JP2654913B2 - 掘削工事用シミュレーション装置 - Google Patents

掘削工事用シミュレーション装置

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JP2654913B2 JP597294A JP597294A JP2654913B2 JP 2654913 B2 JP2654913 B2 JP 2654913B2 JP 597294 A JP597294 A JP 597294A JP 597294 A JP597294 A JP 597294A JP 2654913 B2 JP2654913 B2 JP 2654913B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は掘削工事に伴う土留め
壁の応力と変形量を算出して安全か否かを判定すること
に利用する掘削工事用シミュレーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より掘削に伴なう土留め壁を弾性ば
りとし、このはりを切ばりを代表するばね支点と掘削面
側の地盤の抵抗を代表する弾塑性ばねで支える条件で土
留め壁に掛る応力と変形量を算出する方法が広く使用さ
れている。この演算方法を弾塑性法と呼んでいる。
【0003】弾塑性の「弾」は土留め壁を打ち込んだ土
の土留め壁が破壊しない状態の土の領域を弾性領域とし
て取扱い、「塑」は土留め壁の破壊した土の部分を塑性
領域として取扱うためである。従来の掘削工事用シミュ
レーション装置では土留め壁の変形量と、地盤反力との
関係を図9Aに示すバイリニヤとする仮定に基ずいて演
算処理を行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで軟弱地盤で深
い掘削をする場合には地盤を改良することが一般的であ
る。掘削工事の地盤改良は、掘削面側の根入れ部の抵抗
土圧を大きくすること、および掘削底面の安定を確保す
ることが主な目的であることから掘削面側を改良するこ
とが合理的であり、一般にそのように施工されている。
軟弱地盤における掘削工事に用いられる地盤改良工法に
は、生石灰杭工法、深層混合攪拌工法、噴射攪拌工法な
どがある。このうち生石灰杭工法は1960年代前半か
ら使用されているもので、掘削面側地盤に全面的に、か
つ深さ方向にもある程度の厚さをもって、生石灰杭を打
設することにより、マンドレル打設に伴う側方向圧縮
と、生石灰が粘性土中の間隙水を吸収・膨張することと
により、粘性土地盤の圧密を促進させ、地盤の強度を増
加させることを期待した工法である。生石灰は間隙水を
吸収して消石灰に化学変化して安定した材料に変化する
ので、改良効果は永続すると考えられる。しかし、この
工法で得られる改良強度は他の工法に比較して小さいの
で、比較的浅い掘削か、軟弱地盤であっても極端に軟弱
でない場合に限定される。
【0005】一方、深層混合攪拌工法と噴射攪拌工法
は、1970年代前半から使用されているもので、安定
材としてセメントスラリーを使用する。深層混合攪拌工
法では、ロッドから注入される安定材を攪拌翼によって
地盤と攪拌混合するのに対して、噴射攪拌工法では安定
材を高圧で噴射して地盤を除去し、安定材に置換するも
のである。いずれも生石灰杭工法よりは大きな改良強度
を得ることができるが、両者を比較すると噴射攪拌工法
の方が大きい改良強度を得ることができるといわれてい
る。
【0006】生石灰杭工法で改良された地盤は、地盤全
体が圧密されて強度が増加するので、破壊の後の強度は
一般の地盤と同様にピーク強度に近い残留強度を有して
いると考えられている。他方、深層混合攪拌工法と噴射
攪拌工法では、改良体と地盤とは別なものとなってい
て、改良体の間に存在する未改良土は改良前の状態と変
わらない。したがって、改良の効果は改良体のみの性質
によることになる。この改良体はセメントと土の混合物
であるので、硬く図9Bに示すようにピーク強度は大き
いものの、破壊後の残留強度が著しく低下する。
【0007】従来の弾塑性法では、掘削面側の抵抗を表
現する地盤ばねにバイリニヤの性質を持つものと仮定し
ているため、掘削面側の地盤がピーク強度と同程度の残
留強度を有する場合には有効であるものの、破壊後の残
留強度がピーク強度より著しく小さくなるような場合に
は、バイリニヤの仮定が実際と異なるために誤差が大き
くなり、危険であるにも拘らず安全側の結果を出力する
不都合がある。
【0008】この発明の目的は土留め壁からの水平反力
が改良地盤のピーク強度を超えて地盤が破壊した後は、
地盤の抵抗としてピーク強度でなく残留強度を考慮して
演算処理し、現実に即したシミュレーション出力を得る
ように構成しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明では土留め壁に
沿って深さ方向に地質を調査して入力した土留め壁の背
面側の土質条件を記憶する背面側土質条件記憶手段と、
掘削面側の土の破壊前と破壊後の深さ方向の土質条件を
記憶する掘削面側土質条件記憶手段と、掘削面側に施し
