JP2653417B2 - 動物性蛋白質繊維又は繊維製品の濃色染色方法 - Google Patents

動物性蛋白質繊維又は繊維製品の濃色染色方法

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JP2653417B2 JP6173273A JP17327394A JP2653417B2 JP 2653417 B2 JP2653417 B2 JP 2653417B2 JP 6173273 A JP6173273 A JP 6173273A JP 17327394 A JP17327394 A JP 17327394A JP 2653417 B2 JP2653417 B2 JP 2653417B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は動物性蛋白質繊維又は繊
維製品の濃色染色方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現代の実用繊維素材のうち、昆虫由来の
絹蛋白質繊維は衣料素材の中でも感性に富み、吸湿性と
染色性ならびに手触り、風合に優れた天然素材である。
動物性蛋白質繊維には、染料の吸着座席となる塩基性
基、酸性基、水酸基、無極性基が多く含まれているの
で、鮮やかで、深みのある染色が可能である。染料に
は、直接染料、酸性染料、バット染料、反応性染料等多
種類あり、動物蛋白質繊維にはいずれの染料も適用でき
る。また、染料としては、多種類の天然及び合成染料が
知られているが、工業的に重要なものの大部分は合成染
料である。こうした合成染料は、化学組成的に単一な構
造の染料であり、安価にしかも多量に生産されている。
また合成染料を用いる染色においては、染色条件が同一
でありさえすれば、毎回同一の色調に染色でき、好みに
よっては原色やけばけばしく彩度の高い色調も容易に発
色させることが可能である。
【0003】最近、天然指向が流行になっており、染色
加工の分野においても天然指向、自然回帰の風潮が顕著
であり、天然染料による草木染めが女性の間で密かなブ
ームを呼んでいる。天然の植物から採れる染料で染色す
る方法が草木染めである。“肌に優しく、安全な”機能
を武器に新たな需要を広げようと、草木染めの技術開発
が進められており、タオル、乳幼児用品、靴下等に用途
を広めつつある。こうした染料植物で蛋白質繊維製品を
染色すると、合成染料では決して得られないような深い
落ち着きと渋味のある自然の色調に染色できる。また植
物染料から得られる色は、どの色を組み合わせても決し
て不快な色調にならない。しかし、天然染料による染色
では、合成染料で染めた色よりも鮮かさに欠ける問題点
がある。また、色調は植物の種類により異なるのは勿論
であるが、同じ植物であっても植物の根、茎、葉、花の
違いにより、また植物を採取した場所、季節、抽出方法
などによって色調が微妙に変化するため、欲しい色を確
実に得ることが難しい。さらに、天然染料による場合に
は、被染物が、絹、羊毛と異なるだけで色調が微妙に変
化し、色止め処理用の媒染処理における金属塩の種類に
よっても色調が大きく異なってしまう。これらは天然抽
出色素であるが故の宿命であるが、実用上天然染料によ
る最大の問題点は、天然動物蛋白質繊維を濃色に染め難
いことである。
【0004】一般に、織物の表面染色濃度を高めるに
は、染色浴の染料濃度を上げて、染料操作を数回から数
十回反復するなど人手を要する複雑で繁雑な染色技術が
必要とされている。染めむらがなく、容易に濃色に染め
る加工技術の開発が望まれてきた。絹は、鮮やかな色彩
に染色できるが、絹に黒色素で濃色染色をすることは困
難である。濃色染色では多くの染料を繊維内に吸着させ
る必要があるが、家蚕絹糸には染着座席となり得る塩基
性アミノ酸残基数が少ないため繊維内に吸着する染料量
が少なくなり黒の濃色染色が困難となる。絹織物に黒の
濃色染めが可能となれば、フォーマルな紳士服やカジュ
アル製品への需要を開拓する突破口になるものと期待さ
れる。
【0005】蛋白質繊維製品の染色は、通常、染色浴を
