JP2666917B2 - ガス発生器 - Google Patents

ガス発生器

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JP2666917B2
JP2666917B2 JP4360375A JP36037592A JP2666917B2 JP 2666917 B2 JP2666917 B2 JP 2666917B2 JP 4360375 A JP4360375 A JP 4360375A JP 36037592 A JP36037592 A JP 36037592A JP 2666917 B2 JP2666917 B2 JP 2666917B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のエアバッグ安
全装置に組み込んで使用されるガス発生器に係わり、特
に着火機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ガス発生器が使用されるエアバッグ安全
装置はハンドルの中央部に取り付けられ、衝突時に風船
のように膨らんでハンドルと乗員との間の緩衝材となる
ものであり、ガス発生器はこのエアバッグを膨らますガ
スを供給するものである。
【0003】この種のガス発生器として特開昭60─2
48454号公報記載のエアバッグ安全装置に使用され
るものがある。このガス発生器は、衝突センサを内蔵し
ており、該衝突センサは、衝突によりボールが慣性力を
受けて移動し、ボールに当接している回転体が回動し
て、回転体との係合が解除された着火ピンが雷管に衝突
してこれを起爆させ、ガス発生器を作動させるものであ
る。そして、冗長性を持たせるため、このボール及び着
火ピンからなる衝突検知・着火部を2つ有しており、い
わゆる2ボール2ピンタイプである。
【0004】また、この種のガス発生器には該ガス発生
器を組み込んだエアバッグ装置の取り付け・取り外し時
に誤って衝撃が加わっても不用意にエアバッグ装置が起
動しないように、セーフティ機構が設けられている。上
述のガス発生器のセーフティ機構は、2つのボールの中
間に、先端がテーパ部を有する解除ピンを上下方向に移
動可能に設け、該テーパ部の左右両面に当接し解除ピン
の下方への移動によりそれぞれ左右両方向に移動して各
ボールの移動前面に接触し該ボールの移動を阻止する移
動阻止部材を設けて構成している。そして、この解除ピ
ンはガス発生器の底面から下方へ突出し、外部から操作
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のガス
発生器では2ボール2ピンとして冗長性を確保してい
る。また、ボールの移動には信頼性があると考え、ボー
ルは1つとし、着火ピンのみを2つとする1ボール2ピ
ンタイプとする考えもある。しかし、衝突検知及び着火
の機構の各構成要素の信頼性を検討すると、一番問題と
なるのは着火であると考えられる。すなわち、従来の着
火方式はいわゆる摩擦発火方式であり、図4に示すよう
に、着火薬91をアルミカプセル92に詰めてプレスし
て固め、先端が針形状90Aである着火ピンを衝突させ
てその摩擦により発火させるものである。この方式で
は、針の角度や先端の丸み及び表面粗度等により着火感
度がバラツき、従って高い寸法精度と仕上げ精度が要求
される。このため着火の信頼度に問題があった。従っ
て、着火の信頼度を向上させることができれれば、冗長
性を確保する必要はなく、1ボール1ピンタイプとする
ことも可能である。1ボール1ピンとすればピンに与え
るエネルギも大きく設計できるので耐熱性着火薬の採用
も可能となり、さらに信頼度を向上できる。
【0006】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、着火の信頼度を向上させ耐熱性着火薬の採用を
可能ならしめるガス発生器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明におけるガス発生器は、着火ピンを着火薬に
向かって飛ばし該着火薬を発火させガス発生器を起動す
るガス発生器において、前記着火薬は前記着火ピンによ
り発火する発火用着火薬と該発火用着火薬の発火により
発火する着火薬本体とからなり、前記発火用着火薬は着
火薬本体と別位置に配置され且つ前記着火ピンの衝撃エ
ネルギによって発火させられるものである。
【0008】また、前記ガス発生器において、発火用着
火薬は着火薬本体と別位置に所定厚みで一体的に配置さ
れ、前記着火ピンは先端に平坦面を設けられ、発火用着
