JP2669600B2 - 自動クロス・カラー除去 - Google Patents

自動クロス・カラー除去

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JP2669600B2
JP2669600B2 JP6246155A JP24615594A JP2669600B2 JP 2669600 B2 JP2669600 B2 JP 2669600B2 JP 6246155 A JP6246155 A JP 6246155A JP 24615594 A JP24615594 A JP 24615594A JP 2669600 B2 JP2669600 B2 JP 2669600B2
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  • Processing Of Color Television Signals (AREA)
  • Color Image Communication Systems (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全般的には画質向上に
関する。具体的に言うと、本発明は、画像記憶媒体と、
画像記憶媒体を走査するイメージ・スキャナのスペクト
ル応答の間の色相互作用を補正するシステムおよび方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】フィルムからのカラー画像再生は、フィ
ルムと、化学的、生物学的または電子的な結像機構のス
ペクトル応答との間の複雑な色相互作用の影響を受け
る。色較正は、異なるフィルム、スキャナおよびプリン
タの間での主な問題である。組合せのそれぞれが、異な
る特性を有するので、補償しなければ異なる結果がもた
らされる。この問題の解決は、画像制作をフィルム・ベ
ース産業からコンピュータ・ベース産業へ変換するため
の必須要件である。しかし、相互作用する変数の数が非
常に多いので、較正は数学的に非常に難しい問題になっ
ている。
【0003】カラー画像再生に影響する相互作用は、主
に4つある。第1は、被写体のスペクトルとフィルムの
スペクトル感度の相互作用である。第2は、フィルム内
の染料の吸収スペクトルが経年変化することである。第
3は、フィルム内の染料のスペクトルとスキャナのスペ
クトル応答の相互作用である。第4は、印刷物の染料
と、環境光および人間の目との相互作用である。
【0004】写真フィルムでは、3つの相互に関係する
染料記録すなわち、撮影される情景の赤、緑および青の
情報に対応するシアン、マゼンタおよびイエローを使用
して画像を記録する。人間の目と同様に、各染料層は、
スペクトルの異なる領域の光を優先的に吸収する。しか
し、各フィルムの染料層は、赤、緑または青の領域の光
を、他のフィルムとは異り、特に人間の目の生物学的セ
ンサとは異なる形で吸収する。さらに、フィルム内のシ
アン、マゼンタおよびイエローの染料は、スペクトル分
布中の所望の赤、緑または青の帯域の光を吸収するだけ
ではなく、所望の帯域以外の帯域の光も吸収する。
【0005】フィルムが年を経るにつれて、染料層内の
記録のそれぞれは、化学的経年変化または光による経年
変化のために色や密度が変化する可能性がある。時間と
共に、記録された画像のコントラストが下がり、ハイラ
イト領域では画像の陰の領域よりもコントラスト低下が
大きく、また、染料の色も変化するので、染料とスキャ
ナの相互作用も変化する。したがって、フィルムが年を
経るにつれて、フィルムに記録された画像は、フィルム
が新しかった時に記録されていたものから徐々に変化
し、画質が低下する。
【0006】スキャナは、フィルム内の染料のそれぞれ
の光学的変調を測定して、原情景の赤、緑および青の含
有量を評価するのに使用される。赤、緑または青の帯域
内で適度な幅の周波数範囲の周波数をピックアップする
ように設計されたスキャナは、他の染料層からもいくら
かの色クロストークをピックアップする。スキャナは、
たとえばレーザ・スキャナなど、3つの染料のピーク吸
収で単色性の感度を有するにように設計することができ
るが、各色チャネルのスペクトル応答が狭ければ狭いほ
ど、システム効率またはシステム感度が低下する。ほと
んどのスキャナは、色ごとにある帯域の周波数を使用し
て感度を高めているが、このスペクトル応答幅のため
に、色クロストークがもたらされる。補償を行わない場
合、走査された画像の「緑」は、原画像の青または赤の
周波数をいくぶんか含んだ結果となる。フィルムとスキ
ャナの組合せのそれぞれが、異なった結果をもたらす。
この問題は、上で述べたように、染料層のそれぞれが所
望の帯域の外の光も吸収するという事実のためにさらに
悪化する。フィルムとスキャナの組合せのそれぞれが独
自の結果をもたらすのみならず、その結果は、フィルム
が年を経るにつれて変化する。通常、従来技術では、異
なるフィルムとスキャナの組合せを実験室で測定し、そ
の結果のテーブルによって色クロストークを補償してき
た。技術者が、走査されるフィルムと使用されるスキャ
ナとに基づいて適切なデータを入力する。フィルム特性
とスキャナ特性の両方の知識を有する高度な技量の技術
者が必要であることに加えて、従来技術では、経年変化
の影響を補償できない。
【0007】環境光の光のスペクトルによっては、プリ
ントの染料は全く異なって見える可能性がある。当初の
フィルムへの画像の取込みの際にも、原情景のライティ
ングとフィルムの相互作用という古典的な問題が存在す
る。これは、緑、螢光、桃紫などにつながる。
【0008】上で述べた4つの問題のうちで、本発明
は、フィルム内の染料層とスキャナのスペクトル感度の
相互作用を補正し、フィルム内の染料層の経年変化を補
正する。したがって、色較正の問題は、より処理しやす
いサイズに縮小される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、フィルム内の染料とスキャナのスペクトル感度
の相互作用を測定し、補償することである。
【0010】本発明のもう1つの目的は、フィルム内の
染料層の経年変化を測定し、補償することである。
【0011】本発明のもう1つの目的は、上記目的を実
行するのに必要な操作員の知識を最小にすることであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記その他の目的、特徴
および長所は、画像記憶媒体の各層の粒子パターン内の
ノイズの相互相関と自己相関に基づいて、画像記憶媒体
の層の間の色クロストークを決定することによって達成
される。実験室条件での以前の測定に頼るのではなく、
本発明は、複数のスペクトル帯域で記憶媒体を走査し
て、染料層のそれぞれに記憶された記録を導出する。コ
ンピュータによって、それぞれがスペクトル帯域のうち
の1つに対応する走査画像の複数の色記録の間で、画素
のグループの自己相関と相互相関を導出する。本発明
は、染料層のそれぞれがフィルム内に別々に沈着される
ので、ある層の粒子境界からの「ノイズ」は、他の層の
粒子境界に起因する「ノイズ」と独立であると予想され
るという観察に基づいている。別々の色走査の間にノイ
ズの相関がある場合、これは、スキャナが、色走査の際
に複数の層にある粒子境界を測定しているからである。
【0013】ノイズを測定するためには、染料層のそれ
ぞれの画像に起因する記録の変動が、別々の色走査の間
で相関するので、画像とノイズを分離しなければならな
い。1実施例では、画像の詳細に起因する自己相関を使
用して、相互相関の値に重みを付ける。画像が強い区域
では、画像が弱い区域と比較して、相互相関を割り引
く。代替案では、画像相関が低い空間周波数の相関にな
る傾向を有するのに対して、ノイズの相関が高い空間周
波数の相関になる傾向を有するので、低周波数の相関
を、相互相関計算から割り引くことができる。
【0014】走査画像の色記録に関する相関を決定した
後に、フィルム内の染料とスキャナのスペクトル感度の
相互作用を補償する補正値を計算する。これらの補正係
数は、フィルム画像の走査を数学的に加工して、色クロ
ストークのない走査画像を作るのに使用される。色クロ
ストークに関して画像を補正したならば、フィルムの経
年変化の影響を定量化することができる。色密度の経年
変化を補償できる。
【0015】
【実施例】図1に、本発明の原理を示す。通常のフィル
ムは、一連の画像14を含む1つまたは複数のフレーム
10を有する。プリズム18を使用して、画像14を、
それぞれが電磁スペクトルの異なる部分に関連する複数
の個々の色記録に分離する。具体的に言うと、フレーム
10のフィルム画像の赤外画像20、赤画像22、緑画
像24および青画像26が分離され、コンピュータにデ
ィジタル形式で記憶される。赤、緑および青の記録は、
主に、フィルム記憶媒体のシアン層、マゼンタ層および
イエロー層に対応する。
【0016】赤画像22、緑画像24および青画像26
のそれぞれには、主に、画像のうち、それぞれの可視ス
ペクトルに関連する部分が含まれる。たとえば、緑の記
録には、画像のうち全般的に緑の色相を有する成分が含
まれるので、緑画像24には葉が示されている。また、
画像14の緑以外の部分は、実質的に緑画像24に存在
