JP2663015B2 - 振動制御用非干渉化装置およびサスペンションの統合制御装置 - Google Patents
振動制御用非干渉化装置およびサスペンションの統合制御装置Info
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- JP2663015B2 JP2663015B2 JP14332589A JP14332589A JP2663015B2 JP 2663015 B2 JP2663015 B2 JP 2663015B2 JP 14332589 A JP14332589 A JP 14332589A JP 14332589 A JP14332589 A JP 14332589A JP 2663015 B2 JP2663015 B2 JP 2663015B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、振動制御用非干渉化装置およびサスペンシ
ョンの統合制御装置に関し、更に詳しくは、操舵系また
は/および駆動・制動系の運動によるロールまたは/お
よびピッチ運動を抑制し、かつ懸架系運動による操舵系
運動への悪影響を抑制する振動制御用非干渉化装置およ
び同時に振動抑制とステア特性の補償を行うサスペンシ
ョンの統合制御装置に関するものである。
ョンの統合制御装置に関し、更に詳しくは、操舵系また
は/および駆動・制動系の運動によるロールまたは/お
よびピッチ運動を抑制し、かつ懸架系運動による操舵系
運動への悪影響を抑制する振動制御用非干渉化装置およ
び同時に振動抑制とステア特性の補償を行うサスペンシ
ョンの統合制御装置に関するものである。
従来より、車両を制御する際に、車両運動における懸
架系と操舵系または/および駆動・制動系との間の相互
干渉が問題とされていた。これは、操舵によって現れる
ロール運動や駆動・制動によって現れるピッチ運動が相
互に干渉しあい、車両の運動性に悪影響が生じ、ドライ
バの乗り心地性を悪化させ、これら相互干渉の防止また
は緩和が望まれていた。
架系と操舵系または/および駆動・制動系との間の相互
干渉が問題とされていた。これは、操舵によって現れる
ロール運動や駆動・制動によって現れるピッチ運動が相
互に干渉しあい、車両の運動性に悪影響が生じ、ドライ
バの乗り心地性を悪化させ、これら相互干渉の防止また
は緩和が望まれていた。
これら問題を解決する方法として、「車両用アクティ
ブサスペンション」(特開昭62−152910号公報)が提案
されている。この車両用アクティブサスペンションは、
第2図に示すように、車両の各車輪と車体との間に設け
られそれぞれに対応する車輪に対し前記車体を支持する
複数個のアクチュエータ1fl,1fr,1rl,1rrと、前記車体
の車幅方向の加速度αyを検出する車幅方向加速度検出
手段19と、前記車体のロール角加速度αrを検出するロ
ール角加速度検出手段20と、前記二つの加速度検出手段
19,20より車幅方向加速度信号αy及びロール角加速度
信号αrを入力され、これらの加速度信号より前記車幅
方向の加速度及び前記ロール角加速度の方向が前記車体
の重心より上方の任意の部分の重心に対する相対移動の
方向のみて同一であるか否かを判断し、前記二つの加速
度の方向が異なる場合には前記車幅方向加速度信号αy
より前記車体の車幅方向の加速に起因する各片側前後車
輪と前記車体との間に作用する荷重の総変動量を算出
し、該算出結果を第一の比率にて前後輪に分配演算し、
前記二つの加速度の方向が同一である場合には前記ロー
ル角加速度信号より前記車体のロール方向の加速に起因
する各片側前後車輪と前記車体との間に作用する荷重の
総変動量を算出し、該算出結果を第二の比率にて前後輪
に分配演算し、前記演算結果に基き各アクチュエータ1f
l,1fr,1rl,1rrを制御し該アクチュエータを介して対応
する車輪と前記車体との間に作用する力を増減する演算
制御手段とからなる。これにより、車体の車幅方向加速
度とロール角加速度とをそれぞれ検出して所定の演算を
行い、該演算結果に応じて車輪と車体間に使用する力を
増減することにより、車体の動揺防止やステア特性の最
適化を図ることができるとしている。
ブサスペンション」(特開昭62−152910号公報)が提案
されている。この車両用アクティブサスペンションは、
第2図に示すように、車両の各車輪と車体との間に設け
られそれぞれに対応する車輪に対し前記車体を支持する
複数個のアクチュエータ1fl,1fr,1rl,1rrと、前記車体
の車幅方向の加速度αyを検出する車幅方向加速度検出
手段19と、前記車体のロール角加速度αrを検出するロ
ール角加速度検出手段20と、前記二つの加速度検出手段
19,20より車幅方向加速度信号αy及びロール角加速度
信号αrを入力され、これらの加速度信号より前記車幅
方向の加速度及び前記ロール角加速度の方向が前記車体
の重心より上方の任意の部分の重心に対する相対移動の
方向のみて同一であるか否かを判断し、前記二つの加速
度の方向が異なる場合には前記車幅方向加速度信号αy
より前記車体の車幅方向の加速に起因する各片側前後車
輪と前記車体との間に作用する荷重の総変動量を算出
し、該算出結果を第一の比率にて前後輪に分配演算し、
前記二つの加速度の方向が同一である場合には前記ロー
ル角加速度信号より前記車体のロール方向の加速に起因
する各片側前後車輪と前記車体との間に作用する荷重の
総変動量を算出し、該算出結果を第二の比率にて前後輪
に分配演算し、前記演算結果に基き各アクチュエータ1f
l,1fr,1rl,1rrを制御し該アクチュエータを介して対応
する車輪と前記車体との間に作用する力を増減する演算
制御手段とからなる。これにより、車体の車幅方向加速
度とロール角加速度とをそれぞれ検出して所定の演算を
行い、該演算結果に応じて車輪と車体間に使用する力を
増減することにより、車体の動揺防止やステア特性の最
適化を図ることができるとしている。
しかしながら、この装置は、制御に用いられる信号が
車幅方向加速度信号αy及びロール角加速度信号αrの
加速度信号であり、該加速度信号はノイズが多く、これ
を除去するフィルタが必要となる。しかし、フィルタの
位相遅れのためにロールおよびピッチを完全に抑制する
ことはできないという問題がある。これは、発生した横
方向加速度が操舵によるものかまたは横風によるものを
判定する方法としてロール角加速度を用いていることか
らも該従来装置がロールの完全な抑制を目的とするもの
でないことが明白である。すなわち、この判定方法はロ
ール運動が生じることを前提としており、これを完全に
抑制することが可能であると仮定すると、ロール角加速
度は零となるため、発生した横加速度が操舵によるもの
かまたは横風によるものかの判定が不可能になる。
車幅方向加速度信号αy及びロール角加速度信号αrの
加速度信号であり、該加速度信号はノイズが多く、これ
を除去するフィルタが必要となる。しかし、フィルタの
位相遅れのためにロールおよびピッチを完全に抑制する
ことはできないという問題がある。これは、発生した横
方向加速度が操舵によるものかまたは横風によるものを
判定する方法としてロール角加速度を用いていることか
らも該従来装置がロールの完全な抑制を目的とするもの
でないことが明白である。すなわち、この判定方法はロ
ール運動が生じることを前提としており、これを完全に
抑制することが可能であると仮定すると、ロール角加速
度は零となるため、発生した横加速度が操舵によるもの
かまたは横風によるものかの判定が不可能になる。
また、横加速度のロール角加速度により判定を行う場
合、定常円旋回の状態では旋回中ロール抑制のため横方
向加速度を操舵によるものとみなす必要がある。このた
め、例えば該旋回中の外側から横風外乱を受けた場合に
は、内側方向にロールが発生し、この場合横方向加速度
も内側方向に増加するため、装置は外輪荷重を増加させ
て内側方向へのロール運動を助長してしまうという問題
がある。
合、定常円旋回の状態では旋回中ロール抑制のため横方
向加速度を操舵によるものとみなす必要がある。このた
め、例えば該旋回中の外側から横風外乱を受けた場合に
は、内側方向にロールが発生し、この場合横方向加速度
も内側方向に増加するため、装置は外輪荷重を増加させ
て内側方向へのロール運動を助長してしまうという問題
がある。
そこで、本発明者らは、上述の如き従来技術の問題点
を解決すべく鋭意研究し、各種の系統的な実験を重ねた
結果、本発明を成すに至ったものである。
を解決すべく鋭意研究し、各種の系統的な実験を重ねた
結果、本発明を成すに至ったものである。
本発明の目的は、懸架系運動と操舵系運動および/ま
たは駆動・制動系運動を非干渉化する振動制御用非干渉
化装置を提供するにある。
たは駆動・制動系運動を非干渉化する振動制御用非干渉
化装置を提供するにある。
また、本発明の他の目的は、非干渉化された懸架系に
振動抑制制御を加えることにより、運動性能と振動乗り
心地制御およびステア特性に優れたサスペンションの統
合制御装置を提供するにある。
振動抑制制御を加えることにより、運動性能と振動乗り
心地制御およびステア特性に優れたサスペンションの統
合制御装置を提供するにある。
ところで、上記従来技術においては、操舵系、駆動・
制動系からの影響であるロール運動およびピッチ運動を
抑制する制御入力として横方向加速度と前後方向加速度
を用いているため、ロール運動およびピッチ運動を完全
に抑制することができず、また横風等の外乱を受けたと
きの制御に不備があるという問題があり、懸架系と操舵
系、駆動・制動系との間の非干渉化を十分実現できなか
った。
制動系からの影響であるロール運動およびピッチ運動を
抑制する制御入力として横方向加速度と前後方向加速度
を用いているため、ロール運動およびピッチ運動を完全
に抑制することができず、また横風等の外乱を受けたと
きの制御に不備があるという問題があり、懸架系と操舵
系、駆動・制動系との間の非干渉化を十分実現できなか
った。
そこで、本発明では、この従来技術の問題点に鑑み、
非干渉化のための制御入力としての水平方向の状態量
を、操舵系運動と駆動・制動系運動が直接的に影響を与
える,前後輪で発生する車体に対する前後方向力および
横方向力とすることにより、上記従来技術の問題点を解
決することに着眼した。すなわち、この水平方向の状態
量により、操舵系または/および駆動・制動系から懸架
系への影響量であるロールモーメントおよびピッチモー
メントを推定し、このモーメントを相殺するとともに、
操舵系の特性を補償するサスペンションの制御力を演算
する。そして、このようなサスペンション制御力を車両
に加えることにより、懸架系と操舵系または/および駆
動・制動系とを非干渉化することにより、前記従来技術
の問題点を克服することが可能となる。
非干渉化のための制御入力としての水平方向の状態量
を、操舵系運動と駆動・制動系運動が直接的に影響を与
える,前後輪で発生する車体に対する前後方向力および
横方向力とすることにより、上記従来技術の問題点を解
決することに着眼した。すなわち、この水平方向の状態
量により、操舵系または/および駆動・制動系から懸架
系への影響量であるロールモーメントおよびピッチモー
メントを推定し、このモーメントを相殺するとともに、
操舵系の特性を補償するサスペンションの制御力を演算
