JP2651615B2 - 強誘電性液晶組成物 - Google Patents

強誘電性液晶組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、強誘電性液晶材料に関する。更に詳しく
は、非カイラルなスメクチック液晶化合物と光学活性化
合物とから成り、高速応答性を有し、しかも配向性に優
れた強誘電性液晶組成物及びそれを用いた光スイッチン
グ素子に関する。
[従来の技術とその問題点] 液晶化合物は表示素子用材料として広く用いられてい
るが、そうした液晶表示素子の殆どはTN型表示方式のも
のであり、液晶材料としてはネマチック相に属するもの
を用いている。
TN型表示方式は受光型のため、目が疲れない、消費電
力がきわめて少ないといった特徴を持つ反面、応答が遅
い、見る角度によって表示が見えないといった欠点があ
る。
該方式は、最近はフラットディスプレイとしての特徴
を生かす方向に転換しつつあり、特に高速応答性と視角
の広さが要求されている。
こうした要求に答えるべく液晶材料の改良が試みられ
てきた。しかし、他の発光型ディスプレイ(例えば、エ
レクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディス
プレイ等)と比較すると、TN表示方式では応答時間と視
覚の広さという点でかなりの差が認められる。
受光型、低消費電力といった液晶表示素子の特徴を生
かし、なおかつ発光型ディスプレイに匹敵する応答性を
確保するためにはTN型表示方式に代わる新しい液晶表示
方式の開発が不可欠である。
そうした試みの一つに強誘電性液晶の光スイッチング
現象を利用した表示方式がN.A.クラークとS.T.ラガウォ
ールにより提案された(アプライド フィジックス レ
ターズ(Appl.Phys.Lett.)36,899,1980参照)。
強誘電性液晶は1975年に、R.B.メイヤー等によってそ
の存在が始めて発表されたもので(ジュルナルド フィ
ジーク(J.Phys.)36,69,1975参照)、液晶構造上から
カイラルスメクチックC相、カイラルスメクチックI
相、カイラルスメクチックF相、カイラルスメクチック
G相およびカイラルスメチックH相(以下、それぞれSC
相、SI 相、SF 相、SG 相およびSH 相と略記す
る。)に属する。
カイラルスメクチック相においては、分子は層を形成
しており、かつ分子は層面に対して傾いており、らせん
軸はこの層面に対して垂直である。
カイラルスメクチック相では、自発分極が生じる為、
この層に平行に直流電界を印加すると、その極性に応じ
て分子はらせん軸を回転軸として反転する。強誘電性液
晶を使用した表示素子はこのスイッチング現象を利用し
たものである。
カイラルスメクチック相のうち現在特に注目されてい
るのはSC 相である。
SC 相のスイッチング現象を利用した表示方式として
は、二つの方式が考えられる。一つの方式は2板の偏光
子を使用する複屈折型であり、他の一つの方式は二色性
色素を利用するゲスト・ホスト型である。
この表示方式の特徴は、 (1)応答時間が非常に速い。
(2)メモリー性がある。
(3)視角依存性が小さい。
などがあげられ、高密度表示への可能性をひめており、
非常に表示素子としての魅力にあふれたものである。
実際に利用される強誘電性液晶表示素子に使用される
強誘電性液晶材料には多くの特性が要求されるが、それ
らを満たすには現在のところ、一つの化合物では応じら
れず、幾つかの液晶化合物または非液晶化合物を混合し
て得られる強誘電性液晶組成物を使用する必要がある。
また、強誘電性液晶化合物のみから成る強誘電性液晶
組成物ばかりでなく、特開昭61−195187号公報には非カ
イラルなスメクチックC、F、G、H、I等の相(以
下、SC等の相と略称する)を呈する化合物及び組成物を
基本物質として、これに強誘電性液晶相を呈する1種又
は複数の化合物を混合して全体を強誘電性液晶組成物と
し得ることが報告されている。さらにSC等の相を呈する
