JPH10147203A - エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置

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JPH10147203A
JPH10147203A JP8304549A JP30454996A JPH10147203A JP H10147203 A JPH10147203 A JP H10147203A JP 8304549 A JP8304549 A JP 8304549A JP 30454996 A JP30454996 A JP 30454996A JP H10147203 A JPH10147203 A JP H10147203A
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JP
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gas generator
recess
airbag
fixed
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Application number
JP8304549A
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English (en)
Inventor
Sadahiro Nakajima
禎浩 中島
Nobuyuki Katsuta
信行 勝田
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】撃針で雷管を刺突する際に、雷管が移動して、
刺突エネルギーを損失することなく、また雷管が撃針の
発射方向からずれることのないエアバッグ用ガス発生器
を提供すること。 【解決手段】機械式センサにより作動する機械着火式ガ
ス発生器において、ハウジング内の撃針の刺突箇所に形
成されたくぼみ内に雷管を挿入し、更に該雷管を雷管固
定手段により固定、又は実質的に固定したと同等に雷管
の動きを制限したことを特徴とするエアバッグ用ガス発
生器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明は、車両衝突時における乗員
への衝撃を緩和する目的で使用されるエアバッグ装置用
のガス発生器に関し、特に衝撃を感知したセンサが撃針
を発射して雷管を刺突し発火させる機械式センサを有す
る機械着火式エアバッグ装置の雷管固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のガス発生器としては電気着火式の
ものと機械着火式のものとがある。電気着火式ガス発生
器は電流の発熱によって点火器が作動し伝火薬に着火す
るものであるのに対して、機械着火式ガス発生器は、機
械式センサの作動によって雷管が着火し伝火薬を燃焼さ
せるものである。この内、特に機械着火式のガス発生器
は、電気配線等が不要であり、低コストで製造可能であ
るという利点がある。
【0003】一般的な機械着火式ガス発生器は、内部に
撃針を有する機械式センサをハウジング内に収容し、セ
ンサ内部に収容したオモリが衝撃時に移動して撃針を雷
管に向けて発射する。雷管は撃針の衝突により発火する
薬剤を内包していることから、この撃針の刺突により発
火し、その火炎でガス発生剤を燃焼させ、燃焼ガスを生
成するものである。このガスはクーラント、フィルター
を通過する間に冷却・浄化されてガスの排出口からエア
バッグ内に流入する。
【0004】雷管に内包される薬剤としては、トリシネ
ート等を用いた薬剤があり、この薬剤は、撃針の刺突等
による小さなエネルギーで発火することが知られてい
る。この時のエネルギーは数百〜数十グラムセンチであ
り、特に撃針発射エネルギーが小さい小型の機械式セン
サの場合には、この薬剤はより小さなエネルギーで発火
することが必要である。
【0005】雷管はその機能上、機械式センサの近傍に
配置されており、例えばUSP4666182では、雷
管は機械式センサの内部に収納されている。この公報で
は、センサ内部に設けられた収納部に雷管を収納してセ
ンサ用容器で包み、雷管の脱落を防止している。センサ
容器内の雷管収納部分には雷管が脱落しない程度の孔を
設け、ガス発生器の燃焼剤(伝火薬)を収納する箇所と
雷管を収納する箇所とを連通している。撃針の刺突によ
り燃焼した雷管の火炎が燃焼剤(伝火薬)に引火してガ
ス発生器からガスを発生させる。しかしこの方式ではい
くつかの問題点が指摘される。
