JP2653860B2 - 電子ビーム加工装置 - Google Patents

電子ビーム加工装置

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JP2653860B2
JP2653860B2 JP30880588A JP30880588A JP2653860B2 JP 2653860 B2 JP2653860 B2 JP 2653860B2 JP 30880588 A JP30880588 A JP 30880588A JP 30880588 A JP30880588 A JP 30880588A JP 2653860 B2 JP2653860 B2 JP 2653860B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、電子ビーム加工装置、特に被溶接物の形
状が複雑な場合にも溶接線の自動位置合せができる電子
ビーム加工装置に関するものである。
[従来の技術] 第5図は例えば特開昭52−77847号公報に示された、
従来の電子ビーム溶接装置の構成を示すブロック図であ
り、図において1は電子ビーム発生装置、2はこの電子
ビーム発生装置1から放射された電子ビーム、3はこの
電子ビーム2から導出された溶接線位置検出用電子ビー
ム、4は電子ビーム発生装置1から発生された溶接用電
子ビーム、5は電子ビーム2を偏向走査させる偏向走査
装置であって、偏向電磁石6および走査電流源7を有し
ている。8は被溶接物であって、被溶接片9と10から成
る。11はこの被溶接物8の表面から放射される2次電子
又はX線、12はこの2次電子11の量を測定する2次電子
電流測定装置であって、2次電子電流測定器13および第
1信号変換器14を有している。15は被溶接物8の溶接
線、16は被溶接物8を走行駆動させる走行駆動装置、17
は電子ビーム2の、被溶接物8への衝撃位置を修正する
ために被溶接物8を修正駆動させる修正駆動装置、18は
走査電流源7の出力側に接続された第2信号変換器、19
はこの第2信号変換器18の出力側に接続された位相検出
トリガ信号発生器、101はオッシロスコープであって、
第1信号変換器14の出力側に接続された垂直軸入力端10
2、位相検出トリガ信号発生器19の出力側に接続された
輝度変調入力端103および第2信号変換器18の出力側に
接続された同期信号入力端104を有すると共に表示面105
を有している。
第5図において、電子ビーム発生装置1から放射され
た電子ビーム2を、偏向走査装置5で被溶接物8の溶接
線15を横ぎるように偏向走査させることにより、接続線
位置検出用電子ビーム3が導出される。この溶接線位置
検出用電子ビーム3の電力は、被溶接物8の表面で、溶
接線位置検出用電子ビーム3の衝撃箇所が溶けない程度
に、小さくしておく。溶接用電子ビーム4は、被溶接物
8の材料、形状、寸法などで決まる溶接条件を満たすよ
うにしておく。被溶接物8の溶接線15とは、被溶接片9
と10との突合せ箇所のことである。したがって、溶接線
15は、突合せ箇所の加工状況によって適当な間隙を形成
している。溶接線位置検出用電子ビーム3が被溶接物8
の表面を衝撃すると、被溶接物8の表面から2次電子11
が放射される。しかし、溶接線位置検出用電子ビーム3
が溶接線15を横ぎる瞬間、溶接線15の間隙を通りぬける
ので、2次電子11の放射量が減少する。これを検出する
ため2次電子電流測定器13は2次電子電流を測定し、そ
してその出力側に接続された第1信号変換器14は、2次
電子電流測定器13で測定された電流量を、この電流量に
比例した電圧信号に変換する。走行駆動装置16は、電子
ビーム2と被溶接物8を、溶接線15に沿った方向に相対
的に走行させるための駆動装置である。修正駆動装置17
は、電子ビーム2と被溶接物8を、溶接線15を横ぎる方
向に相対的に移動させ、電子ビーム2の、被溶接物8の
表面での衝撃位置を修正するための駆動装置である。な
お、走査電流波形は正弦波である。
第5図に示す従来の電子ビーム溶接装置は、溶接線位
置検出用電子ビーム3で溶接線15の位置を検出し、修正
駆動装置17で被溶接物8の表面における電子ビーム2の
衝撃位置を修正し、溶接線位置検出用電子ビーム3の偏
向角がゼロの瞬間に溶接線位置検出用電子ビーム3が溶
接線15を横ぎるように溶接線位置検出用電子ビーム3を
設定したのち、溶接用電子ビーム4を発生させ、走行駆
動装置16で電子ビーム2と被溶接物8を溶接線15に沿っ
た方向に相対的に走行させながら溶接する装置である。
このような従来の電子ビーム溶接装置において、電子
ビーム発生装置1から放射された電子ビーム2は、偏向
走査装置5によって被溶接物8の表面で溶接線15を横ぎ
るように偏向走査される。このとき、電子ビーム2の電
力は、被溶接物8の表面で電子ビーム2の衝撃箇所が溶
融しない程度に小さくしておく。この電子ビーム2を溶
接線位置検出用電子ビーム3と呼ぶことにする。被溶接
物8の表面の、溶接線位置検出用電子ビーム3が衝撃し
