JP2667183B2 - 形彫り放電加工における加工誤差補正制御法 - Google Patents

形彫り放電加工における加工誤差補正制御法

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JP2667183B2
JP2667183B2 JP63027510A JP2751088A JP2667183B2 JP 2667183 B2 JP2667183 B2 JP 2667183B2 JP 63027510 A JP63027510 A JP 63027510A JP 2751088 A JP2751088 A JP 2751088A JP 2667183 B2 JP2667183 B2 JP 2667183B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、放電加工前に行う電極と工作物との位置合
せ誤差をなくすと同時に、放電加工中に生じる間隙変化
による加工誤差を診断し、それを正確に補正制御する方
法に関するもので、特に形彫り放電加工の高精度化な好
適なものである。
〔従来の技術〕
形彫り放電加工機は、金型産業を中心とする種種の産
業界で広く利用されており、中でも多目的加工の制御が
可能なNC制御式放電化加機が多く普及しつつある。従来
技術としては例えば特公昭61−58255号公報、特開昭58
−160018号公報記載の技術がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
一般にNC制御式放電加工機は第8図に示すように、放
電加工を行う機械本体とその一連の制御を行うNC制御装
置内蔵の制御電源本体とに大別される。ベツド3にX軸
とY軸の駆動機構を内蔵したX,Yテーブルが搭載され、
かつその上部には加工槽5が配置され、その中に加工対
象製品の工作物2が取り付けられるようになつている。
また、Z軸の電極送り機構が内蔵されたクイル6は支柱
7によつて支持され、そのクイル先端部に電極1が取り
付けられている。8は加工液供給装置で、加工槽5内に
加工液を満すと共に、放電加工によつて生じる加工生成
物(加工屑や加工液の分解物など)を適宜排出させるた
めに、電極1と工作物2との放電加工を近傍部にも適量
の加工液が供給できるようになつている。一方、制御電
源本体9に内蔵されたNC制御装置9aは、任意の加工条件
の設定、登録や加工電源回路9cの制御が行えると同時
に、3軸駆動制御回路9bを経由して電極1と工作物2と
の位置決め制御、さらにZ軸の電極送り機構の駆動及び
加工中の電極位置の制御、X軸,Y軸のテーブル機構の駆
動及び揺動制御など、放電加工で必要な一連の制御を行
うことができるようになつている。
このように構成されたNC制御式放電加工機を使用して
従来から放電加工が行われているが、近年の産業の高度
化に伴い、高能率加工はもとより、特に高精度加工に対
する要求が高まつている。
放電加工による成形品の加工精度は仕上げ加工工程で
大半が決まるが、加工に関係する要因が多くあるため、
各因子の特性及び相互関係を十分に把握しないと効果的
な加工の高精度化を図ることができない。加工精度に関
係する要因は次表1に示すように、(1)機械的要因
(2)制御的要因(3)放電加工現象的要因(4)温度
的要因(5)その他要因に分類することができる。
これらの要因に対して、その対策が物理的に容易なも
のと困難なものとがあり、特に(3)項については放電
加工特有の現象が絡んでいるため、その対応策がやつか
いである。中でも、放電加工中に生じる加工間隙変化に
よる加工誤差は、高精度加工を阻害する大きな要因とし
て指摘されている。また、加工前に行う電極と工作物と
の位置決めで生じる特定誤差も見過ごすことのできない
要因の1つである。このような間隙に係わる誤差が生じ
る状況について、ここでは穴加工を1つの例題にして具
体的に説明する。
第9図及び次表2〜4は、加工対象品の加工仕様に対
するその加工計画と条件選定、及びその加工工程に応じ
た電極送り量と揺動半径の算出法の概要を示したもので
ある。表2は穴加工例、表3は加工計画、表4は電極送
り量と揺動半径の算出法を示す。
