JP2664667B2 - 乾癬治療用医薬組成物 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
技術分野
本発明は皮膚疾患たる乾癬の新規な治療用医薬組成物
に関する。該組成物はビタミンD関連化合物を含んでな
る。 背景技術 乾癬は表皮の病気であり、米国において2,000,000〜
8,000,000人の主要な疾患及び美観損傷の原因となって
いる。これらのうち、約100,000人は重度な疾患であ
る。 この病気は頭皮並びに腕及び足の伸側における紅斑性
鱗屑の存在によって診断され;乾癬外傷は肘及び膝のよ
うな反復外傷部位で目立つことがよくある。乾癬におけ
る丘疹又は斑点は、しばしば、比較的容易に層状に剥離
される銀白色の薄片状鱗屑を伴う。更に、表皮基底細胞
の正常数が数倍増加する。基底細胞数のこの増加によ
り、表皮のターンオーバー(turnover)時間を正常な27
日から3〜4日に減少させる。この短縮化した間隔のた
めに細胞の正常な成熟化又は角質化が起こらなくなるの
であるのか、この成熟不全は異常な形態学的及び生化学
的変化の出現によって反映されている。様々な細胞学
的、組織学的、組織化学的及び生化学的な変化は、病気
進行の原因というよりは、むしろ結果であることが現在
では知られている。乾癬の基本的原因としては現在知ら
れている唯一の事実は、その発病素因が遺伝的に伝達さ
れているということである。〔この序文は、基本的に、
ハリソンの内科学の原則(Harrison's Prineiples of I
nternal Medieine),第10版,第1巻,第256及び257頁
から引用されている。〕 乾癬の治療は今なお皮膚科医の領域に属している。大
半の患者において局在化乾癬を制御する最も有効な治療
法は、プラスチック外被を有するコルチコイド(コルチ
コステロイド)及び紫外線もしくは日光の照射を局所的
に適用することである。乾癬を全身化させたある患者に
おいては、各種の全身性化学療法剤、特にメソトレキセ
ートを使用することが必要であったが、後者は細胞機能
の釣合いのとれた阻害なくして、即ち角質化を起こさな
いで細胞複製を阻害させる能力をもつものである。光化
学療法は、1974年に所謂PUVA療法として導入された。こ
の治療法では、ソラレンが、主に長波長の紫外線を放射
する特殊光系による全身照射の2時間前に投与される。
光単独では紅斑の発生又は乾癬外傷の緩和に効果がない
が;しかしながら、1種のソラレン存在下では、UV−A
光は有効な光活性剤となり、数回の照射後乾癬外傷を緩
和させる。光化学療法には、特殊な知識と正確に計測さ
れた紫外線量を放射する照射系とを必要とする。 全く異なる研究分野において、ホリック(Holick)ら
は〔ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディ
シン,第303巻,第349−354頁,1980年(New England Jo
urnal of Medieine,303:349−354(1980))〕、ビタミ
ンD代謝産物の合成及び吸収器官としての皮膚の使用可
能性について研究した。これらの研究者は、各種ビタミ
ンD代謝産物又はビタミン前駆体を局所投与し、続いて
光化学療法を行なうと、ジヒドロキシ−ビタミンD3の血
清レベルが上昇することを明らかにした。したがって、
ビタミンD類似体の局所投与はカルシウム、リン及び骨
の代謝問題を含む疾患の有効な治療方法であるらしいこ
とが示唆された。しかしながら、皮膚自体が1,25−(O
H)2−D3の標的組織らしいことが明らかになったのは
やっと最近になってである〔スタンフ・ダブル・イー
ら,サイエンス,第206巻,第1188−1190頁,1979年(St
umpf,W.E.et al.,Science,206:1188−1190(197
9))〕。ラット、マウス、ヒトの皮膚並びに培養ヒト
皮膚繊維芽細胞及びケラチン生成細胞から単離された細
胞は、1,25−ジヒドロキシ−ビタミンD3に対する高親和
性(1.0×10-10M)低受容能のレセプター様タンパク質
を有している〔フランチェスチら,アーカイブズ・オブ
・バイオケミストリー・アンド・バイオフィジクス,第
210巻,第1−13頁,1979年(Franceschi,et al.,Archiv
es of Biochemistry and Biophysies,210:1−13(197
9));シンプソン・アール・ユーら,プロシーディン
グス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンシス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・
アメリカ,第77巻,第5822頁,1980年(Simpson,R.U.et
al.,Proceedings of the National Academy of Science
s of the United State of America,77:5822(198
0));カルストン・ケーら,エンドクリノロジー,第1
07巻,第1916頁,1980年(Colston.K.et al.,Endocrinol
ogy,107:1916(1980));フェルドマン・デーら,ジャ
ーナル・オブ・クリニカル・エンドクリノロジー・アン
ド・メタボリズム・第51巻,第1463頁,1980年(Feldma
n,D.et al.,Journal of Clinical Endocrinology & Me
tabolism,51:1463(1980));エイル・シーら,プロシ
ーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オ
ブ・サイエンシス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ
・オブ・アメリカ,第78巻,第2562頁,1981年(Eil,C.e
t al.,Proceedings of the National Academy of Scien
ces of the United States of America,78:2562(198
1));及び、クレメンス・テー・エルら、ジャーナル
・オブ・クリニカル・エンドクリノロジー・アンド・メ
タボリズム,第56巻,1983年4月(Clemens,T.L.et al.,
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism,5
6:April 1983)〕。皮膚における1,25−(OH)2−ビタ
ミンD3の特異的生物学的機能について、しかしながら、
やがては明らかにされなければならない。それにもかか
わらず、ビタミンのジヒドロキシ代謝産物が皮膚におい
て生物学的作用を示すという考え方を支持する証拠が公
表された。これは、ホルモンに対するサイトゾル性(ey
tosolic)レセプター様タンパク質を有するか又は欠く
培養ヒト皮膚繊維芽細胞中で1,25−ジヒドロキシ−D3の
生物学的活性を同時に評価することにより行なわれた
〔クレメンス・テー・エルら、ジャーナル・オブ・クリ
ニカル・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム,
第56巻,1983年4月(Clemens,T.L.et al.,Journal of C
linical Endocrinology & Metabolism,56:April 198
3)〕。レセプター欠如皮膚繊維芽細胞は、ビタミンD
依存性くる病II型と呼ばれる稀有の骨病、即ち1,25−ジ
ヒドロキシビタミンDに対する細胞質性又は細胞核性レ
セプターの不完全な又は完全な欠如に起因する遺伝的疾
患をもつ患者から得られた。ビタミンD3のジヒドロキシ
代謝産物は、レセプター含有皮膚繊維芽細胞において用
量依存的な細胞増殖阻害を起こす(約40〜50%の細胞増
殖減少が10-6及び10-8Mのホルモン含有培地で観察さ
れ、12%の減少が10-10Mの1,25−(OH)2−D3含有培地
で観察された)が、逆に、レセプター欠如皮膚繊維芽細
胞の増殖には全く影響を与えなかった。 上述の見かけ上異なる2つの研究、即ち一方では乾癬
の治療法、他方では皮膚成分におけるビタミンD3の効果
に関する研究は本発明以前は無関係であったが、本発明
によってそれらは一つに結びつくようになったのであ
る。 発明の開示 この発明は、乾癬細胞が生理学的濃度の1,25−(OH)
2−D3とイン・ヒドロでインキュベートされた場合にそ
れらは増殖阻害効果に耐性であったが、薬理学的濃度
