JP2675579B2 - 油圧装置のシールリング - Google Patents

油圧装置のシールリング

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JP2675579B2
JP2675579B2 JP63166260A JP16626088A JP2675579B2 JP 2675579 B2 JP2675579 B2 JP 2675579B2 JP 63166260 A JP63166260 A JP 63166260A JP 16626088 A JP16626088 A JP 16626088A JP 2675579 B2 JP2675579 B2 JP 2675579B2
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幸三 筧
二郎 松本
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エヌティエヌ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は油圧装置の回転部または往復部に使用する
シールリングに関するものである。
〔従来の技術〕
従来、油圧装置のシールリングには鋳鉄が用いられて
いたが油圧装置の小型軽量化、高性能化に伴い油漏れの
少ないシールリング材の開発が進められ、現在では鋳鉄
に比べシール性、摺動特性のよい四フッ化エチレン樹脂
(以下、これをPTFE樹脂という)製のシールリングが多
く用いられるようになってきた。しかし、まだ充分満足
できるものとはいえず、たとえば自動車のオートマチッ
ク・トランスミッションの回転部のシール材としてPTFE
樹脂にグラファイトまたはグラスファイバを配合したシ
ールリングが使用されているが、特に運転開始直後の低
油温時における油漏れ量が多く、充分なシール性が得ら
れないという問題点がある。
これは、シールリングの熱膨張に起因するものであ
り、通常この種のシールリングは、組み込みを容易にす
るため、円周上の一箇所で分断されるが、組み込み直後
の分断部スキマを0にしても、油温上昇に伴いシールリ
ングが熱膨張し、分断部に圧縮応力が作用してクリープ
変形を起こすことになる。したがって、運動停止後に油
温が低下すると、前記分断部にスキマが生じ、再度運転
を開始しようとするときには、低温のシール性が不充分
ということになるのである。そこでこれを避けるため
に、上記クリープ変形量に見合った量だけシールリング
の展開長さを長くすることも考えられるが、シールリン
グの外径寸法が相手シリンダーの内径寸法より大きくな
り、組み込むことができない。なお、円周上で分断され
ていないシールリングでは、熱膨張に起因する同様の問
題点(シールリング径方向の肉厚のクリープ変形による
低温シール性の低下)を有するだけでなく、組み込みも
困難である。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上述べたように、従来の技術では運転開始直後の低
温時に、優れたシール性を有するシールリングが得られ
ないという問題点があり、これを解決することが課題と
なっていた。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するために、この発明においては、
フッ素樹脂を主成分とし、これに吸油しやすい材料を配
合した組成物を用いてシールリングとする手段を採用し
たものである。
〔実施例〕
以下の実施例および比較例に使用した原材料を一括し
て示すとつぎのとおりである。
PTFE樹脂(三井デュポンフロロケミカル 社製:テフ
ロン7J)、 グラファイト(日本黒鉛 社製:ACP)、 ケッチェンブラック(ライオン 社製:ケッチェンブ
ラックEC−X)、 グラスファイバー(旭ファイバーグラス 社製:ミル
ドファイバー(繊維径13μm、繊維長50μm))、 実施例: 第1表に示す配合割合の組成物(吸油しやすい材料と
してケッチェンブラックを配合)を公知の技術により成
形し、得られた成形体から外径34mm、幅1.9mm、肉厚1.7
mmのリングを旋削加工し、円周上の一箇所を径方向に分
断し、シールリングを得た。得られたシールリングを以
下に示す熱サイクル試験および回転試験に供した。
まず、熱サイクル試験装置を第1図に示す。第1図に
於てSCM420H製の軸1のリング溝2、2′にシールリン
グ3、3′が取り付けられ、鋳鉄(FC25)製のケーシン
グ4に組み込まれている。ケーシング4の上部に油圧発
生装置(図示省略)からの油の供給管5があり油圧計6
により油圧が測定される。下部には漏れた油を排出する
排出管7があり、漏出した油量はメスシリンダ8により
測定される。ケーシング4の中に自動車用オートマチッ
ク・トランスミッション用オイル(昭和シェル石油社
製:デキシロンII)9を注入して油で満たした状態(油
圧はかけない)で恒温槽10の温度を−40℃で7時間、+
165℃で7時間を1サイクルとして5サイクル変化させ
る。漏れ測定はこの熱サイクルの前後に油圧10kgf/c
