JP2663636B2 - 酸化物粉末の成形方法 - Google Patents

酸化物粉末の成形方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、インジウム系酸化物のスリップキャスト法
に関するものである。
更に詳しくは、スパッタリングターゲット材料等に用
いられるインジウム系酸化物焼結体を製造する際の原料
成形体の成形方法に関するものであり、光エレクトロニ
クス分野の有用な材料を提供する際の手法に関するもの
である。
[従来の技術] インジウム酸化物は、化合物半導体の一つであり、透
明性と導電性を有する酸化物の一つである。特に、イン
ジウム酸化物に錫の酸化物を微量添加した複合酸化物
は、ITO(Indium Tin Oxide)として良く知られてお
り、このものを透明導電膜や光選択透過膜としたものは
光エレクトロニクス分野で巾広く用いられている。
インジウム系酸化物等を光エレクトロニクス材料とし
て用いる場合、一般に、ガラスや透明フィルム上に、イ
ンジウム系酸化物を被覆したものが用いられている。こ
のインジウム酸化物の被覆法として最も広く実施されて
いる手法の一つは、インジウム系酸化物をターゲット材
料として用いるスパッタリングターゲット法である。
インジウム系酸化物ターゲット材料の製造法は、イン
ジウム系酸化物粉末を金型を用いて予備成形し、その
後、この成形体を焼結する方法が一般に実施されている
方法である。しかしながら、大型のターゲット材料や、
特に複雑な形状のターゲット材料を製造する場合は、こ
の金型成形法は必ずしも適当な方法ではない。
一方、スリップキャスト法は、成形材料のスラリーを
吸水性の型に流しこみ成形する手法であるが、この方法
は作業性、形状への対応等の面で好ましい手法の一つで
あり、セラミックス成形法の一つとして注目されてい
る。しかし、インジウム系酸化物のように難焼結性であ
り、又一般に比較的大型な成形体を必要とする酸化物粉
末については、この方法で成形することについての実用
化例は聞かれない。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は、インジウム系酸化物粉末の成形に適
したスリップキャスト方法を提供することを目的とする
ものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者等は、スパッタリングターゲット材料等のイ
ンジウム系酸化物焼結体の製造法を検討し、特にインジ
ウム系酸化物のスリップキャスト法による成形体の製造
に関し鋭意検討した結果、スリップキャスト時のインジ
ウム系酸化物のスラリー濃度、スラリー粘度をある範囲
内に調製することにより、好ましい状態でスリップキャ
スト成形が可能であることを見出し本発明を完成した。
本発明で用いるインジウム系酸化物とは、インジウム
酸化物、又はインジウム酸化物を主成分とする酸化物を
意味する。このようなインジウム系酸化物は、化合物半
導体として公知であり、例えば、インジウム酸化物に酸
化錫及び/又は他の酸化物、又はハロゲン化物を添加し
た酸化物等がある。本発明のインジウム系酸化物のスリ
ップキャスト法に於いては、水等の溶媒とインジウム系
酸化物粉末を混合し、これに分散剤等を添加し撹拌する
ことによりスラリーとしたものを用いるが、この際のス
ラリー粘度が5×10〜5×103センチポイズ(以下C.P.
と略記)の範囲で、スラリー濃度の変化に対するスラリ
ー粘度の変化率(スラリー濃度が高濃度側に1wt%変化
する時のスラリー粘度の対数の変化率即ち、Δ(log
(粘度))/Δ(スラリー濃度(%))が2以下となる
スラリーを用いることが必要である。
前記スラリー粘度が5×10C.P.未満の場合は、スラリ
ー中のインジウム系酸化物が操作中に沈降し、溶媒とイ
ンジウム系酸化物が分離し易くなる。又、スラリー粘度
が、5×103C.P.を越えた場合は、インジウム系酸化物
のスラリーは、流動性が著しく低下し、吸水性の型の中
に均一に鋳込むことが困難となる。
本発明のスラリー濃度は、一般に65%以上90%以下の
範囲で用いるが、前記スラリー濃度が低すぎると、スラ
リー粘度が本発明の範囲未満となり、スラリー濃度が高
すぎると、スラリー粘度が本発明の範囲を越えるように
なる。
本発明に於いてはスラリー濃度に対するスラリー粘度
の変化率が、インジウム系酸化物のスリップキャスト法
に於いて極めて重要である。
インジウム系酸化物のスラリーを吸水性の型へ鋳込む
と、型からの脱水が始り、スラリーは型へ着肉していく
が、この過程でスラリー濃度が高濃度側に変化すること
になる。本発明では、この際用いるスラリーが前記した
条件を満たすことが必須であるが、この変化率を求める
範囲は、少なくとも調製したスラリーの高濃度側2%の
範囲が必要である。本発明で言うスラリー粘度の値は、
通常の回転粘度計により求められる。原料スラリーを粘
度計を用いて測定し、粘度のスラリー濃度依存性を求
め、これによりスラリー粘度の変化率が上式を満足する
範囲のスラリーを調製しスリップキャスト法の原料とし
て用いる。
本発明で、前記したスラリー粘度の変化率が2を越え
ると、スリップキャスト時のスラリーの均一性が著しく
低下し、型の中でスラリー同士が均一に混ざり合うこと
が困難となり、スラリーの会合点で明確な境界が存在
し、これが成形体のヒビや割れの発生する原因となり、