火薬の背後に前記着火ピンの衝突力を受ける受け部が設
けられてなるものとすることもできる。
【0009】さらに、前記ガス発生器において、着火薬
本体と発火用着火薬との間の空間にオリフィスが形成さ
れているものとすることもできる。
【0010】
【作用】上記構成によれば、発火用着火薬は着火薬本体
とは別個に配置されるので衝撃発火方式を採用すること
が可能となる。すなわち、例えば発火用着火薬の背後に
受け部を設け、そこに着火ピンを衝突させると、発火用
着火薬は受け部と着火ピンとに挟まれて衝撃力を受け、
その衝撃エネルギよって発火する。このいわゆる衝撃発
火方式は摩擦発火方式に比べて一般的に着火感度がよ
い。また、着火ピンの加工精度や仕上げ精度による着火
感度のバラツキが少ない。そして、この発火用着火薬の
発火によって着火薬本体を発火させ、伝火薬を着火する
のに十分なエネルギを発生させるものである。
【0011】また、着火薬本体と発火用着火薬とを一体
的に配置すると、これら着火部の設計及び製造が容易で
あり、所要のスペースが少なくて済む。
【0012】さらに、着火薬本体と発火用着火薬との間
の空間にオリフィスを形成すると、着火薬本体及び伝火
薬の燃焼により衝突センサに加わるガス圧力を低減する
ことができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。図1は本発明のガス発生器の断面図、図
2は図1のガス発生器に内蔵される衝突センサの構成を
示す斜視図、図3は図1のガス発生器の着火部の拡大図
である。
【0014】まず、図1に基づき全体の構成を説明す
る。図1において、ガス発生器1は円筒容器2であり、
上容器3と下容器4とを摩擦圧接5等で一体化したもの
である。円筒容器2内は内壁6で外周部23と中央部2
4とに区画され、外周部23には隔壁7によって仕切ら
れる各室にガス発生剤12とガスフィルタ13、14、
15が配置されている。中央部24には、上方に伝火薬
16が配置され、その下方にセンターディスク29が下
方より嵌挿され、メカニカルな係合手段26によって内
壁6に係止されている。センターディスク29には伝火
薬16に接して着火薬31A、31Bが装填され、さら
に、センターディスク29の下方のセンサ収納部24A
には、衝突センサ28が下方より嵌挿され、該センサ収
納部24Aの下端にカシメられた押さえ金具21で保持
されている。前記着火薬は発火用着火薬31Bと該発火
用着火薬31Bによって発火される着火薬本体31Aと
からなり、衝突センサ28には発火用着火薬31Bを衝
突力よって発火させる着火ピン52が設けられている。
そして、衝突センサ28は、嵌挿されるに際し、センタ
ーディスク29に設けられた1次ガイド29Aに案内さ
れ、位置決め部29Bによって所定位置にセットされ
る。また、衝突センサ28からは、セーフティ機構の解
除ピン72が下方に突出し、前記押さえ金具21にはそ
の貫通孔21Aが設けられている。なお、30は発火し
た着火薬のエネルギを逃がさずに上方に伝火させるため
のシール用Oリングである。
【0015】つぎに、衝突センサ28について、図2に
基づき説明する。図2において、衝突センサ28は機械
着火式衝突センサであって、いわゆる1ボール1ピンタ
イプである。該衝突センサ28は、上部に2段の小径部
を有する円筒形をしており、軸線中央部で軸線と直交す
る面で分割された下ケース38と上ケース42とに分か
れている。この下ケース38と上ケース42は上部に2
段の小径部を有する円筒状の外ケース57に嵌合されて
いる。上ケース42内には機械着火式衝突センサの慣性
体としてのボール44が1個配置されている。このボー
ル4は円筒形のシリンダ40内に挿入されており、シリ
ンダ40は上ケース42内に軸線が上ケース42の軸線
と平行になるように固着されている。従って、ボール4
4に急激な加速度が作用すると、ボール44がシリンダ
40内を下ケース(矢印C方向)に向かって移動するよ
うになっている。ボール44の下側端部には、下ケース
38と上ケース42との境に沿って配置された回転体4
6の一方の端部46Aが当接してボール44の移動によ
り回転体46が回動可能となっている。この回転体46
の他方の端部46Bには上ケース42の軸方向に配置さ
れたリテーナ48の下側端部が当接している。前記リテ
ーナ48の上半分は小径部48Aとなっている。この小
径部48Aには圧縮コイルバネ56が巻装されており、
圧縮コイルバネ56の上端部は外カバーに当接してい
る。従って、圧縮コイルバネ56はリテーナ48を介し
て回転体46の一方の端部46Aをボール44側へ付勢