また、第10図はこの穴加工に対する電極送り量を示し
た拡大図である。更に、第11図は、第8図に示したNC制
御式放電加工機を用いて実際に加工を実施するための加
工動作のフローチヤート例を示す。一般に放電加工は荒
加工から最初の仕上げ加工に至るまで数工程で行い、各
々の加工条件は、加工速度,面粗さ,電極消耗率,極間
ギヤツプ(加工間隙)などの諸特性が記載された加工技
術データフアイルより適切な条件を選定する。言うまで
もなく、荒加工の条件は放電エネルギーが大きいので高
速加工が行え、仕上げ加工の条件では所要の面粗さを得
るために、その放電エネルギーが小さく低速加工とな
る。また、電極消耗の影響をなくすために、極力電極消
耗率の小さい条件が選定されている。
深さ方向の電極送り量と半径方向の揺動量は、表4に
示したように各加工条件における加工面粗さ値と極間ギ
ヤツプ値を加減算することによつて求められ、この算出
結果に基づいて各々設定される。最初の加工では特に揺
動(r1=0)を行う必要がないが、使用する電極径が所
定値より小さければ、その所定値に対応するように揺動
量を加算することによつて所定の加工を行うことができ
る。
このようにして計画した加工内容をプログラム化し
て、それをNC制御式放電加工機に入力し、また、所定形
状の電極と工作物を所定位置に設置する。そしてこの加
工準備が整つてから実際の加工運転に入り、第11図に示
したフローチヤートのように加工動作が実行される。深
さ方向の基準面は、加工対象物に応じて設定するが、説
明を分りやすくするため、ここでは第10図に示したよう
に加工穴の工作物表面としている。加工前に行うこの基
準面設定は、電極と工作物との接触感知による方法が従
来から利用され、ここでも同じ方法で行つている。放電
加工はこの基準面より深さ方向に行われ、その加工の進
行に追従した加工間隙をある適正な範囲内に保つように
電極位置を制御する。加工間隙を制御する方法として
は、極間の平均加工電圧を検出してこれを一定に制御す
る方法が簡便で従来から広く用いられている。この他に
もいくつかの制御方法があるが、いずれにしても加工間
隙を適正な範囲に保つようにしなければ、放電現象が乱
れて正常な放電加工を持続することができない。第11図
の中でステツプKは加工工程(第8図参照)の順位を示
し、ここではK=1〜6となる。この時の電極送り量の
目標値ZkはZ1〜Z6で、最終上げ加工のZ6(Zn)に到達す
るまで順次加工を繰り返し行うようになつている。
このような方法で加工を実した場合、間隙に係わる誤
差が生じる。1つは加工前に生じる基準面の設定誤差で
あり、他の一つは加工中に生じる加工間隙変化による誤
差である。接触感知による位置決め設定は、電極表面の
端部に形成しやすいバリや工作物の表面に付着したゴ
ミ、ホコリ及び他の介在物の影響を受けやすく、その誤
差量が数μmに及ぶこともあり、正確な基準面出しがき
わめて困難である。接触感知以外の他の位置決め方法と
して、例えば特公昭61−58255号公報に開示されている
ように、高圧電圧の印加によるコロナ放電を利用した検
知法がある。この検知法を用いれば、上記のような問題
点を回避することが可能であるが、通常の放電加工電圧
よりもきわめて高い1000V程度の特別な高圧電源及び制
御装置が必要になり、かつ安定性にも注意を要する。さ
らに空気中でのコロナ放電を利用することは可能であつ
ても、液中及び加工途中での利用はその現象が異つてし
まうので空気中と同じ取り扱いが困難である。
一方、放電加工中の加工間隙は常に一定ではなく、種
々の加工条件によつて増減し、かつ加工生成物の影響に
よる放電加工現象の変化に応じて上下変動している。こ
のため、あらかじめ設定した加工間隙(GAP)にはなら
ず、この設定値との相違量が加工誤差に結び付くことに
なる。第12図は及び表5は、第11図に示した方法で加工
した時のステツプK加工後の電極位置と間隙誤差の状況
を示したものである。
設定値Gkに対する実際の間隙値Gaが過大であれば(Gk
<Ga)、加工過多になり、反対に過小であれば(Gk
Ga)、加工不足になつてしまう。設定値との相違量は、
放電及び加工現象に大きく左右され、数μmから数十μ