する。そして、このようなサスペンション制御力を車両
に加えることにより、懸架系と操舵系または/および駆
動・制動系とを非干渉化することにより、前記従来技術
の問題点を克服することが可能となる。
また、上記で求めたモーメントを相殺するとともに、
操舵系を所望の特性を満たすように補償するサスペンシ
ョン制御力を演算し、該サスペンション制御力に振動抑
制を目的として水平方向の状態量とは独立した信号であ
る垂直方向の状態量から演算したサスペンション制御力
を加えることにより、前記従来技術の問題点を克服する
ことが可能になるとともに、さらに運動特性と振動乗り
心地性能およびステア特性に優れたサスペンションの統
合制御が可能となる。
操舵系を所望の特性を満たすように補償するサスペンシ
ョン制御力を演算し、該サスペンション制御力に振動抑
制を目的として水平方向の状態量とは独立した信号であ
る垂直方向の状態量から演算したサスペンション制御力
を加えることにより、前記従来技術の問題点を克服する
ことが可能になるとともに、さらに運動特性と振動乗り
心地性能およびステア特性に優れたサスペンションの統
合制御が可能となる。
発明の構成 本第一発明の振動制御用非干渉化装置は、第1図に示
すように、ハンドルの操舵角を検出し,操舵角信号を出
力する操舵角検出手段I1と、車両の操舵系挙動量を検出
し,操舵系挙動量信号を出力する挙動量検出手段II
1と、操舵系運動および駆動・制動系運動が直接的に影
響を与える車両の水平方向の状態量として,前後輪で発
生する車体に対する前後方向力と横方向力を検出し状態
量を出力する状態量検出手段III1と、前記操舵角信号か
ら車両動特性に基づき車両の操舵系挙動量の目標値を演
算し,操舵系目標挙動量信号を出力する目標挙動量演算
手段IV1と、該操舵系目標挙動量信号と前記操舵系挙動
量信号との偏差を演算し,偏差信号を出力する偏差演算
手段V1と、前記状態量信号から車両の状態が懸架系へ及
ぼす影響量を演算し,懸架系影響量信号を出力する懸架
系影響量演算手段VI1と、前記偏差信号と該懸架系影響
量信号とから、ロールやピッチなどの懸架系への影響量
を抑制するとともに操舵系の車両挙動を補償する制御信
号を演算する非干渉化制御信号演算手段VII1とからなる
ことを特徴とする。
すように、ハンドルの操舵角を検出し,操舵角信号を出
力する操舵角検出手段I1と、車両の操舵系挙動量を検出
し,操舵系挙動量信号を出力する挙動量検出手段II
1と、操舵系運動および駆動・制動系運動が直接的に影
響を与える車両の水平方向の状態量として,前後輪で発
生する車体に対する前後方向力と横方向力を検出し状態
量を出力する状態量検出手段III1と、前記操舵角信号か
ら車両動特性に基づき車両の操舵系挙動量の目標値を演
算し,操舵系目標挙動量信号を出力する目標挙動量演算
手段IV1と、該操舵系目標挙動量信号と前記操舵系挙動
量信号との偏差を演算し,偏差信号を出力する偏差演算
手段V1と、前記状態量信号から車両の状態が懸架系へ及
ぼす影響量を演算し,懸架系影響量信号を出力する懸架
系影響量演算手段VI1と、前記偏差信号と該懸架系影響
量信号とから、ロールやピッチなどの懸架系への影響量
を抑制するとともに操舵系の車両挙動を補償する制御信
号を演算する非干渉化制御信号演算手段VII1とからなる
ことを特徴とする。
発明の作用および効果 上記構成よりなる本発明の制動制御用非干渉化装置の
作用は、次の通りである。
作用は、次の通りである。
すなわち、操舵角検出手段I1に於いて、ハンドルにお
ける操舵角を検出して操舵角に相当する電気信号などに
変換する。
ける操舵角を検出して操舵角に相当する電気信号などに
変換する。
また、挙動量演算手段II1において、車両の操作系挙
動量を検出して操舵系挙動量に相当する電気信号などに
変換する。
動量を検出して操舵系挙動量に相当する電気信号などに
変換する。
さらに、状態量検出手段III1において、車両の水平方
向の状態量として、操舵系運動および駆動・制動系運動
が直接的に影響を与える前後輪で発生する車体に対する
前後方向力と横方向力を検出し、水平方向の状態量に相
当する電気信号などに変換する。
向の状態量として、操舵系運動および駆動・制動系運動
が直接的に影響を与える前後輪で発生する車体に対する
前後方向力と横方向力を検出し、水平方向の状態量に相
当する電気信号などに変換する。
次に、目標挙動量演算手段IV1において、前記操舵角
検出手段I1より出力された操舵角信号から車両特性に基
づいた所望の操舵系運動である車両の操舵系挙動量の目
標値を車速に対応する動特性を考慮して積分器を含んだ
電気回路や数値演算などにより算出し、操舵系目標挙動
量信号を出力する。なお、この目標とする車両の操舵系
挙動量は、ドライバが最も操縦し易い動特性や懸架系運
動による影響を受けない線形領域での操舵系運動モデル
などから求められる量である。
検出手段I1より出力された操舵角信号から車両特性に基
づいた所望の操舵系運動である車両の操舵系挙動量の目
標値を車速に対応する動特性を考慮して積分器を含んだ
電気回路や数値演算などにより算出し、操舵系目標挙動
量信号を出力する。なお、この目標とする車両の操舵系
挙動量は、ドライバが最も操縦し易い動特性や懸架系運
動による影響を受けない線形領域での操舵系運動モデル
などから求められる量である。
次いで、偏差演算手段V1において、該操舵角系目標挙
動量信号と前記挙動量演算手段II1より出力された操舵
系挙動量信号との偏差を演算し、操舵系挙動量信号を操
舵系目標挙動信号に漸近させるために必要な偏差信号を
出力する。
動量信号と前記挙動量演算手段II1より出力された操舵
系挙動量信号との偏差を演算し、操舵系挙動量信号を操
舵系目標挙動信号に漸近させるために必要な偏差信号を
出力する。
次に、懸架系影響量演算手段VI1において、前記状態
量検出手段III1より出力された前後方向力と横方向力と
からなる状態量信号から車両の状態が懸架系へ及ぼす影
響量を、すなわち操舵または/および駆動・制動によっ
て生じるロールモーメントまたは/およびピッチモーメ
ントの推定値を車両諸元に基づいて演算し、懸架系影響
量信号を出力する。
量検出手段III1より出力された前後方向力と横方向力と
からなる状態量信号から車両の状態が懸架系へ及ぼす影
響量を、すなわち操舵または/および駆動・制動によっ
て生じるロールモーメントまたは/およびピッチモーメ
ントの推定値を車両諸元に基づいて演算し、懸架系影響
量信号を出力する。
次いで、非干渉化制御信号演算手段VII1において、前
記偏差演算手段V1より出力された偏差信号と該懸架系影
響量演算手段VI1より出力された懸架系影響量信号とか
ら、ロールやピッチなどの懸架系への影響量を抑制する
とともに操舵系の車両挙動を補償する制御信号、すなわ
ち、前記偏差信号を零に漸近させかつロールモーメント
または/およびピッチモーメントを相殺させるために必
要なサスペンション制御力である非干渉化制御信号を車
両のロール運動または/およびピッチ運動モデルに基づ
いて演算し、これを出力する。
記偏差演算手段V1より出力された偏差信号と該懸架系影
響量演算手段VI1より出力された懸架系影響量信号とか
ら、ロールやピッチなどの懸架系への影響量を抑制する
とともに操舵系の車両挙動を補償する制御信号、すなわ
ち、前記偏差信号を零に漸近させかつロールモーメント
または/およびピッチモーメントを相殺させるために必
要なサスペンション制御力である非干渉化制御信号を車
両のロール運動または/およびピッチ運動モデルに基づ
いて演算し、これを出力する。
以上により、本発明の振動制御用非干渉化装置は、操
舵系運動または/および駆動・制動系運動から懸架系運
動への影響量である重心回りのロールモーメントまたは
/およびピッチモーメントを前後輪のタイヤ力から車両
諸元に基づいて推定し、これを相殺するとともに前記偏
差信号を零に漸近させるような各種荷重間の条件を与え
ることによりステア特性を補償するサスペンション制御
力を得ることができる。従って、該装置より出力された
該サスペンション制御力を車両に加えることにより、懸
架系運動と操舵系、または/および駆動・制動系を非干
渉化することができる。
舵系運動または/および駆動・制動系運動から懸架系運
動への影響量である重心回りのロールモーメントまたは
/およびピッチモーメントを前後輪のタイヤ力から車両
諸元に基づいて推定し、これを相殺するとともに前記偏
差信号を零に漸近させるような各種荷重間の条件を与え
ることによりステア特性を補償するサスペンション制御
力を得ることができる。従って、該装置より出力された
該サスペンション制御力を車両に加えることにより、懸
架系運動と操舵系、または/および駆動・制動系を非干
渉化することができる。
このように、本発明の振動制御用非干渉化装置は、操
舵系運動と駆動・制動系運動からの懸架系運動への影響
量として加速度の次元の値であるモーメント力の推定値
を用いているので、位置や速度の次元の値である角度や
角速度の推定値を用いる場合に比較して時間遅れが小さ
く追従性が向上し、精度よく非干渉化を行うことができ
る。
舵系運動と駆動・制動系運動からの懸架系運動への影響
量として加速度の次元の値であるモーメント力の推定値
を用いているので、位置や速度の次元の値である角度や
角速度の推定値を用いる場合に比較して時間遅れが小さ
く追従性が向上し、精度よく非干渉化を行うことができ
る。
また、本発明の振動制御用非干渉化装置は、水平方向
力の状態量として操舵系運動と駆動・制動系運動が直接
的に影響を与える前後輪の前後方向力と横方向力を用い
ているため、横風等の外部環境からの影響のみを精度よ
く非干渉化できる。
力の状態量として操舵系運動と駆動・制動系運動が直接
的に影響を与える前後輪の前後方向力と横方向力を用い
ているため、横風等の外部環境からの影響のみを精度よ
く非干渉化できる。
さらに、本発明の振動制御用非干渉化装置は、目標挙
動量演算手段において、所望の操舵系運動の特性を達成
するための操舵系目標挙動量が操舵角から動特性を考慮
して演算されているので、目標挙動量は急激に変化する
ことがなく、所望の操舵系運動特性が達成するためのス
テア特性変化が滑らかに行われ、大変運転し易い車両制
御を実現することができる。
動量演算手段において、所望の操舵系運動の特性を達成
するための操舵系目標挙動量が操舵角から動特性を考慮
して演算されているので、目標挙動量は急激に変化する
ことがなく、所望の操舵系運動特性が達成するためのス
テア特性変化が滑らかに行われ、大変運転し易い車両制
御を実現することができる。
発明の構成 本第二発明のサスペンションの統合制御装置は、第3
図に示すように、ハンドルの操舵角を検出し,操舵角信
号を出力する操舵角検出手段I2と、車両の操舵系挙動量
を検出し,操舵系挙動量信号を出力する挙動量検出手段
II2と、操舵系運動および駆動・制動系運動が直接的に
影響を与える車両の水平方向の状態量として,前後輪で
発生する車体に対する前後方向力と横方向力を検出し,
該状態量を第1状態量信号として出力する第1状態量検
出手段III2と、車両の垂直方向の状態量を検出し,該状
態量を第2状態量信号として出力する第2状態量検出手
段IX2と、前記第2状態量信号から外力や外乱の影響な
どによりサスペンションに生ずる振動を抑制する制御信
