JP2671136B2 - ポリエステル系塗料組成物 - Google Patents

ポリエステル系塗料組成物

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JP2671136B2 JP63204581A JP20458188A JP2671136B2 JP 2671136 B2 JP2671136 B2 JP 2671136B2 JP 63204581 A JP63204581 A JP 63204581A JP 20458188 A JP20458188 A JP 20458188A JP 2671136 B2 JP2671136 B2 JP 2671136B2
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直記 岡本
芳明 立野
良文 石井
和昭 加藤
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東和化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は塗膜の柔軟性や耐水性を損なうことがなく、
塗膜の耐候性が高く、塗膜性能のバランスの優れたポリ
エステル系塗料用樹脂組成物に関するものである。
(従来の技術と発明が解決しようとする課題) 一般にポリエステル系塗料用組成物は、多塩基又はそ
の酸形成性誘導体(例えば酸無水物、エステルなど)及
び多価アルコール並びに、更に必要に応じて油との反応
生成物を塗膜形成主要素としたものであり、塗装の際の
作業性に優れ、肉持感及び光沢のある美しい塗膜外観を
有し、柔軟性や耐候性などの優れた塗膜を与える特徴が
あることから、自動車などの塗装用に使用されている。
しかし、塗膜が長時間屋外に暴露されるなどの厳しい
条件の用途に使用された場合、時間とともに塗膜表面が
劣化して膜表面の光沢が低下したり、ワックス等により
色落ちや色焼けを生じるなどの課題があった。
近年、省資源の観点から、更に耐候性が優れ、且つ寿
命が長い塗料用組成物の開発が各種産業分野で要望され
てきた。とりわけ自動車産業においてその要望が強く、
2〜3年の屋外暴露、1000時間のサンシャイン型ウェザ
オメーターによる促進暴露を経た後の光沢保持率が、そ
れぞれ70〜80%、80%以上と高度な目標が設定されるよ
うになってきた。
多塩基酸又はその酸形成性誘導体の酸成分が一種類だ
けからなるポリエステル系塗料の場合には、柔軟性、耐
水性及び耐候性といった塗膜性能のバランスを良好に保
持することが比較的に困難であるので、二種以上の多塩
基酸等の混合物を酸成分として多価アルコールと反応さ
せることが行われている。
しかし、二種以上の多塩基酸の混合物等を反応に使用
すると各酸成分の反応性がそれぞれ異なるので均一な重
合体が得られず、一定の品質のものを安定的に製造する
ことが困難であったり、塗膜性能の総合的な改良効果が
不十分になるなどの欠点があった。
一方、このような課題を解決し、前記要求に応えよう
とした塗料用組成物の製造技術も紹介されており、それ
には例えば特開昭59−93759号公報に紹介されているよ
うな方法がある。その要点は特定の酸成分を各々別個に
アルコール成分と常法に従い反応させて、得られた少な
くとも二種以上の反応生成物を常温〜150℃でブレンド
する方法である。またそのときの反応条件は例えば180
〜250℃で加熱反応するというものであった。
しかしこの方法は、二種以上の反応工程が別個に要求
されることやその他にブレンド工程が要求されるという
繁雑な製造工程を経るものであり、製造コストが高くな
ってしまうので経済的に有利なものとは言い難い。
従って、商業的な生産が有利にできて、且つ、柔軟性
及び耐水性並びに耐候性等の塗膜性能のバランスの優れ
た塗料用組成物が切望されていた。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、上記課題を解決するべく鋭意研究を重
ねた結果、酸成分を芳香族カルボン酸又はその酸形成性
誘導体の中から選ばれた少なくとも一種及び1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸に特定してアルコール成分との
反応を一段にし、更にそれぞれの割合を特定の範囲にす
ることにより均一に重合体を調製し、塗膜の柔軟性や耐
水性を損なうことなく塗膜の耐候性を高め、塗膜性能の
バランスに優れたポリエステル系塗料組成物を開発する
ことに成功し、本発明を完成するに至った。
以下に本発明の内容を更に詳細に説明する。
本発明のポリエステル系塗料組成物は (a)1,4−シクロヘキサンジカルボン酸40〜80重量
部、及び (b)芳香族カルボン酸及びその酸形成性誘導体の中か
ら選ばれた少なくとも一種の酸成分20〜60重量部[但
し、(a)+(b)=100重量部]の組成を有する酸成