た改良地盤の破壊前と破壊後の土質条件を記憶する改良
地盤土質条件記憶手段と、掘削工事の施工順序を記憶す
る施工順序記憶手段と、土留め壁の曲げ剛性を記憶する
土留め壁曲げ剛性記憶手段と、切りばりの軸方向剛性を
記憶する切ばり剛性記憶手段と、これらの各記憶手段に
記憶した情報を用いて各掘削段階毎の土留め壁の仮りの
水平変位量を求める土留め壁水平変位演算手段と、この
土留め壁水平変位演算手段で求めた土留め壁の各位置に
おける変位量から土留め壁に与えられる地盤反力と静止
土圧の和を求める地盤反力算出手段と、この地盤反力算
出手段で求めた地盤反力と上記掘削面側土質条件記憶手
段に記憶した各掘削深さ位置におけるピーク強度とを比
較し地盤反力がピーク強度を起えた場合はその掘削位置
における土が破壊され塑性化されたと判定する塑性化検
出手段と、塑性化検出手段によって検出された位置から
下側の位置について再度上記地盤反力と静止土圧の和を
求め、この和の値と上記ピーク強度とを比較し、前回の
位置と同じ位置で和の値と土のピーク強度とが等しくな
る位置を求めて弾塑性境界点を求める弾塑性境界点検出
手段と、弾塑性境界点が算出される毎にその境界点位置
から掘削表面までの地盤強度を土の破壊後の上記ピーク
強度以下の値を持つ残留強度に置換する地盤強度置換手
段と、塑性化検出手段で土の非破壊を検出した場合は土
留め壁水平変位演算手段の演算結果をそのまま記憶し、
塑性化検出手段で土の破壊を検出した場合は、地盤強度
置換手段で置換した土の強度により土留め壁水平変位演
算手段で再度演算し、その再演算結果を記憶する最終結
果記憶手段と土留め壁の応力及び切ばり応力を求め、こ
れを記憶する応力記憶手段とによって掘削工事用シミュ
レーション装置を構成する。
【0010】
【作用】この発明の構成によれば掘削面側の土質条件に
土のピーク強度と、土の破壊前と破壊後の土質条件を用
意し、各掘削表面位置において土留め壁の変位量から土
に与えられる応力(地盤反力と静止土圧の和)を算出
し、その応力がピーク強度を越えたか否かにより土の破
壊或は非破壊を判定し、非破壊であればそのまま土留め
壁の変位量、曲げモーメント、、せん断力等を算出して
記憶すると共に、破壊と判定した場合はその破壊されて
いる領域(深さ)を算出し、破壊されている領域の地盤
強度を破壊後の上記ピーク強度以下の値を持つ残留強度
に置換して土留め壁の変位量を再度算出する構成とした
から、土留め壁の変位量は従来のピーク強度で支える場
合より大き目の値で算出される。この結果合理的な土留
め壁の変位量を推定することができる。
【0011】また実状に即した変位量のシミュレーショ
ン出力を得ることができる。
【0012】
【実施例】図1にこの発明による掘削工事用シミュレー
ション装置の実施例を示す。図中100はこの発明によ
る掘削工事用シミュレーション装置を示す。この装置は
一般によく知られているパーソナルコンピュータによっ
て構成することができる。コンピュータは中央演算処理
装置101と、リードオンリーメモリ(ROM)102
と、書き替え可能なランダムアクセスメモリ(RAM)
103と、フロッピーディスクのような外部記憶装置1
04と、入力ポート105、出力ポート106、キィー
ボード107、等によって構成される。出力ポート10
6にはモニタ200と、プリンタ300が接続され、シ
ミュレーションした結果の表示と印刷及び土質条件を入
力する場合の入力用画面を表示する。
【0013】この発明では例えば外部記憶装置104か
ら掘削工事用シミュレーション装置のプログラムを読込
むことにより、ランダムアクセスメモリ103の一部の
記憶領域を用いて背面側土質条件記憶手段103Aと、
掘削面側土質条件記憶手段103Bと、改良地盤土質条
件記憶手段103Cと、施工順序記憶手段と、土留め壁
曲げ剛性記憶手段103Dと、切ばり剛性記憶手段10
3Eと、最終結果記憶手段103Fと、施工順序記憶手
段103Gとを設けると共に、他の記憶領域を用いて、
土留め壁水平変位演算手段103Pと、地盤反力算出手
段103Qと、塑性化検出手段103Rと、弾塑性境界
点検出手段103Sと、地盤強度置換手段103Tと、
応力記憶手段103Uとを設ける。
【0014】以下に各部の構成動作について説明する。
背面側土質条件記憶手段103Aには図2に示すよう
に、土留め壁1を境に背面側2の土質を予め調査し、そ
の調査結果をキィーボード107を通じて入力する。土
質条件としては単位体積重量γ(トン/m3 )と、内部
摩擦係数φ(°)と、粘着力(トン/m3 )と、水平地
盤反力係数kH (トン/m3 )及び図示しないがピーク
強度とを入力する。図2の例では単位深さを5メートル
とし、5メートル毎に30メートルまで土質条件を調査
し、この結果を記憶手段103Aに記憶した状態を図化
して示す。
【0015】この背面側2の土質条件により背面側2の
土圧(水圧も含む)を各深さ位置毎に演算により算出す
ることができる。掘削面側土質条件記憶手段103Bに
も同様に掘削面側3の土質条件を記憶する。(尚、背面
側2と掘削面側3の何れも地質に大差が無ければ何れか