た箇所で2次電子11が発生する。この2次電子11の量を
2次電子電流測定装置12で測定すると、溶接線位置検出
用電子ビーム3が溶接線15を横ぎる瞬間に被溶接物8の
表面で発生する2次電子11の量が減少することが分か
る。他方、偏向走査装置5の偏向電磁石6に走査電流源
7から供給される走査電流がゼロの瞬間、溶接線位置検
出用電子ビーム3の偏向角はゼロだから、走査電流源7
から偏向電磁石6に供給される走査電流を第2信号変換
器18で電圧信号に変換し、走査電流がゼロになった瞬間
に位相検出トリガ信号発生器19がトリガパルスを発生す
るようにすると、溶接線位置検出用電子ビーム3の偏向
角がゼロになった瞬間にトリガパルスが発生することに
なる。
2次電子電流測定装置12は、2次電子電流測定器13で
測定した2次電子11の電流を第1信号変換器14で上記電
流値で比例した電圧信号に変換したのち、オッシロスコ
ープ101の垂直軸入力端102に供給する。また第2信号変
換器18で電圧信号に変換された走査電流波形をオッシロ
スコープ101の同期信号入力端104に供給し、走査電流波
形の特定のレベルで同期をとって水平掃引させると、オ
ッシロスコープ101の表示面105に2次電子11の電流の時
間的変化波形が表示される。他方、走査電流がゼロにな
った瞬間に位相検出トリガ信号発生器19からトリガパル
スをオッシロスコープ101の輝度変調入力端103に供給
し、オッシロスコープ101の表示面105での輝度が高くな
るようにする。このようにすると、オッシロスコープ10
1の表示面105に、第6図に示すような波形が表示され
る。オッシロスコープ101の表示状況を示す第6図にお
いて、波形の極小点は、溶接線位置検出用電子ビーム3
が溶接線15を横ぎった瞬間の2次電子11の減小を示し、
波形上の輝点は、偏向走査装置5の偏向電流がゼロであ
ること、すなわち溶接線位置検出用電子ビーム3の偏向
角はゼロであることを示す。したがって、第6図に示す
ような波形が表示されたときには、偏向角はゼロの電子
ビーム2は、溶接線15を衝撃することができない。そこ
で、修正駆動装置17により、電子ビーム2と被溶接物8
を溶接線15を横ぎる方向に相対的に移動させ、オッシロ
スコープ101の表示面105上に表示される波形の極小点
と、波形上の輝点とが合致するように修正すると、オッ
シロスコープ101の表示面105に、第7図に示すような波
形が表示される。
第6図に示すような波形が得られるということは、溶
接線位置検出用電子ビーム3の偏向角がゼロの瞬間に、
溶接線位置検出用電子ビーム3が溶接線15を横ぎってい
ることを意味している。したがって、偏向角ゼロの電子
ビーム2は、溶接線15の位置を衝撃することになる。
以上のようにして、偏向角ゼロの電子ビーム2が溶接
線15の位置を衝撃できることを確認したのち、電子ビー
ム発生装置1から溶接用電子ビーム4を発生させ、走行
駆動装置16によって電子ビーム2と被溶接物8を溶接線
15に沿って相対的に走行させることにより、被溶接物8
が溶接される。
第8図は例えば特開昭52−77847号公報に示された、
従来の他の電子ビーム溶接装置の構成を示すブロック図
であり、図において符号1〜19で表わされたものは第5
図に示したものと同じである。第8図に示す溶接線変位
信号発生装置21は、第5図に示した位相検出トリガ信号
発生器19に加えて、第2信号変換器18の出力側に接続さ
れた遅延位相検出トリガ信号発生器22と、第1信号変換
器14の出力側に接続された極小点検出トリガ信号発生器
23と、位相検出トリガ信号発生器19の出力側に接続され
ると共に極小点検出トリガ信号発生器23の出力側にも接
続された論理的加算回路24と、遅延位相検出トリガ信号
発生器22の出力側に接続されたセットトリガ入力端26、
論理的加算回路24の出力側に接続されたリセットトリガ
入力端27、および方形波出力端28を有する非対称トリガ
フリップフロップ回路25と、第2信号変換器18の出力側
に接続された同期波形入力端30、方形波出力端28に接続
された方形波入力端、および整流信号出力端32を有する
同期整流回路29とを備えている。33は基準信号発生器、
34はこの基準信号発生器33の出力側と上述した同期整流
回路29の整流信号出力端32とに入力側が接続された第1
比較器、35はこの第1比較器34の出力側に一方の入力端
が接続された第1信号切換器、36はこの第1信号切換器
の出力側と修正駆動装置17の入力側との間に接続された
電力増幅器、37は修正駆動装置17の出力側に接続された
修正駆動量発信器、38はこの修正駆動発信器37の出力側
に接続された第2信号切換器、39は走行駆動装置16の出
力側に接続された走行駆動量発信器、40はこの走行駆動
量発信器39の出力側に接続された第3信号切換器、41は
第2信号切換器38および第3信号切換器40の出力側に接
続された記憶装置、42はこの記憶装置41の出力側および
第3信号切換器40の出力側に接続された再生装置、そし
て43はこの再生装置42の出力側および第2信号切換器38