しない。しかし、上で述べたように、緑記録の情報の一
部は、フィルム内のイエロー層またはシアン層と、スキ
ャナの緑走査のスペクトル感度との間の色クロストーク
の結果である可能性がある。
【0017】赤外走査は、フィルム媒体自体の不完全性
を検出するのに使用される。本発明と同一の譲受人に譲
渡され、参照によって本明細書に組み込まれる係属出
願、米国特許願番号第878587号明細書に記載され
ているように、フィルム記録内の泡やかき傷などの不完
全性は、赤外走査で識別される。赤、緑および青の記録
のこれらの位置に対応する画素は、赤外記録に基づいて
画像データを再正規化することによって補正される。困
ったことに、赤外走査には、赤感度すなわちシアン形成
層からのクロストークがあり、これが欠陥として識別さ
れる可能性がある。本発明は、赤外走査における赤クロ
ストークの補正に使用することができる。
【0018】フィルムの赤外画像20、赤画像22、緑
画像24および青画像26のそれぞれは、染料強度また
は色強度の画素ごとのマップとしてコンピュータに記憶
される。グラフ28、30、32および34では、画素
位置に関して画像強度がプロットされている。グラフ2
8は、走査された赤外画像20に対応し、グラフ30
は、走査された赤画像22に対応し、グラフ32は、走
査された緑画像24に対応し、グラフ34は、走査され
た青画像26に対応する。グラフのそれぞれが、画像強
度の絶対値が相対的にほとんど変化せず、小さい領域で
の強度の変化が主にノイズに起因する「ノイズ区域」に
対応する水平域と、強度の差が主に画像自体に対応する
鋭く増減する区域とを有する。諸色強度は、画像区域内
で相関すると理解することができるが、ノイズ区域の諸
色強度は、フィルムの各層の染料粒子が別々に沈着され
るので、相関しないと予想される。画像すなわち、赤の
花弁から緑の葉への変化に起因する相関は、走査された
画像の間での全体的な自己相関と相互相関の計算から除
去しなければならない。走査された画像間の対応する画
素の間の残りの自己相関と相互相関を決定し、合算し
て、走査された画像に関する全体的な自己相関と相互相
関を得る。これらの全体相関は、できる限り大きな区
域、たとえばフィルム・ストリップ全体から計算される
ことが理想的である。しかし、単一の画像の空など、画
像の詳細が比較的少ない区域であれば、小さい区域であ
っても、自己相関と相互相関の近似値を導出するために
走査することができる。画像の詳細が比較的少ない区域
は、ノイズと詳細の両方からなる全画像活性度が比較的
均一で低い区域として思い出される。
【0019】図2ないし図5は、赤画像記録と緑画像記
録の間の相互相関ノイズと無相関ノイズを示す図であ
る。画像は粒子からなるので、粒子境界にノイズがあ
る。これらの粒子は、統計的な意味で画像を形成する
が、個々の粒子はランダムである。
【0020】図2が、赤の走査された画像の画像強度を
表し、図3ないし図5が、緑の走査された画像の第1、
第2および第3のサンプルの画像強度を表すと仮定する
と、いくつかの観察を行うことができる。図2と図3の
場合、第1の緑画像と赤画像は、強く正に相互相関して
いる。これは、赤画像が正の値を有する時に、緑画像も
正の値を有する確度が高く、赤画像が負の値を有する時
に、緑画像も負の値を有する確度が高いことを意味す
る。相互相関の式は、すべてのXY値についてCros
RG=R(X,Y)G(X,Y)という形式になるの
で、赤画像と緑画像の全体相互相関は、正の高い値を有
する。この例では、強度が、相対0の上下を動くものと
して示されている。便宜上、この0は、問題の区域全体
の平均強度であると解釈する。実際には、これは、自己
相関と相互相関が、後に詳細に説明するように、平均項
に対応する低周波を除去した後の画像に適用されること
を意味する。図2と図4の場合、赤画像と第2の緑画像
の間に強い負の相関がある。すなわち、赤画像が正の
時、緑画像は負である。上の相互相関式によれば、これ
は負の値をもたらすはずである。図2と図5を比較する
と、第3の緑画像が、赤画像とほとんど相関しないこと
がわかる。正の赤画像強度値は、同一画素の緑画素の正
負いずれの値にも対応せず、その結果、各画素の相互相
関の合計は、ほぼ0になるはずである。さまざまな層か
らのノイズは、前の組合せよりも図2と図5の組合せに
よく似るであろうと予想される。数学的相互相関では、
すべての周波数が積分される。主要周波数は直流または
定数バイアスであるから、相互相関を実行する前に直流
周波数を除去しなければならない。これは、画像を高域
フィルタに通し、画像データの平均がどの区域について
も0付近になり、図2ないし図5に示されたように各画
素について画像データが0の上下を交互に変化するよう
にすることによって除去される。下で述べるように、こ
の高域フィルタは、粒子の相互相関から画像の詳細を除
去するのにも有用である。
【0021】高域フィルタは、粒子による影響が最も大
きく、画像による影響が最も小さい周波数を通過させる
ように選択しなければならない。高域フィルタに関し
て、多くの設計が公表されている。単純だが効率的なフ
ィルタは、画像Aを操作して画像Bを作るが、ここで、
画像Bの各画素は、画像Aの対応する画素の値から、画
像Aの左の画素の値の半分を引き、画像Aの右の画素の
値の半分を引くことによって導出される。
【0022】図6は、3つの典型的なフィルム染料の吸
収と、複数の一般的な青センサの感度範囲を示す図であ
る。イエロー染料の吸収曲線35は、光の青波長に対す
るフィルムの青感光層吸収感度の主な尺度であり、マゼ
ンタ染料の吸収曲線37およびシアン染料の吸収曲線3
9は、それぞれ光の吸収に対するフィルムの緑感光層ま
たは青感光層の主な尺度である。ここでは青を例として
使用するが、この問題は他の色についても同様である。
ほとんどのセンサが、他の染料から多少のクロストーク
を検知するが、センサのそれぞれが、異なる量のクロス
トークを検知する。図6に示された染料は、典型的なも
のであるが、フィルムによって相違があり、その相違が
センサのそれぞれに異なる影響を及ぼす。たとえば、マ
ゼンタ染料の吸収曲線37のピークを長波長よりに移動
する、すなわち、フィルムに異なるマゼンタ染料を使用
すると、緑から青へのクロストークは、目41の場合に
は減るが、レーザ・スキャナ43の場合にはわずかに増
加するはずである。フィルムが年を経るにつれて、マゼ
ンタのピークが左右にずれて色が変化し、密度が全体的
に失なわれるので振幅も減少する。経年変化も、センサ
のそれぞれに異なる影響を及ぼす。したがって、センサ
とフィルムとフィルムの年数の組合せのそれぞれで、独
自のクロストーク効果が生じる。色相互の相関がわずか
に変動しても、最終画像の芸術的精度や技術的精度に影
響する。その結果、ディジタルの世界の色精度が影響を
受ける。
【0023】図7に、画像取込みと色クロストークの測
定および補正のための代表的なシステムを示す。複数の
光フィルタ40、具体的には赤、緑、青および赤外のフ
ィルタを有するカラー・ホイール38を使用して、フィ
ルム12からさまざまな染料層の画像を分離する。ラン
プ42などの光源が、赤、緑、青および赤外のスペクト
ルの光を供給する。適当な色の光フィルタ40のそれぞ
れがフィルムとランプの間に置かれる時に、赤、緑、青
および赤外の波長の光が、フィルムのフレームを通り、
カメラ46に取り込まれる。その結果、生成されたビデ
オ信号47を、適当なコンピュータ48に転送すること
ができる。順次色画像を生成する作業は、コンピュータ
48からの制御線44によって全般的に示されるように
自動化することができる。制御線44は、周辺装置への
制御信号を担持し、この制御信号によって、カラー・ホ
イール38上の光フィルタ40を進ませ、フィルム12
を所望のフレーム10に進ませ、ランプ42の強度を所
望のスペクトル応答に合わせて制御する。カラー・モニ
タ50を使用して、望みに応じて画像を見る。キーボー
ド52が、コンピュータ48にユーザ入力を供給する。
【0024】図8は、図7に示されたコンピュータ48
の構成要素を示すブロック図である。コンピュータ48
には、1つまたは複数のシステム・バス58が含まれ、
これにさまざまな構成要素が結合され、これによってさ
まざまな構成要素の間の通信が達成される。マイクロプ
ロセッサ60は、システム・バス58に接続され、やは
りシステム・バス58に接続された読取り専用メモリ
(ROM)61およびランダム・アクセス・メモリ(R
AM)62によってサポートされる。たとえば、IBM PS
/2シリーズのコンピュータのマイクロプロセッサは、3
86または486マイクロプロセッサを含むIntel社の
マイクロプロセッサ・ファミリーの1つである。IBM PS
/2シリーズのコンピュータに関する参考文献は、Techni
cal Reference Manual Personal System/2 (Model 80)
IBM Corporation Part No. 68X2256, Order Number S68
X-2256である。しかし、68000、68020または
68030マイクロプロセッサなどのMotorola社のマイ
クロプロセッサのファミリーや、IBM社、Hewlett Packa
