JP2668287B2 - ニッケルアノード廃棄物を再生利用することにより高純度ニッケル塩化物を製造する方法 - Google Patents

ニッケルアノード廃棄物を再生利用することにより高純度ニッケル塩化物を製造する方法

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JP2668287B2 JP7503965A JP50396595A JP2668287B2 JP 2668287 B2 JP2668287 B2 JP 2668287B2 JP 7503965 A JP7503965 A JP 7503965A JP 50396595 A JP50396595 A JP 50396595A JP 2668287 B2 JP2668287 B2 JP 2668287B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、Zn−Ni被覆鋼板の製造、無電解Niメッキ工
業用、電子部品用、および高純度粉末ニッケル化学添加
剤の製造等における原材料としてのニッケル塩化物の製
造方法に関する。本発明は、より詳細には、製鋼プラン
トの電気メッキ工場から得られるニッケルアノード廃棄
物を使用することにより高純度ニッケル塩化物(NiC
l2)を製造する方法に関する。
発明の背景 現今、電気メッキ工業において廃出されるニッケルア
ノード廃棄物はステンレス鋼を製造するための電気炉内
におけるニッケル溶融源として使用される。ステンレス
鋼を製造する際、ニッケルインゴットの不純物レベルは
製品特性に大きな影響を与えない。そのため、通常は、
ニッケル酸化物、フェロニッケル(鉄−ニッケル合金の
一種)または同様のものを溶解することによって製造さ
れる、純度が約98〜98.5%のニッケルが使用される。し
かし、電気メッキ工業から得られるニッケルアノード廃
棄物は不純物が表面に付着しており、またその表面も酸
化されている。したがって、確かなニッケル純度は、低
純度物質として分類される98〜99%程度に過ぎず、ステ
ンレス鋼製造のための溶融源としてのみ利用することが
できる。
しかし、ニッケルアノード廃棄物をステンレス鋼の溶
融源として使用する場合には、アノードの表面に付着す
るZn、Clおよび類似の物質のような不純物は以下のよう
な問題を惹起する原因となる。
すなわち、Zn、Clおよび類似の物質は低沸点であるこ
とから、加熱過程において蒸発する。そのため、溶湯が
ガスを含有することになり、ステンレス鋼製品に微小気
泡を含むことになる。
さらに、Zn、Clおよびその他の有害元素は、溶湯取り
出しの際に環境汚染の原因となる。
一般に、ニッケル塩化物はZn−Ni被覆鋼板の製造およ
び無電解Niメッキ工業において使用される。さらに、ニ
ッケル塩化物は(化学添加剤としての)高純度粉末ニッ
ケル、ニッケルフェライトのような電子部品その他を製
造するための出発物質としても使用される。一般に、ニ
ッケル塩化物はニッケル酸化物、NiSまたはその他のよ
うなニッケル鉱石を塩酸に溶解する溶解精錬を行い、か
つ不純物除去のための複雑な工程を経て、製造される。
その等級は、純度に応じて区別される。しかし、高純度
ニッケル塩化物を製造するためには、高純度原材料を使
用すべきであり、さらに複雑な不純物除去過程が不可欠
となり、その結果製造コストの上昇をもたらすことにな
る。
発明の概要 したがって、本発明の目的は、電気メッキ工場から廃
棄されるニッケルアノード廃棄物を出発物質とし、複雑
な不純物除去工程を適用することなしに高純度ニッケル
塩化物が得られる、高純度ニッケル塩化物の製造方法を
提供することである。
上述の目的を達成するために、本発明にかかる高純度
ニッケル塩化物の製造方法によれば、以下のステップ;
ニッケルアノード廃棄物の表面に付着する不純物を除去
する予備処理ステップと;予備処理されたニッケルアノ
ード廃棄物の比表面積を増加させるために細片に加工す
るステップと; 加工された廃Niアノードを10〜35%の
塩酸水溶液に投入し、該溶液におけるNiおよび塩酸(HC
l)とNiCl2との当量比、すなわち、 が、1.0以上であるように保ち、そして20〜80℃の反応
温度において溶解させることにより塩化ニッケル水溶液
を形成するステップと;ニッケル塩化物溶液を非溶解物
質除去用のフィルターを通過させるステップと;スラッ
ジ内に鉄イオンおよびクロムイオンを形成するためにpH
