JP2663123B2 - 光記録媒体 - Google Patents
光記録媒体Info
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- JP2663123B2 JP2663123B2 JP62226139A JP22613987A JP2663123B2 JP 2663123 B2 JP2663123 B2 JP 2663123B2 JP 62226139 A JP62226139 A JP 62226139A JP 22613987 A JP22613987 A JP 22613987A JP 2663123 B2 JP2663123 B2 JP 2663123B2
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は光記録媒体に関し、特に低出力のエネルギー
ビームを照射することにより情報の記録を行うことがで
きる光カード等に適した光記録媒体に関する。 〔従来の技術〕 近年磁気記録方式に代わる新しい記録方式として光記
録方式が開発され、広く利用されるようになった。 光記録媒体は一般に基板上にTe等の金属の薄膜を蒸着
したもので構成されており、これにレーザー等のエネル
ギービームを照射して照射部分にピットを形成すること
により、情報の記録が行われている(特開昭60−208290
号)。このような光記録媒体は近赤外域でも光吸収を有
するために半導体レーザーが使用でき、また反射率が大
きいためにSN比を高くすることができるという利点を有
するが、反面反射率が大きいためにレーザー光線のエネ
ルギーを有効に利用できず、記録に要する光エネルギー
が大きくなり、大出力のレーザー光源を要するという問
題がある。さらに金属薄膜をレーザー光線で蒸発させて
ピットを形成する方式のため、記録層を密着貼り合わせ
構造とすることが困難であるという問題もある。さらに
薄膜には、テルル、ビスマス、セレン等が用いられる
が、これらは毒性を持っているという欠点もある。 このような事情に鑑み、近年吸収性の選択ができ、吸
収率が大きく、熱伝導率が小さく、生産性が良く、毒性
が低い有機色素薄膜を記録層として適用した光記録材料
の提案が種々なされている。このような光記録媒体に用
いる代表的な色素としては、シアニン系色素(特開昭58
−112790号)、アントラキノン系色素(特開昭58−2244
48号)、ナフトキノン系色素(特開昭58−224793号)及
びフタロシアニン系色素(特開昭60−48396号)等があ
る。これらは単独又は自己酸化性樹脂と併用してスピン
ナー塗布法、ディッピング法、プラズマ法又は真空蒸着
法等により基板上に薄膜状に塗布され、光記録媒体が作
られる。特に有機色素を記録層に用いた光記録媒体に用
いた場合、いわゆる密接着型とすることができるため、
光カード等に利用するのに適する。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら有機色素系薄膜を用いた光記録媒体にお
いては、薄膜形成物として環状アザアヌレン、シアニ
ン、ナフトキノン、アントラキノン、フタロシアニン色
素系等が利用され、各色素ごとの特性も変化に富んでい
るが、金属薄膜系に比べると極端に反射率が低く、記録
感度が低いという問題点がある。 従って本発明の目的は有機色素系記録層の反射率が向
上した光記録媒体を提供することを目的とする。 特に本発明の目的は光カードとして使用し得るように
記録層が他層に密着している構成の光記録媒体を提供す
ることである。 〔問題点を解決するための手段〕 上記問題点に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は有機色
素を含有する記録層と光吸収層との間に屈折率の大きな
透明薄膜層を設けることにより記録層の反射率を向上さ
せることができることを発見し、本発明に想到した。 すなわち、本発明の光記録媒体は、透明基板上に有機
色素を含有する記録層と、屈折率が1.4〜3.0である透明
薄膜層と、再生用エネルギー光線を実質的に反射しない
層とが順次積層されていることを特徴とする。 本発明の光記録媒体の構成は、例えば第1図に示す通
りである。 カード保護層1としては、光透過性が良く複屈折がな
いかぎり、通常のカードの保護層(オーバーシート)と
して用いることのできるあらゆるプラスチック材料が使
用可能である。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等
のポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチ
レン、ポリカーボネート等のフィルムが用いられる。 さらに表面硬度が高くて耐擦傷性が良好な保護層1と
するために、電離放射線硬化型樹脂により形成すること
もできる。電離放射線硬化型樹脂とは紫外線や電子線等
の電離放射線で硬化する樹脂である。このような樹脂は
分子中にエチレン性不飽和結合を有するプレポリマーま
たはオリゴマー、例えば、不飽和ポリエステル類、ポリ
エステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタ
ンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオー
ルアクリレート、メラミンアクリレートなどの各種アク
リレート類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテ
ルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミ
ンメタクリレートなどの各種メタクリレート類などの一
種もしくは二種以上に、必要に応じ分子中にエチレン性
不飽和結合を有するモノマー、例えば、スチレン、α−
メチルスチレンなどのスチレン系モノマー類、アクリル
酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル
酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フ
ェニルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリルなど
のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、メタクリ
ルアミドなどの不飽和カルボン酸アミド、アクリル酸−
2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸−
2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸−2
−(N,N−ジベンジルアミノ)エチル、メタクリル酸
(N,N−ジメチルアミノ)メチル、アクリル酸−2−
(N,N−ジエチルアミノ)プロピルなどの不飽和酸の置
換アミノアルコールエステル類、エチレングリコールジ
アクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、
ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタ
クリレート、ジエチレングリコールジメタクリレートな
どの多官能性化合物、および(または)分子中に2個以
上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えば、
トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメ
チロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリス
リトールテトラチオグリコレートなどを混合したもので
ある。 以上の化合物は任意に混合して塗布用組成物とするこ
とができるが、適当なコーティング適性を持たせるため
に、前記プレポリマーまたはオリゴマーを5重量%以上
とし、前記モノマーおよび(または)ポリチオール化合
物を95重量%以下とするのが好ましい。 塗布用組成物には、上記の化合物が紫外線もしくは電
子線の照射前に硬化するのを防止するために、ハイドロ
キノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキ
ノンなどの重合禁止剤を安定剤として添加するとよい。 また塗布用組成物を紫外線硬化型とする場合、この中
に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェ
ノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロ
キシエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイ
ド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルア
ミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン
などを混合して用いる。 保護層の厚さは一般に2〜10μmであり、2μmより
薄いと保護層の耐久性が十分でなく、また10μmより厚
くしても意味がない。 透明基板2は光記録材料を保護し、後で述べるよう
に、光記録材料を製造する際の基材としての役目を果た
すものである。透明基板側からは、レーザー光を照射し
て光情報を記録もしくは再生するので、レーザー光、特
に、小型で出力の高い半導体レーザーのレーザー光の波
長に対して十分な透過性を有していることが必要であ
る。具体的には、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ビニル系樹脂、
ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、
ポリスルホン樹脂等の透明樹脂のフィルム、もしくはガ
ラスが好ましい。透明基板2の厚さは100μm〜1mmであ
り、200〜600μmであるのが好ましい。なお透明基板2
上にはトラッキック用案内溝(図示せず)を形成し、そ
の表面に後述する記録層を形成することもできる。 記録層3は有機色素を含有する層である。有機色素と
してはシアニンやナフトキノン系の色素等を用いる。そ
の他に、スクワリリウム系色素(特開昭57−46221号)
や、金属フタロシアニン系色素(特開昭57−82094号)
等を用いることもできる。またエチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリス
チレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン樹脂、あ
るいはスチレン共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル、
ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリ
アクリル酸ブチル等のアクリル樹脂又はメタクリル樹
脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール
樹脂、重合ロジン等のロジンエステル樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ブチ
ラール樹脂等のバインダーを有機色素に添加し、塗布す
ることも可能である。この場合有機色素の割合は50重量
%以上とする。 記録層3の膜厚は50Å〜10,000Å程度が適当であり、
特に500〜5,000Åが好ましい。記録層3はグラビアコー
ト法、ロールコート法、ナイフエッジ法、オフセット
法、スピンナーコート法等の塗布方法あるいは印刷方法
により形成することができる。 透明薄膜層4は屈折率の大きな透明材料からなり、具
体的にはSb2S3(屈折率3.0),Fe2O3(2.7),TiO2(2.
