JP2654804B2 - 取水装置 - Google Patents

取水装置

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JP2654804B2
JP2654804B2 JP11617888A JP11617888A JP2654804B2 JP 2654804 B2 JP2654804 B2 JP 2654804B2 JP 11617888 A JP11617888 A JP 11617888A JP 11617888 A JP11617888 A JP 11617888A JP 2654804 B2 JP2654804 B2 JP 2654804B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、湖沼等からの取水に利用される取水装置に
関する。
(従来の技術) 従来、この種の取水装置は、第4図および第5図に示
すように構成されていた。これらの図において、1は減
勢池で、この中に湖沼等に通じる導水管2が鉛直に立上
がって導入され、その開口部にはバルブ3が装着されて
いる。このバルブ3は、前記導水管2の開口部に摺動自
在に外嵌されたスリーブ状の弁体4と、導水管2の開口
との間に所定の隙を形成するように支持部材6を介して
該導水管2に支持された円錐状の弁座5とから成り、前
記弁体4が、フロート室7に収容されたフロート8に連
結ロッド9にて連結されている。フロート室7を形成す
るハウジング7aは、前記支持部材6に整流板6aを介して
固定され、これには減勢池1と連通する小径の通水口7b
が設けられている。すなわちバルブ3は、フロート室7
に収容されたフロート8の動きに追従して作動し、前記
導水管2の開口部を開閉して減勢池1内の水位を一定に
維持するように働く。
ところで、上記バルブ3の利用によれば、弁座5に弁
体4が着座した状態で両者の間に比較的大きな静摩擦抵
抗が発生し、減勢池1の水位が大きく変化した後におい
て、始めてバルブ3が開弁するようになる。つまり該バ
ルブ3による減勢池1内の水位の制御は、第4図に範囲
Sで示すようにかなり大きなものとなり、したがって貯
留水を減勢池1の上部から放出することは不可能とな
る。そこで、従来は、減勢池1の下部には流出口10を設
け、減勢池1内の貯留水をこの流出口10を通じて水路12
へ放出し、その放出量を該流出口10に設けた制水弁11に
よって制御するようにしていた。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記従来の取水装置によれば、減勢池
1の下部から貯留水を放出する態様となるため、減勢池
1に堆する水路12の落差がこの部分で大きく浪費され、
水路12の落差(勾配)を確保するための特別の土木工事
が必要となり、前記制水弁11の使用と相まって大きなコ
スト負担を招くという問題があった。
また上記したように、減勢池1の水位が大きく変化し
た後において、始めてバルブ3が開弁するため、弁体4
の動きが急激となって、導水管2内に大きな水撃が作用
し、該導水管2が破壊する虞れもあった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもの
で、弁装置に工夫をなすことによって減勢池内の水位を
一定に維持することを可能とし、もって減勢池に対する
水路の落差を不要にすると共に、導水管の安全性にも寄
与する取水装置を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明は、減勢池内に鉛直
方向に立上って導入された導水管の開口部にスリーブ状
の弁体を摺動自在に外嵌し、前記弁体の上方に前記導水
管に支持させて該弁体と係合可能に弁座を配設し、前記
弁体に、該弁体の口部周りに小断面の排水口を開口させ
るヘッダを嵌着し、前記弁体の上方に配設したフロート
室に、密閉された下部空気室と大気に連通された上部水
室とを有し前記弁体と一体に上下動するフロートを収納
し、前記フロート室と前記ヘッダとを排出管に連通する
と共に、前記フロートの水室と減勢池とを連通管にて連
通し、かつ堰を形成する注水槽を前記フロート室に並設
して該注水槽と前記フロート室とを注水管にて連通する
ように構成したことを要旨する。
(作用) 上記構成の取水装置においては、バルブが開いて導水
管から流出水があれば、ヘッダの排出口の前部に負圧が
発生し、フロート室内の水が排出管を介して減勢池に排
出され、一方注水槽への越流水がフロート室内に補給さ
れる。そして前記排出水と補給水がバランスしてフロー
トが静止状態となり、所望のバルブの開度が維持され
て、減勢池の水位が一定となる。またこのようにバルブ
を開閉させることなく減勢池内の水位を一定とすること
ができるため、導水管に水撃が作用することもなくな
る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を添付図面にもとづいて説明す
る。
第1図ないし第3図において、21は減勢池、22は該減
勢池21内に鉛直に立上がって導入された導水管である。
導水管22の開口部にはバルブ23を構成するスリーブ状の
弁体24が摺動自在に外嵌されている。導水管22には鉛直
方向に延びる支持ロッド26がブラケット27を介して固定
され、この支持ロッド26の下端部には導水管22の開口と
の間に所定の隙を形成するように弁座25が固定されてい
る。弁座25は導水管22の開口に臨む側が球面とされ、こ
の球面に前記弁体24が離着座できるようになっている。
また前記弁座25は、その基端から水平方向へ拡がる整流
板28を一体に設けている。29は、前記弁体24に補強板30
を介して嵌合固定されて環状のヘッダで、該ヘッダ29の
内面には前記弁体24の口部周りに開口する小断面の排水
口29aが設けられている。
上記バルブ23の上方にはフロート室31を形成するハウ