レベルが2〜5に維持された不純物処理タンク内に空気
のような酸化ガスを噴射し、かつフィルターから放出さ
せるステップと;そして、重金属イオンを除去するため
にニッケル塩化物水溶液中に0.1g/lまたはそれ以上のニ
ッケル粉末を添加するステップと、からなる。
上記の製造方法において、予備処理ステップを省略す
ることができ、また加熱濃縮ステップを付加することが
できる。
好適な実施例の説明 以下、本発明を詳述する。
最初に、出発物質となるニッケルアノード廃棄物につ
いて説明する。
製鋼プラントの電気メッキ工場において、冷延鋼シー
トは、自動車用のZn−Ni被覆鋼シートを得るためにZnイ
オンおよびNiイオンを含む電解液を使用する電気メッキ
が行われる。電解液中のNiイオンはニッケルアノードか
ら供給され、またその一部は液相のニッケル塩化物とし
て与えられる。このようにニッケルアノードは、Niイオ
ンの主供給源となることから、99.95%以上の高純度ニ
ッケルが使用される。電気メッキの行われる間、Niアノ
ードと鉄カソードとの間は所定間隔に維持される。した
がって、Niアノードが所定レベルまで溶解してくると電
極間隔が増大して使用できなくなることから交換される
ことになり、ニッケルアノード廃棄物が得られることに
なる。
ニッケルアノード廃棄物は、その表面および内部にお
ける不純物の割合を検査してみると、典型的なニッケル
アノード廃棄物は下表のような結果を示す。
表1の上欄に示すように、不純物は全ニッケルアノー
ドの僅かに1〜2%を構成する表面部分に集積してい
る。さらに、Zn、K、Clその他のような主な不純物はZn
−Ni電解液から浸入するものである。
Zn、K、Clその他のような不純物が含まれている廃棄
アノードがZn−Ni電解物質としてNiCl2を得るための塩
酸に溶解したときは、Zn、K、Clその他は電解物質とし
て作用するため問題は生じない。他方、NiCl2が電解物
質以外から得られるときは、ニッケルアノード廃棄物の
表面に集積している不純物は物理的手段または化学的手
段によって除去すべきである。また、Niアノードが塩酸
に溶解した場合には、高純度NiCl2が製造可能である。
本発明にかかる、ニッケルアノード廃棄物を使用する
ニッケル塩化物の製造方法は、予備処理ステップ、加工
ステップ、溶解ステップ、および不純物除去ステップを
包含する。これらの各ステップについては、以下に詳述
される。
上述のように、表面不純物層は電気メッキ後にNiアノ
ード上に現れ、そして予備処理ステップはこの不純物層
を除去するために行われる。Niアノード上に付着する各
種の不純物は、約1〜2mm程度の浅い層に限られている
ため、例えばフライス盤のような機械的手段により除去
することができる。また、表面層は、例えばZn(O
H)、ZnCl2・4Zn(OH)、KCl、ZnCl2、K2ZnCl4のよ
うな化合物の形でZn、K、およびCl等を含んでいるが、
1〜10%の塩酸水溶液を加えることによって、不純物を
以下のような化学式にしたがってイオンとして除去する
ことができる。
NiCl2がZn−Niメッキ源として利用されている場合で
あって、Zn、K、Clその他が作用元素ではあるが不純物
とはならないのであれば、このような予備処理ステップ
は省略することができる。
次いで、加工ステップについて説明する。
ニッケルアノード廃棄物塊は、アノード当たり80〜12
0kgのインゴットのように非常に大きく、そして比表面
積は極めて小さい。したがって、もし塩酸によって直接
反応させようとすると溶解速度は非常に遅くなる。そこ
で、塩酸中での溶解速度を向上させるために、廃棄物ア
ノードは機械的手段によって破砕され、廃棄物アノード
が大なる表面積を有するような細片(チップ)に加工さ
れる。すなわち、廃棄物アノードは大きな表面積を有す
る金属細片に破砕処理されるのが望ましい。この金属細
片の寸法は、10μm〜5mm、より好ましくは50μm〜1mm
であることが望ましい。この寸法は、加工コストおよび
溶解速度を考慮するとき有利である。もちろん、ニッケ
ルアノード廃棄物の比表面積を向上する方法は、機械的
破砕手段に限定されるものではない。例えば、廃棄物ア
ノードは加熱および溶融して、ノズルから噴射すること
ができ、金属をリボン状または粉末状にすることによっ
て粒子寸法を減少し、結果的に比表面積を増大すること
ができる。
続いて、溶解ステップについて説明する。
塩酸にニッケル細片を反応させることによるニッケル
