JP2662278B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置

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JP2662278B2
JP2662278B2 JP63328553A JP32855388A JP2662278B2 JP 2662278 B2 JP2662278 B2 JP 2662278B2 JP 63328553 A JP63328553 A JP 63328553A JP 32855388 A JP32855388 A JP 32855388A JP 2662278 B2 JP2662278 B2 JP 2662278B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] 〈産業上の利用分野〉 本発明は、弁作動状態切換装置と、可変容量過給機と
を備えるエンジンの制御装置に関する。
〈従来の技術〉 気筒ごとに設けられた吸気弁あるいは排気弁の作動角
及び揚程の少なくともいずれか一方を、主にエンジン回
転速度に対応して変化させることにより、より広い運転
範囲に亘って燃焼室への混合気の充填効率を向上するよ
うにした弁作動状態切換装置を備えた動弁機構が、例え
ば特開昭63−16111号公報等に提案されている。
一方、タービンホイールへ流入する排気ガス通路に於
けるA/Rを、フラップあるいは複数のベーンにより変化
させ、より広い運転範囲に亘って最適な過給圧を高い応
答性をもって得られるようにした可変容量過給機が特開
昭62−282128号公報等に種々提案されている。
このような可変容量過給機によれば、運転状態に対応
した所望の過給圧を比較的任意にかつ的確に制御するこ
とができるので、前記した弁作動状態切換装置とこの可
変容量過給機とを併用することにより、より一層のエン
ジン性能の向上が期待できる。
〈発明が解決しようとする課題〉 ところで、エンジン回転速度に対する出力トルクの特
性は、一般的に山なりの曲線を描くものであり、例えば
2段階に弁作動状態を変化させるエンジンに於ける出力
特性は、言わば山なりの曲線を2つずらして重ねたよう
な形となる。従って、より広いエンジン回転速度範囲に
亘って出力を向上し得る反面、2つの出力トルク特性曲
線の交点にトルクの谷が生ずることを避けることができ
ない。
そこで弁作動状態の変化に対応させて過給機の過給圧
を制御すれば、弁作動状態の変化によって生ずるトルク
の谷を好適に補完することができるものと考えられる。
しかしながら実際には、弁作動状態を変化させることに
よる出力変化に過給圧を追従させることは容易なことで
はない。
このような知見に鑑み、本発明の主な目的は、弁作動
状態切換装置と可変容量過給機とを併用した上でのより
一層の性能向上を企図し得るエンジンの制御装置を提供
することにある。
[発明の構成] 〈課題を解決するための手段〉 このような目的は、本発明によれば、吸気弁と排気弁
との少なくともいずれか一方の弁作動状態を可変するた
めの切換装置と、可変容量過給機と、エンジン回転速度
を含むエンジンの運転状態に対応して前記切換装置を切
換作動すると共にエンジン回転速度を含むエンジンの運
転状態に対応した基本過給圧制御量に基づいて前記過給
機の過給容量を可変するための制御手段とを有するエン
ジンの制御装置であって、スロットル弁開度が所定値を
超える状態であっても前記切換装置が低速運転域に対応
した状態の時は、過給圧の変化率およびエンジン回転速
度に応じて前記基本過給圧制御量を補正した値に基づい
て前記過給容量をオープンループ制御し、スロットル弁
開度が所定値以上であり且つ前記切換装置が高速運転域
に対応した状態の時は、フィードバック制御開始判別過
給圧と実過給圧とを比較すると共に過給圧変化率が所定
値以下であることを確認した上でフィードバック制御開
始の判断を下すようにしてなることを特徴とするエンジ
ンの制御装置を提供することにより達成される。
〈作用〉 低速運転域は、一般に過渡的な運転状態となることが
多いので、弁作動状態が低速運転域に適したものである
場合は、エンジン回転速度や負荷の変化に対するエンジ
ン出力の変動が比較的急峻となりがちである。そこで低
速運転域においては、専ら基本過給圧制御量に基づくオ
ープンループ制御によって過給圧を制御することによ
り、より一層高い過給圧の追従性を安定的に得ることが
できる。そして低速運転域に比してエンジン回転速度や
負荷の変化に対するエンジン出力の変動が比較的緩やか
な高負荷運転域に適した弁作動状態においては、過給圧
をフィードバック制御することにより、ノッキングの発
生を回避したエンジン出力の最適制御を高精度にかつ安
定的に実行することが可能となる。またオープンループ
制御からフィードバック制御への移行段階においては、
過給圧変化率を判断基準に加えることにより、ハンチン
グを生ずることなくフィードバック制御への円滑な移行
が達成される。
〈実施例〉 以下に添付の図面を参照して本発明を特定の実施例に
ついて詳細に説明する。
第1図は、本発明が適用されるエンジンの吸気系及び
排気系の全体的な構成を示している。例えば、直列4気
筒エンジンからなるエンジン本体1に於ける各気筒の吸
気ポート2に接続された吸気マニホールド3には、吸気
管4、スロットルボディ5、インタクーラー6、可変容
量ターボチャージャ7のコンプレッサ部8、及びエアク
リーナ9が、この順で接続されている。また、各気筒の
排気ポート10に接続された排気マニホールド11には、可
変容量ターボチャージャ7のタービン部12及び触媒コン
バータ13が接続されている。
各気筒の燃焼室への混合気の吸入及び燃焼ガスの排出
を制御するための動弁機構14は、エンジン本体1にて駆
動されるオイルポンプ15が発生する油圧を電磁弁16及び
切換制御弁17を介して制御することにより、そのバルブ
タイミングを段階的に可変し得るようにされている。
可変容量ターボチャージャ7は、コンプレッサ直下流
の過給圧P2、あるいはスロットル弁直下流の吸気負圧PB
により駆動されるアクチュエータ18をもって、タービン
部12への排気ガス流路断面積を連続的に変化させ、これ
によりコンプレッサの過給容量を連続可変する形式であ
る。そしてこのターボチャージャ7は、エンジン本体1
にて駆動されるウォータポンプ19により、エンジン冷却
水とは別系統のラジエータ20を介して還流する冷却水を
もって、インタクーラ6と共に冷却される。
一方、このエンジン1は、燃料噴射量、バルブタイミ
ング、及び過給圧を電子制御回路21にて可変制御するよ
うに構成されている。
電子制御回路21には、切換制御弁17に設けられた常時
閉型の油圧スイッチ22からの油圧信号OP、排気マニホー
ルド11に設けられた酸素濃度センサ23からのO2信号、エ
ンジン回転センサ24からの回転速度信号NE、エンジン本
体1のウォータジャケットに設けられた冷却水温センサ
25からの水温信号TW、自動変速機26のシフトポジション
に於けるパーキング及びニュートラル信号P・N、スロ
ットルボディ5下流側の吸気通路4aに設けられた吸気温
センサ27からの吸気温信号TA及び吸気圧センサ28からの
吸気圧信号PB、スロットル弁開度センサ29からの弁開度
信号θTH、コンプレッサ下流側の吸気通路4bに設けられ
た過給圧センサ30からの過給圧信号P2、エアクリーナ9
とターボチャージャ7のコンプレッサ8との間の吸気通
路4cに設けられた大気圧センサ31からの大気圧信号PA
び車速センサ32からの走行速度信号Vがそれぞれ入力さ
れる。そしてこれらの各入力信号に基づき、バルブタイ
ミングを切り換えるための電磁弁16、吸気ポート2に燃
料を噴射するための燃料噴射弁33、及び過給容量を変化
させるアクチュエータ18を駆動するための過給圧P2及び
吸気負圧PBをそれぞれ制御する電磁弁34・35の動作が、
電子制御回路21からの出力信号によりそれぞれ制御され
る。
次に第2図を参照して動弁機構14について説明する。
本発明を適用したエンジンは、吸気弁と排気弁とがそ
れぞれ別個のカムシャフトにて駆動される所謂DOHC型エ
ンジンであり、各気筒にそれぞれ2個の吸気弁と排気弁