している。回転体46の長手方向中間部には、支持シャ
フト50が回転体46の軸方向と直交して固着されてい
る。図示するように支持シャフト50の中央部には矩形
状のフック部50Cが形成され、このフック部50Cの
長手方向両端部には支持部50A、50Bが突設されて
いる。この支持部50A、50Bは下ケース38及び上
ケース42に回転可能に軸支され、回転体46は支持シ
ャフト50を回転中心として回動可能になっている。
【0016】図に示すように、支持シャフト50のフッ
ク部50Cの下側端面50Dは下ケース38の軸線方向
に配置された着火ピン52のつば部52Aと係止してい
る。また、着火ピン52のつば部52Aの下側の下ケー
ス38内には圧縮コイルバネ54が配置されて着火ピン
52を上ケース42方向(図の矢印K方向)に付勢して
いる。従って、回転体46の回動によって支持シャフト
50のフック部50Cの端面50Dと着火ピン52のつ
ば部52Aとが外れると、着火ピン52の先端部52B
は圧縮コイルバネ54の付勢力で発火用着火薬に衝突す
るようになっている。そして、該着火ピン52の先端部
52Bは平坦形状となっている。これは、衝撃力で発火
用着火薬を発火させるためである。
【0017】つぎに、セーフティ機構について説明す
る。図2において、下ケース38と上ケース42には慣
性体移動阻止手段の構成部材の1つである解除ピン72
が、その軸方向が下ケース38と上ケース42の軸方向
と平行となるように配置され、軸線回り方向に回転可能
に軸支されている。この解除ピン72の軸方向中間部に
は制限部としてのバー72Aが解除ピン72の軸方向に
対して直交方向に突設されている。このバー72Aは円
柱形状であり、回転体46の一方の端部46Aのボール
と反対側に位置するように配設されている。従って、バ
ー72Aが回転体46の一方の端部46Aの回動軌跡上
に位置すると回転体46の回動を阻止し、バー72Aが
回転体46の回動軌跡上から退くと回転体46の回動を
許容するようになっている。このバー72Aには下側に
巻装されるネジリコイルバネ68の一端部68Aが係止
されている。ネジリコイルバネ68の他端部68Bは下
ケース38の上面に形成された孔38Bに挿入されてい
る。これにより、ネジリコイルバネ68は解除ピン72
を図の時計回り方向(図の矢印D方向)に付勢して、バ
ー72Aを回転体46の回動軌跡上に位置させている。
また、前記上面38Aには突起部38Cが形成されてお
り、バー72Aの時計回り方向への最大回動角度を制限
している。解除ピン72の上部は上ケース42に形成さ
れた図示されない溝に挿入されている。また、解除ピン
72の下部には四角柱状の角部70が形成されており、
解除ピン72と連結され慣性体移動阻止手段の一部を構
成するピニオン73に挿入されている。このピニオン7
3の中心部には、軸方向に角孔73Cが形成されてお
り、前記解除ピン72の角部70が挿入されることによ
り、解除ピン72とピニオン73が一体となっている。
このピニオン73にラック軸19の平面歯車19aが直
角方向に噛み合っており、ラック軸19が図の反時計回
りに回動すると、解除ピン72もネジリコイルバネ68
の付勢力に抗して反時計回り方向(図の矢印D方向と反
対方向)に回動する。このため、バー72Aも解除ピン
72を介して、反時計回り方向へ回動する。従って、バ
ー72Aが回動することにより、バー72Aは回転体4
6の回動軌跡上から退き、ボール44が移動可能状態と
なる。
【0018】つぎに、押さえ金具21について説明す
る。押さえ金具21は下ケース38の下方に配設され、
これを下方から保持するものである。押さえ金具21は
円板状であり、上述の解除ピン72が貫通する貫通孔2
1Aが中心から偏心した位置に設けられている。このた
め、押さえ金具21を回転させないで固定するべくカシ
メて固定している。このようにすれば、大きな貫通孔を
設ける必要はなく、下ケース38を保持するのに何ら支
障を来さない。
【0019】つぎに、着火部を図3に基づき詳しく説明
する。図3において、センターディスク29に着火薬収
納部29Eが設けられ、該着火薬収納部29Eに着火薬
本体31Aと発火用着火薬31Bとが一体的に収納され
ており、上面及び下面は30〜50μのアルミ箔34
B、34Aで覆われている。このように、一体的に形成
すると、この着火部の設計及び製造が容易であり、所要
のスペースが少なくて済む。前記アルミ箔34A、34
Bは着火薬31A、31Bをシールするものである。着
火薬収納部29Eの着火薬本体31Aの収納部は円筒状
であり、伝火薬を着火させるのに必要な火薬量を考慮し