rd社、Sun社、Intel社、Motorola社その他が製造するさ
まざまな縮小命令セット・コンピュータ(RISC)マ
イクロプロセッサを含む(それらに制限はされない)他
のマイクロプロセッサを、特定のコンピュータに使用す
ることができる。
【0025】ROM61には、コード、とりわけキーボ
ードを用いる対話やディスク駆動装置などの基本ハード
ウェアを制御する基本入出力システム(BIOS)が含
まれる。RAM62は、オペレーティング・システムと
アプリケーション・プログラムがロードされる主記憶で
ある。メモリ管理チップ64は、システム・バス58に
接続され、ハード・ディスク駆動装置66やフロッピー
・ディスク駆動装置67とRAM62の間のデータの受
け渡しを含む直接メモリ・アクセス動作を制御する。
【0026】システム・バス58には、さまざまな入出
力コントローラすなわち、キーボード・コントローラ6
8、マウス・コントローラ69およびビデオ・コントロ
ーラ70も接続される。予想されるとおり、キーボード
・コントローラ68は、キーボード52用のハードウェ
ア・インターフェースを提供し、マウス・コントローラ
69は、マウス71用のハードウェア・インターフェー
スを提供し、ビデオ・コントローラ70は、カラー・モ
ニタ50用のハードウェア・インターフェースを提供す
る。
【0027】スキャナ・コントローラ・カード72は、
カメラ46とインターフェースするために設けられ、コ
ンピュータ48による最終的な記憶と操作のためにディ
ジタル化された画像データを提供するためにビデオ取込
み機能を有する。このコンピュータには、高解像度ディ
ジタル画像に関連する大量のデータを格納するのに十分
なメモリが含まれる。本発明の好ましい実施例の1つ
は、プログラム76として、本発明によるシステムのマ
イクロプロセッサ60および他の構成要素を制御するた
めRAM62に格納される。たとえば、プログラム76
の1モジュールが、所望の赤、緑、青および赤外の画像
を生成するのに必要な制御ソフトウェアになるはずであ
る。このプログラム76の制御の下にあるマイクロプロ
セッサ60は、適当な周辺装置に伝送する必要のある信
号を、システム・バス58上に生成する。プログラム7
6の追加構成要素には、本明細書の記載による、走査画
像の画素の自己相関と相互相関に必要なステップが含ま
れる。RAMに常駐していない時には、このプログラム
を、ハード・ディスク駆動装置66内のハード・ディス
クやフロッピー・ディスク駆動装置67用のフロッピー
・ディスクなどの取外し可能コンピュータ・メモリな
ど、別のコンピュータ・メモリに格納することができ
る。
【0028】たとえば、ランプ、フィルタ・ホイール、
フィルム・ホルダおよびカメラ・アセンブリは、ニコン
社のフィルム・スキャナ・モデルLS 3500に含ま
れるものとすることができる。スキャナを修正し、赤外
走査の間に、組込み赤外フィルタを取外し、Kodak社のW
ratten 87 Cフィルタをその位置に挿入するようにす
る。この時、ランプの電圧を、通常の12Vから5Vに
落とす。テキサス州AustinのNational Instruments社製
造のGPIBカードが、コンピュータとフィルム・スキ
ャナをインターフェースする。
【0029】図9は、相関されたノイズを走査画像から
分離する処理を示す図である。赤、緑、青および赤外の
画像がディジタル化され、検索のため適当に記憶された
後、画素データを検索することによって画像処理が開始
される。フレーム10からディジタル化され取り込まれ
た画素のそれぞれは、それぞれ図1の赤画像22、緑画
像24、青画像26および赤外画像20に関連する赤画
素、緑画素、青画素および赤外画素に対応する。赤画
素、緑画素、青画素および赤外画素の組のそれぞれが同
一の位置に対応するので、これらの強度値は関連してお
り、コンピュータ・メモリに記憶され、コンピュータ・
メモリから検索される。画素のグループごとに、染料層
とスキャナ内の層の間のクロストークに起因する色の間
のノイズの相互相関を決定する。
【0030】図9を参照すると、矢印100によって表
される走査画像データが受け取られる。ステップ102
で生の青画素値を受け取り、ステップ104で生の緑画
素値を受け取る。ステップ106で生の赤画素値を受け
取り、ステップ108で赤外画素値を受け取る。これら
の生画素値は、スキャナが直接に検知した値である。こ
れらには、色記録の間に多少のクロストークが含まれて
おり、これから説明する処理によってそのクロストーク
を取り除く。図14に関連して下で説明するように、画
像の詳細が誤った相関の測定をもたらすので、これらの
画素を、まず高域空間フィルタによってフィルタリング
して、粒子から画像の詳細を取り除く。また、このフィ
ルタリング処理によって、直流周波数バイアスを取り除
く。この高域フィルタリングは、それぞれ図9のステッ
プ103、105および107で適用される。青、緑、
赤および赤外の画素のそれぞれの強度値を使用して、こ
の画素での自己相関と相互相関を決定する。ステップ1
10で、下記の式によって位置(X,Y)にある特定の
画素の自己相関を決定する。
【数1】AutoR=R(X,Y)2 AutoB=B(X,Y)2 AutoG=G(X,Y)2 AutoI=I(X,Y)2 ただし、R(X,Y)は、位置(X,Y)にある高域フ
ィルタリングされた赤走査画素の強度値、B(X,Y)
は、位置(X,Y)にある高域フィルタリングされた青
走査画素の強度値、G(X,Y)は、位置(X,Y)に
ある高域フィルタリングされた緑走査画素の強度値、I
(X,Y)は、位置(X,Y)にある高域フィルタリン
グされた赤外走査画素の強度値である。AutoR、A
utoB、AutoGおよびAutoIは、それぞれ赤画
素、青画素、緑画素および赤外画素の自己相関を表す。
【0031】単一画素の自己相関は、それがその画素の
二乗に過ぎないのであればむしろ無意味に思えることに
留意されたい。しかし、この値には、ステップ118お
よびステップ120で画像全体にわたって平均を取る時
に、統計的な意味での意味が生じる。
【0032】次に、ステップ112で、画素ごとに相互
相関を決定する。相互相関増分は、次式によって与えら
れる。
【数2】CrossRG=R(X,Y)×G(X,Y) CrossRB=R(X,Y)×B(X,Y) CrossBG=B(X,Y)×G(X,Y) CrossRI=R(X,Y)×I(X,Y) CrossBI=B(X,Y)×I(X,Y) CrossGI=G(X,Y)×I(X,Y)
【0033】ただし、CrossRGは赤画素と緑画素の
相互相関、CrossRBは赤画素と青画素の相互相関、
CrossBGは青画素と緑画素の相互相関、Cross
RIは赤画素と赤外画素の相互相関、CrossBIは青画
素と赤外画素の相互相関、CrossGIは緑画素と赤外
画素の相互相関である。
【0034】次に、ステップ114で、この特定の画素
での活性を決定する。これは、図14に関連して詳細に
説明するように、この画像の原画像に帯域フィルタまた
は高域フィルタのいずれかを適用することによって行わ
れる。どれほどの画像活性があるかを決定することによ
って、粒子測定に関する潜在的な干渉を査定する。ステ
ップ116で、活性レベルの逆数に従って、この画素の
自己相関と相互相関に重みを付ける。したがって、最小
の画像活性を有する区域が、粒子相関の決定に主に用い
られる区域になる。次に、ステップ118およびステッ
プ120で、重み付き自己相関増分と重み付き相互相関
増分を、走査画像区域の自己相関または相互相関の合計
に加算する。この処理を、走査画像の全体に対して、画
素ごとに繰り返す。
【0035】下記のプログラムを使用して、正規化され
た自己相関および相互相関の合計を計算することができ
る。画像のR(X,Y)、G(X,Y)およびB(X,
Y)を受け取る
【数3】SumAutoR=0 SumAutoG=0 SumAutoB=0 SumCrossRG=0 SumCrossRB=0 SumCrossBG=0 For each X, for each Y 注:このプログラムでは、範囲外の画素へのアクセスで
0が返されるものと仮定する。
【数4】HighR=R(X,Y)−R(X−1,Y)
/2−R(X+1,Y)/2 HighG=G(X,Y)−G(X−1,Y)/2−G
(X+1,Y)/2 HighB=B(X,Y)−B(X−1,Y)/2−B
(X+1,Y)/2 AutoR=(HighR2 AutoG=(HighG2 AutoB=(HighB2 CrossRG=HighR×HighG CrossRB=HighR×HighB CrossBG=HighB×HighG Mid=|R(X,Y)−R(X+1,Y)|+|G
(X,Y)−G(X+1,Y)|+|B(X,Y)−B
(X+1,Y)| Weight=1/(Mid+K) 注:Kは、0除算を防止するための定数であり、ほとん
どの画素についてMidより小さくなるように選択され
る値である。
【数5】SumAutoR+=AutoR×Weight SumAutoG+=AutoG×Weight SumAutoB+=AutoB×Weight SumCrossRG+=CrossRG×Weight SumCrossRB+=CrossRB×Weight SumCrossBG+=CrossBG×Weight 注:「+=」は、変数への加算を意味するC言語の表現