酢酸、酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウムなどの染色
助剤を用いて弱酸性浴に調製し、室温から80〜95℃
まで30〜45分間で昇温させ、この温度を30〜60
分間維持して染色する方法が一般的な染色方法である。
このように、染色時には染色浴の温度を上げなくてはな
らず、そのための熱エネルギーが必要である。低温で、
短時間で可能な濃色染色技術は、省エネルギー、効率化
の面から理想的な染色加工方法となるものと期待でき
る。蛋白質繊維製品の濃色染色を行うには、染料濃度を
増加させるか、浴比を小さくするか、あるいはpHを低
下させる必要があった。あるいは染色助剤濃度を高くす
る等の染色加工上の工夫をする必要があった。濃色染め
を達成するために、浴比を小さくし、染色浴のpHを低
下させると、染めむらが発生する危険があった。染着が
急速すぎると染めムラが生じやすいし、反対に緩やか過
ぎると容易には目的とする望みの濃さに染まらないなど
の問題点があった。そのため、簡単な手法で処理してお
くことによって染色過程で濃色染加工ができる技術が望
まれてきた。
【0006】濃色染めを目的とした従来の染色技術とし
ては、シリカを染色浴に添加した染色法がある(特許第
1757485号)。微粒子状のシリカゲルを染液に加
え中性浴染法を行うことにより、色素アニオンがシリカ
ゲルの界面電気化学的作用に基づき被染物表面に濃縮さ
れ、その結果、染料分子が繊維内に吸着しやすくなり濃
色染めが実現できるものと考えられている。このシリカ
染法は、被染物に特別な処理をすることなく、常法の染
色浴に微粒子状のシリカゲルを加えることにより濃染が
可能となるものであった。しかし、シリカゲルの粒径は
濃染め効果に大きく影響し、粒径が大き過ぎても、小さ
過ぎても濃色染めの効果が極端に薄れてしまう。また、
シリカゲルの添加量は染色効果に影響を及ぼすことが明
らかになっている。シリカ染めした被染物の重要な実用
化特性である洗濯、摩擦、摩耗に対する堅牢度は低下す
る場合が一般的であり、シリカ染め以外の方法による濃
色染め技術の開発が望まれている。こうした従来の濃色
染め技術の問題点を解決するためには、染色工程に先立
って被染物を簡単な手法で前処理しておき、従来の一般
的な方法で染色することが実用的な濃色染色工程である
と考えられ、その染色技術の開発が望まれてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、合成染料、
天然染料等、あらゆる種類の染料により動物性蛋白質繊
維製品を染色する際に生ずる前記問題点を解決し、特別
な染色加工設備や加工機械を用いることなく、浸染によ
染色加工に先立ってその蛋白質繊維製品に簡単な前処
理を施すことにより、合成染料,天然染料等幅広い染料
により濃色染めが可能となる染色方法を提供することを
その課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、被染物の染色工程
に先立ち、絹、羊毛などの動物性蛋白質繊維又は繊維製
品をまず希薄なアルカリ溶液で前処理し、乾燥させた
後、浸染によって染色することにより、その繊維又は繊
維製品に対する染料の付着量を著しく増加させ得ること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明によれば、動物性蛋白質繊維
又は繊維製品を、その繊維又は繊維製品を実質的に損傷
しない程度の低濃度のアルカリ水溶液で浸漬処理した
後、乾燥し、次いで浸染による染色処理を行うすること
を特徴とする動物性蛋白質繊維製品の濃色染色方法が提
供される。
【0010】本発明で用いる被染物は、動物性蛋白質繊
維又は繊維製品である。このようなものとしては、家
蚕、野蚕由来の絹蛋白質繊維ならびにその繊維製品の
他、羊毛ケラチン繊維ならびにその繊維製品等が挙げら
れる。本発明においては、このような動物性蛋白質繊維
又は繊維製品を濃染色させるためには、その染色工程に
先立ち、アルカリ水溶液で前処理を施す。アルカリ処理