とを備えているが、両弁は基本的に同様の構成を有する
ので、以下吸気側の動弁機構のみについて説明する。
シリンダヘッドに固定されたロッカシャフト40には、
各シリンダ毎に3個のロッカアーム41・42・43が、隣接
して揺動自在に、かつ互いに相対角変位可能に枢支され
ている。これらロッカアーム41・42・43の上方には、シ
リンダヘッドに形成されたカムジャーナル44により、回
転自在にカムシャフト45が支持されている。
カムシャフト45には、作動角及びリフト量の小さい一
対の低速用カム46a・46bと、作動角及びリフト量の大き
い単一の高速用カム47とが一体的に形成されている。そ
してカムシャフト45の上方には、カムシャフト45及びカ
ムとロッカアームとの摺接面を潤滑するための2つの給
油管48・49が配設されている。また、低速用カム46a・4
6bに摺接する第1及び第2ロッカアーム41・42の遊端部
には、常時閉弁方向に弾発付勢された一対の吸気弁50a
・50bに於けるバルブステムの上端が当接している。他
方、第1及び第2ロッカアーム41・42の間に配置され、
かつ高速用カム47に摺接する第3ロッカアーム43は、そ
の下端部に図示されないロストモーションスプリングが
当接しており、これにより常時上向きに付勢力を与えら
れている。
互いに隣接する第1〜第3ロッカアーム41〜43の内部
には、連結切換装置51が内蔵されている。この連結切換
装置51は、各ロッカアームに内設されたガイド孔と、こ
れらに摺合する切換ピンとからなっている。
第1ロッカアーム41には、第3ロッカアーム43側に開
口する有底の第1ガイド孔52が、ロッカシャフト40と平
行に穿設され、かつこの第1ガイド孔52には、第1切換
ピン53が摺合している。第1ガイド孔52の底部には、油
圧室54が郭定されており、この油圧室54は、第1ロッカ
アーム41に内設された油路55及び中空をなすロッカシャ
フト40の周上に開設された給油孔56を介し、ロッカシャ
フト40内部に設けられた給油路57に連通している。
第3ロッカアーム43には、そのカムスリッパが高速用
カム47のベース円に摺接する静止位置に於いて第1ガイ
ド孔52と同心をなす同径の第2ガイド孔58が、ロッカシ
ャフト40と平行に貫設され、かつ一端を第1切換ピン53
に当接させた第2切換ピン59がその内部に摺合してい
る。
第2ロッカアーム42には、同様にして有底の第3ガイ
ド孔60が穿設され、かつ一端を第2切換ピン59の他端に
当接させたストッパピン61がその内部に摺合している。
ストッパピン61は、第3ガイド孔60の底部に嵌着され
たガイドスリーブ62にその軸部63を嵌入させ、かつ常時
リターンスプリング64によって第3ロッカアーム43側へ
弾発付勢されている。
これら第1・第2切換ピン53・59を、油圧室54に導入
する油圧とリターンスプリング64の付勢力との作用をも
って第2図に於ける左右方向へ移動させることにより、
第2図に示す各ロッカアーム41〜43が別個に揺動し得る
状態と、各切換ピン53・59が互いに隣り合うロッカアー
ム間に跨がることにより、各ロッカアーム41〜43が一体
的に連結されて両吸気弁50a・50bを同時に開弁駆動し得
る状態とを選択的に切換えることができる。
ロッカシャフト40に内設された給油路57の下流には、
前記した給油管のうちの高速潤滑油用給油管49が接続さ
れている。この高速潤滑油用給油管49には、高速用カム
47に対応する位置に潤滑油をシャワー式に噴射するため
の噴出孔65が設けられている。
また、他方の低速潤滑油用給油管48は、オイルギャラ
リから分岐された潤滑油路66に接続されている。この低
速潤滑油用給油管48には、各カム46a・46b・47に対応す
る位置に潤滑油をシャワー式に噴射するための噴出孔67
が設けられると共に、油路68を介してカムジャーナル44
へも潤滑油を供給するようにされている。
一方、前記した切換制御弁17は、シリンダヘッドに取
付けられており、前記した制御信号にて開閉制御される
電磁弁16を介して供給される油圧をもって開弁駆動され
ると共に、リターンスプリング69にて常時閉位置に弾発
付勢されたスプール弁70を内蔵している。
このスプール弁70が上方の閉位置にある時(第2図に
示す状態)には、オイルフィルタ71を介して潤滑油路66
に連なる流入ポート72とロッカシャフト40内の給油路57
に連なる流出ポート73とが、オリフィス孔74のみを介し
て連通する。と同時に、シリンダヘッドの上部空間内に
開口するドレンポート75に流出ポート73が連通し、給油
路57の油圧は低くなっている。従って給油路57には油圧
が供給されず、各ピン53・59はリターンスプリング64に
より油圧室54側に付勢された位置にあり、各ロッカアー
ムが対応するカムにより別個に駆動され、互いに相対角
変位する。この場合、オイルポンプ15によりオイルパン
76からオイルギャラリに供給されたオイルは、潤滑油路
66を介して低速潤滑油用給油管48に供給され、上記した
ように各カムと対応するロッカアームとの摺接面及びカ
ムジャーナル44を潤滑する。
スプール弁70が下方の開位置に切り換えられた際に
は、流入ポート72と流出ポート73とがスプール弁70の環
状溝77を介して連通すると共に、流出ポート73とドレン
ポート75との連通が断たれ、潤滑油路66から給油路57に
オイルが圧送される。これにより第1ロッカアーム41の
油圧室54に作動油圧が供給されると、第1及び第2切換
ピン53・59がリターンスプリング64の付勢力に抗して第
2ガイド孔58及び第3ガイド孔60にそれぞれ嵌合し、各
ロッカアーム41〜43が一体的に連結される。このとき給
油路57に供給されたオイルは、各気筒の連結切換装置51
を作動させると共に、給油路57下流端を経て高速潤滑油
用給油管49内に供給され、高速用カム47と第3ロッカア
ーム43との摺接面を潤滑する。
上記したスプール弁70は、流入ポート72から分岐した
パイロット油路78を介してスプール弁70の上端側に入力
されるパイロット圧により、リターンスプリング69の付
勢力に抗して開位置に切換えられる。前記した常時閉型
の電磁弁16は、このパイロット油路78に介設されてお
り、この電磁弁16のソレノイドへの通電を電子制御回路
21からの出力信号により制御し、電磁弁16を開弁すると
スプール弁70が開位置に切換えられてバルブタイミング
が上記のように高速バルブタイミングに切換えられ、電
磁弁16を閉弁するとスプール弁70が閉位置に切換えられ
てバルブタイミングが低速バルブタイミングに切換えら
れる。
尚、スプール弁70の切換え動作は、切換制御弁17のハ
ウジングに設けられた、流出ポート73の油圧を検出して
低圧時にオン、高圧時にオフする油圧スイッチ22により
確認される。
次に第3図を参照して可変容量ターボチャージャ7に
ついて説明する。このターボチャージャ7は、コンプレ
ッサ部8については基本的に公知形式のターボチャージ
ャと何ら変わるところはないので、特にタービン部12の
みについて説明する。
ターボチャージャ7のタービンケーシング80は、下流
に向けてその断面積が漸減する環状のスクロール通路81
を有し、その接線方向に排気ガスの流入口82が開口して
いる。そしてスクロール通路81の中心位置には、コンプ
レッサ軸と同軸をなすタービン軸の軸端に一体的に取付
けられたタービンホイール83が配設されている。
スクロール通路81内には、部分円弧状をなす4個の固
定ベーン84が、タービンホイール83と同心の円周上に等
幅かつ等間隔でタービンケーシング80と一体的に形成さ
れている。これら固定ベーン84により、スクロール通路
81は、外周路85と内周路86とに区画されている。
互いに隣接する固定ベーン84間には、固定ベーン84と
略同一曲率の部分円弧状をなす4個の可動ベーン87が、
固定ベーン84と同一円周上に配置されている。これら可
動ベーン87は、それぞれが対応する固定ベーン84の一方
の円周方向端部に隣接する位置に、前記した円周の内側
のみに傾動し得るように枢支されており、全閉状態に於
いて両ベーン84・87が略連続した翼形を形成するように
されている。そして可動ベーン87の傾斜角度は、後記す