(10-6及び10-4M)では、ビタミンD3のジヒドロキシ代
謝産物はこれらの乾癬繊維芽細胞の細胞増殖を阻害する
ことができた:という初期の観察結果から生まれたもの
である。このように、ビタミンD並びにその同族体、類
似体及びヒドロキシル化代謝産物は乾癬の治療に有効に
利用することができる。 イン・ヒドロでの試験とイン・ビボでの抗乾癬治療と
の正確な相互関係について更に確認された。この相互関
係によれば、乾癬の治療に使用可能なビタミンD化合物
とは、1,25−ジヒドロキシビタミンD3のレセプターをも
つ腫瘍又は正常細胞系の分化を促進又は誘導させること
ができる化合物である。正常細胞系には培養されたげっ
歯動物及びヒトケラチン生成細胞を含む。活性化合物と
は、また、同一細胞系においてトランスグルタミナーゼ
の酵素活性を高めることができる化合物であるか、ある
いはヒト皮膚繊維芽細胞のイン・ヒドロでの細胞増殖を
阻害することができる化合物である。これらの試験の詳
細については以下を参照することができる。 乾癬の治療に使用されるビタミンD化合物、その同族
体、類似体は代謝産物とは、イン・ヒドロ試験のいずれ
かにおいて活性を明らかにした化合物である。なお、本
発明は、これらの化合物のうち、とりわけ、後記におい
て具体的な開示記載を伴う活性型ビタミンD3化合物に係
るものである。 説明の便宜上、上記活性化合物全般に亙って以下説明
をするが、本発明は、狭義において、活性型ビタミンD3
化合物に基づく乾癬治療用医薬組成物に限定されるもの
である。 発明を実施するための最良の態様 一般に、活性化合物とは、1,25−ジヒドロキシビタミ
ンD3のレセプターを有する腫瘍又は正常細胞系の生理学
的濃度における分化を誘導する化合物である。正常で使
用可能な系としては、例えばヒト又はげっ歯動物のケラ
チン生成細胞又は繊維芽細胞がある。腫瘍系としては、
HL−60細胞系、M−1細胞系、胸部腫瘍細胞がある。い
くつかの試験について本明細書中更に詳細に記載されて
いる。 最初の試験は培養ケラチン生成細胞の分化について調
べる試験である。分析法は、実質的に、双方とも参考の
ために本明細書に包含される、マウスについてホソミ
ら,“1,25−ジヒドロキシビタミンD3による培養マウス
表皮細胞の最終分化の調節",エンドクリノロジー,第11
3巻,第1950頁,1983年〔Hosomi,et al.,“Regulation o
f Terminal Differentiation of Cultured Mouse Epide
rmal Cells by 1,25−dihydroxy Vitamin D3"Endocrino
logy,113:1950(1983)〕に記載された方法、又は、ヒ
ト系について前記クレメンスらにより述べられた方法で
ある。簡単に言えば、表皮細胞は、4℃にてトリプシン
で一夜処理し、次いでピンセットで真皮から表皮を剥離
することにより、新生C57BLマウスから調製される。細
胞は4.5cm2ウエル当たり106個の細胞密度で培養され、
しかも、イーグルの最少必須培地(MEM)(10%ウシ胎
児血清(FCS)が追加されている)で増殖せしめられ
る。細胞は、低カルシウム培地、即ちカルシウムではな
く10%透析FCSが追加されたイーグルMEM中で増殖させる
こともできる。低カルシウム培地のカルシウム濃度は約
0.01〜0.5mMとされるが、慣用的MEM+10%FCSは通常1.0
〜2.0mMのカルシウムを含有することができる。細胞は
加湿CO2インキュベーター中37℃でインキュベートされ
る。すべての実験が初代培養物にて行なわれる。培養後
24時間目に培地を変え、ビタミンD化合物が0.12、1.2
及び12nM(それぞれ0.05、0.5及び5.0mg/ml)の濃度で
加えられる。コントロール培養物には最終濃度0.5%の
エタノールが加えられる。ビタミンD含有及び非含有培
地は3〜4日毎に交換される。〔FCSは0.12nMの1,25−
(OH2)−D3を含有している(タナカ・エッチら,バイ
オケミカル・ジャーナル,第204巻,第713頁,1982年(T
anaka,H,et al.,Biochemical Journal,204:713(198
2)))。したがって、10%FCSを含有するコントロール
培地のビタミン内在濃度は無視できる。〕 培養された表皮細胞の分化は、形態学的に、 (1) 培地中に脱落した扁平上皮細胞及び脱核細胞の
計数、 (2) 皿に付着した扁平上皮細胞及び基底細胞の計
数、 (3) 角質化膜(cornified envelope)の形成、 (4) 細胞の大きさ及び細胞の密度、又は (5) 光学顕微鏡下で観察される形態学的変化、又は
上記のいくつかもしくは全ての組合せ によって調べられる。 浮遊細胞は培地から集められる。次いで、培養物はリ
ン酸緩衝液(PBS)で洗浄され、付着した細胞は37℃で2
0〜30分間0.05%トリプシン及び0.1%EDTA溶液で処理さ
れ分離される。細胞懸濁液は、しかる後、2分割:即
ち、扁平上皮細胞及び基底細胞を計数するためのもの
と、角質化膜を計数するためのものとに分割される。基
底細胞は小さくて丸く、一方、扁平上皮細胞及び脱核細
胞(除核細胞)は大きくて平たいため、それらは血球計
数器で容易に区別することができる。サン(Sun)及び
クリーン(Green)の方法〔細胞(Cell),第9巻,第5
11頁,1976年〕は、角質化膜の存在を調べるために利用
することができる。細胞は、1%β−メルカプトエタノ
ール及び1%ドデシル硫酸ナトリウム含有10mMトリスHC
l(pH7.4)中に5:30×104細胞/mlの密度で再懸濁され
る。混合物は室温で10分間放置され、次いで不溶性細胞
は位相差顕微鏡下血球計数器で計数される。 細胞の大きさは、標準としてステージマイクロメータ
ーを用いて写真測定することができる。細胞の密度分布
はパーコール(PercollR)を用いる密度勾配遠心法によ
り測定される。8〜11×106/mlの表皮細胞が40%パーコ
ール含有PBSに懸濁され、10mlのポリカーボネート製チ
ューブに入れられ、アングルローター内で3℃にて30分
間15,000×gで遠心分離される。分画は密度マーカービ
ーズを使用して集められる。光学顕微鏡観察のために、
カバーガラススリップ中の増殖細胞は10%ホルマリン又
はメタノール/酢酸(3:1)で固定され、ヘマトキシリ
ン及びエオシン又はローダニルプルーで染色される。 乾癬の治療に使用される活性ビタミンD化合物が存在
する場合は、表皮細胞の分化が著しく促進される。フォ
ーカス層状構造は表皮細胞シート上のところどろろに形
成される。層化フォーカスでは数及び大きさが増加して
おり、接触性フォーカスでは癒着している。層化フォー
カスの最上層にある細胞は、ヘマトキシリン、エオシン
及びローダニルブルーで赤に染色される無定形物質を産
生する。ある細胞は脱核され、更にあるものは密な濃縮
核(pyenoctic nucleus)を有している。分化細胞は、
プレート(皿)に付着した細胞の総数が培養時間の経過
に伴い連続的に減少するように培地中に脱落していく。
付着基底細胞分画は活性ビタミンD化合物の存在下で急
激に減少する。例えば、基底細胞は0日目が細胞の100
%に近いが、3日目では約25%だけであり、10日目以後
は10%以下である。一方、コントロール培養では、最初
の6日目は細胞の60%以上が基底細胞であり、10日目基
底細胞は通常30〜40%残存する。基底細胞の減少に伴
い、扁平上皮細胞数は、ビタミンD活性処理培養物中
で、即ち、最初は付着細胞群において、次いで脱落浮遊
細胞中において増加していく。 表皮の分化は、1%ドデシル硫酸ナトリウム及び1%
β−メルカプトエタノール含有溶液による細胞溶解後に
残存する角質化膜を計数することによって定量すること
ができる。細胞が12nMの活性ビタミンD化合物の存在下
で増殖せしめられる場合は、角質化膜をもつ細胞の比率
は培養時間の経過とともに増加していく。比率は、約60
〜70%の細胞が膜をもつようになる培養10日目以後が最
大である。これに対し、コントロール培養での比率は2
週間の観察期間中20%以下のままである。 活性ビタミンD化合物の存在下3日間で得られた細胞
は、その非存在下での細胞よりも大きくかつ軽い。処理
培養された細胞の直径は通常約25±10mmであるのに対
し、コントロールでは約17±5mmである。 パーコール勾配遠心法による細胞密度分画化では、活
性ビタミンD化合物の存在下で3日間培養された場合は
約65%の細胞が密度約1.017〜1.027の最軽量分画から集
められ、一方、約40%のコントロール細胞がこの分画か
ら回収されることを示した。これに伴い、(密度)約1.
