JP2668331B2 - 加圧鋳造装置 - Google Patents

加圧鋳造装置

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JP2668331B2 JP6082154A JP8215494A JP2668331B2 JP 2668331 B2 JP2668331 B2 JP 2668331B2 JP 6082154 A JP6082154 A JP 6082154A JP 8215494 A JP8215494 A JP 8215494A JP 2668331 B2 JP2668331 B2 JP 2668331B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳型内に注入された溶
湯の温度を測定するための熱電対を備えた加圧鋳造装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種熱電対として、端壁外面が
溶湯に接触する耐熱性保護筒と、高温接合部を端壁内面
近傍に位置させて保護筒内に収容された一対の素線と、
それら素線を保護筒内に固定すべく、その保護筒内に充
填された電気絶縁材とを備えたものが知られている(特
開平5−209794号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の熱
電対は、その高温接合部が保護ケースにより覆われてい
るため、温度測定に当っては、先ず、溶湯により保護ケ
ースの端壁を加熱し、次いで、その端壁の温度を測定す
る、ということになるので、応答速度が遅く、したがっ
て熱電対に到達した溶湯の温度を迅速、且つ正確に測定
することができない、という問題がある。この場合、測
定最高温度が溶湯の固相線温度を大きく下回っていると
きには、溶湯の凝固過程における温度変化を検知するこ
とは不可能である。
【0004】また、前記のように応答速度が遅い場合に
は、キャビティ内における溶湯の到達順序を正確に検知
することもできなくなる。
【0005】本発明は前記に鑑み、応答速度が速く、し
たがって溶湯の温度を迅速、且つ正確に測定することが
でき、またキャビティ内における溶湯の到達順序を正確
に検知することのできる加圧鋳造装置を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋳型のキャビ
ティ内に加圧充填された半溶融状態の溶湯の温度を測定
するための熱電対が鋳型内に、キャビティの入口側より
奥部側に向かって所定の間隔で埋込まれ、その各熱電対
は、セラミック焼結体よりなる耐熱性電気絶縁体と、そ
の耐熱性電気絶縁体内を貫通して一端面が前記キャビテ
ィに露出するアルメル及びクロメルよりなる一対の素線
とを有し、その両素線における前記一端面間の高温接合
部として前記溶湯を用いることを特徴とする。
【0007】
【作 用】前記構成において、両素線の一端部に溶湯が
到達すると、その溶湯によって高温接合部が形成される
ので、半溶融状態の溶湯の温度が迅速、且つ正確に測定
される。
【0008】そして、時間の経過に伴い熱電対は、その
測定範囲に存する溶湯の最高温度を測定するが、その応
答速度が速いことから測定最高温度が溶湯の固相線温度
を大きく下回ることはなく、したがって溶湯の凝固過程
における温度変化を正確に検知することが可能である。
【0009】また熱電対が鋳型内に、キャビティの入口
側より奥部側に向かって所定の間隔で埋込まれ、しかも
前記のように応答速度が速いので、溶湯の温度測定開始
時を溶湯の到達時として、キャビティ内における溶湯の
到達順序および到着時間を正確に検知することが可能で
ある。
【0010】
【実施例】図1,2に示す実施例に係る熱電対Cは、金
型(鋳型)内に注入されたAl合金組成を持つ溶湯の温
度測定に用いられ、ホルダ筒1と、そのホルダ筒1に連
結されたロッド状耐熱性電気絶縁体2と、電気絶縁体2
内を相互に独立して貫通する一対の素線3,4とを有す
る。
【0011】ホルダ筒1はステンレス鋼よりなり、筒状
部5と、その外周面一側に形成されたフランジ部6とを
有し、筒状部5内に、その一端面に開口する雌ねじ孔7