である。
【0036】相互相関と自己相関が決定されたならば、
さまざまな方法で相関係数を計算することができる。線
形代数行列法を使用することができる。ただし、より正
確ではあるがより複雑な方法を、下で図16および図1
7を参照して説明する。当業者であれば、他の処理も使
用可能であることを了解するであろう。
【0037】図10からわかるように、ステップ140
の補正行列を計算するためのプログラム・モジュールの
呼出しに応答して、ステップ142で走査画像の自己相
関を検索し、ステップ144で走査画像の相互相関を検
索する。ステップ146で、合算され、正規化された自
己相関と相互相関から行列を組み立てる。ステップ14
8で、この行列を解いて、組み立てられた自己相関/相
互相関行列の逆行列を計算することによって、独立性を
再確立する。相互相関係数は、互いに完全に独立ではな
いので、逆行列を作るだけでは問題を完全には解決でき
ない。相関係数の相対振幅を決定することはできるが、
色相に関するある仮定がそれに含まれている。
【0038】この行列の生成をこれから説明する。
【数6】
【0039】R1が原フィルムのある層の赤密度、G1
原フィルムの別の層の緑密度、B1が原フィルムのもう
1つの層の青密度であるとする。同様に、R2、G2およ
びB2は走査された色、R3、G3およびB3は本発明の方
法によって回復された色であるとする。
【0040】線形モデルでは、これらの色が下記の行列
によって関連する。
【数7】
【0041】ただし、たとえばGR12は、染料とスキャ
ナの相互作用によって引き起こされたクロスカラー汚染
によってR2に漏れたG1の量であり、たとえばGR
23は、出力R3を計算する時に、GR12によって引き起
こされた汚染を打ち消すために、回復される赤チャネル
に「加算」(GR23は負になってもよい)する必要があ
るG2の量である。
【0042】RR12、GR12、…、BB12またはR1
1、B1は未知であるが、本発明は、相関項から、
1、G1、B1の見積としてR3、G3、B3を回復するた
めに未知のRR12、GR12、…、BB12の影響を最もよ
く取り消すRR23、GR23、…、BB23項を見つけよう
と努める。
【0043】RR23、GR23、…、BB23を見つける際
には、前に見つかった相関項RR2c、GG 2c、BB2c
RG2c、RB2cおよびGB2cを使用する。
【0044】ここで、たとえばRG2cは、R2とG2の間
の相互相関であり、RR2cは、R2の自己相関である。
【0045】さらに、RG1c=0、RB1c=0およびG
1c=0であると仮定する。すなわち、元のR1、G1
よびB1の間の相互相関がすべて0であると仮定する。
これは、各層の粒子の独立性の結果として、前に述べた
ことである。この仮定から、最終目標は、RG3c=0、
RB3c=0およびGB3c=0も成り立つ行列係数R
23、GR23、…、BB23を見つけることになる。ただ
し、たとえばRG3cは、このアルゴリズムによって出力
される見積色R3とG3の相互相関である。
【0046】さらに、単位コントラストを維持するため
に、下記の制約条件を設ける。
【数8】RR23+GR23+BR23=1 RG23+GG23+BG23=1 RB23+GB23+BB23=1 染料の退色によって引き起こされるコントラスト変動
は、別々に補正可能であり、本明細書の別の箇所で述べ
る。
【0047】ここでRG3cはR3とG3の相互相関であ
る。しかし、
【数9】R3=RR23×R2+GR23×G2+BR23×B2 かつ
【数10】 G3=RG23×R2+GG23×G2+BG23×B2 であるから、
【数11】RG3c=RR2c×(RR23×RG23)+GG
2c×(GG23×GR23)+BB2c×(BR23×BG23
+RG2c×(RR23×GG23+GR23×RG23)+RB
2c×(RR23×BG23+BR23×RG23)+GB2c×
(GR23×BG23+BR23×GG23) 同様に、
【数12】RB3c=RR2c×(RR23×RB23)+GG
2c×(GB23×GR23)+BB2c×(BR23×BB23
+RG2c×(RR23×GB23+GR23×RB23)+RB
2c×(RR23×BB23+BR23×RB23)+GB2c×
(GR23×BB23+BR23×GB23) また、
【数13】GB3c=RR2c×(RG23×RB23)+GG
2c×(GB23×GG23)+BB2c×(BG23×BB23
+RG2c×(RG23×GB23+GG23×RB23)+RB
2c×(RG23×BB23+BG23×RB23)+GB2c×
(GG23×BB23+BG23×GB23
【0048】上の式では、前に述べたように、相関項R
2c、…、GB2cが、画像上の測定値から既知である。
クロスオーバー行列係数RR23、GR23、…、BB
23は、上で述べた単位コントラスト制約を受けて変動す
る可能性がある。これらは、RG3c=0、RB3c=0お
よびGB3c=0になるように変更されなければならな
い。これらの判断基準を満足する係数値は、この実施例
では反復的に発見される。
【0049】解を見つける際の便宜上、出力の赤R3
大半が通常は入力の赤R2であり、したがって項RR23
はGR23およびBR23より優位になり、実際にほぼ1に
なることに留意されたい。緑成分と青成分についても同
様である。さらに、自己相関項RR2c、GG2cおよびB
2cは、通常は相互相関項より優位になる。RR23、G
23およびBB23が1であるものとし、2つの非優位項
の積が0であるとすると、上の式は次のように簡略化さ
れる。
【数14】 RG3c≒RG23×RR2c+GR23×GG2c+RG2c RB3c≒RB23×RR2c+BR23×BB2c+RB2c GB3c≒GB23×GG2C+BG23×BB2c+GB2c
【0050】上の式は粗い近似でしかないが、反復解の
反復のそれぞれで変更する項目を選択するのには十分で
ある。
【0051】たとえば、RG3cが正であるならば、これ
を少なくする必要がある。RG3cを少なくするには、R
2cが測定によって固定されているので、RG23とGR
23から増分を減算する必要がある。単位コントラストを
考慮すると、RG23から減算される増分をGG23に加算
しなければならず、GR23から減算される増分をRR23
に加算しなければならない。
【0052】ここで、行列係数を解くためのアルゴリズ
ムを示す。0.01などの増分値Δを選択する 前に述べたとおり相関係数RR2c、GG2c、BB2c、R
2c、RB2cおよびGB2cを測定する 当初はRR23=GG23=BB23=1とし、また、GR23
=BR23=BG23=RG23=RB23=GB23=0とする Loop:前に展開した完全な式を使用して、行列と相
関項からRG3c、RB3cおよびGB3cを計算する SRG=Δ (RG3c>Δ×(RR23+GG23)の場
合) =−Δ(RG3c<−Δ×(RR23+GG23)の場合) =0 (上記以外の場合) SRB=Δ (RB3c>Δ×(RR23+BB23)の場
合) =−Δ(RB3c<−Δ×(RR23+BB23)の場合) =0 (上記以外の場合) SGB=Δ (GB3c>Δ×(GG23+BB23)の場
合) =−Δ(GB3c<−Δ×(GG23+BB23)の場合) =0 (上記以外の場合) 上では、前に導出した式から、RG23とGR23がΔだけ
増分される場合に、RG3c≒RG23×RR2c+GR23×
GG2c+RG2cが(RR2c+GG2c)だけ増分されるこ
とに留意されたい SRG=SRB=SGB=0であるならば、解が完了
し、成功裡に終了する RG23−=SRG GG23+=SRG GR23−=SRG RR23+=SRG RB23−=SRB BB23+=SRB BR23−=SRB RR23+=SRB GB23−=SGB BB23+=SGB BG23+=SGB GG23+=SGB Loopに進む
【0053】ここで、補正係数の行列を生の色走査に適
用して、さまざまな記録から色クロストークを分離する
ことができる。図11は、図10で計算された行列を使
用する処理の1つを示す図である。生走査画像値200
を、赤画像強度データ・ストリーム202、緑画像強度
データ・ストリーム204、青画像強度データ・ストリ
ーム206および赤外画像強度データ・ストリーム20
8で画素ごとに検索する。実世界に対する近似として、
また、下で説明する理由のため、ステップ210で画像
強度の三乗根を計算する。ステップ212の線形変換で
は、三乗根値に、行列213内の補正係数をかける。ス
テップ214で、結果の値を三乗して、線形値に戻し、
補正済み赤データ・ストリーム216、補正済み緑デー
タ・ストリーム218、補正済み青データ・ストリーム
220および補正済み赤外データ・ストリーム222と
して記憶して、補正済み走査画像値230を組み立て
る。
【0054】上で述べたように、線形代数法を修正し
て、実世界の非線形性に関する補償を行わなければなら
ない。波長に伴って吸収と透過率が変化する染料と、ス
ペクトル帯域に関して連続した広い範囲の波長を走査す
るセンサの実世界の事例を近似するために、線形変換を