06〜1.08のより重い分画における細胞数は処理培養物中
において減少することになる。同様の結果が7日目に得
られる。ヒトケラチン生成細胞は前記クレメンスらの方
法で増殖させることができ、同一の方法で分析される。 第二の試験はヒト皮膚繊維芽細胞の阻害試験である。
この試験法は、参考のために本明細書に包含される、ク
レメンスら,ジャーナル・オブ・クリニカル・エンドク
リノロジー・アンド・メタボリズム,第56巻,第824頁
〔Clemens et al.,Journal of Clinical Endocrinology
& Metabolism,56:824(1983)〕に記載されている。
簡単に言えば、皮膚細胞は、正常な患者の乳房、顔、腿
等より外科的に得られる正常ヒト皮膚から単離される。 正常皮膚生検物質は、10%ウシ胎児血清、ペニシリン
G(75U/ml)及びストレプトマイシン(50ng/ml)を含
有したダルベッコ(Dulbecco)の修正イーグル培地(DM
EM)に直ちに加えられる。皮下脂肪及び真皮の深部細網
層の除去後、組織は細断され、4℃で一夜0.25%トリプ
シン10mlに加えられる。 繊維芽細胞は5%NBS含有DMEMが入った35mmコスター
(Coster)プレートに7〜10×104個の細胞数で加えら
れる。細胞付着(6時間)後、培地は吸引され、エタノ
ール単独(0.01%)又は10-10、10-8、10-6もしくは10
-4Mの化合物含有エタノール(0.01%)を含んだ新鮮培
地と交換される。その後、特々、細胞はトリプシン処理
により複数のプレートから採取され、コールター(Coul
ter)カウンターで計数される。コントロール培地及び
化合物追加培地は4日毎に交換される。正常包皮繊維芽
細胞は5×104細胞/培地(DMEM;5%NBS)で培養される
が、エタノール(0.01%)単独又は化合物含有(10-10
〜10-4M)エタノールで処理することもできる。4日
後、適切なステロールを含有した新鮮培地に交換され、
細胞は2日後、即ち培養後6日目に計数される。 活性ビタミンD化合物に関する、もう一つの、おそら
くより迅速かつ正確な相互関係試験は、ケラチン生成細
胞培養中におけるトランスグルタミナーゼのイン・ビト
ロ活性に関するものである。酵素試験は、標準トランス
グルタミナーゼ分析法、即ちスコット・ケー・エフ・エ
フら,ジャーナル・オブ・セリュラー・フィジオロジ
ー,第111巻,第111−116頁,1982年〔Scott,K.F.F.et a
l.,Journal of Cellular Physiology,111:111−116(19
82)〕に従い実施される。濃度10-12M〜10-3Mで存在す
る場合に酵素活性を25%以上、好ましくは50%以上、最
も好ましくは100%以上高める化合物は、いずれも活性
化合物とみなされる。 イン・ビトロ試験でのHL−60細胞の使用については、
シイナら,アーカイブズ・オブ・バイオケミストリー・
アンド・バイオフィジクス,第220巻,第90頁,1983年
〔Shiina,et al.,Archives of Biochemistry and Bioph
ysics,220:90(1983)〕に記載されている。イン・ビト
ロ試験でのM−1細胞の使用については、ホンマら,プ
ロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー
・オブ・サイエンシス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステ
ーツ・オブ・アメリカ,第80巻,第201−204頁,1983年
〔Honma et al.,Proceedings of the National Academy
of Sciences of the United States of America,80:20
1−204(1983)〕に記載されている。これら双方の参考
文献は本明細書に参考のために包含される。 イン・ビトロ濃度10-12M〜10-3Mで少なくとも25%,
好ましくは50%細胞分化又は繊維芽細胞増殖阻害させる
ことができるビタミンD化合物は、いずれも活性である
となされる。 本発明に使用可能な好ましい化合物は、次式(I): 〔上記式中、炭素C−22及びC−23間の結合は単結合又
は二重結合であり;Y1は水素、F、−CH3又は−CH2CH3で
あり; Z1はF、H又はX1であり; QaはCF3又はCH2X1であり; QbはCF3又はCH3であり; Rは二重結合又はエポキシ であり; 上記式中、X1は水素及び−OHからなる群より選択され
る〕 で示される化合物である。 式(I)の化合物がC−22位で二重結合を有する場合
は、それらはビタミンD2誘導体であり、一方該位の結合
が単結合でかつC24位にアルキルを欠く場合は、それら
はビタミンD3誘導体である。後者が好ましい。 好ましくは、ビタミンD3又はD2から誘導される化合
物;1−ヒドロキシ−ビタミンD3又はD2;1,25−ジヒドロ
キシビタミンD3又はD2;24,25−ジヒドロキシビタミンD3
又はD2;25,26−ジヒドロキシビタミンD3又はD2;1,24,25
−トリヒドロキシビタミンD3又はD2等である。これらの
中で最も好ましいのは、ビタミンD3又はD2;1−ヒドロキ
シビタミンD3又はD2;及び1,25−ジヒドロキシビタミンD
3又はD2、特にビタミンDの5,6−エポキシ誘導体及びそ
の代謝産物、並びに1,25−(OH)2ビタミンD及び1−
(OH)ビタミンDの側鎖フルオロ誘導体である。なお、
上記で例示したヒドロキシビタミンD3化合物は、生理活
性ビタミンD3、いわゆる活性型ビタミンD3化合物に属す
ると認識されるものである。ここにおいて活性型ビタミ
ンD3化合物とは、培養ケラチノサイトの増殖を阻害する
能力を有するか、或いは培養ケラチノサイトの分化を誘
導する能力を有する化合物をいう。本発明は、狭義にお
いて、この活性型ビタミンD3化合物を活性成分として含
むことを特徴とする乾癬治療用医薬組成物を提供するも
のである。 他の好ましい化合物は、ホリック(Holick)の米国特
許第4,410,515号明細書に開示されているもののよう
に、式(I)の前記化合物にグリコシド残基を結合させ
てかかる化合物を可溶化せしめることにより得られる、
式(I)の前記化合物の水溶性誘導体である。もう一つ
の可溶化方法は、1984年5月に出願されたホリックらに
よる共に係属中の米国特許出願番号第607,117号明細書
に開示されているように、式(I)の化合物をグリコシ
ルオルトエステル残基に結合させる方法である。上記特
許及び出願の開示は参考のために本明細書に包含され、
かつその一部をなす。 重要なものは、次式(II):〔上記式中、Y2は水素、フッ素、メチル又はエチルであ
り; Z2はF、H又はX2であり Qa及びQbは式(I)と同義であり; Rは二重結合又はエポキシ基であり; X2は水素及びOR1からなる群より選択され; ここで、R1は水素又は1残基当たり1〜20のグリコシド
単位を有する直鎖もいくは分岐状グリコシド残基である
か、あるいはR1は次式(III); (上記式中、Aはグルコフラノシル環又はグルコピラノ
シル環を表わし; R2は水素、低級アルキル、アラルキル又はアリールであ
