JP2668670B2 - ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体、その中間体及びその医薬用途 - Google Patents

ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体、その中間体及びその医薬用途

Info

Publication number
JP2668670B2
JP2668670B2 JP8066858A JP6685896A JP2668670B2 JP 2668670 B2 JP2668670 B2 JP 2668670B2 JP 8066858 A JP8066858 A JP 8066858A JP 6685896 A JP6685896 A JP 6685896A JP 2668670 B2 JP2668670 B2 JP 2668670B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diazabicyclo
nonane
oxo
carboxylic acid
amide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8066858A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08325267A (ja
Inventor
孝次 小林
一洋 織田
淳 浜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Priority to JP8066858A priority Critical patent/JP2668670B2/ja
Publication of JPH08325267A publication Critical patent/JPH08325267A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2668670B2 publication Critical patent/JP2668670B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニコチン様コリン
作動薬として有用な新規ジアザビシクロ[3.3.1]
ノナン誘導体に関するものであり、該誘導体はアルツハ
イマー病等の痴呆症治療剤、記憶障害改善剤、中枢神経
変性疾患治療剤、脳機能障害改善剤として利用される。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】近年高齢
者にとって、痴呆やパーキンソン病は健康上の大きな問
題である。特に、アルツハイマー病は痴呆症の中で最も
治療が困難であるといわれている。米国国立老齢化研究
所(The National Institute of Aging)の報告によれ
ば、米国における老年性痴呆患者のうち半数以上がアル
ツハイマー病であり、また85歳以上の人口の40%が
アルツハイマー病にかかっている。
【0003】アルツハイマー病に代表される痴呆症の脳
機能劣化の機序は、未だ全容が明らかになっていない。
しかし、一部の痴呆症患者、特にアルツハイマー病患者
の死後の脳において、基底核領域から大脳皮質及び海馬
へ投射するコリン作動性神経の機能が著しく低下してい
ることが報告されている[Bigi et. al., Brain Choline
rgic Systems., Oxford University Press, 364-386,
(1990)]。このことから、痴呆症の治療には、コリン作
動薬、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、コリンアセ
チルトランスフェラーゼ賦活薬が有望であると考えられ
ている。
【0004】この発症機序に基づいて研究されてきた痴
呆症治療薬は、主としてアセチルコリンエステラーゼ阻
害薬〔特開平5−194387号公報、特表平6−50
0794号公報、特開平6−116237号公報〕とコ
リン作動薬〔特開平2−72179号公報、特開平3−
27377号公報、特開平3−86883号公報〕であ
る。このうちコリン作動薬については、脳内アセチルコ
リン受容体の大部分がムスカリン様であるため、ムスカ
リン様コリン作動薬が中心に研究されてきた。
【0005】一方、パーキンソン病は、黒質−線条体ド
パミン神経路が変性しドパミン含量が異常に低下するこ
とに起因すると考えられている。このため、パーキンソ
ン病の治療には、低下したドパミン作用を活性化する
か、または相対的に優位となったコリン作用を抑制する
方法がとられてきた。
【0006】ところが、アルツハイマー病患者及びパー
キンソン病患者の脳において、ムスカリン様アセチルコ
リン受容体の数が変化ないのに対し、ニコチン様アセチ
ルコリン受容体の数は著しく減少していることが報告さ
れ[Shimohama et. al., J. Neurochem., Vol. 46, 288-
293, (1986); Whitehouse et. al., Neurol., Vol. 38,
720, (1988)] 、ニコチン様アセチルコリン受容体の変
化と中枢神経変性疾患発症との関係が注目されている。
【0007】ニコチンが優れた認知機能改善作用や中枢
神経変性抑制作用を有することは、タバコの煙中に含ま
れるニコチンが動物モデルの認知機能を促進すること[L
evinet. al., Behav. Neurol. Biol., Vol. 53, 269,
(1990)] 、アルツハイマー病患者を対象としたパイロッ
ト試験において、障害を受けた認知機能をニコチンが改
善すること[Sahakian et. al., Brit. J. Psych., Vol.
154, 797, (1989); Newhouse P. et. al., Psychophar
macol, Vol. 95, 171, (1988)]、喫煙者にアルツハイマ
ー病及びパーキンソン病の発症頻度が低いこと[van Dui
jin et. al., B. M. J., Vol. 302, 1491-1494, (199
1); Baron J.A., NEUROLOGY, Vol. 36, 1490-1496, (19
86)]、ニコチンがラット黒質ドパミン作動性神経障害モ
デルの神経変性を抑制すること [Janson et. al., Pro
g. Brain Res., Vol. 79, 257, (1989); Owman et. a
l., Prog. Brain Res., Vol. 79, 267, (1989)]から理
解できる。さらに興味深いことに、ニコチンを動物に連
続投与すると脳内ニコチン様アセチルコリン受容体の数
が増加すること [Marks et. al., J. Pharmacol. Exp.
Therap., Vol. 235, 619-628, (1985)] が報告されてい
る。
【0008】近年、ニコチン様コリン作動薬が脳機能改
善薬、中枢神経変性疾患治療薬として研究されている
〔特表平6−508143号公報、Arneric et. al.,
J. Pharmacol. Exp. Therap., Vol. 270, 310-318, (19
94); Decker et. al., J. Pharmacol. Exp. Therap., V
ol. 270, 319-328, (1994)]。しかし、これらのニコチ
ン様コリン作動薬の多くは体温低下、鎮静、血圧上昇、
下痢などを引き起こす作用を併せ持つため、生体に好ま
しくない副作用を及ぼす[Benowitz et. al., Nicotine
Psychopharmacology, Oxford University Press, 112-1
57, (1990)] 。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
鑑み、中枢神経に選択的に作用し、末梢神経への副作用
がない脳機能改善薬を探索すべく鋭意研究を行った。そ
の結果、高いニコチン様コリン受容体結合性を有し、さ
らに末梢神経への副作用が少なく、かつドパミン放出作
用を併せもつジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導
体を見出し、本発明を完成するに至った。なお、ジアザ
ビシクロ[3.3.1]ノナン骨格を有する化合物とし
ては、例えば抗不整脈薬として次式
【0010】
【化4】
【0011】で示される化合物等が知られている〔米国
特許第5110933号明細書〕。しかしこれはN位に
おける置換基が本発明のジアザビシクロ[3.3.1]
ノナン誘導体と異なる。
【0012】本発明は、新規ジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン誘導体及びその中間体、並びにジアザビシク
ロ[3.3.1]ノナン誘導体を含有するニコチン様コ
リン作動薬に関する。より詳しくは、下記(1)ないし
(18)に示す通りである。
【0013】(1) 一般式[1]
【0014】
【化5】
【0015】〔式中、Rは−CONH−(CHR1 m
−R2 (式中、R1 は水素原子又はアルキル基を表し、
mは0、1又は2を表し、R2 は置換されてもよいアリ
ール基、置換されてもよい複素環基、置換されてもよい
シクロアルキル基、アルキル基又はアルケニル基を表
す。)又は−CO−R3 (式中、R3 はアルキル基、ア
ラルキルオキシ基又は−NR4 5 (式中、R4 及びR
5 は同一又は異なってアルキル基を表すか、R4 とR5
が隣接する窒素原子と一緒になって式
【0016】
【化6】
【0017】(nは2又は3を表す。)で表される基を
形成する。)を表す。)を表す。〕で示されるジアザビ
シクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬理上許容
される塩。
【0018】(2) Rが−CONH−(CHR1 m
−R2 (式中、R1 、m及びR2 は前記(1)と同様で
ある。)である前記(1)のジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン誘導体又はその薬理上許容される塩。 (3) R1 が水素原子である前記(2)のジアザビシ
クロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬理上許容さ
れる塩。 (4) R2 が置換されてもよいアリール基又は置換さ
れてもよいシクロアルキル基である前記(3)のジアザ
ビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬理上許
容される塩。
【0019】(5) 2−オキソ−3,7−ジアザビシ
クロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸ベンジルア
ミド、3−〔(S)−1−フェニルエチルカルバモイ
ル〕−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−
2−オン、3−〔(R)−1−フェニルエチルカルバモ
イル〕−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
−2−オン、2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(1−ナフチ
ル)アミド、2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸フェニルアミ
ド、2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン−3−カルボン酸−(2−メトキシフェニ
ル)アミド、2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(3−メトキ
シフェニル)アミド、2−オキソ−3,7−ジアザビシ
クロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(4−メ
トキシフェニル)アミド、2−オキソ−3,7−ジアザ
ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−メチ
ルアミド、2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.
3.1]ノナン−3−カルボン酸−エチルアミド、2−
オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
−3−カルボン酸−tert−ブチルアミド、2−オキ
ソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3
−カルボン酸−イソプロピルアミド、2−オキソ−3,
7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボ
ン酸−(4−クロロベンジル)アミド、2−オキソ−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ
ルボン酸−(3−クロロベンジル)アミド、2−オキソ
−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−
カルボン酸−(2−クロロベンジル)アミド、2−オキ
ソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3
−カルボン酸−(4−フルオロベンジル)アミド、2−
オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
−3−カルボン酸−(3−フルオロベンジル)アミド、
2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(2−フルオロベンジル)アミ
ド、2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン−3−カルボン酸−(4−メトキシベンジ
ル)アミド、2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(3−メトキ
シベンジル)アミド、2−オキソ−3,7−ジアザビシ
クロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(2−メ
トキシベンジル)アミド、2−オキソ−3,7−ジアザ
ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−
(3,4−ジメトキシベンジル)アミド、2−オキソ−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ
ルボン酸−(3,4,5−トリメトキシベンジル)アミ
ド、2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン−3−カルボン酸−(3,4−メチレンジオ
キシベンジル)アミド、2−オキソ−3,7−ジアザビ
シクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−〔4−
(ベンジルオキシ)ベンジル〕アミド、2−オキソ−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ
ルボン酸−〔3,4−ジ(ベンジルオキシ)ベンジル〕
アミド、2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.
3.1]ノナン−3−カルボン酸−(4−ベンジルオキ
シ−3−メトキシベンジル)アミド、2−オキソ−3,
7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボ
ン酸−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)アミド、
2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(3−フルオロ−4−メトキシ
ベンジル)アミド、2−オキソ−3,7−ジアザビシク
ロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(2−メチ
ルベンジル)アミド、2−オキソ−3,7−ジアザビシ
クロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(3−メ
チルベンジル)アミド、2−オキソ−3,7−ジアザビ
シクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(4−
メチルベンジル)アミド、2−オキソ−3,7−ジアザ
ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(2
−トリフルオロメチルベンジル)アミド、2−オキソ−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ
ルボン酸−(3−トリフルオロメチルベンジル)アミ
ド、2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン−3−カルボン酸−(4−トリフルオロメチ
ルベンジル)アミド、2−オキソ−3,7−ジアザビシ
クロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(4−ジ
メチルアミノベンジル)アミド、2−オキソ−3,7−
ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸
−(4−エトキシベンジル)アミド、2−オキソ−3,
7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボ
ン酸−(4−フェニルベンジル)アミド、2−オキソ−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ
ルボン酸−(3,4−ジクロロベンジル)アミド、2−
オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
−3−カルボン酸−(2−チエニル)メチルアミド、2
−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナ
ン−3−カルボン酸−(ピリジン−3−イル−メチル)
アミド、2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.