る可動ベーン駆動制御装置によって連続的に可変制御さ
れる。
可動ベーン駆動制御装置は、可動ベーン87の枢軸88か
ら一体的に延出されたレバー部材89と、2つのレバー部
材89の遊端に係合すべくスリット90をその両端に切設し
てなり、かつ揺動自在に枢支された一対のシーソー部材
91と、各シーソー部材91の枢軸92にその一端を連結さ
れ、かつその他端を1個のリンクロッド93に連結された
一対のリンクアーム94と、可動ベーン87の駆動源として
のアクチュエータ18とからなっている。このアクチュエ
ータ18は、流体圧をもって軸線方向に往復運動する駆動
軸95を有し、駆動軸95は、連結軸96を介してリンクロッ
ド93に連結されている。
上記リンク機構は、駆動軸95と連結軸96とがボールジ
ョイント97を介し、また連結軸96とリンクロッド93とが
クレビスジョイント98を介してそれぞれ連結されてお
り、アクチュエータ18からの駆動力をリンクアーム94に
対して円滑に伝達し得るようにされている。また、駆動
軸95のストロークを規定することをもって可動ベーン87
の全開位置を規定するために、タービンケーシング80に
一体的に設けられたブラケット99に螺着された調節ボル
ト100に当接するストッパ101が連結軸96に固着されてい
る。
アクチュエータ18は、有底筒状のケーシング102と、
この開口端にかしめられたカバー103との間にダイヤフ
ラム104を挾持してなり、このダイヤフラム104により、
負圧室105と正圧室106とをその内部に郭定している。
ダイヤフラム104の中心部には、リテーナ107・108を
介して駆動軸95の他端が固着されている。そして負圧室
105側のリテーナ107とケーシング102底壁との間には、
圧縮コイルばね109が挾設されており、ダイヤフラム104
及び駆動軸95を常時カバー103の側、即ち第3図に於け
る右向きに弾発付勢している。
駆動軸95は、ケーシング102の底壁中心部にて摺動自
在に支持されている。そしてこの駆動軸95のケーシング
102底壁からの突出部は、フッ素系樹脂からなる円筒部
材を内外から環状に切込むことにより形成された柔軟で
あってしかも摩擦の伴わない形式のものからなるベロー
ズ110にて密封されている。また、負圧室105とベローズ
110の内部とは、通孔111を介して連通している。
ケーシング102には、負圧室105を外部に連通させるた
めの負圧導入口112が形成されている。またカバー103に
は、正圧室106を外部に連通させるための正圧導入口113
が形成されている。
このアクチュエータ18に於いては、正圧導入口113か
ら正圧室106に向けて正圧が導入されると、圧縮コイル
ばね109の付勢力に抗して第3図に於ける左向きにダイ
ヤフラム104が押圧され、これに伴い駆動軸95が左向き
に駆動される。また、負圧導入口112から負圧室105に負
圧が導入されると、同じくダイヤフラム104を介して駆
動軸95が左向きに駆動される。即ち、吸気負圧PBが高い
スロットル弁の低開度域では、駆動軸95を押出す方向に
アクチュエータ18が作動する。これによりリンクロッド
93が第3図に於ける左方へ変位し、リンクアーム94が枢
軸92を中心としてシーソー部材91を時計方向に回転さ
せ、両端のスリット90に係合するレバー部材89を介して
枢軸88を中心として可動ベーン87を内向きに駆動する。
このように可動ベーン87を開くことにより、固定ベーン
84の前縁部と可動ベーン87の後縁部とのラップ部分に郭
定されるノズルの間隙GNが最大となる所謂大容量状態が
形成される(第3図に想像線で示す状態)。
ここで前記した負圧制御用の電磁弁35を制御して負圧
室105への吸気負圧PBを断つと、負圧室105内の負圧が低
下してコイルばね109の付勢力により駆動軸95が引込ま
れる。するとリンクロッド93が第3図に於ける右方へ変
位し、リンクアーム94が枢軸92を中心としてシーソー部
材91を反時計方向に回転させ、両端のスリット90に係合
するレバー部材89を介して枢軸88を中心として可動ベー
ン87を外向きに駆動する(第3図に実線で示す状態)。
このように可動ベーン87を閉じることにより、固定ベー
ン84の前縁部と可動ベーン87の後縁部とのラップ部分に
郭定されるノズルの間隙GNが最少となる所謂小容量状態
が形成される。従って、排気ガス流が最大限に絞られて
加速され、内周路86内で旋回流となってタービンホイー
ル83を駆動するので、エンジン低速域に於ける過給効果
が確保される。
エンジン回転速度が増大して過給効果が十分になる
と、正圧制御用の電磁弁34を制御して正圧室106に過給
圧P2を導入する。これにより、アクチュエータ18は駆動
軸95を押し出す方向に作動し、リンクアーム94が上記と
は逆方向に傾動してシーソー部材91を時計方向に回転さ
せ、レバー部材89を介して可動ベーン81を内向きに傾動
させる。このようにして、ノズルの間隙GNを拡大させる
ことにより、排気流が増速されずかつ流路抵抗が少なく
なり、エンジンに対する排気背圧を小さくすることがで
きる。
尚、本実施例に於いては、主に正圧制御用電磁弁34に
て可動ベーン81の開度制御を行なうものとしているが、
場合によっては負圧制御用電磁弁35を併用しても良い。
次に、バルブタイミング切換用の電磁弁16を制御すべ
く電子制御回路21に組込まれた制御プログラムについて
主に第4a図を参照して説明する。
第1ステップ201にて、始動モードであるか否か、即
ちエンジンがクランキング中であるか否かを判別する。
ここでクランキング中であれば、第2ステップ202にて
エンジン始動後経過時間TDST(例えば5秒)をセット
し、始動後計時動作の開始準備を行なう。次いで第3ス
テップ203にて電磁弁16に開弁指令を発し、低速バルブ
タイミング運転を選択する。そして第4ステップ204に
て高速バルブタイミング運転への切換動作後の経過時間
TDHVT(例えば0.1秒)をセットし、切換動作後のディレ
ータイム計時動作準備を行なう。次いで第5ステップ20
5にて、燃料噴射制御ルーチンで使用する基本燃料噴射
量マップ及び点火時期マップとして、それぞれ低速バル
ブタイミング運転のそれに対応するマップTIL・θIGL
選択し、第6ステップ206にて燃料カットを行なうため
のレブリミッタ値NHFCを低速バルブタイミング運転に対
応した値NHFCLに設定する。
ところで、燃料噴射量TOUTは、基本燃料噴射量をT1
補正係数をK1、定数項をK2とすると、次式で与えられ
る。
TOUT=K1TI+K2 ただしK1には、吸気温TAや冷却水温TWが低い時に燃料
を増量する吸気温補正係数KTAや水温補正係数KTW、エン
ジン回転速度NE、吸気負圧PB、スロットル開度θTHによ
り規定される所定の高負荷領域で燃料を増量する高負荷
増量係数KWOT、比較的低回転域(例えば4000RPM)のO2
フィードバック領域に於ける空燃比の理論空燃比からの
偏差を補正するフィードバック補正係数KO2等が含ま
れ、またK2には、加速時に燃料を増量する加速増量定数
等が含まれる。
基本燃料噴射量TIは、エンジン回転速度NEと吸気負圧
PBとで規定される各運転状態に於けるシリンダへの吸入
空気量に合せて吸入混合気が理論空燃比に近い目標空燃
比になるように実験値に基づいて設定されるもので、こ
のTIマップとして、低速バルブタイミング運転用のTIL
マップと、高速バルブタイミング運転用のTIHマップと
の2セットが、電子制御回路21に記憶させてある。
また、バルブの開弁期間が短くなるほどバルブの開弁
動作時に於けるバルブ加速度が増大し、タイミングベル
トに作用する負荷が増大する。と同時に、バルブ加速度
の増大により、バルブジャンプを生ずるエンジン回転速
度NEが低くなる。従って、開弁期間が互いに異なる低速
バルブタイミングと高速バルブタイミングとでは、許容
回転速度も異なることとなり、本実施例に於いては、低
速バルブタイミング運転時のレブリミッタ値NHFCLを比
較的低い値(例えば7500RPM)に、また高速バルブタイ
ミング運転時のレブリミッタ値NHFCHを比較的高い値
(例えば8100RPM)にそれぞれ設定している。
一方、第1ステップ201にてクランキング中でない、