aと、他端面に開口する円形凹部7bとが同軸上に形成
される。
【0012】電気絶縁体2はセラミック焼結体であっ
て、Si3 4 :BN=1:1といった組成を有する。
この場合、Si3 4 は電気絶縁体2の強度向上に寄与
し、一方、BNは電気絶縁体2の鋳物との分離性向上お
よび機械加工性向上に寄与する。焼結後、電気絶縁体2
には長手方向に沿う2個の細い貫通孔8,9が相互に独
立して穿設され、それら貫通孔8,9に両素線3,4が
挿通される。
【0013】一方の素線3はアルメルよりなり、他方の
素線4はクロメルよりなる。両素線3,4の一端部は、
電気絶縁体2の溶湯に接触する一端面10に露出してお
り、その一端面10と両素線3,4の一端面11,12
とは同一平面上に位置するか、または両素線3,4の一
端面11,12が電気絶縁体2の一端面10より僅かに
突出する。各素線3,4の材質は測定温度に応じて決め
られる。
【0014】電気絶縁体2の他端部外周面には雄ねじ1
3が形成され、その雄ねじ13がホルダ筒1の雌ねじ孔
7aに螺着される。両素線3,4の他端部側はホルダ筒
1の凹部7bより外部に延出し、その凹部7bにアルミ
ナ系接着剤14を充填して硬化させ、これによりホルダ
筒1と電気絶縁体2とが接合され、また両素線3,4
と、ホルダ筒1および電気絶縁体2とが接合される。
【0015】図3において、金型15の壁体16に、そ
の外面に開口して略楕円形をなす端子部材取付用凹部1
7と、両端を凹部17底面および鋳物成形用キャビティ
18内面にそれぞれ開口させた熱電対取付用段付孔19
とが形成される。その段付孔19は、凹部17側より順
次配列された大径部20、中径部21および小径部22
からなる。小径部22には電気絶縁体2が、また中径部
21には筒状部5が、さらに大径部20にはフランジ部
6がそれぞれ嵌着され、これにより熱電対Cが金型15
に保持される。この保持状態において、電気絶縁体2の
一端面10とキャビティ18内面とは同一平面上に位置
し、したがって両素線3,4における一端部間の高温接
合部として溶湯が用いられることになる。
【0016】端子部材23はステンレス鋼よりなる環状
取付枠24を有し、その取付枠24は凹部17に遊嵌さ
れて複数の止めねじ25を介し金型15に固定される。
取付枠24の内側にセラミック製電気絶縁板26が嵌合
され、それの金型15外方側への抜止めは電気絶縁板2
6外周面の段部aを取付枠24内周面の段部bに係合さ
せて達成される。電気絶縁板26の金型15内方側への
抜止めは、取付枠24に溶接されたステンレス鋼製押え
枠27によりなされる。押え枠27は熱電対Cのフラン
ジ部6外面に当接し、これにより熱電対Cの抜止めがな
されている。
【0017】電気絶縁板26はその中央部に貫通孔28
を有し、その貫通孔28を挟むように電気絶縁板26に
一対のねじ形端子29,30が突設される。一方の端子
29はアルメルよりなり、その端子29に貫通孔28よ
り引出されたアルメル製素線3と測定器本体側のアルメ
ル製導線31とが巻付けられ、両線3,31は端子29
に螺合された電気絶縁性ナット部材32によって電気絶
縁板26外面に押圧固定される。他方の端子30はクロ
メルよりなり、その端子30に貫通孔28より引出され
たクロメル製素線4と測定器本体側のクロメル製導線3
3とが巻付けられ、両線4,33は端子30に螺合され
た電気絶縁性ナット部材34によって電気絶縁板26外
面に固定される。
【0018】溶湯の温度測定に当り、表1のAl合金組
成を有する固体状態の鋳造材料を選択した。この鋳造材
料の液相線温度は629℃、固相線温度は557℃であ
る。
【0019】
【表1】
【0020】固体状態の鋳造材料を加熱して、液相と固
相とが共存した半溶融状態の鋳造材料(溶湯)を調製
し、その鋳造材料を、その温度575℃にて金型15の
キャビティ18に加圧充填すると共にその鋳造材料の温
度測定を行った。
【0021】図4は測定結果を示し、図中、線(C)は
実施例に係る熱電対Cを用いた場合に該当し、線
(C1 )は従来例に係る保護筒付熱電対を用いた場合に
該当する。
【0022】図3に示すように、実施例に係る熱電対C