mにも及ぶことがある。したがつて、従来技術ではこの
ような間隙変化による加工誤差を解消することがきわめ
て困難であり、加工の高精度化を図ることができない。
加工誤差を測定及び補正する方法としては、例えば特
開昭58−160018号公報に開示されているように、加工を
途中で中断し、測定プローブを用いて加工深さを実測し
た後、所望深さとの誤差を補正加工する方法がある。し
かし、加工直後の加工穴底部には加工生成物があるので
その影響を受けやすく、正確な測定が困難と考えられ
る。このため、この加工生成物の除去作業あるいは特別
な除去装置が必要となり、また、上記の方法は大じかけ
な測定装置が必要となるので、機能的,経済的な面でも
問題がある。
そこで、本発明者は加工間隙誤差をなくすための制御
方法について種々検討した結果、ある微少放電の間隙検
出条件での間隙が特定な値に収束する特性を見い出し、
さらに、この特性を利用して、加工前の電極と工作物と
の位置合せ設定を行い、また放電加工中に生じる加工間
隙誤差を診断し、それを正確に補正制御する方法を発明
した。
本願発明の目的は、加工前の位置合せ誤差や加工中の
間隙誤差を解消して放電加工の高精度化を図ることにあ
り、その有効な制御法を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、加工開始前に、所定の位置に各々設定し
た電極と工作物との間隙が特定値になる間隙検出条件で
所定時間微小放電させて、その位置検出より加工深さ方
向の基準面設定を行つた後、所定の加工を開始し、その
後さらに、最初の荒加工から仕上げ加工の終了に至る加
工途中で、電極送りが指定の深さに達した時点での加工
中の電極位置を測定し、その加工条件から、間隙が特定
値になる間隙検出条件に切り換え、微小放電を所定時間
生じさせながら間隙を収束させた後、その時の電極位置
を測定し、この両方の測定値の変化量より、加工計画時
の所定値に対する加工間隙を誤差量あるいは加工深さの
誤差量を算出し、その誤差量を補正するように電極送り
量を制御してその後の加工を再開するようにして達成さ
れる。また上記と同様に基準面設定を行つた後、所定の
加工を開始し、その後さらに、最初の荒加工から仕上げ
加工の終了に至るステツプの過程で、深さ方向の電極位
相が指定の目標値に達してそのステツプの加工後を終え
た後に、間隙が特定値になる間隙検出条件に切り換え、
微小放電を所定時間生じさせながら間隙を収束させた
後、その時の電極位置を測定して、その測定値より前記
ステツプの加工後の深さを求めた後、さらに加工計画時
の加工深さとの誤差量を算出し、この算出結果から補正
加工が必要と判断された場合に、その誤差量を補正する
ように電極送り量を制御して補正加工を行うようにして
も達成される。
本願第1の請求項に係る形彫り放電加工による加工誤
差補正制御法は、各種の制御が可能なNC制御式放電加工
機を用いて、工作物に対して所定の位置より電極を所定
の深さ方向に送り、かつその電極送りを制御しながら工
作物の加工を行う最中に生じる加工誤差を補正制御する
方法において、所定の加工途中で、間隙が特定値になる
間隙検出条件に切換え、微小放電を所定時間生じさせな
がら間隙を収束させた後、その時の電極位置を測定し、
さらにその測定結果より、加工計画時の所定値に対する
加工間隙の誤差量あるいは加工深さの誤差量を算出し、
その誤差量を補正するように電極送り量を制御してその
後の加工を再開するようにしたことを特徴とする。
本願第2請求項に係る形彫り放電加工における加工誤
差補正制御法は、各種の制御が可能なNC制御式放電加工
機を用いて、工作物に対して所定の位置より電極を所定
の深さ方向に送り、かつ、荒加工から仕上げ加工まで一
連の加工ステツプ順に電極送りを制御しながら工作物の
加工を行う最中に生じる加工誤差を補正制御する方法に
おいて、加工開始前に、所定の位置に各々設定した電極
と工作物との間隙が特定値になる間隙検出条件で所定時
間微小放電させて、その位置検出より加工深さ方向の基
準面設定を行つた後、所定の加工を開始し、その後さら
に、前記加工過程で指定したステツプの加工途中で、電
極送りが指定の深さに達した地点での加工中の電極位置