化合物及び組成物を基本物質として、光学活性ではある
が強誘電性液晶相は呈しない1種或いは複数の化合物を
混合して全体を強誘電性液晶組成物とする報告も見受け
られる(Mol.Cryst.Llq.Cryst.89,327(1982))。
これらのことを総合すると、強誘電性液晶相を呈する
か否かにかかわらず光学活性である化合物の1種又は複
数の基本物質と混合して強誘電性液晶組成物を構成でき
ることがわかる。
現在、強誘電性液晶材料には多くの特性が要求されて
いるが、例えば実用的な表示素子(640ライン×400ライ
ン)として利用する場合、特に要求されていることは、 (1)室温を含む広い温度範囲(少なくとも0℃〜50
℃)で、SC 相を示すこと (2)応答時間が100μsec以下であること (3)配向性が良好であること である。現在のところ、このような条件をすべて満足す
る強誘電性液晶材料(液晶組成物)は得られていない。
例えば、特開昭61−291679号公報およびPCT国際公開W
O86/06401号パンフレットには、SC相を有する非カイラ
ルな5−アルキル−2−(4−アルコキシフェニル)ピ
リミジンを光学活性化合物と混合した強誘電性液晶組成
物が示されており、室温を含む広い温度範囲にてSC
を示すことが記憶されている。
又、前者には該ピリミジン誘導体は、非常に低粘性で
ある為、ベースSC混合物として使用すると、強誘電性組
成物の応答性向上に非常に有効であることが示されてい
る。しかしながら、特開昭61−291679号公報およびPCT
国際公開WO86/06401号パンフレット記載の強誘電性液晶
組成物は、SC 相の温度範囲については、上記の要求を
満足しているが、応答時間は、300μsec〜500μsecであ
り、(例えば、特開昭61−29167号公報の実施例1、実
施例2に記載の強誘電性液晶組成物或はPCT国際公開WO8
6/06401号パンフレットの例45、例46に記載の強誘電性
液晶組成物参照)、実用的であるとは言い難い。
又、特願昭62−137883号明細書には、SC 相を有する
非カイラルな5−アルコキシ−2−(4−アルキルフェ
ニル)ピリミジンを光学活性化合物と混合した強誘電性
液晶組成物が示されており、室温を含む広い温度範囲に
てSC 相を示し、しかも非常に高速応答性を有すること
が記載されている。例えば、実施例5に記載の強誘電性
液晶組成物は、5℃〜52℃の広い温度範囲にてSC 相を
示し、応答時間も50μsecであり、上記の要求の(1)
項及び(2)項を満足しており、前述の特開昭61−2916
79号公報或いはPCT国際公開WO86/06401号パンフレット
記載の強誘電性液晶組成物と比べると非常に実用的であ
ると思われる。
しかしながら、特願昭62−137883号明細書記載の強誘
電性液晶組成物についても実用する際には、大きな問題
点がある。即ち、コレステリック相を有しておらず、現
在、TN液晶材料で使われている配向技術では、均一な配
向が得られていないという点である。
現在、強誘電性液晶材料の配向方法としては、シアリ
ング法、温度勾配法及び表面処理法の3通りの方法が試
みられている。シアリング法は、スメクチックA相でせ
ん断応力をかけることにより配向させるものであり、温
度勾配法はスメクチック相が一次元結晶とみなし得るこ
とに着目したエピタキシャル結晶成長法に類似した方法
である。表面処理法は、TN液晶材料の配向に実用されて
おり、セルの基板上にポリイミド膜等の高分子膜を塗布
し、その表面をラビング処理して、液晶分子を配列させ
る方法である。工業的な液晶表示素子製造の観点から
は、表面処理法によって液晶分子を配向するのが最も望
ましい。
強誘電性液晶材料の相転移の型には、次の4種の形態
がある。即ち、 (i)ISO相→SC 相、(ii)ISO相→N相→SC 相、
(iii)ISO相→SA相→SC 相及び(iv)ISO相→N
→SA相→SC 、 (ここで、ISO相は等方性液体相、N相はコレステリ