焼結時に成形体の割れを生じさせる原因となる。
前記したスラリー粘度の変化率を前記した限定範囲に
調製する方法は、用いるインジウム系酸化物の粒度、ス
ラリーとする際用いる溶媒の種類、分散剤等の添加物の
種類、その使用量等々により行なうことができる。
本発明は、インジウム系酸化物のスリップキャスト時
の粘度について限定するものであるが、スリップキャス
トのその他の条件は特に制限されず、適宜選択される。
用いるインジウム系酸化物の粒度は、平均粒径1μm
以下のものが高密度の焼結体を得るには好ましい。尚、
微細なインジウム系酸化物を用いる場合は必然的にスラ
リー粘度は上昇するが、このような場合は界面活性剤等
の分散剤の量を多めに用いるなどして本発明で限定した
範囲内に調製する。スラリーを作成する場合は、溶媒は
一般に水を用いることができる。又、スラリー調製時に
は公知の結合剤を加えることもできる。さらに、スラリ
ー調製時に消泡剤を加え、公知の真空脱泡処理を行うこ
とも適宜実施することが出来る。
このようにして調製したスラリーは、吸水性の型の中
に流しこまれるが、吸水性の型とは吸水性のセラミック
ス、例えば石膏や吸水性の樹脂の型を用いることができ
る。
この吸水性の型にスラリーが着肉した後、型より着肉
体を取り出し、乾燥して成形体とする。さらに、この成
形体を焼結すれば、インジウム系酸化物の焼結体が得ら
れ、例えばスパッタリングターゲット材料として、光エ
レクトロニクス関連の素子や部品を作成するための好適
な材料として用いることができる。
[発明の効果] 本発明は、インジウム系酸化物のスリップキャスト法
を提供するものであり、本発明により経済的な手法で、
かつ任意な形状のインジウム系酸化物の成形体を得るこ
とが可能となる。このインジウム系酸化物成形体を焼結
することにより、例えば、高密度、高強度なインジウム
系酸化物ターゲット材料が得られ、このものは光エレク
トロニクス関連の素子や部品を作成するための材料とし
て用いることができる。
[実施例] 以下、実施例で本発明を詳述するが、本発明はこれに
限定されるものではない。
実施例1 In2O395wt%、SnO25wt%よりなるインジウム酸化物
に、微量の錫酸化物を添加したインジウム系酸化物粉末
を調製した。この酸化物の平均粒径は約0.6μmであっ
た。この酸化物に、水を加え、分散剤(ヘキスト製「A
−40」…ポリカルボン酸アンモニウム塩系)、結合剤
(中京樹脂製「WE−518」…アクリル系エマルジョン)
を微量(約0.5wt%)添加し、撹拌してスラリーを調製
し、回転粘度計で、スラリー濃度と粘度の関係を測定し
た。結果を図1に示す。
この結果をもとに、各種のスラリーを調製し、300mm
φ、厚み10mmの石膏型にスラリーを流しこみスリップキ
ャスト成形を行なった。
本発明で開示されるスラリーの粘度範囲である図1の
点Aで調製したスラリー(粘度7.2×10C.P.、スラリー
粘度の変化率=1.2〜1.3)を用いた場合は良好な着肉体
が得られ、乾燥後の成形体密度は約2.9/cm3であった。
この成形体を、1400℃で焼成したところ、焼結密度5.
8g/cm3の焼結体が得られた。
次に、図1の点B(粘度4×10C.P.)で調製したスラ
リーを用いたところ、短時間の内に粒子の沈降が起り、
目的とする成型体が得られず、粉末状の部分が残った成
型体しか得られなかった。さらに図1の点Cで調製した
スラリー(粘度1.6×102C.P.、スラリー粘度の変化率>
2)を用いたところ、着陸肉耐の乾燥時にひび割れが発
生し、成型体に亀裂が入った。
実施例2 In2O395wt%、SnO210wt%よりなるインジウム酸化物
に、微量の錫酸化物を添加したインジウム系酸化物粉末
を調製した。この酸化物の平均粒径は約0.3μmであっ
た。この酸化物を実施例1に準じてスラリーとし、濃度
と粘度との関係を測定した。結果を図2に示す。
この結果をもとに、各種のスラリーを調製し、300mm
φ、厚み10mmの石膏型にスラリーを流しこみスリップキ
ャスト成形を実施した。
本発明で開示されるスラリーの粘度範囲である図2の
点Dで調製したスラリー(粘度9.5×102C.P.、スラリー
粘度の変化率=1.3〜1.5)を用いた場合は良好な着肉体
が得られ、乾燥後の成形体密度約3.3g/cm3であった。こ
の成形体を、1400℃で焼成した所、焼結密度5.4g/cm3
焼結体が得られた。
次に、図2の点E(粘度8×103C.P.、スラリー粘度
の変化率=約3.5)で調製したスラリーを用いたとこ
ろ、スラリーの流動性が著しく低下しスリップキャスト
を行なうことが困難であつた。
【図面の簡単な説明】
図1は実施例1のスラリーのスラリー濃度と粘度との関
係を示す。 図2は実施例2のスラリーの、スラリー濃度と粘度との
関係を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スリップキャスト法によりインジウム系酸
    化物成形体を成形するに当り、インジウム系酸化物スラ
    リーの粘度が5×10〜5×103センチポイズの範囲で、
    当該スラリー濃度の変化に対するスラリー粘度の変化率
    (Δ(log(粘度))/Δ(スラリー濃度(%)))が
    2以下となるように調製したスラリーを用いることを特
    徴とする酸化物粉末の成形方法。
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