ジング32が前記整流板28と一体に配置され、この中には
該ハウジング32の内壁との間にわずかの隙を有してフロ
ート33が収容されている。前記フロート室31内には前記
鉛直方向に延びる支持ロッド26の一部が同心に位置決め
されており、フロート33がこの支持ロッド26に沿って移
動できるようになっている。フロート33は、密閉された
下部空気室34と通気孔35aを介して大気に連通する上部
水室35とを有している。フロート33には、前記ヘッダ27
に他端を連結する複数(こゝでは3本)の排出管36の一
端が連結されている。この排出管36にはフロート室31に
開口する流入口36aが設けられ、これによってフロート
室31と前記ヘッダ29とは連通状態とされている。またこ
の排出管36内には、前記上部水室35を減勢池21に連通す
る連通管37が挿入されている。
一方、減勢池21内には、上記ハウジグ32と並列に注水
槽38が配設されている。この注水槽38は、注水管39を介
して前記フロート室31に連通している。注水管39は、そ
の中間が減勢池21の底に設けた支持ブロック40に支持、
固定されている。また注水管39の一端部にはね部39aが
形成されており、注水槽38はこのねじ部39aに螺合固定
されている。したがってこのねじ部39aに対する螺合位
置を調整することにより注水槽38が設置高さを任意変更
することができる。なお注水槽38は、これに一体化した
防波筒40によって囲まれている。また減勢池21の上部に
は水路41が連設されている。
こゝで、上記フロート33は、その水室35の水位とフロ
ート室31内の水位とがほゞ等しくなればバルブ23が全閉
されるように、空気室34の大きさが設定されている。ま
たフロート33は、その空気室34の上端がバルブ23の全閉
状態において前記水路41の底よりもわずか下方レベルと
され、かつその水室35の上端はバルブ23の全開状態にお
いて減勢池21の設定された最高水位よりも十分高くなる
ようにされている。さらにヘッダ29の排出口29aからの
排出量にバランスするように注水槽38の大きさおよび注
水管39の径が設定されている。
かゝる構成により、いまバルブ23が開いて導水管22か
ら流出水があれば、ヘッダ29の排出口29aの前部に負圧
が発生し、フロート室31内の水が排出管36を介してヘッ
ダ29内に流入し、その排出口29aから減勢池21内へ排出
される。この時、減勢池21の水位が低いと、注水槽38へ
の越流水がないので、フロート室31内の水位が下がり、
これに伴なってフロート33が下降して、これと一体の弁
体24が下動する。この結果、弁体24と弁座25との間の隙
が大きくなって、導水管22からの流出量が増加する。そ
して減勢池21内の水位が上昇すると、注水槽38内に水が
越流し始め、この越流水が注水管39を介してフロート室
31に注水される。この間前記ヘッダ29の排出口29aから
の排出は継続されており、この排出量と前記注水量とは
バランスし、フロート33はほゞ静止状態を維持し、結果
として水路41からの放出量にバランスするようにバルブ
23の開度が制御され、減勢池21内の水位は注水槽38の上
端とほゞ一致するレベルに維持される。
なお取水を停止したい場合は、注水槽38を回して注水
管39に対する螺合位置を下げ、その上端を水路41の底よ
りわずか低く位置決めすれば良く、これによってフロー
ト33の水室35の水位とフロート室31内の水位とが等しく
なり、バルブ23は全閉状態となる。この取水停止時には
減勢池21内の水位は水路41の底と同じレベルになる。一
方取水を再開したい場合には、予め注水槽38を元の高さ
に復帰させ、一時的にフロート33の水室35に水を補給す
れば良く、これによってフロート33は下降し、バルブ23
が開かれる。
(発明の効果) 以上、詳細に説明したように、本発明にかゝる取水装
置によれば、ロートを静止状態として減勢池内の水位を
一定に維持することができ、減勢池に対する水路の落差
や制水弁を不要にすることが可能になって、減勢池を取
巻く工事負担が大幅に削減される。またバルブを開閉さ
せることなく減勢池内の水位を調整できるので、導水管
に水撃が作用することがなくなり、導水管の安全性も向
上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す断面図、第2図はその平
面図、第3図は第1図のIII−III矢視断面図、、第4図
は従来の取水装置を示す断面図、第5図は第4図の部分
拡大断面図である。 21……減勢池、22……導水管 23……バルブ、24……弁体 25……弁座、29……ヘッダ 29a……排出口、31……フロート室 33……フロート、34……下部空気室 35……上部水室、36……排出管 36a……流入口、37……連通管 38……注水槽、39……注水管 40……水路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】減勢池内に鉛直方向に立ち上って導入され
    た導水管の開口部にスリーブ状の弁体を摺動自在に外嵌
    し、前記弁体の上方に前記導水管に支持させて該弁体と
    係合可能に弁座を配設し、前記弁体に、該弁体の口部周
    りに小断面の排水口を開口させるヘッダを嵌着し、前記
    弁体の上方に設けたフロート室に、密閉された下部空気
    室と大気に連通された上部水室とを有し前記弁体と一体
    に上下動するフロートを収納し、前記フロート室と前記
    ヘッダとを排出管にて連通すると共に、前記フロートの
    水室と前記減勢池とを連通管にて連通し、かつ堰を形成
    する注水槽を前記フロート室に並設して、該注水槽と前
    記フロート室とを注水管にて連通したことを特徴とする
    取水装置。
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