三乗根領域で行う。三乗根がよい近似をもたらす理由を
理解するために、下記の2つの事例を検討されたい。第
1に、染料が完全に方形のスペクトル応答を有する、す
なわち、ある波長は完全に透過し、他の波長は、波長に
依存する割合で吸収され、各色波長は、1つの色染料だ
けによって吸収されると仮定する。また、各色センサ
は、実世界と同様に、広い範囲の波長に応答すると仮定
する。この第1の事例では、線形行列を線形領域で適用
し、明部と暗部を同等に扱う時に、線形行列によって完
全な分離が行われる。第2に、染料の吸収が、実世界と
同様に波長に伴って変化するが、スキャナは、光源とし
てカラー・レーザを使用した場合のように単一波長の組
だけに感応すると仮定する。この第2の事例では、線形
行列を対数領域で適用し、明るさに比例して暗部を拡張
し、明部を圧縮することによって、完全な分離が行われ
る。三乗根では、完全な分離は行われないが、これら2
つの事例の間のよい妥協であり、上の2つの事例の間で
暗部の拡張と明部の圧縮が行われ、広いスペクトル応答
を有するセンサを用いて実世界の染料を見た場合に良好
に動作する。
【0055】経年変化の影響をこれから説明する。経年
変化は、2つの変化をもたらす。すなわち、シアン染料
が緑がかってくるなどの色の変化と、異なる色記録に異
なる度合で影響する可能性のある密度の変化である。本
発明は、新しい染料の特性変化によって引き起こされた
ものであれ、単一の染料の経年変化による特性変化によ
って引き起こされたものであれ、染料色の影響を低下さ
せる。本発明によって、染料色変化に対する影響を除去
し、別々の純色画像を検索したならば、白黒画像に共通
する変化、具体的には画像の白点と黒点の間のコントラ
スト・ストレッチを使用して、これら別々の純色画像か
ら経年変化の影響を取り除くことができる。このコント
ラスト・ストレッチの適用は、本発明によって色記録を
分離した後でなければ良好に機能しないことを強調する
必要がある。従来技術のように分離手順の前に画像にコ
ントラスト・ストレッチを適用すると、色アーチファク
トが増大する。
【0056】コントラスト・ストレッチは、単色画像に
適用され、この場合では、本発明の方法によって赤、緑
および青の画像を完全に分離した後に、これらの画像に
別々に適用される。
【0057】コントラスト・ストレッチでは、最も明る
い画素と最も暗い画素を見つける。最も明るい画素が純
白にマッピングされ、最も暗い画素が純黒にマッピング
されるように、新コントラスト変換曲線を計算する。こ
れがコントラスト・ストレッチと呼ばれるのは、通常は
経年変化による画質低下によって、最も暗い画素が純黒
より明るくなり、最も明るい画素が純白より暗くなる
が、このマッピングによって、画素のグレイ・スケール
を実際に「ストレッチ(=引き伸ばし)」して、純黒か
ら純白までの範囲を包含するようにするからである。
【0058】図12の流れ図の矢印250によって示さ
れるように、画素ごとに、ステップ252で修正済み青
画素、ステップ254で修正済み緑画素、ステップ25
6で修正済み赤画素が受け取られる。ステップ260
で、これらの画像のそれぞれを、経年変化に起因する特
徴の喪失に関して、別々に測定する。上で述べたよう
に、染料色変化に起因する経年変化は、主にこの地点
で、前に述べた本発明の方法によって修正され、その結
果、青、緑および赤の個々の記録のコントラストの変化
だけが未修正のままになるようにしなければならない。
経年変化を補正する処理は、ステップ262から始ま
る。ステップ262では、青、緑および赤の画像のそれ
ぞれについて黒、白および中央の灰色の点を選択する。
黒の点は、経年前には黒であったと仮定される最低強度
値の画素である。白の点は、経年前には白であったと仮
定される最高強度値の画素である。中央の灰色の点は、
その特定の色画像に関して受け取られた中央の強度とし
て選択された点である。それぞれの画像の青、緑および
赤の画素のそれぞれに、それぞれの色曲線の黒から中央
の灰色を経て白に至るスケールに沿った値を割り当て
る。ステップ264で、コントラスト・ストレッチによ
って、グレイスケール曲線に沿った強度レベルを再計算
することによって、経年画像の曲線の計算された黒、白
および中間の灰色の点を、白および中間の灰色として知
覚される水準に移動する。ステップ266で、再計算さ
れた点を複合画像に組み立て、ステップ268で、ユー
ザに表示する。
【0059】上で述べたように、ノイズの画像強度には
相関がないが、画像には相関があり、したがって、相関
を測定する前にノイズを画像から分離しなければならな
い。好都合なことに、これは、画像とノイズを完全に分
離しなければならないノイズ減少の問題ではない。本発
明によれば、画像の任意の部分に関するノイズの相関の
導出が許容される。下で述べる本発明の実施例では、画
像の詳細が最も少ない部分の高周波部分に関する相関を
見つけて、染料層の間のノイズに関する相関を決定する
ことによって、空間排除と周波数排除の組合せを使用す
る。
【0060】図13は、画像信号と粒子ノイズの両方の
空間周波数スペクトルの変更の理由を示す図である。実
世界では、画像では境界ステップ関数が支配的であり、
源信号が周波数に反比例して減衰する。カメラのレンズ
は、高周波を減衰させる。次に、フィルム内の光学的濁
り度が、正規確率過程で高周波を減衰させ、かなり完全
なカットオフをもたらす。最後に、発色剤の拡散が、濁
り度の約5倍の周波数での減衰を引き起こす。現在のレ
ンズとフィルムを用いて実世界の画像から記録されるも
のは、1mmあたり約40本以上の空間周波数には事実
上何もない。このカットオフは、35mmフィルムの2
000×3000画素走査に対応する。逆に、粒子ノイ
ズは、平坦なスペクトルから始まり、上で述べたように
粒子サイズと染料拡散によって超高周波数でのみ減衰
し、1mmあたり100本を超える影響を有する。
【0061】図14に、ノイズの無画像成分を分離する
方法を示す。理論上、一部のノイズを完全に分離するた
めに、1mmあたり100本を超える空間周波数だけを
通過させることができる。しかし、実際には、この分解
能は今日のスキャナでは困難である。実用的な解決で
は、まず、約40本付近の周波数を分離して、画像の大
半を除去する。次に、刈り込みまたは重み付けによっ
て、画像のうちこれらの高周波で見られるエネルギが粒
子ノイズから優越する部分を強調し、高周波に画像詳細
も含まれる部分を刈り込みまたは強調する。たとえば、
フレーム間のブランクや、空、ぼけた背景などには、こ
れらの区域の強調を引き起こす特徴が含まれるはずであ
る。これらの区域には、小さい領域にわたって平均され
るとより低い自己相関を有するという特徴がある。高周
波についてのみ、また、最低の平均自己相関を有する画
像の区域についてのみ相関を取ることによって、粒子の
相関特性を画像の詳細と独立に測定できる。ノイズは、
画像全体にわたって一定であるから、画像内の他所より
多くの高周波を含む領域は、画像詳細のために活性度が
高い。また、中間周波をより多く含む画像区域には、お
そらく高周波にも影響する画像詳細が含まれる。いずれ
の場合でも、画像詳細なしにノイズだけを測定すること
が目的である時には、このような区域をデエンファシス
する必要がある。画像詳細に反比例して区域に重み付け
する簡単な方法は、段落番号0035に記載されたアル
ゴリズムによって与えられる。この方法では、単純に高
周波の強度をテストし、その強度に比例して区域を割り
引く。第2の方法は、図15に関連して説明する。
【0062】走査画像の各画素をテストして、相関の測
定に使用できるかどうかを判定する。ステップ300
で、テストを行って、自己相関がある閾値未満であるか
どうかを判定する。自己相関がこの閾値未満でない場
合、その画素は画像内容の多い区域に含まれ、破棄しな
ければならない。ステップ301で、この画素を不良と
してマーク、すなわち、この画素を相互相関に使用しな
いようにし、また、この画素を試験済みとして、すなわ
ち、閾値テストを介して自己相関を評価されたとしてマ
ークする。画素の自己相関が閾値未満の場合、ステップ
303で、その画素を「良」および試験済みとしてマー
クする。ステップ305で、合格したすべての画素を区
域「J」に属するものとして記憶する。区域Jは、N×
Mのブロックであると考えることができ、NとMは選択
可能であり、多くの画像の場合に4×4が推奨サイズで
ある。ステップ307で、テストを行って、区域「J」
に隣接する未テスト画素があるかどうかを判定する。未
テストの画素がある場合、これらの画素もテストして、
その自己相関が閾値未満であるかどうかを判定する。こ
れらが合格する場合、これらの画素を「良」および試験
済みとしてマークし、区域「J」に記憶するが、そうで
ない場合には、「不良」および試験済みとしてマークす
る。区域「J」に連続した未テスト画素がなくなったな
らば、ステップ309に進んで、この区域が完了したこ
とを示す。ステップ311で、「J」を1つ増分する。
ステップ313で、テストを行って、走査画像の他の区
域に未テストの画素があるかどうかを判定する。そうで
ある場合には、それらの画素をテストし、上で述べたよ
うに相互相関を測定するのに使用するための他の区域を