6),CdS(2.6),CeO2(2.3),ZnS(2.3),PbCl2(2.
3),CdO(2.2),Sb2O3(2.0),WO3(2.0),SiO2(2.
0),Bi2O3(2.5),In2O3(2.0),PbO(2.6),Ta2O5(2.
4),ZnO(2.1),ZrO2(2.0),Cd2O3(1.8),Al2O3(1.
6),CaO(1.8),MgF2(1.4)等により形成することがで
きる。 透明薄膜層4と記録層3との屈折率の差が大きい程記
録層3の反射率が大きくなる。 上記透明薄膜層4の膜厚は薄膜を形成する材料の透明
領域であればよいが、通常は10Å〜10,000Åであり、特
に30〜400Åとするのが好ましい。上記透明薄膜層4を
記録層3上に形成する方法として、真空蒸着法やスパッ
タリング法等の一般的薄膜形成手段を利用することがで
きる。 接着層5は透明薄膜層4を後述する支持層に接着する
ためのもので、一般的に使用可能な接着剤により形成す
ることができ、例えばエポキシ系、ポリウレタン系、イ
ソシアネート系、メラミン系、アクリル系、ポリエステ
ル系等の接着剤や紫外線硬化型接着剤等を使用すること
ができる。 支持体6としては、通常のカードの基板として用いる
ことができるあらゆる材料が使用可能である。具体的に
は、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体、ポリ塩化ビニリデン、ポリメタクリル酸メチル等の
アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、
アセチルセルロース、スチレン/ブタジエン共重合体、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リエチレンテレフタレート等を使用することができる。
しかし場合によっては、熱、ステンレス、アルミニウ
ム、スズ、銅、亜鉛等の金属シートや紙等も用いること
ができる。さらに、上記材料の積層体により形成するこ
ともできる。 支持体6は光記録媒体に十分な機械的強度を付与する
ために0.1mm〜7mm程度の厚さを有する。 なお支持体6は記録層3を透過した再生用エネルギー
光線を受けるが、有機色素系記録層の反射率は金属薄膜
層の支持率と比較して著しく低いので、記録層3からの
反射光に支持体6からの反射光が重ならないようにする
ために、透過光線を実質的に反射しないように光吸収性
とすることが必要である。これには支持体6の表面(記
録層3側)にレーザー光線等の記録再生用光線を実質的
に反射しない層を形成するのが好ましい。このような層
は例えば光を吸収するカーボンブラックを練り込んだイ
ンキを塗布したり、カーボンブラックを含有するフィル
ム等を貼付する等して形成することができる。 上記のような構成の光記録媒体において、記録用のエ
ネルギー光線は矢印Aで示す方向に照射され、記録層3
にピットを形成する。記録層3は基板2に密着している
が、有機色素系であるので、ピットの形成は問題なく行
うことができる。 エネルギー光線としては一般に使用されているレーザ
ー光を使用することができる。このようなレーザー光に
対して記録層3の反射率は15〜30%であり、これは透明
薄膜層4を有さない場合に比較して5〜10%程度高くな
っている。またピットが形成された所では下地に光吸収
層があるので、再生時の支持体からの反射光が実質的に
0となる。 〔作用〕 本発明の光記録媒体においては有機色素を含有する記
憶層の次に屈折率の大きな透明薄膜層を設けているの
で、記録層の反射率が約10%程度増大する。この理由は
必ずしも明らかでないが、屈折率の異なるものが界面に
存在することにより、反射率が向上するためであると考
えられる。これにより有機色素系記憶層に特有の低い反
射率の問題を解決することができる。 〔実 施 例〕 本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。 実施例 1 厚さ0.4mmのポリメチルメタクリレート基板上に、銅
フタロシアニン色素のMEK3%溶液を0.1μmの厚さにス
ピンコート法で塗布し、記録層を形成した。この記録層
の表面に真空蒸着法にてZnSの薄膜を形成した。蒸着は
真空度を10-5torrとしてタンタルボード抵抗加熱方式で
ZnSを昇華させ、水晶振動子法で厚さを測定しながら記
録層の表面に真空蒸着することにより行った。得られた
透明薄膜層の厚さは約400Åであった。さらにその上に
2液硬化型ウレタン接着層を介して厚さ0.3mmの塩化ビ
ニル層をラミネートした。 このようにして得られた光記録媒体の記録層の反射率
は20%であった。これに対して、透明薄膜層を有さない
光記録媒体の場合、反射率は約10%しかなかった。 結果を第1表に示す。 実施例 2 ポリメチルメタクリレートを用い、キャスティング成
形法にて、グルーブ深さ0.1μm、ピッチ10μm、幅2
μmのグルーブを付けた0.4mmの基板を作成し、銅フタ
ロシアニン色素のMEK3%溶液を0.1μmの厚さにスピン
コート法で塗布し、記録層を形成した。この表面に実施
例1と同様にして400ÅのSb2O3薄膜を形成し、光カード
を作製した。反射率は透明薄膜層無しの場合10%であっ
たが、透明薄膜層が存在する場合20%となり、SN比が高
くなった。結果を第1表に示す。 〔発明の効果〕 以上の通り本発明の光記録媒体は有機色素を含有する
記録層の次に屈折率の大きな透明薄膜層を積層した構造
を有するので、記録層単独の場合に比較して大きな反射
率を有する。これにより光記録媒体としてのSN比(記録