m2、軸回転数0rpm、油温25、40、60、80、100、120℃で
行なった。また、シールリング分断部の合口スキマの寸
法も熱サイクルの前後に測定した。合口スキマの測定方
法は試験に使用したケーシングの内径にシールリングを
張らした状態にし、工具顕微鏡でスキマを測定した。な
お、測定温度は25℃である。
得られた結果を第3図、第4図および第2表に示す。
第3図は恒温槽の温度を変化させる前の油漏れ量を示
し、第4図は熱サイクル履歴後の油漏れ量である。第2
表は熱サイクル前後の合口スキマ寸法である。
つぎに回転試験機を第2図に示す。第2図においてSC
M420H製の軸11のリング溝12、12′にシールリング13、1
3′が装着され、軸11の回転に伴い鋳鉄(FC25)製のケ
ーシング14の内径面を摺動する。ケーシング14の上部に
油圧発生装置(図示省略)からの油の供給管15があり、
油圧計16により油圧が測定される。下部には漏れた油を
排出する排出管17があり、漏出した油量はメスシリンダ
18により測定される。また、熱電対19により油温が測定
できるようになっている。試験条件は、自動車用オート
マチック・トランスミッション用オイル(昭和シェル石
油社製:デキシロンII)を使用し油圧10kgf/cm2、軸回
転数4000rpm、油温120℃で50時間行なった。漏れ測定は
油圧10kgf/cm2、軸回転数1000rpm、油温25、40、60、8
0、100、120℃で行なった。また、合口スキマの寸法も
前記の熱サイクル試験のときと同様にして回転試験の前
後に測定した。
得られた結果を第5図、第6図および第3表に示す。
第5図は回転試験を行なう前の油漏れ量を示し、第6図
は50時間の回転試験を行なった後の油漏れ量である。さ
らに第3表は回転試験前後の合口スキマ寸法である。
比較例1および2: 実施例と同様にして、第1表に示す配合組成のシール
リングを作製し、これらについて熱サイクル試験および
回転試験を行ない、得られた結果を第3図〜第6図、第
2表および第3表に併記した。
第2表および第3表から、従来のグラファイトを充填
したシールリング(比較例1)およびグラスファイバー
を充填したシールリング(比較例2)に比べ、この発明
におけるシールリング(実施例)は圧縮クリープ変形に
よる合口スキマの増大は見られない。また、第3図およ
び第4図においては、従来のシールリング(比較例1お
よび2)の試験後の油漏れ量は試験前に比べ増加してい
るが、この発明に基づくシールリング(実施例)は逆に
減少し、すぐれた性能を示していること、さらに、第5
図および第6図からは、熱サイクル試験における漏れ測
定結果と同様、この発明によるシールリング(実施例)
は従来のシールリング(比較例1および2)に比べすぐ
れた性能を示していることがわかる。
〔効果〕
以上述べたように、フッ素樹脂を主成分とするこの発
明のシールリングは、吸油した際に膨張することによ
り、高温時のクリープ変形によるシールリングの径方向
等の隙間を補填し、低温シール性を改善するものであ
り、油圧装置の運転開始直後の低温時においても優れた
シール性がある。特にオートマチック・トランスミッシ
ョンの回転軸のシールリングに使用することで油漏れ量
が少なくなり、オイルポンプの容量を小さくすることが
可能である。したがって、この発明の意義はきわめて大
きいといえる。
【図面の簡単な説明】
第1図は熱サイクル試験機の原理を示す模式化した要部
断面図、第2図は回転試験機の原理を示す模式化した要
部断面図、第3図は熱サイクル試験前の油漏れ量を、第
4図は熱サイクル試験後の油漏れ量を、また、第5図
は、回転試験前の油漏れ量を、第6図は回転試験後の油
漏れ量をそれぞれ示す図である。 1,11……軸、 2,2′,12,12′……リング溝、 3,3′,13,13′……シールリング、 4,14……ケーシング、 5,15……油の供給管、 6,16……油圧計、7,17……排出管、 8,18……メスシリンダ、 9……オイル、10……恒温槽、 19……熱電対。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素樹脂を主成分とし、これに吸油しや
    すい材料を配合した組成物からなることを特徴とする油
    圧装置のシールリング。
JP63166260A 1988-07-04 1988-07-04 油圧装置のシールリング Expired - Lifetime JP2675579B2 (ja)

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JPH0217270A JPH0217270A (ja) 1990-01-22
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001031237A1 (fr) * 1999-10-21 2001-05-03 Daikin Industries, Ltd. Bague d'etancheite

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