【0006】即ち、この方法では、単に雷管を挿入して
センサ容器で閉塞しただけであることから雷管を固定す
る手段を有していない。一般的に、雷管を挿入するため
には間隙を必要とするため、固定手段を持たないこの方
法では該間隙分、雷管が移動してしまい機械式センサの
撃針によるエネルギーが、雷管の移動により吸収され
る。この吸収されたエネルギーを補うために、より大き
な刺突エネルギーが必要となる。その結果、機械式セン
サが大きくなり、それを収納するガス発生器も大型化
し、また全体が重くなるという欠点を有している。
【0007】また前記の従来方法は、センサの誤作動に
よる発火の危険性が高く、安全にガス発生器を製造する
ことが困難である。これはセンサの製造時に雷管をセン
サ内に組み込むため、センサの組み立てが完了しておら
ず、本来、センサの誤動作を防止している安全装置が十
分に機能していないことが原因である。
【0008】上記の問題を解決するため、完成したセン
サを最後に組み込んでガス発生器を完成させる方法も採
用されている。特開平1−155939にはその構造が
開示されている。しかしここでも雷管の固定については
開示されていない。
【0009】また従来においては、雷管は、かしめ又
は、特開平4−24144に開示されるように、弾性部
材を用いて固定する方法が採用されている。しかし、か
しめて雷管を固定する方法に関しては、そのかしめ形状
は専ら経験的に行われており、雷管を確実に固定する為
の最適なかしめ形状に関しては、未だに提供されていな
い。また、弾性部材を用いる方法では、弾性体への偏芯
押し付けがあった場合には雷管が中心部よりずれて撃針
が雷管の中央から外れた場所を刺突し、発火の信頼性が
低下する可能性もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題
は、撃針で雷管を刺突する際に、雷管が移動して、刺突
エネルギーを損失することなく、また雷管が撃針の発射
方向からずれることのないエアバッグ用ガス発生器を提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のエアバッグ用ガ
ス発生器は、特に機械着火式ガス発生器に於いて、衝撃
感知時にセンサから発射される撃針で刺突されて着火す
る雷管を、雷管ピース等の雷管取付用構造体に形成され
たくぼみ内に、移動を阻止して固定したことを特徴とす
るものである。
【0012】即ち本発明は、機械式センサにより作動す
る機械着火式ガス発生器において、ハウジング内に配置
された雷管取付用構造体の撃針が刺突する箇所に形成さ
れたくぼみ内に、雷管を挿入し、更に該雷管を雷管固定
手段により固定、又は実質的に固定したと同等に雷管の
動きを制限したことを特徴とするエアバッグ用ガス発生
器に関する。
【0013】機械式センサとは、衝撃によって移動する
オモリで、センサからの撃針の発射を促す等、専ら機械
的な機構により衝撃を感知して撃針を発射するセンサの
ことであり、機械着火式ガス発生器とは、このような機
械式センサによって衝撃を感知してガスを発生させるエ
アバッグ用ガス発生器のことである。この機械式ガス発
生器に於いては、センサが衝撃を感知した場合には、セ
ンサから撃針が発射され、この撃針が雷管を刺突するこ
とにより雷管を発火させ、その火炎で伝火薬やガス発生
剤などを着火してガスを発生させるものである。この機
械着火式ガス発生器は、基本的にはハウジング内に、前
記の機械式センサ、雷管及び伝火薬等を含んで衝撃を感
知して火炎を発する点火手段と、該点火手段の火炎によ
って燃焼してガスを発生させるガス発生剤と、発生した
ガスを冷却・浄化するクーラント及び/又はフィルター
等を収容している。ガス発生器内で発生したガスは、ハ
ウジングに設けられたガス排出口からエアバッグ内に噴
射される。
【0014】雷管は、例えばアルミの缶体にトリシネー
ト等を用いた薬剤を圧填し上面をアルミ板で覆い缶体の
口部を変形しふたを固定したもの、又は銅合金のカップ
内部に当てがねを配置し、該当てがねとカップとの間に
シートに挟んだトリシネート等を用いた薬剤を入れ、撃
針の当る部分のカップ天井面に貫通孔をあけて、撃針の
発射によりシートにはさんだ薬剤が発火するタイプのも
のが使用できる。
【0015】上記の雷管は、センサの撃針の発射方向に
配置され、雷管を固定するためにハウジング内に配設さ
れる雷管ピース等の雷管取付用構造体に形成されたくぼ
み内に挿入され、雷管固定手段によりその移動を阻止し
て固定される。この雷管ピース等の雷管取付用構造体に
形成されるくぼみは、機械式センサから発射される撃針