号を算出し,振動抑制制御信号を出力する振動抑制制御
信号演算手段からなる振動系制御信号演算手段X2と、前
記操舵角信号から車両動特性に基づき車両の操舵系挙動
量の目標値を演算して操舵系目標挙動量信号を出力する
目標挙動量演算手段IV2と,該操舵系目標挙動量信号と
前記操舵系挙動量信号との偏差を演算して偏差信号を出
力する偏差演算手段V2と,前記第1状態量信号から車両
の状態が懸架系へ及ぼす影響量を演算して懸架系影響量
信号を出力する懸架系影響量演算手段VI2と,前記偏差
信号と該懸架系影響量信号とからロールやピッチなどの
懸架系への影響量を抑制するとともに操舵系の車両挙動
を補償する制御信号を演算して非干渉化制御信号を出力
する非干渉化制御信号演算手段VII2と,からなる干渉系
制御信号演算手段VIII2と、前記振動抑制制御信号と該
非干渉化制御信号とから統合制御信号を演算し,統合制
御信号を出力する統合制御信号演算手段XI2と、前記統
合制御信号をパワー増幅してその増幅した信号をもとに
パワーを発生する駆動手段XII2と、前記パワー増幅され
た出力に基づきサスペンションの特性を連続的に可変制
御するアクチュエータ手段XIII2とからなることを特徴
とする。
図に示すように、ハンドルの操舵角を検出し,操舵角信
号を出力する操舵角検出手段I2と、車両の操舵系挙動量
を検出し,操舵系挙動量信号を出力する挙動量検出手段
II2と、操舵系運動および駆動・制動系運動が直接的に
影響を与える車両の水平方向の状態量として,前後輪で
発生する車体に対する前後方向力と横方向力を検出し,
該状態量を第1状態量信号として出力する第1状態量検
出手段III2と、車両の垂直方向の状態量を検出し,該状
態量を第2状態量信号として出力する第2状態量検出手
段IX2と、前記第2状態量信号から外力や外乱の影響な
どによりサスペンションに生ずる振動を抑制する制御信
号を算出し,振動抑制制御信号を出力する振動抑制制御
信号演算手段からなる振動系制御信号演算手段X2と、前
記操舵角信号から車両動特性に基づき車両の操舵系挙動
量の目標値を演算して操舵系目標挙動量信号を出力する
目標挙動量演算手段IV2と,該操舵系目標挙動量信号と
前記操舵系挙動量信号との偏差を演算して偏差信号を出
力する偏差演算手段V2と,前記第1状態量信号から車両
の状態が懸架系へ及ぼす影響量を演算して懸架系影響量
信号を出力する懸架系影響量演算手段VI2と,前記偏差
信号と該懸架系影響量信号とからロールやピッチなどの
懸架系への影響量を抑制するとともに操舵系の車両挙動
を補償する制御信号を演算して非干渉化制御信号を出力
する非干渉化制御信号演算手段VII2と,からなる干渉系
制御信号演算手段VIII2と、前記振動抑制制御信号と該
非干渉化制御信号とから統合制御信号を演算し,統合制
御信号を出力する統合制御信号演算手段XI2と、前記統
合制御信号をパワー増幅してその増幅した信号をもとに
パワーを発生する駆動手段XII2と、前記パワー増幅され
た出力に基づきサスペンションの特性を連続的に可変制
御するアクチュエータ手段XIII2とからなることを特徴
とする。
発明の作用および効果 以上構成よりなる本発明のサスペンションの統合制御
装置の作用について、前記第一発明との相違点を中心に
説明すると、以下のようである。
装置の作用について、前記第一発明との相違点を中心に
説明すると、以下のようである。
すなわち、操舵角検出手段I2に於いて、ハンドルにお
ける操舵角を検出して操舵角に相当する電気信号などに
変換する。
ける操舵角を検出して操舵角に相当する電気信号などに
変換する。
また、挙動量演算手段II2において、車両の操舵系挙
動量を検出して操舵系挙動量に相当する電気信号などに
変換する。
動量を検出して操舵系挙動量に相当する電気信号などに
変換する。
さらに、第1状態量検出手段III2において、車両の水
平方向の状態量として、操舵系運動および駆動・制動系
運動が直接的に影響を与える前後輪で発生する車体に対
する前後方向力と横方向力を検出し、水平方向の状態量
に相当する電気信号などに変換する。
平方向の状態量として、操舵系運動および駆動・制動系
運動が直接的に影響を与える前後輪で発生する車体に対
する前後方向力と横方向力を検出し、水平方向の状態量
に相当する電気信号などに変換する。
また、第2状態量検出手段IX2において、第2状態量
信号として車両の垂直方向の状態量を検出し、これに相
当する電気信号などに変換する。
信号として車両の垂直方向の状態量を検出し、これに相
当する電気信号などに変換する。
次に、振動系制御信号演算手段X2に於いて、振動抑制
制御信号演算手段により、前記第2状態量検出手段IX2
より出力された第2状態量信号から外力や外乱の影響な
どによりサスペンションに生ずる振動を抑制し最適な乗
り心地を達成するための制御信号を算出し、振動抑制制
御信号を出力する。
制御信号演算手段により、前記第2状態量検出手段IX2
より出力された第2状態量信号から外力や外乱の影響な
どによりサスペンションに生ずる振動を抑制し最適な乗
り心地を達成するための制御信号を算出し、振動抑制制
御信号を出力する。
次に、干渉系制御信号演算手段VIII2において、先ず
目標挙動量演算手段IV2で、前記操舵角検出手段I2より
出力された操舵角信号から車両動特性に基づき所望の操
舵系運動である車両の操舵系挙動量の目標値を演算して
操舵系目標挙動量を出力し、次いで、偏差演算手段V2に
おいて該操舵系目標挙動量信号と前記挙動量演算手段II
2より出力された操舵系挙動量信号との偏差を演算し、
操舵系挙動量信号を操舵系目標挙動量信号に漸近させる
ために必要な偏差信号を出力する。次いで、懸架系影響
量演算手段VI2において前記第1状態量検出手段III2よ
り出力された前後方向力と横方向力とからなる第1状態
量信号から、車両の状態が懸架系へ及ぼす影響量を演算
して懸架系影響量、すなわち操舵または/および駆動・
制動によって生じるロールモーメントまたは/およびピ
ッチモーメントの推定値を演算し、懸架系影響量信号を
出力する。次いで、非干渉化制御信号演算手段VII2にお
いて前記偏差演算手段V2より出力された偏差信号と該懸
架系影響量演算手段VI2より出力された懸架系影響量信
号とからロールやピッチなどの懸架系への影響量を抑制
するとともに操舵系の車両挙動を補償する制御信号、す
なわち前記偏差信号を零に漸近させ、かつロールモーメ
ントまたは/およびピッチモーメントを相殺させるため
に必要な非干渉化制御信号を演算し、これを出力する。
目標挙動量演算手段IV2で、前記操舵角検出手段I2より
出力された操舵角信号から車両動特性に基づき所望の操
舵系運動である車両の操舵系挙動量の目標値を演算して
操舵系目標挙動量を出力し、次いで、偏差演算手段V2に
おいて該操舵系目標挙動量信号と前記挙動量演算手段II
2より出力された操舵系挙動量信号との偏差を演算し、
操舵系挙動量信号を操舵系目標挙動量信号に漸近させる
ために必要な偏差信号を出力する。次いで、懸架系影響
量演算手段VI2において前記第1状態量検出手段III2よ
り出力された前後方向力と横方向力とからなる第1状態
量信号から、車両の状態が懸架系へ及ぼす影響量を演算
して懸架系影響量、すなわち操舵または/および駆動・
制動によって生じるロールモーメントまたは/およびピ
ッチモーメントの推定値を演算し、懸架系影響量信号を
出力する。次いで、非干渉化制御信号演算手段VII2にお
いて前記偏差演算手段V2より出力された偏差信号と該懸
架系影響量演算手段VI2より出力された懸架系影響量信
号とからロールやピッチなどの懸架系への影響量を抑制
するとともに操舵系の車両挙動を補償する制御信号、す
なわち前記偏差信号を零に漸近させ、かつロールモーメ
ントまたは/およびピッチモーメントを相殺させるため
に必要な非干渉化制御信号を演算し、これを出力する。
次に、統合制御信号演算手段XI2において、前記振動
系制御信号演算手段X2より出力された振動抑制制御信号
と該干渉系制御信号演算手段VIII2より出力された非干
渉化制御信号とから、ロールやピッチなどの懸架系への
影響量を抑制するとともに操舵系の車両挙動を補償し、
かつ路面外乱などによる車両振動を抑制するサスペンシ
ョン制御力である統合制御信号を振動抑制制御信号と非
干渉化制御信号とを各輪毎に加算することにより演算
し、統合制御信号を出力する。
系制御信号演算手段X2より出力された振動抑制制御信号
と該干渉系制御信号演算手段VIII2より出力された非干
渉化制御信号とから、ロールやピッチなどの懸架系への
影響量を抑制するとともに操舵系の車両挙動を補償し、
かつ路面外乱などによる車両振動を抑制するサスペンシ
ョン制御力である統合制御信号を振動抑制制御信号と非
干渉化制御信号とを各輪毎に加算することにより演算
し、統合制御信号を出力する。
次に、駆動手段XII2に於いて、統合制御信号演算手段
XI2より出力された統合制御信号をアクチュエータを駆
動するためのアクチュエータ駆動信号にパワー増幅し、
アクチュエータ手段XIII2に於いて、該アクチュエータ
駆動信号に基づいてアクチュエータを駆動し、サスペン
ションの特性を連続的に可変制御する。
XI2より出力された統合制御信号をアクチュエータを駆
動するためのアクチュエータ駆動信号にパワー増幅し、
アクチュエータ手段XIII2に於いて、該アクチュエータ
駆動信号に基づいてアクチュエータを駆動し、サスペン
ションの特性を連続的に可変制御する。
以上により、本発明のサスペンションの統合制御装置
は、振動を抑制するための振動抑制制御信号が路面に対
して垂直な方向の信号に基づいて演算され、かつ操舵系
または/および駆動・制動系との非干渉化を行うための
非干渉化制御信号が路面に対して水平な方向の信号に基
づいて演算されているので、振動抑制制御信号と非干渉
化制御信号をそれぞれ互いに干渉されない独立した信号
とすることができる。よって、振動抑制制御信号は、非
干渉化の影響を受けにくく、また非干渉化制御信号は路
面からの外乱の影響を受けにくい装置構造とすることが
できる。従って、振動抑制制御と非干渉化制御は独立に
行うことができ、振動抑制制御は路面からの外乱による
振動抑制のみを設計仕様とする制御系設計を行うことが
できる。
は、振動を抑制するための振動抑制制御信号が路面に対
して垂直な方向の信号に基づいて演算され、かつ操舵系
または/および駆動・制動系との非干渉化を行うための
非干渉化制御信号が路面に対して水平な方向の信号に基
づいて演算されているので、振動抑制制御信号と非干渉
化制御信号をそれぞれ互いに干渉されない独立した信号
とすることができる。よって、振動抑制制御信号は、非
干渉化の影響を受けにくく、また非干渉化制御信号は路
面からの外乱の影響を受けにくい装置構造とすることが
できる。従って、振動抑制制御と非干渉化制御は独立に
行うことができ、振動抑制制御は路面からの外乱による
振動抑制のみを設計仕様とする制御系設計を行うことが
できる。
これより、この非干渉化制御により運動性能を保ちな
がら振動抑制制御により振動乗り心地性能を向上するこ
とができる。このように、本発明のサスペンションの統
合制御装置により、運動性能と振動乗り心地性能を両立
させて同時に向上させることができる。
がら振動抑制制御により振動乗り心地性能を向上するこ