3.1]ノナン−3−カルボン酸−(ピリジン−4−イ
ル−メチル)アミド、2−オキソ−3,7−ジアザビシ
クロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(ナフタ
レン−2−イル−メチル)アミド、2−オキソ−3,7
−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン
酸−(2−ナフチル)アミド、2−オキソ−3,7−ジ
アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−
(ナフタレン−1−イル−メチル)アミド、2−オキソ
−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−
カルボン酸−フェネチルアミド、2−オキソ−3,7−
ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸
−(2−メトキシフェネチル)アミド、2−オキソ−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ
ルボン酸−(3−メトキシフェネチル)アミド、2−オ
キソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−
3−カルボン酸−(4−メトキシフェネチル)アミド、
2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−プロピルアミド、2−オキソ−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ
ルボン酸−シクロプロピルアミド、2−オキソ−3,7
−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン
酸−イソブチルアミド、2−オキソ−3,7−ジアザビ
シクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−シクロ
プロピルメチルアミド、2−オキソ−3,7−ジアザビ
シクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(2−
メチルプロペニル)アミド、2−オキソ−3,7−ジア
ザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−シ
クロブチルアミド、2−オキソ−3,7−ジアザビシク
ロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−シクロペン
チルアミド、2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−シクロヘキシ
ルアミド、2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.
3.1]ノナン−3−カルボン酸−(2,2,3,3−
テトラメチルシクロプロピル)アミド、2−オキソ−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ
ルボン酸−シクロヘキシルメチルアミド、2−オキソ−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ
ルボン酸−シクロペンチルメチルアミド、2−オキソ−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ
ルボン酸−(4−ヒドロキシベンジル)アミド、2−オ
キソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−
3−カルボン酸−(3,4−ジヒドロキシベンジル)ア
ミド、2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン−3−カルボン酸−(4−ヒドロキシ−3−
メトキシベンジル)アミド、3−(N,N−ジメチルカ
ルバモイル)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]
ノナン−2−オン、3−(ピペリジン−1−カルボニ
ル)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−
2−オン、3−アセチル−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン−2−オン、3−ピバロイル−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−2−オ
ン、3−ベンジルオキシカルボニル−3,7−ジアザビ
シクロ[3.3.1]ノナン−2−オン、(1R,5
S)−(+)−2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−シクロペンチ
ルアミド、(1S,5R)−(−)−2−オキソ−3,
7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボ
ン酸−シクロペンチルアミド、(1R,5S)−(+)
−2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]
ノナン−3−カルボン酸−(3,4−ジメトキシベンジ
ル)アミド、(1S,5R)−(−)−2−オキソ−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ
ルボン酸−(3,4−ジメトキシベンジル)アミド、
(1R,5S)−(+)−2−オキソ−3,7−ジアザ
ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(4
−メトキシベンジル)アミド、(1S,5R)−(−)
−2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]
ノナン−3−カルボン酸−(4−メトキシベンジル)ア
ミド、(1R,5S)−(+)−2−オキソ−3,7−
ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸
−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)アミド、及び
(1R,5S)−(+)−2−オキソ−3,7−ジアザ
ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(3
−フルオロ−4−メトキシベンジル)アミドからなる群
より選ばれる(1)記載のジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン誘導体又はその薬理上許容される塩。
【0020】(6) 前記(1)ないし(5)のいずれ
かに記載のジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体
又はその薬理上許容される塩を含有する医薬。 (7) 前記(1)ないし(5)のいずれかに記載のジ
アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬理
上許容される塩と医薬的に許容される担体とを含有して
なる医薬組成物。 (8) 前記(1)ないし(5)のいずれかに記載のジ
アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬理
上許容される塩を含有してなるニコチン様コリン作動
薬。 (9) 前記(1)ないし(5)のいずれかに記載のジ
アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬理
上許容される塩を含有してなる脳細胞におけるコリン作
用低下による中枢神経障害治療のための医薬組成物。 (10) 前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の
ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬
理上許容される塩を含有してなるドパミン作用低下によ
る中枢神経障害治療のための医薬組成物。 (11) 前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の
ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬
理上許容される塩を含有してなる中枢神経変性疾患治療
剤。
【0021】(12) 前記(1)ないし(5)のいず
れかに記載のジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導
体又はその薬理上許容される塩を含有してなる痴呆症治
療剤。 (13) 前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の
ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬
理上許容される塩を含有してなる脳機能障害改善剤。 (14) 前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の
ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬
理上許容される塩を含有してなるパーキンソン病治療
剤。 (15) 前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の
ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬
理上許容される塩を含有してなる記憶障害改善剤。 (16) ニコチン様コリン作用を有するジアザビシク
ロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬理上許容され
る塩を含有してなる脳細胞におけるコリン作用低下によ
る中枢神経障害治療のための医薬組成物。 (17) ドパミン放出作用を有するジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬理上許容される
塩を含有してなるドパミン作用低下による中枢神経障害
治療のための医薬組成物。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】次に、本明細書において使用する用語の意
味は、以下の通りである。「アルキル基」とは、炭素数
1ないし6の直鎖又は分枝してもよいアルキル基であ
り、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブ
チル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペ
ンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、2
−ペンチル基、3−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソ
ヘキシル基又は2−ヘキシル基等が挙げられ、好ましく
は炭素数1ないし4の直鎖又は分枝してもよい低級アル
キル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基又はtert−ブチル基等である。
【0026】「アリール基」とは、具体的には、フェニ
ル基、ビフェニル基、ナフチル基であり、好ましくはフ
ェニル基である。「複素環基」とは、環を構成する原子
として炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子
から選ばれる1ないし3個の複素原子を含む5員ないし
6員の芳香族複素環基、飽和複素環基又は不飽和複素環
基を意味し、具体的にはチエニル基、フリル基、ピロリ
ル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、
イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル
基、モルホリノ基、ピリジル基、ピペラジニル基、ピペ
リジル基、ピラニル基、チオピラニル基等である。好ま
しくはチエニル基、ピリジル基又はピペリジル基であ
る。
【0027】「シクロアルキル基」とは、炭素数3ない
し8の環状アルキル基であり、例えばシクロプロピル
基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基、シクロヘプチル基又はシクロオクチル基等が挙げ
られ、好ましくは炭素数3ないし6のシクロプロピル
基、シクロブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキ
シル基等である。
【0028】「アルケニル基」とは、炭素数2ないし6
の直鎖又は分枝してもよいアルケニル基を表し、例えば
エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1
−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−
メチル−1−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペ
ンテニル基、3−ペンテニル基、2−メチル−1−ブテ
ニル基、3−メチル−1−ブテニル基、1−ヘキセニル
基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセ
ニル基、5−ヘキセニル基、2−メチル−1−ペンテニ
ル基、3−メチル−1−ペンテニル基、4−メチル−1
−ペンテニル基、2,3−ジメチル−1−ブテニル基又
は3,3−ジメチル−1−ブテニル基等である。好まし
くは炭素数2ないし4の直鎖又は分枝してもよいアルケ
ニル基であり、例えばエテニル基、1−プロペニル基、
2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、
3−ブテニル基又は2−メチル−1−プロペニル基等で