即ち既にエンジンが運転状態にあると判断された場合に
は、第7ステップ207にて電子制御回路21に対して各種
センサからの信号が正常に入力されているか否か、即ち
フェールセーフすべきか否かを判別する。ここでフェー
ルセーフ中でない、即ち正常状態にあると判断された場
合には、第8ステップ208にて第2ステップ202でセット
された始動後経過時間TDSTの残り時間を判別する。そし
て残り時間が0でない場合には第3ステップ203へ進
み、0の場合には第9ステップ209にて冷却水温TWが設
定温度TW1(例えば60℃)より低いか否か、即ち暖気が
完了したか否かを判別する。ここでTW<TW1と判定され
た場合には第3ステップ203へ進み、TW≧TW1の場合に
は、第10ステップ210にて車速Vが極低速の設定車速V1
(ヒステリシスを含み例えば8〜5km/h)以下であるか
否かを判別する。ここでV<V1である場合には第3ステ
ップ203へ進み、V≧V1である合には第1ステップ211に
て手動変速機車MTであるか否かを判別する。
ここまでの動作をまとめると、始動前、クランキング
中、起動直後、暖機完了以前、停止あるいは徐行状態で
あれば、無条件で低速バルブタイミング運転に設定さ
れ、と同時に、これに対応した燃料噴射制御に設定され
る。このことは、即ち、冷機時に於ける潤滑油の粘性に
よる連結切換装置51の作動不良、あるいは不整燃焼の発
生を防止するための措置である。
第11ステップ211にて手動変速機車でない、即ち自動
変速機車ATであると判断された場合には、第12ステップ
212にてシフトポジションがパーキングPあるいはニュ
ートラルNレンジであるか否かを判別し、P・Nレンジ
である場合には、第13ステップ213にて高速バルブタイ
ミング運転用のTIHマップが前回選択された否かを判別
し、選択されていない場合には第3ステップ203へ進
む。他方、手動変速機車MTである場合には、第14ステッ
プ214にて、低速バルブタイミング運転での出力が高速
バルブタイミング運転での出力を常に上回る下限回転速
度NEL(ヒステリシスを含み例えば4800〜4600RPM)と現
状のエンジン回転速度NEとを比較する。ここでNE<NEL
であると判定された場合には、第15ステップ215にて第1
3ステップ213と同様に高速バルブタイミング運転用のT
IHマップが前回選択されたか否かを判別し、選択されて
いない場合には第3ステップ203へ進む。
ここまでのフローにより、エンジン回転速度NEが高く
とも停止状態にあり、あるいは走行状態にあっても緩速
あるいは低速回転であり、かつ高速走行を未だにしてい
ない状態であれば、低速バルブタイミング運転に設定さ
れることがわかる。
他方、第14ステップ214にてNE≧NELと判断された場合
には、第16ステップ216にて第4b図に示すサブルーチン
に従ってTILマップとTIHマップとを検索し、現時点での
エンジン回転速度NE及び吸気負圧PBに応じたTIL値とTIH
値とを求め、次に第17ステップ217にて第4c図に示すサ
ブルーチンに従って、燃料噴射量に基づいて予め実験的
に求められた高負荷判定値TVTのテーブルから現時点で
のNEに応じたTVT値を算出する。
ここでTIL・TIHの値は、前回電磁弁16の開弁指令が出
されたか否かを判別し、開弁指令が出されていない時、
即ちこれまでのところ高速バルブタイミング運転が行な
われていない場合には、第16ステップ216で用いるTIL
をTILマップから検索した値とし、開弁指令が出されて
いる場合には、TIL値を検索値から所定のヒステリシス
量ΔTIを差引いた値とする処理を行ない、また、第17ス
テップ217でのTVT値の算出処理についても同様に、前回
電磁弁16の開弁指令が出されたか否かを判別し、開弁指
令が出されていない場合には、第17ステップ217で用い
るTVT値をTVTテーブルから算出した値とし、開弁指令が
出されている場合には、TVT値を算出値から所定のヒス
テリシス量ΔTVTを差引いた値とする処理を行ない、こ
れによりバルブタイミングの切換点に於ける燃料噴射量
の切換特性にヒステリシスをつけるようにしている。
次に第18ステップ218にてこのTVT値と前回の燃料噴射
量TOUTとを比較する。ここでTOUT<TVTと判定された場
合には、第19ステップ219にて、高速バルブタイミング
運転での出力が低速バルブタイミング運転での出力を常
に上回る上限エンジン回転速度NEU(ヒステリシスを含
み例えば5900〜5700RPM)と現時点のエンジン回転速度N
Eとを比較する。ここでNE<NEUと判定された場合には、
第20ステップ220にて、第16ステップ216で求めたTIL
とTIH値とを比較し、TIL>TIHと判定された場合には、
第21ステップ221にて電磁弁16へ閉弁指令を発し、即
ち、低速バルブタイミング運転を選択する。
一方、第13ステップ213あるいは、第15ステップ215に
て、TIHマップが前回選択されたと判断された、即ち高
速走行を経た後の低負荷低回転状態にある場合には、第
21ステップ221へ進む。
他方、第18ステップ218にてTOUT≧TVTと判定された場
合、第19ステップ219にてNE≧NEUと判定された場合、第
20ステップ220にてTIL≦TIHと判定された場合には、い
ずれも第22ステップ222にて電磁弁16へ開弁指令を発
し、即ち高速バルブタイミング運転を選択する。ここま
でのフローから、エンジン回転速度NE及び要求燃料噴射
量により、バルブタイミングの切換点を判断しているこ
とがわかる。
さて、高負荷運転域では、混合気がリッチ傾向となる
ように補正しており、また高負荷運転域では高速バルブ
タイミング運転を選択した方が出力増大により有利であ
る。しかしながら、バルブタイミングの切換点を一義的
に定めると、境界部分でのハンチングを引き起したり、
切換え時のトルク変動によるショックを生じたりするき
らいがある。そこで本実施例に於いては、走行中にあっ
ては、第18〜第20の複合したステップ218〜220を経るこ
とにより、最適な切換制御が行ない得るようにしてい
る。
高速バルブタイミング運転を選択した後、第23ステッ
プにて、後記するターボチャージャ制御ルーチンに於い
て低速バルブタイミング運転が選択されていないことを
示すフラッグFLVT=0を確認する。ここでターボチャー
ジャ側が低速バルブタイミング運転を条件とした状態に
あることが確認された場合には、第3ステップ203へ進
み、そうでない場合には、第24ステップ224にて切換制
御弁17の動作状況を確認するための油圧スイッチ22の信
号を判別する。ここで油圧スイッチ22がオフ、即ち連結
切換装置51に対して油圧が作用しているものと判断され
た場合には、第4ステップ204にてセットされた連結切
換装置作動後のディレータイムTDHVTの残時間を第25ス
テップ225にて判別する。ここでTDHVT=0と判定された
場合には、第26ステップ226にて低速バルブタイミング
運転への切換え後の経過時間TDLVT(例えば0.2秒)をセ
ットし、切換え後のディレータイム計時動作準備を行な
う。次いで第27ステップ227にて高速バルブタイミング
運転に対応する燃料噴射量TIHマップ及び点火時期θIGH
を選択し、第28ステップ228にてレブリミッタ値NHFC
高速バルブタイミング運転用NHFCHに設定する。
一方、第21ステップ221にて電磁弁16に閉弁指令を発
した後には、第29ステップ229にて油圧スイッチ信号OP
を判別する。ここで油圧スイッチ22がオン、即ち連結切
換装置51に対する油圧が作用していないものと判断され
た場合には、第26ステップ226にてセットされたTDLVT
残時間の読取り、TDLVT=0である場合には第4ステッ
プ204へ進む。
このようにして、低速バルブタイミング運転から高速
バルブタイミング運転に切換えたにも拘らず、第24ステ
ップ224にて油圧スイッチ信号OPがオフにならない場合
には第30ステップ230へ進み、油圧スイッチ信号OPがオ
フになるまで低速バルブタイミングでの運転条件を維持
し、また、この逆に高速バルブタイミング運転から低速
バルブタイミング運転に切換えたにも拘らず、第29ステ
ップ229にて油圧スイッチ信号OPがオンにならない場合