とができる。このように、本発明のサスペンションの統
合制御装置により、運動性能と振動乗り心地性能を両立
させて同時に向上させることができる。
また、懸架系と操舵系の制御を同時に実現しようとす
る場合、従来技術のように二つの系の間の非干渉化を行
わずにそれぞれ単独に設計すると、この干渉量が大きい
大舵角の操舵時などでは制御系設計時に用いた従来技術
のモデルと実際の車両挙動との間に大きな変動を生じて
しまい、それぞれどちらも所望の制御を行うことができ
ない。これに対して、本発明の装置では、非干渉化を実
現できることより、懸架系における制動抑制制御は操舵
系、駆動・制動系運動の影響がロールおよびピッチとい
う出力に現れないため、該影響を考慮することなく制動
抑制のための懸架系の設計が自由にできるとともに、操
舵系の運動制御においても操舵系目標挙動量として操舵
系制御における所望の動特性などを設定することによ
り、荷重移動などによるスタビリティファクタ変化とい
う懸架系運動からの影響を有効に利用することで操舵系
の制御効果を向上することができる。また、駆動・制動
系は懸架系の影響を考慮することなく自由に設計するこ
とができる。
る場合、従来技術のように二つの系の間の非干渉化を行
わずにそれぞれ単独に設計すると、この干渉量が大きい
大舵角の操舵時などでは制御系設計時に用いた従来技術
のモデルと実際の車両挙動との間に大きな変動を生じて
しまい、それぞれどちらも所望の制御を行うことができ
ない。これに対して、本発明の装置では、非干渉化を実
現できることより、懸架系における制動抑制制御は操舵
系、駆動・制動系運動の影響がロールおよびピッチとい
う出力に現れないため、該影響を考慮することなく制動
抑制のための懸架系の設計が自由にできるとともに、操
舵系の運動制御においても操舵系目標挙動量として操舵
系制御における所望の動特性などを設定することによ
り、荷重移動などによるスタビリティファクタ変化とい
う懸架系運動からの影響を有効に利用することで操舵系
の制御効果を向上することができる。また、駆動・制動
系は懸架系の影響を考慮することなく自由に設計するこ
とができる。
このように、本発明の装置は、懸架系−操舵系統合制
御系、または/および懸架系−駆動・制動系統合制御系
に用いることにより、懸架系運動と操舵系運動または/
および駆動・制動系運動とが非干渉化されるため、操舵
系運動または/および駆動・制動系運動を閉じた系とし
て従来と同様に単独での設計仕様に基づいて統合的な制
御により、車両の懸架系−操舵系または/および駆動・
制動の統合制御を実現することができる。
御系、または/および懸架系−駆動・制動系統合制御系
に用いることにより、懸架系運動と操舵系運動または/
および駆動・制動系運動とが非干渉化されるため、操舵
系運動または/および駆動・制動系運動を閉じた系とし
て従来と同様に単独での設計仕様に基づいて統合的な制
御により、車両の懸架系−操舵系または/および駆動・
制動の統合制御を実現することができる。
第三発明として、前記第一発明および第二発明におけ
る水平方向の一状態量である前後輪の横方向力の推定値
を算出する方法の一例を、以下に説明する。
る水平方向の一状態量である前後輪の横方向力の推定値
を算出する方法の一例を、以下に説明する。
横方向の車両運動モデル(操舵系運動モデル)を、近
似的に次式で表す。
似的に次式で表す。
これらのラプラス変換を行い、舵角と横方向力の関係
を求める。
を求める。
d3=Cf d10=Cr ただし、sはラプラス変換演算子、Fyf(s),F
yr(s),δf(s),δr(s)はそれぞれFyf,Fyr,
δf,δrのラプラス変換とする。
yr(s),δf(s),δr(s)はそれぞれFyf,Fyr,
δf,δrのラプラス変換とする。
上記(5),(6)式により、動特性を考慮した前後
輪における横方向力の推定値は、前後輪の実舵角と車速
と路面状況によって変化するコーナリングパワーとから
算出することができる。
輪における横方向力の推定値は、前後輪の実舵角と車速
と路面状況によって変化するコーナリングパワーとから
算出することができる。
ここで算出された前後輪の横方向力を推定するための
入力には、路面からの振動の影響や横風等の影響を含ん
だ車両状態量を用いていないため、操舵系、駆動・制動
系からの影響のみを精度よく非干渉化できる。
入力には、路面からの振動の影響や横風等の影響を含ん
だ車両状態量を用いていないため、操舵系、駆動・制動
系からの影響のみを精度よく非干渉化できる。
このように、前後輪の横方向力を推定することによ
り、この横方向力を測定することなく本発明の振動制御
用非干渉化装置およびサスペンションの統合制御装置を
実現することができる。
り、この横方向力を測定することなく本発明の振動制御
用非干渉化装置およびサスペンションの統合制御装置を
実現することができる。
第四発明として、前記第一発明および第二発明におけ
る操舵量目標挙動量の算出の方法の一例を、以下に説明
する。なお、ここでは、操舵系挙動量をヨーレートとし
た例について説明する。
る操舵量目標挙動量の算出の方法の一例を、以下に説明
する。なお、ここでは、操舵系挙動量をヨーレートとし
た例について説明する。
操舵系運動の操舵角からヨーレートまでの伝達関数
を、次式のように一次おくれ系で表す。なお、この伝達
関数は、操舵系の運動制御を考える場合の、ドライバが
操縦し易い操舵系運動である。
を、次式のように一次おくれ系で表す。なお、この伝達
関数は、操舵系の運動制御を考える場合の、ドライバが
操縦し易い操舵系運動である。
ただし、R0(s),δSW(s)は、それぞれヨーレー
ト目標値R0、操舵角δSW(s)のラプラス変換、KR0,T0
は車速等によって変化する正の係数とする。
ト目標値R0、操舵角δSW(s)のラプラス変換、KR0,T0
は車速等によって変化する正の係数とする。
操舵系の運動制御においては、上式が満たされるよう
に実舵角の制御を行うことができるが、これは、本発明
の振動制御用非干渉化装置およびサスペンションの統合
制御装置において目標挙動量として前記(7)式から演
算される目標ヨーレートを用いることによっても可能で
ある。
に実舵角の制御を行うことができるが、これは、本発明
の振動制御用非干渉化装置およびサスペンションの統合
制御装置において目標挙動量として前記(7)式から演
算される目標ヨーレートを用いることによっても可能で
ある。
さらに、制御目標はともに車両挙動が前記(7)式を
満足することであるので、実舵角の制御と本発明の制御
は同時に行うことが可能であり、かつ相乗的な制御効果
を得ることができる。
満足することであるので、実舵角の制御と本発明の制御
は同時に行うことが可能であり、かつ相乗的な制御効果
を得ることができる。
また、前輪操舵車における実舵角からヨーレートまで
の伝達関数は、δr=0として前記(1)式,(2)
式,(3)式,(4)式をラプラス変換することで次式
のように求められる。
の伝達関数は、δr=0として前記(1)式,(2)
式,(3)式,(4)式をラプラス変換することで次式
のように求められる。
ただし、R(s)はヨーレートRのラプラス変換であ
る。
る。
実舵角制御を行わない場合、操舵角からヨーレートま
での伝達関数は、次式となる。
での伝達関数は、次式となる。
ただし、Kgは、ギヤ比の逆数とする。
従って、前記(9)式より算出されるヨーレートを目
標挙動量とすることにより、操舵系運動の動特性から懸
架系運動の影響を受けない、すなわち懸架系と操舵系と
が相互に非干渉化される制御を行うことも可能となる。
標挙動量とすることにより、操舵系運動の動特性から懸
架系運動の影響を受けない、すなわち懸架系と操舵系と
が相互に非干渉化される制御を行うことも可能となる。
〔第五発明の説明〕 第五発明として、前記第一発明および第二発明におけ
る非干渉化制御信号の算出の方法の一例を、以下に説明
する。
る非干渉化制御信号の算出の方法の一例を、以下に説明
する。
四輪アクティブ懸架車のロールおよびピッチ運動の運
動方程式を、近似的に次式で表す。
動方程式を、近似的に次式で表す。
操舵や駆動・制動によるロール、ピッチ運動に与える
影響は、 L=h・(Fyf+Fyr) …(12) M=−h・(Fxf+Fxr) …(13) というロールモーメントLとピッチモーメントMで表さ
れる。
影響は、 L=h・(Fyf+Fyr) …(12) M=−h・(Fxf+Fxr) …(13) というロールモーメントLとピッチモーメントMで表さ
れる。
従って、操舵や駆動・制動によってロールやピッチ運
動を生じさせない、すなわち懸架系と操舵系、駆動・制
動系とを見かけ上非干渉化するには、ロールモーメント
LとピッチモーメントMをui1,Ui2,Ui3,Ui4により相殺
し、前記(10)式、(12)式の右辺を零とすればよい。
動を生じさせない、すなわち懸架系と操舵系、駆動・制
動系とを見かけ上非干渉化するには、ロールモーメント
LとピッチモーメントMをui1,Ui2,Ui3,Ui4により相殺
し、前記(10)式、(12)式の右辺を零とすればよい。
−af・ui1−af・ui2+ar・ui3 +ar・ui4=−M …(15) また、この操舵系、駆動・制動系からの非干渉化によ
って車高を変化させるべきではない。すなわち、操舵時
や駆動・制動時に車体が上下に移動することが望ましく
ないので、次式の条件を加味する。
って車高を変化させるべきではない。すなわち、操舵時
や駆動・制動時に車体が上下に移動することが望ましく
ないので、次式の条件を加味する。
ui1+ui2+ui3+ui4=0 …(16) また、旋回時の各輪の荷重とタイヤ横方向力とは、第
4図に示したような非線形関係を有する。このため、内
外輪の荷重移動が大きいほど内外輪の横方向力の和は小
さくなる。従って、旋回時に発生するロールモーメント
を前輪のサスペンション制御力で相殺する場合、前輪の
内外輪荷重移動は大きくなり、前輪に発生するタイヤ横
方向力は前後輪で相殺する場合と比較して小さく、前輪
と後輪の横方向のバランスは崩れ、操舵系の挙動量であ
るヨーレートは車両を回転させるヨーモーメントが減少
するために減少する。また、逆に後輪で相殺する場合、
ヨーレートは増加する。
4図に示したような非線形関係を有する。このため、内
外輪の荷重移動が大きいほど内外輪の横方向力の和は小
さくなる。従って、旋回時に発生するロールモーメント
を前輪のサスペンション制御力で相殺する場合、前輪の
内外輪荷重移動は大きくなり、前輪に発生するタイヤ横
方向力は前後輪で相殺する場合と比較して小さく、前輪
と後輪の横方向のバランスは崩れ、操舵系の挙動量であ
るヨーレートは車両を回転させるヨーモーメントが減少
するために減少する。また、逆に後輪で相殺する場合、
ヨーレートは増加する。
本発明では、このような性質を利用することにより、
操舵系の動特性の補償を行う。
操舵系の動特性の補償を行う。
すなわち、前輪の内外輪の荷重移動と後輪の内外輪の
荷重移動の差を制御することにより、操舵系の挙動量で
あるヨーレートを目標挙動量である目標ヨーレートに漸
近させることができる。このときの制御則の一例を、次
式に示す。
荷重移動の差を制御することにより、操舵系の挙動量で
あるヨーレートを目標挙動量である目標ヨーレートに漸
近させることができる。このときの制御則の一例を、次