あり、特に好ましくはエテニル基、1−プロペニル基、
2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基又
は3−ブテニル基である。
【0029】「アラルキルオキシ基」とは、アリール
(C1 〜C6 )アルキルオキシ基であり、例えばベンジ
ルオキシ基、フェネチルオキシ基、1−フェニルエチル
オキシ基、3−フェニルプロピルオキシ基、4−フェニ
ルブチルオキシ基、5−フェニルペンチルオキシ基又は
6−フェニルヘキシルオキシ基等が挙げられ、好ましく
はベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、1−フェニ
ルエチルオキシ基、3−フェニルプロピルオキシ基、4
−フェニルブチルオキシ基等のフェニル(C1 〜C4
アルキルオキシ基であり、特に好ましくはベンジルオキ
シ基である。
【0030】「置換されてもよい」とは1ないし4個、
好ましくは1ないし3個の置換基により置換されてもよ
いことを意味し、該置換基は同一又は異なっていてもよ
い。また、置換基の位置は任意であって、特に制限され
るものではない。具体的には、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチ
ル基等の低級アルキル基;水酸基;メトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の低級アルコキシ
基;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;ニトロ基;
シアノ基;アシル基(例えばホルミル基、アセチル基、
プロピオニル基等の低級アルカノイル基);アシルオキ
シ基(例えばホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プ
ロピオニルオキシ基等の低級アルカノイルオキシ基);
メルカプト基;メチルチオ基、エチルチオ基、プロピル
チオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基等の低級アル
キルチオ基;アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ
基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基等の低級アルキ
ルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ
プロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等のジ低級アルキ
ルアミノ基;カルボキシ基;メトキシカルボニル基、エ
トキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等の低級
アルコキシカルボニル基;カルバモイル基;トリフルオ
ロメチル基;メタンスルホニル基、エタンスルホニル基
等の低級アルキルスルホニル基;アミノスルホニル基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の(C3
8 )シクロアルキル基;フェニル基;アセトアミド
基、プロピオンアミド基等のアシルアミド基;メチレン
ジオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等
のアラルキルオキシ基等が挙げられ、好ましくは低級ア
ルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基);水酸
基;低級アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ
基);ハロゲン原子(例えば塩素、フッ素);アミノ
基;低級アルキルアミノ基(例えばメチルアミノ基);
ジ低級アルキルアミノ基(例えばジメチルアミノ基);
トリフルオロメチル基;メチレンジオキシ基;アラルキ
ルオキシ基(例えばベンジルオキシ基)である。ここで
低級とは特にことわりのない限り炭素数1〜6、好まし
くは炭素数1〜4を意味する。置換されたアリール基の
例としては、2−メチルフェニル、3−メチルフェニ
ル、4−メチルフェニル、2−ヒドロキシフェニル、3
−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、3,
4−ジヒドロキシフェニル、2−メトキシフェニル、3
−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2−エト
キシフェニル、3−エトキシフェニル、4−エトキシフ
ェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,4,5−ト
リメトキシフェニル、4−ヒドロキシ−3−メトキシフ
ェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4
−クロロフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオ
ロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジクロロ
フェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、3−フ
ルオロ−4−メトキシフェニル、2−メチルアミノフェ
ニル、3−メチルアミノフェニル、4−メチルアミノフ
ェニル、2−ジメチルアミノフェニル、3−ジメチルア
ミノフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、2−トリ
フルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェ
ニル、4−トリフルオロメチルフェニル、3,4−メチ
レンジオキシフェニル、2−ベンジルオキシフェニル、
3−ベンジルオキシフェニル、4−ベンジルオキシフェ
ニル、3,4−ジ(ベンジルオキシ)フェニル、4−ベ
ンジルオキシ−3−メトキシフェニル等が挙げられ、置
換されたシクロアルキル基の例としては、2,2,3,
3−テトラメチルシクロプロピル等が挙げられる。
【0031】「アミノ保護基」とは、スルホニル基(例
えばトルエンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、メ
タンスルホニル基、ベンジルスルホニル基、フェナシル
スルホニル基);アラルキル基(例えばベンジル基、4
−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル
基、2−ニトロベンジル基、4−ニトロベンジル基、ベ
ンズヒドリル基、ビス(4−メトキシフェニル)メチル
基、トリチル基);アシル基(例えばホルミル基、アセ
チル基、プロピオニル基、ブチリル基、オキサリル基、
スクシニル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、
2−ブロモアセチル基、2−ヨードアセチル基、2,2
−ジクロロアセチル基、2,2,2−トリクロロアセチ
ル基、2,2,2−トリフルオロアセチル基、フェニル
アセチル基、フェノキシアセチル基、ベンゾイル基、4
−クロロベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、4
−ニトロベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、アダマ
ンチルカルボニル基);アルコキシカルボニル基(例え
ばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロ
ポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、t
ert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボ
ニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキ
シルオキシカルボニル基、2−クロロエトキシカルボニ
ル基、2−ヨードエトキシカルボニル基、2,2,2−
トリクロロエトキシカルボニル基、2,2,2−トリク
ロロ−tert−ブトキシカルボニル基、ベンズヒドリ
ルオキシカルボニル基、ビス−(4−メトキシフェニ
ル)メトキシカルボニル基、フェナシルオキシカルボニ
ル基、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル基、2
−トリフェニルシリルエトキシカルボニル基、フルオレ
ニル−9−メトキシカルボニル基);アルケニルオキシ
カルボニル基(例えばビニルオキシカルボニル基、2−
プロペニルオキシカルボニル基、2−クロロ−2−プロ
ペニルオキシカルボニル基、3−メトキシカルボニル−
2−プロペニルオキシカルボニル基、2−メチル−2−
プロペニルオキシカルボニル基、2−ブテニルオキシカ
ルボニル基、シンナミルオキシカルボニル基);アラル
キルオキシカルボニル基(例えばベンジルオキシカルボ
ニル基、4−ブロモベンジルオキシカルボニル基、2−
クロロベンジルオキシカルボニル基、3−クロロベンジ
ルオキシカルボニル基、3,5−ジメトキシベンジルオ
キシカルボニル基、4−メトキシベンジルオキシカルボ
ニル基、2−ニトロベンジルオキシカルボニル基、4−
ニトロベンジルオキシカルボニル基、2−ニトロ−4,
5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル基、3,4,
5−トリメトキシベンジルオキシカルボニル基、フェネ
チルオキシカルボニル基);低級アルキルシリル基(例
えばトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシ
リル基);アルキルチオカルボニル基(例えばメチルチ
オカルボニル基、エチルチオカルボニル基、ブチルチオ
カルボニル基、tert−ブチルチオカルボニル基);
アラルキルチオカルボニル基(例えばベンジルチオカル
ボニル基);フェノキシアセチル基;ホスホリル基(例
えばジシクロヘキシルホスホリル基、ジフェニルホスホ
リル基、ジベンジルホスホリル基、ジ−(4−ニトロベ
ンジル)ホスホリル基、フェノキシフェニルホスホリル
基);ホスフィニル基(例えばジエチルホスフィニル
基、ジフェニルホスフィニル基)である。好ましいアミ
ノ保護基は、トルエンスルホニル基、ベンジル基、ホル
ミル基、アセチル基、2−クロロアセチル基、2,2,
2−トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、イソプロ
ポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル
基、フルオレニル−9−メトキシカルボニル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基等であり、特に好ましくはter
t−ブトキシカルボニル基又はベンジルオキシカルボニ
ル基である。
【0032】「ハロゲン原子」とは、塩素、臭素、ヨウ
素又はフッ素である。「アルコキシ基」とは、炭素数1
ないし6の直鎖又は分枝してもよいアルコキシ基であ
り、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ
基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−
ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、tert−
ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2−ペンチ
ルオキシ基、3−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキ
シ基、イソヘキシルオキシ基又は2−ヘキシルオキシ基
等が挙げられ、好ましくは炭素数1ないし4の直鎖又は
分枝してもよい低級アルコキシ基であり、例えばメトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキ
シ基又はtert−ブトキシ基等である。
【0033】「薬理上許容される塩」は、上記一般式
[1]で示されるジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
誘導体と無毒性の塩を形成するものであればいかなるも
のであってもよい。例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸
塩、リン酸塩、硝酸塩等の無機酸付加塩;酢酸塩、プロ
ピオン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リ
ンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマ
ル酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸
塩、アスコルビン酸塩等の有機酸付加塩;アスパラギン
酸塩、グルタミン酸塩等の酸性アミノ酸との塩;ナトリ
ウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム
塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウ
ム塩;トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリ
ジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,
N’−ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機塩基塩;
リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸との塩を挙
げることができる。また、場合によっては水和物あるい