分と多価アルコールとをエステル化反応させて得られた
生成物を含むことを特徴とするポリエステル系塗料組成
物である。
上記二種類の酸成分とアルコール成分とを加熱し、通
常のポリエステル化反応に従って反応させることによっ
て、本発明の改良された塗膜性能を与えるポリエステル
系樹脂組成物を得ることができる。この時の反応温度
は、例えば180〜250℃程度にすることができる。
無水フタル酸のような芳香族カルボン酸を核成分とし
て用いたポリエステル樹脂は最も一般的に実用化されて
いるものであるが、光沢や硬化性に優れているという反
面、高度の耐候性を得ることは極めて困難である。本発
明では、この問題点を解決するために鋭意検討を行った
結果、ポリエステル樹脂の原料である酸成分として、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸と芳香族カルボン酸及
びその酸形成性誘導体とを特定の比率で混合したものを
使用することにより、耐候性を有し、しかも光沢及び硬
化性等の性能を保持し、性能バランスの優れた塗料用ポ
リエステル系組成物を作ることに成功したのである。
次に、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸について更
に述べると、一般に、シクロヘキサン環を有する脂肪族
カルボン酸類は、芳香族カルボン酸類に比較して、それ
らより合成されるポリエステル類の塗料特性への影響と
して、耐候性を向上させる特性を有する。
これは、飽和された環の構成物は、芳香族間の構成物
に比べて、紫外線吸収の度合いが少ないためと考えられ
る。
しかも、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸は、その
一般的な特性に加え、通常シス体とトランス体の異性体
との均一な混合物であり、その融点は170℃以上である
が、ほとんどの多価アルコール中に、150℃以下の温度
で溶解することと、カルボン酸基が1,4−位に位置して
いるという構造的な特徴がある。即ち、立体規制上、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸などのような、1,4位以外の位
置に置換した脂環族多塩基酸類に比し、1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸は各種の多価アルコールとのポリエ
ステル化反応が容易に進み易いという特徴があり、工業
化に際し、製造工程の短縮などの効率化も図ることがで
きる。
更に、反応生成物が線状のポリエステル構造体である
ことから染料用ポリエステル組成物の性状として、耐候
性だけが優れているのではなく、塗膜性能の総合バラン
ス、即ち塗膜の柔軟性や耐水性を損なうことなく、塗膜
の耐候性を高め、塗膜性能のバランスの優れた塗料を提
供することができる。この酸の構成成分(a)である1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸の量が40〜80重量部の
範囲外の場合には、目標とする改良効果が充分には認め
られない。即ち、40重量部未満では耐候性が不十分であ
り、80重量部を超えた場合には芳香族カルボン酸に起因
する性能である塗膜の光沢性や硬化性が不十分となり、
いずれも好ましくない。
次に酸の構成成分(b)である芳香族カルボン酸とし
ては、無水フタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸が代表的なものであるが、無水トリメリット酸あ
るいは無水ピロメリット酸などの多塩基酸も必要に応じ
て使用できる。但し、塗膜性能で、特に良好な耐候性を
望む場合には、最も一般的に使われる無水フタル酸より
もイソフタル酸が好ましく、また強靭性を望む場合に
は、トリメリット酸が好ましい。
次に、上記の酸成分と共に使用される多価アルコール
の代表例としては、エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジ
オール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノ
ール、水素化ビスフェノールAなどの二価アルコール、
及びグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパンなどの三価アルコール、及びペンタエリスリ
トール、ジペンタエリスリトール、エリスリトール、キ
シリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトー
ル、ラクチトールなどの四価以上のアルコールなどを挙
げることが出来る。但し、塗膜性能で耐水性及び硬度を
望む場合には、トリメチロールプロパンやトリメチロー
ルエタン等が好ましい。その他の不随意な成分として使