式に示す。
(ui1−ui2)−(Ui3−Ui4)=β …(17) β=α・(R0−R) R0:目標ヨーレート α:正の実数 この制御則を用いることにより、ヨーレートの実測値
が目標値に比べて大きいときには、前輪の内外輪の荷重
移動を大きくすることで前輪の横方向力を減少させ、ヨ
ーレートに実測値を目標値に漸近させることができる。
また、ヨーレートの実測値が目標値に比べて小さいとき
は、後輪の内外輪の荷重移動を大きくすることで後輪の
横方向力を減少させ、ヨーレートの実測値を目標値に漸
近させることができる。
が目標値に比べて大きいときには、前輪の内外輪の荷重
移動を大きくすることで前輪の横方向力を減少させ、ヨ
ーレートに実測値を目標値に漸近させることができる。
また、ヨーレートの実測値が目標値に比べて小さいとき
は、後輪の内外輪の荷重移動を大きくすることで後輪の
横方向力を減少させ、ヨーレートの実測値を目標値に漸
近させることができる。
結局、非干渉化制御信号演算手段としては、前記(1
4)式,(15)式,(16)式,(17)式を満たす非干渉
化制御信号ui1,Ui2,Ui3,Ui4を求めることが目的とな
る。また、これらの式は、次式のように表現される。
4)式,(15)式,(16)式,(17)式を満たす非干渉
化制御信号ui1,Ui2,Ui3,Ui4を求めることが目的とな
る。また、これらの式は、次式のように表現される。
従って、非干渉化制御信号ui1,Ui2,Ui3,Ui4は、次式
の演算により求められる。
の演算により求められる。
このように、非干渉化制御信号ui1,Ui2,Ui3,Ui4は、
−L,−M,α・(R0−R)の線形結合として表現される。
なお、右辺のベクトルの第3行が零であることを考慮す
ると、第5図に示すような構成となる。
−L,−M,α・(R0−R)の線形結合として表現される。
なお、右辺のベクトルの第3行が零であることを考慮す
ると、第5図に示すような構成となる。
ここで、第5図における係数は、車両諸元のみで決定
させるものであるため、予め求めておけば変更する必要
がなく、非干渉化制御信号は比較的容易に求められる。
させるものであるため、予め求めておけば変更する必要
がなく、非干渉化制御信号は比較的容易に求められる。
第六発明として、前記第一発明および第二発明におけ
る非干渉化制御信号の算出の原理の他の例を、前記第五
発明との相違点を中心に以下に説明する。
る非干渉化制御信号の算出の原理の他の例を、前記第五
発明との相違点を中心に以下に説明する。
本第六発明は、操舵系の動特性の補償方法として、前
後の内外輪の荷重移動と後輪の内外輪の荷重移動の比を
制御することにより、操舵系の挙動量であるヨーレート
を目標ヨーレートに漸近させるものである。このときの
制御則の一例を、次式に示す。
後の内外輪の荷重移動と後輪の内外輪の荷重移動の比を
制御することにより、操舵系の挙動量であるヨーレート
を目標ヨーレートに漸近させるものである。このときの
制御則の一例を、次式に示す。
λ=ρK …(20) 〔K=|R|−|R0|〕 (ui1−ui2)−λ・(Ui3−Ui4)=0 …(21) 非干渉化制御信号ui1,Ui2,Ui3,Ui4は、前記(14)
式,(15)式,(16)式と(21)式より演算される。
式,(15)式,(16)式と(21)式より演算される。
また、これらの式は、次式のように表現される。
従って、非干渉化制御信号ui1,Ui2,Ui3,Ui4は、次式
の演算により求められる。
の演算により求められる。
該(23)式の右辺の行列は、λによって変更される係
数行列であり、右辺のベクトルの第3行、第4行が零で
あることを考慮すると、第6図のような構成となる。
数行列であり、右辺のベクトルの第3行、第4行が零で
あることを考慮すると、第6図のような構成となる。
以下に、本発明の実施例を説明する。
第1実施例 本発明の第1実施例のサスペンションの統合制御装置
を、第7図ないし第9図を用いて説明する。
を、第7図ないし第9図を用いて説明する。
本実施例のサスペンションの統合制御装置は、本発明
の振動制御用非干渉化装置およびサスペンションの統合
制御装置に適用したもので、操舵角検出手段I10と、挙
動量検出手段II10と、第1状態量検出手段III10と、目
標挙動量演算手段IV10,偏差演算手段V10,懸架系影響量
演算手段VI10,非干渉化制御信号演算手段VII10とからな
る干渉系制御信号演算手段VIII10と、第2状態量検出手
段IX10、振動系制御信号演算手段X10、統合制御信号演
算手段XI10、駆動手段XII10、およびアクチュエータ手
段XIII10とからなる。
の振動制御用非干渉化装置およびサスペンションの統合
制御装置に適用したもので、操舵角検出手段I10と、挙
動量検出手段II10と、第1状態量検出手段III10と、目
標挙動量演算手段IV10,偏差演算手段V10,懸架系影響量
演算手段VI10,非干渉化制御信号演算手段VII10とからな
る干渉系制御信号演算手段VIII10と、第2状態量検出手
段IX10、振動系制御信号演算手段X10、統合制御信号演
算手段XI10、駆動手段XII10、およびアクチュエータ手
段XIII10とからなる。
操舵角検出手段I10は、ハンドルと同軸上に取りつけ
られた操舵角センサI11からなり、操舵角δSWを表す電
気信号を出力する。
られた操舵角センサI11からなり、操舵角δSWを表す電
気信号を出力する。
挙動量検出手段II10は、車両の重心位置に取りつけら
れたヨーレートセンサII11からなり、該重心位置でのヨ
ーレートRを検出してヨーレートRを表す電気信号を出
力する。
れたヨーレートセンサII11からなり、該重心位置でのヨ
ーレートRを検出してヨーレートRを表す電気信号を出
力する。
第1状態量検出手段III10は、前輪に取りつけられた
タイヤ力計III11と後輪に取りつけられたタイヤ力計III
12とからなり、該タイヤ力計III11において前輪で発生
する車体に対する前後方向力Fxfおよび車体に対する横
方向力Fyfを、タイヤ力計III12において後輪で発生する
車体に対する前後方向力Fxrおよび車体に対する横方向
力Fyrをそれぞれ測定し、それぞれの測定値を表す電気
信号を出力する。
タイヤ力計III11と後輪に取りつけられたタイヤ力計III
12とからなり、該タイヤ力計III11において前輪で発生
する車体に対する前後方向力Fxfおよび車体に対する横
方向力Fyfを、タイヤ力計III12において後輪で発生する
車体に対する前後方向力Fxrおよび車体に対する横方向
力Fyrをそれぞれ測定し、それぞれの測定値を表す電気
信号を出力する。
第2状態量検出手段IX10は、サスペンション変位検出
手段IX11とサスペンション変位速度検出手段IX12とから
なる。サシペンション変位検出手段IX11は、四輪のサス
ペンションに取付けられてサスペンションの変位を測定
し、該変位を表す電子信号に変換して出力する。サスペ
ンション変位速度検出手段IX12は、同じく四輪のサスペ
ンションに取付けられてサスペンションの変位速度を測
定し、該変位速度を表す電気信号に変換して出力する。
手段IX11とサスペンション変位速度検出手段IX12とから
なる。サシペンション変位検出手段IX11は、四輪のサス
ペンションに取付けられてサスペンションの変位を測定
し、該変位を表す電子信号に変換して出力する。サスペ
ンション変位速度検出手段IX12は、同じく四輪のサスペ
ンションに取付けられてサスペンションの変位速度を測
定し、該変位速度を表す電気信号に変換して出力する。
振動系制御信号演算手段X10は、振動抑制制御信号演
算手段X11からなる。該振動抑制制御信号演算手段X
11は、前記サシペンション変位検出手段IX11より出力さ
れた左側前輪サスペンション変位信号z1と右側前輪サス
ペンション変位信号z2、左側後輪サスペンション変位信
号z3および右側後輪サスペンション変位信号z4と、前記
サスペンション変位速度検出手段IX12より出力された左
側前輪サスペンション変位速度信号w1と右側後輪サスペ
ンション変位速度信号w2、左側後輪サスペンション変位
速度信号w3および右側後輪サスペンション変位速度信号
w4とをそれぞれ係数(Gq11〜Gq12,Gq21〜Gq28,Gq31〜G
q38,Gq41〜Gq48)倍する係数器X111〜X118,X121〜X128,
X131〜X138,X141〜X148と、該係数倍された信号を加算
する加算器X15〜X18とからなり、左側前輪振動抑制制御
信号uq1と右側前輪振動抑制制御信号uq2、左側後輪振動
抑制制御信号uq3と右側後輪振動抑制制御信号uq4を演算
する。なお、この演算は、次式に従って演算する。
算手段X11からなる。該振動抑制制御信号演算手段X
11は、前記サシペンション変位検出手段IX11より出力さ
れた左側前輪サスペンション変位信号z1と右側前輪サス
ペンション変位信号z2、左側後輪サスペンション変位信
号z3および右側後輪サスペンション変位信号z4と、前記
サスペンション変位速度検出手段IX12より出力された左
側前輪サスペンション変位速度信号w1と右側後輪サスペ
ンション変位速度信号w2、左側後輪サスペンション変位
速度信号w3および右側後輪サスペンション変位速度信号
w4とをそれぞれ係数(Gq11〜Gq12,Gq21〜Gq28,Gq31〜G
q38,Gq41〜Gq48)倍する係数器X111〜X118,X121〜X128,
X131〜X138,X141〜X148と、該係数倍された信号を加算
する加算器X15〜X18とからなり、左側前輪振動抑制制御
信号uq1と右側前輪振動抑制制御信号uq2、左側後輪振動
抑制制御信号uq3と右側後輪振動抑制制御信号uq4を演算
する。なお、この演算は、次式に従って演算する。
uq1=Gq11・z1+Gq12・z2+Gq13・z3 +GQ14・Z4+Gq15・w1+Gq16・w2 +Gq17・w3+Gq18・w4 …(24) uq2=Gq21・z1+Gq22・z2+Gq23・z3 +Gq24・z4+Gq25・w1+Gq26・w2 +Gq27・w3+Gq28・w4 …(25) uq3=Gq31・z1+Gq32・z2+Gq33・z3 +Gq34・z4+Gq35・w1+Gq36・w2 +Gq37・w3+Gq38・w4 …(26) uq4=Gq41・z1+Gq42・z2+Gq43・z3 +Gq44・z4+Gq45・w1+Gq46・w2 +Gq47・w3+Gq48・w4 …(27) ただし、各ゲインは、振動を抑制するように最適に設
定されている。
定されている。
干渉系制御信号演算手段VIII10は、目標挙動量演算手
段IV10と、偏差演算手段V10、懸架系影響量演算手段VI
10、および非干渉化制御信号演算手段VII10とからな
る。
段IV10と、偏差演算手段V10、懸架系影響量演算手段VI
10、および非干渉化制御信号演算手段VII10とからな
る。
目標挙動量演算手段IV10は、前記操舵角検出手段I10
の操舵角センサI11より出力された操舵角δSWから、車
両動特性を考慮した車両の操舵系挙動量の目標値を演算
する。該目標挙動量演算手段IV10は、入力される信号を
係数(KR0/T0,1/T0)倍する係数器IV111,IV112と、入力
される信号を積分する積分器IV113と、入力される信号