ック相、SA相はスメクチックA相を示す)の4種であ
る。
この中で、現状の配向技術(表面処理法)をそのまま
利用できる物は(iv)で示される相転移型を有する物で
ある(例えば、特開昭61−250086号公報等参照)。よっ
て、(iv)で示される相転移型を有する強誘電性液晶材
料が非常に望まれている。
前述の特願昭62−137883号明細書記載の強誘電性液晶
組成物はコレステリック相を有しておらず、これらの組
成物を均一に配向させる為には、シアリング法或いは温
度勾配法を使用しなければならず、配向させるには、長
時間を必要とし、容易には配向できない。又、環状の配
向技術をそのまま使用できない為、新たな設備投資も必
要であり、とても実用的であるとは言い難い。
以上のことから明らかな様に、現在知られている強誘
電性液晶材料は、まだ実用的であるとは云い難く、更な
る特性の向上が熱望されている。
[発明が解決しようとしている問題点] 本発明者等は、特願昭62−137883号公報に記載の発明
を更に改良すべく努力した結果、以下に示す如く化合物
を組み合わせることにより、室温を含む広い温度範囲に
てSC 相を示し、しかもコレステリック相を有し、かつ
高速応答性を有する強誘電性液晶組成物が得られること
を見い出し、本発明を完成した。
前述したことから明らかなように、本発明の第一の目
的は、室温を含む広い温度範囲にてSC 相を示し、しか
もコレステリック相を有し、かつ高速応答性を有する強
誘電性液晶組成物を提供することにあり、第二の目的
は、上記の液晶組成物を用いた応答性に優れた光スイッ
チング素子を提供することにある。
[問題点を解決する為の手段] すなわち、本発明の第1は、 (1)一般式 ((I)式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜18の同一
又は相異なる直鎖或いは分岐のアルキル基を示す)で表
わされる非カイラルな化合物を20重量%〜70重量%含有
し、及び 少なくとも下記一般式(II)〜(V)で表わされる化
合物から選ばれた光学活性化合物を10重量%〜50重量%
含有し、 (上式中、R3、R5、R7及びR9はそれぞれ炭素数1〜18の
直鎖又は分岐のアルキル基又はアルコキシ基、R4、R6
びR10はそれぞれ炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルキ
ル基又は炭素数1〜18のアルコキシ基、R8は炭素数1〜
18の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルコキシ基を示
し、l及びmは0〜10を表わす。又、*は不斉炭素原子
を示す。) コレステリック相を有することを特徴とする強誘電性液
晶組成物。
本発明の第2は (2)前記第(1)項記載の強誘電性液晶組成物を利用
してなる光スイッチング素子 により達成される。
前記第(1)項記載の一般式(I)で表わされる非カ
イラルは化合物は、本出願人が先に特許出願した(特願
昭62−137884号公報、未公開)化合物であり、ネマチッ
ク相は示しにくいが、スメクチックC性に富んでおり、
本発明の目的の強誘電性液晶組成物においては、ベース
SC化合物の役目(広範囲な温度域にてSC相を示す事)を
果たしている。よってSC相を有する化合物が好ましく用
いられるが、SC相を示さない化合物であっても、SC
の温度範囲を著しく縮小しない範囲の量に限って用いる
ことができる。
一般式(I)で表わされる化合物としては、(I)式
においてR1が炭素数4〜18の直鎖アルキル基であり、R2
が7〜18の直鎖アルキル基であるピリミジン誘導体を挙
げることができる。本発明においては、これらのピリミ
ジン誘導体を複数個用いることが好ましい。SC相を有
し、特に好ましいピリミジン誘導体を以下の表1に例示
する。
本発明の強誘電性液晶組成物においては、(I)式に
て表わされる先に例示したSC相を有する化合物だけを複
数個組み合わせることが、特に望ましいが、該化合物の