が刺突する箇所に、そこに挿入する雷管の外形よりも僅
かに大きく形成されている。また、そのくぼみの周りに
は、くぼみに挿入される雷管とセンサとの間に空間を確
保するための間隙部が形成されることが望ましい。この
間隙部の形成により、その内壁は、くぼみと間隙部とで
奥に内径を窄めた段欠き形状となる。間隙部を形成した
場合には、この間隙部は、雷管ピースのくぼみ周辺をか
しめる等の雷管固定手段で雷管を固定した際にも、かし
めによる突起に起因して雷管とセンサとの間の距離が変
わることを防止し得る。また、雷管ピース等の雷管取付
用構造体はハウジングとは異なるものとして形成する
他、ハウジングに一体状として形成することも可能であ
る。この雷管取付用構造体は、望ましくは、塑性変形の
容易なアルミニウム、アルミ合金、銅、銅合金で形成さ
れる。その結果、後述の雷管固定手段の適用が容易とな
り望ましいものとなる。
【0016】本発明に於いては、くぼみ内に挿入される
雷管は、少なくとも、その移動を阻止するように雷管固
定手段により固定されなければならない。この雷管固定
手段としては、例えば、くぼみ周辺の塑性変形によって
突起したくぼみ内壁面や、雷管をくぼみ内に挿入した後
に折り曲げられるくぼみ周囲に設けられた突起や、くぼ
みの底面に貼付した両面テープや塗布した接着剤や、雷
管を挿入したくぼみ上に貼付される粘着テープや、くぼ
み内に挿入される円筒形上の弾性部材である弾性スリー
ブや、機械式センサの上面などがあげられる。特にくぼ
み周辺の塑性変形で突起したくぼみ内壁面を雷管固定手
段とした場合には、例えば雷管ピースのくぼみ内に雷管
を挿入した後、該くぼみ周辺に、先端を円錐、角錐又は
刃物形状としたかしめ具を圧入して、くぼみ周壁面を塑
性変形させ、くぼみの開口付近の内径を狭めることがで
きる。また、雷管をくぼみ内に挿入した後に、くぼみ周
囲に設けられた突起を折り曲げて雷管固定手段とした場
合には、例えば、予めくぼみの周囲に柱状又は環状の突
起を設け、くぼみ内に雷管を挿入した後、この突起をく
ぼみ内側方向に折り曲げて固定することができる。な
お、雷管をくぼみ内に挿入した後、撃針が刺突する箇所
に開口孔が形成されたスペーサを挿入し、その後雷管固
定手段を適用するもできる。スペーサを使用した場合に
は、雷管固定手段の適用時に雷管が損傷を受ける恐れが
なくなる。
【0017】ハウジングは、ガスの排出口を有するディ
フューザシェルと、センサの収容口を有するクロージャ
シェルとからなり、これら両者はビーム溶接、摩擦溶接
等の各種溶接法によって接合される。
【0018】ガス発生剤は、アジド系ガス発生剤や非ア
ジド系ガス発生剤等、公知のガス発生剤が使用可能であ
る。アジド系ガス発生剤としては、例えばアジ化ソーダ
と酸化銅の当量混合物等、従来から広く使用されている
無機アジド、特にナトリウムアジド(アジ化ナトリウ
ム)に基づくものがあり、非アジド系ガス発生剤として
は、テトラゾール、トリアゾール、又はこれらの金属塩
等の含窒素有機化合物とアルカリ金属硝酸塩等の酸素含
有酸化剤を主成分とするもの、トリアミノグアニジン硝
酸塩、カルボヒドラジッド、ニトログアニジン等を燃料
及び窒素源とし、酸化剤としてアルカリ金属又はアルカ
リ土類金属の硝酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩などを使用
した組成物がある。安全性等の面を考慮すれば非アジド
系ガス発生剤が有利である。
【0019】クーラント・フィルタは、ガス発生剤の燃
焼によって生成した燃焼残査を除去すると共に、燃焼ガ
スを冷却する機能を果たすものであり、例えば、ステン
レス鋼、SUS304、SUS310S、SUS316
(JIS規格記号)等から成る金網を環状の積層体と
し、圧縮成形したものが使用できる。その他にも、この
フィルタ・クーラントに関しては、従来広く使用されて
いるフィルター及びクーラントを組み合わせて使用する
こともできる。
【0020】また、本発明のガス発生器においては、雷
管を防湿するために、2個所にシール部を形成すること
ができる。例えば一つはメカセンサと本体との間にOリ
ング等を用いたシール部であり、もう一方は雷管の本体
背面に防湿シール等を用いて行うシール部である。この
シールが不完全であれば雷管の薬剤が吸湿し最悪の場合
撃針発射時に発火しない恐れもあることから、雷管を防
湿することは望ましい。
【0021】更に上記のエアバッグ用ガス発生器は、ガ
ス発生器で発生するガスを導入して膨張するエアバッグ
と、エアバッグを収容するモジュールケースと組み合わ