の出力側に接続されると共に出力側が上述した第1信号
切換器35の他方の入力端に接続された第2比較器であ
る。
第8図において、溶接線変位信号発生装置21は溶接線
15の変位量に対応した電気信号を発生する回路であり、
遅延位相検出トリガ信号発生器22は位相検出トリガ信号
発生器19のトリガパルスから走査電流の位相が90゜遅延
した時点でトリガパルスを発生する回路であり、極小点
検出トリガ信号発生器23は2次電子電流測定器13によっ
て測定され、かつ第1信号変換器14によって電圧信号に
変換された2次電子電流の極小点でトリガパルスを発生
する回路であり、論理的加算回路24は位相検出トリガ信
号発生器19からのトリガパルスと、極小点検出トリガ信
号発生器23からのトリガパルスとを加算する回路であ
り、同期整流回路29は非対称トリガフリップフロップ回
路25の方形波出力端28から方形波を受け、この方形波
は、走査電流源7から供給される走査電流の極性に同期
して正極性の方形波と負極性の方形波とに弁別し、それ
ぞれを別々に整流したのちに加算することにより、正極
性方形波と負極性方形波のパルス幅の差に比例し、パル
ス幅の長い方形波と同一の極性をもった直流出力を得る
回路であり、第1の比較器34は溶接線変位信号発生装置
21の出力電気信号と、基準信号発生器33の出力電気信号
とを比較する回路であり、第1信号切換器35は電力増幅
器36に供給する信号の供給元を切換える回路であり、修
正駆動量発信器37は修正駆動装置17による修正量に対応
した電気出力を発信する発信器であり、第2信号切換器
38は修正駆動発信器37から供給される信号の供給先を切
換える回路であり、走行駆動量発信器39は走行駆動装置
16による走行量に対応した電気出力を発信する発信器で
あり、第3信号切換器40は走行駆動量発信器39から供給
される信号の供給先を切換える回路であり、第2比較器
43は修正駆動発信器37の出力電気信号と再生装置42の出
力電気信号とを比較する回路である。
先ず、第8図に示した電子ビーム溶接装置の動作を簡
単に説明すると、第1回目の走行の際に、溶接線位置検
出用電子ビーム3で溶接線15の位置を検出し、溶接線変
位信号発生装置21からの電気信号と基準信号発生器33か
らの基準信号との差信号で修正駆動装置17を駆動し、溶
接線位置検出用電子ビーム3の偏向角がゼロの瞬間に、
溶接線位置検出用電子ビーム3が溶接線15を横ぎるよう
に溶接線位置検出用電子ビーム3の被溶接物表面衝撃位
置を自動的に修正し、溶接線15に沿った各位置での修正
量を溶接線15の変位量として、走行駆動装置16による走
行量に対応した電気出力をアドレス信号にして、記憶装
置41に記憶させる。第2回目の走行の際に、記憶装置41
に記憶された、溶接線15に沿った各位置での溶接線15の
変位量を、走行駆動装置16による走行量に対応した電気
出力をアドレス信号にして、再生装置42で再生し、この
再生された、溶接線15の変位量に対応した電気信号を基
準信号とし、この基準信号と修正駆動量発信器37の出力
信号との差信号で修正駆動装置17を駆動し、溶接線15に
沿った各位置での溶接線15の変位量に応じた偏向角ゼロ
の電子ビーム2の衝撃箇所を自動的に修正しながら、溶
接用電子ビーム4により溶接線15に自動追従して溶接す
る。
次に、第8図に示した電子ビーム溶接装置の動作を第
9図の信号波形図と共に詳しく説明する。第1回目の走
行の際、電子ビーム発生装置1から放射された溶接線位
置検出用電子ビーム3が被溶接物8の表面で溶接線15を
横ぎるように偏向走査装置5によって偏向走査される
と、被溶接物8の表面で溶接線位置検出用電子ビーム3
の衝撃箇所から2次電子11が発生する。この2次電子11
の量を2次電子電流測定装置12で測定すると、溶接線位
置検出用電子ビーム3が溶接線15を横ぎる瞬間に被溶接
物8の表面で発生する2次電子11の量は減少する。他
方、偏向走査装置5の偏向電磁石6に走査電流源7から
供給される走査電流がゼロの瞬間、溶接線位置検出用電
子ビーム3の偏向角はゼロであるから、走査電流源7か
ら偏向電磁石6に供給される走査電流を第2信号変換器
18で電圧信号に変換し、走査電流がゼロになった瞬間に
位相検出トリガ信号発生器19がトリガパルスを発生する
ようにすると、溶接線位置検出用電子ビーム3の偏向角
がゼロになった瞬間に第9図(c)に示すようなトリガ
パルスが発生することになる。これらの機能は、第5図
に示した従来の電子ビーム溶接装置の作用として既に説
明したとおりである。
2次電子電流測定装置12において、2次電子電流測定
器13で測定された2次電子11の電流を第1信号変換器14
で第9図(b)に示すような電圧信号に変換し、溶接線
変位信号発生装置21の極小点検出トリガ信号発生器23に
供給すると、極小点検出トリガ信号発生器23は、被溶接
物8の表面で発生する2次電子11の量が極小になる瞬間
すなわち溶接線位置検出用電子ビーム3が溶接線15を横
ぎった瞬間第9図(d)に示すようなトリガパルスが発
生する。
更に、第2信号変換器18で第9図(a)に示すような