に用いられるアルカリ溶液は、蛋白質繊維自体の物性な
らびに微細構造が損なわれることのない濃範囲のアルカ
リ剤であればよい。処理用のアルカリ薬剤としては、ア
ルカリ金属の水酸化物やアルカリ土類金属の水酸化物等
の水溶性を示すアルカリ性化合物が用いられる。本発明
においては、特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリ
ウムの使用が好ましい。これらの薬剤のうち、濃色染色
用の前処理剤として特に望ましいのは水酸化ナトリウム
である。
【0011】本発明で用いるアルカリ水溶液中のアルカ
リ濃度は、被染物である繊維又は繊維製品が実質上損傷
を受けない濃度であればよく、一般的には、12g/L
(リットル)以下、好ましくは10g/L以下の低濃度
である。家蚕絹繊維又は繊維製品の場合には、アルカリ
濃度としては1〜4g/Lの範囲が望ましく、2〜3g
/L、特に、2.5g/L濃度が最も好ましい。野蚕絹
繊維又は繊維製品は耐アルカリ性は優れているので、こ
の場合には、2〜15g/Lのアルカリ濃度が良好な結
果を与え、特に8〜12g/Lのアルカリ濃度が優れた
効果を与える。アルカリにより構造変化を受けやすい羊
毛の場合には、0.2〜2g/L、好ましくは0.4〜
0.6g/Lのアルカリ濃度が良い。このように染色対
象の繊維又は繊維製品の耐アルカリ特性に応じてアルカ
リ水溶液の濃度を調整することが望ましい。
【0012】動物性蛋白質繊維又は繊維製品のアルカリ
処理を行うには、所定のアルカリ水溶液にその繊維又は
繊維製品を5〜45分間程度浸漬した後、これを引上げ
る。この場合、余分なアルカリ水溶液を除去して、繊維
又は繊維製品に対する脱液率(ピックアップ率)を80
〜150重量%、好ましくは90〜110重量%、特に
約100重量%に調整するのがよい。次に、アルカり水
溶液を含む繊維又は繊維製品を20〜45℃、好ましく
は30〜35℃で、10〜30分間、好ましくは20〜
25分間保持する。これにより、動物性蛋白質繊維又は
繊維製品の機械的特性を損傷することなく繊維の微細構
造をミクロ的に緩める等の効果を得ることができる。次
いで、このようにして得たアルカリ処理繊維又は繊維製
品を乾燥する。乾燥方法としては、温度25〜100℃
の加熱乾燥方法の他、80〜110℃の加熱空気と接触
させる方法、真空乾燥方法等の従来公知の方法を採用す
ることができる。このようにして、染色性と堅牢度特性
に優れた動物性蛋白質繊維又は繊維製品を得ることがで
きる。
【0013】動物性蛋白質繊維又は繊維製品をアルカリ
処理するための他の方法としては、Pad/Batch
法を示すことができる。この方法は、アルカリ水溶液を
吸収した繊維又は繊維製品をプラスチック袋内に密封
し、所定時間保持する方法である。この方法を実施する
には、繊維又は繊維製品を、その繊維又は繊維製品10
0重量部に対して、1000重量部以上、好ましくは1
500〜2000重量部のアルカリ水溶液中に入れ、1
0〜45分間、好ましくは15〜25分間程度放置した
後、ロールマングルで脱水して、脱液率が80〜150
重量%、好ましくは90〜110重量%、特に約100
重量%のアルカリ水溶液を吸収した繊維又は繊維製品を
得る。次に、このアルカリ水溶液で濡れた状態の繊維又
は繊維製品を、ポリエチレン等のプラスチックの袋に入
れ、その開口部を熱融着又はセロテープで密封し、この
状態で、25〜35℃の温度で20〜30時間、好まし
くは約24時間程度保持した後、袋を開封して内容物を
取出し、流水で十分洗浄し、乾燥させる。
【0014】前記のようにして、アルカリ処理された繊
維又は繊維製品は、染色性が非常に良好なものであり、
このものを普通の浸染による染色方法で染色しても、ア
ルカリ未処理の繊維又は繊維製品では達成することので
きない堅牢性に優れた高濃度の染色物を得ることができ
る。アルカリ処理繊維又は繊維製品を染色するための染
料としては、何ら制約を受けず、従来公知の各種の天然
及び合成染料を用いることができる。このような染料と
しては、酸性染料、分散染料、直接染料等の合成染料及