せてエアバッグ装置とすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の好ま
しい実施の形態について説明する。
【0023】図1は本発明の一実施例のガス発生器の縦
断面図、図2は本発明のガス発生器の雷管の固定状態を
示す要部拡大縦断面図をそれぞれ示している。
【0024】図1に示す機械式センサを内蔵した機械着
火式ガス発生器は、ガス排出口4を有するディフューザ
シェル2と、センサの収容口7を有するクロージャシェ
ル3とを摩擦溶接により接合してハウジング1を形成し
ている。そしてこのハウジング1内は点火手段収納室8
と燃焼室9との2室に画成されており、該点火手段収納
室8内には、雷管取付用構造体としての雷管ピース11
を挟んで、伝火薬12とセンサ6とが収容され、また燃
焼室9内には、ガス発生剤13と、該ガス発生剤を取り
囲んで円筒形のクーラント14、フィルター15が収容
されている。
【0025】このガス発生器は、センサ6が衝撃を感知
すると、撃針20を発射して雷管10を刺突し、それに
よって雷管10が着火して伝火薬12を燃焼させ、その
火炎が貫通孔18を通ってガス発生剤13を燃焼させ、
ガスを発生させる。発生したガスはクーラント14で冷
却された後、フィルター15で浄化されてガス排出口4
から排出される。
【0026】図1に示す機械着火式ガス発生器では、雷
管ピース11はハウジング1とは異なる部材として形成
され、点火手段収容室8内に配設されている。該雷管ピ
ース11のセンサ6方向には、センサ6から発射される
撃針20の刺突する箇所にくぼみ54を形成し、該くぼ
み54内に後述する雷管固定手段50により雷管10を
固定する。また、このくぼみ54の周りを、該くぼみ5
4よりも大きい内径で穿設して雷管10とセンサ6との
間に所定の間隔を確保する間隙部53を形成している。
【0027】雷管ピース11に設けられるくぼみ54
は、雷管10を挿入しても僅かな隙間しか生じない様に
形成されており、その結果、撃針20は、確実に雷管1
0の円心部を刺突することとなる。しかし撃針20が雷
管10を刺突する際に、雷管10が撃針20の刺突方向
に十分に固定されていなければ、撃針20の衝突エネル
ギーは雷管10の移動により吸収されてしまい、撃針2
0の刺突が、雷管10を着火するのに十分なエネルギー
を与えられない恐れがある。従って図2に示す様な雷管
固定手段50により雷管10をくぼみ54内に移動しな
いように固定することが必要となる。
【0028】図2は、雷管10を雷管ピース11に形成
されたくぼみ54内に固定する為の雷管固定手段50を
示している。図2に於いて、くぼみ54の周りには間隙
部53が形成され、センサと雷管との間を所定の間隔で
離間している。図2aに示す雷管固定手段50は 雷管
ピース11のくぼみ54周囲に工具51を圧入して、該
工具51の圧入部に近似した形状の溝又は穴50aを形
成し、くぼみ54の開口を塑性変形させて雷管10とく
ぼみ54の開口との隙間を狭め、雷管10を固定するも
のである。なお、工具51の圧入によってくぼみ54内
壁面を膨らませ、雷管10を、くぼみ54の内壁面で圧
接して固定することもできる。また工具51の形状は、
雷管ピース11を効果的に変形させるためには円錐、角
錐、刃物状とすることが望ましいが、その他の形状でも
塑性変形は可能である。ここでは、図4に円錐、角錐の
工具形状を開示する。
【0029】図2bに示す雷管固定手段50は、予めく
ぼみ54の周りに設けた突起50bを、雷管を挿入した
後折り曲げて雷管10を固定している。この突起50b
の形状は、くぼみ54の開口を取り囲むような環状、又
は図2cに示すように、任意に設けた柱状とすることが
でき、特に柱状の突起50cとした場合には、該突起5
0cは、2個所以上設けることが望ましい。環状の突起
50bの場合は、環状の突起50b全体を曲げるか或いは
その一部を曲げることにより雷管10を固定することが
できる。環状の突起50bの一部を曲げた場合は、該突
起50bの2個所以上を曲げて変形させることが望まし
い。図2a,b,c共に、本体を変形させるため、より容易
に塑性変形が可能なアルミニウム合金等の延性材料を用
いることが望ましい。
【0030】図2dに示す雷管固定手段50は、少なく
とも撃針20が刺突する箇所に開口孔55を形成した弾
性スリーブ50dを、雷管10とくぼみ54空間との間
に配設して、雷管10を固定している。
【0031】図2eに示す雷管固定手段50は、くぼみ
54の底面に両面粘着テープまたは接着剤50eを適用
して雷管10を固定している。しかし接着剤を用いる場
合は、その使用量は、伝火薬の着火に支障を来さないよ
