JP2660578B2 - 摺動部品 - Google Patents

摺動部品

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JP2660578B2
JP2660578B2 JP15312089A JP15312089A JP2660578B2 JP 2660578 B2 JP2660578 B2 JP 2660578B2 JP 15312089 A JP15312089 A JP 15312089A JP 15312089 A JP15312089 A JP 15312089A JP 2660578 B2 JP2660578 B2 JP 2660578B2
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雅人 谷口
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、タペットやロッカーアームなど、摺動部分
にセラミックを用いた摺動部品に関する。
[従来の技術] 近年、例えば自動車エンジンの弁駆動系を例に示せ
ば、エンジンの長寿命化、メンテナンスのフリー化、バ
ルブスプリングの強化などにより、摺動部分の耐摩耗性
の要求が非常に高くなっている。
そこで、摺動部分を耐摩耗性のセラミックで構成した
摺動部品が知られている。セラミックは、金属材料に比
較して高値であるとともに、加工が困難であるため、摺
動部分にセラミックを用い、他の部分を金属で形成した
摺動部品が一般である。つまり、従来の摺動部品は、基
体となる金属にセラミックを接合して構成されていた。
従来の金属とセラミックとの接合手段として、ろう付
け、焼嵌め、圧入などが知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかるに、基体金属とセラミックとを接合したもの
は、使用条件によって破損を生じるものが存在する。
そこで、発明者は種々の研究を行い、破損の要因がセ
ラミックの摺動面に付与された引張応力であることをつ
きとめた。つまり、基体金属とセラミックとを接合した
状態で、セラミックの摺動面に引張応力が付与された摺
動部品は、使用条件によって破損を生じ易い問題点を備
えていた。
このことを具体的に説明する。摺動部分に引張応力が
加わった従来の摺動部品は、セラミックの摺動面が被摺
動体と接触した際、被摺動体から受ける力によって、接
触部を中心にさらに引張応力を生じる。セラミックは、
圧縮応力に比較して引張応力に弱い。このため、引張応
力が加わっていたセラミックの摺動面に、被摺動体から
受ける力によってさらに引張応力が加わると、被摺動体
から受ける力によってはセラミックが破損に至る問題点
を備えていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目
的は、セラミックの破損強度に優れた摺動部品の提供に
ある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、本発明の摺動部品は、
次の技術的手段を採用する。
(請求項1に対応した手段) 摺動部品は、基体金属に耐摩耗性のセラミックを接合
したもので、被摺動体と接触するセラミックの表面が被
摺動体と摺動する。
そして、前記セラミックは、前記基体金属にろう付け
接合された状態で、摺動面に圧縮応力を生じる。
(請求項2に対応した手段) 全摺動部(被摺動体と接触する全面積)の中心から全
摺動部の80%以上の摺動面に、圧縮応力を生じる。
[作用および発明の効果] (請求項1に対応した作用および発明の効果) セラミックと被摺動体とが摺動することにより、セラ
ミックは、被摺動体との接触部に、接触による押圧力を
受ける。つまり、セラミックの摺動面は、接触部を中心
にヘルツ応力を生じる。
しかるに、ヘルツ応力を受けたセラミックの摺動面に
は、圧縮応力が加えられている。このため、ヘルツ応力
により接触部分の周囲に引張応力が加えられても、加え
られた引張応力は、摺動面に付与された圧縮応力によっ
て打ち消される。
このため、被摺動体から受ける力によってセラミック
