JP2666990B2 - 事故復旧システム - Google Patents

事故復旧システム

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雪夫 小島
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東京電力株式会社
株式会社東芝
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は系統状況に応じて復旧手順を迅速かつ効率よ
く作成する事故復旧システムに関する。
(従来の技術) 電力系統が複雑かつ巨大化するに従って、一旦事故が
起こるとその復旧のための操作は複雑なものになり、復
旧に要する時間は長引くことになる。
現在、二次系統,配電系統における停電事故に対して
は、復旧操作の自動化が徐々に導入されてきているが、
一方、基幹系統における事故に対しては、運転員による
マニュアル復旧が行なわれている。これは、いくつかの
想定事故に対して予め復旧手順を作成しておき、停電事
故が起きた時には、この手順に準じて運転員の判断で復
旧を行なうものである。
(発明が解決しようとする課題) 上記従来方式では事故前後の系統運用状況や負荷状況
によって復旧パターンが異なるために、運転員による判
断量は多くなり、あまり好ましいものではない。これを
避けるために、事故直後の系統状況をもとにした運用則
をベースに知識工学手法を用いて復旧手順の作成を支援
する提案(特願昭62−152730号)が既になされている。
この提案の場合、過去に類似の事故があっても、その
復旧手順を参考にせず、全く白紙の状態から手順を作成
している。したがって手順作成に要する時間という点で
は得策ではない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、過去
の事故ケース及び復旧手順を参照し、実際の事故に即し
た最適な復旧手順を作成することの可能な事故復旧シス
テムを提供することを目的としている。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記目的を達成するための構成を、実施例に対応する
第1図を用いて説明すると、本発明、系統事故時に電力
系統からの事故情報を取込み前記系統事故状態に対して
復旧手順を出力する事故復旧システムにおいて、電力系
統の事故設備についての情報と電力系統での停電に対し
て事故後の系統内部の接続状態及びその他の系統情報を
記憶する第1の記憶手段31と、過去に発生した事故ケー
スと当該事故に対する復旧手順とを記憶する第2の記憶
手段32と、前記第1の記憶手段へ入力された事故情報を
もとに、第2の記憶手段に予め記憶された事故ケースの
中で最も類似したものを選択する第1の演算手段33と、
系統状態に関する情報及び迅速・安全・的確な復旧手順
を作成するために必要なルールが記憶されている知識ベ
ース34と、類似の事故ケースに対する復旧手順を基本に
し、事故直後の系統情報及び前記知識ベースを考慮して
最適な復旧手順を作成する推論エンジン35と、前記推論
結果を出力する出力装置4とから構成した。
(作 用) 上記システムにあっては、入力された事故状況に類似
した過去の事故ケースに対する復旧手順を選択し、その
手順を初期状態とし、迅速・安全・的確な復旧手順を作
成するのに必要なルールと、事故前後の系統運用状態の
情報とから推論することにより、効率の良い復旧計画の
作成が可能となる。
(実施例) 以下図面を参照して実施例を説明する。
第1図は本発明による事故復旧システムの一実施例の
構成図である。
第1図において、1は対象となる電力系統、2は電力
系統1からの系統情報を取込む入力装置、3は入力装置
2で取込まれた情報をもとに詳細を後述する演算を実行
するディジタル計算機、4はディジタル計算機からの出
力装置であり、例えばCRTディスプレイ装置である。
また、ディジタル計算機3は、事故前後の系統状態を
記憶する記憶手段31と、過去の事故ケース及びその復旧
手順を記憶している記憶手段32と、記憶手段31に記憶さ
れている事故後の系統状態と後述するアルゴリズムに基
き、最も類似した過去の事故ケースを記憶手段31から選
び出す演算手段33と、復旧計画を作成するための知識ベ
ースを記憶している記憶手段34と、この記憶手段34に記
憶されている知識を用いて推論を行ない、その結果を出
力装置4に与える演算手段(推論エンジン)35とからな
っている。
第2図は全体としての作用を示すフローチャートであ
る。
先ず、電力系統1に停電事故が発生し(ステップS2
0)、図示していない事故判定部により事故設備の判定
が行なわれ、それとともに使用不能設備の固定が行なわ
れると、その旨の情報が入力装置2を介してディジタル
計算機3に入力され、復旧計画の作成が開始される。な
お、記憶手段31には前記した使用不能設備の情報をはじ
め、事故前後の運用設備と負荷の大きさ、及び発電所の
出力等が記憶される。ステップS21では前記した記憶さ
れた情報(記憶手段31の)を用いて、記憶手段31に記憶
されている過去の事故ケースとの照合が演算手段33にて
行なわれる。ステップS22では類似事故が有るか否かを
判断し、類似事故があればステップS23へ進み、類似事
故の復旧手順の実行可能性チェック及び最適化を行な
う。これは事故設備あるいは使用不能設備が同じでも、
事故時の需給状態によっては、復旧手順が全く異なって
くることが有り得るからであり、例えばピーク時間帯と
オフ・ピーク時間帯では、事故設備が同じであっても復
旧手順は異なる(後述する)。このように、すべての需
給面での復旧手順を記憶していても、実際の事故がその
状態にあてはまるとは限らない。従って本実施例では、
これまでの種々の事故ケースの検討から、次のパターン
で分類することとする。
事故あるいは使用できない送変電設備(作業停止設
備を含む)。
需給断面、具体的にはピーク時間帯、中間時間帯、
オフ・ピーク時間帯。
事故時、使用できない発電設備。