うに、雷管10の火炎が、伝火薬を収納する箇所と連通
する孔を閉塞することのないように調整しなければなら
ない。またくぼみ54と雷管10との隙間から、多量の
接着剤が流出すると、接着剤が雷管10の被刺突面側に
付着固化し、撃針20のエネルギーを雷管10に十分伝
えられない可能性があるため、接着剤の使用量は、十分
に考慮しなければならない。また、図2fに示す雷管固
定手段50は、くぼみ54に雷管10を挿入した後、そ
の上から粘着テープ50fを貼り付けて雷管10を固定
している。その結果、雷管10は粘着テープによりくぼ
み54内に固定される。この場合、雷管10の上面を覆
う粘着テープ50fにより撃針20のエネルギーが損失
されないものとするためには、粘着テープ50fに開口
孔52を設けて雷管10上部の撃針が刺突する箇所を直
接晒すことができる。この粘着テープ50fを用いる方
法は雷管と粘着テープの間に軸芯箇所を開放したスペー
サを用いても同様の効果が得られる。
【0032】上記図2a〜cに示す雷管固定手段は、図2
gに示すように、中央を開放したスペーサ56を、雷管
10を挿入した後に適用することもでき、その結果、く
ぼみ54の変形が雷管に直接伝わらないため、雷管10
を損傷する恐れがなくなる。従って雷管10の取り付け
の際に、雷管が不時に発火する可能性を低減できる。
【0033】図1に示す機械式センサ内部には、衝突時
の加速度により移動するオモリと、ばねにより発射され
る撃針とを内包し(図示せず)、また安全装置19を有
している。完成したセンサ6は、安全装置19が作動し
ている間中、完全に撃針20の発射を防止して誤動作が
生ないものとしている。従って、その組み込み操作を安
全に行うことができる。また機械式センサが組み込まれ
るまでは、ガス発生器は容易に発火するような危険はな
いことから、その製造に際して安全且つ容易に取り扱う
ことができる。
【0034】図3はエアバッグ装置の構成図であり、上
記、本発明のガス発生器と、エアバッグ(袋体)100
と、モジュールケース101とからなっている。ガス発
生器のガス排出口4から排出されたガスはエアバッグ1
00内に噴出し、これによりエアバッグ100はモジュ
ールカバー102を破って膨出し、ステアリングホイー
ル103と乗員の間に衝撃を吸収するクッションを形成
する。
【0035】ガス発生器は、図1〜2に基づいて説明し
たガス発生器が使用されている。
【0036】モジュールケース101は、例えばポリウ
レタンから形成され、モジュールカバー102を含んで
いる。このモジュールケース101内にエアバッグ10
0及びガス発生器が収容されてパッドモジュールとして
構成され、自動車のステアリングホイール103に取り
付けられている。
【0037】エアバッグ100は、ナイロン(例えばナ
イロン66)、またはポリエステルなどから形成され、
その袋口がガス発生器のガス排出口4を取り囲み、折り
畳まれた状態でガス発生器のフランジ部5に固定されて
いる。
【0038】
【発明の効果】本発明は、以上述べた通りに構成されて
いるので、撃針で雷管を刺突する際において、雷管をく
ぼみ内に挿入し、雷管固定手段により固定することによ
り、雷管が作動時に移動することによる撃針の刺突エネ
ルギーの損失を生ずることなく、また雷管が撃針の刺突
方向からずれることなく、撃針の発射によって、確実に
雷管を刺突できる機械着火式エアバッグ用ガス発生器を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のガス発生器の縦断面図。
【図2】本発明のガス発生器の雷管の固定状態を示す要
部拡大縦断面図。
【図3】エアバッグ装置の構成図。
【図4】工具の要部拡大斜視図。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 ディフューザシェル 3 クロージャシェル 6 機械式センサ 10 雷管 11 雷管ピース 12 伝火薬 13 ガス発生剤 20 撃針 50 雷管固定手段 53 間隙部 54 くぼみ

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機械式センサにより作動する機械着火式ガ
    ス発生器において、ハウジング内に配置された雷管取付
    用構造体の撃針が刺突する箇所に形成されたくぽみ内
    に、雷管を挿入し、更に該雷管を雷管固定手段により固
    定、又は実質的に固定したと同等に雷管の動きを制限し
    たことを特徴とするエアバッグ用ガス発生器。
  2. 【請求項2】くぼみ内に、雷管を挿入した後、撃針が刺