り;及び R3は水素又は1残基当たり1〜20のグリコシド単位を有
する直鎖もしくは分岐状グリコシド残基である) で示されるオルトエステルグリコシド部分であるが、但
し、R1のうち少なくとも一つはグリコシド残基又はオル
トエステルグリコシド部分である〕 で示される化合物である。 ビタミンD化合物は、前記参考文献の開示に従い製造
され又は得られる。特に、ビタミンD3の5,6−エポキシ
誘導体は、日本特許公開第58−216178号〔第83−216178
号〕公報,1983年12月15日に記載されているようにして
得られる。 フルオロ誘導体は、シイナら、アーカイブズ・オブ・
バイオケミストリー・アンド・バイオフィジクス,第22
0巻,第90頁,1983年〔Shiina,et al.,Archives of Bioc
hemistry and Biophysics,220:90(1983)〕に記載され
た如く製造され又は得られる。 本発明の化合物は、経口的、非経口的又は局所的投与
用の適切な薬理学的担体のいずれかと共に投与すること
ができる。それらは、ヒト乾癬状態の軽減をもたらすい
ずれかの方法によって投与することができる。投与量
は、被投与者の年令、健康状態、体重、もし行なってい
るとすれば併用療法の種類、治療の頻度及び望まれる効
果の種類に依存する。一般に、活性成分化合物の全身的
日量は、約0.001μg/kg〜100μg/kg、好ましくは体重kg
当たり0.1〜1.0μgである。通常、0.1〜100μg/kg/日
が、1日に1回以上投与する場合、望ましい効果を得る
ためには効果的である。局所的用量は0.001〜100μg/cm
2皮膚面積である。 化合物は、経口投与の場合、錠剤、カプセル、粉末小
包、液体溶液、懸濁液又はエリキシルのような投与形
で、非経口的使用の場合、溶液又は懸濁液のような処方
用無菌液として使用することができる。あるいは、化合
物は、水、グリセロール、アルコール、プロピレングリ
コール、脂肪族アルコール、トリグリセリド、脂肪酸エ
ステル又は鉱油のような担体を始めとする、ゲル、軟膏
又はクリームからなるような薬理学的不活性局所用担体
中に存在せしめることができる。他の可能な担体は、流
動パラフィン、イソプロピルパルミテート、ポリエチレ
ングリコールエタノール5%水、ポリオキシエチレンモ
ノラウレート5%水、ラウリル硫酸ナトリウム5%水そ
の他である。酸化防止剤、湿潤剤、粘度安定剤その他の
ような物質が、必要であれば添加されてもよい。 化合物はポンプ又はテープを用いて投与することもで
きる。 ここまで本発明を一般的に記載してきたが、本発明は
例を参考にして更に理解することができるようになるの
であり、一方、例は他に指示のない限り本明細書におい
て説明だけの目的で記載されているのであって、限定さ
せるためのものではない。 例 関係及び非関係部位の皮膚生検物質を乾癬患者から
得、それから培養繊維芽細胞を得た。乾癬患者からの培
養繊維芽細胞の分析では、これらが1,25−(OH)2−D3
に対する高親和性低受容能レセプターをもち、しかも、
非関係領域からの繊維芽細胞のこれらレセプターにおけ
るKd及び密度は正常な患者からの培養皮膚繊維芽細胞に
よるものと比べて本質的に差がないことを示した。更
に、関係部位からの繊維芽細胞は1,25−ジヒドロキシビ
タミンD3に対するレセプターを有していたが、正常な親
和性定数を有する反面、無関係の繊維芽細胞と比較する
とレセプターの部位の数がほぼ100%減少していた。 乾癬患者からの培養繊維芽細胞が、細胞増殖阻害を起
こすことにより1,25−ジヒドロキシビタミンD3に応答す
るか否かについて、次に調べた。正常な患者及び乾癬患
者からの培養ヒト繊維芽細胞を1,25−ジヒドロキシビタ
ミンD3不存在下で、又は10-10、10-8、10-6もしくは10
-4Mの1,25−ジヒドロキシビタミンD3存在下で培養し
た。正常患者の繊維芽細胞は予期されたように用量依存
的に応答した。しかしながら、6人の異なる乾癬患者か
ら得られた繊維芽細胞はいずれも、コントロールと同様
の10-8Mにおいて、1,25−ジヒドロキシビタミンD3に応
答しなかった。乾癬細胞を10-6Mの1,25−(OH)2−D3
とインキュベートした場合は、数例の研究対象において
小さいけれども有意の細胞増殖阻害効果があった(研究
対象は10-6M以下の1,25−ジヒドロキシビタミンD3に耐
性であった)。 1例の対象において、詳細な時間経過及び用量応答性
によると10-6Mで極めて小さな応答を示していたが、一
方10-4Mの1,25−ジヒドロキシビタミンD3は細胞増殖阻
害に関し極めて有効であった(第1図)。
に関する。該組成物はビタミンD関連化合物を含んでな
る。 背景技術 乾癬は表皮の病気であり、米国において2,000,000〜
8,000,000人の主要な疾患及び美観損傷の原因となって
いる。これらのうち、約100,000人は重度な疾患であ
る。 この病気は頭皮並びに腕及び足の伸側における紅斑性
鱗屑の存在によって診断され;乾癬外傷は肘及び膝のよ
うな反復外傷部位で目立つことがよくある。乾癬におけ
る丘疹又は斑点は、しばしば、比較的容易に層状に剥離
される銀白色の薄片状鱗屑を伴う。更に、表皮基底細胞
の正常数が数倍増加する。基底細胞数のこの増加によ
り、表皮のターンオーバー(turnover)時間を正常な27
日から3〜4日に減少させる。この短縮化した間隔のた
めに細胞の正常な成熟化又は角質化が起こらなくなるの
であるのか、この成熟不全は異常な形態学的及び生化学
的変化の出現によって反映されている。様々な細胞学
的、組織学的、組織化学的及び生化学的な変化は、病気
進行の原因というよりは、むしろ結果であることが現在
では知られている。乾癬の基本的原因としては現在知ら
れている唯一の事実は、その発病素因が遺伝的に伝達さ
れているということである。〔この序文は、基本的に、
ハリソンの内科学の原則(Harrison's Prineiples of I
nternal Medieine),第10版,第1巻,第256及び257頁
から引用されている。〕 乾癬の治療は今なお皮膚科医の領域に属している。大
半の患者において局在化乾癬を制御する最も有効な治療
法は、プラスチック外被を有するコルチコイド(コルチ
コステロイド)及び紫外線もしくは日光の照射を局所的
に適用することである。乾癬を全身化させたある患者に
おいては、各種の全身性化学療法剤、特にメソトレキセ
ートを使用することが必要であったが、後者は細胞機能
の釣合いのとれた阻害なくして、即ち角質化を起こさな
いで細胞複製を阻害させる能力をもつものである。光化
学療法は、1974年に所謂PUVA療法として導入された。こ
の治療法では、ソラレンが、主に長波長の紫外線を放射
する特殊光系による全身照射の2時間前に投与される。
光単独では紅斑の発生又は乾癬外傷の緩和に効果がない
が;しかしながら、1種のソラレン存在下では、UV−A
光は有効な光活性剤となり、数回の照射後乾癬外傷を緩
和させる。光化学療法には、特殊な知識と正確に計測さ
れた紫外線量を放射する照射系とを必要とする。 全く異なる研究分野において、ホリック(Holick)ら
は〔ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディ
シン,第303巻,第349−354頁,1980年(New England Jo
urnal of Medieine,303:349−354(1980))〕、ビタミ
ンD代謝産物の合成及び吸収器官としての皮膚の使用可
能性について研究した。これらの研究者は、各種ビタミ
ンD代謝産物又はビタミン前駆体を局所投与し、続いて
光化学療法を行なうと、ジヒドロキシ−ビタミンD3の血
清レベルが上昇することを明らかにした。したがって、
ビタミンD類似体の局所投与はカルシウム、リン及び骨
の代謝問題を含む疾患の有効な治療方法であるらしいこ
とが示唆された。しかしながら、皮膚自体が1,25−(O
H)2−D3の標的組織らしいことが明らかになったのは
やっと最近になってである〔スタンフ・ダブル・イー
ら,サイエンス,第206巻,第1188−1190頁,1979年(St
umpf,W.E.et al.,Science,206:1188−1190(197
9))〕。ラット、マウス、ヒトの皮膚並びに培養ヒト
皮膚繊維芽細胞及びケラチン生成細胞から単離された細
胞は、1,25−ジヒドロキシ−ビタミンD3に対する高親和
性(1.0×10-10M)低受容能のレセプター様タンパク質
を有している〔フランチェスチら,アーカイブズ・オブ
・バイオケミストリー・アンド・バイオフィジクス,第
210巻,第1−13頁,1979年(Franceschi,et al.,Archiv
es of Biochemistry and Biophysies,210:1−13(197
9));シンプソン・アール・ユーら,プロシーディン
グス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンシス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・
アメリカ,第77巻,第5822頁,1980年(Simpson,R.U.et
al.,Proceedings of the National Academy of Science
s of the United State of America,77:5822(198
0));カルストン・ケーら,エンドクリノロジー,第1
07巻,第1916頁,1980年(Colston.K.et al.,Endocrinol
ogy,107:1916(1980));フェルドマン・デーら,ジャ
ーナル・オブ・クリニカル・エンドクリノロジー・アン
ド・メタボリズム・第51巻,第1463頁,1980年(Feldma
n,D.et al.,Journal of Clinical Endocrinology & Me
tabolism,51:1463(1980));エイル・シーら,プロシ
ーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オ
ブ・サイエンシス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ
・オブ・アメリカ,第78巻,第2562頁,1981年(Eil,C.e
t al.,Proceedings of the National Academy of Scien
ces of the United States of America,78:2562(198
1));及び、クレメンス・テー・エルら、ジャーナル
・オブ・クリニカル・エンドクリノロジー・アンド・メ
タボリズム,第56巻,1983年4月(Clemens,T.L.et al.,
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism,5
6:April 1983)〕。皮膚における1,25−(OH)2−ビタ
ミンD3の特異的生物学的機能について、しかしながら、
やがては明らかにされなければならない。それにもかか
わらず、ビタミンのジヒドロキシ代謝産物が皮膚におい
て生物学的作用を示すという考え方を支持する証拠が公
表された。これは、ホルモンに対するサイトゾル性(ey
tosolic)レセプター様タンパク質を有するか又は欠く
培養ヒト皮膚繊維芽細胞中で1,25−ジヒドロキシ−D3の
生物学的活性を同時に評価することにより行なわれた
〔クレメンス・テー・エルら、ジャーナル・オブ・クリ
ニカル・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム,
第56巻,1983年4月(Clemens,T.L.et al.,Journal of C
linical Endocrinology & Metabolism,56:April 198
3)〕。レセプター欠如皮膚繊維芽細胞は、ビタミンD
依存性くる病II型と呼ばれる稀有の骨病、即ち1,25−ジ
ヒドロキシビタミンDに対する細胞質性又は細胞核性レ
セプターの不完全な又は完全な欠如に起因する遺伝的疾
患をもつ患者から得られた。ビタミンD3のジヒドロキシ
代謝産物は、レセプター含有皮膚繊維芽細胞において用
量依存的な細胞増殖阻害を起こす(約40〜50%の細胞増
殖減少が10-6及び10-8Mのホルモン含有培地で観察さ
れ、12%の減少が10-10Mの1,25−(OH)2−D3含有培地
で観察された)が、逆に、レセプター欠如皮膚繊維芽細
胞の増殖には全く影響を与えなかった。 上述の見かけ上異なる2つの研究、即ち一方では乾癬
の治療法、他方では皮膚成分におけるビタミンD3の効果
に関する研究は本発明以前は無関係であったが、本発明
によってそれらは一つに結びつくようになったのであ
る。 発明の開示 この発明は、乾癬細胞が生理学的濃度の1,25−(OH)
2−D3とイン・ヒドロでインキュベートされた場合にそ
れらは増殖阻害効果に耐性であったが、薬理学的濃度
(10-6及び10-4M)では、ビタミンD3のジヒドロキシ代
謝産物はこれらの乾癬繊維芽細胞の細胞増殖を阻害する
ことができた:という初期の観察結果から生まれたもの
である。このように、ビタミンD並びにその同族体、類
似体及びヒドロキシル化代謝産物は乾癬の治療に有効に
利用することができる。 イン・ヒドロでの試験とイン・ビボでの抗乾癬治療と
の正確な相互関係について更に確認された。この相互関
係によれば、乾癬の治療に使用可能なビタミンD化合物
とは、1,25−ジヒドロキシビタミンD3のレセプターをも
つ腫瘍又は正常細胞系の分化を促進又は誘導させること
ができる化合物である。正常細胞系には培養されたげっ
歯動物及びヒトケラチン生成細胞を含む。活性化合物と
は、また、同一細胞系においてトランスグルタミナーゼ
の酵素活性を高めることができる化合物であるか、ある
いはヒト皮膚繊維芽細胞のイン・ヒドロでの細胞増殖を
阻害することができる化合物である。これらの試験の詳
細については以下を参照することができる。 乾癬の治療に使用されるビタミンD化合物、その同族
体、類似体は代謝産物とは、イン・ヒドロ試験のいずれ
かにおいて活性を明らかにした化合物である。なお、本
発明は、これらの化合物のうち、とりわけ、後記におい
て具体的な開示記載を伴う活性型ビタミンD3化合物に係
るものである。 説明の便宜上、上記活性化合物全般に亙って以下説明
をするが、本発明は、狭義において、活性型ビタミンD3