確立する。未テストの画素がなくなったならば、ステッ
プ315で処理を終了する。
【0063】上で述べたように、実世界は線形ではない
ので、ここまでに説明した方法は、レーザ・スキャナな
ど、スキャナのスペクトル応答がデルタ関数であるなら
ば正確な結果をもたらすことができる。三乗根領域に入
ることによって、広いスペクトル応答を有するスキャナ
に関する色クロストーク問題を解決する、近似的ではあ
るが有用な方法がもたらされる。しかし、下で説明する
本発明の第2の実施例は、はるかに計算集中的ではある
が、より正確な結果をもたらすことができる。
【0064】この技法の基本的な発想は、フィルムなど
の画像記憶媒体を走査し、相互相関計算に使用できる領
域を識別することと、相互相関係数が最小になるまでス
キャナまたはフィルムのいずれかのスペクトル応答を操
作することである。相互相関係数が最小になった時、染
料密度に関して計算された値は、フィルム内の実際の密
度に近くなっているはずである。新たに較正されたスキ
ャナを使用して、同一の染料を使用する他のフィルム画
像からの補正済み出力を作ることができる。代替実施例
では、走査処理のモデルを使用して、同一の染料を含む
他のフィルム素材からの較正済み出力を得るのに使用さ
れる補間テーブルを移植することができる。
【0065】図16からわかるように、ステップ350
で、画像記憶媒体内で識別されたパッチを走査する。こ
のパッチは、相互相関係数の二乗和が誤って0にならな
いようにするのに十分な個数でなければならない。絶対
必要な個数以上のパッチを有することが好ましいが、こ
れは、いくつかの不要な相互相関係数の計算をもたらす
可能性がある。ステップ351で、スキャナの出力を密
度空間に変換する。この変換は、スキャナのカラー・プ
レーンごとに1つの3つの1次元参照テーブルによって
実行できる。本発明を赤外領域にも使用したい場合に
は、第4のテーブルを追加する。これらの値を得ること
のできる手段の1つが、密度がほぼ線形であり、値が反
転するステップ・ウェッジを走査することである。密度
空間への変換の後には、密度空間内のスキャナ座標での
色パッチの画像が存在する。
【0066】画像が密度に変換されたならば、ステップ
353で、赤、緑および青の走査の測定密度DR、DG
よびDBを、ステップ361でスキャナ・モデルによっ
て予測される赤、緑および青の予測スキャナ密度
D’R、D’GおよびD’Bから減算する。第1パスの間
には予測が存在しないので、赤、緑および青の走査の測
定値が、「誤差」ER、EGおよびEBとしてクロストー
ク減少行列に供給される。ステップ355で、誤差にク
ロストーク減少行列をかける。本発明者は、正しい探索
によってクロストーク減少行列を経験的に発見できるこ
とを発見した。応答関数が標準偏差15nm、中心値6
10nm、550nmおよび450nmの正規分布であ
るスキャナがEktachromeフィルムを走査する場合の最適
クロストーク減少行列は、次のとおりである。
【数15】
【0067】このクロストーク減少行列は、絶対に必要
というのではないが、これによって「誤差」の0への変
換が速くなる。
【0068】ステップ357で、行列演算の結果を式
C’=C’+ER、M’=M’+EG、Y’=Y’+EB
に加算する。ただし、C’はこの画素の見積シアン染料
濃度、M’はこの画素の見積マゼンタ染料濃度、Y’は
この画素の見積イエロー染料濃度である。この画素の見
積染料濃度を、フィルム・モデリングのステップ359
と、相互相関係数を導出するステップ363に供給す
る。
【0069】多数の可能なフィルム・モデルを使用する
ことができるが、ベールの法則に従うフィルムの場合、
波長の関数としてのそのフィルムの光学密度は、次式に
よって与えられる。
【数16】 D(λ)=YDy(λ)+MDm(λ)+CDc(λ)
【0070】D(λ)は、フィルムの光学密度であり、
y(λ)、Dm(λ)およびDc(λ)は、フィルム染
料のそれぞれのスペクトル応答であり、C’、M’およ
びY’は、この反復処理で計算される見積色密度であ
る。密度は、対数吸収であるか、負の対数透過と同等で
あり、したがって、透過率T(λ)は、式T(λ)=1
-D(λ)によって光学密度に関連する。
【0071】透過率計算値は、スキャナ・モデリングの
ステップ361に供給される。フィルム・モデルと同様
に、さまざまな異なるスキャナ・モデルを使用すること
ができる。完全な記述には、光源から電子RGB出力へ
のすべての入力が含まれる。スキャナからの出力は、次
式に従ってモデリングできる。
【数17】D’R=−log SR(λ)T(λ)dλ/
R(λ)dλ D’G=−log SG(λ)T(λ)dλ/SG(λ)
dλ D’B=−log SB(λ)T(λ)dλ/SB(λ)
dλ
【0072】各チャネルの曲線D’R、D’GおよびD’
Bは、供給源、光学系、フィルタおよび検出/変換エレ
クトロニクスの積を表す。SR、SGおよびSBは、赤、
緑、および青チャネルでのスキャナのスペクトル応答を
表す。図16に示された処理では、スペクトル応答が、
ステップ369で完結する下側ループから生成される。
【0073】フィルム層内の画素ごとの見積密度値
C’、M’およびY’が、測定値と予測色密度の間の差
を最小にすることによって上側ループ内で計算されたな
らば、C’、M’およびY’の値をステップ363に渡
し、ここで相互相関係数を導出する。
【0074】計算された「CMY」値が、フィルム上の
各染料層の密度である場合、「CMY」値間の各パッチ
内の相互相関係数は、各パッチの相互相関係数を計算し
た後に0になる。ステップ365で、そのパッチに関し
て導出された相互相関係数の二乗和をとる。ステップ3
65は、最適探索プログラムであるステップ367の1
関数として働く単一のスカラをもたらし、ステップ36
7は、このスカラを最小にしようと試みる。最適探索プ
ログラムは、スキャナのスペクトル応答を記述したベク
トルを操作して、そのコスト関数を最小にする。スペク
トル応答をモデル化するための概念上単純な方法の1つ
が、10nmごとに値をサンプリングした31項目のベ
クトルによるものである。しかし、この手法では、93
次元の探索が必要になり、計算集中になるはずである。
好ましい方法は、参照によって本明細書に組み込まれる
Marymont and Wandell著"Linear Models of Surface an
dIlluminate Spectra" Journal of the Optical Societ
y of America, Vol. 9, No. 11, November 1992, pages
1905-1913に記載のように、係数の次元が低い1組の基
礎関数に関してスペクトル応答をモデル化することであ
る。本発明者は、正規分布関数がスペクトル応答のよい
モデルになることを発見した。スペクトル応答の開始点
は、この情報が既知のあるスキャナの応答の測定値とす
ることができる。
【0075】この処理は、スキャナのスペクトル応答が
既知であるがフィルムのスペクトル応答が未知という状
況に合わせて修正することができる。図17に示される
ように、ステップ400、401、403、405、4
06、411および413は、基本的に図16のステッ
プ350、351、353、355、357、363お
よび365に相当する。ベールの法則による光学密度式
でのフィルムのスペクトル応答は、ステップ408では
未知であり、ステップ415の最小探索プログラムによ
って供給されなければならない。ステップ417では、
図16の処理の場合のようにスキャナのスペクトル応答
を生成するのではなく、フィルムのスペクトル応答を生
成する。
【0076】この2つの技法を組み合わせることも可能
である。スペクトル応答が未知であり、較正を必要とす
るスキャナがあると仮定する。スペクトル応答が既知の
フィルムがある場合、このフィルムを図16の流れ図に
示された処理の流れ図に使用して、スキャナのスペクト
ル応答を決定することができる。スキャナのスペクトル
応答がわかったならば、図17に関連して説明した処理
を使用して、スペクトル応答が未知であっても追加のフ
ィルムに関してそのスキャナを較正することができる。
正規分布関数は、フィルムのスペクトル応答に関しても
よいモデルを提供する。
【0077】上では、ベールの法則に従うモデルに関し
て走査処理を説明してきたが、Kubelka-Monkなど、スキ
ャナ処理のはるかに複雑なモデルを使用することができ
る。Kubelka-Monk理論は、光の散乱と吸収の両方を行う
材料の色をモデル化するのに使用される。この理論は、
塗料、プラスチックおよび繊維工業で、色の指定および
制御に使用されており、半透明媒体または不透明媒体に
一般的に使用されている。したがって、本発明の処理
は、スキャナが染料層のさまざまな粒子を分解でき、媒
体自体の粒子から染料の粒子を区別できる範囲内で、印
画紙などフィルム以外の画像記憶媒体に拡張することが
できる。
【0078】さらに、最適探索プログラムがスペクトル
応答を記述するのに使用するベクトルの次元を減らす方
法には、基礎関数以外の方法がある。さらに、さまざま
な最適探索プログラムが存在する。