電圧信号に変換された走査電流を遅延位相検出トリガ信
号発生器22に供給すると、遅延位相検出トリガ信号発生
器22は、走査電流がゼロになりかつ溶接線位置検出用電
子ビーム3の偏向角がゼロになった瞬間から走査電流の
位相が90゜遅延した時点すなわち走査電流の絶対値が極
大になりかつ溶接線位置検出用電子ビーム3の偏向角が
極大になった瞬間第9図(f)に示すようなトリガパル
スが発生する。
溶接線位置検出用電子ビーム3の偏向角に対応する上
述した3極のトリガパルスのうち、位相検出トリガ信号
発生器19から、溶接線位置検出用電子ビーム3の偏向角
がゼロの瞬間に供給されるトリガパルス[第9図
(c)]と、極小点検出トリガ信号発生器23から、溶接
線位置検出用電子ビーム3が溶接線15を横ぎった瞬間に
供給されるトリガパルス[第9図(d)]とを、論理的
加算回路24で合成して第9図(e)で示すようなトリガ
パルスを非対称トリガフリップフロップ回路25のリセッ
トトリガ入力端27に供給し、遅延位相検出トリガ信号発
生器22から、溶接線位置検出用電子ビーム3の偏向角が
極大になった瞬間に供給されるトリガパルス[第9図
(f)]を、非対称トリガフリップフロップ回路25のセ
ットトリガ入力端26に供給すると、非対称トリガフリッ
プフロップ回路25は、溶接線位置検出用電子ビーム3の
偏向角が極大になった瞬間にセットされ、溶接線位置検
出用電子ビーム3が溶接線15を横ぎった瞬間または溶接
線位置検出用電子ビーム3の偏向角がゼロの瞬間にリセ
ットされ、非対称トリガフリップフロップ回路25の方形
波出力端28に、溶接線位置検出用電子ビーム3の偏向角
が極大になった瞬間から、溶接線位置検出用電子ビーム
3が溶接線15を横ぎる瞬間までの時間に対応するパルス
幅をもった第9図(g)に示すような方形波Iと、溶接
線位置検出用電子ビーム3の偏向角が極大になった瞬間
から、溶接線位置検出用電子ビーム3の偏向角がゼロに
なるまでの時間に対応するパルス幅をもった第9図
(g)に示すような方形波IIとが、交互に発生する。こ
れは、溶接線15が変位している側に溶接線位置検出用電
子ビーム3が偏向されたときには溶接線位置検出用電子
ビーム3が溶接線15を横ぎるが、溶接線15の変位と逆の
側に溶接線位置検出用電子ビーム3が偏向されたときに
は溶接線位置検出用電子ビーム3が溶接線15を横ぎらな
いようにするためで、溶接線15が変位量がゼロのときに
は、溶接線位置検出用電子ビーム3の偏向角がゼロの瞬
間に、溶接線位置検出用電子ビーム3が溶接線15を横ぎ
ることになるので、非対称トリガフリップフロップ回路
25の方形波出力端28に、交互に発生する2種の方形波す
なわち第9図(g)に示すような方形波IおよびIIのパ
ルス幅は同じになる。一般的にいえば、非対称トリガフ
リップフロップ回路25の方形波出力端に発生する2種の
方形波のパルス幅の差が溶接線15の変位量に対応する量
となる。
偏向電磁石6において、溶接線位置検出用電子ビーム
3が偏向する点から被溶接物8の表面までの距離をD、
溶接線位置検出用電子ビーム3の最大偏向角をΘ、そ
して走査電流源7から供給される走査電流の周波数をf
とすると、被溶接物8の表面での溶接線位置検出用電子
ビーム3の衝撃位置yは、偏向角がゼロのときの衝撃位
置を頂点として、(1)式で与えられる。
y=DΘ sin 2π ft (1) したがって、溶接線位置検出用電子ビーム3が偏向角
が最大になったのち、溶接線15を横ぎってから偏向角が
ゼロになるまでの時間をT0とすると、溶接線位置検出用
電子ビーム3の偏向角がゼロのときの衝撃位置を原点と
して、溶接線15の変位量Y0は、(2)式で与えられるこ
とになる。
Y0=DΘ sin 2π ft T0 (2) 非対称トリガフリップフロップ回路25の方形波出力端
28に発生する2種の方形波のパルス幅の差がT0となるか
ら、このパルス幅の差に比例した電気出力を得れば、上
記(2)式により溶接線15の変位量が求まることにな
る。
非対称トリガフリップフロップ回路25の方形波出力端
28に交互に発生する2種の方形波を同期整流回路29に供
給すると、同期整流回路29は、走査電流源7から供給さ
れる走査電流の極性に同期して、上記2種の方形波のう
ち一方の方形波を正極性の方形波に、他方の方形波を負
極性の方形波に弁別し、それぞれを別々に平滑したの
ち、加算することにより、正極性の方形波と負極性の方
形波のパルス巾に比例し、パルス巾の長い方形波と同一
の極性をもった直流出力を発生する。
このようにして、溶接線変位信号発生装置21は、溶接
線15の変位量とその極性に対応する電気信号を発生す
る。
溶接線変位信号発生装置21から発生される、溶接線15
の変位量およびその極性に対応する電気信号と、基準信
号発生器33から発生される基準信号とを第1比較器34で
比較し、その差信号を電力増幅器36に供給して電力を増
幅し、電力増幅器36の出力で修正駆動装置17を駆動す
る。そして電力増幅器36の出力がゼロになるように、電
子ビーム発生装置1から放射される溶接線位置検出用電