び天然染料が例示できる。特に、酸性染料と広範囲の天
然染料抽出色素が、本発明によるアルカリ処理した繊維
又は繊維製品に対して良好な染色性を示す。
【0015】本発明によりアルカリ処理された繊維又は
繊維製品を染色する方法としては、従来公知の浸染方法
が採用される。その際に用いる染液は何ら制約を受け
ず、従来一般に用いられている成分組成の染色液をその
まま用いることができる。本発明によりあらかじめアル
カリ処理した後、染色して得られる繊維又は繊維製品
は、従来のアルカリ処理を行わずに染色して得られるも
のに比べて、非常に濃く染色されたものである。従来の
シリカゲルを用いた濃色染色方法では、染料が繊維内部
にまで浸透、拡散せず、主として繊維表面に極在するた
め、染色物を洗濯したり、水に漬けると表面の染料が脱
落するので摩擦堅牢度は低いという問題がある。これに
対して、本発明では染料の分布は繊維内に均一に起こる
ので、本発明で得られる染色物は、染色液に微粒子シリ
カゲルを添加した従来の濃色染色技術(特許第1757
485号)で得られる染色物に比べ、その耐候性と摩擦
堅牢度は著しく向上しており、従来の技術の欠点を補う
濃色染色方法として有効である。
【0016】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。本発明はこれらの実施例によって限定されるもので
はない。なお、以下において示す%は重量%である。
【0017】実施例1 JIS L 0803準拠によりJIS染色堅牢度試験
用に製造された14匁付けの家蚕絹羽二重(財団法人日
本規格協会製)を試料布として用いた。試料布を濃度の
異なる23℃の水酸化ナトリウム溶液(2g/L,4g
/L)で20分間浸漬処理した後、ロールマングルで脱
液率100%にまで脱液させる。試料布をポチエチレン
製の透明袋に入れ、開口部を2、3度折り返してセロフ
ァンテープで密封した。これを30℃の恒温乾燥器に入
れ、24時間保持することによりアルカリ処理を行っ
た。所定の時間後、試料布をポリエチレン袋より取り出
し、流水により繊維を洗い、繊維に含まれているアルカ
リ成分を完全に除去した後、l05℃の乾燥器で1時間
乾燥させた。次に、このようにして得たアルカリ処理試
料布を、以下のようにして得た紅花の抽出液(黄色)中
に浸漬し、70〜80℃で30分間染色した。染色を定
着するため2g/L濃度のスズ溶液(スズ化合物として
の塩化第1スズ,SnCl2を水中に溶解したもの)に
入れ、25℃、20分媒染し、水洗いする。
【0018】(紅花抽出液の調製)植物染料紅花(乾燥
状態)を、試料布重量の4倍量秤量し、これをガーゼの
袋に入れ、試料布の60倍重量の水中に1日間浸し、紅
花の黄色色素を含む抽出液を得た。
【0019】次に、前記染色後の残液2mLを100m
Lの蒸留水で薄めて染色残液の吸光度を次のようにして
測定した。紅花黄色色素の主波長402nmにおける吸
光度の値を、島津製作所製自記分光光度計(UV−31
00S)で測定するとともに、その黄色染料分子による
吸光度が最大になる402nm付近の反射率R(%)を
求めた後、繊維表面の染料濃度(K/S)をクベルカ・
ムンクの提唱した次式により計算し評価した。 K/S=(1−R)2/2R ただし、Rは染料分子の最大吸収波長における反射率
(%)、K/Sは表面染着濃度、Lは明度(light
ness)、a,bは色合い指数であり、これらラーヴ
ィーの物理量は、いずれも上記分光光度計に搭載されて
いるコンピュータープログラム(UV−2100/31
00)で求められる。染色残液の吸光度および被染物の
反射率(R)ならびに表面染着濃度(K/S)等の染色
性データを表1に示す。
【0020】
【表1】 植物染料(紅花の黄色色素)による染色結果 ──────────────────────────────────── 染料残液の吸光度 R% K/S L a b ──────────────────────────────────── 対照区(従来法) 86.19 37.0 0.54 65.42 0.87 35.51 本発明品(I)(2g/L)* 86.70 36.5 0.55 65.23 1.02 35.20 本発明品(II)(4g/L)* 85.68 35.0 0.60 64.04 1.30 34.72 ──────────────────────────────────── * アルカリ処理におけるアルカリ濃度を示す。