て内径2〜4mm程度とされる。そして、発火用着火薬
31Bは前記着火薬収納部29Eの着火薬本体31Aの
収納部の底部から側方に延びる部分に所定の厚みtで収
納されている。この厚みtは0・5〜1mm程度とする
のが好ましい。0.5mm未満であると衝突部分の着火
薬が飛んでしまい、また1mmを越えると着火薬自身が
クッションとなって衝撃力が小さくなり、いずれも着火
感度が低下するからである。発火用着火薬31Bの背後
は平面となっており、この部分が着火ピン52の衝突力
の受け部29Cを構成する。着火薬31A、31Bの底
面をシールするアルミ箔34Aはアルミ製のシール金具
32に接着されている。該シール金具32は、着火ピン
52が通過する着火ピン通過孔32Aを有し、センター
ディスク29の当該部分に設けられた凹部29Dに嵌合
されシール兼接着剤33で固着されている。また、着火
ピン52の先端部52Bの直径は0.3〜0.5mm程
度である。なお、上述の発火用着火薬31Bは、着火薬
本体31Aと一体的に設けずに別個とし、着火薬本体3
1Aとの間を例えば単なる連通孔で接続したり、あるい
は伝火薬等の異なる火薬で接続したりすることもでき
る。
【0020】つぎに、この着火部の製造工程を説明す
る。図3において、着火薬31A、31Bは、トリシネ
ートテトラセンアジ化鉛等からなる。まず、この着火薬
31A、31Bを、センターディスク内の着火薬収納部
29Eに800〜3000Kg/cm2 の圧力でプレス
して詰める。そして、着火薬31A、31Bの底面をシ
ールするアルミ箔34Aを予め貼着したアルミ製のシー
ル金具32を、着火ピン通過孔32Aの位置を合わせな
がらセンターディスク29の凹部29Dに嵌合し、シー
ル兼接着剤33でこれを固着する。
【0021】そして、図1において、シール用Oリング
30を所定位置に嵌挿した後、衝突ンサ28を下方から
センサ収納部24Aに嵌挿する。この際に衝突ンサ28
は、センターディスク29に設けられた1次ガイド29
Aに案内されながら挿入され、位置決め部29Bによっ
て所定位置にセットされ、着火ピン52の位置が正確に
合わせられる。
【0022】つぎに、上述のガス発生器の作動を図1乃
至図3に基づき説明する。図1において、ガス発生器1
がハンドルの所定位置に取り付けられると、衝突センサ
28のセーフティ機構の解除ピン72が操作され、上述
の図2のロック機構が解除されて起動可能状態となる。
そして、図2において、ボール44が車両の衝突を検知
して移動すると、ボール44に当接している回転体46
が回動して、該回転体46と係合している着火ピン52
の係合が解除される。
【0023】図3において、解除された着火ピン52は
バネ付勢力によって発火用着火薬31Bに衝突する。こ
こで、発火用着火薬31Bは、所定の厚みtで背後に着
火ピン52の衝突力を受ける受け部29Cを有して配置
されており、そこに先端部52Bに平坦面を設けられた
着火ピン52が衝突するので、受け部29Cと着火ピン
52とに挟まれた発火用着火薬31Bは衝撃力を受け、
これによって発火する。図1に戻り、発火用着火薬31
Bの発火によって、伝火薬16を着火するのに十分な量
を有する着火薬本体31Aが発火し、その火炎により伝
火薬16が着火する。着火した伝火薬16の熱風が内壁
6に設けられた連通孔8を通ってガス発生室12aに進
入し、ガス発生剤12がガス化して大量のガスを発生
し、該ガスは隔壁7や外壁に設けられたガス孔9、1
0、22、11及び各ガスフィルタ13、14、15を
矢印25のように順次通過して図示されないエアバッグ
に供給される。
【0024】そして、図3において、上述の着火薬本体
31Aの発火及び伝火薬16の着火の際に発生するガス
圧は、着火薬本体31Aと発火用着火薬31Bとの接続
部分が丁度オリフィスの役目を果たし、衝突センサ側に
逆流するのが低減される。そして、この着火薬本体31
Aと発火用着火薬31Bとの接続部分に2点鎖線で図示
するようにオリフィス35を設けるとより顕著な前記効
果が得られる。
【0025】つぎに、着火薬の発火方式について説明す
る。着火薬の発火方式には一般に摩擦発火方式と衝撃発
火方式とがあり、従来は摩擦発火方式が採用されてお
り、上述の着火方式は衝撃発火方式である。そして、両
者を比較すると、衝撃発火方式の方が摩擦発火方式に比
べて一般的に着火感度がよい。1例として、上述のガス
発生器で着火薬が発火するエネルギを測定して比較する
と、摩擦発火方式は最小約1.1in−ozであるのに
対し、衝撃発火方式は約0.8in−ozであり、発火
に要するエネルギが小さい。また、衝撃発火方式の着火