【0079】この方法は、染料情報がどの層に関連する
かの表示として、フィルム粒子ではなくスクリーンを使
用する印刷材料のためにスキャナを較正することにも拡
張できる。具体的に言うと、各プレーンの主成分に関連
する角度以外のスクリーン角度で情報の存在を検出する
ように設計されたフィルタを用いて、分離された画像の
各プレーンをフィルタリングすることである。したがっ
て、望まぬスクリーン角度に関連する情報の寄与を、最
小探索アルゴリズムによって最小化することができる。
【0080】特定の実施例に関して本発明を説明してき
たが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲から逸脱す
ることなく修正を行えることを理解するであろう。上記
の実施例は、例示のみを目的とし、請求の範囲より狭い
範囲に本発明を制限するものと解釈してはならない。
【0081】まとめとして、本発明の構成に関して以下
の事項を開示する。
【0082】(1)走査画像のそれぞれの間の色相互相
関の組を決定するステップと、色相互相関に従って、走
査画像のそれぞれの色クロストークを補正するステップ
とを含む、画像記憶媒体に記憶されたカラー画像の色
と、カラー画像の走査に使用された結像装置の色との間
のクロスカラー・クロストークの影響を補正する方法。 (2)光周波数の範囲に、赤スペクトル、青スペクトル
および緑スペクトルの範囲が含まれることを特徴とす
る、上記(1)に記載の方法。 (3)光の範囲に、赤外スペクトルの範囲も含まれるこ
とを特徴とする、上記(2)に記載の方法。 (4)走査画像のそれぞれで画像と結像装置との間の自
己相関の組を決定するステップと、自己相関に従って、
走査画像のそれぞれを補正するステップとをさらに含
む、上記(1)に記載の方法。 (5)走査画像のそれぞれが、画像記憶媒体の層の組に
含まれる1層に対応することを特徴とする、上記(1)
に記載の方法。 (6)それぞれが異なる色に対応する走査画像の組を作
るため、スキャナを用いてカラー画像を連続的に走査す
るステップと、走査画像の組の対の間の相互相関の組を
決定するステップと、相互相関の組に従って、補正係数
の組を計算するステップとを含む、カラー画像とカラー
画像を走査するのに使用されるスキャナとの間の色クロ
ストークを減らすための方法。 (7)走査画像の組のうちの3つが、それぞれ、カラー
・フィルム内のシアン層のカラー画像の赤走査、カラー
・フィルム内のマゼンタ層のカラー画像の緑走査、カラ
ー・フィルム内のイエロー層のカラー画像の青走査に対
応することを特徴とする、上記(6)に記載の方法。 (8)相対的にノイズより小さい信号成分を有するカラ
ー画像内の選択された区域を識別するステップと、選択
された区域から相互相関の組を決定するステップとをさ
らに含む、上記(7)に記載の方法。 (9)さらに、補正係数の組に従って走査画像を補正す
るステップを含む、上記(7)に記載の方法。 (10)一連の色見積を展開して、カラー画像内の異な
る色のそれぞれの量を決定する反復ループで、走査画像
からの色値を処理するステップと、一連の相互相関係数
を展開する反復ループで、走査画像からの色値を処理す
るステップと、相互相関係数に従ってスキャナのスペク
トル応答特性を生成するステップとをさらに含むことを
特徴とする、上記(6)に記載の方法。 (11)一連の色見積を展開して、カラー画像内の異な
る色のそれぞれの量を決定する反復ループで、走査画像
からの色値を処理するステップと、一連の相互相関係数
を展開する反復ループで、走査画像からの色値を処理す
るステップと、相互相関係数に従って画像記憶媒体のス
ペクトル応答特性を生成するステップとをさらに含むこ
とを特徴とする、上記(7)に記載の方法。 (12)画像の所望のパターンからノイズ・パターンの
一部を実質的に分離するステップと、調節画像のノイズ
・パターン間の相互相関が0に向かうように、調節画像
を作るために登録画像の間のクロストークを導入するス
テップとを含む、それぞれが所望のパターンとノイズ・
パターンとを含む登録画像の間のクロストークの影響を
補正するための方法。 (13)登録画像が、カラー画像の赤画像、カラー画像
の緑画像およびカラー画像の青画像を含むことを特徴と
する、上記(12)に記載の方法。 (14)さらに、赤外画像を含むことを特徴とする、上
記(13)に記載の方法。 (15)分離ステップがさらに、画像に空間高周波数フ
ィルタを適用するステップを含むことを特徴とする、上
記(12)に記載の方法。 (16)分離ステップがさらに、画像の他の領域より所
望のパターンが強い画像の領域のノイズ・パターンが画
像に含まれないようにするステップを含むことを特徴と
する、上記(15)に記載の方法。 (17)領域内の所望のパターンの強さが、空間高周波
数フィルタを適用した後に領域に残っている画像の強さ
の関数として測定されることを特徴とする、上記(1
6)に記載の方法。 (18)導入ステップがさらに、少なくとも2つの増感
された画像を作るため、正負いずれであってもよい選択
された大きさだけ少なくとも2つの登録画像の強度を変
更するステップと、少なくとも2つの増感された画像を
互いに加算するステップとを含むことを特徴とする、上
記(12)に記載の方法。 (19)強度を変更する前に、登録画像が、暗領域から
明領域までのグレイスケール範囲を拡大する関数によっ
て、まず処理されることを特徴とする、上記(18)に
記載の方法。 (20)調節画像が、登録画像に適用される関数の逆関
数によって処理されることを特徴とする、上記(19)
の方法。 (21)登録画像が、着色フィルムから導出されること
を特徴とし、ノイズ・パターンが、着色フィルムの粒子
パターンであることを特徴とする、上記(12)に記載
の方法。 (22)登録画像が、走査処理によってコンピュータ・
メモリに置かれることを特徴とする、上記(12)に記
載の方法。 (23)選択された大きさが、反復処理によって相互相
関を0に近づけるように選択されることを特徴とする、
上記(18)に記載の方法。 (24)フィルム支持層上に存在する登録画像の間の望
ましくないクロストークを走査画像に導入する、走査画
像を作るためにコンピュータ・メモリに少なくとも3つ
の画像を走査するための手段と、粒子パターンの分離さ
れた部分を作るため、画像内の所望のパターンから粒子
パターンの一部を実質的に分離するための手段と、調節
画像の粒子パターンの分離された部分の間の相互相関が
0に向かうように、調節画像を作るため走査画像間のク
ロストークの量を調節するための手段と、を含む、各画
像が所望のパターンと粒子パターンとからなる、フィル
ム支持層上の少なくとも3つの登録画像を走査する間の
クロストークを最小にするためのシステム。 (25)画像の所望のパターンからノイズ・パターンの
一部を実質的に分離するための手段と、調節画像のノイ
ズ・パターンの間の相互相関が0に向かうように、調節
画像を作るため、登録画像の間にクロストークを導入す
るための手段とを含む、各登録画像がそれぞれの所望の
パターンとそれぞれのノイズ・パターンとからなる、登
録画像間のクロストークの影響を補正するためのシステ
ム。 (26)走査画像のそれぞれの間の色相互相関の組を決
定する手段と、色相互相関に従って、走査画像のそれぞ
れの色クロストークを補正する手段とを含む、画像記憶
媒体に記憶されたカラー画像の色とカラー画像の走査に
使用される結像装置の色との間のクロスカラー・クロス
トークの影響を補正するためのシステム。 (27)画像の所望のパターンからノイズ・パターンの
一部を実質的に分離するステップと、調節された画像の
ノイズ・パターン間の相互相関が0に向かうように、調
節された画像を作るため登録画像間にクロストークを導
入するステップとを含む、各登録画像がそれぞれの所望
のパターンとノイズ・パターンとからなる、コンピュー
タ・メモリ内の登録画像間のクロストークの影響を補正
するためのコンピュータ・プログラム製品。
【図面の簡単な説明】
【図1】それぞれがスペクトルの特定の範囲に関連する
複数の画像への画像の分離と、これらの画像の色強度の
グラフを示す図である。
【図2】ノイズの画像強度の例を示す図である。
【図3】図2と正に相互相関するノイズを示す図であ
る。
【図4】図2と負に相互相関するノイズを示す図であ
る。
【図5】図2と相関しないノイズを示す図である。
【図6】フィルム染料の吸収と、複数の画像センサのス
ペクトル応答を示す図である。
【図7】本発明が実施される走査システムを示す図であ
る。
【図8】図7のシステムのブロック図である。
【図9】スキャナのスペクトル応答とフィルムの染料層
の間の相互作用に起因する自己相関と相互相関を、本発
明に従って決定する方法の流れ図である。
【図10】補正係数の計算を示すブロック図である。
【図11】補正係数による走査画像の補正を示す図であ
る。
【図12】フィルム記録の経年変化に関する補正処理の
ブロック図である。
【図13】信号とノイズの空間周波数スペクトルを示す
図である。
【図14】画像の全活性度に対する比率としての、粒子
ノイズのグラフである。
【図15】画像のうち、相互相関の測定に使用すること
のできる領域を識別する処理の流れ図である。
【図16】反復技法を使用してスキャナを較正する方法