【0021】本発明によりアルカリ処理した試料布の染
色に際しての染色残液の吸光度は、対照区より僅か減少
している。染色残液の染料濃度が減少したことは、染料
が試料布の絹糸に浸透しており濃色染めになっているこ
とを意味している。また、染色残液を用いる方法とは別
の被染物の表面染着濃度(K/S)測定によると、アル
カリ処理した試料布の染色物のK/S値は僅か増加して
おり、上記染色残液を用いる方法の測定結果と良く対応
している。
【0022】実施例2 紅花からは、実施例1に示したように先ず黄色の色素が
抽出できる。黄色色素を抽出した後、抽出済みの紅花か
らは紅色素(主成分、カルタミンを含む)が更に抽出で
きる。この実施例2では、紅色素により家蚕絹糸を染色
することにした。実施例1で用いた黄色色素の抽出後の
紅花をガーゼの袋に入れ、2g/Lの炭酸ナトリウム水
溶液に人れ、25℃で1昼夜放置して紅色の色素を抽出
した。紅花の赤の色素溶液に試料布として絹布を入れ、
40℃で30分間処理して染色する。染料を定着するた
め0.5%濃度のクエン酸水溶液に室温度で30分間浸
漬して媒染処理を行った。紅花の紅色素で染色した残液
の分光曲線は全体的に平坦となったため、吸収が比較的
に大きい波長400nmにおける吸光度の値を測定し
た。あわせて実施例1で述べたようにしてその吸光度、
反射率(R)%、被染物の表面染着濃度(K/S)を測
定した。得られた結果を表2に示す。
【0023】
【表2】 植物染料(紅花の紅色素)による染色結果 ──────────────────────────────────── 吸光度 R% K/S L a b ──────────────────────────────────── 対照区(従来法) 9.23 23.94 1.21 59.07 25.34 -3.62 本発明品(I)(2g/L)* 9.11 21.71 1.41 57.18 26.68 -3.81 本発明品(II)(4g/L)* 8.97 18.58 1.74 53.69 27.35 -2.07 ────────────────────────────────────
【0024】本発明によるアルカリ処理した試料布の染
色に際しての染色残液の吸光度は、対照区より僅か減少
しており、実施例1と同様の結果が得られた。被染物の
表面染着濃度(K/S)の測定によると、アルカリ処理
試料布の染色物のK/S値の増加は、紅花黄色の色素
(実施例1)よりも濃色染めの効果が顕著であり、アル
カリ処理により濃染効果が明瞭である。
【0025】実施例3 酸性染料(Suminol FAST Red B conc;住友化学社製)
を用いて羊毛への染色実験を行った。染料濃度は対繊維
重量当たり1%o.w.f.、染色助剤としての酢酸、
酢酸アンモニウム濃度はそれぞれ3%o.w.f.、2
%o.w.f.に調節した。40℃から40分かけて染
色浴の温度を80℃に上げ、80℃で30分処理するこ
とで染色を完了した。昇温過程で、染色浴温度が次第に
高まり、53.3℃、66.6℃、79.9℃になった
とき、さらにこうして染色浴温度が80℃に達した後、
15分、30分経過した時に、染色浴から被染物を取り
出した。染色残浴を5倍に希釈し、505nm波長にお
ける吸光度を島津自記分光光度計(UV−3100S)
で求めた。これとは別に、濃度を変えた所定濃度の染色
原液の吸光度を求め検量線を作製した。505nmにお
ける各種染色残液の吸光度の値を検量線にあてはめ、そ
れぞれの染色濃度を求めた。染色過程における染色残液
の吸光度、染料濃度、染着率およびpHを測定した。得
られた結果を表3に示す。なお希釈倍率は1:5であっ
た。染色残液の濃度の単位は10-5g/mLである。ま
た、染着率は次の式により染色前、後の染色浴染料濃度