化合物に基づく乾癬治療用医薬組成物に限定されるもの
である。 発明を実施するための最良の態様 一般に、活性化合物とは、1,25−ジヒドロキシビタミ
ンD3のレセプターを有する腫瘍又は正常細胞系の生理学
的濃度における分化を誘導する化合物である。正常で使
用可能な系としては、例えばヒト又はげっ歯動物のケラ
チン生成細胞又は繊維芽細胞がある。腫瘍系としては、
HL−60細胞系、M−1細胞系、胸部腫瘍細胞がある。い
くつかの試験について本明細書中更に詳細に記載されて
いる。 最初の試験は培養ケラチン生成細胞の分化について調
べる試験である。分析法は、実質的に、双方とも参考の
ために本明細書に包含される、マウスについてホソミ
ら,“1,25−ジヒドロキシビタミンD3による培養マウス
表皮細胞の最終分化の調節",エンドクリノロジー,第11
3巻,第1950頁,1983年〔Hosomi,et al.,“Regulation o
f Terminal Differentiation of Cultured Mouse Epide
rmal Cells by 1,25−dihydroxy Vitamin D3"Endocrino
logy,113:1950(1983)〕に記載された方法、又は、ヒ
ト系について前記クレメンスらにより述べられた方法で
ある。簡単に言えば、表皮細胞は、4℃にてトリプシン
で一夜処理し、次いでピンセットで真皮から表皮を剥離
することにより、新生C57BLマウスから調製される。細
胞は4.5cm2ウエル当たり106個の細胞密度で培養され、
しかも、イーグルの最少必須培地(MEM)(10%ウシ胎
児血清(FCS)が追加されている)で増殖せしめられ
る。細胞は、低カルシウム培地、即ちカルシウムではな
く10%透析FCSが追加されたイーグルMEM中で増殖させる
こともできる。低カルシウム培地のカルシウム濃度は約
0.01〜0.5mMとされるが、慣用的MEM+10%FCSは通常1.0
〜2.0mMのカルシウムを含有することができる。細胞は
加湿CO2インキュベーター中37℃でインキュベートされ
る。すべての実験が初代培養物にて行なわれる。培養後
24時間目に培地を変え、ビタミンD化合物が0.12、1.2
及び12nM(それぞれ0.05、0.5及び5.0mg/ml)の濃度で
加えられる。コントロール培養物には最終濃度0.5%の
エタノールが加えられる。ビタミンD含有及び非含有培
地は3〜4日毎に交換される。〔FCSは0.12nMの1,25−
(OH2)−D3を含有している(タナカ・エッチら,バイ
オケミカル・ジャーナル,第204巻,第713頁,1982年(T
anaka,H,et al.,Biochemical Journal,204:713(198
2)))。したがって、10%FCSを含有するコントロール
培地のビタミン内在濃度は無視できる。〕 培養された表皮細胞の分化は、形態学的に、 (1) 培地中に脱落した扁平上皮細胞及び脱核細胞の
計数、 (2) 皿に付着した扁平上皮細胞及び基底細胞の計
数、 (3) 角質化膜(cornified envelope)の形成、 (4) 細胞の大きさ及び細胞の密度、又は (5) 光学顕微鏡下で観察される形態学的変化、又は
上記のいくつかもしくは全ての組合せ によって調べられる。 浮遊細胞は培地から集められる。次いで、培養物はリ
ン酸緩衝液(PBS)で洗浄され、付着した細胞は37℃で2
0〜30分間0.05%トリプシン及び0.1%EDTA溶液で処理さ
れ分離される。細胞懸濁液は、しかる後、2分割:即
ち、扁平上皮細胞及び基底細胞を計数するためのもの
と、角質化膜を計数するためのものとに分割される。基
底細胞は小さくて丸く、一方、扁平上皮細胞及び脱核細
胞(除核細胞)は大きくて平たいため、それらは血球計
数器で容易に区別することができる。サン(Sun)及び
クリーン(Green)の方法〔細胞(Cell),第9巻,第5
11頁,1976年〕は、角質化膜の存在を調べるために利用
することができる。細胞は、1%β−メルカプトエタノ
ール及び1%ドデシル硫酸ナトリウム含有10mMトリスHC
l(pH7.4)中に5:30×104細胞/mlの密度で再懸濁され
る。混合物は室温で10分間放置され、次いで不溶性細胞
は位相差顕微鏡下血球計数器で計数される。 細胞の大きさは、標準としてステージマイクロメータ
ーを用いて写真測定することができる。細胞の密度分布
はパーコール(PercollR)を用いる密度勾配遠心法によ
り測定される。8〜11×106/mlの表皮細胞が40%パーコ
ール含有PBSに懸濁され、10mlのポリカーボネート製チ
ューブに入れられ、アングルローター内で3℃にて30分
間15,000×gで遠心分離される。分画は密度マーカービ
ーズを使用して集められる。光学顕微鏡観察のために、
カバーガラススリップ中の増殖細胞は10%ホルマリン又
はメタノール/酢酸(3:1)で固定され、ヘマトキシリ
ン及びエオシン又はローダニルプルーで染色される。 乾癬の治療に使用される活性ビタミンD化合物が存在
する場合は、表皮細胞の分化が著しく促進される。フォ
ーカス層状構造は表皮細胞シート上のところどろろに形
成される。層化フォーカスでは数及び大きさが増加して
おり、接触性フォーカスでは癒着している。層化フォー
カスの最上層にある細胞は、ヘマトキシリン、エオシン
及びローダニルブルーで赤に染色される無定形物質を産
生する。ある細胞は脱核され、更にあるものは密な濃縮
核(pyenoctic nucleus)を有している。分化細胞は、
プレート(皿)に付着した細胞の総数が培養時間の経過
に伴い連続的に減少するように培地中に脱落していく。
付着基底細胞分画は活性ビタミンD化合物の存在下で急
激に減少する。例えば、基底細胞は0日目が細胞の100
%に近いが、3日目では約25%だけであり、10日目以後
は10%以下である。一方、コントロール培養では、最初
の6日目は細胞の60%以上が基底細胞であり、10日目基
底細胞は通常30〜40%残存する。基底細胞の減少に伴
い、扁平上皮細胞数は、ビタミンD活性処理培養物中
で、即ち、最初は付着細胞群において、次いで脱落浮遊
細胞中において増加していく。 表皮の分化は、1%ドデシル硫酸ナトリウム及び1%
β−メルカプトエタノール含有溶液による細胞溶解後に
残存する角質化膜を計数することによって定量すること
ができる。細胞が12nMの活性ビタミンD化合物の存在下
で増殖せしめられる場合は、角質化膜をもつ細胞の比率
は培養時間の経過とともに増加していく。比率は、約60
〜70%の細胞が膜をもつようになる培養10日目以後が最
大である。これに対し、コントロール培養での比率は2
週間の観察期間中20%以下のままである。 活性ビタミンD化合物の存在下3日間で得られた細胞
は、その非存在下での細胞よりも大きくかつ軽い。処理
培養された細胞の直径は通常約25±10mmであるのに対
し、コントロールでは約17±5mmである。 パーコール勾配遠心法による細胞密度分画化では、活
性ビタミンD化合物の存在下で3日間培養された場合は
約65%の細胞が密度約1.017〜1.027の最軽量分画から集
められ、一方、約40%のコントロール細胞がこの分画か
ら回収されることを示した。これに伴い、(密度)約1.