子ビーム3が偏向角がゼロの瞬間に被溶接物8の表面を
衝撃する位置を自動的に修正する。
基準信号発生器33から発生される基準信号をゼロにし
ておけば、電力増幅器36の出力がゼロになったとき、溶
接線位置検出用電子ビーム3は、偏向角がゼロの瞬間
に、溶接線15を横ぎることになるので、修正駆動装置17
による修正駆動量が溶接線15の変位量である。したがっ
て、修正駆動量発信器37により、修正駆動量を電気信号
に変換すれば、溶接線15の変位量に比例した電気信号を
得ることができる。
第1回目の走行の際、走行駆動装置16による走行駆動
量を、走行駆動量発信器39で電気信号に変換し、この電
気信号をアドレス信号として、修正駆動量発信器37から
供給される電気信号を記憶装置41に記憶させると、被溶
接物8の溶接線15に沿った各位置での溶接線15の変位量
に比例した電気信号が記憶されることになる。
引き続いて第2回目の走行の際、記憶装置41に記憶さ
れた、溶接線15に沿った各位置での溶接線15の変位量に
比例した電気信号を再生装置43で再生し、この再生信号
を基準信号として修正駆動装置17を制御することによ
り、溶接用電子ビーム4が自動的に溶接線15を追従しな
がら被溶接物8を溶接する。
第10図は、第2回目の走行の際の動作を説明する結線
図である。第10図において、第8図と異なる点は、電子
ビーム発生装置1から放射される電子ビーム2が溶接線
位置検出用電子ビーム3から溶接用電子ビーム4に切換
えられたこと、電力増幅器36に供給される電気信号が第
1比較器34の出力差信号から第2比較器43の出力差信号
に切換えられること、修正駆動量発信器37からの電気信
号の供給先が記憶装置41から第2比較器43に切換えられ
たこと、および走行駆動量発信器39からの電気信号の供
給先が記憶装置41から再生装置42に切換えられたことで
ある。
第10図において、走行駆動装置16により電子ビーム2
と被溶接物8を相対的に走行駆動し、走行駆動量発信器
39によりその走行駆動量に対応した電気信号を再生装置
42に供給し、この信号をアドレス信号として、記憶装置
41に記憶されている溶接線15に沿った各位置での溶接線
15の変位量に比例した電気信号を再生装置42で再生す
る。溶接線15に沿った各位置で再生装置42によって再生
された電気信号は、溶接線15に沿った各位置での溶接線
15の変位量に比例した電気信号である。この電気信号を
第2比較器43に供給し、修正駆動量発信器37から供給さ
れる電気信号と比較し、その出力差信号を電力増幅器36
で増幅し、電力増幅器36の出力で、修正駆動装置17を駆
動し、電力増幅器36の出力がゼロになるように制御す
る。電力増幅器36の出力をゼロにするということは、修
正駆動量発信器37から供給される電気信号と、再生装置
42から供給される電気信号とを等しくすることである。
このことは、被溶接物8の表面での溶接用電子ビーム4
の偏向角がゼロの場合の衝撃位置を、溶接線15に沿った
各位置での溶接線15の変位量と同じ量だけ自動的に修正
することを意味する。したがって、第2回目の走行の際
には、溶接用電子ビーム4が溶接線15を自動的に追従し
て被溶接物8を溶接することになる。
第8図において、走行駆動装置16により被溶接物8と
電子ビーム2を相対的に走行駆動させる方法には、電子
ビーム発生装置1を固定して被溶接物8を駆動する方
式、被溶接物8を固定して電子ビーム発生装置1を駆動
する方式などがあり、また、修正駆動装置17により偏向
角がゼロの電子ビーム2の、被溶接物8の表面での衝撃
位置を、溶接線15を横ぎる方向に修正する方法には、被
溶接物8を固定して電子ビーム発生装置1を駆動する方
式、電子ビーム発生装置1を固定して被溶接物8を駆動
する方式、電子ビーム発生装置1も被溶接物8も固定し
て2個の電子ビーム偏向装置で電子ビーム2の軸を並行
移動させる方式などがあるが、走行駆動装置16および修
正駆動装置17に、これらのいづれの方式を用いても良
い。
[発明が解決しようとする課題] 従来の電子ビーム加工装置としての電子ビーム溶接装
置は、溶接線の自動位置合せを行なう際に溶接線の各位
置で2次電子の量を表わす信号が極小になるという条件
が必要であり、被溶接物の形状が複雑である場合にはこ
の条件があてはまらず、自動位置合せを行なえないため
手動位置位置合せを行なわなければならないなどの問題
点があった。
この発明はこのような問題点を解決するためになされ
たもので、被溶接物の形状に影響されず、溶接線の自動
位置合せができる電子ビーム加工装置を得ることを目的
とする。
[課題を解決するための手段] この発明に係る電子ビーム加工装置は、あらかじめ偏
向角がゼロの位置で溶接線を検出するときのセンサ波形
を登録する基本波形登録装置と、溶接線全区間の補正量
検出操作時に検出された波形と登録されている基本波形
との位相を比較し、補正量に相当するテーブル移動量を
出力する溶接線変位信号発生装置とを設けたものであ
る。
[作用] この発明においては、基本波形登録装置は、溶接位置