一方だけ地質の調査を行ないその結果を共用することも
ある。)。
【0016】掘削面側3の土質条件にはピーク強度の外
に土が弾性体として働く破壊前の土質条件と、塑性体と
して働く破壊後の土質条件も付記される。一方地質の状
況に応じて掘削面側3には地盤の改良を行なう場合があ
る。この場合には地盤改良による土質条件の変化を推定
し、その結果を改良地盤土質条件記憶手段103Cに記
憶する。この改良地盤の土質条件にも土の破壊前と後の
土質条件を付記する。
【0017】その他として土留め壁曲げ剛性記憶手段1
03Dには土留め壁1の曲げ剛性を記憶し、切ばり剛性
記憶手段103Eには切ばり4の剛性(圧縮剛性)を記
憶する。以上の条件を入力して後に、掘削開始の指示を
入力し、シミュレーションを開始させる。シミュレーシ
ョンの順序として、1次掘削を例えば2メートルとし、
2次掘削以降3メートルと仮定してシミュレーションを
実行させる。
【0018】1次掘削が終了したものとして切ばり4を
施工し、その状態で土留め壁1の各部の水平変位量を求
める。この演算は土留め壁水平変位演算手段103Pで
実行される。演算の方法については後で説明する。演算
により、土留め壁1の変位(背面側2の土圧による変
位)が求められると、この変位により掘削面側3の土に
与えられる応力(掘削面側3の土からの反力と等価)を
求める。この演算は地盤反力算出手段103Qによって
行なわれる。
【0019】地盤反力算出手段103Qではその掘削位
置における地盤強度と静止土圧の和を求める。図3に示
す曲線Pr は地盤反力、P0 は静止土圧、曲線Pt は地
盤反力と静止土圧とを加算した根入れ部の土圧を示す。
地盤反力Pr は Pr =kH ・δH で求められる。kH は図2に示した水平地盤反力係数、
δH は土留め壁水平変位(演算手段103Pで算出した
土留め壁1の水平変位)を示す。
【0020】静止土圧P0 は P0 =kO γt Z で求められる。kO は静止土圧係数、γt は図2に示し
た単位体積重量、Zは掘削面から測った計算点の深さを
示す。これらの数値は土質条件として与えられている。
【0021】根入れ部の土圧Pt はPt =Pr +P0
求められる。根入れ部の土圧Pt が求められたことによ
り、その算出結果を塑性化検出手段103Rに引渡す。
塑性化検出手段103Rは根入れ部の土圧Pt とその掘
削面位置におけるピーク強度PP とを比較し、Pp >P
t であれば掘削面側の土は破壊されていないと判定し、
その場合は土留め壁水平変位演算手段103Pで算出し
た土留め壁の変位と応力をそのまま応力記憶手段103
Uに記憶する。また応力記憶手段103Uにはその他に
切ばり応力を一時記憶する。
【0022】一方根入れ部の土圧Pt がピーク強度Pp
より大きいPp <Pt である場合には掘削面側3の土が
破壊されていると判定する。この場合には動作は弾塑性
境界点検出手段103Sに引き渡される。弾塑性境界点
検出手段103Sは根入れ部の土圧Pt の演算を掘削面
から漸次深さ方向に位置を変えながら実行し、位置の変
更毎にその算出結果とピーク強度Pp との比較を繰返
す。この収束計算中にPp =Pt との比較結果が得られ
ると、その深さ位置が土の破壊と非破壊の境界点:つま
り弾塑性境界点と決定する。Pp <Pt の状態からPp
>Pt の状態に変化した場合は演算対象位置を上方に戻
し、再度その深さ位置における根入れ部の土圧Pt を求
め、その根入れ部の土圧Pt とピーク強度Pp とを比較
し、Pp ≒Pt となるまでその動作を繰返す。
【0023】弾塑性境界点X(図3)が求められると、
動作は地盤強度置換手段103Tに移る。地盤強度置換
手段103Tでは弾塑性境界点Xから上側の土質条件を
土の破壊後のデータ(ピーク強度P p 以下の値を持つ残
留強度)に置換し、その置換したデータにより破壊後の
根入れ部の土圧Pt ′を求める。根入れ部の土圧Pt
t ′に置換えられたことにより、土留め壁1に掛る反
力も変化するから土留め壁1の変位を土留め壁水平変位
演算手段103Pで再計算し、その算出結果を最終結果
記憶手段103Fに記憶させる。このとき切ばり応力及
び根入れ部の土圧、土留め壁の曲げモーメントも合せて
最終結果記憶手段103Fに記憶する。
【0024】以上の動作をN次掘削まで繰返し、各掘削
時の土留め壁1の変位と、曲げモーメント及び切りばり
応力を最終結果記憶手段103Fに記憶させる。最終結
果記憶手段103Fに記憶された土留め壁1の変位及び
曲げモーメントをモニタ200又はプリンタ300に出
力し、例えば図2に示す変位と曲げモーメントのシミュ
レーション出力を表示する。図2の例では最上部の変位
が21.8mm、最大変位が42.5mmであった場合
を示す。この最大変位が例えば許容範囲を越えている場
合はその最大変位が発生する位置の土質を改良し、補強
する必要があることが解る。土質改良工事を施工後、再
度土質調査を行ない、同様のシミュレーションを行なう
ことにより工事が安全に達成できるか否かを判定するこ
とができる。
【0025】図4にこの発明による装置の動作の概要を