から計算的に求めた。 染着率=(染色前の染色浴濃度−染色残液濃度)/(染
色前の染色浴濃度) 被染物の反射率と表面染着濃度とを計測した。得られた
結果を表4に示す。
【0026】
【表3】 羊毛の染色特性(吸光度、染料濃度、染着率、pH) ──────────────────────────────────── 染色残液の吸光度 染料濃度 染着率(%) pH ──────────────────────────────────── 羊毛対照区 1) 53℃ 1.2 15.8 21 4.50 2) 67℃ 0.74 9.7 52 4.53 3) 80℃ 0.17 2.2 89 4.62 4) 80℃、15分 0.37 1.0 95 4.59 5) 80℃、30分 0.23 0.6 97 4.60 本発明法 羊毛2g/L NaOH溶液処理区 1) 53.3℃ 0.23 3.0 85 4.99 2) 66.6℃ 0.4 1.0 95 4.98 3) 79.9℃ - - 95 - 4) 80℃、15分 0.33 0.9 96 5.04 5) 80℃、30分 0.33 0.9 96 4.99 ────────────────────────────────────
【0027】
【表4】 羊毛の染色特性(反射率、表面染着濃度等) ──────────────────────────────────── R% K/S L a b ──────────────────────────────────── 対照区 1) 53.3℃ 13.0 2.91 52.56 42.57 13.36 2) 66.6℃ 5.5 8.12 42.74 51.81 16.15 3) 79.9℃ 2.5 19.0 37.11 56.40 17.88 本発明法(羊毛 2g/L) 1) 53.3℃ 2.5 19.0 36.40 52.42 16.67 2) 66.6℃ 2.5 19.0 36.72 55.08 17.83 3) 79.9℃ 2.5 19.0 36.79 55.40 18.03 ──────────────────────────────────── ただし、染色前の染料濃度は20×10-5 g dye/mL 染色前の染料浴のpHは4.53
【0028】実施例4 実施例3と同様の方法で、柞蚕絹糸への染色実験を行っ
た。Suminol FAST Red Bconc.による柞蚕絹糸の染色特
性(染色残液の吸光度、染料濃度、染着率、pH)の測
定結果を表5に示す。
【0029】
【表5】 柞蚕絹糸の染色特性(吸光度、染料濃度、pH) ──────────────────────────────────── 染色残液の吸光度 染料濃度 染着率(%) pH ──────────────────────────────────── 柞蚕絹糸対照区 1) 53℃ 1.29 3.4 83 5.37 2) 67℃ 0.93 2.5 88 5.31 3) 80℃ 1.05 2.8 86 5.29 4) 80℃、15分 0.98 2.6 87 5.29 5) 80℃、30分 1.1 2.9 86 本発明法 2g/L NaOH溶液処理区 1) 53.3℃ 1.65 4.3 79 5.02 2) 66.6℃ 0.89 2.3 89 4.95 3) 79.9℃ 0.78 2.1 90 4.96 4) 80℃、15分 0.75 2.0 90 5.02 5) 80℃、30分 0.70 1.8 91 5.00 ────────────────────────────────────
【0030】実施例5 実施例3と同様の方法で、家蚕絹糸への染色実験を行っ
た。Suminol FAST RedB conc.による家蚕絹糸の染色特
性(染色残液の吸光度、染料濃度、染着率、pH)の測
定結果を表6に示す。