を加算する加算器IV114とからなり、前記(7)式を満
たすヨーレート目標値R0を演算して、該目標値を表す電
気信号を出力する。
の操舵角センサI11より出力された操舵角δSWから、車
両動特性を考慮した車両の操舵系挙動量の目標値を演算
する。該目標挙動量演算手段IV10は、入力される信号を
係数(KR0/T0,1/T0)倍する係数器IV111,IV112と、入力
される信号を積分する積分器IV113と、入力される信号
を加算する加算器IV114とからなり、前記(7)式を満
たすヨーレート目標値R0を演算して、該目標値を表す電
気信号を出力する。
なお、この目標挙動量演算手段IV10の係数器IV111,IV
112のゲイン(KR0/T0,1/T0)は、ゲイン変更手段XIV1に
おいて決定されたゲインに設定されている。このゲイン
は、車速検出手段XV1において検出した車両の重心位置
における車両前後方向速度Uに応じて決定される。この
ゲイン変更手段XIV1は、マイクロコンピュータ210によ
り構成し、以下に述べるフローに従い演算処理が実行さ
れる。この演算処理の基本フローを、第8図に基づいて
説明する。先ず、システム起動時に車速検出手段XV1に
より得られた車速信号UがA/D変換器を介して読み込ま
れる(P1)。次に、予め演算されて記憶された車速に対
応する設定ゲインの中から、読み込まれた車速信号に対
応するゲインがROMより読み込まれる(P2)。次いで、R
OMより読み込まれたゲインが出力され(P3)、に戻
る。
112のゲイン(KR0/T0,1/T0)は、ゲイン変更手段XIV1に
おいて決定されたゲインに設定されている。このゲイン
は、車速検出手段XV1において検出した車両の重心位置
における車両前後方向速度Uに応じて決定される。この
ゲイン変更手段XIV1は、マイクロコンピュータ210によ
り構成し、以下に述べるフローに従い演算処理が実行さ
れる。この演算処理の基本フローを、第8図に基づいて
説明する。先ず、システム起動時に車速検出手段XV1に
より得られた車速信号UがA/D変換器を介して読み込ま
れる(P1)。次に、予め演算されて記憶された車速に対
応する設定ゲインの中から、読み込まれた車速信号に対
応するゲインがROMより読み込まれる(P2)。次いで、R
OMより読み込まれたゲインが出力され(P3)、に戻
る。
偏差演算手段V10は、マイクロコンピュータ220により
構成されており、前記目標挙動量検出手段II10より出力
されたヨーレートRと、前記目標挙動量演算手段IV10よ
り出力されたヨーレート目標値R0に基づき、前記(20)
式に相当する演算により、前輪と後輪の内外輪荷重移動
量の比λを演算する。
構成されており、前記目標挙動量検出手段II10より出力
されたヨーレートRと、前記目標挙動量演算手段IV10よ
り出力されたヨーレート目標値R0に基づき、前記(20)
式に相当する演算により、前輪と後輪の内外輪荷重移動
量の比λを演算する。
懸架系影響量演算手段VI10は、加算器VI11,VI12およ
び係数器VI13,VI14とからなり、前記第1状態量検出手
段III10は、前輪に取りつけられたタイヤ力計III11より
出力された前輪の前後方向力信号Fxfと前輪の横方向力
信号Fyf、後輪の前後方向力信号Fxr、後輪の横方向力信
号Fyrとから、前記(12)式および(13)式に相当する
演算を行い、操舵により発生するロールモーメントLお
よび駆動・制動によって発生するピッチモーメントMの
推定値を算出する。
び係数器VI13,VI14とからなり、前記第1状態量検出手
段III10は、前輪に取りつけられたタイヤ力計III11より
出力された前輪の前後方向力信号Fxfと前輪の横方向力
信号Fyf、後輪の前後方向力信号Fxr、後輪の横方向力信
号Fyrとから、前記(12)式および(13)式に相当する
演算を行い、操舵により発生するロールモーメントLお
よび駆動・制動によって発生するピッチモーメントMの
推定値を算出する。
非干渉化制御信号演算手段VII10は、前記偏差演算手
段V10より出力されたλに対応するゲイン(Gi11,Gi12,G
i13,Gi14,Gi12,Gi22,Gi32,Gi42)を設定した係数器VII
11〜VII14,VII21〜VII24と、加算器と符号反転器VII31
〜VII34とからなり、前記懸架系影響量演算手段VI10よ
り出力されたロールモーメント信号Lおよびピッチモー
メント信号Mより、次式に従って非干渉化制御信号を演
算する。
段V10より出力されたλに対応するゲイン(Gi11,Gi12,G
i13,Gi14,Gi12,Gi22,Gi32,Gi42)を設定した係数器VII
11〜VII14,VII21〜VII24と、加算器と符号反転器VII31
〜VII34とからなり、前記懸架系影響量演算手段VI10よ
り出力されたロールモーメント信号Lおよびピッチモー
メント信号Mより、次式に従って非干渉化制御信号を演
算する。
ui1=−Gi11・L−Gi12・M …(28) ui2=−Gi12・L−Gi22・M …(29) ui3=−Gi13・L−Gi32・M …(30) ui4=−Gi14・L−Gi42・M …(31) なお、前記ゲインは、ゲイン変更手段XVI1により、前
記偏差演算手段V10より出力されたλに対応するゲイン
が設定されている。該ゲイン変更手段XVI1は、前記偏差
演算手段V10と同一のマイクロコンピュータにより構成
され、前記偏差演算手段V10より得られた入力から、前
記(23)式を満たす左側前輪非干渉化制御信号ui1と右
側前輪非干渉化制御信号ui2と左側後輪非干渉化制御信
号ui3と右側後輪非干渉化制御信号ui4を演算するために
必要な前記(23)式右辺の係数行列を求め、非干渉化制
御信号の演算に必要な行列の要素を出力する。前記(2
3)式右辺の逆行列の演算は、数種λについて予め計算
され、各要素はマイクロコンピュータのROMに記憶され
ており、演算されたλに応じて対応する値が読み取られ
る。
記偏差演算手段V10より出力されたλに対応するゲイン
が設定されている。該ゲイン変更手段XVI1は、前記偏差
演算手段V10と同一のマイクロコンピュータにより構成
され、前記偏差演算手段V10より得られた入力から、前
記(23)式を満たす左側前輪非干渉化制御信号ui1と右
側前輪非干渉化制御信号ui2と左側後輪非干渉化制御信
号ui3と右側後輪非干渉化制御信号ui4を演算するために
必要な前記(23)式右辺の係数行列を求め、非干渉化制
御信号の演算に必要な行列の要素を出力する。前記(2
3)式右辺の逆行列の演算は、数種λについて予め計算
され、各要素はマイクロコンピュータのROMに記憶され
ており、演算されたλに応じて対応する値が読み取られ
る。
次に、偏差演算手段V10と非干渉化制御量演算手段VII
10のゲインを設定するゲイン変更手段XVI1の演算処理の
基本フローを、第9図に基づいて説明する。先ず、シス
テムが起動するとヨーレート信号Rとヨーレート目標値
R0がA/D変換器を介して読み込まれる(P11)。次に、P1
1で読み込まれたR,R0から前記(20)式に相当する演算
により、前輪と後輪の内外輪荷重移動の比λが算出され
る(P12)。次いで、P12で演算されたλに対応するゲイ
ンがROMから読み込まれる(P13)。次に、P13で読み込
まれたゲインを出力し(P14)、へ戻る。
10のゲインを設定するゲイン変更手段XVI1の演算処理の
基本フローを、第9図に基づいて説明する。先ず、シス
テムが起動するとヨーレート信号Rとヨーレート目標値
R0がA/D変換器を介して読み込まれる(P11)。次に、P1
1で読み込まれたR,R0から前記(20)式に相当する演算
により、前輪と後輪の内外輪荷重移動の比λが算出され
る(P12)。次いで、P12で演算されたλに対応するゲイ
ンがROMから読み込まれる(P13)。次に、P13で読み込
まれたゲインを出力し(P14)、へ戻る。
統合制御信号演算手段XI10は、加算器XI11〜XI14から
なり、それぞれ各輪における振動抑制制御信号と非干渉
化制御信号を次式のようにそれぞれ加算し、左側前輪統
合制御信号u1と、右側前輪統合制御信号u2、左側後輪統
合制御信号u3、右側後輪統合制御信号u4をそれぞれ算出
する。
なり、それぞれ各輪における振動抑制制御信号と非干渉
化制御信号を次式のようにそれぞれ加算し、左側前輪統
合制御信号u1と、右側前輪統合制御信号u2、左側後輪統
合制御信号u3、右側後輪統合制御信号u4をそれぞれ算出
する。
u1=uq1+ui1 …(32) u2=uq2+ui2 …(33) u3=uq3+ui3 …(34) u4=uq4+ui4 …(35) 駆動手段XII10は、前記統合制御信号演算手段XI10か
ら出力された各輪の統合制御信号を増幅してその増幅し
た信号をもとにパワーを発生する増幅器XII11からな
る。
ら出力された各輪の統合制御信号を増幅してその増幅し
た信号をもとにパワーを発生する増幅器XII11からな
る。
アクチュエータ手段XIII10は、前記駆動手段XII10か
らの出力に基づきサスペンションの制御力を連続的に可
変制御するフォースジェネレータXIII11からなる。
らの出力に基づきサスペンションの制御力を連続的に可
変制御するフォースジェネレータXIII11からなる。
上記構成からなる本実施例の作用及び効果は、以下の
通りである。
通りである。
先ず、振動系制御信号演算手段X10において、第2状
態量検出手段IX10より出力された各輪のサスペンション
変位信号とサスペンション変位速度信号とから、路面外
乱による振動を抑制するための各輪に加えるサスペンシ
ョン制御力である振動抑制制御信号を出力する。
態量検出手段IX10より出力された各輪のサスペンション
変位信号とサスペンション変位速度信号とから、路面外
乱による振動を抑制するための各輪に加えるサスペンシ
ョン制御力である振動抑制制御信号を出力する。
また、干渉系制御信号演算手段VIII10において、懸架
系と操舵系、駆動・制動系との間を非干渉化するための
各輪に加えるサスペンション制御力を表す非干渉制御信
号を出力する。
系と操舵系、駆動・制動系との間を非干渉化するための
各輪に加えるサスペンション制御力を表す非干渉制御信
号を出力する。
すなわち、先ず、操舵角検出手段I10より出力された
操舵角信号δSWが目標挙動量演算手段IV10に入力され、
操舵に対して一次遅れとなるヨーレートを目標挙動量と
して出力する。
操舵角信号δSWが目標挙動量演算手段IV10に入力され、
操舵に対して一次遅れとなるヨーレートを目標挙動量と
して出力する。
次に、挙動量検出手段II10より出力されたヨーレート
の測定値と該目標挙動量演算手段IV10より出力されたヨ
ーレートの目標値から偏差演算手段V10に入力され、こ
れらの信号の偏差が演算され、この偏差を減少させるた
めの四輪のサスペンション力間の条件が算出される。
の測定値と該目標挙動量演算手段IV10より出力されたヨ
ーレートの目標値から偏差演算手段V10に入力され、こ
れらの信号の偏差が演算され、この偏差を減少させるた
めの四輪のサスペンション力間の条件が算出される。
また、前記第1状態量検出手段III10より出力された
前後輪の前後方向力と横方向力の測定値が懸架系影響量
演算手段VI10に入力され、懸架系が操舵系、駆動・制動