説明するためのフローチャートを示す。 ステップ(1)でI次掘削時の増分荷重の計算を行な
う。 ステップ(2)でI次掘削時の構造系に対する剛性マト
リクスの計算。 ステップ(3)で増分荷重に対する土留め壁各支点の変
位の計算(各切ばりの変位を含む)。
【0026】ステップ(4)で掘削底面以下の部分の掘
削面側の全側圧の計算。 ステップ(5)で根入れ部(土留め壁が土に入っている
部分)の全側圧と受働圧との比較。 ステップ(6)で部材(土)の中で塑性になっている部
材が有るか否かを判定(塑性化検出)。
【0027】ステップ(6)で塑性化が検出されない場
合はステップ(12)にジャンプし、土留め壁の変位と
応力、切ばり応力、曲げモーメント、根入れ部の土圧等
を計算し、その計算結果を最終結果記憶手段103Fに
書き込む。ステップ(13)で全部の掘削段階を計算し
たかを判定する。全部の掘削段階を計算していなければ
ステップ(15)で回数Iを−1し、ステップ(1)に
戻る。全部の掘削段階を計算していればステップ(1
4)に移り終了する。
【0028】図5はこの発明の他の実施例を示す。この
実施例では切ばりに掛る応力が張力に変化した場合に、
その位置の切ばりの存在を計算から切離すことができる
ように構成した場合を示す。つまり図6に示すように1
次掘削時に土留め壁1が図6Aに点線で示すように変形
したとする。この変形に対し第1切ばり41 を施工し、
土留め壁1の変形を阻止する方向に力を与える。
【0029】2次掘削時には第1切ばり41 の存在によ
り土留め壁1は第1切ばり41 を支点に上側が逆向にと
変位する。この状態で第2切ばり42 を設置して3次掘
削を施工すると、第1切ばり41 には張力が発生するこ
とがある。第1切ばり41 が張力に抵抗できると仮定し
て土留め壁の曲げモーメントを求めると、第1切ばり4
1 が張力に抵抗しないと考えた場合より小さな曲げモー
メントが得られる。現実に切ばり4に張力が与えられた
場合は切ばり4は張力に対し無抵抗である場合が多い。
このためこの実施例では切ばり4に掛る応力が所定値以
下(0乃至は負)に変化した場合はその存在を無効に
し、その位置に切ばり4が存在しないものとして土留め
壁1の変位を算出するように構成したものである。
【0030】このため、この実施例では図1に示した構
成に加えて切ばり4に掛る応力の極性を判別する極性判
別手段103Vと、各切ばりに与えられる応力が所定値
以下の値になった場合に、その切ばりの存在を無にして
切離す切離し手段103Wと、これらの手段103Vと
103Wを動作させるか否かを設定する設定手段103
Xとを設ける。
【0031】設定手段103Xに切ばりの切離し「無
し」を設定すれば図1の実施例と同じに動作するが、切
ばり切離し「有り」を設定すれば図5に示した実施例の
装置として動作し、規定以上の張力が与えられた切ばり
に関してはその存在を無にして土留め壁1の変位、曲げ
モーメント等の計算を実行する。図7はこの発明の更に
他の実施例を示す。この例ではシミュレーションの途中
において土質条件の一部又は全部を入れ替える土質条件
入替手段103Yを設けた構造としたものである。この
土質条件入替手段103Yを設ける場合には掘削面側土
質条件記憶手段103Bに第2土質条件記憶手段103
BBを設け、シミュレーションの頭初は掘削面側土質条
件記憶手段103Bに記憶した土質に従って土留め壁1
の変位の演算を実行し、シミュレーションの実行中に掘
削面側の土質を改良することにより、改良後の土質条件
を第2土質条件記憶手段103BBに記憶させ、土質改
良位置まで掘削が進むと改良後の土質条件に入替を実行
する。
【0032】このように構成することにより、例えば掘
削の途中で、土質改良工事を施工した場合に対処するこ
とができる。図8はこの発明の更に他の実施例を示す。
この例では土留め壁1の曲げ剛性をステップ変化させる
ことができるように構成した場合を示す。つまり掘削面
側に掘削の途中で掘削面側にコンクリート等で建物の一
部又は全部を構築し、この建物の一部又は全部を土留め
壁の一部として利用する場合に対応できるように構成し
た場合を示す。
【0033】このためには、土留め壁曲げ剛性記憶手段
103Dに第2の曲げ剛性記憶手段103DDを設け、
この第2曲げ剛性記憶手段103DDに建物の一部を土
留め壁として利用した場合の土留め壁の曲げ剛性係数を
記憶させておく、この曲げ剛性係数は土留め壁となるコ
ンクリートの壁の厚み等から算出することができ、その
算出値をキィーボード107から入力すればよい。
【0034】上述した土留め壁1の各部の水平変位及び
曲げモーメントを算出する計算方法について以下に説明
する。 (1)構造モデルおよび荷重に関する仮定 以下の仮定に基づいて、いわゆる弾塑性法によって計算
する。 施工順序を考慮して計算を進める。 土留め壁は弾性のはり部材とする。 切ばりは弾性支承(水平と回転に対して弾性)と
し、入力により引張抵抗を考えないことも選択できるよ
うにする。 掘削に伴い切ばり架設時に、既に発生している地中
先行変位を考慮する。 切ばり支点のセット量(切ばりばねが有効に働くま