においては、両素線3,4の一端部に半溶融状態の鋳造
材料Mが到達すると、その鋳造材料Mによって高温接合
部が形成されるので、鋳造材料Mの温度が迅速、且つ正
確に測定される。このときの測定開始温度Tsは、図4
に示すように538℃である。
【0023】そして、時間の経過に伴い熱電対Cは、そ
の測定範囲に存する鋳造材料Mの最高温度を測定する
が、その応答速度が速いことから測定最高温度Tmは、
図4に示すように557℃である。このように測定最高
温度Tmが鋳造材料Mの固相線温度に等しいか、または
それに近い温度であって、その固相線温度を大きく下回
ることはなく、したがって鋳造材料Mの凝固過程におけ
る温度変化を正確に検知することが可能である。
【0024】また前記のように応答速度が速いので、鋳
造材料Mの温度測定開始時を鋳造材料Mの到達時とし
て、キャビティ18内における鋳造材料Mの到達順序を
正確に検知することが可能である。
【0025】従来例に係る熱電対においては、その応答
速度が遅いことに起因して、図4,線(C1 )で示すよ
うに測定開始時が実施例に係るものに比べてΔt=約
0.5秒遅く、また測定開始から最高温度を測定するま
での時間も実施例に係る熱電対Cの場合約0.04秒で
あって測定最高温度Tmは前記のように557℃である
が、従来例に係るものの場合、前記時間は約1.2秒で
あって、鋳造材料の温度低下に伴い測定最高温度Tmは
488℃である。この測定最高温度Tmは固相線温度を
約100℃下回っており、これでは鋳造材料Mの凝固過
程における温度変化を検知することは不可能である。
【0026】図5において、加圧鋳造装置35における
金型(鋳型)は水平な固定金型36と、それと対向して
上下方向に移動する可動金型37とより構成され、その
固定金型36の上面にスリーブ38が立設される。固定
金型36にチャンバ39が形成され、そのチャンバ39
に、前記同様の、固相および液相が共存する短柱状鋳造
材料Mが立設される。
【0027】また固定および可動金型36,37の協働
によりチャンバ39の底部内面に開口するゲート40
と、そのゲート40に連通する鋳物成形用キャビティ4
1とが形成される。スリーブ38にプランジャ42が摺
動自在に嵌合され、そのプランジャ42によりチャンバ
39内の鋳造材料Mを加圧しつつ、ゲート40を通じて
キャビティ41に高速層流充填するようになっている。
【0028】固定金型36内において、キャビティ41
の入口側より奥部側に向って、図1,2に示した実施例
に係る4個の熱電対U1,U2,U3,U4が所定の間
隔で埋込まれている。各熱電対U1〜U4の電気絶縁体
2における一端面10はキャビティ41の上面と同一平
面上に位置し、したがって各熱電対U1〜U4の両素線
3,4における一端面11,12はキャビティ41の上
面に露出する。各熱電対U1〜U4の両素線3,4の他
端側は測定器本体に接続される。
【0029】一方、可動金型37内において、ゲート4
0側よりキャビティ41の奥部側に向って、図1,2に
示した実施例に係る5個の熱電対G,L1,L2,L
3,L4が所定の間隔で埋込まれている。各熱電対G,
L1〜L4の電気絶縁体2における一端面10はゲート
Gの底面またはキャビティ41の底面と同一平面上に位
置し、したがって各熱電対G,L1〜L4の両素線3,
4における一端面11,12はゲートGの底面またはキ
ャビティ41の底面に露出する。各熱電対G,L1〜L
4の両素線3,4の他端側は測定器本体に接続される。
【0030】前記と同一のAl合金組成を有し、且つ固
相と液相とが共存した半溶融状態の鋳造材料Mを調製
し、次いで鋳造材料Mをチャンバ39内に立設し、その
後プランジャ42の移動速度 0.07m/sec 、金型
温度 250℃、鋳造材料Mのゲート通過速度 3m/
sec の条件で、575℃の鋳造材料Mを加圧しつつゲー
ト40を通過させてキャビティ41に高速層流充填する
と共に各熱電対G,U1〜U4,L1〜L4により鋳造
材料Mの温度測定を行った。
【0031】図6,7は各熱電対G,U1〜U4、L1
〜L4による測定結果を示し、線(G),(U1)〜
(U4),(L1)〜(L4)は熱電対G,U1〜U
4,L1〜L4にそれぞれ対応する。
