、第２燃焼室２と第３燃焼室３に発生し
た燃焼の排ガスは、第３燃焼室３の出口から熱交換器14
の排ガス通路16に流入し、熱交換器14の流体通路18を流
通する暖房用空気を加熱して、出口17から流出する。

一方、熱交換器14の流体通路18を流通する暖房用空気
は、熱交換器14の排ガス通路16を流通する燃焼の排ガス
によって加熱されて、出口19から流出する。

また、第１燃焼室１、第２燃焼室２と第３燃焼室３に
燃焼の火炎が発生すると、第１燃焼室１の燃焼の火炎の
光は、第１燃焼室１の周壁の空気孔５を経て光通路28の
先端に入射し、光通路28を経て光通路28の基端から光検
出素子29に入射する。

すると、光検出素子29が出力して、燃焼の火炎が発生
したことが検知される。

点火栓13の点火から一定時間が経過した時点で光検出
素子29が出力していないときには、また、噴霧式燃焼装
置の作動継続中に光検出素子29の出力が消滅したときに
は、再び点火栓13を一定時間点火させる。

点火栓13の再点火から一定時間が経過した時点で光検
出素子29が出力していないときには、噴霧式燃焼装置の
作動を停止して、噴霧式燃焼装置の異常警報を発する。

本例の噴霧式燃焼装置の火炎検知装置においては、光
通路28の先端は、第１燃焼室１の周壁の空気孔５側の位
置、即ち、ススが存在しない火炎の根元側の位置に配置
されているので、スス等によって光通路28の先端が汚染
されて光の入射が妨げられることがない。

また、光通路28の先端は、空気通路４に配置されてい
るので、空気通路４を流通する燃焼用空気によって冷却
され、更に、光通路28の先端以外の部分は、送風路21に
配置されているので、送風路21を流通する暖房用空気に
よって冷却される。

従って、光通路28は、過度に加熱されて損傷を受ける
ことが少ない。

また更に、光検出素子29は、暖房用空気が流通する送
風路21の外周壁の外側に配置されているので、過度に加
熱されて損傷を受けることが少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例の火炎検知装置を備えた噴霧
式燃焼装置の縦断側面図である。 第２図は、第１図のII−II線断面の拡大図である。 1:第１燃焼室、2:第２燃焼室 3:第３燃焼室、4:空気通路 5:空気孔、6:燃料噴射弁 7:噴射口 28:光通過部材，光通路 29:光電素子，光検出素子

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】筒状の燃焼室の外側に空気通路を設け、燃
   焼室の周壁に空気孔を設け、空気通路の空気が空気孔を
   経て燃焼室に流入して燃焼室の軸芯の回りに旋回する構
   成にし、 燃焼室の一端に燃料噴射弁を取り付け、燃料噴射弁の噴
   射口を燃焼室の他端側に向けて開口し、 燃焼室に流入して旋回する空気に燃料噴射弁の噴射口か
   ら液体燃料が噴霧され、噴霧燃料と旋回空気の混合気流
   が燃焼する構成にした噴霧式燃焼装置において、 燃焼室の外側位置に光通路を設け、光通路の先端を、燃
   焼室の周壁の空気孔を経て燃焼室内を覗く位置に配置
   し、光通路の基端に光検出素子を接続し、 燃焼室に燃焼の火炎が発生すると、光検出素子が出力す
   る構成にしたことを特徴とする火炎検知装置。