での余裕量)を入力できるようにする。 掘削面側の地盤の抵抗は、入力により以下の2種類
の状態のどちらかを考え得るようにする(図9)。
【0035】○土留め壁の変位と地盤反力の関係をバイ
リニヤとする場合(図9A)。 ○土留め壁の変位と地盤反力の関係が、破壊前と破壊後
で異なる場合(図9B)。 施工の途中で地盤改良することも考えて、地盤ばね
や土質条件も施工途中において変更できるものにする。 背面側に作用する荷重は、掘削段階ごとに変えるこ
とができるようにし、入力によって設定する。 掘削面側に作用する荷重としては、土留め壁が変形
しない状態で作用している土圧(静止土圧あるいは平衡
土圧)と土留め壁の変形に関係する土圧とを考え、前者
を掘削段階ごとに入力によって設定できるものにして、
後者をによって設定される弾塑性の地盤ばねで表現す
る(図10A及びB)。 (2)計算方法 掘削土留め工の計算が一般の構造物と比較して難しいの
は、掘削に伴って構造系と荷重が変化することに原因が
ある。すなわち、掘削することによって掘削面側の抵抗
地盤が除去され、代わりに切ばりが挿入される。それと
同時に、背面側の土圧も掘削面側の静止土圧も変化す
る。こうした状態を考えると、単に任意の掘削時点のみ
を考えるのでは問題を解くことができず、施工順序を考
慮に入れた解析方法が必要であることが分かる。
【0036】施工順序を考慮に入れた解析方法には、次
の2種類の方法が考えられる。 〔全荷重法〕任意の掘削段階を想定して、その時点で土
留め壁に作用している荷重を、その時点での構造系に作
用させる方法。ただし各切ばり支点には、その切ばりが
設置される時点に既に発生している土留め壁の変位量
(地中先行変位)をセット量として入力する。 〔荷重増分法〕任意の掘削段階を想定して、その時点で
の構造系に前段階からの荷重の増分量を作用させて得ら
れる各部の応力と変位の増分を、前段階の応力と変位に
加算してその時点での応力変位とする方法。この場合
には地中先行変位は考慮しない。
【0037】従来の解析装置では前者の全荷重法によっ
ていたが、この発明では掘削の途中で掘削面側の地盤を
改良することを考えているので、全荷重法の採用は適当
でないことから、後者の荷重増分法を採用すことにす
る。上述の荷重増分法を採用し、しかも掘削面側地盤の
抵抗を表現する地盤ばねの特性が複雑であることを考え
ると、構造モデルとして以下の2種類が考えられる。
【0038】○土留め壁に数多くの節点を持たせて、地
盤ばねの反力も土留め壁に作用する荷重もその節点のみ
で伝達させる方法。 ○土留め壁の節点の数は、切ばり支点、各次掘削の掘削
底面、地層の境界点などの必要最少限にして、地盤のば
ねと土留め壁に作用する荷重は節点と節点を結ぶ部材に
作用すると考える方法。
【0039】上記の2種類の方法のうち、前者は近似解
法であって厳密解を得ることはできないが、計算プログ
ラムを作成するには便利な方法である。後者は弾性と塑
性の境界を収束計算によって求める際にやや複雑な手法
が必要になるため計算プログラムが煩雑になるものの、
計算時間を短くすることができ、かつ厳密解を得ること
ができることから、ここでは後者を採用する。
【0040】各掘削時点の応力と変位の増分の計算は、
土留め壁に設置した各節点の変位(水平変位と回転角)
を未知数とした変形法によって求める。ここで作成した
計算プログラムの概略的な流れを図4に示した。図4に
示したように、掘削面側の抵抗を表す地盤ばねの状態
(弾性か塑性のいずれか)を決定するために収束計算が
必要である。収束計算には、土留め壁の各部材を図11
に示すように定義して、それぞれの部材に図12に示し
たような弾性と塑性の判定基準および掘削面側の荷重を
使用することにした。 (3)基本式 荷重増分法で構造解析をする場合には、各計算ステップ
における構造モデルと荷重の増分量を設定しておくこと
が必要になるので、施工段階を考慮して整理すると、土
留め工の場合には図13に示すようになる。この図13
に示した部材の状態と荷重の状態を整理し直すと、部材
については一般の部材(片側のみに荷重が掛かって状態
の部材)と弾性床上のはり(地中に埋もれている状態の
はり)の2種類となり、荷重としては等変(直線変化
の)分布荷重と弾性反力を含む曲線分布荷重の2種類に
なる。そして、それぞれを組合せると次のようになる。 一般の部材で等変分布荷重を受けるケース・・・I,
III , VII 一般の部材で弾性反力を受けるケース・・・・・II,
VI 弾性床上のはりで等変分布荷重を受けるケース・・・
IV,V 上記の部材と荷重の組合せのうち、との状態につい
ては既往の文献などに示されているので省略し、ここで
はに対する基本式を以下に示すことにする。
【0041】着目している掘削段階の直前の掘削段階で
弾性であった部分を掘削する場合、または直前の掘削段
階で弾性であった部分が今回の掘削によって塑性となる
場合については、掘削面側の今回の掘削に対する増分荷
重は、弾性反力を含む曲線分布荷重となる。この荷重
は、弾性反力と等変分布荷重とで成り立っているが、等
変分布荷重に対しては上記と同様に扱うことができる