    突する箇所に開口孔が形成されたスぺーサを挿入し、更
    にスペーサを雷管固定手段により固定することにより、
    雷管を固定、又は実質的に固定したと同等に雷管の動き
    を制限したことを特徴とするエアバッグ用ガス発生器。
  3. 【請求項3】前記雷管固定手段が、くぼみ周辺の塑性変
    形によって突起したくぼみ内壁面であり、該くぼみ内壁
    面で雷管又はスペーサを挟着して雷管を固定、又は実質
    的に固定したと同等に雷管の動きを制限したことを特徴
    とする請求項1又は2記載のエアバッグ用ガス発生器。
  4. 【請求項4】前記のくぼみ内壁面の突起が、くぼみ周辺
    に工具を圧入して形成されたことを特徴とする請求項3
    記載のエアバッグ用ガス発生器。
  5. 【請求項5】前記工具は、くぼみ周辺に圧入する先端部
    分の形状が円錐、角錐、刃物状であることを特徴とする
    請求項4記載のエアバッグ用ガス発生器。
  6. 【請求項6】前記雷管固定手段が、くぼみ内に雷管又
    は、雷管とスペーサとを挿入した後に折り曲げられたく
    ぼみ周囲に設けられた突起であり、該突起で雷管又はス
    ペーサを支持して雷管を固定、又は実質的に固定したと
    同等に雷管の動きを制限したことを特徴とする請求項1
    又は2記載のエアバッグ用ガス発生器。
  7. 【請求項7】雷管取付用構造体が塑性変形の容易なアル
    ミニウム、アルミ合金、銅、銅合金からなることを特徴
    とする請求項3〜6の何れか1項記載のエアバッグ用ガ
    ス発生器。
  8. 【請求項8】前記雷管固定手段が、くぽみの底面に貼付
    した両面テープ、又はくぽみの底面に塗布した接着剤で
    あり、該両面テープ又は接着剤で雷管をくぽみ底面に接
    着して固定、又は実質的に固定したと同等に動きを制限
    したことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ用ガス
    発生器。
  9. 【請求項9】前記雷管固定手段が、雷管又は、雷管とス
    ペーサとを挿入したくぼみ上に貼付される粘着テープで
    あり、該粘着テープは、くぼみ内に挿入された雷管又は
    スペーサを接着して雷管を固定、又は実質的に固定した
    と同等に動きを制限したことを特徴とする請求項1又は
    2記載のエアバッグ用ガス発生器。
  10. 【請求項10】前記粘着テープは、雷管の撃針が挿通す
    る開口孔を有することを特徴とする請求項9記載のエア
    バッグ用ガス発生器。
  11. 【請求項11】前記雷管固定手段がくぼみ内に挿入され
    る弾性スリーブであり、雷管を前記弾性スリーブの中空
    孔に嵌入することにより弾性スリーブを押し広げ、雷管
    をくぼみ内に嵌入して固定、又は実質的に固定したと同
    等に雷管の動きを制限したことを特徴とする請求項1又
    は2記載のエアバッグ用ガス発生器。
  12. 【請求項12】前記雷管固定手段が機械式センサの上面
    であり、該センサ上面は、くぼみ内に挿入された雷管又
    はスペーサを支持して雷管を固定、又は実質的に固定し
    たと同等に雷管の動きを制限したことを特徴とする請求
    項1又は2記載のエアバッグ用ガス発生器。
  13. 【請求項13】前記雷管取付用構造体が、伝火薬を収納
    する室とセンサを収納する室とを区画する平板状の雷管
    ピースであることを特徴とする請求項1〜12の何れか
    1項記載のエアバッグ用ガス発生器。
  14. 【請求項14】前記雷管取付用構造体がハウジングを構
    成するディフューザシェル又はクロージャシェルの何れ
    か一方に一体形成されたことを特徴とする請求項1〜1
    2の何れか1項記載のエアバッグ用ガス発生器。
  15. 【請求項15】雷管又はスペーサとセンサとの間に間隙
    部を設けたことを特徴とする請求項1〜11、13、1
    4の何れか1項記載のエアバッグ用ガス発生器。
  16. 【請求項16】少なくとも、衝撃を感知してガスを発生
    するエアバッグ用ガス発生器と、前記ガス発生器で発生
    するガスを導入して膨張するエアバッグと、前記エアバ
    ッグを収容するモジュールケースとからなり、前記エア
    バッグ用ガス発生器が、請求項1〜15の何れか1項記
    載のエアバッグ用ガス発生器であることを特徴とするエ
    アバッグ装置。
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