塩化物の調製は、以下の化学式によって表すことができ
る。
Niの添加量および塩酸の濃度は、NiCl2の濃度に応じ
て決定される。さらに、反応速度を向上させるために、
当量比〔Ni(モル)/NiCl2(モル)〕は、1.0またはそ
れ以上であることが望ましい。さらに、Ni細片は塩酸中
の濃度が向上し反応速度が向上するよう付加される。し
かし、塩酸の濃度が過度に高い場合には、反応後にも自
由HClが残留し、製品品質を劣化させることから、HClと
NiCl2の当量比〔2×HCl(モル)/NiCl2(モル)〕は、
1.0またはそれ以上が好ましく、さらに好ましくは1.0〜
1.5である。
反応温度が高いと、反応速度は増大する。そのため、
反応温度を上昇させることが望ましいが、20〜80℃の温
度範囲が経済性、反応の容易性、作業性等を考慮する上
で望ましい。さらに、酸の濃度は時間の経過に従って低
下し、それに伴ってNiの溶解速度も遅延するようにな
る。したがって、反応タンクを2またはそれ以上に分割
して、溶解ステップを溶解サブステップ、濃縮サブステ
ップ、および残留HCl除去サブステップに分割して実施
することができる。
塩酸中におけるNi溶解速度は反応速度に関連し、した
がって、生産性や製造容易性の目安等の経済性も密接に
関連する。本発明にかかる製造方法においては、反応速
度を増大するために、反応タンク内の溶液を撹拌し、同
時に拡散を高速化するために空気または酸素のような酸
化ガスを噴射することができ、それによって、溶液タン
クの内部を酸化雰囲気に維持し、反応速度の高速化を図
ることができる。つまり、Niが塩酸に溶解した際に、水
素ガスが発生し、この水素ガスはNiの表面に付着するこ
とからNiの溶解速度が低下することになる。したがっ
て、酸化ガスが噴射されるか、または強烈な撹拌が行わ
れると水素ガスは迅速に除去され、反応速度をステップ
アップさせる。他の方法としては、酸化剤の一つである
過酸化水素水を使用し、水素ガスを迅速に除去すること
もできる。この方法では、反応速度は、他の方法の3〜
5倍に改善することができる。
NiCL2の濃縮をステップアップする手段は、溶解反応
に限定されるものではなく、加熱濃縮を利用することも
できる。反応後、残留する自由酸は、KOHのようなアル
カリ物質を付加することにより中和することができる。
しかし、この方法は、NiCL2が電気メッキ材料として使
用された際に、特に有効となる。その理由は、中和作用
の際に生成されるKClが電解質の主な成分となるためで
ある。さらに、自由酸の除去は、濃縮された溶液が高温
となり、その後冷却されることにより、NiCl2・6H2Oの
粉末の形で沈殿するNiCl2によって行われる。その結
果、自由酸はNiCl2として除去される。
次に、純度化(不純物除去)ステップについて説明す
る。
塩酸にNi細片が溶解されると、酸中に溶解しない不溶
物質はスラッジ内に形成され、加えてイオン成分も溶解
している。このスラッジは、Siを含有する非晶性物質
で、反応タンク間、あるいは不純物処理タンクと反応タ
ンクとの間に設けられるフィルターによって除去され
る。表1に示したように、ニッケルアノード廃棄物は高
純度物質であるから、したがって、ニッケルアノード廃
棄物を純粋な塩酸水溶液に浸析することによって得られ
るNiCl2は殆ど不純物を含んでいないことになる。
したがって、高純度NiCl2は独立の不純物除去工程を
行うことなしに製造することができる。しかし、鉄その
他の不純物が浸入しているニッケルアノード廃棄物が処
理された場合には、不純物濃度をさらに低減するため
に、処理ステップを直列的に行うことが望ましい。予備
処理ステップおよび加工ステップが行われたニッケルア
ノード廃棄物細片の234gがNiCl2を製造するために濃度
6.5Mの純粋な塩酸に溶解される。このようにして得られ
たNiCl2溶液は、不純物含有量の評価が行われ、その結
果は表2に示す通りである。
表2において、各単位は、ニッケルについてはg/l
(グラム/リットル)、そして不純物については、mg/l
(ミリグラム/リットル)、すなわちppmである。
溶解ステップにおいて得られたNiCl2溶液は、pH2〜4
に保持され、そしてこの状態で空気のような酸化ガスが
放射されると、Fe+2イオンはFe(OH)スラッジ、β−
FeOOHスラッジその他のスラッジを形成する。もし、こ
のようなスラッジが濾過されて除去されると溶液中のFe
イオンは除去され、同様にCrイオンも除去される。反応