一つ又は複数と既知の液晶化合物の一つ又は複数とをSC
相温度範囲を調整する意図で組み合わせることも可能で
ある。そのような化合物としては、ビフェニルベンゾエ
ート系、フェニルシクロヘキサン系、アゾ系、アゾキ
系、フェニルピリジン系、2,5−ジフェニルピリミジン
系等のスメクチックC性に富む液晶化合物が挙げられ
る。この中で特に望ましい化合物としては、5−アルキ
ル−2−(4−アルコキシフェニル)ピリミジン化合物
或いは5−アルキル−2−(4−アルキルビフェニル)
ピリミジン化合物であり、本発明の目的を損わない範囲
で用いられている。
前記第(1)項記載の一般式(II)〜(V)で表わさ
れるカイラル化合物は、本出願人が先に特許出願した
(特願昭62−103977号明細書)化合物であり、コレステ
リック性に富む化合物であり、本発明の目的の強誘電性
液晶組成物においては、N相を出現させる重要な役割
を演じている。又、一般式(IV)及び(V)で表わされ
る化合物は、大きな自発分極値を有している為、本発明
の目的の強誘電性液晶組成物においては、高速応答性を
出現させる重要な役目も合わせて演じている。
一般式(II)〜(V)で表わされ、N相を有する化
合物を以下に例示する。
本発明の目的の強誘電性液晶組成物において、N
を出現させる化合物としては一般式(II)〜(V)で示
される化合物が特に望ましいが、それ以外の化合物であ
っても本発明の目的を損わない範囲で用いることができ
る。そのような化合物を以下に例示する。
本発明の目的の強誘電性液晶組成物は、上述したよう
に一般式(I)で表わされる非カイラルなフェニルピリ
ミジン系化合物とコレステリック性に富む化合物、特に
一般式(II)〜(V)で表わされる化合物との組み合わ
せにより、主に達成されるが、その他にらせんピッチを
調節する目的で以下に示されるようなカイラル化合物
を、本発明の目的を損わない範囲で使用することも可能
である。
[作用及び効果] 本発明は、一般式(I)で表わされる非カイラルなフ
ェニルピリミジン化合物とコレステリック性に富むカイ
ラル化合物、特に一般式(II)〜(V)で表わされる化
合物を組み合わせた時に生じる優れた特性を発見したこ
とに基づいている。
一般式(I)で表わされる5−アルコキシ−2−(4
−アルキルフェニル)ピリミジン化合物は、本発明者ら
が先に特許出願した(特願昭62−137883号明細書)に記
載されているように、ネマチック相は示しにくいが、ス
メクチックC性に富み、室温付近でSC相を示し、又、低
粘性であり、強誘電性液晶組成物の自発分極値を大きく
する作用を有している為、本発明の目的の強誘電性液晶
組成物においても、ペースSC化合物の役割を果たしてお
り、室温を含む広い温度域にてSC 相を示す原動力とな
っている。
一般式(II)〜(V)で表わされるカイラルなビフェ
ニルピリミジン系化合物は、コレステリック性に富み、
しかも、一般式(IV)及び(V)で表わされる化合物
は、自発分極値も非常に大きい為、本発明の目的の強誘
電性液晶組成物においては、N相の出現及び高速応答
性出現という重要な役割を果たしている。
一般式(I)で表わされ、以下に示される化合物よ
り、ベースSC化合物Aを調製した。
ベースSC化合物A このベースSC混合物Aの相転移温度は、以下の通りで
あり、ネマチック相は示さないが室温を含む広い温度範
囲にてSC相を示した。
(ここでCrは結晶を示す) 特願昭62−137883号明細書からも明らかなように一般
式(I)で表わされる化合物をベースSC化合物とする強
誘電性液晶組成物は、応答性は非常に優れているがN
相を示さない為、現状の配項技術をそのまま利用するこ
とは困難であった。又、N相を持たせる為には、一般
式(I)で示される化合物の濃度が低濃度でなければな
らず、式(I)で表わされる化合物の優れた特徴は損わ
れてしまう。そこで、一般式(I)で表わされる化合物
の特徴を損わないで、N相を持たせることが重要な課