特性)が向上している。しかも有機色素系の記録層を有
するために、記録層に他層を密着して積層することがで
き、光カード等に好適に使用することができる。
ビームを照射することにより情報の記録を行うことがで
きる光カード等に適した光記録媒体に関する。 〔従来の技術〕 近年磁気記録方式に代わる新しい記録方式として光記
録方式が開発され、広く利用されるようになった。 光記録媒体は一般に基板上にTe等の金属の薄膜を蒸着
したもので構成されており、これにレーザー等のエネル
ギービームを照射して照射部分にピットを形成すること
により、情報の記録が行われている(特開昭60−208290
号)。このような光記録媒体は近赤外域でも光吸収を有
するために半導体レーザーが使用でき、また反射率が大
きいためにSN比を高くすることができるという利点を有
するが、反面反射率が大きいためにレーザー光線のエネ
ルギーを有効に利用できず、記録に要する光エネルギー
が大きくなり、大出力のレーザー光源を要するという問
題がある。さらに金属薄膜をレーザー光線で蒸発させて
ピットを形成する方式のため、記録層を密着貼り合わせ
構造とすることが困難であるという問題もある。さらに
薄膜には、テルル、ビスマス、セレン等が用いられる
が、これらは毒性を持っているという欠点もある。 このような事情に鑑み、近年吸収性の選択ができ、吸
収率が大きく、熱伝導率が小さく、生産性が良く、毒性
が低い有機色素薄膜を記録層として適用した光記録材料
の提案が種々なされている。このような光記録媒体に用
いる代表的な色素としては、シアニン系色素(特開昭58
−112790号)、アントラキノン系色素(特開昭58−2244
48号)、ナフトキノン系色素(特開昭58−224793号)及
びフタロシアニン系色素(特開昭60−48396号)等があ
る。これらは単独又は自己酸化性樹脂と併用してスピン
ナー塗布法、ディッピング法、プラズマ法又は真空蒸着
法等により基板上に薄膜状に塗布され、光記録媒体が作
られる。特に有機色素を記録層に用いた光記録媒体に用
いた場合、いわゆる密接着型とすることができるため、
光カード等に利用するのに適する。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら有機色素系薄膜を用いた光記録媒体にお
いては、薄膜形成物として環状アザアヌレン、シアニ
ン、ナフトキノン、アントラキノン、フタロシアニン色
素系等が利用され、各色素ごとの特性も変化に富んでい
るが、金属薄膜系に比べると極端に反射率が低く、記録
感度が低いという問題点がある。 従って本発明の目的は有機色素系記録層の反射率が向
上した光記録媒体を提供することを目的とする。 特に本発明の目的は光カードとして使用し得るように
記録層が他層に密着している構成の光記録媒体を提供す
ることである。 〔問題点を解決するための手段〕 上記問題点に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は有機色
素を含有する記録層と光吸収層との間に屈折率の大きな
透明薄膜層を設けることにより記録層の反射率を向上さ
せることができることを発見し、本発明に想到した。 すなわち、本発明の光記録媒体は、透明基板上に有機
色素を含有する記録層と、屈折率が1.4〜3.0である透明
薄膜層と、再生用エネルギー光線を実質的に反射しない
層とが順次積層されていることを特徴とする。 本発明の光記録媒体の構成は、例えば第1図に示す通
りである。 カード保護層1としては、光透過性が良く複屈折がな
いかぎり、通常のカードの保護層(オーバーシート)と
して用いることのできるあらゆるプラスチック材料が使
用可能である。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等
のポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチ
レン、ポリカーボネート等のフィルムが用いられる。 さらに表面硬度が高くて耐擦傷性が良好な保護層1と
するために、電離放射線硬化型樹脂により形成すること
もできる。電離放射線硬化型樹脂とは紫外線や電子線等
の電離放射線で硬化する樹脂である。このような樹脂は
分子中にエチレン性不飽和結合を有するプレポリマーま
たはオリゴマー、例えば、不飽和ポリエステル類、ポリ
エステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタ
ンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオー
ルアクリレート、メラミンアクリレートなどの各種アク
リレート類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテ
ルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミ
ンメタクリレートなどの各種メタクリレート類などの一
種もしくは二種以上に、必要に応じ分子中にエチレン性
不飽和結合を有するモノマー、例えば、スチレン、α−
メチルスチレンなどのスチレン系モノマー類、アクリル
酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル
酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フ
ェニルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリルなど
のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、メタクリ
ルアミドなどの不飽和カルボン酸アミド、アクリル酸−
2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸−
2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸−2
−(N,N−ジベンジルアミノ)エチル、メタクリル酸
(N,N−ジメチルアミノ)メチル、アクリル酸−2−
(N,N−ジエチルアミノ)プロピルなどの不飽和酸の置
換アミノアルコールエステル類、エチレングリコールジ
アクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、
ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタ
クリレート、ジエチレングリコールジメタクリレートな
どの多官能性化合物、および(または)分子中に2個以
上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えば、
トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメ
チロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリス
リトールテトラチオグリコレートなどを混合したもので
ある。 以上の化合物は任意に混合して塗布用組成物とするこ
とができるが、適当なコーティング適性を持たせるため
に、前記プレポリマーまたはオリゴマーを5重量%以上
とし、前記モノマーおよび(または)ポリチオール化合
物を95重量%以下とするのが好ましい。 塗布用組成物には、上記の化合物が紫外線もしくは電
子線の照射前に硬化するのを防止するために、ハイドロ
キノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキ
ノンなどの重合禁止剤を安定剤として添加するとよい。 また塗布用組成物を紫外線硬化型とする場合、この中
に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェ
ノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロ
キシエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイ
ド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルア
ミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン
などを混合して用いる。 保護層の厚さは一般に2〜10μmであり、2μmより
薄いと保護層の耐久性が十分でなく、また10μmより厚
くしても意味がない。 透明基板2は光記録材料を保護し、後で述べるよう
に、光記録材料を製造する際の基材としての役目を果た
すものである。透明基板側からは、レーザー光を照射し
て光情報を記録もしくは再生するので、レーザー光、特
に、小型で出力の高い半導体レーザーのレーザー光の波
長に対して十分な透過性を有していることが必要であ
る。具体的には、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ビニル系樹脂、
ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、
ポリスルホン樹脂等の透明樹脂のフィルム、もしくはガ
ラスが好ましい。透明基板2の厚さは100μm〜1mmであ
り、200〜600μmであるのが好ましい。なお透明基板2
上にはトラッキック用案内溝(図示せず)を形成し、そ
の表面に後述する記録層を形成することもできる。 記録層3は有機色素を含有する層である。有機色素と
してはシアニンやナフトキノン系の色素等を用いる。そ
の他に、スクワリリウム系色素(特開昭57−46221号)
や、金属フタロシアニン系色素(特開昭57−82094号)
等を用いることもできる。またエチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリス
チレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン樹脂、あ
るいはスチレン共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル、
ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリ
アクリル酸ブチル等のアクリル樹脂又はメタクリル樹
脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール
樹脂、重合ロジン等のロジンエステル樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ブチ
ラール樹脂等のバインダーを有機色素に添加し、塗布す
ることも可能である。この場合有機色素の割合は50重量
%以上とする。 記録層3の膜厚は50Å〜10,000Å程度が適当であり、
特に500〜5,000Åが好ましい。記録層3はグラビアコー
ト法、ロールコート法、ナイフエッジ法、オフセット
法、スピンナーコート法等の塗布方法あるいは印刷方法
により形成することができる。 透明薄膜層4は屈折率の大きな透明材料からなり、具
体的にはSb2S3(屈折率3.0),Fe2O3(2.7),TiO2(2.