の流れ図である。
【図17】スキャナのスペクトル応答が既知であり、フ
ィルムのスペクトル応答が未知の時に、スキャナを較正
する方法の流れ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェームズ・マシューズ・カッソン アメリカ合衆国94025 カリフォルニア 州メンロー・パーク ディアナ・ドライ ブ 1080 (56)参考文献 特開 平4−309073(JP,A) 特開 昭63−182961(JP,A)

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走査画像のそれぞれの間の色相互相関の組
    を決定するステップと、 色相互相関に従って、走査画像のそれぞれの色クロスト
    ークを補正するステップとを含む、画像記憶媒体に記憶
    されたカラー画像の色と、カラー画像の走査に使用され
    た結像装置の色との間のクロスカラー・クロストークの
    影響を補正する方法。
  2. 【請求項2】光周波数の範囲に、赤スペクトル、青スペ
    クトルおよび緑スペクトルの範囲が含まれることを特徴
    とする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】光の範囲に、赤外スペクトルの範囲も含ま
    れることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】走査画像のそれぞれで画像と結像装置との
    間の自己相関の組を決定するステップと、 自己相関に従って、走査画像のそれぞれを補正するステ
    ップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】走査画像のそれぞれが、画像記憶媒体の層
    の組に含まれる1層に対応することを特徴とする、請求
    項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】それぞれが異なる色に対応する走査画像の
    組を作るため、スキャナを用いてカラー画像を連続的に
    走査するステップと、 走査画像の組の対の間の相互相関の組を決定するステッ
    プと、 相互相関の組に従って、補正係数の組を計算するステッ
    プとを含む、カラー画像とカラー画像を走査するのに使
    用されるスキャナとの間の色クロストークを減らすため
    の方法。
  7. 【請求項7】走査画像の組のうちの3つが、それぞれ、
    カラー・フィルム内のシアン層のカラー画像の赤走査、
    カラー・フィルム内のマゼンタ層のカラー画像の緑走
    査、カラー・フィルム内のイエロー層のカラー画像の青
    走査に対応することを特徴とする、請求項6に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】相対的にノイズより小さい信号成分を有す
    るカラー画像内の選択された区域を識別するステップ
    と、 選択された区域から相互相関の組を決定するステップと
    をさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】さらに、補正係数の組に従って走査画像を
    補正するステップを含む、請求項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】一連の色見積を展開して、カラー画像内
    の異なる色のそれぞれの量を決定する反復ループで、走
    査画像からの色値を処理するステップと、 一連の相互相関係数を展開する反復ループで、走査画像
    からの色値を処理するステップと、 相互相関係数に従ってスキャナのスペクトル応答特性を
    生成するステップとをさらに含むことを特徴とする、請
    求項6に記載の方法。
  11. 【請求項11】一連の色見積を展開して、カラー画像内
    の異なる色のそれぞれの量を決定する反復ループで、走
    査画像からの色値を処理するステップと、 一連の相互相関係数を展開する反復ループで、走査画像
    からの色値を処理するステップと、 相互相関係数に従って画像記憶媒体のスペクトル応答特
    性を生成するステップとをさらに含むことを特徴とす
    る、請求項7に記載の方法。
  12. 【請求項12】画像の所望のパターンからノイズ・パタ
    ーンの一部を実質的に分離するステップと、 調節画像のノイズ・パターン間の相互相関が0に向かう
    ように、調節画像を作るために登録画像の間のクロスト
    ークを導入するステップとを含む、それぞれが所望のパ
    ターンとノイズ・パターンとを含む登録画像の間のクロ
    ストークの影響を補正するための方法。
  13. 【請求項13】登録画像が、カラー画像の赤画像、カラ
    ー画像の緑画像およびカラー画像の青画像を含むことを
    特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】さらに、赤外画像を含むことを特徴とす
    る、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】分離ステップがさらに、画像に空間高周
    波数フィルタを適用するステップを含むことを特徴とす
    る、請求項12に記載の方法。
  16. 【請求項16】分離ステップがさらに、画像の他の領域
    より所望のパターンが強い画像の領域のノイズ・パター
    ンが画像に含まれないようにするステップを含むことを
    特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】領域内の所望のパターンの強さが、空間
    高周波数フィルタを適用した後に領域に残っている画像
    の強さの関数として測定されることを特徴とする、請求
    項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】導入ステップがさらに、 少なくとも2つの増感された画像を作るため、正負いず
    れであってもよい選択された大きさだけ少なくとも2つ
    の登録画像の強度を変更するステップと、 少なくとも2つの増感された画像を互いに加算するステ
    ップとを含むことを特徴とする、請求項12に記載の方
    法。
  19. 【請求項19】強度を変更する前に、登録画像が、暗領
    域から明領域までのグレイスケール範囲を拡大する関数
    によって、まず処理されることを特徴とする、請求項1
    8に記載の方法。
  20. 【請求項20】調節画像が、登録画像に適用される関数
    の逆関数によって処理されることを特徴とする、請求項
    19の方法。
  21. 【請求項21】登録画像が、着色フィルムから導出され
    ることを特徴とし、ノイズ・パターンが、着色フィルム
    の粒子パターンであることを特徴とする、請求項12に
    記載の方法。
  22. 【請求項22】登録画像が、走査処理によってコンピュ
    ータ・メモリに置かれることを特徴とする、請求項12
    に記載の方法。
  23. 【請求項23】選択された大きさが、反復処理によって
    相互相関を0に近づけるように選択されることを特徴と
    する、請求項18に記載の方法。
  24. 【請求項24】フィルム支持層上に存在する登録画像の
    間の望ましくないクロストークを走査画像に導入する、
    走査画像を作るためにコンピュータ・メモリに少なくと
    も3つの画像を走査するための手段と、 粒子パターンの分離された部分を作るため、画像内の所
    望のパターンから粒子パターンの一部を実質的に分離す
    るための手段と、 調節画像の粒子パターンの分離された部分の間の相互相
    関が0に向かうように、調節画像を作るため走査画像間
    のクロストークの量を調節するための手段と、を含む、
    各画像が所望のパターンと粒子パターンとからなる、フ
    ィルム支持層上の少なくとも3つの登録画像を走査する
    間のクロストークを最小にするためのシステム。
  25. 【請求項25】画像の所望のパターンからノイズ・パタ
    ーンの一部を実質的に分離するための手段と、 調節画像のノイズ・パターンの間の相互相関が0に向か
    うように、調節画像を作るため、登録画像の間にクロス
    トークを導入するための手段とを含む、各登録画像がそ
    れぞれの所望のパターンとそれぞれのノイズ・パターン
    とからなる、登録画像間のクロストークの影響を補正す
    るためのシステム。
  26. 【請求項26】走査画像のそれぞれの間の色相互相関の
    組を決定する手段と、 色相互相関に従って、走査画像のそれぞれの色クロスト
    ークを補正する手段とを含む、画像記憶媒体に記憶され
    たカラー画像の色とカラー画像の走査に使用される結像
    装置の色との間のクロスカラー・クロストークの影響を
    補正するためのシステム。
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