題であった。本発明者らは、種々検討した結果、一般式
(II)〜(V)で表わされるコレステリック性に富むカ
イラル化合物を一般式(I)で表わされる化合物と組み
合わせることにより、室温を含む広い温度範囲にてSC
相を示し、しかもN相を有し、高速応答性を有する強
誘電性液晶組成物が初めて得られることを見いだした。
前述のベースSC混合物Aと以下に示すN相を有する
カイラル化合物(a)〜(e)とから成る二成分混合系
にて相図を作成し、N相の出現する濃度を各化合物に
て比較した。図1〜図5は各混合系における相図を示
す。
図1〜5から明らかな様に本発明の一般式(II)及び
(V)で表わされる化合物c,d及びeは、化合物a及び
b(特願昭62−137883号明細書実施例記載化合物)に比
べると、コレステリック性に富んでおり、化合物a及び
bにおいては、化合物a及びbの濃度が75重量%以上で
ないとN相は現れないが、化合物c,d及びeにおいて
は、化合物c,d及びeの濃度が約25重量%にてN相が
出現している。これはベースSC混合物である一般式
(I)で示される非カイラル化合物の優れた特徴を損わ
ずに、配向性の良い強誘電性液晶組成物が得られること
を示唆している。前述のベースSC混合物と一般式(II)
及び(V)で示される化合物より、以下に示される強誘
電性液晶組成物Bを調製した。
強誘電性液晶組成物B この強誘電性液晶組成物Bの相転移温度は以下の通り
であった。
又、25℃における自発分極は55nC/cm2、傾き角は26゜
であり、応答時間は電界強度が5V/μm(d=2μm,Vpp
=20V相当)の時、70μsecであった。又、配向性は非常
に良好であり、配向処理剤としてPVA膜を塗布し、ラビ
ング処理を施したセルギャップ2μmの透明電極を備え
たセルに注入したところ、何ら欠陥のない均一な配向が
得られ、現状の配向技術がそのまま利用できることが判
明した。又、コントラストも非常に良い(1:20)液晶表
示素子が得られた。
以上のことから明らかな様に、本発明の一般式(I)
及び一般式(II)〜(V)で表わされる化合物を組み合
わせることにより、室温を含む広い温度範囲にてSC
を示し、かつN相を有し、しかも高速応答性を有する
という現在、特に熱望されている特徴をすべて満たす強
誘電性液晶組成物が得られることが判明した。
一般式(I)及び一般式(II)〜(V)で表わされる
化合物の特徴を生かして本発明の目的とする特性の優れ
た強誘電性液晶組成物を得る為の割合は、一般式(I)
で表わされる化合物がベースSC化合物としての役割、
又、一般式(II)〜(V)で表わされる化合物がN
を出現させる為の役割であることを考慮すると、一般式
(I)で表わされる化合物が20〜70重量%、一般式(I
I)〜(V)で表わされる化合物が10〜50重量%の範囲
である。
[実施例] 以下に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
又、自発分極の大きさ(Ps)はソーヤ・タワー法にて
測定し、らせんピッチ(P)は、セル厚約200μmのホ
モジニアス配向を施したセルを使用し、偏光顕微鏡下で
らせんピッチに対応する縞模様(デ・カイラリゼイショ
ンライン)の間隔を直接測定することにより求めた。そ
して傾き角(θ)は、ホモジニアス配向させたセルに、
磁界電場以上の十分に高い電場を印加し、らせん構造を
消滅させ、更に極性を反転させ、直交ニコル下における
消光位の移動角(2θに対応)より求めた。
応答時間は、配向処理を施した電極間隔が2μmのセ
ルに各組成物を注入しVppが20V、100Hzの矩形波を印加
した時の透過光強度の変化から測定した。
尚、実施例には、一般式(I)及び(II)で表わされ
る化合物の他に、N相或いはSC 相のらせんピッチを
長くすること或いはSC 相の温度範囲を広げることを目
的としたカイラル化合物或いは非カイラル化合物が含ま
れている組成物もあるが、これらの化合物を含むこと
は、本発明の目的の強誘電性液晶組成物の特性を損なわ