には第25ステップ225へ進み、油圧スイッチ信号OPがオ
フになるまで高速バルブタイミングでの運転条件を維持
する。
また、上記した第4・第26ステップ204・226にてセッ
トした両切換ディレータイマの設定時間TDHVT・T
LHVTは、電磁弁16が作動して切換制御弁17のスプール弁
70が移動し、給油路57の油圧が変化して全気筒の切換ピ
ンの切換動作が完了するまでの応答時間に基づいて設定
されている。そして油圧スイッチ信号OPから切換動作の
開始が確認された場合にも、高速から低速への切換え時
はTDLVT=0、低速から高速への切換え時はTHLVT=0と
なるまでは、全ての気筒のバルブタイミングが未だ切換
わっていないものとみなし、バルブタイミング切換指令
以前の燃料噴射量制御での運転が維持される。
尚、第13ステップ213及び第15ステップ215にてTIH
ップが前回選択されていない場合、即ち走行開始直後あ
るいは加速途中に於いては、油圧スイッチ信号OPを確認
せずに低速バルブタイミング運転に設定するものとして
いるが、これは油圧スイッチ22の不良等にて信号がオフ
のままになった場合の弊害を考慮しての対策である。ま
た、第23ステップ223にてターボチャージャ側が低速バ
ルブタイミング運転を要求した場合には、燃料噴射制御
も直ちに低速バルブタイミング運転対応に切換えるもの
としているが、これは過過給となった場合などの異常燃
焼を防止するための措置である。
次にターボチャージャ7の過給容量、即ち過給圧を変
化させるための電磁弁34の制御プログラムについて、第
5a図及び第5b図を参照して説明する。ただし、本システ
ムに用いられる正圧制御用の電磁弁34は、デューティ制
御用電磁弁である。また、本過給圧制御は、基本過給圧
制御量(以下基本デューティDMと称す)に基づいて過給
圧制御を行なうオープンループ制御と、実過給圧と予め
設定された目標過給圧との偏差に応じて基本デューティ
DMを修正して過給圧制御を行なうフィードバック制御と
を併せもつ制御システムである。
第1ステップ301にて始動モードであるか否か、即ち
エンジンがクランキング中であるか否かを判別し、始動
モードである場合には、第2ステップ302にて低速バル
ブタイミング運転条件に固定することをフラッグFLVT
1にて示す。次いで第3ステップ303にてフィードバッ
ク制御開始を遅延させるためのタイマTDFBをリセットし
た後、第4ステップ304にて電磁弁34に対するデューテ
ィDOUTを0に設定し、第5ステップ305にてデューティD
OUTを出力する。ただし、このメインルーチンに於ける
デューティDOUTは、その値が大きくなるにつれて電磁弁
34に於けるソレノイドのデューティ比が小さくなるもの
であり、DOUT=0は、デューティ比100%、即ち可動ベ
ーン87が最大限内方に駆動される状態、即ち電磁弁34を
全開にして固定ベーン84と可動ベーン87との間の空隙流
通面積が最大となる状態に対応し、DOUT=100は、デュ
ーティ比0%、即ち可動ベーン87が最大限外方に駆動さ
れる状態、即ち空隙流通面積が最小となる状態に対応す
る。
ところで、第3ステップ303のフィードバックディレ
ータイマTDFBは、第6図に示すサブルーチンに従って選
択される。ここで過給圧P2の変化率ΔP2によって3つの
タイマTDFB1、TDFB2、TDFB3のうちの1つが選択される
が、過給圧変化率ΔP2は、今回の過給圧P2Nと、6回前
の過給圧P2N-6との差(ΔP2=P2N−P2N-6)で求められ
る。即ち第5a図及び第5b図に示すメインルーチンは、TD
C信号により更新されるが、TDC信号1回だけでは過給圧
変化率ΔP2が小さすぎるので、過給圧挙動、即ち過給圧
変化率ΔP2を正確に読込むために、6回前の過給圧P
2N-6との差を求めるようにしたものである。また、設定
低変化率ΔP2PL及び設定高変化率ΔP2PHは、エンジン回
転速度NEに応じて予め定められた数値であり、ΔP2≦Δ
P2PLの場合にはTDFB1が設定され、ΔP2PL<ΔP2≦ΔP
2PHの場合にはTDFB2が設定され、ΔP2PH<ΔP2の場合に
はTDFB3が設定される。しかもTDFB1<TDFB2<TDFB3の関
係にあり、かつ過給圧変化率ΔP2が小さい時、即ち過給
圧P2が緩やかに変化している時には遅延時間TDFBが小さ
く設定され、過給圧変化率ΔP2が大きい時、即ち過給圧
が急激に変化している時には遅延時間TDFBが大きく設定
される。このようにして、オープンループ制御からフィ
ードバック制御への移行時に、負荷変化の緩急に応じて
過不足のない最適な遅延時間TDFBを設定し、その移行時
にハンチング現象が生ずることのないようにすることが
可能となる。
第1ステップ301にて始動モードでないと判断された
場合には、第6ステップ306にてフェールセーフすべき
であるか否かを判別する。これはECU・CPUの自己診断、
及びバルブタイミングの連結切換装置51の作動状態を示
すための油圧スイッチ信号OPを含む各センサからの入力
信号を確認し、異常がある場合には第2ステップ302へ
進み、正常な場合は第7ステップ307へ進む。第7ステ
ップ307にて吸気温TAと設定低吸気温TALとを比較し、TA
<TALの場合には第2ステップ302へ進み、TA≧TALの場
合には第8ステップ308へ進む。第8ステップ308にて冷
却水温TWと設定低冷却水温TWLとを比較し、TW<TWLであ
る場合には第2ステップ302へ進み、またTW≧TWLである
場合には第9ステップ309へ進む。第9ステップ309にて
吸気温TAと設定高吸気温TAHとを比較し、TA>TAHの場合
には第2ステップ302へ進み、またTA≦TAHの場合には第
10ステップ310へ進む。第10ステップ310にて冷却水温TW
と設定高冷却水温TWHとを比較し、TW>TWHの場合には第
2ステップ302へ進み、TW≦TWHの場合には第11ステップ
311へ進む。第11ステップ311にて自動変速機のシフトポ
ジションを判別し、パーキングPあるいはニュートラル
Nレンジの場合には第2ステップ302へ進み、それ以外
の場合には第12ステップ312へ進む。
ここまでのフローをまとめると、走行状態になく、ま
た制御系に何らかの異常が認められ、かつ吸気温TA及び
冷却水温TWが所定の範囲を外れている場合には、他の要
素の如何に関りなくターボチャージャ7に於ける固定ベ
ーン84と可動ベーン87との間の流路断面積が最大となる
ように制御される。これは、上記したステップに於いて
は、いずれもエンジンが安定して運転し得る条件を満た
していないものと判断できるので、かかる状態で燃焼室
に過給圧P2を導入することは、むしろ不安定を助長する
ことが明白だからである。また同時に、バルブタイミン
グ切換制御プログラムに対し、フラッグFLVT=1にて低
速バルブタイミング運転条件に固定することを示し、連
結切換装置51が低速バルブタイミングに設定されるよう
にする。
ここまでのステップにてエンジンが安定した運転状態
にあり、かつ走行状態にあることが判断された場合に
は、第12ステップ312にてシフトポジションが第1速で
あるか否かを判別する。ここで第1速位置にないことが
判断された場合には、第13ステップ313にて低速バルブ
タイミング運転条件の固定を解除することを示すための
フラッグをFLVT=0にセットした後、第14ステップ314
へ進む。また第1速位置にあることが判断された場合に
は、第15ステップ315にて基本過給圧制御量としての基
本デューティDMの減算処理を行ない、同時に第16ステッ
プ316にて低速バルブタイミング運転条件に固定するこ
とを示すためのフラッグをFLVT=1とした後、第14ステ
ップ314へ進む。
ところで、基本デューティDMは、後記するマップより
検索するが、上記第15ステップ315では、第7図に示す
サブルーチンに従ってこのDM値の減算が行なわれる。即
ちエンジン回転速度NE及び吸気負圧PBで定まる運転条件
に対応してDM値の減量を必要とする判別ゾーンが予め設
定されており、この判別ゾーン内にあるか、あるいは判
別ゾーン外にあるかに応じてDM値の減算を行なうか否か
が判別される。ここでエンジン回転速度NE及び吸気負圧