6),CdS(2.6),CeO2(2.3),ZnS(2.3),PbCl2(2.
3),CdO(2.2),Sb2O3(2.0),WO3(2.0),SiO2(2.
0),Bi2O3(2.5),In2O3(2.0),PbO(2.6),Ta2O5(2.
4),ZnO(2.1),ZrO2(2.0),Cd2O3(1.8),Al2O3(1.
6),CaO(1.8),MgF2(1.4)等により形成することがで
きる。 透明薄膜層4と記録層3との屈折率の差が大きい程記
録層3の反射率が大きくなる。 上記透明薄膜層4の膜厚は薄膜を形成する材料の透明
領域であればよいが、通常は10Å〜10,000Åであり、特
に30〜400Åとするのが好ましい。上記透明薄膜層4を
記録層3上に形成する方法として、真空蒸着法やスパッ
タリング法等の一般的薄膜形成手段を利用することがで
きる。 接着層5は透明薄膜層4を後述する支持層に接着する
ためのもので、一般的に使用可能な接着剤により形成す
ることができ、例えばエポキシ系、ポリウレタン系、イ
ソシアネート系、メラミン系、アクリル系、ポリエステ
ル系等の接着剤や紫外線硬化型接着剤等を使用すること
ができる。 支持体6としては、通常のカードの基板として用いる
ことができるあらゆる材料が使用可能である。具体的に
は、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体、ポリ塩化ビニリデン、ポリメタクリル酸メチル等の
アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、
アセチルセルロース、スチレン/ブタジエン共重合体、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リエチレンテレフタレート等を使用することができる。
しかし場合によっては、熱、ステンレス、アルミニウ
ム、スズ、銅、亜鉛等の金属シートや紙等も用いること
ができる。さらに、上記材料の積層体により形成するこ
ともできる。 支持体6は光記録媒体に十分な機械的強度を付与する
ために0.1mm〜7mm程度の厚さを有する。 なお支持体6は記録層3を透過した再生用エネルギー
光線を受けるが、有機色素系記録層の反射率は金属薄膜
層の支持率と比較して著しく低いので、記録層3からの
反射光に支持体6からの反射光が重ならないようにする
ために、透過光線を実質的に反射しないように光吸収性
とすることが必要である。これには支持体6の表面(記
録層3側)にレーザー光線等の記録再生用光線を実質的
に反射しない層を形成するのが好ましい。このような層
は例えば光を吸収するカーボンブラックを練り込んだイ
ンキを塗布したり、カーボンブラックを含有するフィル
ム等を貼付する等して形成することができる。 上記のような構成の光記録媒体において、記録用のエ
ネルギー光線は矢印Aで示す方向に照射され、記録層3
にピットを形成する。記録層3は基板2に密着している
が、有機色素系であるので、ピットの形成は問題なく行
うことができる。 エネルギー光線としては一般に使用されているレーザ
ー光を使用することができる。このようなレーザー光に
対して記録層3の反射率は15〜30%であり、これは透明
薄膜層4を有さない場合に比較して5〜10%程度高くな
っている。またピットが形成された所では下地に光吸収
層があるので、再生時の支持体からの反射光が実質的に
0となる。 〔作用〕 本発明の光記録媒体においては有機色素を含有する記
憶層の次に屈折率の大きな透明薄膜層を設けているの
で、記録層の反射率が約10%程度増大する。この理由は
必ずしも明らかでないが、屈折率の異なるものが界面に
存在することにより、反射率が向上するためであると考
えられる。これにより有機色素系記憶層に特有の低い反
射率の問題を解決することができる。 〔実 施 例〕 本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。 実施例 1 厚さ0.4mmのポリメチルメタクリレート基板上に、銅
フタロシアニン色素のMEK3%溶液を0.1μmの厚さにス
ピンコート法で塗布し、記録層を形成した。この記録層
の表面に真空蒸着法にてZnSの薄膜を形成した。蒸着は
真空度を10-5torrとしてタンタルボード抵抗加熱方式で