を目視で確認しながら偏向角ゼロのときに溶接線を検出
する位置にテーブルを手動操作で移動させ、この位置で
のセンサ波形を登録できる。溶接線変位信号発生装置
は、基本波形登録装置により登録されたセンサ波形と補
正前のセンサ波形との位相のずれ量を検出し、テーブル
の補正量に相当する移動量を出力する。テーブル駆動制
御機構はテーブル位置をアドレスとして溶接線変位信号
発生装置から送られてくる補正量を記憶装置に記憶し、
これを溶接時に読み出してテーブル位置の補正をしなが
らテーブルを走らせることができる。
[実施例] 以下、この発明の一実施例を第1図〜第4図について
説明する。図において、1〜7,11〜19,33〜43,101〜105
は第5図および第8図に示した従来装置におけるものと
同じであるため説明を省略する。
この発明に係る電子ビーム加工装置の一実施例をブロ
ック図で示す第1図において、検出期間出力回路50は第
2信号変換器18の出力側に接続され、その走査電流の変
換された電圧信号〔第4図(a)〕の最大値〜最小値の
期間すなわち一方向走査の期間、信号を出力する。この
信号はセンサ波形の検出期間を定める信号〔第4図
(d)〕となる。パルスジェネレータ51は検出期間出力
回路50の出力側に接続され、その出力信号の発生期間、
パルス列〔第4図(e)〕を発生する。このパルス列の
周波数が高いほど後述する基本波形メモリおよび補正用
波形メモリへのセンサ信号の取込み間隔が短くなり、両
波形メモリに格納されるデータは実際のセンサ信号に近
付く。カウンタ52はパルスジェネレータ51の出力側に接
続され、そのパルス列をカウントする。このカウンタ値
は〔第4図(f)〕のようにパルス列の出力数の増加と
ともに大きくなる。第4信号切換器53はカウンタ52の出
力側に接続されるとともに第1図の方向にたおれている
場合には基本波形メモリ54に接続される。なお、この接
続状態は手動操作により基本波形を収集する場合を示
す。逆の接続状態、すなわち補正用波形メモリ55に接続
される場合は、被溶接物8Aの溶接線15の全区間での位置
ずれを検出するときである。A/D変換器56はセンサとし
ての2次電子電流測定装置12の出力側に接続され、第1
信号変換器14からのアナログ信号〔第4図(b)または
(c)〕をデジタル信号に変換する。第5信号切換器57
は第4信号切換器53と同様に第1図の方向にたおれてい
る場合には基本波形メモリ54に接続される。基本波形メ
モリ54および補正用波形メモリ55は、カウンタ52のカウ
ント値をアドレスとして、また、A/D変換器56のセンサ
信号のデジタル値をデータとして、第4信号切換器53お
よび第5信号切換器57を通してカウンタ値すなわち走査
位置における2次電子量に相当するデジタル値を記憶す
る。データ転送開始信号発生回路58は第2信号変換器18
の出力側およびカウンタ52の入力側と基本波形メモリ54
および補正用波形メモリ55の入力側との間に接続され、
基本波形メモリ54、補正用波形メモリ55に記憶されたデ
ータを後述する回路に転送させるタイミングを出力す
る。この信号の出力タイミングは走査電流を電圧信号に
変換する第2信号変換器18の電圧値が最小値になったと
きで、このときパルス〔第4図(g)〕を出力する。基
本波形平均化回路59、補正用波形平均化回路60はノイズ
除去のために付加された回路でそれぞれ基本波形メモリ
54、補正用波形メモリ55からデータ転送開始信号発生回
路58の出力信号のたびに送られてきたアドレスごとのデ
ータを平均化回数設定回路61から予め送られた平均回数
だけ加算し、データ転送の回数が平均回数に達したとき
平均回数で乗算して平均化する。平均化回数設定回路61
は基本波形平均化回路59および補正用波形平均化回路60
の入力側に接続され、各平均化回路においてデータを平
均化する回数が予め設定されている。基本波形平均化デ
ータ・メモリ62は基本波形平均化回路59で平均化された
走査位置ごとの2次電子量に相当するデジタル値が記憶
されるメモリであり、また、補正用波形平均化データ・
メモリ63は補正用波形平均化回路60で平均化された走査
位置ごとの2次電子量に相当するデジタル値が記憶され
るメモリである。これらデータ・メモリ62,63では入力
データが転送されるとデータが更新される。位相演算回
路64はこれらデータ・メモリ62,63のデータを処理して
位相ずれ方向とずれ量を検出期間(最大アドレス値)に
対応する位相ずれの期間(基本波形平均化データ・メモ
リ62および補正用波形平均化データ・メモリ63に格納さ
れた2次電子量に相当するデジタルデータの中から1つ
もしくは複数の2次電子量に相当するデジタルデータ値
を選択し、それらのデータが格納されているアドレスを
基本波形平均化データ・メモリ62および補正用波形平均
化データ・メモリ63ごとに別々に抽出し、これらの差を
演算し、演算結果の符号はずれ方向として、また、アド
レスの差は最大アドレスで除算してずれ量の比として出
力する。)の比として演算する。カウンタ出力平均化回