ので、ここでは弾性反力のみを扱う。
【0042】図14を参照して、この場合のはりのたわ
みの一般式は次のようになる。 EI・d4x /dx4 =Px =(kH Byxp) ……(1) ここに、EI:部材の曲げ剛性 yx :着目点のたわみ x :部材の左端から着目点までの距離 Px:はりに作用する荷重強度 kH :水平地盤反力係数 B :載荷幅 yxp:前段階までの土留め壁の変位 前段階までに弾性床上のはりに作用していた等変分布荷
重PXP(ξ)を次式で表すことにする。
【0043】 Pxp(ξ)=Pp +qp ・ξ ……(2) ここに、ξ :部材の左端から着目点までの距離 Pp :等変分布荷重の左端の荷重強度 qp :等変分布荷重の荷重の増加度 このように仮定し、三角関数と双曲線関数を次式: sin βx =Sx ,cos βx =Cx ,sinhβx =Shx,coshβx =Chx のように簡略化して表現すると、微分方程式(1)の解
は次のように求めることができる。
【0044】 yx =ChxX ap+θap(Chxx +Shxx )/2β −Shxx ・Map/2β2EI −Sap(Chxx −Shxx )/4β3EI +Pp (1−Chxx )/4β4 EI +qp (2βx −Shxx −Chxx )/8β3 EI ……(3) ここに、yapap ,MapおよびSapは、それぞれ前段
階までの土留め壁a端のそれぞれ変位、回転角、曲げモ
ーメントおよびせん断力である。また、βは土留め壁の
曲げ剛性と掘削面側地盤の水平地盤反力係数から次式に
よって得られる係数である。
【0045】 β= 4√(kH B/4EI) ……(4) 変形法を使用して構造解析を行うために、部材の両端で
の曲げモーメントとせん断力を、次式のように部材両端
での変位と回転角(たわみ角)および部材に作用する荷
重で表すことにする。 上式の剛性マトリクスの各要素は次式で与えられる。
【0046】 C1 =12EI/L3 ,C2 =6EI/L23 =4EI/L,C4 =2EI/L ……(6) また、式(5)の右辺の荷重項は次のようになる。 Sfa=−gya1ap6EI/L3 +gya2 θap6EI/L3 +gya3ap/βL3 +gya4ap/L3 +gya5p /2L2 +3gya6p /2L3 ……(7) Mfa=gma1ap6EI/L2 +gma2 θap6EI/L2 +3gma3ap/L2 +gma4ap/L2 +gma5p /2L2 +gma6p /4L2 ……(8) Sfb=gsb1ap6EI/L3 +gsb2 θap6EI/L3 +gsb3ap/L3 +gsb4ap/L3 +gsb5p /2L3 +3gsb6p /2L3 ……(9) Mfb=gmb1ap6EI/L2 +gmb2 θap6EI/L2 +3gmb3ap/L2 +gmb4ap/L2 +gmb5p /2L2 +gmb6p /4L2 ……(10) ここに、gsaj ,gmaj ,gsbj およびgmbj (j=
1,2,…,6)は付録に示した計算式によって与えら
れる係数である。
【0047】変形法によって各節点の変位と回転角が求
められればその結果を式(5)に代入することにより部
材左端の曲げモーメントとせん断力を求めることができ
る。その結果、部材の任意点の水平変位yx ,曲げモー
メントMx およびせん断力Sx が次式により求められ
る。 yx =ya +xθa −X2a /2EI−X3a /6EI+ 〔−6EI(Chxx −1)ya +3EI{2x− (Chxx +Shxx )1/β}θa −3(x2 −Shxx /β2 )Ma −{x3 −3(Chxx −Shxx )/2β3 }Sa +{x4 /4+3(Chxx −1)/2β4 }Pp +{x5 /20+3/4β5 (Shxx +Chxx )−3/2β4 x} qp 〕/6EI ……(11) Mx =Ma +XSa +2EIβ2hxx a +EIβ(Chxx −Shxx )θa +(Chxx −1)Ma +{(Chxx +Shxx )/2β−x}Sa +(x2 −Shxx /β2 )Pp /2 +{(Shxx −Chxx )/4β3 +x3 /6}qp ……(12) Sx =Sa +2EIβ3 (Chxx +Shxx )ya +2EIβ2hxx θa +β(Shxx −Chxx )Ma +(Chxx −1)Sa +{x−(Chxx +Shxx )/2β}Pp +(X2 −Shxx /β2 )qp /2 ……(13)
【0048】
【現場実測値と計算値の比較】前節では、脆性材料で地
盤改良した場合にも使用できるように修正した弾塑性法
の理論式を示したが、この方法の適用性をみるために、
図15に示す現場を対象として現場実測値とシミュレー
トした結果との比較を試みる。以下にその概要を示す。 (1)比較現場−A この現場は、砂質土地盤を17.2m掘削するもので、
土留め壁としてφ=600mmの鋼管矢板を使用してい
る(図16)。最終掘削底面以下の部分(厚さ3.3
m)の区間の地盤が噴射攪拌工法によって改良されてい
て、設計改良強度はqu =50kgf/cm2 であっ
た。この現場では背面側の側圧が測定されているので、