温度は好ましくは30〜80℃、そしてpHレベルは好ましく
は2〜5である。もしもpHレベルが上記範囲よりも低い
場合には、Feイオンの除去が困難になる。また、pHレベ
ルが上記範囲よりも高い場合には、NiイオンはNi(OH)
の形で沈殿し、鉄系スラッジその他と共に除去され、
物質が減少する原因となる。
さらに純度を改善するために、極微量の重金属イオン
を無電解置換法、例えば金属のイオン化傾向の差を利用
することにより、除去することができる。もしもNi粉末
がNiCl2溶液中に存在したとすると、Cu、Pb、Snその他
の電気化学的に貴である重金属イオンは、Ni粉末の表面
に沈析し、除去される。このような状態にあるNi粉末は
加工ステップ(Niアノードを細片に粉砕するステップ)
において生成されるNi屑が好ましく、コストおよび反応
速度の点から望ましい。Ni粉末の添加量は、1当たり
0.1〜2gが好ましく、Ni粉末を加えた後、温度20〜80℃
において撹拌される。重金属イオンの除去のために、濾
過操作が行われる。このような不純物除去ステップが行
われた後、必要に応じて加熱濃縮を行うことができ、そ
れによってNiCl2・6H2O、NiCl2・4H2O、またはNiCl2・2
H2Oの結晶粉末が形成される。このように、液相の反応
も利用することができる。
上述のように、ニッケルアノード廃棄物は僅かに処理
するだけでほとんど純粋な物質に変えることができ、し
たがってニッケル塩化物をこれから製造する場合には、
高純度ニッケル塩化物を得ることができる。すなわち、
低コスト、高純度原材料を得ることが可能であり、複雑
な不純物除去ステップを省略することができ、結果的に
製造コストを節減することができる。
さらに、ニッケルアノードを細片に粉砕しかつ酸化ガ
スの噴射を行うことから溶解時間が大幅に短縮され、し
たがって、小規模製造設備によって大量生産を行うこと
が可能となる。
本発明は塩酸に代えて硫酸または硝酸とすることによ
り、ニッケル塩化物に代えて硫酸化ニッケルまたは硝酸
化ニッケルを製造することができる。
以下、本発明を実際の実験例に即して説明する。
<実験例 1> 電気メッキ工場から廃棄された表1のニッケルアノー
ド廃棄物は、フライス盤によって機械的に加工され、そ
して不純物レベルは異なる機械的深さであることが確認
され、その結果は表3の通りである。さらに、ニッケル
アノード廃棄物は、異なる濃度の塩酸によってニッケル
アノード廃棄物の不純物層を溶解した後、不純物の変化
を検出するための湿式分析にかけられた。
上記表3に示すように、Cr、Cu、Pbその他のような重
金属イオンは、ニッケルアノード廃棄物中で極めて微量
であることを示している。さらに、ZnおよびKはZn−Ni
電解液に僅かに含まれている。しかし、ZnおよびKは不
純物ではなく、ニッケル塩化物のメッキ助剤として有効
であり、したがってZn−Niメッキにとって好ましいが、
ある種の電子的反応材にとっては好ましくないことがあ
る。したがって、もしNiCl2が電子的反応材として使用
される場合には、NiCl2を調製する前に表面層を3mmまた
はそれ以上機械的に研削するか、またはZnおよびKを除
去するために塩酸によって処理すべきである。
<実験例 2> 表1のニッケルアノード廃棄物は、4mmの深さに機械
的に研削され、そして予備処理は、濃度7%の塩酸溶液
に浸析することにより行った。ついでニッケルアノード
廃棄物は細片に加工され、そしてこれら細片の234.8gは
6.5Mの濃度の塩酸1リットルに浸析された。以下のよう
な異なる溶解条件において溶解され、そして8時間放置
された。NiCl2の濃縮液の分析を行い、表4のような結
果が得られた。
上記表4に示すように、反応温度が高いほど、撹拌速
度が大きいほど、および酸素の噴射または過酸化水素水
によって酸化雰囲気が形成されるほど、反応速度が増進
される。
<実験例 3> 表1のニッケルアノード廃棄物は、表面付着不純物を
除去するために濃度3%の塩酸により酸洗いされた後、
フライス盤によって細片に加工される。Ni破砕片の234g
が濃度6.5Mの塩酸溶液に浸析して24時間放置することに
よりNiCl2濃縮液が調製された。
このように調製されたNiCl2濃縮液の不純物分析を行
い、下記の表5のような結果が得られた。上述の表面不
純物除去以外の表面処理ステップを加えていないにもか
かわらず、pH2〜6の異なるレベル範囲において僅かなK
OHが残留しているのみである。その後、空気を40℃で1