【表6】 家蚕絹糸の染色性(吸光度、染料濃度、pH) ──────────────────────────────────── 染色残液の吸光度 染料濃度 染着率(%) pH ──────────────────────────────────── 家蚕絹糸対照区 1) 53℃ 0.81 2.1 90 2) 67℃ 0.61 1.6 92 4.76 3) 80℃ 0.75 2.0 90 4.85 4) 80℃、15分 0.76 2.0 90 4.75 5) 80℃、30分 0.73 1.9 91 4.75 本発明法家蚕 2g/L NaOH溶液処理区 1) 53.3℃ 1.08 2.8 86 4.99 2) 66.6℃ 0.65 1.7 92 4.99 3) 79.9℃ 0.82 2.2 89 5.00 4) 80℃、15分 0.89 2.3 89 5.00 5) 80℃、30分 0.84 2.2 89 5.08 ────────────────────────────────────
【0031】実施例6 染色加工の前処理として水酸化ナトリウムによるアルカ
リ処理を行うことにより蛋白質繊維に生ずる理化学的特
性の変化を明らかにするため、アルカリ処理絹糸の機械
的特性を評価した。機械的性質の測定では、切断時の絹
糸の強度と伸度の値を示したものである。なお、測定条
件は試料長50mm、引張り速度10mm/min、チ
ャートスケール250gであり、島津製インストロン
(オートグラフ AGS−5D)により求めたものであ
る。得られた結果を表7に示す。ただし、試料繊維の切
断強度を、強度(g/d)はデニール当たりの切断強度
を意味している。試料の機械的特性と直接関連する、光
学特性の分子配向度ならぴに結晶化度の値を屈折率の測
定により評価した。屈折率の測定にはオリンパス製の偏
光顕微鏡を用い、べッケ法により繊維方向の屈折率(n
I)と、繊維軸に対して直角方向の屈折率(nII)とを
測定した。両屈折率の差を試料の複屈折率(△n)と
し、また(nI+2nII)/3で決められる値を平均的
屈折率(niso)として得られたこれらの結果を下記
表8に示す。なお(nI‐nII)で求められる値を△n
とした。
【0032】
【表7】 ──────────────────────────────────── 吸湿率(%) 強度(g/d) 伸度(%) ──────────────────────────────────── 対照区家蚕絹糸 8.2 4.6 20.2 2.5g/L NaOH 処理家蚕絹糸 8.2 4.1 22.4 対照区柞蚕絹糸 9.4 2.8 27.1 2.5g/L NaOH 処理柞蚕絹糸 2.9 29.5 4.0g/L NaOH 処理柞蚕絹糸 10.9 2.6 26.8 8.0g/L NaOH 処理柞蚕絹糸 11.2 2.9 28.2 ────────────────────────────────────
【0033】水酸化ナトリウム水溶液で前処理した家
蚕、野蚕絹糸の屈折率特性ならびに酸性染料(Suminol
FAST Red B conc.)を用いて染色した際の染色残液の吸
光度、染料濃度、pHの値を下記に示す。なお、残液の
吸光度は、染料の最大吸収波長の505nmにおける値
である。
【0034】
【表8】 ──────────────────────────────────── △n niso 吸光度 染料濃度 pH ──────────────────────────────────── 対照区家蚕絹糸 0.0495 1.555 0.52 1.25 4.47 2.5g/L NaOH 処理家蚕絹糸 0.050 1.555 0.58 1.27 4.69 対照区柞蚕絹糸 0.034 1.542 0.32 0.82 4.66 4.0g/L NaOH 処理柞蚕絹糸 0.033 1.548 0.75 2.00 4.77 12 g/L NaOH 処理柞蚕絹糸 0.032 1.549 0.85 2.18 5.04 ──────────────────────────────────── 単位:染料濃度×10-5 g dye/mL 上記の結果からわかるように、家蚕絹糸では2.5g/
Lの水酸化ナトリウム溶液で前処理しても、柞蚕絹糸で
は8g/Lの水酸化ナトリウム水溶液で前処理しても機
械的性質はほとんど変化することはない。家蚕絹糸の吸
湿率は前処理前後で変化しないが、柞蚕絹糸では次第に
増加する傾向が現れた。光学的な屈折率測定結果は両試