系から受ける影響量であるロールモーメントLおよびピ
ッチモーメントMの推定値を算出する。
前後輪の前後方向力と横方向力の測定値が懸架系影響量
演算手段VI10に入力され、懸架系が操舵系、駆動・制動
系から受ける影響量であるロールモーメントLおよびピ
ッチモーメントMの推定値を算出する。
次に、非干渉化制御信号演算手段VII10において、前
記懸架系影響量演算手段VI10より出力されたロールモー
メント信号Lおよびピッチモーメント信号Mが入力さ
れ、これらのモーメントを打ち消すことで操舵系、駆動
制動系からの影響が懸架系の出力であるロール、ピッチ
に現れないようにするとともに、前記偏差演算手段V10
より出力された条件を満たすことで操舵系運動を所望の
ものとする四輪のサスペンション制御力を表す非干渉化
制御信号を出力する。
記懸架系影響量演算手段VI10より出力されたロールモー
メント信号Lおよびピッチモーメント信号Mが入力さ
れ、これらのモーメントを打ち消すことで操舵系、駆動
制動系からの影響が懸架系の出力であるロール、ピッチ
に現れないようにするとともに、前記偏差演算手段V10
より出力された条件を満たすことで操舵系運動を所望の
ものとする四輪のサスペンション制御力を表す非干渉化
制御信号を出力する。
次に、統合制御信号演算手段XI10において、振動系制
御信号演算手段X10より出力された振動抑制制御信号と
非干渉化制御信号演算手段VIII10より出力された非干渉
化制御信号が入力され、各輪毎に加算され、路面からの
振動を抑制し、かつ懸架系を操舵系または/および駆動
・制動系から非干渉化させる四輪のサスペンション制御
力を表す統合制御信号を出力する。
御信号演算手段X10より出力された振動抑制制御信号と
非干渉化制御信号演算手段VIII10より出力された非干渉
化制御信号が入力され、各輪毎に加算され、路面からの
振動を抑制し、かつ懸架系を操舵系または/および駆動
・制動系から非干渉化させる四輪のサスペンション制御
力を表す統合制御信号を出力する。
この統合制御信号は、駆動手段XII10を介してアクチ
ュエータ手段XIII10に入力され、該信号に対応する四輪
のサスペンション制御力が車両に与えられる。
ュエータ手段XIII10に入力され、該信号に対応する四輪
のサスペンション制御力が車両に与えられる。
本実施例の装置は、このようなサスペンション制御力
を車両に与えることにより、次のような効果を奏する。
を車両に与えることにより、次のような効果を奏する。
すなわち、非干渉化制御の効果により車両は操舵時や
駆動・制動におけるロール運動やピッチ運動がなくなる
ので運動性能が向上し、また、振動抑制制御の効果によ
り振動性能および乗り心地性能が向上する。このよう
に、本実施例装置は、運動性能と振動乗り心地性能を同
時に両立させることができるという顕著な効果を奏す
る。
駆動・制動におけるロール運動やピッチ運動がなくなる
ので運動性能が向上し、また、振動抑制制御の効果によ
り振動性能および乗り心地性能が向上する。このよう
に、本実施例装置は、運動性能と振動乗り心地性能を同
時に両立させることができるという顕著な効果を奏す
る。
また、本実施例装置は、干渉系制御信号演算手段VII
10において、操舵系や駆動・制動系からの影響量である
ロールモーメントおよびピッチモーメントは、操舵や駆
動・制動による出力である前後輪の前後方向力と横方向
力とを直接測定し、この値から推定するようになしたの
で、坂路走行や横風外乱等の外部環境からの外乱を受け
ることなく、操舵系、駆動・制動系との非干渉化のみを
精度良く行うことができる。
10において、操舵系や駆動・制動系からの影響量である
ロールモーメントおよびピッチモーメントは、操舵や駆
動・制動による出力である前後輪の前後方向力と横方向
力とを直接測定し、この値から推定するようになしたの
で、坂路走行や横風外乱等の外部環境からの外乱を受け
ることなく、操舵系、駆動・制動系との非干渉化のみを
精度良く行うことができる。
さらに、本実施例の装置は、操舵系目標挙動量として
操舵角に対して一次遅れとなるヨーレートを設定してい
るため、操舵角に対しヨーレートはオーバーシュートな
しでかつ滑らかに追従するため、ドライバにとって大変
運転し易い車両制御が実現できる。
操舵角に対して一次遅れとなるヨーレートを設定してい
るため、操舵角に対しヨーレートはオーバーシュートな
しでかつ滑らかに追従するため、ドライバにとって大変
運転し易い車両制御が実現できる。
第2実施例 本発明の第2実施例のサスペンションの統合制御装置
を、第10図を用いて説明する。
を、第10図を用いて説明する。
本実施例のサスペンションの統合制御装置は、本発明
の振動制御用非干渉装置およびサスペンションの統合制
御装置に適用したもので、第1実施例の第1状態量検出
手段III10におけるタイヤ力計III11,III12をタイヤ力推
定手段に置き換えたものであり、操舵角検出手段I
10と、挙動量検出手段II10と、第1状態量検出手段III
20と、目標挙動量演算手段IV10,偏差演算手段V20,懸架
系影響量演算手段VI10,非干渉化制御信号演算手段VII20
とからなる干渉系制御信号演算手段VIII20と、第2状態
量検出手段IX10、振動系制御信号演算手段X10、統合制
御信号演算手段XI10、駆動手段XII10、およびアクチュ
エータ手段XIII10とからなる。
の振動制御用非干渉装置およびサスペンションの統合制
御装置に適用したもので、第1実施例の第1状態量検出
手段III10におけるタイヤ力計III11,III12をタイヤ力推
定手段に置き換えたものであり、操舵角検出手段I
10と、挙動量検出手段II10と、第1状態量検出手段III
20と、目標挙動量演算手段IV10,偏差演算手段V20,懸架
系影響量演算手段VI10,非干渉化制御信号演算手段VII20
とからなる干渉系制御信号演算手段VIII20と、第2状態
量検出手段IX10、振動系制御信号演算手段X10、統合制
御信号演算手段XI10、駆動手段XII10、およびアクチュ
エータ手段XIII10とからなる。
以下、前記際1実施例との相違点を中心に説明する。
第1状態量検出手段III20は、実舵角センサIII21と、
前輪軸トルクセンサIII22と、後輪軸トルクセンサIII23
と、入力される信号を積分器III251およびIII252と、加
算器III261およびIII262と、係数器III241〜III249から
なる。
前輪軸トルクセンサIII22と、後輪軸トルクセンサIII23
と、入力される信号を積分器III251およびIII252と、加
算器III261およびIII262と、係数器III241〜III249から
なる。
実舵角センサIII21は、前輪実舵角を測定し、前輪実
舵角δfを表す電気信号を出力する。
舵角δfを表す電気信号を出力する。
前輪軸トルクセンサIII22および後輪軸トルクセンサI
II23は、それぞれ前輪軸トルクTfおよび後輪軸トルクTr
を測定し、これらを表す電気信号を出力する。
II23は、それぞれ前輪軸トルクTfおよび後輪軸トルクTr
を測定し、これらを表す電気信号を出力する。
係数器III241〜III249と、積分器III251およびIII252
と、加算器III261およびIII262とからなる回路は、実舵
角センサIII21より得られた実舵角信号δfから前記
(5)式および(6)式に相当する演算を行い前後輪で
発生する横方向力FyfおよびFyrを推定し、また前後輪の
軸トルクセンサIII22およびIII23より得られた前後輪の
軸トルク軸信号TfおよびTrに前後輪のタイヤ有効半径rf
およびrrに相当するゲインを乗ずることにより、前後輪
で発生する前後方向力FxfおよびFXrを推定し、これらの
信号Fxf,Fyr,Fxr,Fyrを出力する。なお、前記(5)式
および(6)式のδrは零として演算する。
と、加算器III261およびIII262とからなる回路は、実舵
角センサIII21より得られた実舵角信号δfから前記
(5)式および(6)式に相当する演算を行い前後輪で
発生する横方向力FyfおよびFyrを推定し、また前後輪の
軸トルクセンサIII22およびIII23より得られた前後輪の
軸トルク軸信号TfおよびTrに前後輪のタイヤ有効半径rf
およびrrに相当するゲインを乗ずることにより、前後輪
で発生する前後方向力FxfおよびFXrを推定し、これらの
信号Fxf,Fyr,Fxr,Fyrを出力する。なお、前記(5)式
および(6)式のδrは零として演算する。
また、この第1状態量検出手段III20の係数器III241
〜III247のゲイン(d1〜d5,d8,d9)は、目標挙動量演算
手段IV10の係数器IV111およびIV112のゲイン(KR0/T0,1
/T0)と同時にゲイン変更手段XIV2において決定された
ゲインに設定されている。このゲインは、車速検出手段
XV1において検出した車両の重心位置における車両前後
方向速度Uに応じて決定される。このゲイン変更手段XI
V2はマイクロコンピュータにより構成し、第1実施例に
おけるゲイン変更手段XIV1と同様のフローに従い演算処
理が実行される。
〜III247のゲイン(d1〜d5,d8,d9)は、目標挙動量演算
手段IV10の係数器IV111およびIV112のゲイン(KR0/T0,1
/T0)と同時にゲイン変更手段XIV2において決定された
ゲインに設定されている。このゲインは、車速検出手段
XV1において検出した車両の重心位置における車両前後
方向速度Uに応じて決定される。このゲイン変更手段XI
V2はマイクロコンピュータにより構成し、第1実施例に
おけるゲイン変更手段XIV1と同様のフローに従い演算処
理が実行される。
偏差演算手段V20は、入力される信号を減算する減算
器V21と、入力される信号を係数(α)倍する係数器V22
とからなり、前記目標挙動量演算手段IV10より出力され
たヨーレート目標値から前記挙動量検出手段II10より出
力されたヨーレート実測値を減算し、得られた結果を正
の実数(α)倍することにより、前輪と後輪の内外輪荷
重移動量の差である偏差信号βを演算し、これを出力す
る。
器V21と、入力される信号を係数(α)倍する係数器V22
とからなり、前記目標挙動量演算手段IV10より出力され
たヨーレート目標値から前記挙動量検出手段II10より出
力されたヨーレート実測値を減算し、得られた結果を正
の実数(α)倍することにより、前輪と後輪の内外輪荷
重移動量の差である偏差信号βを演算し、これを出力す
る。
非干渉化制御信号演算手段VII20は、入力される信号
を係数(Gi11Gi21,Gi31,Gi41,Gi12,Gi22,Gi32,Gi42,G
i14,Gi24,Gi34,Gi44)倍する係数器VII211〜VII222と、
加減算器VII231〜VII234とからなり、前記懸架系影響量
演算手段IV10より出力されたロールモーメント信号Lお
よびピッチモーメント信号Mと、前記偏差演算手段V20
より出力された偏差信号βとから前記(19)式に相当す
る次式に従って演算し、非干渉化制御信号uil,ui2,ui3,
ui4を出力する。
を係数(Gi11Gi21,Gi31,Gi41,Gi12,Gi22,Gi32,Gi42,G
i14,Gi24,Gi34,Gi44)倍する係数器VII211〜VII222と、