はエタノール溶媒和物であってもよい。「ジアザビシク
ロ[3.3.1]ノナン誘導体」とは、2−オキソ−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン骨格を有
する化合物である。
【0034】本発明の化合物は例えば下記の方法によっ
て製造することができるが、本発明の化合物の製造方法
は、これらに限定されるものではない。
【0035】
【化8】
【0036】〔式中、R1 、R2 及びmは前記と同様で
あり、Xはハロゲン原子(例えば塩素、臭素、ヨウ
素)、R6 はアルキル基(例えばメチル基、エチル
基)、Pはアミノ保護基(例えばベンジルオキシカルボ
ニル基、tert−ブトキシカルボニル基、9−フルオ
レニルメチルオキシカルボニル基)を表す。〕
【0037】製造方法1 反応(A) 化合物[3]は、化合物[2]をエステル化反応に付す
ことにより得られる。例えば、化合物[2]をR6 OH
(R6 はアルキル基)で示されるアルコール(例えばメ
タノール、エタノール)中、塩酸/1,4−ジオキサ
ン、硫酸等の酸を用い、室温から還流温度で反応させる
ことによって、化合物[3]を得る。この際、モノエス
テル体である化合物[4]が一部生成し、これを単離す
ることもできる。また化合物[3]は、化合物[2]を
酸ハライド(例えば塩化チオニル、オキザリルクロリ
ド)を用い、室温から還流温度で反応させることにより
対応する酸ハライド誘導体とし、これをR6 OH(R6
はアルキル基)で示されるアルコール(例えばメタノー
ル、エタノール)で処理することによっても得られる。
【0038】反応(B) 化合物[3]を水、アルコール(例えばメタノール、エ
タノール)又はそれらの混合物中、−20℃から40
℃、好ましくは0℃から室温で塩酸等の酸、又は水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
バリウム、炭酸カリウム等の塩基存在下で加水分解する
ことによって化合物[4]を得る。
【0039】反応(C) 化合物[4]を無溶媒又は不活性溶媒中で酸ハライド
(例えば塩化チオニル、オキザリルクロリド)と、室温
から還流温度で反応させることによって化合物[5]を
得る。ここで述べる不活性溶媒とは、反応を妨げること
のない溶媒を意味する。以下についても同様である。
又、化合物[5]を単離することなく次の反応(D)に
用いることもできる。
【0040】反応(D) 化合物[5]を−20℃から40℃、好ましくは−10
℃から0℃でアンモニアを含む不活性溶媒で処理するこ
とによって化合物[6]を得る。
【0041】反応(E) 化合物[6]をアルコール(例えばメタノール、エタノ
ール)、酢酸、1,4−ジオキサン等の適当な溶媒中、
ラネーニッケル、パラジウム−炭素、酸化白金、ロジウ
ム−アルミナ等の通常、接触水素還元に用いられる触媒
の存在下、水素又は蟻酸アンモニウム等を水素源とし
て、0℃から還流温度にて、常圧から200気圧下で還
元することによって化合物[7]を得る。又、化合物
[7]を単離することなく次の反応(F)に用いること
もできる。
【0042】反応(F) 化合物[7]に常法によりアミノ保護基Pを導入するこ
とにより化合物[8]を得る。ここでアミノ保護基Pと
してはベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキ
シカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボ
ニル基等が挙げられるが、反応を妨げない限りいかなる
アミノ保護基であってもよい。例えばPがtert−ブ
トキシカルボニル基である場合、化合物[7]に1,4
−ジオキサン、水、N,N−ジメチルホルムアミド又は
それらの混合物等の溶媒中、水酸化ナトリウム、重曹、
トリエチルアミン等の塩基存在下、ジ−tert−ブチ
ルカーボネートと反応させることにより化合物[8]を
得ることができる。
【0043】反応(G) 化合物[8]を無溶媒又は不活性溶媒中、トリエチルア
ミン、ピリジン等の塩基存在下あるいは非存在下、酸ハ
ライド(例えば塩化チオニル、オキザリルクロリド)、
オキシ塩化リン、トシルクロライド、ベンゼンスルホニ
ルクロライド、五酸化二リン又は塩化チタン(IV)と
室温から還流温度で反応させることによって化合物
[9]を得る。また、化合物[8]を四塩化炭素中、ト
リフェニルホスフィンと室温から還流温度で反応させる
ことによっても化合物[9]を得ることができる。
【0044】反応(H) 化合物[9]を反応(E)と同様の方法で還元すること
により化合物[10]を得る。あるいはアルコール(例
えばメタノール、エタノール)中、塩化アルミニウム、
三フッ化ホウ素、ラネーニッケル又は塩化コバルト(I
I)の存在下、水素化ホウ素ナトリウムで化合物[9]
を還元することによっても化合物[10]を得ることが
できる。又、化合物[10]を単離することなく次の反
応(I)に用いることもできる。
【0045】反応(I) 化合物[10]をアルコール(例えばメタノール、エタ
ノール)中、水素化ナトリウム、ナトリウムアルコキシ
ド(例えばナトリウムメトキシド)等の塩基の存在下あ
るいは非存在下、50℃から還流温度で反応させること
により化合物[11]を得る。
【0046】反応(J) 化合物[11]をトルエン、ジオキサン、N,N−ジメ
チルホルムアミド等の不活性溶媒中、トリエチルアミ
ン、ピリジン、カリウム−tert−ブトキシド等の塩
基の存在下又は非存在下、イソシアナート[12]と室
温から還流温度で反応させ化合物[13]を得る。市販
品以外のイソシアナートは、(1)対応するカルボン酸
からジフェニルリン酸アジド等を用いたCurtius
転位反応、(2)対応する1級アミンとホスゲン類との
反応、又は(3)対応するハロゲン化物とシアン酸ナト
リウムとの反応等により調製し用いることができる。
【0047】反応(K) 化合物[13]のアミノ保護基Pを公知の方法で脱保護
することにより化合物[14]を得る。アミノ保護基P
が例えばtert−ブトキシカルボニル基の場合、無溶
媒又はジクロロメタン、クロロホルム等の不活性溶媒
中、臭化水素酸/酢酸、塩酸/1,4−ジオキサン、蟻
酸、塩酸/酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸
/酢酸等の酸を用い、−30℃から70℃、好ましくは
0℃から30℃で酸処理することによりアミノ保護基P
を除去できる。また化合物[14]は、アミノ基を有す
る塩基性化合物であるため、必要に応じて、任意な酸と
の塩を形成させることができる。例えば、フマル酸塩の
場合、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、
イソプロピルアルコール)、水、アセトン、酢酸エチル
等の適当な溶媒中、化合物[14]とフマル酸を0℃か
ら還流温度にて混合することによって、化合物[14]
のフマル酸塩を得ることができる。
【0048】
【化9】
【0049】〔式中、R1 及びmは前記と同様であり、
Pはアミノ保護基、R2 a はアラルキルオキシ基で置換
されたアリール基、アラルキルオキシ基で置換された複
素環基又はアラルキルオキシ基で置換されたシクロアル
キル基、R2 b は水酸基で置換されたアリール基、水酸
基で置換された複素環基又は水酸基で置換されたシクロ
アルキル基を表す。〕
【0050】製造方法2 反応(L) 化合物[13]のうち、R2 a がアラルキルオキシ基で
置換された基の場合、反応(E)で述べた還元的脱保護
等、常法に従って脱保護することにより化合物[15]
を得ることができる。この化合物[15]は反応(K)
によって化合物[16]に導くことができる。
【0051】
【化10】
【0052】〔式中、R4 及びR5 は前記と同様であ
り、Pはアミノ保護基、Yはハロゲン原子(例えば塩
素、臭素、ヨウ素)、アルコキシ基(例えばメトキシ
基、エトキシ基)のような脱離基を表す。〕
【0053】製造方法3 反応(M) 化合物[11]をトルエン、クロロホルム、N,N−ジ
メチルホルムアミド等の不活性溶媒中、トリエチルアミ
ン、ピリジン、カリウム−tert−ブトキシド等の塩
基存在下、化合物[17](例えばN,N−ジメチルカ
ルバモイルクロライド、ピペリジノカルボニルクロライ
ド)と−20℃から還流温度、好ましくは0℃から40
℃で反応させることにより化合物[18]を得る。この
化合物[18]は反応(K)によって化合物[19]に
導くことができる。
【0054】
【化11】
【0055】〔式中、R3 は前記と同様であり、Pはア
ミノ保護基を表す〕
【0056】製造方法4 反応(N) 化合物[11]を無溶媒又は不活性溶媒中、酸無水物
[20](例えば無水酢酸)と−20℃から還流温度、
好ましくは40℃から還流温度で反応させることにより
化合物[21]を得る。この化合物[21]は反応
(K)によって化合物[22]に導くことができる。
【0057】
【化12】
【0058】〔式中、R3 は前記と同様であり、Xはハ
ロゲン原子、Pはアミノ保護基を表す〕
【0059】製造方法5 反応(O) 化合物[11]をジクロロメタン、クロロホルム、ジオ
キサン等の不活性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジ
ン、カリウム−tert−ブトキシド等の塩基存在下、
酸ハライド[23](例えばピバロイルクロライド、ベ
ンジルオキシカルボニルクロライド)と−40℃から還
流温度、好ましくは0℃から室温で反応させることによ
り化合物[21]を得る。この化合物[21]は反応
(K)によって化合物[22]に導くことができる。
【0060】
【化13】
【0061】
【化14】
【0062】
【化15】
【0063】
【化16】
【0064】
【化17】
【0065】〔式中、Pはアミノ保護基を表し、R1
2 、R2 b 、R3 、R4 、R5 及びmは前記と同様で
ある。〕
【0066】製造方法6−(1)〜(5) 反応(P) 化合物[11]を反応(K)と同様な方法によって脱保
護することにより化合物[24]を得ることができる。
この化合物[24]は、適当な溶媒(例えば、メタノー
ル、エタノール等のアルコール、水)又はそれらの混合
物を再結晶溶媒として用い、光学活性な酸(例えばL−
酒石酸及びD−酒石酸)を用いるジアステレオマー晶析
法によってそれぞれ対応する光学活性な塩、化合物[2
5]と[26]に分離することができる。この化合物
[25]と[26]から反応(F)によってそれぞれ対
応するアミノ保護体、即ち化合物[11]の光学活性体
を得ることができる。化合物[11]の光学活性体から
前記の製造方法1〜5と同様にして対応する光学活性な
化合物[14]、[16]、[19]又は[22]を得
ることができる。
【0067】このようにして得られた一般式[1]で示
される化合物の反応混合物からの単離、精製は有機合成
化学の分野で慣用の任意の手段を用いることにより実施
することができる。例えば、カラムクロマトグラフィ
ー、溶媒抽出、再結晶等である。単離、精製は各反応毎
に行ってもよいし、いくつかの反応終了後に行ってもよ
い。
【0068】一般式[1]で示される本発明化合物に
は、不斉炭素に基づく立体異性体が存在しうるが、その
ような異性体及びそれらの混合物はすべて本発明の範囲
に含まれる。
【0069】ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導
体は、ニコチン様コリン作用及びドパミン放出作用を有
し、ニコチン様コリン作動薬あるいはドパミン作動薬と
して有用である。従って、当該ジアザビシクロ[3.
3.1]ノナン誘導体は脳細胞におけるコリン作用低下
による中枢神経障害治療のための医薬として、あるいは
ドパミン作用低下による中枢神経障害治療のための医薬
として用いることができる。詳細には、当該ジアザビシ
クロ[3.3.1]ノナン誘導体はアルツハイマー病、
パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病等の中枢神
経変性疾患の治療、脳機能障害の改善等に利用すること
ができ、特に記憶障害改善作用を有することから痴呆症
に代表される記憶障害の改善薬として用いることができ
る。かかるジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体
は、前記一般式[1]で示される化合物に限定されるも
のではなく、2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン骨格を有する化合物を包含する。
好ましくは、ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導
体は一般式[1]で示される化合物である。
【0070】ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導
体又はその薬理上許容される塩を医薬製剤として用いる
場合には、通常、それ自体公知の薬理上許容される担
体、賦形剤、希釈剤、増量剤、崩壊剤、安定剤、保存
剤、緩衝剤、乳化剤、芳香剤、着色剤、甘味剤、粘稠
剤、矯味剤、溶解補助剤、その他の添加剤、具体的に
は、水、植物油、エタノール又はベンジルアルコールの
ようなアルコール、ポリエチレングリコール、グリセロ
ールトリアセテート、ゼラチン、ラクトース、デンプン
等のような炭水化物、ステアリン酸マグネシウム、タル
ク、ラノリン、ワセリン等と混合して錠剤、丸剤、散
剤、顆粒剤、坐剤、注射剤、点眼剤、液剤、カプセル
剤、トローチ剤、エアゾール剤、エリキシル剤、懸濁
剤、乳剤、シロップ剤等の形態により経口、非経口又は
外用投与(局所投与)により投与することができる。
【0071】投与量は、疾患の種類及び程度、投与する
化合物ならびに投与経路、患者の年齢、性別、体重等に
より変わり得るが、経口投与の場合、通常、成人1日当
たりジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体(好ま
しくは一般式[1]で示されるジアザビシクロ[3.