が破損する可能性を小さくすることができる。つまり、
本発明の摺動部品は、セラミックの破損強度に優れる。
なお、摺動面は、摺動により発生する熱を受けた状態
で、あるいは使用環境温度で、圧縮応力を生じるもので
ある。具体的に例を示せば、内燃機関の摺動部品では、
摺動面が50〜150℃の範囲の状態で、圧縮応力を生じ
る。
(請求項2に対応した作用および発明の効果) カムと摺動する摺動面は、全摺動部の中心から80%以
内の面積に大きな押圧力が加えられる。このため、全摺
動部の中心から少なくとも80%以上の摺動面に圧縮応力
を与えることにより、カムから大きな押圧力が加えられ
ても、セラミックの破損を防ぐことができる。
[実施例] 次に、本発明の摺動部品を、エンジンのタペットに適
用した実施例に基づき、図面を用いて説明する。
(第1実施例の構成) 第1図は大型ディーゼルエンジンのタペットの断面図
を示し、第2図はセラミックの平面図を示す。
本実施例に示すタペット1は、被摺動体であるカムシ
ャフト(図示しない)のカム面に摺動し、カムの回転軌
跡をプッシュロッド(図示しない)に伝えるもので、基
体金属2と、耐摩耗性のセラミック3とを接合してな
る。
○基体金属2は、鉄素材(例えばJIS SNCM630)より
なる一端が閉塞した筒状体で、穴4の内部にプッシュロ
ッドが配される。次に、下述する実験に用いた基体金属
2の各寸法を示す。軸方向の長さa1は77mm、プッシュロ
ッドを配設する穴4の内径a2は23mm、筒状体の外径a3は
28mm、セラミック3が接合される面の直径a4が40mmの円
形である。
基体金属2の製造工程を簡単に説明する。基体金属2
は、鍛造によってプッシュロッドが配される穴4を備え
たキャップ形状に形成される。その後、穴4内のオイル
を外部へ導くオイル孔5を開けるとともに、機械加工に
よって表面の仕上げが行われる。なお、セラミック3が
接合される面は、湾曲のない平面に仕上げられている。
○セラミック3は、例えば窒化珪素(Si3N4)よりな
る。下述する実験に用いたセラミック3は、直径b1が40
mm、厚さb2が3mmの円形平板である。
セラミック3の製造工程を簡単に説明する。窒化珪素
粉末90重量%に、アルミナ(Al2O3)等の焼結助剤、バ
インダー等を加え、混合する。次いで、素地調合を行
い、金型プレスで平板円盤状に形成する。続いて、窒素
雰囲気中で常圧焼結を行う。最後に機械加工によって研
磨仕上げを行う。なお、基体金属2に接合される面、お
よびカムと摺動する摺動面6は、湾曲のない平面に形成
されている。
○上記のごとく形成された基体金属2とセラミック3
とは、ろう材によって接合されている。この接合工程を
簡単に説明する。基体金属2とセラミック3との間に、
In−Cu−Ag−Ti系の活性ろう材を挟み、790℃の真空雰
囲気の炉内で30分置く。
このろう付け中、基体金属2は、セラミック3よりも
熱膨張率が大きいため、基体金属2がセラミック3より
も膨脹した状態で、基体金属2とセラミック3とが接合
される。炉から取り出されたタペット1は、基体金属2
が第1図の矢印A方向へ熱収縮し、熱収縮率の低いセラ
ミック3が湾曲する。この結果、セラミック3の摺動面
6は、中央部分が、周囲よりも10μmほど膨らんだクラ
ウン形状とされる。
また、基体金属2がセラミック3よりも熱収縮率が大
きいことにより、基体金属2の収縮によって、セラミッ
ク3全体が、径の中心に向かって圧縮される。この結
果、セラミック3の摺動面6も全周に亘って第1図の矢
印Bに示すように圧縮され、圧縮応力を生じる。
○第3図は、摺動面6におけるカムと接触する全摺動
部7の面圧分布を示す。なお、全摺動部7は、カムと接
触し、カムより押圧力を受ける全面積を示すものとす
る。第3図に示すように、カムの全摺動軌跡の中心の80
%内の摺動部分に大きな面圧(押圧力)を受ける。な
お、図中実線αは低回転速度時の面圧分布を示し、図中
破線βは高回転速度時の面圧分布を示す。
ここで、本実施例のタペット1の摺動面6における全
摺動部7は、摺動面6の中心を中心とする直径33mmの円
内であるとする(第2図のハッチング部参照)。そし
て、摺動面6の中心を中心とする直径27mm(33mm×約0.