ピンの先端は平坦形状なので摩擦発火方式で針形状とす
るのに比べて加工が容易であり、かつ先端形状や表面粗
度により影響されないので、加工精度や仕上げ精度によ
る着火感度のバラツキが少ない。さらに、発火に要する
エネルギが小さいことから衝突センサが設計容易かつコ
ンパクトになり、また、着火ピンの加工が容易なことか
コストダウンのメリットも得られる。
【0026】また、上述の本発明に係る着火方式は、着
火薬のうち発火部分を別配置としたことに意義があると
考えることもできる。すなわち、着火薬を、伝火薬を着
火させるのに必要な部分と発火する部分とに分け、この
発火部分のみを取り出すことによって、発火のみについ
て最適条件を追求することが可能となったと考えられ
る。その結果、上述のように衝撃発火方式を採用するこ
とが可能となり、さらに発火用着火薬の厚みやプレス
圧、着火ピンの形状等について最適条件を求めることが
可能である。
【0027】以上のように、上述のガス発生器は、着火
薬本体と発火用着火薬とを別配置とし、衝撃発火方式を
採用するので着火感度がよく、また、着火ピンの先端は
平坦形状なので加工が容易であり、加工精度による着火
感度のバラツキが少ない。従って、着火信頼度が向上す
る。さらに、着火信頼度が向上するため、冗長性を持た
せる必要をなくすことが可能となり、本実施例の如く1
ボール1ピンタイプとすることが可能である。1ボール
1ピンでは、ピンに与えるエネルギを大きく設計できる
ので耐熱性着火薬の採用も可能であり、そのような耐熱
性着火薬を採用することによりさらに着火信頼度を向上
させることができる。また、1ボール1ピンタイプとす
ることにより、ガス発生器の小型化及びコトダウンも可
能である。もちろん、上述のガス発生器は1ボールタイ
プ、2ボールタイプを問わず適用可能である。
【0028】
【発明の効果】本発明のガス発生器は上述のように、発
火用着火薬は着火薬本体と別位置に配置され且つ着火ピ
ンの衝撃エネルギによって発火させられるので、着火感
度がよく、かつ、着火ピンの加工精度や仕上げ精度によ
る着火感度のバラツキが少ない。このため、着火信頼度
を向上させることが可能である。従って、1ボール1ピ
ンタイプとすることも可能であり、1ボール1ピンとす
ればピンに与えるエネルギも大きく設計できるので耐熱
性着火薬の採用も可能となり、さらに着火信頼度を向上
させることができる。また、着火薬本体と発火用着火薬
とを一体的に配置すると、着火部の設計及び製造が容易
であり、所要のスペースが少なくて済む。さらに、着火
薬本体と発火用着火薬との間の空間にオリフィスを形成
すると、着火薬本体及び伝火薬の燃焼により衝突センサ
に加わるガス圧力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス発生器の断面図である。
【図2】図1のガス発生器に内蔵される衝突センサの構
成を示す斜視図である。
【図3】図1のガス発生器の着火部の拡大図である。
【図4】従来のガス発生器の着火部の断面図である。
【符号の説明】
t 所定厚み 1 ガス発生器 29C 受け部 31A 着火薬本体 31B 発火用着火薬本体 35 オリフィス 52 着火ピン 52B 平坦面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北尾 盛功 京都府宇治市宇治乙方58番地 (72)発明者 西田 謙二郎 埼玉県上尾市上尾村1145−15

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着火ピンを着火薬に向かって飛ばし該着
    火薬を発火させガス発生器を起動するガス発生器におい
    て、前記着火薬は前記着火ピンにより発火する発火用着
    火薬と該発火用着火薬の発火により発火する着火薬本体
    とからなり、前記発火用着火薬は着火薬本体と別位置に
    配置され且つ前記着火ピンの衝撃エネルギによって発火
    させられることを特徴とするガス発生器。
  2. 【請求項2】 前記発火用着火薬は着火薬本体と別位置
    に所定厚みで一体的に配置され、前記着火ピンは先端に
    平坦面を設けられ、発火用着火薬の背後に前記着火ピン
    の衝突力を受ける受け部が設けられてなることを特徴と
    する請求項1におけるガス発生器。
  3. 【請求項3】 前記着火薬本体と発火用着火薬との間の
    空間にオリフィスが形成されていることを特徴とする請
    求項1におけるガス発生器。
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