3.1]ノナン誘導体)を0.1mg〜1000mg、
特に1mg〜300mgを投与するのが好ましい。
【0072】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、実施例及び表中で使用する略号は以下の意味
を示す。1 H NMR プロトン核磁気共鳴スペクトル MS 質量分析スペクトル DMF N,N−ジメチルホルムアミド DMSO ジメチルスルホキシド Me メチル Et エチル Ph フェニル Bn ベンジル
【0073】実施例1 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸ベンジルアミド塩酸塩 a)ピリジン−3,5−ジカルボン酸ジエチルエステル ピリジン−3,5−ジカルボン酸(200g)のエタノ−ル
(1300ml)懸濁液に4N塩化水素−1,4−ジオキサン
(500ml)を加え、37時間加熱還流した。反応液を濃縮
し、飽和重曹水に注ぎ、重曹で塩基性にした後、酢酸エ
チルで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後濃縮して表題化合物(219g)を得た。
【0074】b)ピリジン−3,5−ジカルボン酸モノ
エチルエステル ピリジン−3,5−ジカルボン酸ジエチルエステル(21
9g)のエタノ−ル(1500ml)溶液に、氷冷下、水酸化カ
リウム(64.8g)の水溶液(360ml)を滴下し、室温で25
時間撹拌した。反応液を濃縮し、水(500ml)を加えジエ
チルエ−テルで洗浄した。水層に酢酸(56.2ml)を加
え、4℃で46時間放置することにより、結晶として表
題化合物(124g)を得た。
【0075】c)5−カルバモイル−ニコチン酸エチル
エステル ピリジン−3,5−ジカルボン酸モノエチルエステル
(124g)に、氷冷下、塩化チオニルを加え、1時間加熱
還流した。反応液を濃縮し、残渣を氷冷下、ベンゼン
(500ml)及び28%アンモニア水(500ml)の混合物に加
えることにより、結晶として表題化合物(88.5g)を得
た。
【0076】d)1−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−5−カルバモイルピペリジン−3−カルボン酸エ
チルエステル 5−カルバモイル−ニコチン酸エチルエステル(88.5g)
の酢酸(500ml)懸濁液に酸化白金(4.25g )を加え、水
素雰囲気下(3気圧)、60℃で6時間撹拌した。反応
液を濾過、濃縮した。残渣を1,4−ジオキサン(600m
l)及び水(600ml)の混合物に溶解し、氷冷下、重曹で塩
基性にし、ジ−tert−ブチルカルボネート(84.9g)
を加え、室温で14時間撹拌した。反応液を酢酸エチル
で抽出し、有機層を水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後濃縮して、表題化合物(118g)を得た。
【0077】e)1−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−5−シアノピペリジン−3−カルボン酸エチルエ
ステル 1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−カルバモ
イルピペリジン−3−カルボン酸エチルエステル(70.0
g)のピリジン(700ml)溶液にオキシ塩化リン(13.2ml)
を加え、75℃で1時間加熱した。反応液を飽和重曹水
に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、5%硫酸
水素カリウム水、水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後濃縮して表題化合物(61.2g )を得た。
【0078】f)7−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−
2−オン 1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−シアノピ
ペリジン−3−カルボン酸エチルエステル(61.2g)の酢
酸(500ml)溶液に酸化白金(3.06g)を加え、水素雰囲気
下(3気圧)、室温で3時間撹拌した。反応液を濾過後
濃縮し、残渣をメタノ−ル(600ml)に溶解し、氷冷下、
水素化ナトリウム(60% dispersion inoil 、25.0g)を
加え、18時間加熱還流した。反応液を濃縮し、5%硫
酸水素カリウム水を加えクロロホルムで抽出した。有機
層を飽和重曹水、水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで
乾燥後濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィ−(溶離液:クロロホルム−メタノ−ルの混合溶
媒)にて精製し、表題化合物(34.1g)を得た。
【0079】g)7−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン−3−カルボン酸ベンジルアミド 7−(tert−ブトキシカルボニル)−3,7−ジア
ザビシクロ[3.3.1]ノナン−2−オン(1.00g)の
トルエン(10ml)溶液にベンジルイソシアネ−ト(0.61
6ml)を加え、80℃にて3時間加熱した。反応液を濃縮
してシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶離液:ク
ロロホルム−メタノ−ルの混合溶媒)にて精製し表題化
合物(1.60g)を得た。
【0080】h)2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸ベンジルアミド
塩酸塩 7−(tert−ブトキシカルボニル)−2−オキソ−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ
ルボン酸ベンジルアミド(1.60g)の1,4−ジオキサン
(15ml)溶液に4N塩化水素−1,4−ジオキサン(15
ml)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応液を濃縮し
残渣をエタノ−ル及び水の混合物より再結晶することに
より表題化合物(985mg)を得た。
【0081】実施例2〜5 実施例1と同様の方法で、次の化合物を合成した。 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸フェニルアミド塩酸塩(実施例
2) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−メチルアミド塩酸塩(実施例
3) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−エチルアミド塩酸塩(実施例
4) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−tert−ブチルアミド塩酸塩
(実施例5)
【0082】実施例6 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸(2−メトキシフェニル)アミド
フマル酸塩 a)7−(tert−ブトキシカルボニル)−2−オキ
ソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3
−カルボン酸(2−メトキシフェニル)アミド 実施例1−g)と同様の方法でベンジルイソシアネ−ト
の代わりに2−メトキシフェニルイソシアネ−トを用
い、実施例1−f)で得られた7−(tert−ブトキ
シカルボニル)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン−2−オン(200mg)より表題化合物(302mg)
を得た。
【0083】b)2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸(2−メトキシ
フェニル)アミドフマル酸塩 7−(tert−ブトキシカルボニル)−2−オキソ−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ
ルボン酸(2−メトキシフェニル)アミド(295mg)の
1,4−ジオキサン(5ml)溶液に4N塩化水素−1,4
−ジオキサン(5ml)を加え、室温にて1時間撹拌した。
反応液を濃縮し残渣に飽和重曹水を加えクロロホルムで
抽出した。有機層を濃縮し、残渣をイソプロパノ−ル
(10ml)に溶解しフマル酸(241mg)のイソプロパノ−ル
(40ml)溶液を加え濃縮し、残渣をエタノ−ル及び水の
混合物より再結晶することにより表題化合物(198mg)を
得た。
【0084】実施例7〜12 実施例6と同様の方法で、次の化合物を合成した。 3−〔(S)−1−フェニルエチルカルバモイル〕−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−2−オ
ンフマル酸塩(実施例7) 3−〔(R)−1−フェニルエチルカルバモイル〕−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−2−オ
ンフマル酸塩(実施例8) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(1−ナフチル)アミドフマル
酸塩(実施例9) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(3−メトキシフェニル)アミ
ドフマル酸塩(実施例10) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(4−メトキシフェニル)アミ
ドフマル酸塩(実施例11) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−イソプロピルアミドフマル酸塩
(実施例12)
【0085】実施例13 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸(4−クロロベンジル)アミドフ
マル酸塩 a)7−(tert−ブトキシカルボニル)−2−オキ
ソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3
−カルボン酸(4−クロロベンジル)アミド 4−クロロフェニル酢酸(850mg)のトルエン(10ml)溶
液にジフェニルリン酸アジド(1.18ml)、トリエチルア
ミン(0.764ml)を加え、室温にて1時間撹拌し、80℃
にて1時間撹拌した。反応液に実施例1−f)で得られ
た7−(tert−ブトキシカルボニル)−3,7−ジ
アザビシクロ[3.3.1]ノナン−2−オン(400mg)
を加え80℃にて3時間撹拌した。反応液に酢酸エチル
(30ml)を加え5%硫酸水素カリウム水、飽和重曹水、
飽和食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃
縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−
(溶離液:クロロホルム−メタノ−ルの混合溶媒)にて
精製し表題化合物(670mg)を得た。
【0086】b)2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸(4−クロロベ
ンジル)アミドフマル酸塩 7−(tert−ブトキシカルボニル)−2−オキソ−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ
ルボン酸(4−クロロベンジル)アミド(664mg)より、
実施例6−b)と同様の方法で表題化合物(343mg)を得
た。
【0087】実施例14〜60 実施例13と同様の方法で、次の化合物を合成した。 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(3−クロロベンジル)アミド
フマル酸塩(実施例14) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(2−クロロベンジル)アミド
フマル酸塩(実施例15) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(4−フルオロベンジル)アミ
ドフマル酸塩(実施例16) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(3−フルオロベンジル)アミ
ドフマル酸塩(実施例17) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(2−フルオロベンジル)アミ
ドフマル酸塩(実施例18) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(4−メトキシベンジル)アミ
ドフマル酸塩(実施例19) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(3−メトキシベンジル)アミ
ドフマル酸塩(実施例20)
【0088】2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(2−メトキ
シベンジル)アミドフマル酸塩(実施例21) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(3,4−ジメトキシベンジ
ル)アミドフマル酸塩(実施例22) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(3,4,5−トリメトキシベ
ンジル)アミドフマル酸塩(実施例23) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(3,4−メチレンジオキシベ
ンジル)アミドフマル酸塩(実施例24) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−〔4−(ベンジルオキシ)ベン
ジル〕アミドフマル酸塩(実施例25) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−〔3,4−ジ(ベンジルオキ
シ)ベンジル〕アミドフマル酸塩(実施例26) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(4−ベンジルオキシ−3−メ
トキシベンジル)アミドフマル酸塩(実施例27) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(3−クロロ−4−メトキシベ
ンジル)アミドフマル酸塩(実施例28) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(3−フルオロ−4−メトキシ
ベンジル)アミドフマル酸塩(実施例29) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(2−メチルベンジル)アミド
フマル酸塩(実施例30)
【0089】2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(3−メチル
ベンジル)アミドフマル酸塩(実施例31) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(4−メチルベンジル)アミド
フマル酸塩(実施例32) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(2−トリフルオロメチルベン
ジル)アミドフマル酸塩(実施例33) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(3−トリフルオロメチルベン
ジル)アミドフマル酸塩(実施例34) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(4−トリフルオロメチルベン
ジル)アミドフマル酸塩(実施例35) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(4−ジメチルアミノベンジ
ル)アミドフマル酸塩(実施例36) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(4−エトキシベンジル)アミ
ドフマル酸塩(実施例37) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(4−フェニルベンジル)アミ
ドフマル酸塩(実施例38) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(3,4−ジクロロベンジル)
アミドフマル酸塩(実施例39) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(2−チエニル)メチルアミド
フマル酸塩(実施例40)
【0090】2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(ピリジン−
3−イル−メチル)アミドフマル酸塩(実施例41) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(ピリジン−4−イル−メチ
ル)アミドフマル酸塩(実施例42) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(ナフタレン−2−イル−メチ
ル)アミドフマル酸塩(実施例43) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(2−ナフチル)アミドフマル
酸塩(実施例44) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(ナフタレン−1−イル−メチ
ル)アミドフマル酸塩(実施例45) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−フェネチルアミドフマル酸塩
(実施例46) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(2−メトキシフェネチル)ア
ミドフマル酸塩(実施例47) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(3−メトキシフェネチル)ア
ミドフマル酸塩(実施例48) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(4−メトキシフェネチル)ア
ミドフマル酸塩(実施例49) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−プロピルアミドフマル酸塩(実
施例50)
【0091】2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−シクロプロピ
ルアミドフマル酸塩(実施例51) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−イソブチルアミドフマル酸塩
(実施例52) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−シクロプロピルメチルアミドフ
マル酸塩(実施例53) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(2−メチルプロペニル)アミ
ドフマル酸塩(実施例54) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−シクロブチルアミドフマル酸塩
(実施例55) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−シクロペンチルアミドフマル酸
塩(実施例56) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−シクロヘキシルアミドフマル酸
塩(実施例57) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(2,2,3,3−テトラメチ
ルシクロプロピル)アミドフマル酸塩(実施例58) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−シクロヘキシルメチルアミドフ
マル酸塩(実施例59) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−シクロペンチルメチルアミドフ
マル酸塩(実施例60)
【0092】実施例61 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸(4−ヒドロキシベンジル)アミ
ドフマル酸塩 a)7−(tert−ブトキシカルボニル)−2−オキ
ソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3
−カルボン酸(4−ベンジルオキシベンジル)アミド 実施例13−a)と同様の方法で、4−クロロフェニル
酢酸の代わりに4−ベンジルオキシフェニル酢酸(820m
g)を用い、実施例1−fで得られた7−(tert−ブ
トキシカルボニル)−3,7−ジアザビシクロ[3.