PBによりエンジンの出力トルクが分るが、判別ゾーンの
境界線は、第1速位置に於けるギア軸の許容トルクを示
すものであり、ここでの処理は、第1速位置に於けるギ
ヤ軸に作用する力が過負荷にならないようにするための
ものである。ここで判別ゾーン外にある、即ち許容トル
クを超えていない場合には、検索されたDM値をそのまま
にして次のステップへ進むが、判別ゾーン内にある、即
ち許容トルクを超える領域にある場合には、フィードバ
ック制御状態にあることを示すフラッグがFOPC=0か否
かを判別し、オープンループ制御状態にある時には、 DM=検索DM−DF なる減算を行ない、電磁弁34に対するデューティDOUT
幾分か減量傾向とし、またフィードバック制御状態にあ
る時には、 P2R=検索P2R−ΔP2R なる減算を行ない、目標過給圧P2Rを幾分か下げて設定
する。ただし、DFは予め設定された減算値、P2Rはフィ
ードバック制御状態である時に用いるエンジン回転速度
NE及び吸気温TAに応じて設定された目標過給圧、ΔP2R
は予め設定された減算値である。
ここまでの処理により、第1速位置での急発進などに
よるオーバートルクを防止すべく、バルブタイミングを
低速対応に設定し、かつ過給圧も低目に設定する。
次に第14ステップ314にて、連結切換装置51が高速バ
ルブタイミング運転状態にあるか否かを判別する。ここ
で高速バルブタイミング運転状態であるものと判断され
た場合には、第17ステップ317へ進み、否と判断された
場合には第18ステップ318へ進む。そして高過給圧判定
ガード値P2HGとして、高速バルブタイミング運転対応の
テーブルP2HGHが第17ステップ317にて選択され、また低
速バルブタイミング対応のテーブルP2HGLが第18ステッ
プ318にて選択される。ただし高過給圧判定ガード値P
2HGは、エンジン回転速度NEに対応して予め設定された
値であり、エンジン耐久性を考慮したうえでの最高出力
が得られるように設定されている。
尚、現バルブタイミングの状態が低速対応であるか、
または高速対応であるかの判別は、制御ユニット内にて
電磁弁16に対して励磁信号を現在発しているか否かを検
出することにより行なわれる。
次に第19ステップ319にて、この時のバルブタイミン
グ状態に対応して選択されたテーブルから得られた高過
給圧判定ガード値P2HGと現時点に於ける過給圧P2とを比
較する。ここで、P2>P2HG、即ち過過給であるものと判
断された場合には、第2ステップ302を経てバルブタイ
ミング切換制御プログラム側に低速バルブタイミングに
設定することを要求すると共に過給圧P2を下げる方向に
制御し、逆にP2<P2HGと判断された場合には第20ステッ
プ320へ進み、再び高速バルブタイミング運転状態であ
るか否かを判別する。
第20ステップ320にて高速バルブタイミング運転状態
にあるものと判断された場合には、第21ステップ321に
て高速バルブタイミング運転状態に対応したマップより
基本デューティDMHを検索し、第22ステップ322にてこの
値をもってDM値と定める。そして否と判断された場合に
は、第23ステップ323にて低速バルブタイミング運転状
態に対応したマップより基本デューティDMLを検索し、
第24ステップ324にてこの値をもってDM値と定める。と
ころでこの基本デューティDMは、エンジン回転速度NE
スロットル開度θTHとに応じて予め設定されており、そ
の設定テーブルから現時点に於ける負荷状況に適合する
基本デューティDMが検索される。
このようにして、エンジン回転速度NEとスロットル開
度θTHとで定まるマップとして、低速バルブタイミング
対応と高速バルブタイミング対応とを別個に用意してお
き、バルブタイミングの状態により過給圧制御特性を変
えることにより、減速時や過渡運転状態を含むエンジン
の各運転状態に的確に対応することができる。尚、スロ
ットル開度θTHをエンジンの負荷状態を示すパラメータ
の代表として採用しているが、これは吸気負圧PBや燃料
噴射量に代えることもできる。
次に第25ステップ325にて、デューティ用補正係数K
MOD、デューティ用大気圧補正係数KPAD(0.8〜1.0)、
及びデューティ用吸気温補正係数KTAD(0.8〜1.3)をそ
れぞれ検索する。ただしデューティ用補正係数KMODは、
エンジン回転速度NEと吸気温TAとで定まるマップより検
索されるものであり、後記する最適過給圧P2が所定の偏
差内に収まったときに学習され、その学習により随時更
新される。また、デューティ用大気圧補正係数KPADは吸
気圧PAに対応して決定され、更にデューティ用吸気温補
正係数KTADは吸気温TAに対応して決定される。そしてこ
れらにより、外的要因に対して随時適応し得るように制
御される。
次いで第26ステップ326にて第8図に示すサブルーチ
ンに従って補正係数KDNを検索する。このサブルーチン
は第5a図及び第5b図のメインルーチンにTDC信号1回ご
とに割り込むものであり、デューティDOUTが0である時
にタイマTDNをリセットし、デューティDOUTが0ではな
くなってから最初のTDC信号に応じて補正係数KDNを初期
値KDN0(例えば0.5)に設定する。そしてタイマTDNがあ
る設定時間TDND(例えば5秒)を経過してからは、TDC
信号1回ごとに所定の加算値ΔKDN(例えば0.01)を加
算して新たな補正係数KDNを得ると共に、その補正係数K
DNが1.0を超えてからは1.0に定めるようにしている。
このようにして定められた補正係数KDNは、後記する
デューティDOUTの補正式で用いられ、エンジンがある特
定の運転域、即ち吸気温TAが異常に高温あるいは低温で
あったり、冷却水温TWが異常に高温あるいは低温であっ
たり、過給圧P2が異常に高圧であったりする特定運転域
に於いてデューティDOUTを強制的に0、即ち固定ベーン
84と可動ベーン87との間隙を最大とした状態が解除され
た時に、デューティDOUTを安定制御するためのものであ
る。即ち、DOUT=0であった特定運転状態から通常の運
転状態に復帰した時に、デューティDOUTが直ちに通常の
値に復帰すると、特定運転域と通常運転域との境界線上
で不規則制御が生ずることがある。そこで通常運転域に
復帰してから例えば5秒経過した後に、TDC信号一回ご
とに例えば0.1ずつ補正係数KDNを増加させてデューティ
DOUTを徐々に通常制御値に復帰させることにより、この
ような不規則制御の発生を回避するようにしている。
次に第27ステップ327にて現時点のスロットル開度θ
THと予め設定された基準スロットル開度θTHFBとを比較
する。この設定スロットル開度θTHFBは、中・高負荷運
転領域に対応しており、オープンループ制御からフィー
ドバック制御に移行させるか否かを判断するために設定
されたものである。このように判断パラメータとしてス
ロットル開度θTHを採用することにより、その時の運転
情況が過給を要求しているかどうかを的確に判断するこ
とができる。ここで、θTH≦θTHFBと判断された場合、
即ちオープンループ制御が継続される場合には、第6図
(第3ステップ)で示したフィードバックディレータイ
マTDFBを第28ステップ328にてリセットした後、第29ス
テップ329へ進む。また、第27ステップ327にてθTH>θ
THFBと判断された場合には、第30ステップ330にて連結
切換装置51が低速バルブタイミング運転状態であるか否
かを判別し、低速バルブタイミング運転と判断された場
合には、オープンループ制御を継続すべきと判断して第
28ステップ328へ進む。このことは、低速バルブタイミ
ング運転に於いては過渡状態であることが多く、しかも
トルクの絶対値が比較的低いので、オープンループ制御
に固定してむしろ追従性を高めようとする措置である。
第29ステップ329では、設定減算デューティDT及び設
定加算デューティDTRBが検索される。設定減算デューテ
ィDTは、過給圧P2の変化率ΔP2に対応しており、第9図
に示すサブルーチンに従って決定される。ここでθTH
θTHFBの場合、即ちオープンループ制御からフィードバ
ック制御に移行する中・高負荷運転領域にあっては、過
給圧変化率ΔP2とエンジン回転速度NEとの関係に基づい