06〜1.08のより重い分画における細胞数は処理培養物中
において減少することになる。同様の結果が7日目に得
られる。ヒトケラチン生成細胞は前記クレメンスらの方
法で増殖させることができ、同一の方法で分析される。 第二の試験はヒト皮膚繊維芽細胞の阻害試験である。
この試験法は、参考のために本明細書に包含される、ク
レメンスら,ジャーナル・オブ・クリニカル・エンドク
リノロジー・アンド・メタボリズム,第56巻,第824頁
〔Clemens et al.,Journal of Clinical Endocrinology
& Metabolism,56:824(1983)〕に記載されている。
簡単に言えば、皮膚細胞は、正常な患者の乳房、顔、腿
等より外科的に得られる正常ヒト皮膚から単離される。 正常皮膚生検物質は、10%ウシ胎児血清、ペニシリン
G(75U/ml)及びストレプトマイシン(50ng/ml)を含
有したダルベッコ(Dulbecco)の修正イーグル培地(DM
EM)に直ちに加えられる。皮下脂肪及び真皮の深部細網
層の除去後、組織は細断され、4℃で一夜0.25%トリプ
シン10mlに加えられる。 繊維芽細胞は5%NBS含有DMEMが入った35mmコスター
(Coster)プレートに7〜10×104個の細胞数で加えら
れる。細胞付着(6時間)後、培地は吸引され、エタノ
ール単独(0.01%)又は10-10、10-8、10-6もしくは10
-4Mの化合物含有エタノール(0.01%)を含んだ新鮮培
地と交換される。その後、特々、細胞はトリプシン処理
により複数のプレートから採取され、コールター(Coul
ter)カウンターで計数される。コントロール培地及び
化合物追加培地は4日毎に交換される。正常包皮繊維芽
細胞は5×104細胞/培地(DMEM;5%NBS)で培養される
が、エタノール(0.01%)単独又は化合物含有(10-10
〜10-4M)エタノールで処理することもできる。4日
後、適切なステロールを含有した新鮮培地に交換され、
細胞は2日後、即ち培養後6日目に計数される。 活性ビタミンD化合物に関する、もう一つの、おそら
くより迅速かつ正確な相互関係試験は、ケラチン生成細
胞培養中におけるトランスグルタミナーゼのイン・ビト
ロ活性に関するものである。酵素試験は、標準トランス
グルタミナーゼ分析法、即ちスコット・ケー・エフ・エ
フら,ジャーナル・オブ・セリュラー・フィジオロジ
ー,第111巻,第111−116頁,1982年〔Scott,K.F.F.et a
l.,Journal of Cellular Physiology,111:111−116(19
82)〕に従い実施される。濃度10-12M〜10-3Mで存在す
る場合に酵素活性を25%以上、好ましくは50%以上、最
も好ましくは100%以上高める化合物は、いずれも活性
化合物とみなされる。 イン・ビトロ試験でのHL−60細胞の使用については、
シイナら,アーカイブズ・オブ・バイオケミストリー・
アンド・バイオフィジクス,第220巻,第90頁,1983年
〔Shiina,et al.,Archives of Biochemistry and Bioph
ysics,220:90(1983)〕に記載されている。イン・ビト
ロ試験でのM−1細胞の使用については、ホンマら,プ
ロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー
・オブ・サイエンシス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステ
ーツ・オブ・アメリカ,第80巻,第201−204頁,1983年
〔Honma et al.,Proceedings of the National Academy
of Sciences of the United States of America,80:20
1−204(1983)〕に記載されている。これら双方の参考
文献は本明細書に参考のために包含される。 イン・ビトロ濃度10-12M〜10-3Mで少なくとも25%,
好ましくは50%細胞分化又は繊維芽細胞増殖阻害させる
ことができるビタミンD化合物は、いずれも活性である
となされる。 本発明に使用可能な好ましい化合物は、次式(I): 〔上記式中、炭素C−22及びC−23間の結合は単結合又
は二重結合であり;Y1は水素、F、−CH3又は−CH2CH3で
あり; Z1はF、H又はX1であり; QaはCF3又はCH2X1であり; QbはCF3又はCH3であり; Rは二重結合又はエポキシ であり; 上記式中、X1は水素及び−OHからなる群より選択され
る〕 で示される化合物である。 式(I)の化合物がC−22位で二重結合を有する場合
は、それらはビタミンD2誘導体であり、一方該位の結合
が単結合でかつC24位にアルキルを欠く場合は、それら
はビタミンD3誘導体である。後者が好ましい。 好ましくは、ビタミンD3又はD2から誘導される化合
物;1−ヒドロキシ−ビタミンD3又はD2;1,25−ジヒドロ
キシビタミンD3又はD2;24,25−ジヒドロキシビタミンD3
又はD2;25,26−ジヒドロキシビタミンD3又はD2;1,24,25
−トリヒドロキシビタミンD3又はD2等である。これらの
中で最も好ましいのは、ビタミンD3又はD2;1−ヒドロキ
シビタミンD3又はD2;及び1,25−ジヒドロキシビタミンD
3又はD2、特にビタミンDの5,6−エポキシ誘導体及びそ
の代謝産物、並びに1,25−(OH)2ビタミンD及び1−
(OH)ビタミンDの側鎖フルオロ誘導体である。なお、
上記で例示したヒドロキシビタミンD3化合物は、生理活
性ビタミンD3、いわゆる活性型ビタミンD3化合物に属す
ると認識されるものである。ここにおいて活性型ビタミ
ンD3化合物とは、培養ケラチノサイトの増殖を阻害する
能力を有するか、或いは培養ケラチノサイトの分化を誘
導する能力を有する化合物をいう。本発明は、狭義にお
いて、この活性型ビタミンD3化合物を活性成分として含
むことを特徴とする乾癬治療用医薬組成物を提供するも
のである。 他の好ましい化合物は、ホリック(Holick)の米国特
許第4,410,515号明細書に開示されているもののよう
に、式(I)の前記化合物にグリコシド残基を結合させ
てかかる化合物を可溶化せしめることにより得られる、
式(I)の前記化合物の水溶性誘導体である。もう一つ
の可溶化方法は、1984年5月に出願されたホリックらに
よる共に係属中の米国特許出願番号第607,117号明細書
に開示されているように、式(I)の化合物をグリコシ
ルオルトエステル残基に結合させる方法である。上記特
許及び出願の開示は参考のために本明細書に包含され、