3.1]ノナン−2−オン(409mg)より表題化合物(80
5mg)を得た。
【0093】b)7−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン−3−カルボン酸(4−ヒドロキシベンジ
ル)アミド 7−(tert−ブトキシカルボニル)−2−オキソ−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ
ルボン酸(4−ベンジルオキシベンジル)アミド(533m
g)のメタノ−ル(10ml)溶液に10%パラジウム−炭素
(10mg)を加え、水素雰囲気下、室温で1時間撹拌し
た。反応液を濾過後濃縮し表題化合物(354mg)を得た。
【0094】c)2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸(4−ヒドロキ
シベンジル)アミドフマル酸塩 7−(tert−ブトキシカルボニル)−2−オキソ−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カ
ルボン酸(4−ヒドロキシベンジル)アミド(340mg)よ
り、実施例6−b)と同様の方法で表題化合物(110mg)
を得た。
【0095】実施例62、63 実施例61と同様の方法で、次の化合物を合成した。 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(3,4−ジヒドロキシベンジ
ル)アミド塩酸塩(実施例62) 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−3−カルボン酸−(4−ヒドロキシ−3−メトキ
シベンジル)アミドフマル酸塩(実施例63)
【0096】実施例64 3−(N,N−ジメチルカルバモイル)−3,7−ジア
ザビシクロ[3.3.1]ノナン−2−オンフマル酸塩 a)7−(tert−ブトキシカルボニル)−3−
(N,N−ジメチルカルバモイル)−3,7−ジアザビ
シクロ[3.3.1]ノナン−2−オン 実施例1−f)で得られた7−(tert−ブトキシカ
ルボニル)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−2−オン(600mg)のN,N−ジメチルホルムアミ
ド溶液(12ml)に、氷冷下、カリウム−tert−ブト
キシド(841mg)を加え室温にて20分間撹拌した。反応
液を氷冷し、N,N−ジメチルカルバモイルクロライド
(0.690ml)を加え、そのまま20分間撹拌した。反応液
を水に注ぎ、クロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥後濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(溶離液:クロロホルム−メタノ−ルの混合溶
媒)にて精製し表題化合物(549mg)を得た。
【0097】b)3−(N,N−ジメチルカルバモイ
ル)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−
2−オンフマル酸塩 7−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(N,N
−ジメチルカルバモイル)−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン−2−オン(540mg)より、実施例
6−b)と同様の方法で表題化合物(66.0mg)を得た。
【0098】実施例65 実施例64と同様の方法で、3−(ピペリジン−1−カ
ルボニル)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−2−オンフマル酸塩を合成した。
【0099】実施例66 3−アセチル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]
ノナン−2−オン塩酸塩 a)3−アセチル−7−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−
2−オン 実施例1−f)で得られた7−(tert−ブトキシカ
ルボニル)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−2−オン(2.30g)に無水酢酸(10ml)を加え、1
20℃で2時間加熱した。反応液にメタノ−ル(15ml)
を加え、濃縮し飽和重曹水を加え酢酸エチルで抽出し
た。有機層を5%硫酸水素カリウム水、飽和重曹水、飽
和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃
縮し、表題化合物(2.45g)を得た。
【0100】b)3−アセチル−3,7−ジアザビシク
ロ[3.3.1]ノナン−2−オン塩酸塩 3−アセチル−7−(tert−ブトキシカルボニル)
−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−2−
オン(1.00g)のジクロロメタン(8ml)溶液に、氷冷下、
トリフルオロ酢酸(8ml)を加え30分間撹拌した。反応
液を濃縮し、飽和重曹水を加え炭酸カリウムで塩基性と
し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥後濃縮した。残渣を酢酸エチル(10ml)に
溶解し、0.2N塩化水素−酢酸エチル(12ml)を滴下
し1時間撹拌した後濃縮した。残渣をエタノ−ルより再
結晶することにより表題化合物(395mg)を得た。
【0101】実施例67 3−ピバロイル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン−2−オン塩酸塩 a)7−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ピバ
ロイル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
−2−オン 実施例1−f)で得られた7−(tert−ブトキシカ
ルボニル)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−2−オン(1.20g)のジクロロメタン(12ml)溶液
に、氷冷下、トリエチルアミン(2.09ml)及びピバロイ
ルクロライド(1.23ml)を加え室温で20分間撹拌し
た。反応液に5%硫酸水素カリウム水(15ml)を加え、
ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和重曹水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し表題化合物(1.
57g)を得た。
【0102】b)3−ピバロイル−3,7−ジアザビシ
クロ[3.3.1]ノナン−2−オン塩酸塩 実施例1−h)と同様の方法により、7−(tert−
ブトキシカルボニル)−3−ピバロイル−3,7−ジア
ザビシクロ[3.3.1]ノナン−2−オン(1.57g)よ
り表題化合物(685mg)を得た。
【0103】実施例68 3−ベンジルオキシカルボニル−3,7−ジアザビシク
ロ[3.3.1]ノナン−2−オンフマル酸塩 a)3−ベンジルオキシカルボニル−7−(tert−
ブトキシカルボニル)−3,7−ジアザビシクロ[3.
3.1]ノナン−2−オン 実施例64−a)と同様の方法により、N,N−ジメチ
ルカルバモイルクロライドの代わりにベンジルオキシカ
ルボニルクロライド(0.891ml)を用い、実施例1−f)
で得られた7−(tert−ブトキシカルボニル)−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−2−オ
ン(500mg)より表題化合物(399mg)を得た。
【0104】b)3−ベンジルオキシカルボニル−3,
7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−2−オンフ
マル酸塩 3−ベンジルオキシカルボニル−7−(tert−ブト
キシカルボニル)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン−2−オン(389mg)のジクロロメタン(3ml)
溶液に、氷冷下、トリフルオロ酢酸(3ml)を加え30分
間撹拌した。反応液を濃縮し、飽和重曹水を加え炭酸カ
リウムで塩基性とし、ジクロロメタンで抽出した。有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥濃縮した。残渣をイソプ
ロパノ−ル(5ml)に溶解し、フマル酸(80mg)のイソプ
ロパノ−ル(20ml)溶液を加え濃縮し、残渣をイソプロ
パノ−ルより再結晶することにより表題化合物(175mg)
を得た。
【0105】実施例69、70 (1R,5S)−(+)−2−オキソ−3,7−ジアザ
ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸シクロ
ペンチルアミドフマル酸塩(実施例69)及び(1S,
5R)−(−)−2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸シクロペンチル
アミドフマル酸塩(実施例70) a)3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−2
−オン 実施例1−f)で得られた7−(tert−ブトキシカ
ルボニル)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−2−オン(6.40g)の1,4−ジオキサン(50ml)
溶液に4N塩化水素−1,4−ジオキサン(50ml)を加
え、室温にて1時間撹拌した。反応液を濃縮し残渣に炭
酸カリウム(5.51g)水溶液、無水硫酸ナトリウムを順次
加え5%エタノ−ル−クロロホルムで抽出し、濃縮する
ことにより表題化合物(2.98g)を得た。
【0106】b)(1R,5S)−3,7−ジアザビシ
クロ[3.3.1]ノナン−2−オンL−酒石酸塩及び
(1S,5R)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン−2−オンD−酒石酸塩 3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−2−オ
ン(2.98g)のエタノ−ル溶液(30ml)に80℃水浴上で
L−酒石酸(1.60g)のエタノ−ル(35ml)−水(7ml)混
合溶液を加え室温で120時間放置した。析出する結晶
を濾取しメタノ−ル及び水の混合物より再結晶すること
により(1R,5S)−3,7−ジアザビシクロ[3.
3.1]ノナン−2−オンL−酒石酸塩(1.20g)を得
た。また、濾液を濃縮し残渣に炭酸カリウム(996mg)水
溶液、無水硫酸ナトリウムを順次加え5%エタノ−ル−
クロロホルムで抽出、濃縮し、残渣をエタノ−ル(20m
l)に溶解し80℃水浴上でD−酒石酸(1.06g)のエタ
ノ−ル(30ml)−水(6ml)混合溶液を加え室温で48時
間放置した。析出する結晶を濾取しメタノ−ル及び水の
混合物より再結晶することにより(1S,5R)−3,
7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−2−オンD
−酒石酸塩(771mg)を得た。
【0107】c)(1R,5S)−7−(tert−ブ
トキシカルボニル)−3,7−ジアザビシクロ[3.
3.1]ノナン−2−オン及び(1S,5R)−7−
(tert−ブトキシカルボニル)−3,7−ジアザビ
シクロ[3.3.1]ノナン−2−オン (1R,5S)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン−2−オンL−酒石酸塩の1,4−ジオキサ
ン(20ml)−水(20ml)混合溶液に、氷冷下、重曹(1.