8)の円の位置のセラミック3の表面は、15kg/mm2の圧
縮応力を示す。なお、この直径27mmの円内は、中心に向
かって15kg/mm2よりも大きな圧縮応力を示す。つまり、
本実施例のタペット1のセラミック3は、全摺動部7の
中心から少なくとも80%の摺動面に、15kg/mm2以上の圧
縮応力を生じる。
次に、上記の応力の測定について説明する。初めに、
使用温度に加熱したタペット1の摺動面6を歪みゲージ
で測定する。その後、測定したタペット1の基体金属2
およびろう材を取り除き、使用温度に加熱した状態で、
セラミック3の摺動面6を歪みゲージで測定する。そし
て、初めに歪みゲージで測定した値と、再び歪みゲージ
で測定した値とから応力を算出する。なお、測定時にお
けるタペット1の摺動面6の温度は、100℃である。
この結果、タペット1の摺動面6が50〜150℃の間に
おいて、つまり、タペット1の使用状態において、摺動
面6に圧縮応力を生じる。
(第1実施例のテストデータ) 次に、本実施例のタペット1の摩耗、および破損に対
する耐久テストの結果を示す。
○上記実施例のタペット1を、10000cc、V型10気
筒、カム幅が2.5mm、カムの材質がチル鋳鉄のエンジン
に用い、バルブスプリング荷重を通常の2倍に設定し、
カムの回転速度が1000rpmで200時間連続してテスト運転
を行った。
テスト後に摺動面6の摩耗は、5μmであった。本実
施例のタペット1と同寸法(つまり、軸方向の長さ80m
m、穴の内径23mm、外径28mm、摺動面の径40mm)のタペ
ット(図示しない)をハードナブル鋳鉄で形成し、摺動
面をHRC50に硬化したもので同様のテストを行った。こ
の比較のタペットは、摺動面に最大30μmの摩耗が観察
された。
つまり、鋳鉄で摺動面を形成したものに比較して、摺
動面をセラミック3で形成したものは、耐摩耗性に優れ
る。
○また、上記のテストエンジンに本実施例のタペット
1を装着し、カムの回転速度が3000rpmの異常挙動領域
で1時間のテスト運転を行った。この結果、本実施例の
タペット1には、まったく異常は見られなかった。比較
のため、第4図に示す。セラミック101の摺動面102に引
張応力を生じるタペット100を用いて同様のテストを行
った。この比較のタペット100は、摺動面102の中心から
約13mmの位置に、ヘルツ応力によるクラックが生じてい
た。なお、比較のタペット100は、筒状の基体金属103の
端部にセラミック101を焼嵌めによって接合したもので
ある。比較のタペット100の各寸法値は、本実施例のタ
ペット1と同寸法(つまり、軸方向の長さ80mm、穴の内
径23mm、外径28mm、摺動面の径40mm)とした。そして、
この比較のタペット100の摺動面102は、摺動面102の中
心を中心とする直径27mmの円の位置において、11kg/mm2
(上述の歪みゲージを用いた測定方法によって測定した
もの)の引張応力を示した。
つまり、セラミック101の摺動面102に引張応力を生じ
る従来のタペット100に比較して、本実施例のタペット
1は、セラミック3の破損強度が優れる効果を奏する。
(他の実施例) 第5図に他の実施例のタペット1の断面図を示す。本
実施例は、基体金属2とセラミック3とを焼嵌めによっ
て接合したものである。
具体的には、セラミック3を取り付ける穴8を有した
基体金属2を加熱し、膨脹して大きくなった穴8内に平
板のセラミック3を嵌め、常温に冷却することによりセ
ラミック3を嵌めた穴8が窄まって(第5図の矢印C参
照)、基体金属2とセラミック3とが接合されたもので
ある。穴8の収縮によるセラミック3への圧縮により、
セラミック3にはクラウン形状が形成されるとともに、
圧縮によってセラミック3全体に圧縮応力を生じる。
(変形例) セラミックと基体金属とのろう付けの際、セラミック
と基体金属との間に、軟質金属を介在させても良い。
他の実施例においてはセラミックを穴内へ焼嵌めによ
って接合したが、圧入や、冷やし嵌めにより接合しても
良い。
接合の際、摺動面にクラウン形状が形成される例を示
したが、クラウン形状は形成されなくとも良い。
全摺動部の80%の摺動面の一例として円形の摺動面を
示したが、80%の摺動面は円形を呈する必要は無く、例
えば全摺動部の形が方形を呈する場合は方形、長円の場
合は長円とすれば良い。
本発明をエンジンのタペットに用いた例を示したが、
ロッカーアーム、プッシュロッドなど、基体金属にセラ
ミックを組み合わせてなるすべての摺動部品に本発明を
適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
第1図はタペットの断面図、第2図はセラミックの平面
図、第3図は摺動面の面圧分布を示す説明図、第4図は
比較のために用いたタペットの断面図である。 第5図は他の実施例を示すタペットの断面図である。 図中 1…タペット(摺動部品) 2…基体金属 3…セラミック 6…摺動面 7…全摺動部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体金属に耐摩耗性のセラミックを接合
    し、このセラミックの表面を被摺動体と摺動させる摺動
    部品において、 前記セラミックは、 前記基体金属にろう付け接合された状態で、前記被摺動
    体と接触する摺動面に圧縮応力を生じる ことを特徴とする摺動部品。
  2. 【請求項2】前記圧縮応力を生じる摺動面は、全摺動部
    の中心から前記全摺動部の80%以上である、請求項1記
    載の摺動部品。
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