各掘削段階での背面側側圧は測定値を使用し、掘削面側
の受働側圧をランキン・レザールの側圧として土留め壁
の応力と変形をシミュレートした。この結果を、土留め
壁の変位と曲げモーメントについて現場実測値と比較し
たものが図17である。図17からシミュレーション値
と実測値とは良い一致を見ていることが分かる。なお改
良地盤に作用する土留め壁根入れ部の反力は最大で1
6.7kgf/cm2 程度であって、設計改良強度より
小さく弾性状態であった。すなわち、このことは改良地
盤が破壊していないことを意味しており、検証の目的の
全部を満足するものではないが、掘削面底部の地盤を改
良した場合は、その改良地盤に16.7kgf/cm2
といった大きな反力が作用することが分かったことに意
義があった。 (2)比較現場−B 高速湾岸線立坑の建設現場で得られた実測値と比較す
る。当該現場は全体として軟弱な地盤で、上部に緩い砂
層があり、その下に中程度の砂層が続いている。この層
の下に軟弱なシルトが続き、その下部に緩い砂層が堆積
している。このような地盤をφ=1800mmの鋼管矢
板を使用して、GL−31.1mまで掘削するものであ
る。根入れ部が軟弱なシルト層であることから噴射攪拌
工法によって、最終掘削底面から上方4mの深さを上端
とし、その位置から14m下方の位置を下端とする地盤
改良がなされている(図18A)。改良地盤の強度は、
シルト層でqu =30kgf/cm2 であり、下部の砂
層でqu =50kgf/cm2 であった。
【0049】土圧を「共同溝設計指針」に示された方法
によって計算し、この土圧をこの発明で提案した装置に
入力して得られた変位のシミュレーション値と、現場で
得られた測定結果とを比較して図18Bに示した。この
図18Bによると、実測値とある程度相似したシミュレ
ーション結果が得られたことが分かる。実測値による
と、土留め壁は地盤改良区間でも比較的大きな変位を示
していて、改良地盤が塑性化したことが推測できるが、
シミュレーションでは掘削底面から約5.3mの範囲が
塑性化した結果となっていて、実測値の傾向とほぼ一致
している。尚、図16及び図18に示したN値は日本工
業規格(JIS)で定められている標準貫入試験で求め
た打込み回数を示す。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば
地盤反力算出手段103Qにより土留め壁1の変位から
掘削面側の土に与えられる地盤反力を求め、塑性化検出
手段103Rにおいてその根入れ部の土圧とその掘削位
置における土のピーク強度とを比較し、根入れ部の土圧
がピーク強度を越えたことを検出して土の破壊と判定
し、地盤強度置換手段103Tにより土の反力を破壊後
の残留応力に置換し、再度土留め壁1の変位を再計算す
る構成としたから、再計算により求められた土留め壁の
変位は従来のシミュレーションの結果より大き目の現実
に近い安全側の変位量が得られる。この結果掘削前にほ
ぼ現実に近いシミュレーションの結果を得ることができ
るから、このシミュレーションの結果、許容される変位
を越える部分が検出された場合には、必要に応じて、そ
の位置の土に土質改良を施す等の処置を採ることができ
る。従って工事を安全確実に実施することができる実益
が得られる。
【0051】
【付録】式(6)〜(10)の係数 ここでも、三角関数と双曲線関数を次式: sin βL=Si ,cos βL=Ci ,sinhβL=Shi,coshβL=Chi のように簡略化して示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すブロック図。
【図2】この発明の装置に入力する土質条件、掘削の概
要、背面側の土圧、変位のシミュレーション出力、曲げ
モーメントのシミュレーション出力の各関連を説明する
ための図。
【図3】この発明の要部の動作を説明するための図。
【図4】この発明の要部の動作を説明するためのフロー
チャート。
【図5】この発明の変形実施例を示すブロック図。
【図6】図5に示した実施例の動作を説明するための
図。
【図7】この発明の更に他の実施例を示すブロック図。
【図8】この発明の更に他の実施例を示すブロック図。
【図9】従来の技術とこの発明の要点を比較して説明す
るための図。
【図10】図9と同様の図。
【図11】この発明の実施例に用いた塑性化検出手段の
動作を説明するための図。
【図12】図11と同様の図。
【図13】この発明の実施例に用いた土留め壁水平変位
演算手段の演算式導出過程を説明するための図。
【図14】図13と同様の図。
【図15】この発明によるシミュレーション出力と対比
するための実測値を得た現場の状況を説明するための
図。
【図16】図15に示した現場の様子を図化して示した
図。
【図17】図15及び図16に示した現場で測定した実
測値とこの発明による装置のシミュレーション出力とを
比較して示した図。
【図18】図17と同様の図。
【符号の説明】