を測定し、その加工条件から、間隙が特定値になる間隙
検出条件に切換え、微小放電を所定時間生じさせながら
間隙を収束させた後、その時の電極位置を測定し、この
両方の測定値の変化量より、加工計画時の所定値に対す
る加工間隙の誤差量あるいは加工深さの誤差量を算出
し、その誤差量を補正するように電極送り量を制御して
その後の加工を再開するようにしたことを特徴とする。
上記各請求項の発明においては、加工間隙誤差量ある
いは加工深さ誤差量の算出とその補正制御を最終ステツ
プの加工途中で行い、また、必要に応じて指定したステ
ツプの加工途中でも行えるように構成することが好まし
い。
〔作用〕
上記したように本願発明では、加工前の電極と工作物
との位置合せ設定(基準面設定)を、間隙が特定値にな
る間隙検出条件で所定時間微小放電させて位置検出を行
うようにしたので、正確な基準面設定ができ、従来の接
触感知法で生じやすい誤差を解消することができる。さ
らに、放電加工中に生じる間隙誤差を診断し、それを補
正制御するようにしたので、間隙変化による加工誤差が
解消されて高精度な加工結果を得ることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の内容を実施例で具体的に説明する。第
1図は、本発明の内容を示す加工動作のフローチヤート
例であり、また、第2図、第3図は、第1図に開示した
間隙誤差補正の内容説明である。次表6はこのフローに
おける処理条件である。
さらに、第4図は本発明を実施するNC制御式放電加工
機の全体構成を示す。図において、電極1と工作物2に
接続された加工電源9は、NC制御装置11によつて指令さ
れた所定の加工条件及び間隙検出条件に対応するパルス
電圧,電流を出力する。極間電圧検出回路24は、電極1
と工作物との間で生じる放電の極間電圧を検出し、その
検出信号をNC制御装置11と電極送りサーボ制御回路16に
送信し、放電状態の良否を判別させる。電極1は、Z軸
のパルスサーボモータ13に連続された電極送り機構12の
先端部に設置されており、増巾器15を介して電極送りサ
ーボ制御回路16によつて駆動制御されている。その電極
送りサーボ制御回路16は、NC制御装置11からの指令信号
で動作すると共に、各加工条件での放電状態の判別結果
に従つて電極位置を適正に制御する。この他にも、指定
された加工条件及び間隙検出条件で電極を周期的上下運
動させる機能を持つている。パルスサーボモータ13に連
結されたパルスエンコーダ14は、電極1の位置指令に対
するその移動位置を検出し、その検出信号が電極送りサ
ーボ制御回路16及びNC制御装置11にフイードバツクされ
る。間隙誤差補正回路10は、NC制御装置による間隙検出
指令に応じて間隙誤差あるいは加工深さ誤差を診断し、
その診断結果がNC制御装置に送信される。
X,Yテーブル4上に設置された工作物2は、X,Yテーブ
ル機構に搭載され、かつX,Yテーブル駆動制御回路23に
よつて制御される。電極との位置合せや工作物を揺動さ
せる一連の制御指令はNC制御装置11より送信されてい
る。駆動用のパルスモータ18,19と移動検出用のパルス
エンコーダ20,21は、前記したZ軸と同様な機能を持つ
ている。加工槽5には加工液供給装置より加工液が供給
及び循環(図示せず)され、同時に放電加工近停部にも
適量の加工液が供給され、加工生成物が加工間隙内から
適宜排出できるようになつている。
本実施例では、加工前に深さ方向の基準面設定を所定
の位置(従来と同じ加工穴の工作物表面)で行うため、
まず、間隙が特定な値になる間隙検出条件で電極と工作
物との間に微小放電を所定時間生じさせる。ここでいう
間隙検出条件とは、最良面加工を行う時のような放電エ
ネルギーがきわめて小さい条件で、かつ印加電圧も通常
の加工条件と同一レベルでよい。所定時間(例えば20〜
60秒程度)微少放電させることによつて間隙が一定
(gc)となる。そして、間隙が一定となつた地点での電
極位置からgcを差し引いた地点が加工対象製品の工作物
表面で、基準面となる。このようにして正確な基準面設
定を行つた後、所定の加工を開始する。その所定の加工
は従来通り(第11図参照)であるが、本発明では、第1