用される油又は脂肪酸成分としては、ヤシ油、大豆油、
ヒマシ油、サフラワー油及びトール油脂肪酸などの天然
油脂やカージュラE(シェル化学社製品;α−アルキル
C911モノカルボン酸の2,3−エポキシプロパノイルエ
ステルの商品名)などの合成樹脂酸など、従来アルキッ
ド樹脂用成分として一般に使用されているものを挙げる
ことができる。更に、主としてタワミ性、付着性及び耐
候性に優れた焼き付け型金属用塗料にするため、上記の
方法で製造したアルキッド樹脂を、さらにメラミン樹脂
や尿素樹脂などのアミノ・ホルムアルデヒド樹脂で変性
して自動車塗料用などに使用することができる。
反応生成物の調製に際して、油成分を使用する場合に
は、全配分物中の油成分の量(油長と称する)が50重量
%以下であり、また、反応生成物の数平均分子量は1000
〜8000のものが通常使用される。
油長が50%を超えると塗膜硬度が低いのみならず、充
分な耐候性も得らなくなり、また数平均分子量が1000未
満である場合には、塗膜の硬度も低く、しかも耐薬品性
も悪く、逆に8000を超えるときには、分子量が高過ぎて
スプレー作業性が悪くなったり、アミノ・ホルムアルデ
ヒド樹脂とのブレンド時の貯蔵安定性を顕著に低下させ
ることにより実用性がなくなる。
アミノ・ホルムアルデヒド樹脂として代表的なものに
は、炭素数1〜4の一価アルコールでエーテル化された
メラミン樹脂や尿素樹脂があるが、より優れた耐候性を
望む場合は、メラミン樹脂が好ましい。尚、その配合量
は、一般のポリエステル系塗料組成物の場合の配合比と
変わるところはなく、酸成分とアルコール成分との反応
生成物の混合物、固形分重量あたり10〜50重量%の範囲
内、通常は20〜30重量%配合して焼き付け乾燥型の塗料
として用いられる。
(実施例) 次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明の具体的に
説明するが、本発明をこれらの実施例に限定するもので
ないことはいうまでもない。実施例中「部」及び「%」
は、特にことわらない限り重量基準である。
実施例−1 撹拌機、温度計、冷却器、水分離及び窒素導入管を備
えた反応器内にヤシ油190部、トリメチロールエタン84
部を仕込み窒素気流中で撹拌しながら220℃で1時間ア
ルコール交換反応を行った。次いで、この反応液に1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸238部、イソフタル酸239
部、トリメチロールエタン36部、ネオペンチルグリコー
ル188部、1,6−ヘキサンジオール39部をそれぞれ添加
し、200℃で3時間保持し、次いで220℃まで徐々に2時
間を要し昇温させ、さらに3時間脱水反応を行った。放
冷後、キシレンを添加して樹脂分60%の樹脂溶液を得
た。
実施例−2〜4 第1表の配合にしたほかは実施例−1と全く同様に反
応させて樹脂溶液を得た。
比較例−1〜3 第1表の配合にしたほかは実施例−1と全く同様に反
応させて樹脂溶液を得た。
比較試験 前記の各実施例及び比較例で得た7種の反応生成物を
用いて以下の塗料を製造した。
次いで、これを溶剤で希釈し、エアースプレーで30〜
35μの膜厚に塗装した後、140℃で30分間焼き付けを行
って試験片を得た。それぞれの試験片を用いて塗膜性試
験を行った結果を第1表に示した。
(塗膜性能試験) 各性能試験は、基本的にはJISK5401に準拠し行った。
○光沢性:鏡面光沢計を用いて、入射角と受光角とが、
それぞれ60度のときの反射率(%)で表した。
○耐候性:サンシャイン型ウェザオメータを用いて、10
00時間促進試験を行った後の光沢度を測定して耐候性と
した。
○:硬度:引っかき試験器を用いて、塗膜の引っかき抵
抗性を鉛筆のしんの硬さを変えたときの塗膜の破れで調
べた。
○:耐酸性:試験片を硫酸(1+9)に5時間浸して、
塗膜の状態を調べた。
◎・・・優秀(全く異常が認められない) △・・・普通 ×・・・劣る (発明の効果) 以上の記載から明らかなように、本発明によれば、商
業的に有利に、柔軟性及び耐水性並びに耐候性等の塗膜
性能のバランスの優れた塗料用組成物を製造することが
できる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)1,4−シクロヘキサンジカルボン酸4
    0〜80重量部 (b)芳香族カルボン酸及びその酸形成性誘導体の中か
    ら選ばれた少なくとも一種の酸成分20〜60重量部[但
    し、(a)+(b)=100重量部]上記(a)及び
    (b)の組成を有する酸成分と多価アルコールとをエス
    テル化反応させて得られた生成物を含むことを特徴とす
    るポリエステル系塗料組成物。
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