ZnSを昇華させ、水晶振動子法で厚さを測定しながら記
録層の表面に真空蒸着することにより行った。得られた
透明薄膜層の厚さは約400Åであった。さらにその上に
2液硬化型ウレタン接着層を介して厚さ0.3mmの塩化ビ
ニル層をラミネートした。 このようにして得られた光記録媒体の記録層の反射率
は20%であった。これに対して、透明薄膜層を有さない
光記録媒体の場合、反射率は約10%しかなかった。 結果を第1表に示す。 実施例 2 ポリメチルメタクリレートを用い、キャスティング成
形法にて、グルーブ深さ0.1μm、ピッチ10μm、幅2
μmのグルーブを付けた0.4mmの基板を作成し、銅フタ
ロシアニン色素のMEK3%溶液を0.1μmの厚さにスピン
コート法で塗布し、記録層を形成した。この表面に実施
例1と同様にして400ÅのSb2O3薄膜を形成し、光カード
を作製した。反射率は透明薄膜層無しの場合10%であっ
たが、透明薄膜層が存在する場合20%となり、SN比が高
くなった。結果を第1表に示す。 〔発明の効果〕 以上の通り本発明の光記録媒体は有機色素を含有する
記録層の次に屈折率の大きな透明薄膜層を積層した構造
を有するので、記録層単独の場合に比較して大きな反射
率を有する。これにより光記録媒体としてのSN比(記録
特性)が向上している。しかも有機色素系の記録層を有
するために、記録層に他層を密着して積層することがで
き、光カード等に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による光記録媒体を示す断面
図である。 1……保護層 2……透明基板 3……記録層 4……透明薄膜層 5……接着層 6……支持体
図である。 1……保護層 2……透明基板 3……記録層 4……透明薄膜層 5……接着層 6……支持体
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.透明基板上に有機色素を含有する記録層と、屈折率
が1.4〜3.0である透明薄膜層と、再生用エネルギー光線
を実質的に反射しない層とが順次積層されていることを
特徴とする光記録媒体。 2.特許請求の範囲第1項に記載の光記録媒体におい
て、前記透明薄膜層が金属の酸化物、硫化物又はハロゲ
ン化物からなることを特徴とする光記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62226139A JP2663123B2 (ja) | 1987-09-09 | 1987-09-09 | 光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62226139A JP2663123B2 (ja) | 1987-09-09 | 1987-09-09 | 光記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6467731A JPS6467731A (en) | 1989-03-14 |
JP2663123B2 true JP2663123B2 (ja) | 1997-10-15 |
Family
ID=16840461
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62226139A Expired - Fee Related JP2663123B2 (ja) | 1987-09-09 | 1987-09-09 | 光記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2663123B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3840301B2 (ja) * | 1996-07-18 | 2006-11-01 | 富士写真フイルム株式会社 | 情報記録媒体 |
-
1987
- 1987-09-09 JP JP62226139A patent/JP2663123B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6467731A (en) | 1989-03-14 |
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