時間噴射することによりオレンジ色のスラッジの形成が
確認され、このスラッジを濾過除去することにより鉄不
純物が除去される。その後、Ni細片調製の際に得られる
ダスト状Ni粉末は、NiCl2溶液の1リットルあたり0.5〜
2gの量となるようにNiCl2溶液に浸析される。その後、
温度40℃で1時間にわたり撹拌を行うことにより、重金
属イオンが除去された。不純物の減少状態と処理条件の
関係は、表5に示す通りである。
表5に示すように、Niアノードの表面不純物層の除去
を除き格別の処理を行わない発明の実施例1におけるC
r、Pb、Cu等の重金属イオンは10ppmであり、実質上不純
物は含まれていない。しかし、Feイオンは、特定の用途
にとってはまだ高すぎるレベルである。したがって、本
発明の実施例1の試料のpHレベルが変化せしめられ、以
下のような結果が得られた。すなわち、pH2以上ではFe
イオンおよびCrイオンは急激に減少するが、pH5以上で
はNiイオンおよびFeイオンが共沈するためNi濃度は極端
に低下し、結果的に物質の損失をもたらす。
比較例cおよびdと本発明の実施例5及び6とを比較
すれば明らかなように、以下のような現象が生起する。
すなわち、ダストNiを加えることによる重金属処理が行
われると、つまりダストNiのみが加えられると、Cr、P
b、Cu等の重金属イオンは減少するが、Feイオンは比較
例dの場合と同様に減少しない。Niダストの添加量が比
較例cの場合のように非常に少量である場合には、重金
属イオンは十分には減少しない。しかし、pHレベルが3.
5に維持されていて、さらに実施例5および6のように1
gまたはそれ以上のNiダストと共に酸素または空気を噴
射した場合は、Feイオンをも含む重金属イオンは完全に
除去される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リー・ジャ・ヨン 大韓民国、790―330 キョン・サン・ブ ク―ドー、ポハン・シティー、ヒョウジ ャ―ドン、サン 32 (72)発明者 ソン・ジン・グン 大韓民国、790―330 キョン・サン・ブ ク―ドー、ポハン・シティー、ヒョウジ ャ―ドン、サン 32 (72)発明者 アン・セオン・フアン 大韓民国、790―360 キョン・サン・ブ ク―ドー、ポハン・シティー、ドン・チ ョン―ドン 5 (72)発明者 バー・ミヨン・ホ 大韓民国、790―360 キョン・サン・ブ ク―ドー、ポハン・シティー、ドン・チ ョン―ドン 5

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ニッケルの製造方法において、 製鉄所の電気鍍金工場において生ずる廃Niアノードに対
    してその表面の不純物含有層を取り除くため前処理を行
    う前処理ステップと; 前記のように前処理の行われた廃Niアノードを比表面積
    が増加するように加工する加工ステップと; 前記のように加工された廃Niアノードを10〜35%の塩酸
    水溶液に投入し、該溶液におけるNiおよび塩酸(HCl)
    とNiCl2との当量比、すなわち、 が、1.0以上であるように保ち、そして20〜80℃の反応
    温度において溶解させることにより塩化ニッケル水溶液
    を形成する溶解ステップと; 前記塩化ニッケル水溶液を濾過機を通過させることによ
    り不溶性物質等を濾過除去するステップと; 前記のように不溶性物質等が取り除かれた塩化ニッケル
    水溶液を不純物処理槽においてpHを2〜5に保ちながら
    酸化性気体を吹き込みFeおよびCrイオンをスラッジに生
    成後濾過して取り除くステップと;そして、 前記のようにFeおよびCrイオンが取り除かれた塩化ニッ
    ケル水溶液にNi粉末を0.1〜2.0g/l投入して重金属を取
    り除く不純物の精製ステップと; を含んで構成されることを特徴とする廃Niアノード活用
    高純度塩化ニッケルの製造方法。
  2. 【請求項2】前記Ni/NiCl2、2HCl/NiCl2の当量比が1.0
    〜1.5であることを特徴とする、請求項1に記載の廃Ni
    アノード活用高純度塩化ニッケルの製造方法。
  3. 【請求項3】前記前処理ステップが、廃Niアノードを1
    〜10重量%の塩酸水溶液において酸洗い処理することを
    特徴とする、請求項1に記載の廃Niアノード活用高純度
    塩化ニッケルの製造方法。