図に示したように、加工途中で間隙誤差を診断してそれ
の誤差量を補正制御する。間隙誤差補正制御は補正指令
に従つて、第2図,第3図に示したように行う。まず、
加工中(ステツプKの条件)のどの地点で開始するかを
判別させ、例えば加工中の電極送り量Zaが所定の目標値
Zkからβ手前(βの値としては例えばその加工下での面
粗さ値Rmaxk)に達した地点とすればよい。この地点で
の加工中の電極位置Za値を算出後、間隙が特定値gcにな
る間隙検出条件に切り換えて、図中に示すように電極の
上下運動による断続的な微小放電を所定時間生じさせな
がら間隙を収束させ、収束後の電極位置Zdを上記と同じ
ように算出する。電極位置は放電現象の変化に応じて時
々刻々と変動しているので、安定な測定位置(例えばタ
イミング時間t1の地点)を定め、その位置での値を数回
測定して平均化するとよい。間隙が特定値に収束するの
にある程度の時間を要するのは、この前段階での加工生
成物が残留しているためで、それを十分に排出する必要
があり、電極の上下運動はその排出促進を図る役目をし
ている。収束所要時間tcは約30〜60秒であることを実験
で確認している。
その後、測定した両者の電極位置の変化量Δgd=Zd
Zaより、加工中の間隙値Gaを算出(GaΔgd+gc)し、さ
らに、加工計画時の間隙値Gkとの間隙誤差量ΔGkを図中
に示したように算出(ΔGk=Gk−Ga)する。そして、算
出した間隙誤差量を電極送り量に補正(ΔGk=ΔZgk
して加工を再開する。補正後の電極送量Z′はZk+Δ
ZGkとなる。
このように補正制御することによつて、加工中に生じ
た間隙変化による加工誤差を解消することができ、従来
法に比べて加工精度が大幅に向上する。上記の間隙誤差
の診断及びその補正制御は最終ステツプの加工途中で行
い、また、それに先立つ中間補正も指定のステツプの加
工途中で行うようにすることができる。なお、ここでは
特に記述しなかつたが、同様な方法で加工中の深さHa
び加工深さ誤差ΔHGkの算出も行うことができる。
第5図及び第6図,第7図は本発明の他の実施例であ
る。間隙検出条件による基準面設定は、第1図で述べた
通りであるが、加工誤差の診断をここではステツプKの
加工後に行い、かつ補正加工の要否を判断させるように
してある。すなわち、第6図に示すように、指定ステツ
プKの加工後に、間隙が特定値になる間隙検出条件に切
り換え、前記と同様に電極の上下運動による断続的な微
小放電を所定時間生じさせて、収束後の電極位置Zd値を
算出(測定)する。そして、加工された深さHaを算出
(Ha=Zd+gc)後、加工計画時の加工深さHkとの誤差量
ΔHGkを算出(ΔHGk=Hk−Ha)する。さらにこの検出結
果から補正加工の要否を判断し、Hk>Haの場合は加工深
さ不足で、その誤差量を電極送り量に補正(ΔHGk=ΔZ
Gk)して加工を再開する。補正後の電極送り量Z′
Zk+ΔZGkとなる。Hk<Haの場合には補正加工を行う必
要がない。このように補正制御することによつて間隙変
化による加工誤差が解消でき、かつ、制御の簡素化を図
ることができる。上記の加工誤差の診断(測定)及び補
正制御は最終ステツプの加工後に行い、また、必要に応
じて指定したステツプの加工後に行えばよい。
尚、次表7は処理条件である。
なお、本発明は、実施例に示した丸穴形状に限らず多
種多様の形状及び複数列の形状の加工に対しても実施す
ることができる。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明はある微小放電の間隙検出
条件での間隙が特定な値に収束する特性を利用して、加
工前の電極と工作物との位置合せ設定を行い、また、放
電加工中に生じる間隙誤差あるいは加工深さの誤差を診
断し、それを補正制御するようにしたので、正確な基準
面設定ができ、従来の接触感知法で生じやすい誤差が解
消され、さらに、従来技術では困難であつた間隙変化に
よる加工誤差が解消されて高精度な加工結果を得ること
ができる。さらに本発明の制御法は、簡便な制御回路で
迅速、かつ正確に行うことができるので、従来のような
加工を中断しての加工誤差測定やその手間が省け、また
特別な測定機器を用いる必要がなくなり、記能的、経済