1 土留め壁 2 背面側 3 掘削面側 4 切ばり 100 掘削工事用シミュレーション装置 101 中央演算処理装置 102 リードオンリーメモリ 103 ランダムアクセスメモリ 103A 背面側土質条件記憶手段 103B 掘削面側土質条件記憶手段 103C 改良地盤土質条件記憶手段 103D 土留め壁曲げ剛性記憶手段 103E 切ばり剛性記憶手段 103F 最終結果記憶手段 103G 施工順序記憶手段 103P 土留め壁水平変位演算手段 103Q 地盤反力算出手段 103R 塑性化検出手段 103S 弾塑性境界点検出手段 103T 地盤強度置換手段 103U 応力記憶手段 103V 極性判別手段 103W 切離し手段 103X 設定手段 103BB 第2土質条件記憶手段 103DD 第2曲げ剛性記憶手段 103Y 土質条件入替手段

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A.土留め壁の施工の前に背面側の土質
    を深さ毎に調査して得られた土質条件を記憶する背面側
    土質条件記憶手段と、 B.上記土留め壁の掘削面側の土質を深さ毎に調査して
    得られた土質条件を記憶する掘削面側土質条件記憶手段
    と、 C.地盤改良工事施工後の改良地盤の土質条件を記憶す
    る改良地盤土質条件記憶手段と、 D.掘削工事の施工順序を記憶する施工順序記憶手段
    と、 E.上記土留め壁の曲げ剛性を記憶する土留め壁曲げ剛
    性記憶手段と、 F.上記土留め壁を支持する切ばりの剛性を記憶する切
    ばり剛性記憶手段と、 G.掘削によって発生する上記土留め壁の水平変位を算
    出する土留め壁水平変位演算手段と、 H.上記土留め壁水平変位演算手段で算出した土留め壁
    の水平変位が掘削面側の土に与えられることにより発生
    する反力を算出する地盤反力算出手段と、 I.この地盤反力算出手段で算出した地盤反力とピーク
    強度とを比較し、土の破壊、非破壊を判定する塑性化検
    出手段と、 J.塑性化検出手段が土の破壊を検出することにより起
    動され、土の破壊と非破壊の境界点を検出する弾塑性境
    界点検出手段と、 K.弾塑性境界点検出手段が検出した境界点と掘削側の
    地表面との間の土の強度を土の破壊後の上記ピーク強度
    以下の値を持つ残留強度に置換し、再度上記土留め壁水
    平変位演算手段で土留め壁の変位を算出させる地盤強度
    置換手段と、 L.上記塑性化検出手段で土の非破壊を検出した場合は
    上記土留め壁水平変位演算手段の演算結果をそのまま記
    憶し、塑性化検出手段で土の破壊を検出した場合は、上
    記地盤強度置換手段で置換した土の強度により上記土留
    め壁水平変位演算手段で再度演算し、その再演算結果を
    記憶する最終結果記憶手段と、 M.土留め壁の応力及び切りばり応力を求め、これを記
    憶する応力記憶手段と、によって構成したことを特徴と
    する掘削工事用シミュレーション装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の掘削工事用シミュレーシ
    ョン装置において、 A.土留め壁を支持する切ばりに掛る荷重の極性を判別
    する極性判別手段と、 B.この極性判別手段が切ばりに掛る荷重が所定値以下
    であることを検出することにより、その切ばりの存在を
    無視する切離し手段と、 C.上記極性判別手段が切ばりに掛る荷重が所定値以下
    であることを検出したとき、切ばりの存在を無視するか
    否かを設定する設定手段と、 を付加したことを特徴とする掘削工事用シミュレーショ
    ン装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の掘削工事用
    シミュレーション装置において、 A.掘削面側土質条件記憶手段に適宜に実行する地盤改
    良後の土質条件を記憶する第2土質条件記憶手段と、 B.上記土留め壁水平変位演算手段、地盤反力算出手
    段、弾塑性境界点検出手段の各演算に上記第2土質条件
    記憶手段に記憶した土質条件を入替える土質条件入替手
    段と、 を付加したことを特徴とする掘削工事用シミュレーショ
    ン装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3記載の掘削工事用
    シミュレーション装置において、土留め壁曲げ剛性記憶
    手段に第2曲げ剛性記憶手段を設け、掘削の進行中に土
    留め壁の曲げ剛性を上記第2曲げ剛性記憶手段に記憶し
    た土留め壁の曲げ剛性に置換できるように構成したこと
    を特徴とする掘削工事用シミュレーション装置。
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WO2013100219A1 (ko) * 2011-12-28 2013-07-04 볼보 컨스트럭션 이큅먼트 에이비 건설 기계의 가상 작업 시뮬레이션 처리 장치
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