【0032】表2は、図6,7において、各熱電対G,
U1〜U4,L1〜L4への鋳造材料Mの到達時間およ
び到達順序ならびに各熱電対G,U1〜U4,L1〜L
4による測定開始温度Tsおよび測定最高温度Tmを示
す。
【0033】
【表2】
【0034】前記到達時間は、ゲート40側の熱電対G
に鋳造材料Mが到達した時、即ち、その熱電対Gが鋳造
材料Mの温度測定を開始した時をゼロとして、その時か
ら鋳造材料Mがキャビティ41側の各熱電対U1〜U
4,L1〜L4に到達するまでの時間、即ち、各熱電対
U1〜U4,L1〜L4が鋳造材料Mの温度測定を開始
するまでの時間として表わされている。ただし、熱電対
L1の場合、鋳造材料Mの到達時間は0.130sec を
超えており、したがって測定開始温度TsはTs<46
0℃である。
【0035】図8は、各熱電対G,U1〜U4、L1〜
L4への鋳造材料Mの到達順序を示す。
【0036】図6〜8および表2から明らかなように、
実施例に係る熱電対G,U1〜U4、L1〜L4によれ
ば、その応答速度が速いので、各熱電対G、U1〜U
4、L1〜L4への鋳造材料Mの到達を正確に検知して
キャビティ41における鋳造材料Mの充填状況を明確に
知ることができる。
【0037】また各熱電対G,U1〜U4、L1〜L4
による測定最高温度Tmは、鋳造材料Mの固相線温度で
ある557℃に近い温度であり、したがって鋳造材料M
の凝固過程における温度変化を正確に検知することがで
る。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、前記のように構成する
ことによって、鋳型内にキャビティの入口側より奥部側
に向かって所定の間隔で埋込まれる熱電対は、各々応答
速度が速く、キャビティ内に加圧充填された半溶融状態
溶湯の温度を迅速、且つ正確に測定することが可能で
あるため、その半溶融状態の鋳造材料(溶湯)の、凝固
過程における温度変化を正確に検知することができる。
しかもキャビティ内における溶湯の到達順序及び到着時
間を正確に検知することができ、従ってキャビティにお
ける半溶融状態の鋳造材料(溶湯)の充填状況を明確に
知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱電対の斜視図である。
【図2】熱電対の縦断面図である。
【図3】金型と熱電対との関係を示す縦断面図である。
【図4】経過時間と、熱電対による測定温度との関係を
示すグラフである。
【図5】加圧鋳造装置の縦断面図である。
【図6】経過時間と、キャビティの上面側に存する熱電
対による測定温度との関係を示すグラフである。
【図7】経過時間と、ゲートおよびキャビティの下面側
に存する熱電対による測定温度との関係を示すグラフで
ある。
【図8】各熱電対への鋳造材料の到達順序を示す説明図
である。
【符号の説明】
2 耐熱性電気絶縁体 3,4 素線 10 一端面 11,12 素線の一端面 15 金型(鋳型) 36,37 固定、可動金型(鋳型) 35 加圧鋳造装置 41 キャビティ C,G,U1〜U4,L1〜L4 熱電対 M 鋳造材料(溶湯)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型(15,36,37)のキャビティ
    (41)内に加圧充填された半溶融状態の溶湯(M)の
    温度を測定するための熱電対(U1〜U4,L1〜L
    4)が鋳型(36,37)内に、キャビティ(41)の
    入口側より奥部側に向かって所定の間隔で埋込まれ、 その各熱電対(U1〜U4,L1〜L4)は、セラミッ
    ク焼結体よりなる耐熱性電気絶縁体(2)と、その耐熱
    性電気絶縁体(2)内を貫通して一端面(11,12)
    が前記キャビティ(41)に露出するアルメル及びクロ
    メルよりなる一対の素線(3,4)とを有し、その両素
    線(3,4)における前記一端面(11,12)間の高
    温接合部として前記溶湯(M)を用いることを特徴とす
    る、加圧鋳造装置。
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