上記した3つの条件が合う事故ケースでは復旧手順は
大体一致する。そして、もし3つの条件すべてが合わな
い場合は、,,の手順で合う事故ケースを選択す
る。ここで選択された事故ケースに対しては、記憶され
た類似事故に対しての復旧手順をもとにしてそのままの
状態で出力する場合、又は一部を修正して出力する場合
がある(ステップS24)。ステップS22にて類似事故が無
いと判断されるとステップS25へ進み、過去の事故ケー
スを考慮することなく、白紙の状態から復旧計画を作成
する。このようにして得られた復旧手順は記憶手段34の
知識を用い、演算手段(推論エンジン)35で推論しなが
ら修正し、最適な復旧手順を作成する。
以上が全体としての作用であるが、復旧手順の作成の
仕方を第3図にて説明する。この場合の基本的な考え方
は、演算手段33にて選択された復旧手順を実施できたと
して、完全に事故復旧できるか否かを検討する(ステッ
プS31)。もし完全に復旧できるのであれば、そのため
の各復旧操作が実行可能か否かを検討する(ステップS3
3)。もし実行可能であればこの事故ケースに対して
も、過去の復旧手順を実施すればよいことになる。例え
ば一時的な過負荷により実行不可能な操作があれば、記
憶手段34の知識を用いて演算手段(推論エンジン)35で
推論することにより、実行不可能な操作を実行できるよ
うに対策を考える(ステップS34)。一時的な過負荷の
場合であれば、実行不可能な操作を潮流があまり流れて
いない初期の段階で実施することが一つの方法として考
えられる。
以下に知識例を列挙する。
「復旧手順の作成,修正」部について 復旧することができない停電負荷があれば、仮に事
故前受電していた変電所から復旧させる。
過負荷が発生すれば、発電力調整,系統切替,母線
分離などの系統操作で解消を検討する。
いかなる操作を用いても過負荷を解消できないなら
ば、過負荷設備の下流側にある負荷の復旧を一部くりの
べる。
「対策」部について 送電線の充電に際し、過電圧発生が予想されるなら
ば、調相設備を投入する。
送電線の充電に際し、電源の運転能力逸脱が予想さ
れるならば、充電操作を遅らせる。
ループ切替操作により、過渡的な過負荷が発生する
ならば、負荷の復旧順序を変更する。
このような知識を用いて最適な復旧手順を作成する
が、復旧手順が実行可能とならない場合は、過去の復旧
手順については全く考慮せず、事故直後の状態を初期状
態として最初から復旧計画を立てなおすことになる(ス
テップS35)。このようなケースは余分な手順を得た
後、復旧計画を立てることになるので、逆に効率は悪く
なるが、過去の事故ケースのパターンの分類方法によ
り、検討ステップを充分減少することができる。
要は演算手段33で選択された復旧手順により復旧残が
ある場合は、復旧手順をすべて実施した後の系統構成を
初期状態として、復旧残がなくなるような系統操作につ
いて、記憶手段34の知識を用い演算手段(推論エンジ
ン)35にて推論すればよい。即ち、事故直後の状態を初
期状態として最初から復旧計画を立てるよりも効率はは
るかによい。このように復旧残があろうとなかろうと、
前記したように各復旧操作が実行可能か否かのチェック
を行ない、もし実行不可能な操作があれば、その対策に
ついて検討するようにしている。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば事故発生時の系
統状態を取込み、予め記憶しておいた事故情報の中に類
似した事故ケースがあるか否かを検討し、系統に発生し
た事故状況と類似の過去の事故ケースに対する復旧手順
をもとに、系統状態に関する情報及び的確な復旧手順を
作成するのに必要なルールを用いて、推論しながら修正
するようにしているので、最適な復旧計画を効率良く作
成することの可能な事故復旧システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による事故復旧システムの一実施例のブ
ロック構成図、第2図はシステム全体の作用を示すフロ
ーチャート、第3図は復旧手順作成のフローチャートで
ある。 1……電力系統、2……入力装置 3……ディジタル計算機、4……出力装置 31,32……記憶手段、33……演算手段 34……記憶手段(知識ベース) 35……演算手段(推論エンジン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 政一 東京都府中市東芝町1 株式会社東芝府 中工場内 (56)参考文献 特開 昭63−242132(JP,A) 特開 昭54−53234(JP,A) 実開 昭59−108944(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】系統事故時に電力系統からの事故情報を取
    込み前記系統事故状態に対して復旧手順を出力する事故
    復旧システムにおいて、電力系統の事故設備についての
    情報と電力系統での停電に対して事故後の系統内部の接
    続状態及びその他の系統情報を記憶する第1の記憶手段
    と、過去に発生した事故ケースと当該事故に対する復旧
    手順とを記憶する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手
    段へ入力された事故情報をもとに第2の記憶手段に予め
    記憶された事故ケースの中で最も類似したものを選択す
    る第1の演算手段と、系統状態に関する情報及び迅速・
    安全・的確な復旧手順を作成するために必要なルールが
    記憶されている知識ベースと、類似の事故ケースに対す
    る復旧手順を基本にし、事故直後の系統情報及び前記知
    識ベースを考慮して最適な復旧手順を作成する推論エン
    ジンと、前記推論結果を出力する出力装置とを備えたこ
    とを特徴とする事故復旧システム。
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