36g)及びジ−tert−ブチルカーボネート(832mg)を
加え、室温で18時間撹拌した。反応液をクロロホルム
で抽出し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃
縮して、(1R,5S)−7−(tert−ブトキシカ
ルボニル)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
ナン−2−オン(892mg)を得た。同様に(1S,5R)
−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−2−
オンD−酒石酸塩(751mg)より(1S,5R)−7−
(tert−ブトキシカルボニル)−3,7−ジアザビ
シクロ[3.3.1]ノナン−2−オン(583mg)を得
た。
【0108】d)(1R,5S)−7−(tert−ブ
トキシカルボニル)−2−オキソ−3,7−ジアザビシ
クロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸シクロペン
チルアミド及び(1S,5R)−7−(tert−ブト
キシカルボニル)−2−オキソ−3,7−ジアザビシク
ロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸シクロペンチ
ルアミド 実施例13−a)と同様の方法で4−クロロフェニル酢
酸の代わりにシクロペンタンカルボン酸を用い、(1
R,5S)−7−(tert−ブトキシカルボニル)−
3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−2−オ
ン(240mg)より(1R,5S)−7−(tert−ブト
キシカルボニル)−2−オキソ−3,7−ジアザビシク
ロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸シクロペンチ
ルアミド(350mg)を得た。また、(1S,5R)−7−
(tert−ブトキシカルボニル)−3,7−ジアザビ
シクロ[3.3.1]ノナン−2−オン(200mg)より
(1S,5R)−7−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン−3−カルボン酸シクロペンチルアミド(25
3mg)を得た。
【0109】e)(1R,5S)−(+)−2−オキソ
−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−
カルボン酸シクロペンチルアミドフマル酸塩及び(1
S,5R)−(−)−2−オキソ−3,7−ジアザビシ
クロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸シクロペン
チルアミドフマル酸塩 (1R,5S)−7−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン−3−カルボン酸シクロペンチルアミド(34
5mg)より、実施例6−b)と同様の方法で(1R,5
S)−(+)−2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ
[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸シクロペンチル
アミドフマル酸塩(174mg)を得た。また、(1S,5
R)−7−(tert−ブトキシカルボニル)−2−オ
キソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−
3−カルボン酸シクロペンチルアミド(250mg )より
(1S,5R)−(−)−2−オキソ−3,7−ジアザ
ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸シクロ
ペンチルアミドフマル酸塩(130mg)を得た。
【0110】実施例71〜76 実施例69、70と同様の方法で、次の化合物を合成し
た。 (1R,5S)−(+)−2−オキソ−3,7−ジアザ
ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−
(3,4−ジメトキシベンジル)アミドフマル酸塩(実
施例71) (1S,5R)−(−)−2−オキソ−3,7−ジアザ
ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−
(3,4−ジメトキシベンジル)アミドフマル酸塩(実
施例72) (1R,5S)−(+)−2−オキソ−3,7−ジアザ
ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(4
−メトキシベンジル)アミドフマル酸塩(実施例73) (1S,5R)−(−)−2−オキソ−3,7−ジアザ
ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(4
−メトキシベンジル)アミドフマル酸塩(実施例74) (1R,5S)−(+)−2−オキソ−3,7−ジアザ
ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(3
−クロロ−4−メトキシベンジル)アミドフマル酸塩
(実施例75) (1R,5S)−(+)−2−オキソ−3,7−ジアザ
ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(3
−フルオロ−4−メトキシベンジル)アミドフマル酸塩
(実施例76) これら実施例1〜76の化合物の構造式及び理化学的性
状を表1〜26に示す。
【0111】
【表1】
【0112】
【表2】
【0113】
【表3】
【0114】
【表4】
【0115】
【表5】
【0116】
【表6】
【0117】
【表7】
【0118】
【表8】
【0119】
【表9】
【0120】
【表10】
【0121】
【表11】
【0122】
【表12】
【0123】
【表13】
【0124】
【表14】
【0125】
【表15】
【0126】
【表16】
【0127】
【表17】
【0128】
【表18】
【0129】
【表19】
【0130】
【表20】
【0131】
【表21】
【0132】
【表22】
【0133】
【表23】
【0134】
【表24】
【0135】
【表25】
【0136】
【表26】
【0137】実験例1(ニコチン様アセチルコリン受容
体との結合性試験) 本発明化合物のニコチン様アセチルコリン受容体との結
合性を示すために、本発明化合物による〔 3H〕−サイ
チシンとニコチン様アセチルコリン受容体との結合抑制
作用を測定した。雄性Wistarラット(200 −350
g)から得られた脳を氷冷した10倍容量(v/w)の
緩衝液(50mM Tris −HCl, 120mM NaCl, 5mM KCl, 1mM
MgCl 2 ,2.5mM CaCl2 )中でホモジナイズした。ホモ
ジネ−トを4℃に保ちながら50000×gで20分間
遠心分離し、得られたペレットを10倍容量(v/w)
の蒸留水に再懸濁させた。氷冷中に1時間放置後、4℃
に保ちながら50000×gで20分間遠心分離し、得
られたペレットを更に10倍容量(v/w)の緩衝液に
再懸濁させた後、懸濁液の蛋白質濃度をLowry等の
方法〔J. Biol. Chem., Vol.193, 265−275, (1951) 〕
で測定した。
【0138】〔 3H〕−サイチシンの結合はPabre
za等の変法〔Molecular Pharmacology, Vol.39, 9 −
12, (1991)〕で測定した。測定には、900μgの懸濁
液蛋白質、6nM〔 3H〕−サイチシン(45nCi/tube)
及び種々の濃度の試験化合物を含有する溶液を、12m
m×75mmのポリスチレンチューブ中で550μlの
最終インキュベーション容量で4℃において2時間イン
キュベートしたものを用いた。結合反応は、0.3%ポ
リエチレンイミン液で浸しておいたガラス繊維フィルタ
ー上で、懸濁液蛋白質を吸引することにより終端させ
た。各フィルターを緩衝液2mlで4回洗浄した後、ク
リアゾル(ナカライテスク製)で可溶化し、シンチレー
ションカウンターにて放射活性を測定した。非特異的結
合は、サイチシン1mMを含むインキュベーションを用
いて測定した。試験化合物による〔 3H〕−サイチシン
の結合の抑制は、0.1nM〜1mMの試験化合物を含
むインキュベーションを用いて同様に測定した。表27
にその結果を示す。IC50値は特異的〔 3H〕−サイ
チシン結合を50%抑制した試験化合物の濃度である。
表中の対照化合物ABT−418は、3−メチル−5−
(1−メチルピロリジニル−2−イル)イソオキサゾー
ルである。
【0139】
【表27】
【0140】実験例2(ドパミン放出作用) ドパミン放出作用は、Nagy等の方法[J. Neuroche
m., Vol. 43, 1114-1123, (1984)] に従い測定した。Sp
rague-Dawley種のラットから得た脳線条体領域を、N−
2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンス
ルホン酸(HEPES)(pH7.5)5mMで緩衝し
た0.32Mのショ糖2ml中に、ガラス−テフロン組
織グラインダーを用いて均質化した。ホモジネートを別
の均質化溶液で5mlに希釈し、1000×gで10分
間遠心分離した。この手順を得られたペレットに関して
くり返し、ここで得られた上澄み液と先の上澄み液をあ
わせ、さらに12000×gで20分間遠心分離した。
得られたペレットをHEPES緩衝ショ糖液中に分散さ
せ、別に作ったPercoll濃度が16%、10%及
び7.5%よりなる三層不連続Percoll勾配の上
に積層した。これを15000×gで20分間遠心分離
した後、16%層上に集積したシナプトソームをパスツ
ールピペットで回収し、灌流緩衝液(128mM Na
Cl,2.4mM KCl,3.2mMCaCl2
1.2mM KH2 PO4 ,1.2mM MgSO4
25mMHEPES,10mM ブドウ糖,1mM ア
スコルビン酸塩,0.01mMパルギリン)8mlで希
釈した後、さらに15000×gで20分間遠心分離し
た。得られたペレットを灌流緩衝液に再懸濁し、37℃
で10分間インキュベーションした。次いで、〔 3H〕
ドパミン(Amersham, 40-60 Ci/mM)を懸濁液に加え、懸
濁液中0.1μMの最終濃度にし、更に37℃で5分間
インキュベーションさせることによりドパミンをシナプ
トソームに吸収させた。
【0141】上で得られた懸濁液を0.5%のポリエチ
レンイミンを浸透させたガラス繊維フィルター(Gelman
type A/E)で濾過し、フィルター上にシナプトソームを
付加させた。このフィルターを、試験物質の滴下前20
分間以上、蠕動性ポンプで吸引しながら灌流緩衝液をフ
ィルター上に滴下することにより(0.2−0.3ml
/min)洗浄した。試験物質の10μM溶液0.2m
lを、洗浄したフィルター上へ滴下した後、灌流液をシ
ンチレーションバイアルに1分間隔で収集した。放出さ
れたドパミン量をシンチレーションカウントにより測定
した。バックグラウンドを上回る放出放射能ピークを合
計し、その合計値から同じ時間の平均基底放出を差引
き、得られた放出値を等濃度のS−(−)−ニコチンで
得られた放出値に対する百分率(%ニコチン)として表
した。表28にその結果を示す。
【0142】
【表28】
【0143】実験例3(記憶障害改善作用) 中枢作用の指標として、スコポラミン処理ラットを用い
て記憶障害改善作用を測定した。実験には雄性Wist
arラット(170 −200g)と、装置として明暗2部屋
(暗室:幅30cm×30cm×高さ30cm、明室:幅25cm×奥行
き10cm×高さ25cm)からなる受動的回避訓練箱(ステッ
プスルー型)を用いた。まず、馴化試行としてラットを
獲得試行の1時間前に明室に入れ、仕切板を開けてから
ラットが暗室に入るまでの時間(反応潜時)を測定し
た。次に、獲得試行としてラットを明室に入れ、仕切板
を開けてラットが暗室に入ったときに床のグリッドに
0.25mAの電気刺激(1秒間)を与えた時の反応潜
時を記録した。その24時間後に保持試行を行い、反応
潜時を測定した。獲得試行の30分前に、生理食塩水に
溶解したスコポラミン(0.5mg/kg)と試験化合物(0.1,
0.3,1.0mg/kg のうち1種)を皮下投与した。保持試行
の反応潜時を最大300秒まで記録し、それ以上は30
0秒とした。各群の保持試行反応潜時をMann−Wh
itneyのU検定を用いて検定し、試験化合物を含ま
ない生理食塩水とスコポラミンを投与した群より5%以
下の危険率で有意に長い反応潜時を有する試験化合物群
を有効と判定した。表29にその結果を示す。有効と判
定された試験化合物群の投与量のうち、最も少ない投与
量を最小有効用量(MED)とした。
【0144】実験例4(血圧変化の測定) 末梢作用の指標として血圧変化を測定した。雄性Wis
tarラット(220 −300g)をペントバルビタールナト
リウム(25mg/kg, i.p.)及びバルビタールナトリウム
(300mg/kg, i.p.)で麻酔し、薬物投与用として股静脈
にPE10テフロンチューブを、血圧測定用として股動
脈にPE30テフロンチューブを挿入した後、股動脈カ
ニューレを圧トランデューサーに接続して薬物投与前後
の血圧の変化を測定した。薬物は生理食塩水に溶解し、
最低用量(0.1mg/kg)より20分以上の間隔をあけて最
高用量(10mg/kg )まで連続して股静脈カニューレから
投与した。薬物投与前後の血圧変化が30mmHgに達
する用量を最小有効用量(EC30)とした。表29に
その結果を示す。各化合物の中枢作用/末梢作用比を表
29に示す。
【0145】
【表29】
【0146】本発明化合物は、ニコチン様アセチルコリ
ン受容体に対し高い結合性を有し、スコポラミン処理ラ
ットを用いたin vivo の記憶障害改善作用の試験におい
ても優れた改善効果を示した。本発明化合物は、対照化
合物であるサイチシン、ニコチン及びABT─418に
比べて、中枢選択性が高く末梢神経に対する作用が低い
という特徴を有する。
【0147】
【発明の効果】本発明のジアザビシクロ[3.3.1]
ノナン誘導体は、高いニコチン様コリン受容体結合性を
有し、またドパミン放出作用も有することから、ニコチ
ン様コリン作動薬あるいはドパミン作動薬として有用で
ある。従って、本発明化合物はアルツハイマー病、パー
キンソン病、ハンチントン病、ピック病等の中枢神経変
性疾患の治療、脳機能障害の改善等に利用することがで
き、特に記憶障害改善作用を有することから痴呆症に代
表される記憶障害の改善薬として用いることができる。
また、本発明化合物は末梢神経に対する作用が低いた
め、従来のコリン作動薬にみられる昇圧、下痢等の副作
用が少ないという特徴を有する。また一般式[11]の
化合物は、一般式[1]のジアザビシクロ[3.3.
1]ノナン誘導体を製造するための中間体として有用で
ある。

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[1] 【化1】 〔式中、Rは−CONH−(CHR1 m −R2 (式
    中、R1 は水素原子又はアルキル基を表し、mは0、1
    又は2を表し、R2 は置換されてもよいアリール基、置
    換されてもよい複素環基、置換されてもよいシクロアル
    キル基、アルキル基又はアルケニル基を表す。)又は−
    CO−R3 (式中、R3 はアルキル基、アラルキルオキ
    シ基又は−NR4 5 (式中、R4 及びR5 は同一又は
    異なってアルキル基を表すか、R4 とR5 が隣接する窒
    素原子と一緒になって式 【化2】 (nは2又は3を表す。)で表される基を形成する。)
    を表す。)を表す。〕で示されるジアザビシクロ[3.