て予め設定された設定減算デューティDTが選択され、θ
TH≦θTHFBである場合にはDT=0とされ、基本デューテ
ィDMの補正は行なわれない。
ところで、上記設定減算デューティDTは、過給圧変化
率ΔP2の増大に応じて段階的に増大するように設定され
ると共に、エンジン回転速度NEの範囲によって例えば3
段階に持替えるものとされている。これにより、過給圧
変化率ΔP2が大きいほど、またエンジン回転速度NEが大
きいほど減算値が大きく設定される。そしてこの処理
は、実際の過給圧P2が目標過給圧P2Rに達する手前の時
点から開始され、オープンループ制御からフィードバッ
ク制御への移行が円滑になされるようにしている。
また、設定加算デューティDTRBは、第10図に示すサブ
ルーチンに従って決定される。ここでオープンループ制
御状態(FOPC=1)であって、しかも過給圧変化率ΔP2
が負の状態である時には、−ΔP2及びエンジン回転速度
NEによって決定されている設定加算デューティDTRBが選
択され、更に設定減算デューティDTが0とされる。ま
た、フィードバック制御状態(FOPC=0)であるか、あ
るいは過給圧変化率ΔP2が正である場合には、設定加算
デューティDTRBが0とされる。この設定加算デューティ
DTRBも、上記設定減算デューティDTと同様にエンジン回
転速度NE及び負の過給圧変化率−ΔP2に応じて持替える
ものとされており、エンジン回転速度NEが大きいほど、
また負の過給圧変化率−ΔP2が大きいほど加算値が大き
くなるようにされている。これにより設定減算デューテ
ィDTの反動をも補正して、安定した過給圧制御を行なう
ことができる。
このようにして、各補正係数KMOD・KPAD・KTAD・KDN
と、設定減算デューティDT及び設定加算デューティDTRB
が決定された後には、第31ステップ331にてデューティD
OUTが次式により補正される。
DOUT=KMOD×KPAD×KTAD×KDN ×(DM+DTRB−DT) 従って、第5ステップ305から出力される出力デュー
ティDOUTは、上記した内容及び外的要因を加味したエン
ジンの運転状態を総合的に勘案した設定となっており、
その時の負荷情況に対応した最適な過給圧制御を自動的
に行なうことができる。
次いで、第32ステップ332にて、現状がオープンルー
プ制御であることを示すためにフラッグをFOPC=1と
し、第33ステップ332へ進む。ここでデューティD
OUTが、エンジン回転速度NEに応じて予め設定されたリ
ミット値を超えていないかどうかをチェックし、リミッ
ト値以内である場合に、第5ステップ305にてデューテ
ィDOUTが出力される。
一方、第30ステップ330にて低速バルブタイミング運
転状態でないことが判断された場合には、第34ステップ
334(第5b図)へ進む。
第34ステップ334にて前回のフラッグを判別し、FOPC
=1、即ち前回オープンループ制御であったと判断され
た場合には、第35ステップ335にて、現時点の過給圧P2
と、オープンループ制御状態に於けるデューティ制御開
始判別過給圧P2STとを比較する。このデューティ制御開
始判別過給圧P2STは、 P2ST=P2R−ΔP2ST により得られるものである。ただし、ΔP2STは、過給圧
変化率ΔP2及びエンジン回転速度NEに基づいてじて予め
設定された減算値であり、エンジン回転速度が大きくな
るほど、また過給圧変化率ΔP2が大きくなるほど大きく
なるように設定されている。
第35ステップ335にてP2>P2STと判断された場合に
は、第36ステップ336にて過給圧P2とフィードバック制
御開始判別過給圧P2FBとを比較する。このフィードバッ
ク制御開始判別過給圧P2FBは、 P2FB=P2R−ΔP2FB により得られるものである。ただし、ΔP2FBは、上記Δ
P2STと同様に過給圧変化率ΔP2及びエンジン回転速度NE
に応じて予め設定された減算値である。
ここで、P2>P2FBと判別された場合には、第37ステッ
プ337にてフィードバックディレータイマTDFBが経過し
ているか否かを判別し、経過している場合には第38ステ
ップ338へ進む。
また、第34ステップ334にてフラッグがFOPC=0、即
ち前回フィードバック制御であったと判断された場合に
は、第38ステップ338へ進み、第35ステップにてP2≦P
2STと判断された場合には、第39ステップ339へ、第36ス
テップ336にてP2≦P2FBと判断された場合には第28ステ
ップ328へ、第37ステップ337にてフィードバックディレ
ータイマTDFBが経過していない場合には、第29ステップ
329へとそれぞれ進む。
第39ステップ339にてエンジン回転速度NEに応じて予
め設定されている補助基本過給圧制御量としての設定デ
ューティDSを検索し、次の第40ステップ340にて次式に
従ってデューティDOUTが演算される。
DOUT=DS×KTAD×KPAD 次いで、第41ステップ341にてフィードバックディレ
ータイマTDFBをリセットした後、第33ステップ333へと
進む。
上記した第40ステップ340へ至る処理は、過給圧P2
目標過給圧P2Rに達するまでの運転域に於ける安定した
過給圧制御を得ようとするためのものであり、エンジン
回転速度NEに応じて予め設定されたデューティDSを基準
にして出力デューティDOUTを定めることにより、過給圧
変化率ΔP2に関わらず、オーバーシュートの発生を好適
に防止することができる。
一方、第38ステップ338にて、過給圧変化率ΔP2の絶
対値とフィードバック制御判定過給差圧GΔP2とを比較
する。このGΔP2は、例えば30mmHgに設定されており、
|ΔP2|>GΔP2の場合には第29ステップ329へ進み、|
ΔP2|≦GΔP2の場合には第42ステップ342へ進む。つま
り、|ΔP2|>GΔP2、即ち過給圧変化率ΔP2が限度を
越えて急峻な状態でフィードバック制御を開始すると、
ハンチングを生ずる原因となるので、第29ステップ329
へ戻ってオープンループ制御を行うものとしている。
次の第42ステップ342にて、連結切換装置51が高速バ
ルブタイミング運転状態にあるか否かを判別する。ここ
で高速バルブタイミング運転状態と判断された場合に
は、第43ステップ343にてエンジン回転速度NE及び吸気
温TAに基いて予め設定された高速バルブタイミング運転
用の目標過給圧P2RHを検索し、第44ステップ344にてこ
のP2RHを目標過給圧P2Rとおく。また、高速バルブタイ
ミング運転状態でないと判断された場合には、第45ステ
ップ345にて低速バルブタイミング運転用の目標過給圧
P2RLを検索し、第46ステップ346にてこのP2RLを目標過
給圧P2Rとおく。これはバルブタイミング、即ち弁開度
により吸気の充填効率が変化するため、バルブタイミン
グの切換に対応して目標過給圧P2Rの設定を変えること
により、エンジン出力をより効率的に高めようとするた
めの措置である。
次に第47ステップ347にて自動変速機のシフトポジシ
ョンが第1速位置にあるか否かを判別する。ここで第1
速位置であると判断された場合には、第48ステップ348
にて第7図に示したサブルーチンに従って運転状態が所
定の判別ゾーンにある場合には、 P2R=検索P2R−ΔP2R なる減算を行なった後、第49ステップ349へ進む。ただ
しこのΔP2Rは、シフトポジションが第1速位置にある
時に対応して設定される減算値である。又第46ステップ
でシフトポジションが第1速位置以外にあると判断され
た場合には、目標過給圧P2Rの減算を行わずに第49ステ
ップ349へ進む。
第49ステップ349にて大気圧PAに応じて予め設定され
た過給圧用大気圧補正係数KPAP2を検索し、更に第50ス
テップ350にて次の演算を行ない、目標過給圧P2Rの補正
を行なう。
補正P2R=検索P2R×KPAP2×KRTB ただしKRTBは、エンジンのノック状態に対応して設定
された補正係数である。
第51ステップ351にて目標過給圧P2Rと今回の過給圧P2
との偏差の絶対値が所定の設定値GP2以上であるか否か
を判定する。ただしこのGP2はフィードバック制御時の
不感帯定義圧であり、例えば20mmHg程度に設定される。