  4. 【請求項4】前記前処理ステップが、機械的処理によっ
    て行われることを特徴とする、請求項1に記載の廃Niア
    ノード活用高純度塩化ニッケルの製造方法。
  5. 【請求項5】前記酸化性気体が、酸素または空気である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の廃Niアノード活用
    高純度塩化ニッケルの製造方法。
  6. 【請求項6】前記溶解ステップに過酸化水素水が添加さ
    れることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記
    載の廃Niアノード活用高純度塩化ニッケルの製造方法。
  7. 【請求項7】Zn−Ni鍍金用原料としての高純度塩化ニッ
    ケルの製造方法において、 製鉄所の電気鍍金工場において生ずる廃Niアノードを比
    表面積が増加するように加工する加工ステップと; 前記のように加工された廃Niアノードを10〜35%の塩酸
    水溶液に投入し、該溶液におけるNiおよび塩酸(HCl)
    とNiCl2との当量比、すなわち、 が、1.0以上であるように保ち、そして20〜80℃の反応
    温度において溶解させることにより塩化ニッケル水溶液
    を形成する溶解ステップと; 前記のように溶解して製造する塩化ニッケル水溶液を濾
    過機を通過させることにより不溶性物質等を濾過除去す
    るステップと; 前記のように不溶性物質等が取り除かれた塩化ニッケル
    水溶液を不純物処理槽においてpHを2〜5に保ちながら
    空気のような酸化性気体を吹き込みFeおよびCrイオンを
    スラッジに生成後濾過して取り除くステップと;そして 前記のようにFeおよびCrイオンが取り除かれた塩化ニッ
    ケル水溶液にNi粉末を0.1〜2.0g/l投入して重金属を取
    り除く不純物の精製ステップと; を含む構成からなることを特徴とする廃Niアノード活用
    高純度塩化ニッケルの製造方法。
  8. 【請求項8】前記Ni/NiCl2および2HCl/NiCl2の当量比が
    1.0〜1.5であることを特徴とする、請求項7に記載の廃
    Niアノード活用高純度塩化ニッケルの製造方法。
  9. 【請求項9】高純度塩化ニッケルの製造方法において、 製鉄所の電気鍍金工場において生ずる廃Niアノードに対
    してその表面の不純物含有層を取り除くため前処理を行
    う前処理ステップと; 前記のように加工された廃Niアノードを比表面積が増加
    するように加工する加工ステップと; 前記のように加工された廃Niアノードを10〜35%の塩酸
    水溶液に投入し、該溶液におけるNiおよび塩酸(HCl)
    とNiCl2との当量比、すなわち が、1.0以上であるように保ち、そして20〜80℃の反応
    温度において溶解させることにより塩化ニッケル水溶液
    を形成する溶解ステップと; 前記塩化ニッケル水溶液を濾過機を通過させることによ
    り不溶性物質等を濾過除去するステップと; 前記のように不溶性物質等が取り除かれた塩化ニッケル
    水溶液を不純物処理槽においてpHを2〜5に保ちながら
    空気のような酸化性気体を吹き込みFeおよびCrイオンを
    スラッジに生成後濾過して取り除くステップと; 前記のようにFeおよびCrイオンが取り除かれた塩化ニッ
    ケル水溶液にNi粉末を0.1〜2.0g/l投入して重金属を取
    り除く不純物の精製ステップと;そして 前記のように不純物を処理した塩化ニッケルを粉末結晶
    状に加熱濃縮するステップと; を含む構成からなることを特徴とする廃Niアノード活用
    高純度塩化ニッケルの製造方法。
  10. 【請求項10】前記結晶粉末が、NiCl2・H2O、NiCl2・4
    H2O、NiCl2・2H2O、NiCl2・6H2Oを含むことを特徴とす
    る、請求項9に記載の廃Niアノード活用高純度塩化ニッ
    ケルの製造方法。
  11. 【請求項11】前記Ni/NiCl2および2HCl/NiCl2の当量比
    が1.0〜1.5であることを特徴とする、請求項9または10
    に記載の廃Niアノード活用高純度塩化ニッケルの製造方
    法。
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