ず、何等問題ない。
実施例1〜10 表2に本発明の強誘電性液晶組成物の実施例1〜10の
組成を、表3にその特性を示す。尚、表3中の各組成は
重量%を意味する。
又、表中に記載の(S)或いは(R)はそれぞれ、化
合物の光学活性基の絶対配置が各々S体或いはR体であ
ることを示す。
実施例11 実施例2で調製した強誘電性液晶組成物を配向処理剤
としてPVAを塗布し、表面をラビングして平行配向処理
を施した、セルギャップ2μmの透明電極を備えたセル
に注入したところ、何ら欠陥のない均一な配向が得られ
た。この液晶セルを直交ニコル状態に配置した2枚の偏
光子の間にはさみ、0.5Hz、20Vの低周波数の交流を印加
したところ、非常にコントラストが良い(1:20)明瞭な
スイッチング動作が観察され、応答時間が25℃で30μse
cと非常に応答の速い液晶表示素子が得られた。
実施例12 実施例7にて調製した強誘電性液晶組成物に、次式 で表わされる、アントラキノン系色素D−16(BDH社
製)を3重量%添加して、ゲスト・ホスト型にした組成
物を調製した。この組成物を実施例11と同様な処理を施
したセルギャップ8μmのセルに注入し、1枚の偏光子
を偏光面が分子軸に平行になるように配置し、0.5Hz、4
0Vの低周波数の交流を印加したところ、非常にコントラ
ストの良い(1:10)明瞭なスイッチング動作が観察さ
れ、25℃における応答時間が80μsecと極めて応答の速
いカラー液晶表示素子が得られた。
実施例13〜15 表4に本発明の強誘電性液晶組成物の実施例13〜15の
組成を、表5にその特性を示す。尚、表5中の各組成は
重量%を意味する。
又、表中に記載の(S)或いは(R)はそれぞれ、化
合物の光学活性基の絶対配置が各々S体或いはR体であ
ることを示す。
【図面の簡単な説明】
図1、図2、図3、図4及び図5は、それぞれ本発明に
係るベースSC混合物Aとカイラル化合物a、ベースSC
合物Aとカイラル化合物b、ベースSC混合物Aとカイラ
ル化合物c、ベースSC混合物Aとカイラル化合物d及び
ベースSC混合物Aとカイラル化合物eとの混合系におけ
る相図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−291679(JP,A) 特開 昭63−301290(JP,A) 特開 昭61−228420(JP,A) 特開 昭63−37186(JP,A) 特開 昭63−267763(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 ((I)式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜18の同一
    又は相異なる直鎖或いは分岐のアルキル基を示す)で表
    わされる非カイラルな化合物を20重量%〜70重量%含有
    し、及び 少なくとも下記一般式(II)〜(V)で表わされる化合
    物群から選ばれた光学活性化合物を10重量%〜50重量%
    含有し、 (上式中、R3、R5、R7及びR9はそれぞれ炭素数1〜18の
    直鎖又は分岐のアルキル基又はアルコキシ基、R4、R6
    びR10はそれぞれ炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルキ
    ル基又は炭素数1〜18のアルコキシ基、R8は炭素数1〜
    18の直鎖又は分岐のアルキル基又は炭素数1〜18のアル
    コキシ基を示し、l及びmは0〜10を表わす。又、*は
    不斉炭素遠視を示す。) コレステリック相を有することを特徴とする強誘電性液
    晶組成物。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第(1)項記載の強誘電性
    液晶組成物を利用してなる光スイッチング素子。
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