加減算器VII231〜VII234とからなり、前記懸架系影響量
演算手段IV10より出力されたロールモーメント信号Lお
よびピッチモーメント信号Mと、前記偏差演算手段V20
より出力された偏差信号βとから前記(19)式に相当す
る次式に従って演算し、非干渉化制御信号uil,ui2,ui3,
ui4を出力する。
uil=−Gi11・L−Gi12・M+Gi14・β …(36) ui2=−Gi21・L−Gi22・M+Gi24・β …(37) ui3=−Gi31・L−Gi32・M+Gi34・β …(38) ui4=−Gi41・L−Gi42・M+Gi44・β …(39) なお、係数器VII211〜VII222の係数(Gi11,Gi21,
Gi31,Gi41,Gi12,Gi22,Gi32,Gi42,Gi14,Gi24,Gi34,
Gi44)は、前記(19)式の右辺の行列の対応する要素が
設定されている。
Gi31,Gi41,Gi12,Gi22,Gi32,Gi42,Gi14,Gi24,Gi34,
Gi44)は、前記(19)式の右辺の行列の対応する要素が
設定されている。
このような非干渉化制御信号ui1,ui2,ui3,ui4を用い
ることにより、本実施例のサスペンション統合制御装置
は、第1実施例同様、操舵系、駆動・制動系と非干渉化
された懸架系が実現され、運動性能が保たれるため、振
動抑制制御において、振動乗り心地性能を唯一の設計仕
様とする制御が可能であり、運動性能と振動乗り心地性
能をともに向上させる装置とすることができる。
ることにより、本実施例のサスペンション統合制御装置
は、第1実施例同様、操舵系、駆動・制動系と非干渉化
された懸架系が実現され、運動性能が保たれるため、振
動抑制制御において、振動乗り心地性能を唯一の設計仕
様とする制御が可能であり、運動性能と振動乗り心地性
能をともに向上させる装置とすることができる。
また、本実施例では、懸架系影響量であるロールモー
メントおよびピッチモーメントを前後輪の軸トルクから
推定し、またピッチモーメントを前後の軸トルクから推
定しており、タイヤ力計を用いないところから、システ
ムが簡素化されるという利点がある。
メントおよびピッチモーメントを前後輪の軸トルクから
推定し、またピッチモーメントを前後の軸トルクから推
定しており、タイヤ力計を用いないところから、システ
ムが簡素化されるという利点がある。
さらに、本実施例では偏差信号として前輪と後輪の内
外輪荷重移動量の差を用いているため、前記(20)式の
複雑な計算を行う必要がなく、かつ前記非干渉化制御信
号演算手段における係数器のゲインを変更する必要がな
いので、前記(20)式の複雑な計算とゲインの変更を行
うためのマイクロコンピュータが不要となり、さらにシ
ステムが簡素化される。
外輪荷重移動量の差を用いているため、前記(20)式の
複雑な計算を行う必要がなく、かつ前記非干渉化制御信
号演算手段における係数器のゲインを変更する必要がな
いので、前記(20)式の複雑な計算とゲインの変更を行
うためのマイクロコンピュータが不要となり、さらにシ
ステムが簡素化される。
第1図は本発明の第一発明の概念を示す概略構成図、第
2図は従来技術を示す概略構成図、第3図は本発明の第
二発明の概念を示す概略構成図、第4図および第5図は
本発明の第五発明を示すもので、第4図は旋回時の各輪
の荷重とタイヤ横方向力の関係を示す線図、第5図はそ
の非干渉化制御信号演算手段を示す概念図、第6図は本
発明の第六発明の非干渉化制御信号演算手段を示す概念
図、第7図ないし第9図は本発明の第1実施例を示し、
第7図はその全体を示すシステム図、第8図は目標挙動
量演算手段を示すフローチャート図、第9図はゲイン変
更手段を示すフローチャート図、第10図は本発明の第2
実施例の全体を示すシステム図である。 I1、I2、I10、I20……操舵角検出手段 II1、II2、II10、II20……挙動量検出手段 III1、III10……状態量検出手段 III2、III20……第1状態量検出手段 IV1、IV2、IV10、IV20……目標挙動量演算手段 V1、V2、V10、V20……偏差演算手段 VI1、VI2、VI10、VI20……懸架系影響量演算手段 VII1、VII2、VII10、VII20……非干渉化制御信号演算手
段 VIII1、VIII10、VIII20……干渉系制御信号演算手段 IX2、IX10……第2状態量検出手段 X2、X10……振動系制御信号演算手段 XI2、XI10……統合制御信号演算手段 XII2、XII10……駆動手段 XIII2、XIII10……アクチュエータ手段
2図は従来技術を示す概略構成図、第3図は本発明の第
二発明の概念を示す概略構成図、第4図および第5図は
本発明の第五発明を示すもので、第4図は旋回時の各輪
の荷重とタイヤ横方向力の関係を示す線図、第5図はそ
の非干渉化制御信号演算手段を示す概念図、第6図は本
発明の第六発明の非干渉化制御信号演算手段を示す概念
図、第7図ないし第9図は本発明の第1実施例を示し、
第7図はその全体を示すシステム図、第8図は目標挙動
量演算手段を示すフローチャート図、第9図はゲイン変
更手段を示すフローチャート図、第10図は本発明の第2
実施例の全体を示すシステム図である。 I1、I2、I10、I20……操舵角検出手段 II1、II2、II10、II20……挙動量検出手段 III1、III10……状態量検出手段 III2、III20……第1状態量検出手段 IV1、IV2、IV10、IV20……目標挙動量演算手段 V1、V2、V10、V20……偏差演算手段 VI1、VI2、VI10、VI20……懸架系影響量演算手段 VII1、VII2、VII10、VII20……非干渉化制御信号演算手
段 VIII1、VIII10、VIII20……干渉系制御信号演算手段 IX2、IX10……第2状態量検出手段 X2、X10……振動系制御信号演算手段 XI2、XI10……統合制御信号演算手段 XII2、XII10……駆動手段 XIII2、XIII10……アクチュエータ手段
Claims (2)
- 【請求項1】ハンドルの操舵角を検出し、操舵角信号を
出力する操舵角検出手段と、 車両の操舵系挙動量を検出し、挙動量信号を出力する挙
動量検出手段と、 操舵系運動および駆動・制動系運動が直接的に影響を与
える車両の水平方向の状態量として、前後輪で発生する
車体に対する前後方向力と横方向力を検出し状態量信号
を出力する状態量検出手段と、 前記操舵角信号から車両動特性に基づき車両の操舵系挙
動量の目標値を演算し、目標挙動量信号を出力する目標
挙動量演算手段と、 該目標挙動量信号と前記挙動量信号との偏差を演算し、
偏差信号を出力する偏差演算手段と、 前記状態量信号から車両の状態が懸架系へ及ぼす影響量
を演算し、懸架系影響量信号を出力する懸架系影響量演
算手段と、 前記偏差信号と該懸架系影響量信号とから、ロールやピ
ッチなどの懸架系への影響量を抑制するとともに操舵系
の車両挙動を補償する制御信号を演算する非干渉化制御
信号演算手段と、 からなることを特徴とする振動制御用非干渉化装置。 - 【請求項2】ハンドルの操舵角を検出し、操舵角信号を
出力する操舵角検出手段と、 車両の操舵系挙動量を検出し、挙動量信号を出力する挙
動量検出手段と、 操舵系運動および駆動・制動系運動が直接的に影響を与
える車両の水平方向の状態量として、前後輪で発生する
車体に対する前後方向力と横方向力を検出し、該状態量
を第1状態量信号として出力する第1状態量検出手段
と、 車両の垂直方向の状態量を検出し、該状態量を第2状態
量信号として出力する第2状態量検出手段と、 前記第2状態量信号から外力や外乱の影響などによりサ
スペンションに生ずる振動を抑制する制御信号を算出
し、振動抑制制御信号を出力する振動抑制制御信号演算
手段からなる振動系制御信号演算手段と、 前記操舵角信号から車両動特性に基づき車両の操舵系挙
動量の目標値を演算し、目標挙動量信号を出力する目標
挙動量演算手段と、 該目標挙動量信号と前記操舵系挙動量信号との偏差を演
算し、偏差信号を出力する偏差演算手段と、 前記第1状態量信号から車両の状態か懸架系へ及ぼす影
響量を演算し、懸架系影響量信号を出力する懸架系影響
量演算手段と、 前記偏差信号と該懸架系影響量信号とから、ロールやピ
ッチなどの懸架系への影響量を抑制するとともに操舵系
の車両挙動を補償する制御信号を演算し、非干渉化制御
信号を出力する非干渉化制御信号演算手段と、 からなる干渉系制御信号演算手段と、 前記振動抑制制御信号と該非干渉化制御信号とから総合
制御信号を演算し、統合制御信号を出力する統合制御信
号演算手段と、 前記統合制御信号をパワー増幅してその増幅した信号を
もとにパワーを発生する駆動手段と、 前記パワー増幅された出力に基づきサスペンションの特
性を連続的に可変制御するアクチュエータ手段と、 からなることを特徴とするサスペンションの統合制御装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14332589A JP2663015B2 (ja) | 1989-06-06 | 1989-06-06 | 振動制御用非干渉化装置およびサスペンションの統合制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14332589A JP2663015B2 (ja) | 1989-06-06 | 1989-06-06 | 振動制御用非干渉化装置およびサスペンションの統合制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0310920A JPH0310920A (ja) | 1991-01-18 |
JP2663015B2 true JP2663015B2 (ja) | 1997-10-15 |
Family
ID=15336165
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14332589A Expired - Lifetime JP2663015B2 (ja) | 1989-06-06 | 1989-06-06 | 振動制御用非干渉化装置およびサスペンションの統合制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2663015B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07119834B2 (ja) * | 1985-11-26 | 1995-12-20 | ウエスチングハウス エレクトリック コ−ポレ−ション | 放射性物質で汚染された表面の汚染物質除去方法 |
US5251542A (en) * | 1993-03-08 | 1993-10-12 | Nippon Sanso Corporation | Heat insulating cooking vessel |
-
1989
- 1989-06-06 JP JP14332589A patent/JP2663015B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0310920A (ja) | 1991-01-18 |
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