路65は平均化回路設定回路61で設定された平均化回数だ
けでカウンタ52の最終カウンタ値を平均する回路であ
る。ずれ量演算回路66は位相演算回路64から出力され、
検出期間に対する位相ずれの期間の比とカウンタ出力平
均化回路65から出力される平均値とを乗算してずれ量に
相当するパルス数を出力する回路である。テーブル補正
信号発生回路67はずれ量演算回路66から出力される、ず
れ量に相当するパルス数に対応するテーブル移動量と位
相演算回路64から出力されるずれ方向とをもとにテーブ
ル補正量の指令値を出力する回路である。なお、溶接線
変位信号発生装置21Aは上述した50〜67により構成され
る。
オッシロスコープ101は上述したセンサ波形を確認す
るためのセンサ波形表示装置である。ハンドルまたは押
釦スイッチ106はテーブルを手動で移動させる指令を出
力する。変換回路107はハンドルまたは押釦スイッチ106
により指令された移動指令をもとにテーブルの駆動信号
を発生する回路である。第6信号切換器108は変換回路1
07の出力側に接続され、第1図の方向にたおれている場
合に電力増幅器36に駆動信号を出力する。基本波形登録
スイッチ109は基本波形平均化データ・メモリ62をデー
タ書込み禁止状態にさせるためのスイッチで、基本波形
平均化データ・メモリ62は書込み禁止状態になると入力
側からのデータ転送があっても受付けない。基本波形登
録装置110は19,101,106〜109により構成される。
被溶接部8Aは形状が複雑な被溶接片9Aと10Aから成
る。
この発明の電子ビーム加工装置は上述したように構成
されており、まずはじめに基本波形の登録を行うために
第4信号切換器53、第5信号切換器57、第6信号切換器
108は第1図に示す通りとする。走査電流をゼロにした
状態で溶接線位置検出用電子ビーム3(弱ビーム)を発
生させて被溶接物8Aに照射する。弱ビームが金属に当た
ると弱い光を発するのでその位置に溶接線15を移動させ
るために、テーブル(図示しない)を移動させる指令を
ハンドルまたは押釦スイッチ106の操作で与える。この
信号は修正駆動装置17に変換回路107、第6信号切換器1
08および電力増幅器36を通じて与えられ、操作量に相当
する移動量を入力することでテーブル位置を修正する。
また、溶接線変位信号発生装置21Aではセンサとしての
2次電子電流測定装置12からのアナログ信号をA/変換器
56によりデジタル値に変換し、このデジタル値を基本波
形メモリ54に、第5信号切換器57を通じて入力する。基
本波形メモリ54のアドレスは次の動作によって作成され
る。第2信号切換器18により走査電流源7からの走査電
流が電圧信号に変換され、この電圧信号をもとに検出期
間出力回路50によって検出期間中信号(電圧信号の最大
値〜最小値の期間)が発生される。この信号の発生中パ
ルスジェネレータ51によりパルス列が出力され、このパ
ルス列がカウンタ52によりカウントされる。このカウン
ト値が基本波形メモリ54のアドレスとなる。ここで基本
波形平均化回路59は平均化回数設定回路61で設定された
回数だけ検出された基本波形データを平均化する。平均
化された基本波形データは基本波形平均化データ・メモ
リ62に転送され、基本波形登録スイッチ109が押されと
き基本波形平均化データ・メモリ62へのデータの書込み
を禁止する状態にできるようになっている。この一連の
動作により基本波形が登録される。
次に、補正量検出動作時には第4信号切換器53、第5
信号切換器57、第6信号切換器108は第1図に示す方向
と逆にする。この状態で溶接線位置検出用電子ビーム3
を発生させながら走行駆動装置16を動作させ、これによ
りテーブルを走らせる。この時、補正用波形メモリ55に
は基本波形データの記憶時と同等の動作でセンサ波形が
記憶され、補正用波形平均化回路で平均化され、そして
補正用波形平均化データ・メモリ63に格納される。その
後、位相演算回路64であらかじめ登録されている基本波
形平均化データ・メモリ62のデータと、補正用波形平均
化データ・メモリ63のデータとを比較し、検出期間に対
する位相ずれ期間の比を演算し、その結果をずれ量演算
回路66に入力する。また、ここにはカウンタ出力平均化
回路65から出力される、検出期間中に発生されたパルス
列のパルス数の平均値も入力されて両者が乗算され、ず
れ量に相当するパルス数が求められる。このパルス数
と、位相演算回路64から出力されるずれ方向とをもとに
テーブル補正信号発生回路67よりテーブルずれ量に相当
する電気信号が発生され、基準信号発生器33からの基準
信号(基本波形検出時の位置に設定されている)との差
信号で修正駆動装置17を駆動し、溶接線位置検出用電子
ビーム3の偏向角がゼロの瞬間に溶接線位置検出用電子
ビーム3が溶接線15を横ぎるように溶接線位置検出用電
子ビーム3の衝撃箇所を自動的に修正し、溶接線15に沿
った各位置での修正量を溶接線15の変位量として、また
走行駆動装置16による走行量に対応した電気出力をアド
レス信号として、記憶装置41に記憶させる。そして溶接