料について前処理後の変化は観察できなかった。従って
本発明のアルカリ処理により被染物の機械的特性は実質
的には損傷しないことが明らかである。
【0035】実施例7 2g/L濃度の水酸化ナトリウム水溶液を用いるPad
/Batch法で家蚕、柞蚕、羊毛繊維を前処理したサ
ンプルの塩酸吸着実験を次のようにして行った。まず、
煮沸で炭酸ガスを除去した純水に塩酸を加えてpH4と
なるように調整した。浸漬前後の塩酸の濃度は平間製作
所記録式自動滴定装置ART−2型を用いて塩酸とほぼ
当量濃度の水酸化ナトリウムにて室温で滴定して求め
た。得られた塩酸吸着量の測定結果を表9に示す。
【0036】
【表9】 ──────────────────────────────────── 塩酸吸着量 吸湿量(%) ──────────────────────────────────── 家蚕絹糸 対照区 18.56 8.6 家蚕絹糸 2.0g/L処理区 19.52 8.5 柞蚕絹糸 対照区 38.40 8.8 杵蚕絹糸 2.0g/L処理区 40.32 9.2 羊毛糸 対照区 39.36 10.7 羊毛糸 処理区 44.60 12.1 ──────────────────────────────────── 塩酸吸着量の単位:×10-5 mol/g
【0037】上記表に示した結果から明らかなように、
家蚕、柞蚕絹糸の塩酸吸着量は、アルカリ処理後、若干
増加している程度であるが、羊毛繊維の塩酸吸着量は、
アルカリ処理後約10%増加していることが確認され
た。羊毛繊維表面のスケールがアルカリ処理で脆弱化
し、構造的にルーズとなったためか、軽微な加水分解が
起こり羊毛に多量に含まれるグルタミシ酸、アスパラギ
ン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン等の酸性アミノ
酸、塩基性アミノ酸の側鎖部分がアルカリと反応して塩
酸の吸着座席となり得るカルボキシル基、アミノ基量が
増えたためである。
【0038】
【発明の効果】蛋白質繊維製品を希薄濃度のアルカリ水
溶液で前処理しておくことにより合成染料、植物染料の
染着速度を高め、低温、短時間での染色が可能となる。
アルカリで前処理した動物蛋白質繊維又は繊維製品の機
能的、風合的特性は未加工時のものと差がなく、アルカ
リ処理により悪影響は現れない。アルカリによる前処理
の効果の最も著しいものは羊毛であった。アルカリ溶液
に浸漬し、繊維の微細構造をミクロ的に緩める等の簡単
な前処理を行った後、乾燥し、次いで従来の方法で浸染
することで動物蛋白質繊維又は繊維製品の濃色染めが可
能となる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物性蛋白質繊維又は繊維製品を、その
    繊維又は繊維製品を実質的に損傷しない程度の低濃度の
    アルカリ水溶液で浸漬処理した後、乾燥し、次いで浸染
    による染色処理を行うことを特徴とする動物性蛋白質繊
    維又は繊維製品の濃色染色方法。
  2. 【請求項2】 浸漬処理後、一部脱液しそのまま保持し
    た後、乾燥することを特徴とする請求項1記載の動物性
    蛋白質繊維又は繊維製品の濃色染色方法。
  3. 【請求項3】 前記保持をプラスチック袋内に密封して
    行うことを特徴とする請求項2記載の動物性蛋白質繊維
    又は繊維製品の濃色染色方法。
  4. 【請求項4】 脱液率が80〜150重量%である特徴
    とする請求項2記載の動物性蛋白質繊維又は繊維製品の
    濃色染色方法。
  5. 【請求項5】 アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウム、
    水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、
    及びけい酸ナトリウムの中から選ばれる少なくとも一種
    の化合物を含む水溶液である請求項1記載の方法。
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