かつその一部をなす。 重要なものは、次式(II):〔上記式中、Y2は水素、フッ素、メチル又はエチルであ
り; Z2はF、H又はX2であり Qa及びQbは式(I)と同義であり; Rは二重結合又はエポキシ基であり; X2は水素及びOR1からなる群より選択され; ここで、R1は水素又は1残基当たり1〜20のグリコシド
単位を有する直鎖もいくは分岐状グリコシド残基である
か、あるいはR1は次式(III); (上記式中、Aはグルコフラノシル環又はグルコピラノ
シル環を表わし; R2は水素、低級アルキル、アラルキル又はアリールであ
り;及び R3は水素又は1残基当たり1〜20のグリコシド単位を有
する直鎖もしくは分岐状グリコシド残基である) で示されるオルトエステルグリコシド部分であるが、但
し、R1のうち少なくとも一つはグリコシド残基又はオル
トエステルグリコシド部分である〕 で示される化合物である。 ビタミンD化合物は、前記参考文献の開示に従い製造
され又は得られる。特に、ビタミンD3の5,6−エポキシ
誘導体は、日本特許公開第58−216178号〔第83−216178
号〕公報,1983年12月15日に記載されているようにして
得られる。 フルオロ誘導体は、シイナら、アーカイブズ・オブ・
バイオケミストリー・アンド・バイオフィジクス,第22
0巻,第90頁,1983年〔Shiina,et al.,Archives of Bioc
hemistry and Biophysics,220:90(1983)〕に記載され
た如く製造され又は得られる。 本発明の化合物は、経口的、非経口的又は局所的投与
用の適切な薬理学的担体のいずれかと共に投与すること
ができる。それらは、ヒト乾癬状態の軽減をもたらすい
ずれかの方法によって投与することができる。投与量
は、被投与者の年令、健康状態、体重、もし行なってい
るとすれば併用療法の種類、治療の頻度及び望まれる効
果の種類に依存する。一般に、活性成分化合物の全身的
日量は、約0.001μg/kg〜100μg/kg、好ましくは体重kg
当たり0.1〜1.0μgである。通常、0.1〜100μg/kg/日
が、1日に1回以上投与する場合、望ましい効果を得る
ためには効果的である。局所的用量は0.001〜100μg/cm
2皮膚面積である。 化合物は、経口投与の場合、錠剤、カプセル、粉末小
包、液体溶液、懸濁液又はエリキシルのような投与形
で、非経口的使用の場合、溶液又は懸濁液のような処方
用無菌液として使用することができる。あるいは、化合
物は、水、グリセロール、アルコール、プロピレングリ
コール、脂肪族アルコール、トリグリセリド、脂肪酸エ
ステル又は鉱油のような担体を始めとする、ゲル、軟膏
又はクリームからなるような薬理学的不活性局所用担体
中に存在せしめることができる。他の可能な担体は、流
動パラフィン、イソプロピルパルミテート、ポリエチレ
ングリコールエタノール5%水、ポリオキシエチレンモ
ノラウレート5%水、ラウリル硫酸ナトリウム5%水そ
の他である。酸化防止剤、湿潤剤、粘度安定剤その他の
ような物質が、必要であれば添加されてもよい。 化合物はポンプ又はテープを用いて投与することもで
きる。 ここまで本発明を一般的に記載してきたが、本発明は
例を参考にして更に理解することができるようになるの
であり、一方、例は他に指示のない限り本明細書におい
て説明だけの目的で記載されているのであって、限定さ
せるためのものではない。 例 関係及び非関係部位の皮膚生検物質を乾癬患者から
得、それから培養繊維芽細胞を得た。乾癬患者からの培
養繊維芽細胞の分析では、これらが1,25−(OH)2−D3
に対する高親和性低受容能レセプターをもち、しかも、
非関係領域からの繊維芽細胞のこれらレセプターにおけ
るKd及び密度は正常な患者からの培養皮膚繊維芽細胞に
よるものと比べて本質的に差がないことを示した。更
に、関係部位からの繊維芽細胞は1,25−ジヒドロキシビ
タミンD3に対するレセプターを有していたが、正常な親
和性定数を有する反面、無関係の繊維芽細胞と比較する
とレセプターの部位の数がほぼ100%減少していた。 乾癬患者からの培養繊維芽細胞が、細胞増殖阻害を起
こすことにより1,25−ジヒドロキシビタミンD3に応答す
るか否かについて、次に調べた。正常な患者及び乾癬患
者からの培養ヒト繊維芽細胞を1,25−ジヒドロキシビタ
ミンD3不存在下で、又は10-10、10-8、10-6もしくは10
-4Mの1,25−ジヒドロキシビタミンD3存在下で培養し
た。正常患者の繊維芽細胞は予期されたように用量依存
的に応答した。しかしながら、6人の異なる乾癬患者か
ら得られた繊維芽細胞はいずれも、コントロールと同様
の10-8Mにおいて、1,25−ジヒドロキシビタミンD3に応
答しなかった。乾癬細胞を10-6Mの1,25−(OH)2−D3
とインキュベートした場合は、数例の研究対象において
小さいけれども有意の細胞増殖阻害効果があった(研究
対象は10-6M以下の1,25−ジヒドロキシビタミンD3に耐
性であった)。 1例の対象において、詳細な時間経過及び用量応答性
によると10-6Mで極めて小さな応答を示していたが、一
方10-4Mの1,25−ジヒドロキシビタミンD3は細胞増殖阻
害に関し極めて有効であった(第1図)。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 マクローリン,ジユリア
アメリカ合衆国マサチユ−セツツ
02132、ウエスト ロツクスベリー、ブ
ロンド ロード 11
(56)参考文献 Japanese Journal
of Dermatology,1967,
77[2]p.171
9th International
Congress on Photo
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2S
「レーニンジャー生化学−細胞の分子
的理解−上」第2版(昭54−9−25)共
立出版 p.325〜328
日本ビタミン学会編「ビタミン学[I
]脂溶性ビタミン」(1980−5−6)東
京化学同人.p.134−135
須田 他著「ビタミンD−その新しい
流れ」(1984−7−20)講談社、p.
172
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.活性型ビタミンD3化合物を活性成分として含むこと
を特徴とする乾癬治療用医薬組成物。 2.活性型ビタミンD3化合物が、1−ヒドロキシビタミ
ンD3あるいは1,25−ジヒドロキシビタミンD3である、請
求の範囲第1項記載の医薬組成物。
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