時の走行の際に、記憶装置41に記憶された、溶接線15に
沿った各位置での溶接線15の変位量を、走行駆動装置16
による走行量に対応した電気出力をアドレス信号にして
再生装置42で再生し、この再生された、溶接線15の変位
量に対応した電気信号を基準として、この基準信号と修
正駆動量発信器37の出力信号との差信号で修正駆動装置
17を駆動し、溶接線15に沿った各位置での溶接線15の変
位量に応じて偏向角ゼロの電子ビーム2の衝撃箇所を自
動的に修正しながら、溶接用電子ビーム4で溶接線15に
自動追従して被溶接物8Aを溶接する。
[発明の効果] 以上、詳しく説明したように、この発明は、あらかじ
め偏向角がゼロの位置で溶接線を検出するときのセンサ
波形を登録する基本波形登録装置と、溶接線全区間の補
正量検出操作時に検出された波形と登録されている基本
波形との位相を比較し、補正量に相当するテーブル移動
量を出力する溶接線変位信号発生装置とを設けたので、
被溶接物の形状が複雑で溶接線の位置を検出するのが困
難な場合でも、溶接線の自動位置合せを行なえる効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示すブロック図、第2図
は複雑な形状の被溶接片に対して溶接線検出用電子ビー
ムが偏向角ゼロの瞬間に溶接線を横ぎった場合のオッシ
ロスコープの表示状況を示す図、第3図は複雑な形状の
被溶接片に対して溶接線検出用電子ビームが偏向角ゼロ
の瞬間に溶接線を横ぎらない場合のオッシロスコープの
表示状況を示す図、第4図は第1図の各部の信号波形を
示す図、第5図は従来の電子ビーム溶接装置の一例を示
すブロック図、第6図は従来の電子ビーム溶接装置にお
いて溶接線検出用電子ビームが偏向角ゼロの瞬間に溶接
線を横ぎらない場合のオッシロスコープの表示状況を示
す図、第7図は従来の電子ビーム溶接装置において溶接
線検出用電子ビームが偏向角ゼロの瞬間に溶接線を横ぎ
った場合のオッシロスコープの表示状況を示す図、第8
図は従来の電子ビーム溶接装置の他の例を示すブロック
図、第9図は第8図に示した諸制御回路の各部の電気信
号の相対的位置関係を示す信号波形図、第10図は第8図
に示した電子ビーム溶接装置において溶接の際の動作を
説明する結線図である。 図において、1は電子ビーム発生装置、2は電子ビー
ム、5は偏向走査装置、8Aは被溶接物、11は2次電子、
12は2次電子電流測定装置、15は溶接線、16は走行駆動
装置、17は修正駆動装置、21Aは溶接線変位信号発生装
置、54は基本波形メモリ、55は補正用波形メモリ、59は
基本波形平均化回路、60は補正用波形平均化回路、62は
基本波形平均化データ・メモリ、63は補正用波形平均化
データ・メモリ、64は位相演算回路、65はずれ量演算回
路、67はテーブル補正信号発生回路、101はオッシロス
コープ、106はハンドル又は押釦スイッチ、109は基本波
形登録スイッチである。 なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子ビーム発生装置と、 走査電流を供給する走査電流源を有し、前記電子ビーム
    発生装置から放射された電子ビームを、被溶接物の溶接
    線を横ぎって偏向走査させる偏向走査装置と、 前記被溶接物を偏向走査したときに発生する反射電子又
    はX線を検出してセンサ波形を出力するセンサと、 前記走査電流に基づいて前記センサ波形の検出期間を定
    める手段、この手段の検出期間出力をアドレスとして、
    前記溶接線を前記電子ビームの偏向角がゼロの位置で検
    出するときのセンサ波形を基本波形として記憶する基本
    波形メモリおよび前記センサのセンサ波形を補正用波形
    として記憶する補正用波形メモリ、これら波形メモリの
    各々の記憶された波形データを個別に所定回数加算して
    平均化する平均化回路、この平均化された波形データを
    個別に格納するデータ・メモリ、これらデータ・メモリ
    からの2つの波形の位相を計算する位相演算回路、並び
    にこの位相演算回路により求められた値をテーブル補正
    量に変換してテーブル補正信号を発生する手段を含む溶
    接線変位信号発生装置と、 前記テーブル補正信号に基づいて前記被溶接物を乗せた
    テーブルを駆動制御する機構と、 前記センサのセンサ波形が入力される端子、前記走査電
    流に比例した信号が入力される端子および前記走査電流
    がゼロの時に発生されたパルスが印加される端子を有す
    ると共に前記センサ波形を表示する表示面を有するオッ
    シロスコープ、前記テーブルを手動で移動させる手段、
    並びに前記データ・メモリに接続され、前記平均化回路
    からの波形データを登録させる基本波形登録手段を含む
    基本波形登録装置と、 を備えたことを特徴とする電子ビーム加工装置。
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