ここで、|P2R−P2|≧GP2の場合には、第52ステップ352
へ進み、デューティの比例制御項DPを次式により算出す
る。
DP=KP×(P2R−P2) ただし上式に於いて、KPは比例制御項に関わるフィー
ドバック係数であり、第11図に示すサブルーチンに従っ
て求められる。この第11図に於いて、エンジン回転速度
NEが第1切換回転速度NFB1以下である場合には、KP1
共に後記する積分制御項に関わるフィードバック係数K
I1を選択し、エンジン回転速度NEが第1切換回転速度N
FB1を超えて第2切換回転速度NFB2以下である時には、K
P2・KI2を選択し、更に、エンジン回転速度NEが第2切
換回転速度NFB2を超える時には、KP3・KI3を選択する。
次いで第53ステップ353にてエンジン回転速度NE及び
吸気温TAに応じた補正係数KMODを検索し、第54ステップ
354にて前回のフラッグがFOPC=1であるか否か、即ち
これが初めてのフィードバック制御状態であるか否かを
判別する。ここでFOPC=1、即ち前回オープンループ制
御であった場合には、第55ステップ355にて前回の積分
制御項DI(N−1)を次式に従って算出する。
I(N−1)=KTAD×KPAD×DM×(KMOD−1) この演算終了後には、第56ステップ356へ進むが、第5
4ステップ354にてFOPC=0、即ちオープンループ制御で
ないと判断された場合には、第55ステップ355を迂回し
て第56ステップ356へ進み、ここで今回の積分制御項DIN
を次式に従って算出する。
DIN=DI(N−1)+KI+(P2R−P2) この後、第57ステップ357にてデューティDOUTが演算
される。即ち、 DOUT=KTAD×KPAD×KDN×DM+DP+DIN なる演算が行われ、第58ステップ358にてフラッグをF
OPC=0とした後に第33ステップ333へ進む。
一方、第51ステップ351にて|P2|<GP2と判断された場
合には、第59ステップ359にて比例制御項DP=0、積分
制御項DIN=DI(N−1)とされる。次いで第60ステ
ップ360にて大気圧PAが設定大気圧PAM(例えば650mmH
g)を超えているか否かを判別し、第61ステップ361にて
水温TWがある一定範囲にあるか否かを判別し、第62ステ
ップ362にてリタード量T2Rが0か否か、即ちノック状態
から外れているか否かを判別し、第63ステップ363にて
シフトポジションが第1速位置以外であるか否かを判別
し、これらの条件が全て満たされた場合には第64ステッ
プ364へ進み、これらの条件から1つでも外れた場合に
は第57ステップ357へと進む。
第64ステップ364にてデューティ用補正係数KMODの学
習のための係数KRが次式に従って演算される。
KR=(KTAD×DM+DIN)/(KTAD×DM) 次いで第65ステップ365にて補正係数KMODの検索及び
学習を行うべく、 KMOD=(CMOD×KR)/65536 +(65536−CMOD) ×KMOD/65536 なる演算を行ない、更に第66ステップ366にてこのKMOD
のリミットチェックが行われた後、第67ステップ367に
て補正係数KMODがバックアップRAMに格納され、次いで
第57ステップ357へ進む。
この第62〜第67ステップ362〜367は、過給圧P2が不感
帯域GP2で安定的にフィードバック制御されている時に
学習制御した結果を補正係数KMODとして格納する際に、
特殊な運転状態の時にはKMODの格納を禁止して、運転状
態に悪影響が及ぶことを回避するためのものである。
[発明の効果] このように本発明によれば、オープンループ制御とフ
ィードバック制御とを適切に持ち替えることができるの
で、高い追従性と高い安定性とを両立することが可能と
なる。従って、弁作動状態切換装置及び可変容量過給機
を備えたエンジンの出力トルク特性を平坦化し、かつ全
ての回転速度域での出力トルク特性を向上するうえに極
めて大きな効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に基づくエンジンの制御システムの全体
構成図である。 第2図は動弁機構回りの構成図である。 第3図は可変容量ターボチャージャの機構説明図であ
る。 第4a〜第4c図はバルブタイミングの切換に関わる制御プ
ログラムのフローチャートである。 第5a・第5b図は過給圧の可変に関わる制御プログラムの
フローチャートである。 第6図〜第11図は同プログラムに関わる各サブルーチン
のフローチャートである。 1……エンジン本体、2……吸気ポート 3……吸気マニホールド、4……吸気管 5……スロットルボディ、6……インタクーラ 7……可変容量ターボチャージャ 8……コンプレッサ部、9……エアクリーナ 10……排気ポート、11……排気マニホールド 12……タービン部、13……触媒コンバータ 14……動弁機構、15……オイルポンプ 16……電磁弁、17……切換制御弁 18……アクチュエータ、19……ウォータポンプ 20……ラジエータ、21……電子制御回路 22……油圧スイッチ、23……酸素濃度センサ 24……エンジン回転センサ 25……冷却水温センサ、26……自動変速機 27……吸気温センサ、28……吸気圧センサ 29……スロットル弁開度センサ 30……過給圧センサ、31……吸気圧センサ 32……車速センサ、33……燃焼噴射弁 34・35……電磁弁、40……ロッカシャフト 41〜43……ロッカアーム 45……カムシャフト 46a・46b……低速用カム 47……高速用カム、50a・50b……吸気弁 51……連結切換装置、83……タービンホイール 84……固定ベーン、87……可動ベーン 104……ダイヤフラム、105……負圧室 106……正圧室 OP……油圧信号、O2……酸素濃度 NE……エンジン回転速度 TW……冷却水温、P……パーキングレンジ信号 N……ニュートラルレンジ信号 TA……吸気温、PB……吸気負圧 θTH……スロットル弁開度 P2……過給圧、PA……大気圧 V……走行速度、DM……基本デューティ P2HG……高過給圧判定ガード値 DT……設定減算デューティ DTRB……設定加算デューティ P2R……目標過給圧、ΔP2……過給圧変化率
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 13/02 F02D 13/02 B 23/00 23/00 K 43/00 301 43/00 301R 301Z (56)参考文献 特開 昭60−212625(JP,A) 特開 昭61−218720(JP,A) 特開 平1−113519(JP,A) 特開 昭63−129125(JP,A) 特開 昭60−219418(JP,A) 特開 昭60−116823(JP,A) 特開 昭61−252833(JP,A) 実開 昭60−164631(JP,U) 実開 昭63−154732(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気弁と排気弁との少なくともいずれか一
    方の弁作動状態を可変するための切換装置と、可変容量
    過給機と、エンジン回転速度を含むエンジンの運転状態
    に対応して前記切換装置を切換作動すると共にエンジン
    回転速度を含むエンジンの運転状態に対応した基本過給
    圧制御量に基づいて前記過給機の過給容量を可変するた
    めの制御手段とを有するエンジンの制御装置であって、 スロットル弁開度が所定値を超える状態であっても前記
    切換装置が低速運転域に対応した状態の時は、過給圧の
    変化率およびエンジン回転速度に応じて前記基本過給圧
    制御量を補正した値に基づいて前記過給容量をオープン
    ループ制御し、 スロットル弁開度が所定値以上であり且つ前記切換装置
    が高速運転域に対応した状態の時は、フィードバック制
    御開始判別過給圧と実過給圧とを比較すると共に過給圧
    変化率が所定値以下であることを確認した上でフィード
    バック制御開始の判断を下すようにしてなることを特徴
    とするエンジンの制御装置。
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