的な効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示す加工動作のフロー
図、第2図は第1図に開示した間隙誤差補正制御の詳細
フロー図、第3図は第2図のフローによる加工成果の経
時変化を示す特性図、第4図は本発明を実施するNC制御
装置の全体構成を示す装置レイアウト図、第5図は本発
明の他の実施例を示す加工動作のフロー図、第6図は第
5図に開示した加工深さ誤差測定及び補正制御の詳細フ
ロー図、第7図は第6図のフローによる加工成果の経時
変化を示す特性図、第8図は従来から使用されているNC
制御式放電加工機の斜視図、第9図は穴加工例における
加工条件を定義する寸法定義説明図、第10図は加工穴と
電極送り量を示した穴加工近傍の拡大断面図、第11図は
従来の実施例を示す加工動作のフロー図、第12図は第11
図に開示した方法で加工した時の電極位置と間隙誤差の
状況を示す説明図である。 1……電極、2……工作物、4……XYテーブル、5……
加工槽、8……加工液供給装置、9……加工電源、10…
…間隙誤差補正制御回路、11……NC制御装置、12……電
極送り機構、13……パルスサーボモータ、14,20,21……
パルスエンコーダ、15,22……増巾器、16……電極送り
サーボ制御回路、17……XYテーブル機構、18,19……パ
ルスモータ、23……XYテーブル駆動制御回路、24……極
間電圧検出回路。
フロントページの続き (72)発明者 石井 隆 神奈川県海老名市上今泉2100番地 日立 精工株式会社内 審査官 仲村 靖 (56)参考文献 特開 昭58−160018(JP,A) 特開 昭61−279429(JP,A) 特開 昭58−114821(JP,A) 実開 昭59−69822(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各種の制御が可能なNC制御式放電加工機を
    用いて、工作物に対して所定の位置より電極を所定の深
    さ方向に送り、かつその電極送りを制御しながら工作物
    の加工を行う最中に生じる加工誤差を補正制御する方法
    において、 加工途中の電極位置Zaで、間隙が特定値gcになる間隙検
    出条件に切換え、所定時間電極を上下動させながら加工
    が進まない微小放電により間隙を収束させた後、収束し
    た電極位置Zdを測定し、実際の加工間隙GaをGa=Zd−Za
    +gcとして求め、加工計画時の加工間隙Gkと実際の加工
    間隙Gaとの差を誤差量ΔGkとして求め、誤差量ΔGkを補
    正するように電極送り量を制御してその後の加工を再開
    するようにしたことを特徴とする型彫り放電加工におけ
    る加工誤差の補正制御法。
  2. 【請求項2】各種の制御が可能なNC制御式放電加工機を
    用いて、工作物に対して所定の位置より電極を所定の深
    さ方向に送り、かつ、荒加工から仕上げ加工まで一連の
    加工ステップ順に電極送りを制御しながら工作物の加工
    を行う最中に生じる加工誤差を補正制御する方法におい
    て、 電極と工作物との間隔が特定値gcになる加工が進まない
    微小放電による間隙検出条件を予め定めておき、加工開
    始前に、所定の位置に各々設置した電極と工作物を前記
    間隙検出条件で所定時間放電させ両者の間隙が一定にな
    った位置を加工深さ方向の基準位置とし、前記加工ステ
    ップの途中の電極位置Zaにおいて、その加工条件から前
    記間隙検出条件に切換え、所定時間電極を上下動させな
    がら電極と工作物との間隙を収束させ、収束した電極位
    置Zdを測定し、実際の加工間隙GaをGa=Zd−Za+gcとし
    て求め、加工計画時の加工間隙Gkと実際の加工間隙Gaと
    の差を誤差量ΔGkとして求め、誤差量ΔGkを補正するよ
    うに電極送り量を制御してその後の加工を再開するよう
    にしたことを特徴とする型彫り放電加工における加工誤
    差の補正制御法。
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