    3.1]ノナン誘導体又はその薬理上許容される塩。
  2. 【請求項2】 Rが−CONH−(CHR1 m −R2
    (式中、R1 、m及びR2 は請求項1と同様である。)
    である請求項1記載のジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン誘導体又はその薬理上許容される塩。
  3. 【請求項3】 R1 が水素原子である請求項2記載のジ
    アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬理
    上許容される塩。
  4. 【請求項4】 R2 が置換されてもよいアリール基又は
    置換されてもよいシクロアルキル基である請求項3記載
    のジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその
    薬理上許容される塩。
  5. 【請求項5】 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ
    [3.3.1]ノナン−3−カルボン酸ベンジルアミ
    ド、 3−〔(S)−1−フェニルエチルカルバモイル〕−
    3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−2−オ
    ン、 3−〔(R)−1−フェニルエチルカルバモイル〕−
    3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−2−オ
    ン、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(1−ナフチル)アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸フェニルアミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(2−メトキシフェニル)アミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(3−メトキシフェニル)アミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(4−メトキシフェニル)アミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−メチルアミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−エチルアミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−tert−ブチルアミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−イソプロピルアミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(4−クロロベンジル)アミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(3−クロロベンジル)アミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(2−クロロベンジル)アミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(4−フルオロベンジル)アミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(3−フルオロベンジル)アミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(2−フルオロベンジル)アミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(4−メトキシベンジル)アミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(3−メトキシベンジル)アミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(2−メトキシベンジル)アミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(3,4−ジメトキシベンジ
    ル)アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(3,4,5−トリメトキシベ
    ンジル)アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(3,4−メチレンジオキシベ
    ンジル)アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−〔4−(ベンジルオキシ)ベン
    ジル〕アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−〔3,4−ジ(ベンジルオキ
    シ)ベンジル〕アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(4−ベンジルオキシ−3−メ
    トキシベンジル)アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(3−クロロ−4−メトキシベ
    ンジル)アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(3−フルオロ−4−メトキシ
    ベンジル)アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(2−メチルベンジル)アミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(3−メチルベンジル)アミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(4−メチルベンジル)アミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(2−トリフルオロメチルベン
    ジル)アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(3−トリフルオロメチルベン
    ジル)アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(4−トリフルオロメチルベン
    ジル)アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(4−ジメチルアミノベンジ
    ル)アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(4−エトキシベンジル)アミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(4−フェニルベンジル)アミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(3,4−ジクロロベンジル)
    アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(2−チエニル)メチルアミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(ピリジン−3−イル−メチ
    ル)アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(ピリジン−4−イル−メチ
    ル)アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(ナフタレン−2−イル−メチ
    ル)アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(2−ナフチル)アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(ナフタレン−1−イル−メチ
    ル)アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−フェネチルアミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(2−メトキシフェネチル)ア
    ミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(3−メトキシフェネチル)ア
    ミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(4−メトキシフェネチル)ア
    ミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−プロピルアミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−シクロプロピルアミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−イソブチルアミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−シクロプロピルメチルアミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(2−メチルプロペニル)アミ
    ド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−シクロブチルアミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−シクロペンチルアミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−シクロヘキシルアミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(2,2,3,3−テトラメチ
    ルシクロプロピル)アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−シクロヘキシルメチルアミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−シクロペンチルメチルアミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(4−ヒドロキシベンジル)ア
    ミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(3,4−ジヒドロキシベンジ
    ル)アミド、 2−オキソ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノ
    ナン−3−カルボン酸−(4−ヒドロキシ−3−メトキ
    シベンジル)アミド、 3−(N,N−ジメチルカルバモイル)−3,7−ジア
    ザビシクロ[3.3.1]ノナン−2−オン、 3−(ピペリジン−1−カルボニル)−3,7−ジアザ
    ビシクロ[3.3.1]ノナン−2−オン、 3−アセチル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]
    ノナン−2−オン、 3−ピバロイル−3,7−ジアザビシクロ[3.3.
    1]ノナン−2−オン、 3−ベンジルオキシカルボニル−3,7−ジアザビシク
    ロ[3.3.1]ノナン−2−オン、 (1R,5S)−(+)−2−オキソ−3,7−ジアザ
    ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−シク
    ロペンチルアミド、 (1S,5R)−(−)−2−オキソ−3,7−ジアザ
    ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−シク
    ロペンチルアミド、 (1R,5S)−(+)−2−オキソ−3,7−ジアザ
    ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−
    (3,4−ジメトキシベンジル)アミド、 (1S,5R)−(−)−2−オキソ−3,7−ジアザ
    ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−
    (3,4−ジメトキシベンジル)アミド、 (1R,5S)−(+)−2−オキソ−3,7−ジアザ
    ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(4
    −メトキシベンジル)アミド、 (1S,5R)−(−)−2−オキソ−3,7−ジアザ
    ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(4
    −メトキシベンジル)アミド、 (1R,5S)−(+)−2−オキソ−3,7−ジアザ
    ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(3
    −クロロ−4−メトキシベンジル)アミド、及び (1R,5S)−(+)−2−オキソ−3,7−ジアザ
    ビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸−(3
    −フルオロ−4−メトキシベンジル)アミドからなる群
    より選ばれる請求項1記載のジアザビシクロ[3.3.
    1]ノナン誘導体又はその薬理上許容される塩。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載のジ
    アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬理
    上許容される塩を含有する医薬。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれかに記載のジ
    アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬理
    上許容される塩と医薬的に許容される担体とを含有して
    なる医薬組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし5のいずれかに記載のジ
    アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬理
    上許容される塩を含有してなるニコチン様コリン作動
    薬。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし5のいずれかに記載のジ
    アザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬理
    上許容される塩を含有してなる脳細胞におけるコリン作
    用低下による中枢神経障害治療のための医薬組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし5のいずれかに記載の
    ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬
    理上許容される塩を含有してなるドパミン作用低下によ
    る中枢神経障害治療のための医薬組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし5のいずれかに記載の
    ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬
    理上許容される塩を含有してなる中枢神経変性疾患治療
    剤。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし5のいずれかに記載の
    ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬
    理上許容される塩を含有してなる痴呆症治療剤。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし5のいずれかに記載の
    ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬
    理上許容される塩を含有してなる脳機能障害改善剤。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし5のいずれかに記載の
    ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬
    理上許容される塩を含有してなるパーキンソン病治療
    剤。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし5のいずれかに記載の
    ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬
    理上許容される塩を含有してなる記憶障害改善剤。
  16. 【請求項16】 ニコチン様コリン作用を有するジアザ
    ビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬理上許
    容される塩を含有してなる脳細胞におけるコリン作用低
    下による中枢神経障害治療のための医薬組成物。
  17. 【請求項17】 ドパミン放出作用を有するジアザビシ
    クロ[3.3.1]ノナン誘導体又はその薬理上許容さ
    れる塩を含有してなるドパミン作用低下による中枢神経
    障害治療のための医薬組成物。
JP8066858A 1995-03-24 1996-03-22 ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体、その中間体及びその医薬用途 Expired - Lifetime JP2668670B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8066858A JP2668670B2 (ja) 1995-03-24 1996-03-22 ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体、その中間体及びその医薬用途

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6649795 1995-03-24
JP7-66497 1995-03-24
JP8066858A JP2668670B2 (ja) 1995-03-24 1996-03-22 ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体、その中間体及びその医薬用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08325267A JPH08325267A (ja) 1996-12-10
JP2668670B2 true JP2668670B2 (ja) 1997-10-27

Family

ID=26407680

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8066858A Expired - Lifetime JP2668670B2 (ja) 1995-03-24 1996-03-22 ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体、その中間体及びその医薬用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2668670B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6218383B1 (en) * 1998-08-07 2001-04-17 Targacept, Inc. Pharmaceutical compositions for the prevention and treatment of central nervous system disorders
FR2786770B1 (fr) * 1998-12-04 2001-01-19 Synthelabo Derives de 1,4-diazabicyclo[3.2.2.]nonane, leur preparation et leur application en therapeutique
FR2791678B1 (fr) * 1999-03-30 2001-05-04 Synthelabo Derives de 1,4-diazabicyclo [3.2.2] nonane-4-carboxylates et -carboxamides, leur preparation et leur application en therapeutique

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
NII SELEKTSII I SEMENOVODSTVA TONKOVOLOKNIST. KHLOPCHATNIKA 14=1975 *

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08325267A (ja) 1996-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6061857B2 (ja) モルヒナン誘導体
KR960015142B1 (ko) 피롤리딘 유도체를 함유하는 약제학적 조성물
US6071927A (en) Spiro-piperidine derivatives and their use as therapeutic agents
DE69735891T2 (de) Pyridon-kondensierte azabicyclische- oder cytisinderivate, ihre herstellung und verwendung in der suchttherapie
US5977131A (en) Azaindole-ethylamine derivatives as nicotinic acetylcholine receptor binding agents
CA2115020A1 (en) Morpholine derivatives and their use
JPH05501555A (ja) ムスカリンレセプター拮抗薬
JPH07119213B2 (ja) ムスカリンリセプターアンタゴニスト
WO1991009013A1 (en) Muscarinic receptor antagonists
WO1999032489A1 (en) Muscarinic agents and use thereof to treat glaucoma, myopia and various other conditions
KR930002728B1 (ko) 피페리딘 유도체
AU8324391A (en) 3-substituted piperidine derivatives
EP3700895B1 (en) Polycyclic amides as muscarinic m1 receptor positive allosteric modulators
EA009387B1 (ru) Азабициклические производные в качестве антагонистов мускаринового рецептора
KR100821107B1 (ko) 손상된 위저부 이완 치료를 위한 화합물
US6071928A (en) Spiro-piperidine derivatives and their use as therapeutic agents
JP2668670B2 (ja) ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体、その中間体及びその医薬用途
JP2778832B2 (ja) Gaba−bアンタゴニストとしての2−置換モルホリンおよびチオモルホリン誘導体
TW202216141A (zh) 用以治療睡眠呼吸終止之α2-腎上腺素受體C亞型(α-2C)拮抗劑與TASK1/3通道阻斷劑的組合
KR101160858B1 (ko) 소양 치료약으로서 유용한 4-(2-푸로일)아미노피페리딘류
KR100699512B1 (ko) 아미노알킬 치환된 (벤조디옥산, 벤조푸란 또는 벤조피란)유도체
WO1996030372A1 (fr) Derives diazabicyclo[3.3.1]nonane et leurs intermediaires, leur application therapeutique et procedes de production
US20020042426A1 (en) Novel basic derivatives of benz[e] isoindol-1-ones and pyrrolo[3,4-c] quinolin-1ones with 5-HT3-antagonistic activity, their preparation and their therapeutic use
JP2003286266A (ja) イミダゾール化合物
EP0505379B1 (en) Muscarinic receptor antagonists